ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

全身刑事 “最強の刑事” 内藤剛志、笠松将、久松郁実、小倉優香、尾美としのり… ドラマのキャストなど…

『ドラマスペシャル「全身刑事」』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

  1. 佐村
  2. 香緒里
  3. 樋本香緒里
  4. 名瀬
  5. 九条佑香
  6. 刑事
  7. 消防士
  8. カレー
  9. 隊長
  10. お母さん
  11. 九条
  12. 事件
  13. 長間
  14. 彼女
  15. 消防署
  16. 電話
  17. 事件当日
  18. 本当
  19. パワハラ
  20. ハンマー

f:id:dramalog:20200203064425p:plain

『ドラマスペシャル「全身刑事」』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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(本ページの情報は投稿日時時点のものです。最新の配信状況は Paravi サイトにてご確認ください。)

(詳細はFODプレミアム公式ホームページにてご確認ください。)

 

ドラマスペシャル「全身刑事」[解][字]

内藤剛志主演!新シリーズ始動!!
歴代全ての刑事を包括する“最強の刑事”が誕生!!
伝説の刑事vs伝説の消防士!?
前代未聞のミステリー開幕!!

詳細情報
◇番組内容
学生時代、“伝説のクイズ王”として鳴らした海東隼人(笠松将)が、神奈川県警に来て初めての殺人事件が発生。県警捜査一課の紋田伊代(中山忍)とともに臨場した海東は、殺人容疑者として捜査線上に浮上した“伝説の消防士”と呼ばれる佐村依宏(尾美としのり)を連行する。ところが直後、海東は山手中央署の署長・羽倉樫弥(古田新太)に呼び出され、総務部の備品管理課・名瀬裕太郎(内藤剛志)を捜査に加えると告げられ…
◇出演者
内藤剛志笠松将久松郁実、小倉優香、尾美としのり中村ゆりか、鳥居かほり、六角慎司三津谷葉子冨家規政宮田早苗ダンディ坂野堀内敬子中山忍古田新太
◇脚本
根越映太
◇監督
大谷健太郎
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】関拓也(テレビ朝日
【プロデューサー】秋山貴人(テレビ朝日)、残間理央(テレビ朝日)、島田薫(東映
◇おしらせ
☆番組HP
 https://www.tv-asahi.co.jp/prime-sun/

 

 


(海東隼人)〈人生は謎の連続〉

〈それは 刑事の捜査に似ている〉

〈誰もが嘘をつき
真実を隠そうとする闇の中を

ただひたすら
「なぜ?」と問いかけ

答えを求めて走り続ける〉

〈そして 人は いつしか
全身刑事と呼ばれるようになる〉

(サイレン)

♬~

お疲れさまです 海東管理官。
私は…。

(サイドミラーをたたく音)
紋田捜査一課長代理補佐ですね?

私は…。
(サイドミラーをたたく音)

学生時代は
伝説のクイズ王と呼ばれ

警察庁に歴代トップの成績で
入られた管理官。

ですが 実際の事件は

クイズのように
簡単に解けるとは限りませんよ。

(せき払い)

本件は 私が神奈川県警に来て
最初の事件です。

私が 必ず解決してみせます。

お疲れさまです。
お疲れさまです。

♬~

甘いだけではなく
上品で爽やかな香りは

フランス最高級ブランドの香水。

恐らく 被害者は…。

(膝をたたく音)
40代前後のセレブな女性。

被害者氏名は 九条佑香さん 43歳。

住所は
横浜市中区元町6の5の1。

ここから歩いて数分の所です。

今 自宅に
捜査員を向かわせています。

所持品から 職業等を示すものは
見つかりませんでした。

♬~

財布もバッグも
高級ブランドの新作で

パリ本店の常連客しか
買えない代物です。

頻繁に海外へ行っていたとすれば
恐らく…。

(膝をたたく音)
貿易関係の会社経営者。

ん?

色は 赤 青 黄 緑 紫に加え

黄緑や青紫の基本色のみ。

各色の太さから見て…。

(膝をたたく音)
クレヨン。

正解です。

色のつき方がランダムなので

マーブルクレヨンで描いた絵に
触れたのかもしれません。

ちなみに マーブルクレヨンとは

様々な色のクレヨンのかけらを
容器に入れて

オーブンで加熱し 溶かして
ひと塊にしたものです。

で フランスと事件は
何か関係があるんですか?

それは まだ…。

あっ…
強盗目的ではなさそうですね。

フランス製の
高級バッグや財布を始め

現金やカード類も
手つかずのままです。

死因は脳挫傷

死亡推定時刻は
事件当日の夜11時前後。

遺体のそばに落ちていた
ハンマーで

背後から後頭部を殴打されたと
みられます。

このハンマー…。

(膝をたたく音)
主に 消防士が

救助活動の際に使うものです。

(ガラスを割る音)

グリップの部分が加工された
特注品のようですね。

最後の通話記録は
事件当日の夜11時。

発信先は
横浜みなと消防 佐村依宏です。

死亡推定時刻と重なりますね。

24時間勤務の消防士は

夜10時から翌朝まで
仮眠と待機の時間です。

原則 外出禁止ですが
消防署からは 歩いて数分の距離。

黙って抜け出せば
犯行は 十分に可能です。

見てください。

被害者は 以前から
この佐村という消防士に

何度も電話をかけていたようです。

それは おかしいですね。

被害者の住所 元町6の5の1は
消防署の向かい側。

あっ 本当だ!

用があるなら 電話するよりも
歩いて行ったほうが早い距離です。

わざわざ電話をかけたとすれば

嫌がらせやクレームの電話だった
可能性がありますね。

はい。
早速 確認しに行きましょう。

ちなみに 私の上司に

伝説の刑事と呼ばれる人が
いるんですが その由来は…。

(名瀬裕太郎)
この世に真実は ただ一つ!

それを 俺たちが
いち早くつかみ取る!

邪魔する奴は 誰であろうと敵だ!

徹底的に潰せ!
(一同)はい!

怖くて とても言えません。

伝説の刑事…。

(シャッター音)

どうぞ。 お疲れさまです。

管理官のおっしゃるとおり
被害者は

輸入雑貨を販売する会社の
社長でした。

この部屋で
一人暮らしをしていたようです。

♬~

しかし ブランド物で
全身固めていた割に

質素な暮らしぶりですね。

箱の中身は 開けてみないと
わからないものですよ。

ほう…。

洋服やバッグなどのブランド物を

このひと月で
大量に処分してますね。

うーん…。

会社宛ての督促状もあります。

3カ月前から 資金繰りに
苦しんでいたようですね。

でも
ビデオカメラとパソコンだけは

高価な最新式です。

中古で売っても
20万はくだりませんよ。

念のため 鑑識に調べさせます。
はい。

(佐村依宏)持ち上げるぞ!
(消防隊員たち)1 2 3!

(佐村)搬送開始!

(消防隊員)前方に障害物確認。
右に回避!

(佐村)よし!
(消防隊員)左 回避!

隣の消防署の声が
結構響きますね。

毎日こんな感じだと
文句の一つも言いたくなります。

はい。

指揮官の命令に了解した事を
端的に伝える必要があるので…。

ハハハハハハ…!

うわっ…!
何度言っても聞かない奴には

拳で語ってもらうしかないな。
コラ! おい!

普段から
「よし」と答えるのが決まりです。

管理官。
はい。

捜査に有益な情報は歓迎しますが

ただの雑学なら
事件解決後にお願いします。

…よし。

佐村依宏は
過酷な状況でも決して動じず

捨て身の人命救助で
何度も表彰を受けてきた

伝説の消防士だそうです。

取り調べの相手としては
かなり手ごわそうですね。

相手に不足なし
と言ってください。

(佐村)筒先は離すな。
死んでも離すんじゃないぞ。

(消防隊員たち)はい!

(佐村)位置につけ!
(消防隊員)よし!

(消防車をたたく音)
佐村依宏!

管理官は 早く答えたくて
仕方ないんですね。

やはりな…。

(樋本香緒里)放水始め!

佐村さん 訓練中失礼します。
だったら下がれ!

筒先を離すな!
(香織里)すみません!

もし 水が出てたら
大変な事になるんだぞ!

腕立て伏せ 30! 全員でだ!
(消防隊員たち)はい!

あの… 私のせいです。
許してあげてください。

実際の消火活動中に
彼女のミスで犠牲者が出たら

あんたに責任が取れるのか?

それは…。

管理官 失礼します。

向かいにお住まいの
九条佑香さんが

何者かによって
殺害されました。

お話を伺いたいので
署までご同行願えますか?

ちょっと待ってください!

これまで
何人もの命を救ってきた隊長が

人殺しなんて あり得ません!

皆さんもご存じですよね?
九条さんの事は。

毎日のように 佐村さんに
電話をしていたんですから。

(円城)あの人は この辺りでも
有名なクレーマーでした。

消防士が勤務中に
自販機で飲み物を買うなとか

暇潰しに筋トレするなとか。

だからといって
失われていい命などありません!

(円城)隊長は 私たちの代わりに
対応してくださっただけです。

円城 あとの訓練は お前に任せる。

隊長!

こちらです。

♬~

あの…。

(ノック)
すみません。

撮影しないでください。
捜査中です。

(長間鷲男)
なんだよ 公務員が偉そうに。

俺が何したっていうんだよ。
えっ…。

あっ あの…。
ああっ すみません。

すみません。
やめてください。

最近は 言い方一つで

警察にも
すぐクレームが入るんです。

ネットにさらされて
炎上でもしたら問題ですよ。

こちらへ。

♬~

(ノック)
海東です。

署長 お呼びでしょうか?

(羽倉樫弥)警察庁から来て早々
手こずってるようだね。

待ってください。

遺体発見から被疑者連行まで
わずか2時間56分。

この早さは 誰にも
まねできないと思います。

警察は 早さを競う所ではない。

ましてや クレヨンのうんちくを
語る所でもない。

ですが…。

必ず 私がこの手で
真実を解き明かしてみせます。

海東く~ん。

一人で背負い込むな。

捜査は 一人でするもんじゃない。

一人一人でするものだ。

えっ?

総務課の備品管理係の
名瀬さんというベテランに

捜査に加わってもらう。
はい。

彼に 刑事のなんたるかを
教わるといい。

あの 署長は この私に

備品管理係の指示に従えと
おっしゃるんですか?

彼は 1年間の休職を経て
備品管理係に異動するまでは

刑事一筋。

人生のほとんどを
刑事として費やし

様々な場面で活躍してきた。

頭のてっぺんから
足のつま先まで

彼の全身が
刑事そのものだと言っていい。

全身が刑事…?

(ノック)

ほーら 海東くん
何 ボサッと突っ立ってんだ。

名瀬さんに挨拶。
えっ?

死にたくなければ 行け。

海東です。

私の捜査本部にご参加頂き
光栄です。

なぜだ?
はい?

なぜ 俺が
お前の下で働く事が光栄なんだ?

それは…。

ああ… ひと目見て

全身から 刑事魂的な何かが
あふれ出ている方と

ご一緒できるなんて 光栄だなと。

なぜ ひと目見ただけで

俺の全てが
わかったつもりなんだ?

署長 俺は もう
刑事には戻らないと言ったはずだ。

うん。 その事は
私もずっと考えていたんだが

刑事に戻らないと言った時点では
まだ 刑事には戻ってないんだ。

そうだよな? 海東くん。

はい?

お前みたいに
勉強ができる奴にも

解けない謎が
世の中にたくさんあるんだ。

なぜかわかるか?

(せき払い)

私の勉強が足りないからです。
だから もっと勉強して

どんな事件でも解決できるように
なりたいんです。

努力は人を裏切りません。

そうか。

1次試験は不合格だ。

♬~

不合格…。

僕が この世で一番嫌いな言葉だ。

不合格という事は

合格するかもしれなかった
という事でもあるよね。

あっ 事件関係者の資料だ。

名瀬さんに勝ちたければ
頭にたたき込め。

わかりました。

この事件は 必ず私が解決します。

(ノック)

失礼します。

♬~

(せき払い)

今から 取り調べを始めます。

あなたには黙秘権がありますので

自分の不利になる事は
無理に言わなくても構いません。

名瀬さん!

名瀬さんは こちらへどうぞ。

あっ あの…
そちらの席ではない気がします。

なぜ 俺が
お前の指図を受ける必要がある?

なぜ 始めない?

わかりました。

(深呼吸)

では 始めます。

佐村さん あなたは

九条さんからの
度重なるクレームを巡って

何度も言い争いに
なっていたそうですね。

4日前にも
激しく口論していましたよね?

(九条佑香)いくら暇だからって

明けても暮れても
大声張り上げて…。

近所迷惑ぐらい考えなさい。

申し訳ありません。

でも いざという時のために
必要な訓練なんです。

あんたのほうが
よっぽど暇そうだな。

あなたが電話に出ないから
わざわざ来てあげたんでしょ。

フフフ… あら また 競馬?

公務員って いいご身分ね。

さっさと大穴当てて
私に慰謝料払ってちょうだい。

あんたみたいな奴には
外れ馬券だってやらねえよ。

フッ… 何が伝説の消防士よ。

大事な大事な表彰状
泣いてるわよ。

(競馬新聞をたたきつける音)
(佐村)どういう意味だ!?

(円城)隊長!

事件当日の夜11時頃

九条さんから
あなたに電話がありましたね?

彼女とは何を話したんですか?

所持品の中にスマホがないのは

彼女とのやり取りを
隠すためですか?

その電話を受けたあと

あなたは
みなと消防署を抜け出して

九条さんに
会いに行きませんでしたか?

あなたのハンマーが

九条さん殺害の凶器と
断定されました。

九条さんを殺害したのは
あなたですね? 佐村さん。

被害者と揉めていた あなたが
アリバイも言わないとなれば

あなたがやったと思われても
仕方がない状況です。

何も反論しないなんて
伝説の消防士も形無しですね。

(キーボードを打つ音)

あの… 供述調書って

そこまで事細かに記録する必要が
あるんでしょうか?

なぜ お前はそう思う?

調書って もう少し 要点を
かいつまんで書くものですよね?

日本語を甘く見るな。

句読点の位置がずれただけで
意味は大きく変わってくる。

一字一句
聞き漏らさないようにしなければ

自白の強要を招きかねん。

ワープロ検定かよ。

(机をたたく音)

もう一度 言ってみろ。

私におっしゃってるんですか?

当たり前だ。
聞き取れなかった。

あの わざと聞こえないように
言ったんです。

忘れてください。

ワープロ検定かよ

括弧 わざと聞こえないように
括弧閉じ」でいいんだな?

聞こえてたじゃないですか。

あんたのハンマーが
凶器として使われ

犯行時刻のアリバイもない。

なぜ それで
あんたの犯行になるんだ?

今のも 私に質問してたんですね?

答えろ クイズ王。
はい。

動機があって 凶器も自分のもの。

犯行時刻
どこにいたかも言わない以上

犯人である可能性は
非常に高いと思われます。

お前の質問は 全て答えありきだ。

えっ?

なぜ 動機があると決めつける?

騒音や筋トレのクレーム以外の理由で
殺した可能性を含めて

なぜ 考えない?

騒音トラブルが原因で
傷害事件に発展するケースは

珍しくありません。

だから まずは
この線で取り調べるべきです。

では なぜ 消防隊へのクレームが

隊長個人のスマホ
かかったんだ?

証言によれば 佐村さんは
被害者に謝罪するどころか

むしろ 挑発的な態度を
とっていたそうです。

消防隊員に対する怒りが
隊長一人に向かったとしても

不思議じゃありません。

だから あとは
アリバイさえわかれば…。

では なぜ
アリバイを言おうとしない?

24時間勤務の消防隊員は
外出禁止。

消防署にいたと言えば
容疑は晴れる。

部下の証言があれば
アリバイ成立だ。

確かに カメラで
監視されてるわけでもない限り

証言は 有力な決め手になります。

彼のデータは
全て頭に入ってるんだな?

はい。 勤務内容や給与明細

趣味の競馬で大当たりして
隊員たちに何をおごったかまで

ざっと 30年分の資料に
目を通しました。

では 聞くが 佐村さん

なぜ あんたは
消防士を続けてきた?

そんなのデータにありませんよ。

そもそも 今 ここで
聞く事でしょうか?

佐村さん どうなんだ?

黙秘する。

黙秘…
俺が この世で一番嫌いな言葉だ。

あの… 黙秘は
被疑者の立派な権利ですよ!?

♬~

なんですか?

名瀬さんが復帰されたと
聞きまして…。

あと お願いします。
(一同)はい!

皆さんにお伺いします。

事件当日の夜11時頃
消防署内で

佐村さんの姿を見かけた方は
いらっしゃいますか?

私は 夜10時から0時まで
通信業務だったので

11時には見てません。

でも 0時過ぎに仮眠室へ行く時

隊長が台所で
カレー作ってるのを見ました。

(円城)隊長!
(佐村)ん?

秘伝のカレー
作ってくださってるんですね。

おう。 あと6時間煮込めば
出来上がりだ。

秘伝のカレー?

隊長が先輩から教わった
秘伝のレシピで

夜中に8時間煮込んだものを

翌朝
振る舞ってくださったんです。

コクと甘みがあって
すごくおいしいんです。

この証言が本当なら

佐村さんは
夜10時から0時まで

消防署内にいたという事に
なりますよね?

では なぜ 佐村は
その事を言わないんだ?

それに なぜ
秘伝のカレーなんだ?

すみません
台所も拝見させてください。

そんなに 秘伝のカレーが
気になるんですか。

(円城)こちらです。

立派な台所ですね。

食材も いっぱい買い込んである。

(香織里)消防士は 勤務中
外食できないので

自炊が多いんです。

災害時の炊き出し訓練も
兼ねていて

学校やイベントで
消火訓練を行った時に

炊き出しする事もあるんです。

秘伝のカレーだけ
レシピが載ってないのは なぜだ?

隊長も メモは取らずに
舌で覚えたと言ってました。

なぜ 舌で覚えた?

それ 事件に
直接関係ないですよね。

なぜ お前は
自分の事を棚に上げる?

隊長には
そこまで聞いていません。

なぜ 聞かない!

メモさえ取っておけば
皆に伝えられた。

いつでも 誰でも作れたんだぞ!

(円城)すみません…。

これ 元々 佐村さんが
作る予定ではなかったんですか?

(円城)普段は
私たち下の代が作るんですが

最近まで
ボヤ騒ぎとかクレームとか

トラブル続きだったので

私たちを元気づけようと
隊長が作ってくださったんです。

この材料費も 佐村さんが
全て負担したんですか?

最近 競馬で万馬券が当たったと
言ってました。

大当たりした時は いつも私たちに
ごちそうしてくれるんです。

なぜ そこまで 彼を持ち上げる?

まるで 庇おうとしているようにも
見えるが…。

庇ってなんかいません!

隊長は 数々の功績で

伝説の消防士と
呼ばれてきた方ですし

厳しさの中にも優しさがある
理想の上司だからです。

理想の上司なんて
本当にいると思ってるのか?

樋本香緒里さん あなたは

その伝説の消防士とやらについて
どう思うんだ?

訓練は大変じゃないのか?

他の隊員に比べて小柄だし
線も細い。

装備品だけでも 相当な重さだ。
なあ? クイズ王。

(やかんをたたく音)

クイズ王?

今朝も 佐村さんに
厳しく指導されていましたよね?

私は 正直 訓練についていくので
精いっぱいで…。

でも 隊長のおかげで
成長できていると思っています。

たとえ それが
どんなに苦しい訓練でもか?

…もちろんです。

それは なぜだ?

それは…

わかりません。

そうか。 わかった。

ん? あっ あの…
ちなみに 樋本さんは

事件当日の夜
佐村さんの姿を見ていますか?

いいえ。 その日は体調を崩して
家で休んでいました。

休み… ですか。

♬~

また あいつだ…。

名瀬さん

今朝 佐村を任意同行する時にも
同じように盗撮していたんです。

(エンジンをかける音)
あっ…。

相手を見やがって…!

名瀬さんは ああいうの
拳銃で黙らせるんですよね?

おい 昨日 どこにいた?
どこにいたんだ!? この野郎!

撃つぞ コラァ…
撃つぞ この野郎!

まあ 冗談ですけど。
もう 昔の話だ。

えっ…
昔は冗談じゃなかったんですか?

あの…。

(電話の呼び出し音)

一課長代理補佐
一つ頼みがある。

3年前 俺が逮捕した
ストーカーの中で

一人 調べてほしい奴がいる。

わかった。 礼は弾む。

あっ… あの店 おいしそうですね。

入ってみませんか?

お前は 看板を見ただけで
味の良しあしがわかるのか?

よいしょ。

いらっしゃいませ!

2名様?

…はい!

この店 当たりでしたね!

僕 この手の運試しクイズは
得意なんです。

とりあえず
看板に偽りはなかったな。

はい!

何にしますか?

あっ… えっと…。

中華料理は
スピードが命ですからね。

チャーハン 4つ。
チャーハン 4つ!

早っ!
どんだけ食べるんですか。

お前の分も
決めてやったんだ。

中華はスピード命らしいからな。

今度の事件も
解決 早そうだったのに

全然
先が見えなくなってきました。

お前の大好きなクイズを
出してやる。

被害者は
なぜ クレーマーになった?

そういう根本的なの
逆に 答えに詰まるんですよね。

九条佑香から 初めて
クレームがあったのが3カ月前。

近所のボヤ騒ぎに
消防隊の対応が遅かったと

電話をしてきたそうです。

(佑香)「消防隊が来る前に
火が消えていたってどういう事?」

「住民に全部任せっきりって
何様のつもり?」

申し訳ございません。

通報から6分後には
到着していました。

決して 我々の対応が
遅れたわけではありません。

そもそも なぜ ボヤがあった?

出火原因は
不審火と書かれています。

犯人は まだ捕まっていません。

放火か。

なぜ 3カ月前に放火があった?

3カ月前…?

3カ月前から 資金繰りに
苦しんでいたようですね。

九条佑香の自宅に
督促状があったんですが

確か 最初の日付は
3カ月前でした。

会社が傾いたのと同時に
クレーマーになったとすれば…

まさか 憂さ晴らしで電話をしてた
って事でしょうか?

憂さ晴らしなら
ボヤは自作自演の可能性がある。

さっきの隊員は

ボヤは最近まで続いていたと
言っていた。

はい。

3カ月前まで毎週のようにあった
ボヤ騒ぎですが

ここ ひと月は起きていません。

なぜ ひと月前に
ボヤが収まったんだ?

ひと月前といえば

被害者が ブランドものを
一気に手放したのと同じ時期です。

最近 佐村が万馬券を当てたと
言っていましたよね。

金に困った被害者が
クレームをネタに佐村を脅し

逆に 殺害された。

これも… 答えありきの
決めつけでしょうか?

俺も 今のお前と同じように

真実は一つしかないと
信じてきた。

だが 世の中には

答えが一つとは
限らない事のほうが多いと

この年になって
やっと気がついた。

答えありきの取り調べは
自白の強要にも繋がりかねない。

だから 俺は そんなまねは
二度としないと誓ったんだ。

まさか 名瀬さんが
1年間休職したのは…。

(テーブルをたたく音)

自白の強要が問題になったから
とか?

正解! さすがクイズ王。
恐縮です。

大阪出身だからじゃないの?

そうかもしれん。
下の名前な 裕太郎っちゅうねん。

名瀬裕太郎
「なんで言うたろう」って…。

はい お待ち。 チャーハン4つに
シューマイ8つ。

あれ… テイクアウトって
言いましたっけ?

しかも なんか… 増えてません?
でも これなら軽減税率よ。

ああ… うん?
ただし ここは お前のおごりだ。

いや あの…
立派なパワハラ案件ですよ。

なんでもハラスメントにするな!
階級は お前のほうが上だ。

ああ…。
ありがとうございました。

お疲れさまです。
(節子)管理官。

頂きます。
あっ…。

お待ちしておりました。

おう。

横浜市青葉区在住 長間鷲男 33歳。

3年前 ストーカー規制法違反で
名瀬さんが逮捕した男性です。

この男…。

だから 名瀬さんの顔を見て
逃げたんですか。

ある女を追いかけ回し
職場まで盗撮していた。

懲りずに また
同じ事をしていたとは驚きだな。

長間は
ビデオジャーナリストを名乗り

事件現場や関係者を勝手に撮影。

その動画をネットで配信し
生計を立てていたようです。

長間に事情を聴こうとしたところ
連絡がつかず

現在 行方を追っています。

みなと消防署が見える位置に
カメラを設置し

『今日の消防署』というタイトルで
動画を公開していました。

こちらが事件当日の映像です。

(テーブルをたたく音)
佐村依宏!

時刻は 夜10時です。

秘伝のカレー?

夜中に8時間煮込んだものを

翌朝
振る舞ってくださったんです。

秘伝のカレー話は
アリバイ作りのでっち上げか…。

もう一つ
見て頂きたい映像があります。

はい。
(キーを打つ音)

(節子)九条佑香のパソコンを
調べたところ

自宅窓から消防署を
隠し撮りしたとみられる

映像が見つかりました。

(佐村)「オラ! お前 今 人が一人
死んだ事になるんだぞ」

「腕立て伏せ 30!
ほら 早くやれ!」

完全にパワハラだ…。

理想の上司が
聞いてあきれますよ。

九条佑香と佐村は
騒音のクレームで揉めたのではなく

パワハラを告発すると迫られた
佐村が

口封じで九条佑香を殺害した
可能性が出てきました。

♬~

あなたは 夜中ずっと
カレーを煮込んでいたのではなく

本当は 消防署を抜け出していた。

アリバイを黙秘したのは

出動に備えて消防署内で
待機すべきだった あなたが

規則を破ったからですか?

それとも 九条さん殺害を
隠し通すためですか?

なぜ そう思う?

いきなり 僕ですか。

なぜ お前は
答えありきなんだ?

時には 回り道も必要だ。

なぜでしょう… そんなつもりは
全くないんですが。

少なくとも その映像だけでは
どこへ行ったかはわからん。

遺体発見現場に行ったという
確証もない。

九条さんの自宅から

訓練中の隊員に
あなたがパワハラしている映像が

見つかりました。

あなたが九条さんと揉めていた
本当の理由は

その事だったんですよね?

金に困った九条さんに
パワハラを告発すると言われて

殺害した。

違いますか?

隊員たちに話を聞いたら

あなたの事を
理想の上司と言っていました。

理想の上司なんて
この世に存在すると思うのか?

いるわけないだろ。

そこだけは
そっちの刑事さんと同感だ。

伝説の消防士にしては
穏やかじゃないな。

世間体を気にしていたら

目の前の命に順番をつけて
救う仕事などできん。

時には 法も犯すし 鬼にもなるさ。

時には 規則を破る必要もある
という事だな?

隊員たちを厳しく指導するのは

どんな過酷な状況でも
的確な対応をさせるためか?

チームで動いている以上
規則は大事だが

規則に縛られて
正しい判断ができなければ

仲間の命を奪う事にもなる。
俺は常に そう思ってやってきた。

刑事さんも同じにおいがするな。

いや… 俺は
自分の事を棚に上げて

自分の考えを
押しつけてきただけだ。

あんた 樋本香緒里という隊員と
どういう関係だ?

彼女だけを厳しく
指導していたわけではない。

樋本香緒里

事件当日
体調を崩して休んだそうだな?

情けない奴だ。

理想の上司としては
一番放っておけない奴だな。

夜遅くに 慌てて署を飛び出した
あんたは

一体 誰に会いに行ったんだ?

そして なぜ その事を隠す?

仮に あんたが
殺害現場に行ったとしても

自分に容疑がすぐかかる
特注品のハンマーを

なぜ 回収しなかった?

佐村さん お願いします。
教えてください!

このままでは
何も解決しないんです

事件も あなたも 私も!

君には わからないだろうな。

そっか… わかった。

あっ…。

♬~

佐村さん
あなたが何を隠しているのか

悔しいけど
僕には まだわかりません。

でも いつか必ず
あなたの心を解いてみせます。

(船の汽笛)

樋本香緒里さん。

(香緒里)刑事さん…。

電話しても
全然 出て頂けないので

他の隊員の方に聞いたんです。

24時間勤務の翌日は
ここにいる事が多いって。

ちなみに 何してたんですか?

別に…。
ただ 景色 眺めてただけです。

もしかして 自宅には
居づらいんじゃないのか?

誰かに見られている気がして。

どうして
その事を知ってるんですか?

3年前に逮捕したストーカーが
性懲りもなく 今度は

あなたが働いている消防署を
盗撮していた。

奴の狙いは恐らく あなただ。

長間ですね。 至急 確認させます。

…にしても 名瀬さん
よくわかりましたね。

奴が3年前に盗撮した相手と
雰囲気が似ている。

むしろ
なぜ お前は気がつかない?

そう言われても さすがに
ノーヒントでは無理ですよ。

あなたを狙った盗撮映像が
もう一つ見つかった。

映っているのは 訓練中のあなたが
激しく罵倒されてる姿だ。

誰が そんなものを…。

九条佑香の自宅から
発見された。

クイズ王。

ご本人にとっては見たくないもの
かもしれませんが…。

見せてください。
私は構いません。

(佐村)「オラ! お前 今 人が一人
死んだ事になるんだぞ」

「腕立て伏せ 30!」

人によって捉え方は
違うかもしれませんが

私はパワハラとは思っていません。

最近は パワハラに関して
世間の関心が高いので

あなたがパワハラじゃないと
否定しても

九条さんが告発した時点で
大ごとになっていたはずです。

告発されたくなければ
金をよこせと

九条さんが佐村さんを
ゆすっていた可能性もあります。

このパワハラ映像に関して

九条さんとは
何か話しませんでしたか?

いいえ。 隠し撮りされていた事も
今 知りました。

彼女が殺害された日
なぜ 休んだ?

体調を崩しただけです。

確か 休みの日は
よく ここに来ると言ってたな。

でも あの日は
一日中 ずっと家にいました。

今まで 体調を崩して
仕事を休んだ事は?

ありません。

…だろうな。

どんなに訓練で しごかれても
へこたれないように見えた。

では なぜ…。

刑事さん
もう よろしいですか?

念のため スマホを見せてくれ。

見せられない… という事は

見られたくない通話履歴がある
という事ですよね?

九条さんと連絡を取り合っていた
とか

事件の日に
佐村さんに電話をしていたとか。

なぜ 今 スマホが彼女のバッグに
入っていると決めつける?

あっ… また 僕への質問ですか?

もしかして…

僕が何度かけても
電話に出ないのは

スマホを持っていないから?
それだけじゃない。

誰かに奪われた可能性だってある。

家に忘れてきただけです。
失礼します。

あっ…。

樋本香緒里が
事件当日 休んだのは

事件と
どう関係しているんでしょう?

なぜ 彼女は 自ら
一日中 家にいたと言ったのか…。

探られたくない事が
あるのかもしれん。

樋本香緒里の足取りを調べます。

♬~

おっ!
(節子)はあ…!

おお~! ありがとう。

毎度あり。
ご苦労さま。

「毎度」? えっ あの店
行った事があるんですか?

ええ もちろん。 でも 名瀬さんは
毎日 通ってますよ。

えっ 名瀬さん あの時 初めて来た
みたいな顔してましたよね。

だから 見た目で判断するなと
言っただろ。

はい どうぞ~。
ありがとうございます。

管理官 いつも ごちそうさまです。
えっ?

いただきます!
(節子)管理官 いただきます!

えっ?
自分の事は棚に上げるが

クイズ王の分も頼んでおいた。
えっ また 僕持ちですか…。

これ ハラスメントですよね?
チャーハンハラスメント。

セクハラ パワハラなら
まだ わかりますけど

最近 なんでもハラスメントって
付けますよね。

うん。 過敏になりすぎるのも
問題ですよ 管理官。

嫌な事は嫌と 率直に
言い合える関係も大切です。

相手との信頼関係か…
耳が痛いな。

なあ?
フフッ…。

お二人は昔
コンビを組んでいたんですよね?

今から思えば あの頃が
刑事人生で一番きつかった…。

あっ 痛ててて…!

あっ! ちょっと… 離しなさい!

オラァ…。

(殴る音)
うわあ…!

オラッ!

でも 名瀬さんに
指導して頂いたおかげで

ここまで やってこれました。

署長も
同じ事おっしゃってましたよ。

あの署長が名瀬さんと?

いや なんか変だなと
思ってたんですよ。

あっ…。

(伊代の声)署長も 私も

名瀬さんがパワハラ上司だなんて
思ってません。

怒ると すごく怖かったけど

でも なんでも話せる
先輩でもあったんです。

樋本香緒里も

佐村にパワハラをされたとは
思っていないと言ってたな。

2人の間に
パワハラの認識があったのか

正直 僕には
わからなくなってきました。

樋本香緒里がよく行くという
展望公園周辺を調べたところ

事件当日 彼女の姿を見た人は
いませんでしたが

夜10時半から11時半頃まで

消防士の服を着た男が
目撃されていました。

佐村とみられる男は スマホを手に
何かを探していたそうです。

樋本香緒里を
探していたのかもしれません。

消防署から展望公園までは

約30分。

つまり 佐村は
夜10時に消防署を出たあと

港と逆方向の展望公園へ向かい

死亡推定時刻の夜11時前後も

その場にいたという事になります。

恐らく佐村は
樋本香緒里に はめられたんです。

盗撮容疑で
長間の周辺を探ったところ

長間本人の行方は
依然として つかめていませんが

長間がネットに公開した
動画の中に

事件3日前 みなと署を退勤する
樋本香緒里の姿が映っていました。

(キーボードを打つ音)
(節子)こちらです。 再生します。

では 問題です。

樋本香緒里の手元を
拡大鮮明化します。

(テーブルをたたく音)

遺体のそばに落ちていた
佐村のハンマー。

樋本香緒里には
パワハラ上司の佐村を

人目につかない所に
呼び出した上で

佐村のハンマーで九条佑香を
殺害した可能性が出てきました。

樋本香緒里に話を聞きます。

香緒里の父 樋本鴨太郎 54歳。

横浜市中区在住の会社経営者です。

香緒里の母は 樋本佳奈 45歳。

香緒里の実母は

樋本の前妻の鈴香。

20年前に 隣の町工場の延焼で
焼死しています。

享年33です。

事件当日の夜11時55分

遺体発見現場近くを走っていた
車のドライブレコーダーに…

あなたの姿が映っていました。

あなたは 佐村さんのハンマーで
九条さんを殺害し

佐村さんに罪を着せた。
違いますか?

樋本香緒里さんは
なぜ 消防士になったんですか?

せっかく
人を救う仕事に就いたのに

殺人容疑で取り調べられるなんて
悲しすぎます。

子供の頃からの夢だった。
ただ それだけです。

お父さんは
大企業の経営者ですよね。

お嬢様育ちの一人娘が
消防士になりたいと言っても

親を説得するのは
大変だったんじゃないですか?

刑事さんみたいなエリートに
私の何がわかるんですか?

確かに…。

クイズなら 大抵の事は
解ける自信があります。

…ですが 僕には
人の心が解けない。

わからないんです。

中でも一番わからないのは

なぜ 人が
人を殺さなければならないのか。

クイズが得意なだけでは
誰も助けられません。

だから もっと勉強して
もっと人の心が理解できれば

事件を未然に防げるかもしれない。

そう思って
刑事になりました。

でも 会社を継がせようとしていた
うちの父には

いまだに認めてもらえません。

私も父に猛反対されました。

でも どうしても
私は消防士になりたかった。

それは 20年前に亡くなられた
お母さんの事が

影響しているんですか?

私は 父と父の前妻の間に生まれた
娘で

新しい母には
なかなか なじめず

元の母の家に
よく遊びに行っていたんです。

でも あの日…

隣の町工場から出火して…。

お母さん! お母さん!

私は消防士に救助されました。

でも… 母は逃げ遅れて
亡くなりました。

そうだったんですか…。

その事は 佐村も知っているのか?

隊長とは プライベートな話は
した事ありません。

妙な同情をされて

訓練に手心を
加えられたくないからです。

香緒里さんは 消防士に
助けられた事がきっかけで

この道を目指したんですね?

いいえ。

私 悔しかったんです。

私なら もっと早く
火を消せたのに。

あの時は 私が最初に
煙のにおいに気づいたんです。

でも 母に
声をかける事ができなくて…。

お母さん。

(樋本鈴香)もうちょっとで
できるから… 待っててね。

私 生まれつき
鼻だけはよかったんですけど

あの時の焦げたにおいと
記憶と後悔は

私の全身に
ずっと残ったままなんです。

煙のにおいに敏感だから
その能力を生かすために

消防士になったという事ですか。

私は誰よりも… 誰よりも早く
出火元に気づく事ができます。

体力は 毎日トレーニングすれば
なんとかなるし

やる気なら 誰にも負けません!

なぜ やる気で
全てが解決すると思う?

佐村隊長は
一番 そこを買ってくれています。

だから 私を見捨てなかった。

刑事さんには わかりません!

うん… わかった。

事件の翌日も トレーニングを
欠かさなかったんだな?

さっき 俺たちが会った展望公園

なぜ あそこに よく行くのか。

一人でトレーニングするには
もってこいの場所とも言える。

佐村は その事も
知ってたんじゃないのか?

まさか…。
私から話した事はありません。

佐村は
誰がハンマーを持ち出したのか

知ってる可能性がある。

消防隊の隊長が 待機中に抜け出す
という規則違反を

なぜ 犯したのか?

いくら考えても 俺には
一つの答えしか見つからなかった。

佐村が規則を破るのは
大切な仲間に危険が及んだ時だ。

規則に縛られて
正しい判断ができなければ

仲間の命を奪う事にもなる。

佐村は 規則を破り
殺人容疑で逮捕された上

黙秘して
何かを必死で隠そうとしている。

なぜか わかるか?

(ノック)

名瀬さん。

樋本香緒里の父親が
面会に来ています。

うん。

(樋本鴨太郎)どうせ 証拠もなしに
偏った捜査をしてるんだろうが

香緒里が人殺しなど
絶対にあり得ん。

すぐに解放しなければ
あんたらの上に連絡する事になる。

はい…。 取り調べは

正規の手続きにのっとって
行っています。

もちろん 容疑が晴れれば
すぐにお帰り頂きます。

あんたは 行儀良さそうで
まだ安心だが…。

そっちのあんた。

うちの弁護士によると あまり
いい評判が聞こえてこないね。

昭和を引きずった
昔ながらのやり方が

県警本部でも 随分
問題になったそうじゃないか。

まあ いい。

さあ 香緒里を返してもらおう。

世間を騒がせた責任は
娘に取らせる。

それなら文句なかろう。

香緒里さんは 消防士として
一生懸命 頑張っています。

それを認めてあげるのも
親の務めなんじゃないですか?

親の反対も聞かず
勝手に消防学校に入って

一人暮らしなんかするから
こんな面倒に巻き込まれる。

勝手に家を出ていった娘の事など
放っておけばいい。

そもそも 娘さんには

あんたのとこに戻る気など
さらさらないんだからな。

私は 娘に
できる限りの愛情を注ぎ

大事に育ててきた。

あんたみたいな暴力刑事に
私たちの何がわかる!?

殺害された九条佑香との面識は?

ハハハ… あるわけないだろう。

私には やましい事などない。

あなたの会社は 亡くなられた
九条さんの会社とも

取引がありましたよね?

私の会社は
世界中の企業を相手にしている。

そんなもの 星の数ほどある
相手先の一つにすぎん。

九条佑香は 金に困っていた。

隊長の佐村が
万馬券を当てたからといって

ゆすり相手としては
高が知れている。

何か ゆすれるネタがあれば
俺なら…

あんたを狙うがな。

あんた 刑事のくせに
なんて事 言うんだ。

なぜ 刑事だと思う?

俺の所属は 備品管理係だ。

やはり あんたは問題だな。

俺を怒らせたら
どんな目に遭うか

たっぷりと教えてやるから
覚えてろ。

昭和を引きずった盾突き方だな。

(ひじ掛けをたたく音)

昭和は64年 つまり
西暦1989年の1月7日まで。

ちなみに 僕は平成生まれなので

昭和を引きずった感じというのが
いまいち ピンときません。

なぜ お前は 何かをたたかないと
しゃべれないんだ?

僕も
昭和を引きずってるんですかね?

遅れてるな。
時代は もう 令和だぞ。

管理官 こちらです。

皆さん いらしてたんですか。

お二人が来られる頃かと思って
席を取っておきました。 ねっ?

はい。 お待ちしてました。

ありがとうございます。
ついに 念願のイートインです。

はい チャーハン4つ。
はーい。

早っ…。
中華は スピードが命ですから。

いや… 今日こそは
メニューを見た瞬間

何を食べるか
決めるつもりだったんですが…。

そう言うと思って
俺が先に頼んでおいた。

いや… わけわかんないですって。

伝説の刑事どころか
ただの問題刑事です。

樋本香緒里の父親が
言ってたとおりですよ。

確か 俺たちの上に連絡すると
意気込んでいたな。

それは大変!

延々と
はぐらかされるんでしょうね…。

はあ… なんと そんな事を?

で その うちの者というのは
一体 誰でしょうか?

で その者は うちの何者ですか?

管理官 いただきまーす。
いただきます。

(節子・海東)いただきます。
(菜乃花)どうぞ ごゆっくり。

はーい。
(名瀬・海東)いただきます。

(品戸祐人)あっ 菜乃花ちゃん。
先週の土曜 デート誘ったら

風邪引く予定だから また今度
って言ってたよね?

うん。 その時は そう言ったかも。

(品戸)でも 土曜 赤レンガ近くで
見かけたんだよね。

ピンピンしてたし。
あれ なんだったのかなあ?

なぜなのかを お答えしますと

誘われた時は
風邪引きそうだったけど

土曜になったら
引いてなかったの。

そうだったのか!
まあ いっか!

いいわけねえだろ!
名瀬さん…!

(菜乃花)ありがとうございました。

別に このお店は

私目当てで来る
お客さんばかりではないんですよ。

このお店の一番いいところは

秘伝のタレで 昔ながらの味を
かたくなに守ってるんですよ。

ゲッツ!

お客さんのラーメンは
替え玉 7回してるから

途中から だいぶ
スープが薄まってるけどね。

すいませ~ん!
長居したい年頃なんです。

ゲッツ!

事件当日の佐村は

秘伝のカレーを作っている途中に
消防署を抜け出したんですよね?

(海東の声)外に出る時
いったん 火は消したはず。

だとすれば あの日のカレーは
煮込み時間が足りなかった。

味に違いが出ても
不思議じゃありません!

♬~

お取り込み中 すいません。
(足をぶつける音)

あっ… すいません。
(せき込み)

事件翌日の朝 佐村さんの作った
秘伝のカレーを食べたと

おっしゃっていましたが

何か いつもと違ったような事は
ありませんでしたか?

いつもと違う事?

あっ…
そういえば 隊長カレーにしては

コクも甘みも
足りなかった気がします。

♬~

あっ 隊長。
(佐村)ん?

いただきます。
(佐村)おう。 好きなだけ食え。

…ん?

(円城の声)隊長が
せっかく作ってくださったのに

「今日のは いまいちだ」なんて
言えないので

鍋ごと 全部 食べました。

佐村さんに
アリバイを証言するように

頼まれたわけでは
なかったんですね?

隊長は そんな方ではありません。

九条さんは
騒音のクレームだけではなく

佐村さんに パワハラを公表すると
迫っていたようなんです。

樋本香緒里さんへの
パワハラがあったのは

あなたも ご存じでしたか?

一度 九条さんに その映像を
見せられた事があります。

(佐村)「オラ! お前 今 人が一人
死んだ事になるんだぞ」

(佑香)ほら
どう見てもパワハラでしょ?

どうして 私に
こんなもの見せるんですか?

あの子のパパは 大金持ちだから

これを見せたら
相当 お金 もぎ取れるわ。

パワハラの証言 必要な時には
協力してね。

もちろん お礼は弾むわ。

(円城の声)その時は
本気にしてませんでしたが

まさか 殺人事件になるなんて…。

ありがとうございました。

九条佑香は 樋本香緒里の父親も
狙っていたんですね。

♬~

(チャイム)

(樋本佳奈)はい。

すいません… 樋本鴨太郎さんは
ご在宅ですか?

(佳奈)あいにく 夫は外出中と
先ほど 別の刑事さん…

いえ… 備品管理係の方にも
お話ししましたけど。

備品管理係…?

樋本佳奈さんですよね。
少し お話を伺えますか?

(佳奈)私は 香緒里が6歳の時に
夫と再婚しました。

最初の1年は
香緒里が私に懐かず

前のお母さん 鈴香さんの所へ

学校帰りに
よく立ち寄っていたようです。

鈴香さんの作るカレーが
好きだったらしく

私の作るカレーは
全然 食べてくれませんでした。

なぜ 香緒里さんは

佳奈さんが作ったカレーを
全然 食べないんですか?

いえ… ある日を境に
普通に食べるようになりました。

その「ある日」とは?

火事のあと
ずっと塞ぎ込んだままの香緒里が

突然 消防士さんに
絵を描いて送ると言いながら

お母さんのカレーが食べたいと
言ってくれたんです。

(佳奈)香緒里ちゃん
何 描いてるの?

助けてくれた おじさんに
あげるの!

♬~

今日 カレーが食べたい!
カレー作って お母さん。

ちなみに その表彰状を

当時の香緒里ちゃんは
何で描かれていましたか?

えーっと 確か…
小さくて 色がまだらな…。

(テーブルをたたく音)
(2人)マーブルクレヨン!

…っていうのかしら?
私は存じ上げませんけど。

それって いつ頃の事か
覚えてらっしゃいますか?

(佳奈)確か 鈴香さんの
四十九日があった日です。

(テーブルをたたく音)
1999年12月4日 土曜日です。

(佳奈)曜日までは覚えてませんが
多分 その辺りです。

(海東の声)20年前の1999年

当時28歳の佐村の勤務先は
伊勢佐木消防署。

その時 樋本鈴香が住んでいた
アパートも

伊勢佐木町にあった。

おいしい! やっぱり
お母さんのカレーが 一番!

(海東の声)アパートの延焼で
樋本鈴香が亡くなった 49日後の

1999年12月4日
樋本香緒里の小学校で

伊勢佐木消防署による 消火訓練と
カレーの炊き出しが行われた。

(一同)いただきます!

(海東の声)それから20年経った今
横浜みなと消防署では

隊長の佐村が 隊員たちに
秘伝のカレーを振る舞っていた。

(佐村)どうだ? いけるだろ?

秘伝のカレーは
いつも おいしいです。

(テーブルをたたく音)

管理官 ひらめいたのは
事件に関係する事ですよね?

もちろん
直接 関係はありません。

ですが 時には
回り道も必要なんです。

横浜のランドマークが
一望できますね。

樋本香緒里がよく行くという
展望公園は あちらです。

…ん?

(太ももをたたく音)
名瀬さん!

遅かったな クイズ王。
名瀬さん…。

あっ… 佐村のスマホ
見つけたんですか?

どこにあったんですか?
ああ… ちょっと…。

事件当日 佐村が
通る可能性があったルートを

試しに
全部 歩いて 捜してみたんだが

結局
あのベンチの下に隠してあった。

恐らく 佐村は

彼女が自主的に
レーニングする姿を見に

毎日 ここに来ていたんだ。
事件当日の夜もな。

事件当日の夜10時
樋本香緒里から

「大事なものをお見せしたいので

今すぐ展望公園に来てください」

というメールが届いてます。

大事なもの?

夜10時半過ぎから 樋本香緒里に
何度も電話をかけています。

その時の姿が目撃されたんですね。

(せき込み)
(呼び出し音)

佐村は 深夜0時頃 消防署に戻り

翌朝8時過ぎに 24時間勤務 終了。

そのあとも 何度か 樋本香緒里に
電話をかけているが

繋がらなかったようだ。

連絡のつかない樋本香緒里が
気になり

ここへ様子を見に来た佐村が

いつものように トレーニングをする
彼女の姿を見たとしたら

どう思ったんだろうな?

俺たちが真相にたどり着くまで
佐村は 黙秘を続けるつもりだ。

なぜか わかるか?

いや… 全然わかりません。

根拠のない ただの推論だが
一つだけ 確かな事がある。

答えありきで向き合っても
奴の思うつぼだ。

クイズ王 一課長代理補佐

俺の考えを聞く気があるか?

はい。
はい。

♬~

20年前 香緒里さんの生みの親
鈴香さんが亡くなった火災現場は

当時 あなたが勤務していた
エリアだった。

あなたが消防署内で振る舞う
秘伝のカレー

本当は 鈴香さんに 作り方を
教わったのではありませんか?

刑事さんは 相変わらず
決めつけが激しいな。

炎の中から
香緒里さんを助け出したのは

佐村さん
あなただったんですよね?

(香緒里)お母さん!

お母さん!
(鈴香)香緒里…。

お母さん!
(鈴香)大丈夫? うっ…。

お母さん!

(佐村)怪我はないか? 危ないぞ。

大丈夫か!

私の事はいいから…。

香緒里をお願い!

(鈴香)うっ… ううっ…。

(佐村)必ず戻ってくるからな!

(香緒里)お母さん! お母さん!

お母さん!

同じ消防隊だった方に
当時の状況を聞きました。

香緒里さんを救出したあとも

現場へ戻ると言って聞かない
あなたを

みんなで押さえ込んで 止めた事。

そして 香緒里さんの前で

あなたが
マスクを外せなかった事…。

お母さん…。

(鴨太郎)香緒里! 香緒里!
(泣き声)

(鴨太郎)香緒里! 香緒里…!
大丈夫か? 香緒里。

(佳奈)怪我してない!?

これだけヒントがそろえば

答えは おのずと
一つに絞られます。

20年前 あなたと鈴香さんは
男女の仲だった。

(佐村)何が 伝説の消防士だ…。

俺は
取り返しのつかない事をした。

命を引き換えにしても
絶対に救わなきゃいけない女を

見殺しにしたんだ…。

では なぜ お前が救った娘さんは
消防士になったんだ?

お母さんを亡くして
塞ぎ込んでいた香緒里さんが

なぜ 消防士を目指して
再び前を向く事ができたのか?

香緒里さんの小学校で
消火訓練をした時

炊き出しをして 生徒たちに
カレーを振る舞ったそうですね。

♬~

(佐村)はい。
(児童)ありがとう。

♬~

(佐村)はい どうぞ。
きっと おいしいよ。

いらない。

お母さんのカレーじゃなきゃ嫌!

天国のお母さんがね 特別に
作り方を教えてくれたんだよ。

本当かな…。

♬~

すごい! お母さんのカレーだ!

おいしい。

お母さんね 香緒里ちゃんに
一つ お願いがあるんだって。

これからは なんでも
もりもり たくさん食べて

元気 出してねって。

うん! 約束する。

その代わり おじさん
また 香緒里にカレー作ってね。

わかった。 約束する。

秘伝のカレーの力は絶大だった。

まもなく あなたのもとに

クレヨンで描かれた表彰状が
届いたんですよね?

(消防隊員)佐村さん!
(佐村)ん?

これ 佐村さん宛てじゃないかな?

(佐村)「カレーのおじさん」…?

♬~

それから20年間 彼女を
陰から ずっと見守ってきた。

その表彰状は どこにいったんだ?

あなたの関係先を捜しても
見つかりません。

あなたが事件に巻き込まれたのは

誰かに その表彰状を
盗まれたからではありませんか?

九条佑香が殺される何日か前に
空き巣に盗まれ

九条佑香に
その事を ほのめかされた。

大事な大事な表彰状
泣いてるわよ。

だが 彼女は 問い詰める間もなく
死んでしまった。

事件当日

九条佑香から電話があったのは
夜11時。

あなたは その1時間前の夜10時に
消防署を出ていますよね?

あなたを呼び出したのは
九条佑香ではなく

樋本香緒里の
メールだったんですね?

(携帯電話の振動音)

(香緒里の声)
「大事なものをお見せしたいので

今すぐ展望公園に来てください」

(佐村の声)九条佑香が

香緒里のスマホを奪って
メールをしたんだとすれば

香緒里の身に
何かあったのかもしれないと思い

急いで 展望公園に行った。

でも 樋本香緒里は
その場に現れず

体調が悪いと言って 休んだのに

翌日 普段どおり
レーニングしている姿を見て

樋本香緒里が
九条佑香を殺害したんだと思い

庇ってきたんですよね?

あんたは
絶対に庇ったりはしない。

彼女が罪を犯したと
あんたが知ったなら

叱り飛ばして
彼女に罪を認めさせ

一から やり直しをさせるはずだ。

あんた
もう ここにいる資格はない。

帰ってくれ。

(ため息)

犯行時刻 あなたが 現場から
往復1時間かかる場所にいた事が

確認されました。

よって 佐村さん
処分保留で釈放とします。

僕は つくづく
役立たずですね。

警察庁では
さすらいのクイズ王と呼ばれ

いろんな部署を たらい回し。

神奈川県警に来て
心機一転! と思っても

フッ… このざまです。

少なくとも 私は
管理官の事を尊敬しています。

実は 私 学生時代に
さえない自分を変えたくて

クイズ王を目指して
何度も番組に出ていました。

そうだったんですか。
全然 気づきませんでした。

でも 「寝起き
ドロンコばらまきクイズ」で

必ず脱落。

(ため息)

だから 管理官に
変な意地を張ってしまいました。

申し訳ありません!

僕も さえない子供でしたが
暇で覚えた雑学を披露したら

一瞬だけ クラスのヒーローに
なれたんです。

それに味を占めて 猛勉強して

クイズ王になりました。

でも 心は
ずっと満たされないまま…。

みんなに
同じ事を言われてきました。

「で それが なんの役に立つの?」。

(児童)でもさ それが
なんの役に立つっていうの?

そんな7歳の頃を
僕は 鮮烈に覚えていますが

樋本香緒里は

母親の交際相手が佐村だと
気づいているんでしょうか?

7歳の頃に見た人の顔なんて
普通 忘れてますよね。

唯一のヒントは
子供の頃に食べたカレーと

20年後
職場で上司が作ったカレー。

同じ秘伝のレシピとはいえ

ヒントとしては
かなり難しいですね。

俺は 気づいていたと思うな。

ほら 「舌は口ほどに物を言う」って
言うじゃないか。

「目は口ほどに物を言う」ですね。

署長は どうして こんな所で
一人飯なんですか?

君には わからんだろうな。

愛妻弁当
どれほど罪作りなものか。

愛人弁当… ですね?

彼女と 彼女のお母さんが

弁当を半々にして
同じ卵焼きを作り

どっちが どっちを作ったか
クイズを仕掛けてきた。

悩んでも無駄ですよ。

恐らく 2人はグルで
署長が どう答えようと

「私の事 何もわかってないのね」と
泣きまねをし

署長の

「わかった。 これで好きなものを
食べてきなさい」を引き出し

小遣いを稼ぐ算段です。

名瀬さんがよく言う
「答えありきの自白の強要」だな。

あっ… 名瀬さんが休職したのは

自白の強要が問題になったからと
聞いたんですが

本当でしょうか?
いいえ 違います。

名瀬さんは
奥様をご病気で亡くされたあと

身辺整理のために
お休みされたんです。

奥さんに
自白を強要したと聞いたが

本当のところは よくわからん。

ただ 復帰後 やたらと

「なぜ?」って
聞くようになったのは

その奥さんへの贖罪かもしれんな。

♬~

ただいま。

(名瀬菜乃花)おかえり お父さん。
うん。

お土産。
ありがとう。

♬~

ただいま。

(鳴き声)

俺の若い上司が 菜乃花の連絡先を
知りたがってるんだが

もう少し泳がせてもいいか?

あのクイズ王
何度も会ってるのに

どうして 私が お父さんの娘だと
気づかないのかな?

菜乃花は 両親の特徴を
極端に受け継いだから

わかりにくいのかもしれんな。

あいつに似て 異常にモテるが

異常にフラれるところは
俺そっくりだ。

フラれるのは 必ず
お父さんを紹介してからでしょ。

原因が何か そろそろ自覚したら?

ハハハ…。

♬~

お母さんは
お父さんと同じ高校の2つ下。

どう見ても 美女と野獣だね。

「俺と結婚して幸せか?」と聞くと

必ず あいつは「幸せよ」と答えた。

結婚して30年以上

俺は あいつに そう答えるように
自白の強要をしてきたんだ。

だから 最期に本当の事を知って
さすがに こたえた。

(名瀬郁乃)あなたの妻でいられて
本当によかった。

ああ…。

お父さん

お母さんが 本当は
何になりたかったか知ってる?

(郁乃)菜乃花…。

郁乃 お前
本当は何になりたかったんだ?

お母さん 本当は
小説家になりたかったんだよ。

えっ…。

本当の事を言ったら

お父さんの仕事に
支障が出ると思って

お母さん 黙ってたの。

だけど 時間がある時に 少しずつ
小説 書きためてたんだよね。

郁乃 どうして
言ってくれなかったんだ。

私の夢を諦めさせたのは

あなたなのよ。

えっ…?

(郁乃)私は
あなたのラブレターを読んで

あなたの文才に嫉妬した。

だから 小説家を諦めて
あなたと結婚したの。

郁乃…。

(郁乃)だから お願い。

刑事 辞めないでね…。

♬~

郁乃!

それから しばらく休んで
復帰したのは備品管理係。

お母さんとの約束 破って
お父さん 本当にいいの?

♬~

よし 開けちゃえ!
大胆だな。

誰の娘だと思ってんのよ。

何? これ。

高校の時 郁乃に
ラブレターを書いたんだが

その時 郁乃に借りた鉛筆だ。

♬~

(郁乃)私が貸した時
もっと長かったよね。

悪い。 ちょっと書き損じた。

フフッ…。

♬~

(菜乃花)お母さんは この鉛筆

もったいなくて
使えなかったんだね。

連絡先です。

ありがとう!

「名瀬」…!?

正解は 名瀬さんの娘さん
菜乃花さんでした!

(節子)店名で
ネタバレしてたんですけどね。

いやあ… 衝撃の不正解。

もう 立ち直れません。

ついでに もう一つ 教えてやる。

菜乃花は 3年前に逮捕した長間が
盗撮しようとした女だ。

(ため息)

降参です。

もう一つ 教えてください。

名瀬さんの調書

その場の雰囲気とか
人物たちの感情が

克明に書かれていて

まるで小説みたいに
読みやすかったんですけど

そんな文章術
どこで身につけたんですか?

亡くなった母によると こう見えて
父には文才があるらしいんです。

実際 休みの日には
小説 書いてるんですよ!

菜乃花 余計な事を言うな。

骨太な警察小説ですか?

いいえ 恋愛小説です。

母が果たせなかった
小説家への夢を 父が叶えようと

未完の原稿を引き継いでるんです。

まさか! 名瀬さんに

歯の浮くようなセリフが
書けるはずがない。

だって 甘酸っぱい経験なんて
した事ないですよね?

ところが 結構あったりして。
ええっ!

例えば
短くなった鉛筆の話とか…。

さあ 仕事に戻るぞ。

(机をたたく音)

そういう事か…。

僕 箱を開けずに
中身を当てるのが得意なんです。

この中身 クレヨンですよね。

しかも 恐らくマーブルクレヨン。

使い古して 小さくなった
クレヨンのかけらを

一つにまとめて
オーブンで焼くと

一本の まだらな色のクレヨンに
なるんですが

ご存じですよね?

母は 父に捨てられ

質素な暮らしぶりでしたが
私には優しくしてくれました。

そのお守りと

使い古しのクレヨンで作った
マーブルクレヨンは

母の大事な形見です。

その なけなしのクレヨンを
使って

あなたを救った消防士に
表彰状を描いたそうだな。

その表彰状が 今 どこにあるか
ご存じですか?

あっ… 検討もつきません。
もう 20年も前の事です。

佐村は釈放した。 だから
もう 奴を庇う必要はない。

佐村さんのハンマーは
どうやって手に入れたんですか?

事件の4日前に
隊長から お借りしました。

もっと 手首のスナップ利かせろ!
(香緒里)はい!

しばらく貸してやる。
これで練習しろ。

ありがとうございます!
お借りします!

その事を知っているのは?

さあ…。 その時は
周りに誰もいませんでした。

でも 事件前日 いつもの場所で
レーニングしている間に

バッグの中から
ハンマーとスマホが盗まれて

その代わりに

九条佑香さんのメモ書きが
入っていて…。

(香緒里の声)隊長の秘密を
ばらされたくなければ

明日は欠勤して 自宅で待機してろ
と書かれていました。

だとすれば 深夜に 佐村を
展望公園まで呼び出したのは…。

私ではありません。
その前にスマホは盗まれています。

事件当日 殺害現場へ行ったのは
間違いないんですよね?

日中は家にいましたが

連絡がなかったので 深夜0時前に
九条さんの家に行きました。

九条さんは不在でしたが

ちょうど 外から戻ってくる
隊長の姿を見たんです。

隊長が外出した事に
違和感を覚えて

辺りを捜したところ…

九条さんの遺体を発見しました。

(ため息)

あっ! えっ!?

あっ…!

(香緒里の声)遺体のそばには
隊長のハンマーが落ちていて

拾おうとしたんですけど…

近くに車がやって来たので
慌てて逃げました。

…あっ!

九条さんを殺害したのは
あなたではないんですね?

私は殺していません。

隊長も私も
罠に はめられたんです!

樋本香緒里のスマホ
佐村のハンマー。

その2つを持ち去った人物を
特定できれば 事件は解決します。

なぜ その人物は
事件の4日前から

樋本香緒里が 佐村のハンマーを
預かっているのを

知っていたんだ?

2人のやりとりを見たからだと
思います。

では なぜ 見る事ができた?

消防署内にいれば可能ですが

調べたところ 他の隊員たちは
全員 食事中でした。

ですが 消防署の外からでも

2人の様子を見る事は
できたはずです。

なぜ
外から 中の様子が見られる?

盗撮です。

向かいに住んでいた九条佑香の
自宅なら可能です。

九条佑香の自宅にあった
パソコンとカメラから

長間鷲男の指紋が検出されました。

(ドアの開閉音)

♬~

どうする? 署長。

私の腹は決まっている。

どうする? 海東管理官。

長間の自宅を捜査します。

(パトカーのサイレン)

(ノック)
長間さん!

(ノック)
長間さん?

失礼します。
あっ…。

長間です。 死亡してます。

節子さん!
(節子)はい。

至急 検視官を呼んでください。
(節子)はい。

お願いします。

死亡推定時刻は
昨日9時前後。

死因は 遺体そばに落ちていた
毒物による中毒死とみられます。

それと 遺書らしきものも
見つかりました。

「消防士の樋本香緒里に」…。

(長間の声)「一方的な好意を抱いて
盗撮していた私は

会社経営に行き詰まった
九条佑香が

腹いせにボヤ騒ぎを起こす瞬間を
偶然 撮影」

「その映像で九条佑香を脅し

彼女の自宅から
向かいの消防署を盗撮していると

香緒里と消防隊長の佐村の間に
複雑な事情がある事が

わかりました」

「新たな脅迫相手として
佐村に目をつけ

パワハラで告発されたくなければ
金を出せと

佐村をゆするよう
九条佑香に命じました」

「ところが 九条佑香が
自首すると言い出したため

彼女を口封じで殺し
佐村に罪を着せる計画を立て…」

私 もう

脅したり脅されたりする事に
疲れたの…。

わかった。
今度のゆすりで最後にしよう。

(長間の声)「香緒里のバッグから

佐村のハンマーと 彼女のスマホ
盗み

九条佑香に書かせたメモで

隊長の秘密を
ばらされたくなければ

明日は欠勤して 自宅で待機しろ
と指示」

「事件当日 夜10時」

「勤務中の佐村を

香緒里のスマホから
メールで呼び出し

九条佑香には 夜11時に
佐村を倉庫街へ向かわせると

嘘をつき 殺害」

佐村じゃなくて
どうして あなたが来るのよ。

お前に自首させないためだよ。

(佑香)あっ…!
(殴る音)

(長間の声)「佐村に罪を着せるため
ハンマーを その場に置き

彼女のスマホから電話をかけて
逃げました」

「しかし 佐村の疑いは晴れ

いよいよ
捜査の手が私に迫ってきました」

「自ら 死をもって罪を償います」

「長間」

部屋から 樋本香緒里のスマホ
見つかりました。

メールの履歴から
つじつまも合っています。

確かに
つじつまは合っていますが

なぜ こんなに
すっきりしないんでしょう?

何か 大事な事が
抜け落ちてるんでしょうか?

なぜ

クレヨンで描かれた表彰状の事に
一切 触れていないのか。

7歳の樋本香緒里は

母親の形見のクレヨンで

使えば すぐに短くなる
はかないものだと知った上で

佐村に表彰状を描いた。

佐村は その表彰状を
心のよりどころにして

この20年間 懸命に生きてきた。

しかし 長間が
樋本香緒里をつけ回す中で

きっと 佐村の秘密を知ったんだ。

血の繋がった親子以上の
2人の絆を

悪用する事を思いついた。

何よ この きったない落書き!

佐村は
必ず これを取り戻しに来る。

佐村をおびき寄せるためと言って

九条佑香に
表彰状を持たせていたとすれば

遺体の指に クレヨンが
付着していた事も説明がつく。

恐らく 長間は その表彰状で
ゆすりを続けるつもりだった。

だから 絶対に捨てたりはしない。

部屋中 調べましたが
表彰状は見つかりませんでした。

長間を殺害した犯人にとって

その表彰状が見つかると
都合が悪いという事でしょうか。

佐村にとって長間は

自分と樋本香緒里を罠にはめた
張本人です。

殺害する動機は十分にあります。

でも 佐村の線はないと思います。
あの人に 人は殺せません。

よし。 こうなったら
奴に頭を下げるしかないな。

署長! 令状を頼む。

それが
上長に対して頼む物言いか!

いくら お世話になっている
名瀬さんの頼みとはいえ…!

ふんわり やってみましょう。

さすが署長だ。
俺が目をかけただけの事はある。

(ドアの開く音)

名瀬さんには
一生 逆らえんだろうなあ…。

(鴨太郎)はい。

警察です。 今から
お宅を調べさせて頂きます。

お願いします。
(節子)お願いします。

(鴨太郎)おい! ちょっと…!

ちょっと待て!
一体 なんのまねだ?

俺を誰だと思ってる!?

長間鷲男は
自殺ではなく他殺です。

死亡推定時刻 マンションの前で
目撃されてましたね

樋本佳奈さん。

♬~

お前…!

ごめんなさい…。
(鴨太郎)えっ!?

(佳奈の声)長間の事は

何度も何度も
夫をゆすりに来ていたので

知っていました。

私たち家族に近づかないでほしい
と頼みに行きましたが…。

この程度で
俺がおとなしくなると

思ってるんですか?

(佳奈の声)彼は
聞く耳を持っていませんでした。

♬~

うっ! ああっ…!

(長間のうめき声)

(鴨太郎)おい…。
(泣き声)

(鴨太郎)佳奈…。

(節子)管理官 出ました。

(佳奈)結局 私は
香緒里の母になれなかった。

香緒里に
母親として認めてもらえなかった。

(佳奈)香緒里ちゃん
何 描いてるの?

助けてくれた おじさんに
あげるの!

♬~

でも あの男を殺せば

こんな私でも
あの子を守ってあげる事ができる。

そう思ったんです…。

♬~

香緒里さんと佐村さんを
繋ぎ留めてきた この表彰状を

あなたが認めたくなかった
気持ちは わかります。

ですが なぜ 今まで
捨てずに持っていたんですか?

帰り道で
何度も捨てようと思いました。

でも 捨てようとする度

この絵を描いてた時の
香緒里の顔が浮かんできて…。

なぜか捨てられなかったんです。

ごめんなさい…。

(泣き声)

(鴨太郎)どうして!?
(泣き声)

♬~

クイズ王。
はい。

悲しい事件だな。

♬~

これで 伝説の消防士 復活ですね。

あんたは
なぜ 消防士を続けるんだ?

俺が人の役に立てるのは
これしかないからな。

役立たずと言われるまでは

炎の中から
命を拾いまくってやるよ。

その前に パワハラ
告発されないでくださいね。

肝に銘じておく。

本当 言うと
俺は あんたに嫉妬していた。

部下に恵まれて うらやましい。

今の言葉
そのまま 刑事さんに返すよ。

あの… その… まあ ねえ。

部下じゃないんですけどね。

ハハハ…。
いや 「ハハ…」じゃなくて。

お預かりしていたお守りを
お返しします。

20年前に
そのお守りに込めた思いと

20年前に そのクレヨンで
伝えようとした思いが

今のあなたを救ったんだ。

あの頃 母と一緒にいた男性の事は
顔も名前も忘れましたが

すごく
ぶっきらぼうだったのだけは

覚えてます。

(佐村)樋本! 行くぞ。

よし!

では 失礼します。

(佐村)走って戻るぞ。
(香緒里)よし!

よかったですね。
うん。

クイズ王
事件を解いて 何か変わったか?

事件は解決しても

なぜ 人が人を殺すのか
その理由は理解できないままです。

そうか。 1次試験は合格だ。

名瀬さん

事件と全く関係ない雑学を
一つ いいですか?

よし 許可する。

亡くなる時 最後まで残る感覚は
聴覚だそうです。

♬~

(郁乃)だから お願い。

刑事 辞めないでね…。

郁乃!

約束する…。

わかった! 刑事 辞めない!

人生の最後の最後まで
俺は刑事だ!

名瀬さんの言葉は
間違いなく届いています。

だから 奥さんとの約束
ちゃんと果たしてください。

そうか。

お前の下で働けて光栄だった
海東管理官。

♬~

じゃあな。

はい。

♬~

〈人生は謎の連続〉

〈それは 刑事の捜査に似ている〉

〈誰もが嘘をつき
真実を隠そうとする闇の中を

ただひたすら
「なぜ?」と問いかけ

答えを求めて走り続ける〉

〈そして 人は いつしか

全身刑事と呼ばれるようになる〉

郁乃 俺は もう悲しまない。

俺は 人生最後の最後まで
刑事であり続ける。

それが お前との約束だからな。

お疲れさまです。

他に遺留品は?

かばんが残っていましたが
身元がわかるものはありません。

♬~

身元確認を最優先で。
前歴がないか

指紋確認をお願いします。
はい。

♬~

名瀬さん…。
お待ちしておりました。

ああ。

よし やろうか。
(海東・伊代)はい!

(一同)ひとつ!
誇りを持って守り抜け!

(銃声)

(江崎哲平)
それが この国の警察ですか!?

(吉尾恵美)やっと
弱者に寄り添う人が現れた。

やっと私たちの気持ちを
代弁してくれるヒーローが現れた。

(龍岡泰邦)私刑人がなんだ?
そんなやからに何ができる?

(湖中重義)うわっ!

(松原恵子)キャーッ!

(松永しずく)
神様って いないの?

(松永祐一郎)今 この国の
どこに正義があるんだ?

今 この国の
どこに正義があるんだ!?