ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

いだてん 総集編 第二部(前編)阿部サダヲ、中村勘九郎、綾瀬はるか… ドラマの原作・キャストなど…

『「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」総集編 第二部(前編)』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

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『「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」総集編 第二部(前編)』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」総集編 第二部(前編)[解][字]

日本に初めてオリンピックを呼んだ男、田畑政治。水泳総監督と新聞記者の二足のわらじで大活躍。1940年大会の東京招致のために奔走する。

詳細情報
番組内容
日本に初めてオリンピックを呼んだ男、田畑政治。水泳総監督と新聞記者の二足のわらじで大活躍。1940年大会の東京招致のために奔走する。
出演者
【出演】阿部サダヲ中村勘九郎綾瀬はるか麻生久美子桐谷健太星野源森山未來神木隆之介夏帆薬師丸ひろ子役所広司,【噺・出演】ビートたけし
原作・脚本
【作】宮藤官九郎

 

 


(孝蔵)<大正12年
未曽有の大地震 関東大震災の直後

この人が声を上げました>

(治五郎)人々が希望に向かうための
最たる力であると信じ

第8回 パリ国際オリンピックへの
参加を決意する。

<パリオリンピックの予選を
断行したのです。

そうなるってえと この人の出番>
(四三)どぎゃんすっか~!

こんな時にオリンピックですか?

こんな時だからこそ
スポーツが人々に力を与えるんです!

<金栗四三 34歳>

おめでとう~!
いやいやいや…。

<まさかの
3度目のオリンピック出場です。

パリオリンピックへ向けて 韋駄天が
猛練習を開始した そのころ…>

(田畑)うわっ!

な… 何だよ!
すんまっせん!

<一人の学生が 新聞社の面接に
向かっておりました>

さあ 社長 日本泳法とクロールの一騎打ち
どっちが勝ったと思います?

ねっ 社長 社長!

クロールは 茨木中の高石勝男
対する 我が一高の松澤一鶴

片抜手一重伸だ。
さあさあ 社長 どっちだ!?

(村山)あっ クロールかね?
そう! 違~う!

僅差で松澤が勝ったんです~。

(緒方)いや 参ったな… 好きなスポーツは
何か 聞いただけなんだけど。

水泳です。
だろうね。

じゃあ 希望する部署は運動部かね?

政治部です。 えっ?
政治がやりたくて来ました。

(村山)あ~
名前も「政治」と書いて「まさじ」だしね。

あっ! アッハハハハ…!
(村山)そんなに面白いかね?

君の友達や仲間が いい選手なのは
よく分かった。

さすが頭いい。
…で 君は何なの?

何なんでしょう?
(緒方)こっちが聞いてるんだよ。

(村山)君自身は泳がんのかね?

医者に止められましてね…
病気したんです。

慢性盲腸炎と大腸カタルを
併発しておるに。

あ~ 痛い…。
(うら)じゃ 泳ぎは?

ううん! やめさせにゃあいかんら。

(うら)田畑の家は代々
男らが体の弱い家系だで。

でも よかったと思ってます。

泳ぎは好きだが 人並みで 続けていても
選手としては大成せんでしたからね。

ハハハハ!
もう一度 聞くがね
希望は政治部でいいのだね?

はい。 でも 水泳は続けますよ。

日本を世界レベルにするまでは。

世界?
いずれ 世界一になります。

<そう
この男こそ 河童のまーちゃんこと…>

プハ~ッ!

<オリンピックの革命児 田畑政治

若い頃から指導者として名を成し
水泳日本を世界に知らしめた。

戦前のオリンピックを経て

戦争の時代を生き抜き

実に半世紀を
オリンピックと共に駆け抜けた男>

東京で ナニしたいと考えてる。

<ついに1964年
東京に オリンピックを呼ぶのです>

東京!

(志ん生)
というわけで 第二部は河童編です。

(五りん)よっ 第二部! よっ 第二部!
(拍手)

♬~

「よ~うっ!」
(鼓の音)

♬~

何が何でも金メダル いいな!

♬~

トウキョウ!
(歓声)

♬~

「よ~うっ!」
(拍子木の音)

(孝蔵)<念願の政治部に配属となった
まーちゃんですが…>

はっ…。

何だ このオリンピックの記事は!
あれ? 田畑?

やい 運動部! どういう了見で
こんな記事 書くのかね!?

(尾高)どこのどいつだ?
政治部の田畑だ!

(河野)貴様が浜名の河童記者か。

校閲部の河野だ。
何が気に食わん?

これだよ!
岸の写真が真ん中にあるのも

陸上の連中ばかりが大きく扱われとるのも
気に食わん!

当然だろう!
陸上の方が水泳より上なんだから。

何だと!? 俺に言わせりゃ あれだよ

ストックホルムから3大会も出てだな
メダルに手も届かん陸上なんてのは

恥さらしだ! やめた方がいい。
何だと!?

大ベテランの金栗四三先生はじめ…。

金栗!? このおっさん まだ走ってんの?

断れよ みっともない!

30半ばのおっさんが 今更勝てる?
勝てないよ~!

(河野)先生を侮辱するな。

<悲しいかな まーちゃんの予言は的中>

最後のレースと覚悟ばして
意気込んで臨んだばってん…

やはり 酷暑には勝てず 32km地点で

意識ば失うてしまいました。

敗れて悔いなし。

幸せな選手人生でした。

(野口)ミスターマラソン 金栗四三選手に
いま一度 大きな拍手を!

(拍手)

(選手たち)ありがとうございました!
(拍手)

(野口)続いて 水泳。
は~い! 静粛に 静粛にね。

え~ 時間の都合で結果のみとする。
(水泳選手たち)はあ!?

何だと!? おい 体協 もう我慢ならん。

体協の陸上びいきは目に余るものがある。

出場選手8名? 多すぎるじゃんね!

水泳だって6人行ってるだろう!

結果を出したじゃんね!
ここにいる高石は5位。

もっと行ってりゃ
もっと入賞できた!

テニスだって勝てたぞ!
レスリングも!

こっちだって一生懸命やってんだよ!

全て私の責任です! 全て私の責任です!

あんたじゃ 話にならん。 トップを出せ!

嘉納治五郎名誉会長の引責辞任を求める!

彼は何者だね?
(岸)田畑とかいう新聞記者らしいです。

老害め。 なにが「逆らわずして勝つ」だ。
逆らってでも勝て バカ野郎め。

あっつ!
(治五郎)ハハハハ!

彼は口が韋駄天だねえ。

そこ 何がおかしい! おい!

(どよめき)
(五りん)<これは驚いた。

韋駄天は
嘉納先生に だっこしてもらいましたが

河童のまーちゃんは
会ったその日に ぶん投げられた>

嘉納治五郎に伝えろ。
水泳は体協から独立する。

援助も受けん代わりに
指図も受けんとな!

こちらが嘉納先生ばい こんバカもんが!

何?

まあ… え~ 落語に出てくる
粗忽者の類いだと思えば

まあ この主人公… 許せなくもない…。

まあ 八つぁん 熊さん…。

カクさん 出来たぞ!
早いんだよな~ 出てくるのが。

まだ途中!

見ろ。 看板と当座の資金だ。
(一同)お~!

嘉納治五郎に ぶん投げられた男だぞ
俺は。 おかげで箔が付いた。

水連は立派な競技団体だ。

選手選考も自分たちでやる。

(野田)
冬は温水プール… 熱い! なります。

<水泳連盟を立ち上げ 仕事もそっちのけで
オリンピックを目指す まーちゃん>

<年の暮れ 一軒のバーで

新しい元号のスクープを
探していました… が>

「光文」!?

よっし もらった!
<「大正」の次は「光文」だ!

駆け出そうとした まーちゃんを…>

(マリー)手相 見てあげる。
結構です。 急いでます。

いいから座って。
私の占い すっごく当たるんだから。

えっ?
ほら。 …あら?

何?
あらあら…。

どうした?

30で死ぬと出ています。

あっ…。

<スクープは つかめず
この騒動の合間に…>

(マリー)昭和…。
<時代は昭和を迎えました>

昭和?

<そして アムステルダムオリンピック
招待状が届きます>

(ため息)

<…が また お金がない>

これは極論だがね
初心にかえったら どうだろう?

初心に?

(可児)それは個人負担という意味ですか?

うん。 金栗君や三島君のように
誰の援助も受けずに

自腹で参加した方が
かえって身軽でいいんじゃないか?

ハハッ お話になりませんな。

じゃあ いっそ やめるか?
えっ?

もう やっとれん! 冗談じゃない!

もう やめたやめた!
なにが 平和の祭典だ。

(ドアをたたく音)
≪ごめんください!

開いてるよ! 誰だ!?

この金 見て
座り小便して バカになんなよ。

何を言ってるんだ?

国から 水連に補助金が出たんですよ。
何?

ただ ちょっと頂き過ぎちゃったんで
お裾分けに来ました。

(岸)うわっ!
はい。

おっ…。

締めて6万円。
オリンピックの特別予算です。

貴様… こんな大金 どこで?

若者のために使うって言ったら
くれました。

誰が?

高橋是清

<高橋是清

内閣総理大臣を2度
大蔵大臣を6度も務めた

まさに大物中の大物。
なんと まーちゃん

大蔵大臣に直談判したのです>

(是清)田畑君といったね。 はい!

私は オリンピックなどに関心がない。

嘉納君が大騒ぎしとったから
名前ぐらいは聞いたことがあるが…。

だが スポーツと政治は無関係。

それが私の信条だ。

嘉納さんと僕らは違いますよ。

ほ~う。
古いんですよ 体協の考えは。

もう寄付で賄える規模じゃないんです。

富める国は スポーツも盛んで
国民の関心も高いんです。

先生方も スポーツを
政治に利用すりゃいいんですよ。

金も出して 口も出したら いかがですか?

私が断ったら どうするつもりだ?

そりゃ 考えませんでしたな~。

大蔵大臣の上は総理ですか?

ハハハハハ…。

行ける… これで全員行けますよ!

ジーザス! 彼は救世主だ!

というわけで この田畑の功績によって
我が水泳チームは

アムステルダムオリンピック
参加することになった!

(松澤)まーちゃん! まーちゃん!
(拍手)

では 出場選手を発表する。

まず 100m自由形から。

高石君 決定!
頼むぞ 勝っちゃん。 (拍手)

<パリオリンピックに続いての連続出場。
まさに 水泳界のプリンス!>

続いて 平泳ぎ。

いい体しとるね~。 えっ?
(松澤)期待の新人 鶴田君!

そして監督は
田畑政治だ!

まーちゃん!
(拍手)

行くぞ アムステルダム~!
(一同)オ~!

行くぞ~!
(一同)オ~!

(緒方)行けるわけないだろ。
そりゃないですよ 部長。

高橋是清に6万 出させたの 誰?
俺だよ。

その俺が 何で
アムステルダム行けないんですか?

君は何者だね?
監督ですよ 水連の。

記者だろ 朝日の!

<アムステルダムオリンピックでは
ついに

女子の陸上が正式種目に採用。

ところが…>

私は反対です。

長年
女子体育の発展に尽力してきましたが

やはり 構造的に
女性の体は陸上には向かない。

人見絹枝でも駄目かね?
(野口)ええ。

人見さんには
オリンピックに是非行ってほしか。

ばってん… 正直 複雑な心境です。

引退ばした今 オリンピックの
何が一番きつかて言えば

国民の期待と それば裏切ってはならん
というプレッシャーばい。

とても おなごに耐えられるもんじゃなか。

もし負けたら…。
負けないよ!

いや たとえ負けたとしても…。
負けませんよ!

ねえねえ 何 何? また負けんの?
だったら やめようよ。 (河野)田畑。

男でも女でもいいから
勝てる選手 出してよ。

じゃなかったら
1人浮かせて 俺 連れてけよ~。

勝ち負けにのみ こだわるのは
オリンピックの精神に反する。

それは明治の話だよ~。 今 昭和だよ?

参加することに意義… ないわ~!

いい加減 勝てよって みんな思ってるよ。

今 問題にしてるのは選手の気持ちだ!

その選手の気持ちを面倒見るのが
監督であり 我々でしょうよ。

何してたの 今まで!

選手に 全部 背負わせるから
プレッシャーに押し潰されて

実力が発揮できんのだよ! 違う?

人見絹枝は負けん! 必ず勝つ!

そんなら決まりじゃんね。
人見絹枝 出場決定! ねっ?

(拍手)

<人見絹枝
100m走で金メダルを狙います。

ところが…>

「ヂョシ100 ヒトミキヌエ
ヨンヰ ラクダイ」。

人見が… 負けた。

(絹枝)
明日 800m出てもよろしいでしょうか?

800?

男は負けても
帰れるでしょう。 でも 女は帰れません。

負けたら 「やっぱり 女は駄目だ。

男のまねして走っても
役に立たない」と笑われます!

日本の… 女子選手全員の希望が… 夢が

私のせいで絶たれてしまう…。

<短距離の練習しかしてこなかった
絹枝さん。

インコースから
まさかのクラウチングスタート!>

(号砲)

<何せ 走ったことがない800だ。

足が重くて動かない。
このままでは また負けてしまう…>

<その時 野口たちが叫んだ。

「姉御! 腕だ 腕を振れ!

腕を振れば足が動く。 腕を振れ!」>

腕を振れ!

<5位 4位 3位と順位を上げる絹枝に
歓声が沸く!

そして 最終コーナー
横を走る選手と 足が交錯するが

すぐに立て直し
そのまま一気に追い抜いて

ついに絹枝は 2位につけた!>

(歓声)

<トップを走るラトケとの差が
どんどん縮まる!

そして ゴールが目前に迫った時

絹枝の意識が遠のいた>

(荒い息遣い)

(河野)「ヒトミ リキソウ…

ギンメダル」。

やったぞ 河野!

人見絹枝 銀メダルだ~!
(拍手と歓声)

<絹枝の激走を目の当たりにして
火がついたのか

平泳ぎ200mで 鶴田選手が金メダル。

更に 800mリレーが銀。

自由形100mで
高石が銅メダルを獲得します>

(歓声)

水泳が取ったぞ~!
(拍手と歓声)

金 銀 銅! メダルの種類 全部取ったぞ!

ええ!
いや~ 壮観ですな~。

まあ 水連の田畑の功績は

今回は認めざるをえんでしょうな。

フッ… そうかね?

国から 補助金ふんだくるなど 20年前から
私は ず~っと やってきたんだよ?

たまたま 田畑が あれしただけで

時代が嘉納に追いついたんだよ。
違うか?

いや もう そのとおりです。
どこ行った? 河童野郎は。

次のロスでは メダルを
ガバガバ取ってやろうじゃんね~!

名付けて
メダルガバガバ大作戦だ!

<まーちゃんは
既に ロスオリンピックを目指し

選手の育成や新人の発掘に 力を注ぎます>

やってくれたな 君!
今 いくつ?

(秀子)16です。
名古屋の椙山女学校で学んでます。

<若い世代の台頭に対し
ピークを過ぎた選手には…>

君を試合には出さん。

(高石)しかし… 僕は キャプテンですよ?

だから ロスには連れてく。
チームを束ねてもらわねばならん。

だが… 今の君には メダルは取れん。

日本が 一つでも多く
メダルを取るためだ。

<そして もう一つ
大きな夢が動き出します>

(治五郎)東京で オリンピックをやる。
はあ?

東京で オリンピックをやるんだよ。

市長は そういうお考えだ。

(永田)大正12年9月1日

関東大震災… あれから 7年ですよ。

一区切りつきました。 うん。

長々とお借りしていた神宮外苑競技場を
ようやく お返しすることができます。

いやいや… あれは
国民のためのスタジアムですから。

国民のためのスタジアムで 国民のための
オリンピックをやって下さい 先生。

立ち直った日本をね 私はね…
世界に見せたいんだ。

日本を世界に見せる?

そこだよ そこ 永田さん。

世界中の人が この東京にやって来て

人種も思想も超えて
スポーツで技を競い合うんだ!

まさに平和の祭典。

どうかね? 東京オリンピック構想!

へっ? ええ…。
(笑い声)

<ところが 出ばなをくじく
不吉な事件が勃発します。

日本が所有する南満州鉄道の線路が
爆破されました。

満州事変です>

(河野)オリンピックどころの騒ぎじゃ
なくなるぞ。

いいか? 中国との紛争が長引けば
日本は国際社会で孤立する。

どうした? 河野。 何か あったのか?

記者を辞めようと思う。
何?

新聞はもう駄目だ。

言論の自由は いずれ軍に奪われる。

俺は政治で日本を変える。

お前は どうする?

<時の内閣総理大臣 犬養 毅。

自身も記者出身だったため
気さくに取材に応じたそうです>

ロサンゼルス大会の応援歌を
一般から募集しておりまして

是非 式典に参加して頂けないかと。

5月15日なんですが。

(犬養)今 アメリカでは
反日運動が盛んだからな。

用心したまえ。

スポーツは… いいな。

戦争は
勝つ方も負ける方も つらく苦しい。

だが スポーツは
勝っても負けても すがすがしいものだ。

「総理は
満州建国を認めるつもりはない。

一日も早く 平和的に」…。

やめた! これは 俺のやることじゃない。

こんな暗いニュースばかり
読みたくないじゃんね~?

特ダネなんぞ 要らん! それより ほら
あれ… あれ どこやった? あれ。

あれあれ… あれ…。
おい 起きろ お前… おい!

あれだ あれ… あれあれ…。

え~っとね… あれ…。

あっ よく分かったね。

<後に妻となる 菊枝です>

いいですよ。
<応援歌のお披露目の日 5月15日>

応援歌… 楽しみにしとるよ。

♬~

泳ぐよ!

♬~

暴漢が闖入しました。 お逃げ下さい!

♬~

(三上)首相の居所を言え!
知るものか!

(銃声)

♬~

(空撃ちの音)

(空撃ちの音)

まあ 待て。 話せば… 分かる。

問答無用! 撃て~!
(銃声)

<午後11時26分
犬養首相は 息を引き取りました>

(緒方)撃った将校は 一部じゃ英雄扱いだ。

世直しだとか 政党政治の終わりだとか
本気で騒いでる。

(緒方)こんな時に オリンピックか…。

何言ってんですか! こんな時だからこそ
オリンピックですよ!

(治五郎)こんな時だからこそ
諸君は

スポーツ大国へと成長した日本の姿を

世界に見せなければいけない!

(一同)はい!

♬~

何これ… えっ?

あっ… ハイ!

インドか? インド!

<選手村という宿泊施設は

このロサンゼルス大会から
本格的に導入されたそうです。

世界37か国 2, 000人が
ここで生活を共にします>

これ 理想郷じゃんね~!

よし みんな
軽く流して ウォームアップだ。

声に出して読んでみろ!

(一同)「一種目も失うな」。

「一種目も失うな」!
(一同)「一種目も失うな」!

俺が言いたいのは それだけだ! 以上!
オーケー。

(野田)じゃあ やりますか… やります。
デンマーク体操…。

君を試合には出さん。

日本が 一つでも多く
メダルを取るためだ。

誰だよ。

♬~

(松澤)どうしても駄目かな? まーちゃん。

なにも
意地悪してんじゃないんだ カクさん。

出さんと言って連れてきたのも

それで奮起してくれると
期待してのことだ。

しかし 勝っちゃんは…。

チームに必要なのは人気者じゃない
勝てる選手だ。

メダル 一枚ぐらい
くれてやったっていいじゃないか!

おい… 犯人は カクさんだったのか。

なぜ そんなに
メダルに こだわるんですか!?

本当のこと言っていいか?
うそ言われても困る。

笑うなよ。

日本を明るくするためだ。

おい 何… 笑う…。
あっ ごめん ごめん 笑っちゃった!

だって そんな急に
新聞記者みたいな顔して…。

犬養さんが撃たれてから
新聞の紙面が暗い。

不況 失業 満州問題。

朝から 暗澹たる気持ちになる。
これじゃ駄目だ。

…で 考えたんだ。

もし 水泳が全種目制覇したらさ

オリンピックの期間だけでも

明るいニュースを
一面に持ってくることができるじゃんね。

号外が出るかもしれないね。
いやいや… いや 出るね。

「水上競技 最初の戦い」…。

だって もう書いてきたから。
書いてきた?

書いて ある人に託してきた。

スポーツが日本を明るくするんだよ!

たった数日間だけど スポーツで
国を変えることができるじゃんね!

(笛の音)

<8月7日 いよいよ 水泳競技 開幕>

いいか 宮崎。 全種目制覇だ!

(号砲)

(河西)号砲一発。

宮崎 出た! あと5m!

3m! 2m! 1m!

ゴールイン!
(拍手と歓声)

やった~!
やった! 宮崎がやった 勝っちゃん!

もちろん 宮崎1着
手を差し伸べるのは 高石勝男キャプテン。

宮崎。

(河西)宮崎と代表の座を争った男。

よくやった 宮崎。
(宮崎)ありがとうございます。

ありがとう。
ありがとうございます。

いけ! いけ!

<その後も 水泳日本の快進撃は止まらず

鶴田選手は 2大会連続の金メダルを
獲得します>

いけ 前畑! あと10!

もう最後だ ものすごい声援!
(声援)

(河西)場内総立ち! 3人 一列!

(ナオミ)前畑! ゴー!

(河西)あと10m! 前畑 出た!

「ヒデコ・マエハタ」。 (河西)前畑 2着!
(拍手と歓声)

♬~

<全種目 金メダルとは
なりませんでしたが

金銀銅合わせて 18個のメダルを取った
日本水泳チームは

現地の日系人歓喜させました>

アイ アム ジャパニーズアメリカン!

こんなに うれしいことはないですよ。

痛い… ちょっと痛い… 痛いな。

日本人だというだけで
どんなに肩身の狭い思いをしたことか。

それを… 君たちは… 勝った。

勝った!
そう… そう 勝った!

日本人 白人に決して負けない!
そのことを教えてくれた。

前畑! サンキュー サンキュー…。

俺も日本人だ~!
(拍手と歓声)

<そして まーちゃんにとっても

生涯忘れられない
オリンピックとなったのです>

オリンピック最高! ハハハ…。

<帰国するや 大勢の人たちが
その姿を一目見ようと

東京駅前は ご覧のありさま。

その控え室で事件は起こりました>

あなた… なぜ
金メダルを取ってこなかったんだね~。

えっ?
何だ?

たったひとかきで
たった10分の1秒の差で

2着になったそうじゃないか~。
なぜ1着じゃないんだね。

そ… そやけど…。

この悔しさを忘れずに
4年後は頑張ってくれ。

4年後?
ベルリンオリンピックだよ。

永田さん。
お~ 田畑君! 君からも言ってくれよ。

だったら あんたが泳いでみればいい!
えっ ええっ?

金メダルを取れだと? 簡単に言うな!
(松澤)まーちゃん。

<寄宿舎へ帰ると
激励の手紙が山ほど届いていました。

「悔しい。
4年後のベルリンでは金メダルを」。

まるで
自分が泳いで負けたみてえな言い方で>

分からへん… どないしたらええんよ。

ああ… 悔しい!
あ~ 悔しい! 悔しい 悔しい!

金メダル~!

<4年後の
ベルリンオリンピックに向けて

前畑秀子の闘いが
始まってしまいました。

一方 東京オリンピック構想の方は

1940年の候補地を
ムッソリーニ率いるローマと争います>

(杉村)設備は相当なものです。

大理石の荘厳な競技場が既に完成間近。
道の整備も整っている。

<それに引き換え 日本は

満州事変を世界中に非難され 国連脱退。

こりゃ どう考えても
東京オリンピックどころじゃないですな>

何か違うんだよな~。
何 期待してんの? オリンピックに。

ただのお祭りですよ。
走って 泳いで 騒いで それでおしまい。

平和だよね~。 政治がどうの 軍がどうの
国がどうの… 違う違う違う。

簡単に考えましょうよ!

ローマには勝てない! じゃあ どうします?

「逆らわずして勝つ」の嘉納さん。

潔く諦めますか?
それとも 4年後を取りに行きますか?

これは 極論だがね…。
はい。

譲ってもらうっていうのは どうだろう?

(牛塚)譲ってもらう?
うん。 譲ってもらうんだよ。

(副島)譲ってもらう? 誰に 何を?

ムッソリーニに オリンピックを。

<出た~ 嘉納先生お得意の開き直り発言>

まず
ローマへ赴き ムッソリーニを説得し…。

んっ?
ああ~!

来た 来た? 来ちゃった 来ちゃった!
担架 担架!

<腰痛で倒れた嘉納先生。

ローマへは 代わりに
副島伯爵が向かったのですが…>

♬~

副島さん! (杉村)副島さん!
副島さん!

<副島さんは生死の間をさまよい

2週間たって ようやく…>

30分の外出許可が出ました。

サムライ?
カム イン サムライ。

サムライ?

エス

<なんと 本当に譲ってくれました>

なっ? 譲ってくれただろう?

やっぱり違うんだよ 器の大きい人間は。

そろそろ やつを
東京に呼び戻す時かもしれんぞ 可児君。

やつ?

スッスッ ハッハッ スッスッ ハッハッ…。

まさか… スッスッ ハッハッ?

ぬしゃ 情けなかね~!

<四三は 郷里 熊本で…>

(勝)クソジジイ~!
<弟子を取っていました>

ああ~!

嘉納治五郎先生から…

こぎゃ~ん手紙の来たったい。

東京に オリンピックば呼ぶ
運動ばしよるけん

四三君も ひとつ 力になってくれって。

(幾江)
そぎゃん行きたかなら 行ったらよか。

そんかわり
立派に きっちり成し遂げてこい。

国ば挙げてのお祭りだけん。

は… はい! あ~ よかった~。

あっ 4年後の大会ば見届けたら
すぐに帰ります。

まあ… 俺なんか留守しても… うん
寂しゅうはなかでしょうが ハハッ。

な~し そぎゃん 他人行儀な冷たかこつば
言うとか こん男は。

(スヤ)お義母さん…。

すんまっせん… いや ばってん…
ばってん お義母さん

スヤが一番って言うとりましたけん

スヤと暮らすために 俺は養子に…。

初めは そぎゃんでん… 情の移るとたい。

まして おるは せがれに死なれて…

あんたは 生みの親ば亡くして

もう ほかに頼るもんもおらん。
もう親子になるしかなかとばい!

だけん もう… 観念せい!

腹くくって 息子らしくせい!

おるは とうに諦めたぞ。
働かん 走ってばかりの息子でん

4年もおらんかったら 寂しか!

こん あほが! あほが!

ああ…。

あ~ 悔しか! こぎゃんこつ言うつもりは
なかったばってん

止まらん…。

ばってん
思うとることは腹にためん方がよかけん。

そぎゃ~んこつ言われたら

おるも 寂しか! お義母さ~ん!

あ~! すいまっせん!
ちょっと おとうちゃん…。

<韋駄天が郷里との別れを惜しむ頃…>

(行軍する音)

<昭和11年2月26日>

(緒方)号外出すぞ。 いつでも刷れるように
しといてくれ。 はい!

(細田)とても駄目だ!
警視庁も軍隊に占拠されて近づけない。

クーデターですか?
陸軍だそうだ。

こりゃ… 五・一五の比じゃないぞ。

(おりん)今度の引っ越しは
さすがに荷物が多いね。

<その日 私は貧乏長屋を引き払うってんで
引っ越し屋を待ってたんです>

遅えじゃねえか! えっ?
こちとら 昼から ラジオなんだ。 あっ?

雪のせいかい?
旦那~ ご存じねえんですか?

兵隊が武装して クーデターっていうの
やってんですよ。

<二・二六事件です>

(悲鳴)

♬~

(中橋)国賊新聞をたたき壊すのだ!

ここで ふんばらなければ
言論の自由は終わりですよ。

しかし 田畑…。
この先 ずっと我々は

変なものしか
刷れなくなりますよ。

あいつらは… 高橋是清を殺したやつらだ。

昭和維新 断行!

(銃声)

全員 外へ出せ!
出ろ!

出ろ みんな! 行け!

おい… おい!

やめろ やめろ… 田畑 おい!

おい… おい!
田畑! 田畑!

や~! や~!

ああ~!
んっ!

やめてくれ! やめろ! 大丈夫か!?
あっ あっ…!

(ラジオ)「勅令が発せられたのである。

既に 天皇陛下のご命令が
発せられたのである」。

<首都機能が占拠されるという
事態を受け

政府は戒厳令を敷いた>

俺は怖い…。

記者になど なるんじゃなかったよ。

記者じゃなかったら もっと能天気に
オリンピックに邁進できた。

(菊枝)だったら… やめたらどうです?

やめる? 記者をかね? それとも…

オリンピックをかね!?

答えろ おい!

どちらにしろ
あなたの忙しさが半分になる。

夫婦の時間が増える。
新婚旅行にも行ける。

いや… あっつ!

タバコの本数が減る。

私には いいことばかりです。

悪いことは何だ!? えっ?

来ないんだぞ!? あれが 東京に!

あの興奮や感動を知らずに
君は死ぬのかね!? えっ?

冗談じゃない!
新婚旅行など いつでも行ける!

できました。
貸せ!

ごめんください。
<2か月後>

あれ?
<韋駄天が東京へ帰ってきました>

辛作さ~ん? ちょうさ~ん?

遅くなりました。 あっ…。

どうも。 勝蔵さん お客様です。

シマちゃん… 生きとった…!
えっ? ちょっと…。

ああ… よかった!

生きとったとね~! よかった~!
えっ えっ… ああ…。

<今は亡き シマの娘 りくでした>

そんなに似てます?

似とるも似とる! うり二つ!

(増野)
あっ 金栗さんは この度は なぜ東京へ?

4年後のオリンピックばい。

(辛作)おお… 来るのか ついに東京に!
(勝蔵)えっ!? はい!

まさか金栗さん 出るんですか?
よっ 金栗!

いやいや… いやいや…
あっ おるが走っとは

聖火リレー
(一同)あ~!

あっ それが一つ。 もう一つは… こん男。
(一同)うん?

あっ 小松 勝です。

彼ば 東京オリンピック
ラソン日本代表に育てて…

金メダルば取らす!

(拍手と歓声)

<夏 その東京オリンピック招致が
決まろうとしていました>

(拍手)

<ベルリンオリンピック
開幕前日のことです>

(拍手)

トウキョウ!
(歓声)

<1940年 東京!>
田畑 やったな!

<ここに
アジア初のオリンピック開催が決定したのです。

翌8月1日 ベルリンオリンピックが開幕>

♬~

<何もかも絢爛豪華。

そのスケールと完成度
ドイツ人らしい統制のとれた演出に

嘉納さんはじめ 日本人は
ただただ圧倒された>

♬~

すごかったね~。

ええ… すごい。

ハハハハ… ラトゥール。

マイ フレンズ…。

大体 何で日本人しかいないの?
選手村なのに。

特別待遇だそうだよ。
西洋人に囲まれて気疲れしないように。

いやいやいや あれがよかったじゃんね~
ロスは。

白人も黒人も一緒になって大騒ぎしてさ
ねっ?

ヘイ ヤーコプ! カム カム カム カム…。

(ヤーコプ)オハヨウゴザイマス。
コックに言っとけ。

薄いんだよ 味が ミソスープの。

しょうゆとソースは
分かるように目印をつけろ。

ついでに 検閲か何か知らんが
郵便物を開封するな。 気分が悪い!

分かったか!
ハイル ヒトラー

行け! 早く ほら… ほら。
スイマセン。 仕事しろ お前は。

彼は ユダヤ人でしょう。
えっ? あっ そうなの?

ヒトラーは大会期間中に限り
差別を緩和し

わざと ユダヤ人を
各所に配置してるようです。

期限付きの平等です。
はあ…。

「手 不調
利危ぶまれる」。

プレッシャーかね~ やっぱり。

打ち勝つには
どぎゃんしたらよかですか?

あっ! 前畑選手に電報ば打とうか?
あ~。

<そんなんで 日本から届いた電報
その数なんと 224通>

(一枝)「世界一 目指せ」。

「死んでも勝て」。

前畑君! 頑張れ 頑張れ! 前畑 頑張れ!

「頑張れ」なんて言わんといて下さい!
えっ?

頑張って金メダル取れるんやったら
ロサンゼルスで取っとるわ!

ああっ!

待って… 待って 待って 秀ちゃん。

(初穂 一枝)秀ちゃん?
秀ちゃん ちょっと痩せた? へえ~。

大丈夫 大丈夫。
記録なんか もう全然。

全然 気にしなくていいからね。

エンジョイ。 準決勝も楽しんどいで。

エンジョ~イ。

頑張れ 前畑!
おい!

頑張れ… 頑張れ…。

<そして 決勝当日>

ソーセージばっかりでさ もう飽きた。
(ヤーコプ)ソウデスカ。

言っといて ヤーコプ。
あれ ちゃんと言っとかないと…。

前畑?

おい 前畑 何やってんだ おい。

ああ…。

これで うちは一人やない。

日本人みんなで泳ぐんや。

≪ハイル ヒトラー

(ゲネンゲル)ハイル ヒトラー

(拍手と歓声)

♬~

(河西)「大日章旗を揚げるか揚げないかの
境目です。

スイッチを切らないで下さい!
スイッチを切らないで下さい!」。

頼むよ… 前畑君。

(河西)「我が前畑嬢 自分のコースを
眺めております」。 頑張れよ!

レディー…。

(号砲)

(河西)飛び込みました!
一斉に飛び込みました!

飛び込みました。
ゲネンゲルは まだ潜っております。

飛び込んだ時は まだ前畑と同じ。

各選手 並んでおります。
各選手 並んでおります。

これは 我が前畑嬢とゲネンゲルの
競泳でございます。

いけ 前畑!
(河西)
接戦であります! 前畑 リードです!

前畑 リードです!
火の出るような大接戦!

ただいま 前畑 ターン。
続いて ゲネンゲル 続いております。

続いて ゲネンゲル 続いております。

頑張れ!
頑張れ!

おい! やめろ!
強豪 ゲネンゲル 続いております。

前畑 いいぞ!
(河西)僅かにリード 僅かにリード!

頑張れ~!
おい! 頑張れ~!

カクさん!
頑張れ!

頑張れって言っちゃ駄目!
「頑張れ」やめろ…。

あと2m! 前畑 頑張れ! ターン!
前畑 頑張れ! 頑張れ 頑張れ!

やめてあげて!
頑張れ 頑張れ! 頑張れ! あと40!

危ない 危ない…。
(河西)あと40! あと40! あと40!

前畑 頑張れ 頑張れ!
前畑 頑張れ 頑張れ!

もういいや。 頑張れ! 頑張れ~!

(河西)前畑 頑張れ! あと25!
ゲネルゲンも出ております!

「ゲネルゲン」じゃなくて「ゲネンゲル」!
(河西)ゲネンゲル…。

(一同)頑張れ! 頑張れ!
頑張れ! 頑張れ! 頑張れ!

頑張れ 前畑! 前畑 頑張れ!

(一同)
頑張れ! 頑張れ! 頑張れ! 頑張れ!

頑張れ! 頑張れ! 頑張れ! 頑張れ!

頑張れ! 前畑 リード! 前畑 リード!
前畑 リード!

頑張れ! 頑張れ 頑張れ!
前畑 頑張れ! 前畑 頑張れ!

いけ!

(場内アナウンス)
「ヒデコ・マエハタ… ヤーパン」。

(歓声)
やった~! 勝った… 勝った…。

勝った… 勝った… 勝った 勝った!
勝った 勝った 前畑 勝った!

(歓声)

<熱狂のうちに閉幕した
ベルリンオリンピック

閉会式では 4年後の東京大会に向けて
こんな文言が躍りました>

「シー ユー トウキョウ」ですよ。
どうします? 副島さん。

どうするも何も

東京は東京のオリンピックを
計画どおりやれば それでいい。

気がかりなのは嘉納先生だ。

東京オリンピックに決まってから

豪放磊落な嘉納治五郎
どこかへ消えてしまったようだ。

この先 のしかかる重責を思えば
無理からぬことだが。

すごかったそうですな ベルリンは!
東京に勝算はありますか?

負けられんでしょう! 国威発揚
挙国一致で勝つと そういうことですね?

オリンピック予算
どのようにお考えですか!?
急いで…。

お願いします お願いします… 嘉納先生!
はい 閉めて 閉めて…。

嘉納先生。
おっ 金栗君! ハハハハ。

え~っと 何だっけ…。
はい?

ほら ほら ほら… え~…。

韋駄天!
ああ… 熊本から出てまいりました。

聖火ランナー 頼むぞ!

はい やっとります!
うん! よしよし よしよし…。

あっ… それから
これは おるの弟子で…。

お初にお目にかかります 小松…。
うん うん。

あっ…。

先生…。

プレッシャーばい。

嘉納先生も… プレッシャーと闘っとる。

<早速 嘉納先生は
組織委員会の組閣に着手します。

その人選は 体協や市にとどまらず

軍人 政治家
各界の大物が顔をそろえます>

オリンピックは 国家的大事業です。

日本の文化や精神を
世界中の人たちに理解してもらう。

今の日本を広く世界に見てもらうんです。

(副島)聞いたろ? さっきの。

まさしく この度の
ベルリンオリンピックじゃないか。

ヒトラープロパガンダ
見事 成功した。

世界は ドイツに魅了され
日本は ドイツと同盟を結ぶに至った。

嘉納さんに そのつもりがなくても
挙国一致路線では必ず…

ベルリンの模倣になる。

選手村の通訳いただろ? ベルリンの。

ああ ヤーコプ… どうかしましたか?

自殺したそうだよ。

ユダヤ人だったそうだね。

(ドアの開閉音)

<追い打ちをかけるように

よからぬニュースが
大陸から届きました。

日中戦争です。

1937年 北京 盧溝橋で起きた

日本軍と中国軍の衝突をきっかけに

日本と中国の全面戦争が始まります>

この国で オリンピックを
開催する資格はない!

なんてことしてくれたんだ 君は!

(副島)無理なら無理と
早期に判断し お返しする。

せっぱ詰まって返上ということになれば

どの国でも開催は困難になり

日本は 永久に
オリンピックに参加できなくなる!

何の話をしとるんだね? 君は。

今こそ 名誉ある撤退を!

オリンピックは やるんだよ 何が何でも!

この東京で!

(練習する声)

♬~

あと3年しかないんだよ カクさん!

(小池)総監督! うん?
少し よろしいでしょうか?

どうした? 勝手に出るんじゃないよ。
…カクさん。

僕たちは泳いでていいのでしょうか?

(小池)いとこが出征しました。

大して 年も変わらないのに。

それ以来…
練習してても 何だか後ろめたくて。

(河野)万歳の声を背中に聞きながら

中国へ 多くの若者が出征していく。

一方において 派手なユニフォームを着て
飛んで回っている青年がいる。

(ラジオ・河野)「オリンピックなど
一刻も早く返上すべきです!」。

田畑さん…
東京オリンピックやらんとですか?

おるは 今
若い選手の育成ば やっとります。

熊本から連れてきた有望株で
調子も ぐんぐん上がっとる。

真っ黒になって走っとる。

田畑さん…

はしごば外される選手の気持ち…

分かりますか? 田畑さん。

明日の目標ば失った選手の悲しみ…

田畑さんなら分かるでしょう。

小松 勝~!

戦争になろうが 小松君ば走らせたか。

小松君ば走らせたか!

そぎゃ~ん考えるは
矛盾でしょうか? 田畑さん。

スッスッ ハッハッ スッスッ ハッハッ。
勝~!

こっちばい!
先生! 金栗先生

よし 来~い! 小松~!

(歓声)
がまだした!

がまだした!
小松君 よう がまだしたばい!

先生…。
ぬしゃ 世界に通用する韋駄天ばい!

ありがとうございます。
よ~し 胴上げばい!

(りく)勝さ~ん!
ようやった!

りくちゃ~ん!

(一同)ばんざ~い!
ばんざ~い! ばんざ~い!

おい ラスト ラスト ラスト!

はい 来い 来い 来い…。

<戦争は泥沼化し オリンピック開催を
疑問視する声が世界中で高まる中

嘉納治五郎はエジプトのカイロで開かれる
IOC総会へと向かいます>

日本は大国。

必ず開催できるという信念のもと
正々堂々 押し切ってみせる!

君もどうだ? ついてこんかね? うん?

嘉納治五郎… 恐らく 最後の大舞台だ。

返上するなら ご同行します。

断固開催すると おっしゃるなら
行きません。

このとおりです!

嘉納さん 返上して下さい。

駄目だ…。

こんな国で オリンピックやっちゃ
オリンピックに失礼です!

いや 分かります。 この期に及んで
これほど みっともないことはない。

しかし… それができるのは
嘉納さん あなたしかいません!

♬~

オリンピックは…

オリンピックは…

やる!

今の日本は
あなたが世界に見せたい日本ですか!?

また口先だけで
大風呂敷を広げるというんですね。

何だと!?
そんな嘉納治五郎は見たくない!

どうぞ… 一人で行って下さい。

後ろ向きなことは
言わんのじゃなかったのか 田畑!

前向きですよ。 前向きに
返上してくれと言ったんだ 俺は!

あんたが
ここで引き下がる潔さを見せれば

戦争が収まったあと
もう一度 オリンピックを招致できる!

残念です。

♬~

(ドアの開閉音)

♬~

スッスッ ハッハッ スッスッ ハッハッ…。

♬~

ビリーブ ミー。

順道制勝。

逆らわずして勝つ!

(一同)ばんざ~い!

<東京開催が 改めて承認されました>

あの人は世界に承認させてしまった。

手ぶらで行って 持って帰ってくるって
オリンピックを。

もう やるしか道はない。

どうする? 助けてくれよ 河野!

(汽笛)
<帰国の途につく 嘉納先生>

オ~!
(拍手)

じゃあ 平沢さんは?
人生で一番面白かったことは?

(平沢)私ですか?
うん。

面白かったこと… え~っと…。

あの… 今朝 私の大便が あの…

偶然 平沢の「ひ」の字に…。

あっ… ふ~ん。

う~ん 私はね… そうだな…。

これ 難しいね 一番となると。
う~ん…。

(治五郎のせきこみ)

一番は
東京オリンピックじゃないですか?

すいません…
私のような若輩者が知ったような口を。

そこだよ そこ! はい?

これから 一番面白いことをやるんだ。

東京で!

ヘヘヘヘヘ…。

「本当にできんのか?」って 眉をひそめて
ぬかしおった西洋人どもを

あっと言わせるような…。

(せきこみ)

先生…。
うんうん… 大丈夫。

(せきこみ)

みんなが驚く…

みんなが面白い…

そんなオリンピックを
見事に やってのける。

うん! これこそ 一番!

ああ! ハハハ… うん…。

(せきこみ)
先生 大丈夫ですか?

あ~ 大丈夫 大丈夫… うん。

あ~。
(せきこみ)

楽しい時間をありがとう。

いえ…。 (ドアが開く音)
(治五郎)あ~ すまんね。

よいしょ…。

(ドアが閉まる音)

(せきこみ)

ああ…。
(せきこみ)

はあ…。

<昭和13年5月4日。

嘉納治五郎先生は 太平洋沖で
帰らぬ人となりました。

享年77>

駄目だ… 笑いに持ってけないですね。

すいません。

あっ…。

あっ… ああ…。

(はなをすする音)

あっ…。

あの… 田畑さんですよね?

ああ…。

嘉納先生が これを。

ストップウォッチ?

これを… 田畑に。

(秒針の音)

♬~

動いてるんです。

(秒針の音)

(平沢)いつ押したんでしょうね?

(治五郎)オリンピックは…

オリンピックは… やる!

(泣き声)

♬~

何がよかったのかな~?
77… 77…。

(知恵)五りんちゃ~ん 大変 大変 大変!

あっ 今 思いついた!
えっ?

治五郎先生が ストップウォッチを
押したのは 何時ごろ?

何時ごろ… なんジゴロウ? なん治五郎!
あっ… どうした?

師匠 倒れたって… 脳出血

えっ!?

(五りん)師匠…。

(五りん)「志ん生の『富久』は絶品」。

♬~

「スッスッ ハッハッ
スッスッ ハッハッ…。

火事だ 火事だ 火事だい! どけ どけ!
邪魔だ 邪魔だ 邪魔だ~い!

え~ 誰もいねえな 邪魔なやつは。
旦那~!」。

♬~

うん?

うん?

こぎゃんハイカラなもんが こん田舎に?

ニュー?

美川君!
(美川)ハイカラ東京プリン

2番さんにお願いしま~す。
はい!

どぎゃんしとったと? 美川君。

どぎゃんも こぎゃんも

浅草で ブロマイド売ってて
関東大震災に遭ってさ…。

あっ そぎゃんね。
せやから ヤクザの女と

大阪に駆け落ちしましてん。

じゃけん 親分に見つかって
広島まで逃げたけえのう。

遠ぐさ逃げっぺって
山形さ 行ったっぺよ。

すごか! ほぼ日本一周ばい。
うん。

ああ… 彼は 俺の弟子の小松 勝君。
小松です。

小松氏… 君の夢は何かね?

オリンピックです!
おお~!

東京にオリンピックの来る年 俺は21で

ちょうど 金栗先生
ストックホルムば走った年です!

ちょっと 君…

この場合
「君の夢は何かね?」と聞くのは

つまり
「僕の夢の話を聞け」ってことだよ。

何だね…。
マスターの夢は?

僕? そうだな…

大陸雄飛かな?

大陸…?

満州だよ これからは。

僕が 蓮根の穴から阿蘇ば眺めて
蓮根の穴に カラシば詰めて

一生終える男に見えるかい?

<え~ 音 消しますね。
この話 長くなりそうなんで>

(美川)蓮根の穴から世界は見えんばい!