ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

贋作 男はつらいよ 第4話 最終回 桂雀々、常盤貴子、田畑智子… ドラマの原作・キャストなど…

『ドラマ 贋作 男はつらいよ[終](4)「夕焼けの寅やん」』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

  1. お兄ちゃん
  2. 京都
  3. お前
  4. アホ
  5. 社長
  6. 仕事
  7. 明日
  8. お金
  9. 先生
  10. タコ
  11. ミナミ
  12. 気持
  13. 祇園
  14. 自分
  15. マンション
  16. 感謝
  17. 今日
  18. 電話
  19. チョロチョロッ
  20. 間違

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『ドラマ 贋作 男はつらいよ[終](4)「夕焼けの寅やん」』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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ドラマ 贋作 男はつらいよ[終](4)「夕焼けの寅やん」[字]

寅次郎(桂雀々)は、再び旅に出ようとしていた。そこに池内青観(田中泯)と寅次郎の共通の知り合いである京都の芸者・ぼたん(田畑智子)が「くるまや」にやってきた。

詳細情報
番組内容
久しぶりに石切に帰って来た寅次郎(桂雀々)だが、再び旅に出ようとしていた。そこに偶然、池内青観(田中泯)と寅次郎の共通の知り合いである京都の芸者・ぼたん(田畑智子)が「くるまや」にやってくる。ぼたんはとても明るい性格で、「くるまや」の雰囲気はいつも以上ににぎやかになる。しかし、実はぼたんはある人物に大金をだまし取られ、それを返してもらおうと大阪に来ていたのだ。
出演者
【出演】桂雀々常盤貴子田畑智子綾田俊樹,松寺千恵美,北山雅康,曾我廼家寛太郎,福丸怜乎,田中泯笹野高史
原作・脚本
【原作】山田洋次,【脚本】山田洋次,朝原雄三

 

 


(さくら)
お兄ちゃん ほんまに行ってしまうの?

(寅次郎)わしみたいな出来の悪い
アホな兄貴が近くにおっても

お前に迷惑かけるだけや。

さいならや。 また会う時 楽しみにな。

お兄ちゃん お餞別。

かたじけない。 ありがたく頂くわ。

亭主 大事にしたりや。

満男にも よろしくな。

そしたらな。

お兄ちゃん ほんまに行ってしもた。

(竜造)30年ぶりに帰ってきよったと思たら
また行ってしまいよった。

ああいうのを ほんまもんの風来坊
フーテンっちゅうのやな。

あいつは フーテンの寅や。

(つね)アホな男やで。
妹のさくらちゃんの気持ちも考えんと。

今度は いつ帰ってきよんのやろな?

また 30年も帰ってけえへんかったら

私ら 間違いのう
三途の川 渡ってしもてるで。

帰ってくる。

けんかして出ていった昔とは違うもん。

きっと すぐに帰ってくる。

≪(ぼたん)寅さ~ん! 寅さ~ん!

ぼ… ぼたん! ぼたんやないか!

寅さ~ん。

よかった 寅さんに会えて。

ここ来たら
きっと寅さんに会えると思うててん。

うん。 よう来たな ぼたん。

うち 寅さんに会いたかってんえ。

あれ どっか出かけはるとこ?

いや どこも行かへんよ。
ちょっと散歩してたんや。

さあ わしのうち こっちや。
さあさあ 行こ行こ。
へえ。

いや~ ほんまに久しぶりやな ぼたん。

祇園 いつ来てくれはんのやろと思て

待ってたのに この薄情者。

いやいやいや
悪い悪い。 わしも忙しいねんて。

≪ここ ここ… ここ!
ここが わしの実家の団子屋や。

へえ~ えらい立派なお店やないの。

お世辞言うな。
古いだけが取り柄や。

寅 お前 もう帰ってきたんか?

はいな。
人間修業の方は どないなったん?

とりあえず
延期っちゅうことにしとこか。

延期? あっ そんなことより
あの お客さん連れてきたで。

さくら
「いらっしゃい」の一つも言わんかいな。

いらっしゃい。
これ ぼたん。

話 したやろ? 祇園の芸者の。

初めまして ぼたんどす。
よろしゅう お頼申します。

さ… さくらです。 初めまして。

嫌やわ
寅さん 独り者やって言うたくせに

こないな
きれいな奥さん いてはるやないの!

いやいや いやいや…
違う 違う 違う。 これは わしの妹や。

また そないなこと言うて ごまかして。
うちと一緒になる約束は どないすんの?

いやいやいや そんな約束
もう コロッと忘れてもうたわ。

わっ この薄情者!
痛い痛い… やめえっちゅうねん。

やめえっちゅうの… すなっちゅうのに!
もうええっちゅうのに もう…。

おっちゃんも おばちゃんも
何 ぼうっと立ってんの?

挨拶せんかいな。
突然 お邪魔して… ぼたんどす。

どうぞ よろしゅう。

(2人)は… 初めまして…。

ぼたん 勘弁してやってや。

2人ともな 石切から 一歩も
外に出たことない田舎者やさかいな

礼儀作法ちゅうもん知らんねん。

ほんで 今日は何かいな?
わしに会いに来るついでで

何かあったんかいな?
いや ちょっと ミナミの方にな…。

ミナミ? そっちの方こそ

わしに ないしょの
ええ旦那が出来たん違うんかいな。

そういうんとは違うの。
お兄ちゃん 立ち話もなんやから

上がってもろたら? ぼたんさんに。

あっ そやな。
うん。 上がれ 上がれ 上がれ。

いやいや うち
そんな 急に来て図々しい…。

いやいや 気にするなて。

あっ それやったら
石切さんへお参りしてから

後でゆっくり 話 しよか。
あっ そうしよ そうしよ!

うん 行こ行こ! よし 先 お参り行こう。
行こ行こ行こ… ぼたん ついといで。

ほな 失礼して そうさしてもらいます。
ほな行くで!

へえ。 寅さん ちょっと待って!

なにが人間修業の旅や。

子どもの頃と
ちょっとも変わってへんわ。

お茶屋なんて初めてやったからなあ。

≪いや あの時の寅さんの顔…。
(社長)
粋な芸者さん 来てるんやて? 京都から。

(笑い声)

お~ タコ! お前にも紹介しといたろ。
祇園の ぼたんおねえさんや。

初めまして ぼたんどす。
お邪魔してます。

初めまして。 僕 寅次郎君の同級生で

裏の印刷会社を経営しています
桂と申します。

なにが印刷会社経営や 一丁前に。

このタコが
さくらの旦那 つまり 博の親方や。

この夫婦の 貧しい2人の生活の
原因を作ってるのが この男や。

そんな言い方あらへんやろ?
わしかて 一生懸命やってんのやさかい。

なあ 博さん?
(博)そうですよ。

苦しい中から 毎月 きちん きちんと
月給出してもろて感謝してます。

そうよ。 感謝してます。

ありがとう 博さん さくらさん。

あ~あ 哀れな下流庶民たちやなあ。

ええか?
もろて感謝する月給ちゅうのは

遠方から 客人が来たら
なじみの料亭か お茶屋に招待する。

あちこちにある
一つ星 二つ星の名店から

あの料理を少し この料理を少しずつ
取り寄せて

できたら ぼたんみたいな別嬪の
芸者の一人でも呼んでやなあ

さあ おひとつ どうぞと
灘の生一本でお酌をさせる。

これができんような月給で
何で社長に感謝せなあかんねんな。

アホらし。 そんな
セレブみたいな生活してる人が

どんだけ いてる思てんの?
ひがむな ひがむな。

なあ ぼたん?
お前やったら それぐらいの男やないと

一緒になる気せえへんやろ?
とんでもない。

うち そんなぜいたくなこと
考えたこともあらしません。

ほな どういう人やったらええの?

お仕事柄 いろんな男の人を
見てきてはるんでっしゃろ?

そうやね う~ん…。

やっぱり 男の人は
真面目で地道に働く人に限るわ。

お金をようけ稼いでても 嫌な人は
ぎょうさん見てきたし

そういうことやなくて
家庭 奥さんや子どもを

一番に考えてくれはる人やろか。
ふ~ん そんなもんかいな。

…ということは
理想は博さんみたいな人やな。

酒は たしなむ程度。 女 博打とは
まるっきり縁がおまへんのやわ。

そういう人には
大抵 さくらさんみたいに

すてきな奥さんがいてはるんです。

あかん あかん。 博みたいな男と ぼたんが
結婚できるわけあれへんがな。

何で? 何で?
こんな退屈な男と一緒になってみ?

3日で飽きるで。
そうやろか?

そんなことありませんて!
ねえ!

そうですよ!
あれ? えらい 力入ってるやん あんた。

(笑い声)
なあ?

怪しい 怪しい… 怪しいなあ。
何なん?

(柱時計の時報)
いやっ もう こないな時間。

すっかり ごちそうになってしもて。
ぼちぼち おいとませな。

まだええがな。 なあ さくら?

ぼたんさん 明日も
ミナミに行くって言うてはったよね?

これから京都に戻って
また明日 出直すより

ここに泊まっていかはれへん?

そやそや。 それがええわ。
そうしいや。

賛成 賛成 大賛成!

うれしいけど… ミナミの用事のことで
家に電話かかってくるかもしれへんし

手紙が届いてるかも分かれへんから。
そう… 大事な用なんやね。

残念やけど。
すいません。

今日は楽しかったです。
おおきに ありがとうございました。

明日 また
用事 済ましたら おいでえや。

明日こそ
ごちそう用意して待ってるよってに。

是非 そうして。
おおきに。 ほな そうさしてもらいます。

よっしゃ 駅まで送ってったるわ。

そのまま
京都についていったりせんといてや。

分かってるがな。

ほな ごちそうさまでした。
失礼します。

何のお構いもできんと。
おおきに。 また明日ね。

また お越し。
またね。 お気を付けて。

ぼたんちゃんか…
やっぱり ええなあ 祇園の芸者さんは!

(満男)おっちゃん 動いたらあかん。

文句言うな。
タダでモデルしてやってんのやぞ。

(満男)ほかに暇な人いてへんもん。

(舌打ち)

それで お前 塾辞めて
絵画教室いうとこへ通い始めたんか?

絵は習い始めたけど 塾は辞めてへん。

今日も このあと 塾や。

金のかかるガキやなあ。
さくらたちも えらいこっちゃ。

感謝してます。

そやけど お父ちゃんたち

少子化社会で 子どもは国の宝やから
しゃあないって言うてたで。

生意気なやっちゃで。

ほれ ちょっと見してみい。

何? これ。 ちょっとも似てへんがな。

わし こんなおかしな顔してへんで。

僕には こう見えるんや
寅のおっちゃんの顔。

お前な 絵習いに行ったり 塾行く前に
目医者行け 目医者。

♬~

ハハハ…。
お疲れさま。

もうお仕事おしまい?
うん 今日は早じまいや。

ぼたんちゃん まだか?

おお~っ 今晩は ごちそうやなあ!

おい お前。
えっ?

よう そない毎晩毎晩 人の食卓に
かましい顔出せるな。

仕事が終わったら
さっさと嫁と娘のとこへ帰ったれ。

そない言うなて。

仕事のあとの一杯を
うちのカカの顔見ながら飲むのんと

ぼたんちゃんの顔を見ながら
飲むのんとでは 味が雲泥の差や。

アホたれ。 ぼたんは
お前のビールのつまみやないんやで。

≪(竜造)おい ぼたんちゃんやで!

こんばんは。
よう お越し。 さあさあ 奥へどうぞ。

お邪魔さしてもらいます。
あ~ お越しやす~。

いらっしゃい!
あ~ いらっしゃい。

ほんまに来てしもうて…。 さくらさん
これ つまらへんもんやけど 皆さんで。

ありがとう。 気ぃ遣わせてごめんね。

ぼたん 遅かったがな。
上がれ 上がれ。

あっ ほな お邪魔します。
どうぞ どうぞ どうぞ…。

用は済んだんかいな? うん いこう。

おおきに。

はい!

ええ飲みっぷりやがな。
よし 駆けつけ三杯。

どないしたん? ぼたんさん。
疲れてんのと違う?

ちょっと。 一日中 あちこち歩き回って
ちょっと しんどなってしもて。

あちこちて どこ行ってたんや?
何の用やったん?

お金のことやの。

そうか。
困った時は お互いさまやがな。

よっしゃ。 何ぼ要んねん?

400万。

そんな大金 何に使うの?

あっ 違うの。 400万円 人に貸したん。

2年ほど前に ええ儲け話があるさかい
って お客さんに言われて

なけなしの貯金 つい全部出してしもたら
それっきりになってしもて。

どういうことですか?

よかったら
もうちょっと詳しゅう 話 聞かして。

オーストラリアで
何百頭も牛を飼うてる牧場があって

そこで松阪牛並みの肉が取れる牛が
育てられるようになったって。

今 投資したら 年利の何十%にもなるて
熱心に勧められて

そのお客さんに お金預けてん。

ぼたんが 牛に投資したわけやな。

タコは黙って聞いとれ。

何か月か たって
干ばつで 牛の餌が不足して

その牧場が倒産してしもたって知らせが
郵便で来たん。 あらまあ。

慌てて
そのお客さんに連絡したんやけど

自分も被害者や言うて
経営してはった会社も閉めて

いつの間にか行方不明になって…。

お金は返ってけえへんかったんやね。

しょうもない欲出した自分が悪かった
アホやったって諦めてたんやけど

つい最近になって その社長が 大阪で
派手に遊んでるって話が伝わってきて

それで なんとか会うて
話 したいと思て 大阪に出てきたん。

それで会えたの? その人と。

それが なかなか。
昨日も今日も捜して回ってるんやけど…。

 


すいません。 ちょっと失礼します。


すいません…。

 

≪もしもし…。
なあ さくら。

お前 400万 見たことある?
あるわけないやん。

400万って 万札積み重ねたら 何か?
通天閣のてっぺんぐらいまで行くんか?

フフフフ。
一万円札が 400枚なら
せいぜい こんなもんですよ。

えっ! そんなもんかい。
見たことあんのかい?

ありませんけど。
なかったら知らんのやないかい!

何を言っとん…。
し~っ。

≪うちかて仕事休んで 来てるんです。

もう 2回も
居留守使われて たらい回しにされて。

こないな電話で済むようなことですか!?

明日こそ会うて
話 聞かしてもらわんと!

うそうそ! あんたの言うてること
全部うそや!

無一文になった人が 何で
あんな大きなマンションに住んで

外車 乗り回したりしてはるんですか!

もしもし? もしもし!?

すんません えらい大きい声出して。

電話 その人から?

明日は会えそうなん?

ミナミで何軒か お店 出してて
そこで住所は突き止めてるから

明日は何が何でも会いに行くつもり。

恥ずかしい話やけど 芸妓の仕事も

外国の観光客ばっかり増えて
稼ぎも減る一方やし。

少しでも返してもらわな

仕事も続けていかれへんように
なってしまうかもしれん。

それやのに 「もう 家に来られるのは困る。
わしかて被害者や」の一点張り。

うちが必死でためたお金
一文も返さんと

会おうとも話そうともせえへんやなんて
そんなアホみたいな話ある?

うち 悔しゅうて…。

すんません
ちょっと お手洗いをお借りします。

えげつない男がいてるもんやなあ。

わしは
何か訳ありやでと思とったんや。

今 思い出したけどな 友達にもおるわ。

その手の甘い話に乗って
痛い目に遭うたんが。

よし! わし 行ってくるわ!
どこに?

その男のとこやがな。
ちょっと… ちょっと待って下さいって。

行って どないするんですか!?

決まっとるやないか。
そいつのドタマ ど突き倒したんねん!

あかん あかん そんなむちゃしたら!

ほな どうせえちゅうねん。
とにかく落ち着いて下さい。

ええですか? 敵は相当したたかですよ。

短気起こして ど突いたりしたら
相手の思うつぼですよ!

ほたら 警察へ突き出して
出るとこ出て お裁き受けたら

ぼたんの400万
戻ってくるちゃうんかい。

そう簡単にいくかな…。

いくやろがな。 法律ちゅうもんがあるやろ
法律ちゅうもんが 日本には!

そやけど その法律ちゅうのが
また やっかいやねや。

抜け穴みたいなもんが
ぎょうさんあってな…。

まあ 寅やんは
素人で よう分からへんやろけど。

かましわ! どっちの味方やねん!

ぼたんが かわいそうやと
思わへんのかい!

やっぱり ど突き回してくる!
ちょちょ…。

お兄ちゃん 大きい声出さんといて。

寅 お前の気持ちは よう分かる。

そやけどな
これは難しい 銭のやり取りのこっちゃ。

お前やのうて もう少しは
銭のことが分かる人間が…。

あ~ そうや タコ お前
ぼたんちゃんについてったれ。

わしが?

そやね。 お兄ちゃん その方がええわ。
ねえ 博さん?

投資詐欺の一種みたいなもんで
事が複雑やからな。

義兄さんみたいに
純粋で 気持ちのまっすぐな人では…。

お前 わしのこと 要に 単純にアホや
っちゅうこと言うてんのかい。

そうやありませんよ。

なあ 社長さん 一肌脱いであげたら?

私らの中で そういう話ができんのは
社長さんだけなんやし。

そやけど
わし 昼間 仕事やさかいな…。

社長 お前 役に立つなんちゅうことは
後にも先にも これだけと違うんかい。

タコでもあかんとなったら ここで初めて
寅の出番ということで… なっ?

分かった。 おい お前

明日の晩まで 耳そろえて
400万持って帰ってこな あかんねんぞ。

ええな?
分かったけど…

えらいことになったなあ。

すんません。
もう えらい辛気臭い話 聞かしてしもて。

奥へ。
おおきに… おおきに。

実はな
ぼたん 400万円の話やねんけどな…。

今晩はもう お金の話は なし なし。
さあ 飲みましょ 飲みましょ。

パ~ッとやりましょ。
よっしゃ! 分かった。

おばちゃ~ん
ビール ちょっと持ってきて!

おおきに。 どうぞ。
ありがとう ありがとう。 よっしゃ。

はい どうぞ。 わっ すごい…。
やあ おいしそうや! へえ~!

何かもう うち 歌いましょか?
歌え 歌え… ええがな ええがな!

♬「赤い灯 青い灯 道頓堀の」

♬「川面にあつまる恋の灯に」

♬「なんでカフェーが忘らりょか」

来えへんね。

さっきのマンションでは
居留守 使うてたかもしれんけどな

多分 ここには来るで。

すんません。 お忙しいのに
こないなことに つきあわしてしもて。

かまへん かまへん。 ちょっとでも
ぼたんちゃんの役に立てたら うれしい。

そやけど遅いなあ。

毎日 2時過ぎには顔出す
言うてたのになあ。

あいつか?

(ため息)

よう 元気そうやないかい。 ええ?
よう ここが分かったなあ。

大阪の街じゅうを足が棒になるほど
歩き回らしてもらいましたから。

あっ あの~ 私 こういう者なんですわ。

ぼたんさんとは
ちょっとした知り合いで。

ハハッ 付き添いですか?
ええ まあ。

それは どうも ご苦労さま。

ほんで… 何のご用件やろか?

このことに決まってるやないの。
お金返して下さい。

この会社は潰れたんや。

正確に言うと破産した。

一切の債務 資産は清算された。

会社にも 僕個人にも
金は一銭も残ってない。

調べてもろたら すぐ分かるはずや。

そやけど
あんた こんな立派なお店持って

大きなマンションに住んでるやないの。

この店は弟のもんやし
マンションは家内の持ち物や。

僕の物なんか何にもあらへん。

ええか? オーストラリア牛の投資で
損したんは 君だけやあらへん。

僕かて ほかの大勢の人かて
大損こいたんや。

投資は完全に合法。

君が 僕を信用して お金を出した。

それが間違いやったとしか
言いようがあらへん。

あ~ 桂さん? どうでしょう
事情は こういうことなんですけどね。

まあ 私も経営者の端くれですから
大体の事情は分かります。

いや そやけどね このぼたんさんが

400万のお金を
どんな苦労をして ためたか

そこのとこを
よう考えてみてやって下さい。

そりゃ まあ あなたも被害者のお一人や。
財産も なくされたかもしれません。

そやけどね あなたの奥さんやご兄弟は
かなりのご資産をお持ちでしょう?

たとえ全額でのうても
100万や200万のお金を融通することが

今のあなたに できんことではないと
思うんですけどね。

家内や弟が 何ぼ 資産持ってたかて
あんた方には関係ないでしょう。

いや しかし ぼたんさんは
頼れる身寄りもなしに たった一人で…。

とにかく
この店で こういう話は迷惑だな。

これから 人に会う約束があるんや。

訴えてやる 裁判所に。
うち 訴える!

ああ どうぞ どうぞ!

いや 僕もね こんな所まで押しかけられて
ゴチャゴチャ言われるより

その方が よっぽどいいんだ。

(つね)いつも おおきに!
おばちゃん ごちそうさん

ありがとう! またね!

ぼたんは まだ? 遅いやないかい。
どないなってんねん!

もう さっきから何べん目?

お兄ちゃんが そない イラついて
ウロウロしても どうもならへんやないの。

ちょっとは落ち着いたら?
今 お茶いれてあげるから。

落ち着いて
茶なんか飲んでる場合 違うのや。

あない朝から出かけていってやで

今時分になっても
何の連絡も入ってけえへんねん。

どないなっとんのや おい。

≪(つね)あ~ 社長 お帰り。

ぼたん どうやった!?
金は戻ったか?

寅やん 申し訳ない。 わしという者が
ついておきながら… このとおり 堪忍や。

初めから そないなると思うたわ
ほんまに もう! えっ?

このスカタン! アホ!
寅さん やめてちょうだい!

寅やん ど突いたってくれ!

わしをど突いて
気が済むいうんやったら何ぼでも!

お兄ちゃん やめて! 社長さんかて
一生懸命やってくれたんやから!

大体 お前が わしが行くいうのを
止めるから こういうことに

なったんやないかい。 こんなタコを
頼ったんが 間違いの始まりじゃ!

そしたら 自分が行ったら
なんとかなったっていうの?

お兄ちゃん ほんまに自分の方が
社長さんより役に立つ人間やと思てんの?

わしかて どんだけ
あの男をど突いたりたかったか…。

すんません。
皆さんに ご迷惑をおかけしてしもて

ほんまに ごめんなさい。

ぼたんさん
どんな話をしたの? その相手の人と。

どうもこうもあれへん。 つまりな

あの人の出入りしてるお店も
住んでるマンションも みんな

あの人の奥さん 兄弟の持ち物
名義になってて 返すお金はない。

むしろ 出るとこ 出てもろた方が
ありがたいって… それきり。

そやけど あんたが一生懸命働いて
ためたお金やないの。

そういう言い分が通用する相手と違うの。
鬼や。

そいつだけやあらへん
そういう連中がいっぱいおるんや。

貧乏人 足蹴にして
法律を都合のええように使て

うまい汁を吸うてる金持ち連中がな。

なあ 社長?
そのとおり!

わしも それが言いたかったんや。

どないしたんや? 寅。

(階段を駆け下りる足音)

どこ行くの? お兄ちゃん。

ええか? さくら。
明日の朝 ここに警察が来て

「車 寅次郎ちゅうのは あんたの
兄さんか?」と こう聞かれたら

「確かに そういう兄貴はおったけど

30年前 家を出たっきり
今では兄でも妹でもない。

何の関係もありません」と
そういうふうに言うんやで。

そやないと あの満男が
犯罪者の甥になってまうからな。

どういうこと? お兄ちゃん。
意味が 全然 分からへん。

おっちゃん おばちゃん

短い間やったけど
ほんまに世話になったな。

長生きしてくれよ。

どこ行くんや? 寅。

決まっとるがな その男のとこや。

そいつを
二度と 表 歩けんようにしたるんじゃ。

こんなアホな話あるか?

裁判所が そいつの肩を持つんやったら
わしが代わりに落とし前つけたる。

ぼたん 任しとけ。 仇は取ったるさかいな。

寅ちゃん!

どないしよ さくらちゃん…
ええんのんか? 止めんかて。

心配することないわ。 行き先も聞かんと
どこ行くつもりなんやろか。

あっ ほんまや。

ほっといたらええねん。
すぐ帰ってきよるわ。

ごめんね 騒々しいて。

堪忍したってや 底抜けのアホやねん。

さくらさん… うち うれしい。

うち 今 ものすごく幸せな気持ち。

お金なんか もう要らん… 要らんわ。

生まれて初めてや 男の人から
あんなうれしい言葉 聞いたん。

さくらさん
うち… ほんまに ほんまに… 幸せや。

♬~

(青観)よう しばらくだな。 上がれよ。

ここで結構。
こんな夜中に すんません。

先生 わし… ぼたんのことで
ひどいこと言うてしもて

早いこと謝りに来な
あかんかったんやけど…。

気にすんな。 あの時は
俺も ちょっとムキになりすぎた。

それで こんなこと頼めた
義理やないねんけど そこを曲げて

わしの頼み 聞いてくれへんやろか?
何だい?

絵を一枚描いてほしいねん。

石切で描いたような
小さいやつやなしに

大きい紙で 色を使うて
丁寧に描いたやつを。

いやいや わしのためやないねん。

実は ぼたんが
かわいそうな目に遭うてんねん。

あいつ 一生懸命 自分でためた金を
悪い男がだまし取ってな。

こいつが ほんまに汚いやっちゃねん。

わしも なんとかしてやりたいねんけど
手も足も出えへんがな。

そこで先生に絵を一発描いてもらって
それをたたき売って…。

でかい紙やったら相当な金になるで。

なっ?
それをぼたんに渡してやりたいねん。

なあ 先生 頼んます。

サラサラッと… お頼申します。

それはできないよ… 気の毒だが。

そんなこと言わんといてくれよ。

かましいお頼みやっちゅうのは
よう分かる。

そやけど わしのためと違うねん。
ぼたんを助けるためや。 なっ?

わし ぼたんが
もう かわいそうで見てられへんねや。

気の毒だが…。

困ったな。

先生かて ぼたんのことは かわいいやろ?

だが…
つまり 俺が絵を描くってことは

これは俺の仕事なのであって
金を稼ぐためじゃないんだ。

そんな かたいこと言わんと 頼みますわ。

チョロチョロッと描いてくれたらよろし
チョロチョロッと。

寅やん! いいか。

絵描きが絵を描くってことは
真剣勝負なんだ。

チョロチョロッとなんか描けないんだ。

ぼたんのためでもか?

俺は俺のためにしか描けん。

こないだは うちの2階で
チョロチョロッと描いたやろがな。

それを右から左 売り飛ばして 20万。
正直 ええ商売やと思たで。

絵 売って金儲けすんのが何が悪い。

高い金で売っ払ってるから
こんな どでかい家に住めんのやろが。

売っ払うとはなんだ 売っ払うとは。

俺は自分の絵を売っ払ったことなど
いっぺんもないぞ。

いいか? 俺の絵が売れるのは…。

要するに描けへんのかいな!

断る!

上等やないかい。

あの陽気な ぼたんが
つらい思いしてんのに

ちょっとでも助けてやろうと
思わんのか。

あんた そんな薄情な人間やったんか。
見損のうたわ。

串カツ屋で会うた時 金はないし
行くとこはない年寄りやと思うて

情けをかけてやったんが
間違いの始まりや。

さいなら。 二度と顔も見とないわ。

(戸を閉める音)

おっちゃん おはよう。
あっ さくらちゃん おはよう。

おはよう。
おはよう!

(佳代)おはようございます。
おはよう。

おはよう。
(2人)おはようさん。

お兄ちゃん まだ帰ってけえへん?

うん。
どないしたんやろ? お兄ちゃん。

電話ぐらい してきたらええのに。
ぼたんちゃんも京都で心配してるやろ。

ひょっとして
ほんまに男のとこへ殴り込んで

刃傷沙汰になってたりして。
え~?

やめてよ おっちゃん。
冗談でもそんなこと。

いや 分からへんで
昨日の あの勢いやったら。

ミナミの警察署から
電話がかかってきて

「車 寅次郎さんというのは
お宅のご家族の方ですか?」

…てなこと聞かれてな。
もう ええ加減にして!

もしもし 石切の くるまやですが…。

お兄ちゃん!

今 どこにいんの?
どっから かけてんの?

すまなんだな 使いだてしてしもて。

どうしても行かなあかんの?

このままお別れなんて
みんな さみしがるわ。

うそでも そない思てくれるうちが花や。

おっちゃんらには
お前から よろしゅう言うといてな。

ゆうべは どないしてたん?
どこにいてたん?

ぼたんさんも お兄ちゃんが帰ってくるの
ずっと待ってたんやから。

どうしたん? ぼたんのやつ。

泊まっていくように言うたんやけど

仕事で どないしても昨日のうちに
京都に帰らなあかんかったみたい。

楽な商売と違うなあ
芸者稼業ちゅうのも。

ぼたんさん お兄ちゃんの気持ちが
ものすごう うれしいって泣いてたわよ。

そうか 泣いてたか。

そやけどな
気持ちだけでは どうにもならへん。

わしみたいなアホには
ぼたんのためにしてやれることは

ちょっともあらへん。
つくづく身にしみたわ。

今度は いつ帰ってくんの?
すぐ帰ってきてくれるんでしょう?

さあ?
おてんとさまに聞いてみな分からんなあ。

さくら 今度帰ってくる時は
お前や わしの周りの人らに

少しは役に立つ人間になって
帰ってくるからな。

その時まで元気で待っててや。

(構内アナウンス)
「4番乗り場に電車が参ります。

危険ですから
黄色い線までお下がり下さい」。

お兄ちゃん これ…。

お餞別やったら 3日前にもろたがな。

おっ…。

ハハハ…。

寅のおっちゃんにプレゼントやて。

ちょっとも似てへんがな。 わしの方が
もっとええ男やっちゅうねん。

まあええわ。 ありがたくもろうとくわ。

♬~

お兄ちゃん 体に気ぃ付けて。
元気でね。

親父譲りで体は丈夫や。

ありがとう。 世話になったな。

さいならや。

♬~

「前略 くるまやの皆様
お元気でお過ごしでしょうか。

その節は 大変お世話になりました。

本来なら 改めて
きちんと ご挨拶に伺うべきところ

日々 雑事に追われ 慌ただしく
お手紙にて失礼します。

私事になりますが 今度のことを
きっかけに身辺整理を始め

この度 長年の芸妓稼業を
廃業することにしました。

高校時代の先輩のツテで
新しい仕事を紹介されたのです。

生まれ育った京都を離れ 新しい土地で
一から出直すつもりです。

そちらでの落ち着き先が決まりましたら
また お知らせします。

末筆ながら
お世話になった 社長さんはじめ

皆様に くれぐれも よろしゅう」。

「旅に出てしまったという寅さんにも
いつかまた会えることを

楽しみにしています。 草々。
ぼたんこと 藤村真由美」。

あ~あ いっぺん見てみたかったなあ。

きれいに着飾った
芸者姿のぼたんちゃんを。

行ったらよかったやんか
社員一同 祇園へ遊びに。

今やったら まだ間に合うんちゃうか?

とんでもない!
どない資金繰りしても

うちの工場で
そんな金 ひねり出されへんがな。

あかん あかん。
ここで油売ってんのバレたら

また叱られてまうのや… ごちそうさん

お兄ちゃん 今頃 どこで何してんのやろ?

♬~

(クラクション)

(クラクション)

うるさいな 何やいな?

寅さん! やっぱり寅さんや!

ぼたん?

ぼたんやないかい!

寅さん こんなとこで会うやなんて
思てへんかったわ。

こっちのセリフや。
お前 何でここにおんねん?

仕事や 仕事。 詳しい話は
あとでするさかい 乗って 乗って 車に。

よっしゃ。
奇跡やなあ。 まさか こんなとこでなあ。

祇園の芸妓やった お前が
こんな山の中のヘルパーさんとはなあ。

360度の方向転換やなあ。

うん?

フフッ。 女は度胸。

最初は心配やったけど
案外 向いてるみたいやわ。

芸妓もヘルパーも
人を喜ばす接客業いうたら接客業やし。

なるほどな。

藤村さん いつもの歌 歌ってよ。

はい 歌ね。
ほな 手拍子お願いします。

(せきばらい)

♬「赤い灯 青い灯」
♬「道頓堀の」

♬「川面にあつまる恋の灯に」

はいはい…。
おばあちゃん お帰り。

はいよ~ はいはい どうぞ どうぞ。

あっ こんにちは。
またね… またね どうも どうも。

よいしょ… はいはい…。

ちょ… ちょっと 早く早く。
えっ 何?

こっち こっち。
はいはい… 何やねんな 見せたいもんて。

ええから ええから 早く!
「ええから」て ちょっと…。

早う 上がって 上がって!
だから 何よ?

こっち こっち!

見て。

これ 分かる?
うちのお母ちゃんを描いた絵や。

へえ~。 これ ぼたんとこのお母ちゃんか。
別嬪さんやないかい。

若い頃のお母ちゃん
青観先生が描いてくれたの。

えっ あの先生の?

先月 急に送られてきたんよ。
うち もうびっくりしてしもて。

添え書きには アトリエを整理してたら
ひょこっと出てきたって

それしか書いてへんの。

青観先生の この絵の大きさやったら
何百万 何千万っていう価値があんのに。

ほな これ売ったら
あん時の400万円ぐらい…。

売らへん 絶対売らへん!
誰が何て言おうと

青観先生が描いてくれた
お母ちゃんの絵なんか絶対に譲らへん!

うちの一生の宝物や。

ぼたん ちょっと来い!

えっ?

えっ? えっ 寅さん? どないしたん?

ちょっと…。

何よ? どないしたん?

ぼたん。
ハァ… 何よ 怖い顔して。

京都は どっちの方角や?
えっ 京都? そうや 京都や。

えっ? え~… あっちやろか?

あっちか?
ちょっと待って… こっちや。

よし…。
違う 違う 違う…。

どっちやねん 一体。
やっぱり こっちや。

こっちか よし。

何なん? 一体。

先生 わしが いつか言うたこと
どうか水に流したってや。

堪忍してや。 このとおりや。

先生 どうもありがとう。

ほんまに ありがとうございます。

ねえ タカちゃん。
おう。

京都の方角って こっちやんな?

京都? 京都 西だから… こっちだろ。

えっ? 寅さん ごめん。 こっちやて。
こっち?

待てよ…。
えっ? いや… あっちだ。

えっ あっち?
いやいや いやいや… ほんまかいな それ。

いやいや あっち…。
あっち あっち…。

多分 あっち。 違うでしょ…。
(ベル)

え~? じゃあ どっち?

あのさ 京都 どっちだ? 京都。

京都? 京都は… あっち?

えっ あっち? あっち?

あっ あっちだったっけ?
いや いや…。

いやいや いやいや… あっちだ。
あっ 最初に…。

合うてる… 合うてる? じゃあ ここで。
いや やっぱり あっちだと思います。

あっち!?
あっち? あっち?

♬~