ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

そろばん侍 風の市兵衛SP 向井理、寺尾聰、原田泰造、山本美月… ドラマの原作・キャストなど…

『正月時代劇 そろばん侍 風の市兵衛SP~天空の鷹(たか)』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

  1. 作之助
  2. 中村家
  3. 中江様
  4. 手形
  5. 付込帳
  6. 江戸
  7. 作之助殿
  8. 中江
  9. 武士
  10. 筧様
  11. 源一郎
  12. 唐木殿
  13. 父上
  14. 北相馬
  15. 市兵衛
  16. 大判
  17. お前
  18. 屋敷
  19. 家老
  20. 検校

f:id:dramalog:20200104044039p:plain

『正月時代劇 そろばん侍 風の市兵衛SP~天空の鷹(たか)』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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正月時代劇 そろばん侍 風の市兵衛SP~天空の鷹(たか)[解][字]

そろばん片手に悪を斬る、あの「風の市兵衛」が帰ってくる!市兵衛の今度の主は、息子の死の真相を探る老侍。卑劣な藩ぐるみの陰謀に、ふたりの剣がうなりをあげる。

詳細情報
番組内容
期間雇用で武家や商家の台所を預かる渡り用人・唐木市兵衛(向井理)は、かつて“相馬の鷹”と呼ばれた老侍・中江半十郎(寺尾聰)に仕えることになる。半十郎は娘の節(山本美月)とともに、北相馬藩の勘定人だった息子・作之助(中山麻聖)の死の真相を知ろうとしていた。そこには、将軍家から嫁いだ北相馬藩の正室・桝の方(斉藤由貴)の影が。卑劣な罠の待つ江戸藩邸に独り乗り込もうとする半十郎。果たして市兵衛は――!?
出演者
【出演】向井理寺尾聰原田泰造山本美月松下優也斉藤由貴中山麻聖苅谷俊介波岡一喜本田博太郎矢島健一近藤芳正利重剛,中島来星,松風理咲,加治将樹内野謙太,橋本マナミほか
原作・脚本
【原作】辻堂魁,【脚本】宮村優子
音楽
【音楽】丸山和範

 

 


♬~(祝能の謡)

こちらに。

♬~(祝能の謡)

(作之助)御婚礼は 今日であったか。

筧様は じき お見えになります。

♬~(祝能の謡)

♬~

中江を部屋に案内しました。

予定どおり 事を進めても?

今日こそを 門出にせねばならぬ。

若君も 我らも。

♬~

≪御免。

♬~

(助弥)あ~あ こいつは ひでえや。

床板まで剥がしちまって。

(渋井)
空き巣にしちゃ 念が入り過ぎてやがる。

(甲吉)
夜明け近くに 音がいたしまして。

そっと のぞいたら…。

(渋井)雲水だと?

おい そもそも ここには誰が住んでる?

(徳五郎)中江さんという御浪人が
お住まいでした。

それが 少し前から お姿が見えず…。

気に入らねえな。

浪人は どこへ消えた?

雲水は 何を探してやがったんだ?

♬~

いらっしゃいませ。
さあさあ どうぞ こちらへ。

(市兵衛)半季で2両2分か。
(矢藤太)うん。

雇い主 二百石のお旗本だったんだよ。

市兵衛さんみたいな お侍なら
是非にと おっしゃってた。

この人だ。 市ヶ谷左内町の脇坂様。

手元が不如意に違いはないが…。

(鷹の鳴き声)

どうした?

これはこれは。

中江…。
半十郎でござる。

存じてます。
そんな所でお立ちになってないで ささ。

せんだって頼んだ 用人の件なのだが。

これがね… なかなか難儀でございまして。

ひとつき2分では 安すぎるか。

それがし
北相馬から出てきたばかりの田舎侍。

江戸での相場が とんと分からず。
いえ その…。

お話の中身が ちょいと剣呑というか。

多少の色なら付け申す。

そろばんのできる者を
どうしても雇いたいのだ。

そろばんで… 剣呑。

その仕事 頂きましょう。

(節)唐木市兵衛様。
はい。

娘の節です。

唐木様 父は このところ ずっと

そろばんを使った調べ物の手伝いを
探しておりました。 伺っております。

口入屋も持て余したという
怪しげな雇い話に

あなたは ご自分から
力を貸したいと おっしゃる。

そろばんならば 多少 覚えがあります。

その多少とやら
私どもに 見極めるすべはございませぬ。

節。

わしは 唐木殿を雇う。

父上。
もはや これ以上は待てぬ。

江戸での費えは ばかにならぬ。

あ いや 唐木殿
給金のことは ご案じなく。

家宝の慶長の大判を
携えて参っての

これを 先日 両替屋で
5両55文に替えたばかりだ。

5両。
(節)そのように軽々しゅう!

田舎者につけこむ輩は
江戸に大勢いるのです。

中江様 節殿のご不審も もっとも。

いかがでしょう。 ここは ひとつ
私をお試しになられては。

(佐七)慶長の大判でございますか。

8日前 こちらで
あなたに値を付けてもらったと。

(佐七)さあて。
店には 大勢お客様が参られますから。

「慶長の大判は
今の相場で 5両がせいぜい。

100年も前には 7両2分だった頃も
あるのだが」と言っておられたが。

そして 「この大判ならば
好事家が求める故

少々 色を付けましょう」と
55文を上乗せした。

確か 享保の時代には
大判1枚が10両であったはず。

分かりました。 10両出しましょう。
それで文句はございますまい。

10両…。
これは笑止。 享保とは90年も前の話。

(佐七)じゃあ いくら欲しいってんです?

我ら 物乞いではない。
正当な値を付けて頂きたい。

先日 同じ大判1枚が
小判27両で取り引きされたと

瓦版に書いてあったが…。

ばかな! 大判1枚の両替は
17両2分が相場だ。 ハハハ…。

ほう。 知っていたのか。

慶長の大判を
17両2分の値で算じれば…。

先日 受け取り分の5両55文を
差し引いて

ここから 1両ごとに
手間賃を支払ったとして…。

これだけの差額を お願いしたい。

≪(剛右衛門)待ちやがれ!

(剛右衛門)二本差しが
無体な言いがかりをつけてるらしいが。

騙りの次は 脅しか。

食い詰め浪人が
生意気な口きくんじゃねえ この野郎…。

うっ!

てめえ! やりやがったな!

やめて!

♬~

唐木殿!

(どよめき)

節殿。

(忠次郎)申し訳ございません!
あるじでございます!

何とぞ この度のことは
これ以上 荒だてず。

25両…。

ありがとう存じます。

何だか 私 江戸へ参って初めて…
よかった…。

私を雇って頂けますか?

改めて お願いいたす。

これを読み解いて頂きたい。

これは どなたの?

節。

兄 作之助のものです。

兄は 北相馬 中村家江戸屋敷
勘定人を仰せつかっておりました。

春 病で死んだと
国許に知らせが参りました。

あまりに突然のことで
嘆く間もないまま 形見の品が届き

幾度 お城に次第をお尋ねしても

何の病か どのように亡くなったのか
一向に要領を得ず。

途方に暮れていたところ 今度は これが。

(節)亡くなる少し前
兄がしたためた文です。

もし 自分の身の上に何かがあった時は

江戸 徳五郎店の瓦職人

甲吉なる者を必ず訪ねてほしいと。

真実は 全て その中にあると。

作之助の死には 何か秘密がある。

表沙汰にできない訳が。

私は それが知りたいのです。

作之助の… 息子の
命をかけた最後の言葉を。

その真意を。

何とぞ どうか。

♬~

(節)父は 中村家に仕える足軽小頭でした。

食べるため 剣術の道場を開き

子どもたちを教えながら
兄を鍛えました。

中江様は 立ち居振る舞いが美しい。

かなり腕に覚えがおありなのでは。

相馬の鷹と そう呼ぶ者もおりました。

ただの田舎剣法ですが。

(鷹の鳴き声)

相馬の鷹…。

兄は 剣術が苦手でした。

幼き頃より得意だった そろばんで
勘定方下役に任ぜられ

昨年 勘定人として江戸勤番に。

父は 兄を認めようとはしませんでした。

剣によって主君に仕えてこそ 武士。

金勘定での出世など 恥にすぎぬと。

(節)兄が出府する朝も 言葉を交わさず…。

♬~

(節)それが永の別れとなりました。

(節)こたび 江戸へ参る時
父は 道場を畳みました。

兄の心を知り 真実が分かるまで
北相馬には戻らぬと。

♬~

(作之助)「一筆啓上奉り候。

不肖の息子である私が こたび また
ご心配をおかけすることを

お許し下さい。

しかしながら
僅かな俸禄で暮らしにあえぐ同輩や

年貢に苦しむ民の姿を
見るに忍びなく

ここに 決心をいたしました。

詳しい事情は 明かせませぬが
この手紙をお読みの後

江戸本所 中之郷 原庭町

徳五郎店の瓦職人 甲吉を
必ず お訪ね下さい。

我が振る舞いを 悪しざまにそしる輩が
現れたとしても

身を恥じるいわれは 一切 これなく。

父上の薫陶を受け
人となりました私を

何とぞ 切に
切に お信じ下さいますよう。

父上様 作之助」。

読み終わりました。

これは 付込帳といい

御家の当座の金の出入りを
記したものです。

公の記録の元と お考え下さい。

大名家では 国許から届いた米を売り

その代金と引き換えに
手形を振り出します。

しかし 差し迫って
金が入り用になった場合

まだ収穫されていない米を
見込んだ手形や

果ては 来るあてのない米をかたにした
手形を振り出して

急場をしのぐことがあるのです。

引き当てとなる米もないのに
手形を振り出すのですか?

ええ。 ですから
ご公儀も これを固く禁じています。

そのような空手形が出回っては

相場が乱れ
万民の迷惑となりますから。

表には出せない 隠れた借金が
中村家にもあるのですか?

はい。 問題は その額です。

年々 恐ろしい額で膨らんでいます。

ことに 文政二年。

その年は 将軍家の御成りが。

正室の桝の方様は
公方様の姫君でいらっしゃいます。

上屋敷の建て替えに加え
能舞台なども整えられたと。

しかし よろしいか?

この帳面には
既に手形が落ちているという印が…。

これは 前の手形を
あとに振り出した手形で

落としているのです。
借金は 何一つ 返済されてはいない。

借金を
このまま 中村家が返せなかったら…。

手形が不渡りとなれば

これまで 中村家が 禁を破って
金を工面し続けてきたことが

明らかとなり
重いとがめを受けましょう。

ご当家の中に 実情をひた隠しに
しようとする者がいるのですね。

兄は それを ただそうとした。

だから この付込帳を
お屋敷から持ち出したのですね?

それを知るためには
作之助殿の周りを当たってみなくては。

(甲吉)こちらでございます。

(甲吉)いなくなる前の日
出し抜けに頼まれたんですよ。

自分は 実は 北相馬中村家の家臣だ。

訳あって ここに身を潜めているが

明日 どうしても 櫻田通の上屋敷
行かなくちゃならねえ。

中江様 ご家老 筧様からの
伝言にございます。

明日 昼八つ
上屋敷に お越しになるようにとのこと。

甲吉殿 3日たっても
私が戻らなかったら

この手紙を
北相馬の父に送ってもらいたい。

そして その後 もし 父が訪ねてきたら…。

これを渡してほしい。

それまでは 決して 誰にも渡さぬように。

(渋井)おや?

渋井さん。 なぜ このような所へ?

お前さんこそ。

(甲吉)中江さんのお父上だそうで。

父親?

こいつは 都合がいいや。
少々 お尋ねいたします。

ここから消えてなくなった
ご子息ってのは

中村家のご家臣だったってのは
まことでございますか?

江戸屋敷にて
勘定人を勤めておりました。

やはり。 つながりましたね。
ああ。

どういうことです?

昨夜 岡場所で女が殺された。

一緒にいた男が連れ去られ
行方を捜している。

その男ってのが 中村家の中間よ。

(助弥)岡場所近くでは
大勢が 妙な雲水を見かけておりやす。

(甲吉)ここに入った空き巣も雲水でした!

空き巣?
せがれが消えた翌朝

ここを荒らした者が いたんだそうです。

助弥 行くぞ。

雲水は ただの空き巣じゃねえ。

市兵衛 これからも
分かったことは教え合おうぜ。

江戸の町は 相身互いだ。

ここを荒らした者とは 恐らく…。

あの付込帳を探していたんでしょう。

あの~ 今の話で思い出したんですが

息子さんのとこには
時々 客がありました。

(杉の市)杉の市でございます。

座頭貸しを
なりわいにしております。

はい お前さん。

どうぞ ごゆっくり。

半年ほど前でございましたか
私のところに

期日の迫った二百両の手形が
回ってまいりまして。

それは 中村家の?
はい。

しがない座頭には扱いかねると
思案しておりましたところ

親身になって下さったのが
中江様でございました。

よいお方でございましたよ。

中村家の手形は危ない。

仲間内では
そんなうわさが流れておりましたので

半ば諦めつつ
お屋敷に お伺いしたところ…。

(作之助)3日だけ待ってくれ。 頼む!

(杉の市)3日後 約束どおりに
わざわざ お届け下さいました。

そいつをね こう 私の手に…。

指が凍るように冷とうございましたよ。

手形の裏書は どなたが?

南部屋です。

中村家の米の売買を
一手に取りしきっています。

作之助殿に最後に会ったのは いつ?

年が明けて すぐでしたか…。

中江様が お亡くなりになる
たつきほど前。

明日 南部屋を訪ねてみましょう。
何も知らないはずがない。

あの者は 何か隠しています。

そう思われますか。

最後に作之助に会ったのは
死ぬ ふたつき前と。

いつ亡くなったかなど
話してもいないのに。

♬~

我ら 既に 渦の中にいるということか。

♬~

あっ 痛い 痛い!

気を付けろ このばか!
中江様!

難儀をかけるな。
足がもつれてしまってな。

あのように やり過ごすとは。

往来で もめ事となっては
けが人も出たはず。

よかった。

年の功というものでござるよ。

…や あながち 芝居とも言えぬ。

衰えました。

たとえ 剣を取ったとしても
若い頃のようには とても。

衰えたのは 腕だけではない。

ここ何日か 唐木殿と江戸を歩いて
思いました。

世を動かしているのは
もはや 剣ではないと。

唐木殿は なぜ そろばんを学ばれたのか?

広く世を知りたいと思いました。

上方の米問屋 仲買問屋を巡り
灘では酒造りを。

河内では 百姓と共に
丹精を込めて米を作りました。

世の中とは つまるところ
人が食らい 日々を暮らすことなのだと

そろばんは 私に そう教えてくれました。

そろばんなどは
武士のすることではないと思っていた。

せがれにも そう言い続けた。

父の心が分からぬかと 声も荒らげた。

だが 今 分かった。

聞いてやれば よかったのだ。
今のように。

なぜ そろばんを学ぶのか。

だが もう遅い。

中江様。

作之助殿は 幸せです。

のりをたどってくれる父上が おられる。

♬~

(信正)久保様。

(久保)おお 片岡か。

少し よろしゅうございますか。

(女中たちの笑い声)

まあ なんと豪奢な。

眺めも また一段と。

(桝の方)うら若き めおとに
似合いの よい庭。

そして よい座敷。 のう? 憲承殿。

いえ このように
ぜいを凝らした屋敷など

我らの身には余りまする。

ん~ なんと気の弱いことを。

憲承殿は 北相馬中村家 六万石の

あるじとなられる身に
ございますぞ。 うん?

(季承)桝の方の申されるとおりじゃ。

ここに至るまで
どれほど気骨が折れたことか。

せんだっての北相馬中村家と
磐城安藤家のご婚儀についてでござる。

ご両家を取り持ったのは久保様というのは
まことでございますか?

いやいや
安藤家 鶴姫様のお話を

ほんの少し 申し上げたまで。

あのように麗しい姫君が
ご世嗣と めおとになられれば

めでたいことじゃと。

なるほど。 では 鶴姫様の
ご出自についても

当然 ご存じでありましょうな。

ん? 鶴姫?

そのような所で何を?

そなたと憲承の住まいではないか。

私など。
もったいないことに ございます。

ほんに 人形のように
かわいらしい姫だこと。

(桝の方)どうか いつまでも 末永く

よきお人形でいて下さいませね。

(信正)鶴姫様は
安藤家のお生まれではなく

検校 漆原忠悦の娘 咲。

この度のお輿入れのために
安藤家ご息女として

体裁を整えられたとの
うわさでございますが。

それが 何だ?

無論 漆原検校は
盲官最高位に就く者なれば

決して卑しむつもりはございませぬ。

…が 一方 高利をもって
ご公儀重臣 大名家への金貸し業を営み

なりふり構わぬ取り立てにて
身に合わぬ ばく大な富を得ていると

忌み嫌う者も おるようでございます。

娘が 金を取り立てるわけではあるまい!

♬~

どうもどうも ありがとうございました。

(七三郎)
まことに申し上げにくいのですが

中江様は 御家のお金を使い込み
お屋敷を追われた由にございます。

何ですと?
昨年暮れでしたでしょうか。

御家の記録に 不審な繕いようがあり

留守居役の小池様のお指図で
手前どもが調べましたところ

公金が使い込まれていることが
判明いたしました。

それを作之助のなしたことと
申されるか。

お答えしづらいのですが。

ありえぬ。

これが 私どもの知る全てでございます。

その金は 手形のためだったのでは
ありませんか?

中村家が六万石の分を超え

手形を振り出しているとの
うわさが ございます。

作之助殿は
期日の迫った手形を落とすため

奔走されていたのでは? それを…

使い込みと ぬれぎぬを着せられた。

ハハ… 中村家のどなたかが
中江様を陥れたと?

そのような話
どこで お耳にされましたのか。

もしや 付込帳か何かをご覧に?

らちもない ただの用人仲間のうわさです。

(七三郎)ああ…。

せがれが 御家の金を 私するなど
ありえない。

ええ。

うわっ!
中江様 違います!

この男は 私の友です!

友?

はあ はあ…。

まことに相すまぬ。

(弥陀ノ介)
市兵衛 こたびのお前の雇い主は

強いな。 強すぎる。

相馬の鷹と呼ばれていた方だ。

た… なるほど。

して 返殿 私の勘違いでなければ

南部屋から
我らを つけてまいったようだが。

それに答える前に

少々やっかいなことに なりそうだぜ。

♬~

なるほど。

♬~

うお~!

♬~

≪やめよ!

源一郎。

お前 源一郎ではないか。

源一郎様。

お前が江戸にいたとは。

剣の腕を見込まれ
取り立てられたとは聞いていたが。

この春から ご家老 筧 帯刀様の命で
こちらに。

筧様の…。

兄と違い 剣の才があると
父が目をかけていたのです。

才などと…。

源一郎 教えてくれまいか?

作之助のことだ。

作之助が 公金を使い込み

屋敷から追われていたというのは
まことか?

兄上が 御家のお金を?
訪ねた南部屋で そう。

うそです。 兄上が そんな…。

そのように聞いております。

ならば なぜ 初めから そのように言わぬ。

筧様も小池様も
なぜ ただの病死と偽ったのだ。

恩情でございましょう。

まことを明かせば 死者にむち打ち

中江家の恥にもなるからと。

お前までもが
作之助が 公金を私したと申すのか。

父上。
あれが そのような男であったかどうか

お前が
一番よく知っているはずではないか。

そのように収めた方が
よいことも あるのです!

ここは江戸です。 北相馬のように
ただ 武士としての道を貫き

剣の腕を磨くだけでは 通じぬこともある。

それが お分かりになりませぬか!?

(源一郎)中江殿。

どうか
今のうちに 北相馬へお帰り下さい。

江戸におられるのは 危うい。

どうか。

♬~

(節)源一郎様!

私たちの力に
なってはくれないのですか。

我らの道は

とうに行き先を違えております。

♬~

父上が生きていたなら

渡りの私を どう思われたでしょう?

珍しゅうございますね。

市兵衛様が お父上のお話など。

(信正)そうだなあ 父上のことだ

さんざん
私に愚痴をこぼされたであろうな。

あれにも困ったもんだと 酒を過ごし

翌朝 頭が痛いと騒ぎだす。

ハハハハハ。
よいのですか?
そのように おっしゃって。

確かに そのような父でした。

さんざんな おっしゃりようですな。
ハハハハ。

こやつも こやつだ。
あれだけ目をかけてもらいながら

さっさと家を出ていきおって。

私は 何も返していないのですね。

どなたかな?

中江半十郎でござる。

話して頂きたい。

知る限りのことを 全て。

頼む。

お侍さんが
座頭なんかに 頭下げちゃいけません。

全てを知るのは ぬししかおらぬ。

作之助のことを
せがれのことを 私は知らぬ。

せがれの死にざまも知らずして

もはや 武士とは名乗れぬ。

(信正)
中村家の苦しい台所は 存じておるな?

将軍家姫君のお輿入れ以来
普請や供応が相次ぎ

手形の始末も ままならぬ様子。

既に破綻は目前かと。

中村家は 更に大きな後ろ盾を求め

世嗣 憲承様の正室
安藤家より鶴姫を迎え入れた。

はい。
鶴姫とは 安藤家の養女にすぎぬ。

まことは
検校 漆原忠悦の娘 咲と申す。

検校…。

(杉の市)検校とは
我らのような者が授かることのできる

最高の位でございます。

ただいまの検校 漆原忠悦様は
途方もない財をお持ちで

お旗本 お大名にまで 金子を都合し

深いつながりを お持ちでございます。

人の欲は とめどないものでございます。

我らのような者も… いや

我らのような
卑しい身分の者なればこそ

検校は 更なる力を
手に入れようと思われた。

(信正)
中村家の御正室は 将軍家の姫君だ。

金の力で
中村家を動かすことができれば

やがて ご公儀にまで
力を及ぼすことができよう。

では 六万石中村家は
金策のため 大名の名を売ったと。

(杉の市)
中江様は 婚儀に隠された秘密に気付き

意を決して お留守居役の小池様に
諫言されたのでございます。

外の者に
御家をほしいままにさせてはならぬ。

節義をもって
中村家自ら立て直すべきだと。

作之助が…。

小池様は ご家老 筧様に
必ず お聞き届け頂くよう計らう故

しばし待てと 仰せになりました。

しばらくは 裏店に身を隠しておれと。

婚儀で金策のあてがついた中村家は
残る不正や乱脈の始末を

いずれ 中江に かぶせてしまおうと
したのだろう。

だが 思わぬことが発覚した。

付込帳だな。

屋敷を出る時 作之助殿は

不正の証しである付込帳を
持ち出していた。

それが公となれば
御家ぐるみの乱脈な金策は明らか。

中村家へのおとがめも必至。

そうなる前に 作之助殿は
急ぎ 屋敷に呼び戻されたのですね。

そして その場で
使い込みの汚名を着せられ…。

切腹が命じられた。

ありえぬ!
しかるべきお調べもなく 切腹など!

ただ… 仲間内でささやかれる
うわさがございます。

中江作之助様は
江戸家老の筧様に謀られたのだと。

筧様は 恐ろしい方だと。

なぜ恐ろしいかと言えば

作之助様の切腹を見届けた者は

家中には 誰もおらぬ故と。

♬~

(雷鳴)

(作之助)「父上の薫陶を受け
人となりました私を

何とぞ 切に
切に お信じ下さいますよう。

父上様」。

[ 心の声 ] 作之助…。

(雷鳴)

♬~

(助弥)市兵衛さん! 市兵衛さん!

今朝方 仙台堀で
男の骸が あがりやした。

岡場所で消えた平治っていう中間です。

(渋井)大方のこたぁ分かった。
忙しいとこ すまなかったな。

もう帰ってもらっていいぜ。
はい。

(助弥)旦那~!

溺れ死にじゃねえな。 一太刀だ。

ためらいもなく斬ってやがる。

そのあと放り込まれた。

♬~

(小池)
付込帳は どうやら 中江作之助の父が

所持しているようにございます。

なぜ さっさと取り戻さぬ。

それが 老いぼれめが 何やら
手ごわい浪人を雇っておりまして

おいそれと手が出せぬのです。

その上 ご公儀の中には ご世嗣の婚儀と
当家の勝手向きの関わりに

疑念を抱いている者も
出てきている様子。

(筧)恐れながら

明後日の御新居での祝いの宴

これを いま少し日延べして頂くわけには
まいりませぬか。

嵐が過ぎるのを しばし お待ち下されば。

ん~ん 全てのもとは 我らと申すか。

いえ そのような。

この程度の雨嵐で
首をすくませるとは

北相馬の武士の名が泣きましょうぞ。

今なればこそ 我らが威勢を誇るのです。

さすれば
主家の先行きに不安を覚える者らも

ん~ん さすが 六万石の中村家と
胸をなで下ろしましょう。

宴は まして 華やかに。

この期に及んで日延べなど

まかりならぬ。

(節)父は 出かけております。

どちらへ?
それが 何も言わず。

洗濯物を干して戻ってきた時には もう
姿がありませんでした。

昨夜は帰りも遅く
一晩中 机に向かっていて

何を話しかけても ろくに返事もなく。

できるだけ そっとしておいたのですが…。

所詮 全ては
我が身かわいい男どもの から騒ぎ。

どうとでも なるがよい。

のう? フフッ。

さりとて 思うように遊べぬ獣は

目障りじゃ。

ご家老 筧 帯刀様に
お目にかかりたい。

何を寝ぼけたことを。
お帰りあれ。

何とぞ お取り次ぎ願いたい。

中江様!

戻りましょう。 ここにいては危ない。

存じております。
昨夜 杉の市から 全て聞き申した。

聞いた…。

中江半十郎でござる!

せがれ 作之助の最期について
お尋ねしたき儀がござる。

お答え頂けぬなら ご公儀に訴えるが
それでも よろしいか!

(源一郎)中江殿。 殿のお屋敷の門前で
このような振る舞い

許されることではありませぬぞ。

これを筧様に渡してくれ。

この中には 己の聞きたいことが
全て したためてある。

頼む。

(小池)中江半十郎。

江戸留守居役を務める小池辰五。

改めて こたびの ご子息の不幸
悔やみを申す。

なれど このように門前を騒がすとは
あまりにも無体。

即刻 引き取るがよい。

それは わしが預かる。

筧様には 私から取り次ぐ故。

まことにございますか?

うん。

一つ 尋ねる。

作之助が検分しておった付込帳が
見当たらぬ。

おぬしが持っておろう?

次に参る際 必ず持ってまいれ。

言い分は
その付込帳をもとに しかと聞く。

筧様には 必ず お目通り願えるのですね?

追って沙汰する。

♬~

行ってはなりませぬ。 これは罠です。

全て ご存じなら もう お分かりのはず。

敵は 作之助殿を陥れた者だけではない。
中村家そのもの。

金のために名を売った
六万石の大名にございます。

己から のこのこ
首を差し出しに行かれるなど

用人として見過ごすわけには
まいりませぬ。

付込帳は
しかるべき筋に お渡しします。

それがある限り
ご家老たちは 決して

中江様に 無体なことは
いたしますまい。

また その筋から 中村家に
厳しいお達しが なされるはず。

作之助殿も それで浮かばれましょう。

節殿もおられます。

武士の面目にこだわり
むやみに命を捨てることが

ご子息の本意とは思えませぬ。

ぬしは 何も分かってはおらぬ。

ただ命を長らえるが
己の役目ではない。

せがれ 作之助は
そろばんをもって お役に生き

お役に死んだ。

なれば 私も 武士として 父として

道を全うせねばならぬ。

その道理が分からぬとは

唐木殿は 所詮 渡りでござるな。

♬~

ここから先 助けは無用にござる。

では 中江は
付込帳を持ってくるというのだな?

はっ。
必ず奪い返すのだ。

ことは 全て 邸内で済ませよ。
この前のようにな。

はっ。
あ… よいことを思いつきました。

明後日の祝いの宴。

かの者は
その折に始末されては いかが?

これぞ 当家の門出にふさわしい

よき一日となりましょう。

(鳴き声)

思い出すねえ。

島原の郭で どんちゃん遊びの真っ最中だ。

お前さん 時々 そんなふうに抜け出して
ぼ~っとしてることがあったよ。

お前は 今も 遊びの真っ最中か。

ちげえねえ。

アハハハ そいつは いいや。
じゃ また頼むぜ。

毎度ありがとうございました。

中江さんとこには
行かなくていいのかい?

もう いらぬと言われた。

またまた~。

よいしょ。

(猫の鳴き声)

お前さん
何で あの時 中江さんについてった?

そこそこ いい仕事を
うっちゃりやがって。

鷹のようだと。

鷹? あのじいさんが?

なぜ そう思ったかは分からぬ。

なるほど~。 お前さんらしいや。

私らしい?

お前さん 自分が 何で
渡りなんぞやってるか 知ってるか?

俺は知ってる。

お前は むき出しになった 人ってやつが
見たいんだ。

お侍だの 百姓だの 商人だの
見てくれは どうでもいい。

ここだ。

上っ面 全部取っ払った
そいつの まことってやつが見たくって

いつも あちこち渡っていやがる。

その者の まこと…。

≪(渋井)市兵衛!

あ~あ また暑苦しい面が。

平治殺しの下手人が割れた。

長屋を荒らした男か。
おう。

関八州じゃ ちょいと知られた
祇円って殺し屋だ。

大捕り物になる。 来るか?

あいつにゃ おめえさんも いろいろ
聞きてえことが あるんじゃないか?

いや 私は…。

行けよ。
鷹のまことが 見えるかもしれねえぜ。

♬~

あそこだ。 祇円と その一味がいる。

御用だ!

♬~

おい 逃がすな!

♬~

おぬし 名は?

ただの渡りだ。 名乗るほどの者ではない。

そうだな。 我らに名など意味はない!

ぬしを雇ったのは 中村家の者だな?

付込帳を探すために。

そうだ。 人の金を湯水のように使いたい
クズどもだ。

岡場所の女も 中間の平治も 作之助殿も
皆 ぬしが斬ったのか?

中間は なぜ斬った?

あいつは 小池と中江をつなぐ使いだった。

いろいろ知り過ぎたので 斬った。

だが 中江を斬ったのは 俺ではない。

あやつは 屋敷で始末された。

そのために 国許から わざわざ
中江を知る剣客を呼び寄せたそうな。

作之助殿を知る者?

まさか…。
貧乏侍が殺し合う。 そういう趣向だ。

姫様好みのな。

姫…? 御正室が?

♬~

はっ!
うっ!

死ね~!

(祇円)中村家など

いずれは 我らと同じ 野ざらしの屍だ…。

♬~

では こちらは?
う~ん どれが いいかのう?

(桝の方)あっ 屏風は もう少し左に。

はい。

そう そこじゃ。

(節)源一郎様。

♬~

(節)父を止めて下さい。

父は 死ぬ覚悟です。

お願いです。 兄を亡くし あなたも去り…。

これ以上 誰も失いたくないのです。

もう遅い。

なぜ?
あなたも兄も 父の道場で剣を学んだ

同じ北相馬の武士ではありませんか。

フッ… 武士か。

貧しい足軽の三男坊が

満足に飯も食えず
身を立てるあてもなく…。

それでも武士か。

私は 中江殿から
剣の心というものを厳しく教わった。

だが それでは 貧しさも 己の身の上も
何一つ救うことはできなかった。

そんなことは…。

こうして 江戸へも
来られたではありませんか。

剣の腕が認められて。
呼ばれたのは 剣の腕故ではない。

作之助の幼なじみであったからだ。

それは どういう…。

はい上がるためには
しかたなかったのだ。

貧しき者は ただ 富める者に従い
何もかもを委ねるしか…。

まさか…。

中江殿が
武士の一分を通されるというのなら

私も己を通す。

阻む者は倒さねば 己が立たぬ。

では 行ってまいる。

兄を斬ったのは 源一郎殿でございます。

どうぞ… 討って下さいませ。

どうか…

あの方のためにも。

お供いたします。

渡りにも 一分のまことがあるのです。

あるじの日々の営みを支え 守り抜く。

そろばんで…。

時には 剣で。

♬~

私は ひとつき2分で
中江様に雇われました。

♬~

(鈴の音)

(鈴の音)

(笑い声)

さあ 次は 鶴姫の番じゃ。

かの者らが参りました。

次に その者らの話をするのは

つつがなく終えたという
知らせのみにせよ。

(笑い声)

中村家家老 筧 帯刀である。
面を上げよ。

まずは 中江作之助が持ち出した
付込帳を差し出すがよい。

その後 しかと そちの言い分を聞こう。

恐れながら…

その前に 私が書状にて お尋ねした事柄
すなわち

せがれ 作之助 急死の次第

更には 公金を不正に流用したと申される
一件につきまして

いま一度 子細を明らかにして頂きたく。

無礼を申すな!

付込帳は ここにござる。

得心がまいれば 必ず お返しいたす。

よかろう。

なれど おぬしの疑念
我が一存では答えられぬ。

殿に尋ねてまいる故 ここで待て。

(鈴の音)

きゃ~!
(笑い声)

唐木殿。

やはり あなたには
申し訳ないことになりそうだ。

≪(足音)

ご懸念には及びません。

渡りとしての務めを果たすまで。

♬~

命にかけて
中江様を 屋敷の外へお連れ申す。

(刀を抜く音)

存分に奮われよ。

心得た。

♬~

これは また 我々も見込まれたものだ。

てや~っ!

♬~

や~っ!

うっ!

や~っ!

おお 中山の。

そちらは 平井の征四郎か。

わしに教えを請うた者を
斬るわけにはいかぬ。

ぬしらは この場を外れておれ。

黙れ! この不忠者!

や~っ!

♬~

とうっ!

ぐあっ!

♬~

うっ!

中江殿。

上意です。

♬~

なぜ 作之助を斬った。

お覚悟を。

♬~

ぐあっ!

♬~

なぜだ。

♬~

(源一郎)命ぜられれば斬る。

そうして はい上がる!

♬~(歌声)

♬~

や~っ!

♬~

や~っ!

うおっ… ぐわ~っ!

(小池)押し包んで討て。 討てぇ~!

やっ!

♬~

その程度か。

踏み込みが甘いぞ 源一郎。

(源一郎)や~っ!

(源一郎)や~っ!

踏み込みが甘いぞ 源一郎。

私は…。

どのように生きれば よかったのか…。

♬~

作之助に会って 許しを請え。

やあっ!

♬~

とりゃ~!

やあっ!

♬~

放て!

唐木殿!

やあっ!

♬~

何をしている! 早く しとめんか!

♬~

こやつら 化けもんか…。

♬~

うっ…。

うっ… く~っ…。

ご家老!

(悲鳴)

(小池)殿! 殿!

申し上げます。 かの くせ者2名
いまだ討ち取れず。

弓隊をもってしてもか!

およそ二十数名が 手傷を負い

既に絶命した者も数知れず。

筧様も傷を負い
ただいま お部屋にお連れしたところ。

ばかな!

ばかな…。

殿!
父上!

殿!

(憲承)誰か 水を持ってまいれ!

(鶴姫)殿!
(憲承)殿! しっかりなされませ。

お方様 どちらへ。

顔を見る。

お方様 危のうございます。

お方様! お方様!

はあ はあ はあ…。

面を見せよ。

♬~

なるほど。
お前たちの その面構え それが

この家を滅ぼす者の顔であるか。

フフフ…。

♬~

下郎。

決して 屋敷より出してはならぬ!

♬~

中江様!

♬~

唐木殿 先に。

わしは もう…。

なりませぬ!

(風の音)

風が…。

北相馬は 海の風が 季節をささやく。

嵐となり 凪となり

ただ生きよと…。

唐木殿。

あなたのようだ。

中江様。

風の市兵衛… 生涯 忘れませぬ。

あなたを生きて帰す!

それが 私の仕事だ。

♬~

(いななき)

兄上…。

♬~

(信正)鎮まれ!

公儀 目付 片岡信正である。

天下の往来で 騒動に及ぶとは 不埒千万。

鎮まらねば ただでは済まさぬぞ!

♬~

ありがとうございました。
また お待ちしております。

そうか 家老は 傷がもとで死んだか。

家は取り潰し 留守居役は切腹 …と。

それでも 中村家は残った。

殿様は 寝たきりとなったが
ご世嗣が 家督を相続されたそうだ。

漆原検校が働きかけたのだ。

ふ~ん。

検校の娘が いよいよ 大名家御正室か。

そりゃ 先の御正室が黙ってはおるまい。

それよ。

何故 私が出家せねばならぬ!

殿は まだ亡くなっておらぬ!

父上の平癒祈願にござります。

また 騒動が ここまで及びました以上

母上にも 責めを負うて頂かねば。

言われるままに輿入れし

言われるままに髪を下ろし…。

何一つ 思うようにならぬ。

承服できぬ!

お方様! お方様!
どけ!

お待ち下さい!
あっ!

(鶴姫)お方様!

どうか お気を おしずめ下さいませ。

お前ごときが姫じゃと?

(憲承)おやめ下され!

この者は 私の妻。

中村家六万石の正室にございます。

憲承様…。

そう計らったのは
母上ではございませぬか。

潔く 身をお引き下さいませ。

見てきたように話すのだな ぬしは。

見てきたのだ… 瓦版でな。

この!
なっ!

よさぬか 2人とも。

市兵衛さんよ お客さんだ。

明日 父と共に北相馬に帰ります。

さようですか。
それで

宰領屋さんが
私から当人に渡してやってくれと。

ひとつき2分という お話でしたが

お約束のお給金だけでなく

そろばん以外にも
たくさん お仕事をして頂きましたので

その分の手当を 一日3朱として…。

こたびの騒動で負われました

傷の薬代が こう。

しめて これで よろしいですか?

そろばんを?
はい。

長屋のご老人から
手ほどきを受けました。

国で寺子屋を開くつもりです。

作之助殿のそろばんですね。

兄のような者を育てます。

♬~

せん別に これを。

はなむけです。 寺子屋を開く節殿に。

私は 渡りの用人。

決められた給金以外は 頂きません。

唐木様。

ありがとうございました。

♬~

♬~