ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

スカーレット 総集編(前編)戸田恵梨香、北村一輝、富田靖子、大島優子… ドラマのキャストなど…

連続テレビ小説「スカーレット」総集編(前編)』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

  1. 喜美子
  2. お父ちゃん
  3. 絵付
  4. 八郎
  5. 仕事
  6. 信楽
  7. 常治
  8. 大久保
  9. 結婚
  10. 一緒
  11. 先生
  12. 火鉢
  13. 照子
  14. フカ先生
  15. 丸熊陶業
  16. 信作
  17. 川原
  18. タヌキ
  19. 大阪
  20. お願い

f:id:dramalog:20191230092821p:plain

連続テレビ小説「スカーレット」総集編(前編)』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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(本ページの情報は投稿日時時点のものです。最新の配信状況は Paravi サイトにてご確認ください。)

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連続テレビ小説「スカーレット」総集編(前編)[解][字]

秋から放送が始まった連続テレビ小説「スカーレット」。その前半の第1週から第13週までの見どころを凝縮して一挙放送します。喜美子の物作りへの情熱をもう一度。

詳細情報
番組内容
秋から放送が始まった連続テレビ小説「スカーレット」。その前半の第1週から第13週までの見どころをぎゅぎゅっと凝縮して一挙放送します。放送を見てきた方はこれまでの名場面をもう一度お楽しみいただけますし、見逃した方もこれを見れば1月6日からの放送についていけること間違いなし。喜美子が9歳で信楽にやってきてから、27歳で女性陶芸家の入口に立つまでの18年間の物語。喜美子の物作りへの情熱の原点をもう一度。
出演者
【出演】戸田恵梨香北村一輝富田靖子大島優子林遣都松下洸平桜庭ななみ福田麻由子,マギー,財前直見佐藤隆太水野美紀溝端淳平木本武宏羽野晶紀,川島夕空,正門良規,本田大輔ほか
原作・脚本
【作】水橋文美江

 

 


(マツ)火事やぁ~! 消すでぇ~!

(喜美子)
消したらあかん! もっと燃やす!

もっともっと 火 たくんや!

海やぁ~!

昭和22年 長く苦しかった戦争が終わって
しばらくした ある春の日。

(常治)…って ここ海ちゃうで。
琵琶湖いうてな 日本一の湖やからな!

日本一かぁ!
ああ。

お~い! お~い!

この子の名前は 川原喜美子。

女性陶芸家の道を
切り開くことになります。

♬~

おっ タヌキや! おったで!
(常治)おう!

空襲で何もかも失い
借金を抱えた喜美子たち家族は

知り合いを頼って
大阪から信楽にやって来ました。

静かに食べえ。

喜美子は 3人姉妹の長女として
家族を支えています。

ええ湯加減やぁ。
おっしゃ!

おはよう タヌキ!

(信作)よそもんは タヌキに化かされるで。

化かせるもんなら化かしてみぃ。
とって食うたる。

タヌキ食うんけ!?

あんた よう見たら…
タヌキみたいな顔してるな?

アハハハ…。

ほんまもんのタヌキやぁ~!

どこ行った…?

誰や!?

陶工って 何する人?

(慶乃川)
陶芸家よ。 芸術家て呼ぶ人もいる。

焼き物を作る仕事をする人のことや。
信楽の土は ええ土やし。

何が ええんでしょう?
う~ん…。

分かるんけ?
信楽の土のよさが分かるんけ?

ただの土や。 どんだけ のせんねん。
あっ!

ある日 大阪に行った 父 常治が
草間という男を連れて帰ってきました。

頂きます…。

お口に合わしませんか?
(草間)あ… いえ…。

もう休まはります?

すみません。 どうも ごちそうさまでした。

分かった!
この人 日本人ちゃうでしょう!

しゃべりが 何や ムズムズする。
東京の言葉や 東京!

生まれ育ったのは東京ですが

満鉄にいた叔父に呼ばれ
向こうで働いていました。

向こうでの暮らしが長かったので
どこの国の人かと言われてしまうのは

「中らずといえども遠からず」です。

君は鋭いね。

(拍子木)
(紙芝居屋)夢と希望の紙芝居が来たでぇ。

今から ポン煎配るでよ 並んで 並んで。

お金は?
お金 要んのん?

(次郎)お金ないくせに厚かましいど。

見たい!
見たことないさかい 見てみたい!

紙芝居だけやったら お金要らんで。

行くで。 腹の足しにならんもん いらん!

絵を描くことが得意な喜美子は
あることを思いつきます。

さあ 夢と希望の紙芝居やでぇ~。

(拍手)

直子ですぅ。
あ~ かわいらしいなあ。

日本一の湖 琵琶湖ですぅ。

(マツ)お~!

いくつも重ね塗りして
色合いを深めて表現してます。

大人顔負けのとても上手な絵です。

こんなん ただのな 落書きや!

何の腹の足しにもならんわ。

はあ… いつまで うつむいとんねん!
分かった!

喜美子…?

ただいま。

お昼 何するん?
お客さん来てるで…。

(本木)お父さん帰ってくるまで
おらせてもらいます。

大阪から 借金取りがやって来たのです。

ゆで卵 うちも食べたい!

ゆで卵 妹にやって下さい!
誰がやるか!

あ~!
あっ 痛たたた…。

な… 直子!
直子! 待て~!

おらぁ おとなしくせえ! クソガキ!
嫌や!

(草間)嫌がってるでしょう 放しなさい!
あん?

あっ 痛たたた…。
草間さん!?

何さらすんじゃ! おらぁ!

うわあ… ああ… ああ…。

(工藤)ほな これ
借金の一部にさせてもらいまっさ。

ほんまにええんでっか?
お宅のお金でっしゃろ?

こちらには お金に代えられない
ご恩がありますから。

(工藤)ほな 退散しよか。
(本木)はい。

直子を助けて頂いたことも
ほんま申し訳ない。

感謝いたします。
ああ いえ…。

そやけど お金は困りますわ。

なんぼなんでも 借金の一部を
草間さんに払うてもらうようなことは…。

1, 000円でしたな。

880円。 残りが 120円…。

あの
僕の 借りを返したいという気持ちで…。

(常治)いや… 借りいうのは…。

受け取って下さい。 お願いします。

どっかに…。
本当に もう それで。

いや…。
受け取ったらええやん。

何で 受け取らへんの?
喜美子 ええから!

あかんねん! もう。
そうしとうても できへんのや。

そうしてたまるかいう 意地や!
意地?

女にはない意地や誇りが
男にはあるんじゃあ!

分かってん!
(常治)何が分かったん?

紙芝居 行ってん。
紙芝居?

そしたら お金のうてな?
ポン煎餅もらわれへん。

紙芝居のおっちゃん言いはった。
「紙芝居やったら お金要らんで」。

けど 見んと帰ってん。
何で?

ゆうべ お父ちゃんが言うた

「そうしてたまるか」いう…
それと おんなじや。

紙芝居 ほんまは見たかってん…。

言うてもええ?
(常治)何を?

女にも 意地と誇りはあるんじゃあ!

♬~

道場って あの道場? ええ。
あるは あるの?

ああ…。
草間さん こんなとこにおったん?

何してたん?
柔道の心得を しっかり身につけてもらう。

教えてくれるん?
ああ。

やった~!
ハハハハッ。

僕が君たちに教えたいのは
勝った負けたではありません。

本当に強い人間とは どういう人間か

そして 人を敬うことの大切さを
学んでほしい。

これは 草間流柔道です!

1 2 3。

相手の帯より
自分の帯が下になるように入る。

こうして 喜美子は すくすく育ち

時は とんで 15歳に。

もうすぐ中学を卒業します。

(信作)俺 高校行きたないねん。

また辛気くさいこと。
見ろ うちの絵を!

今年は ついに金賞や!
これ見て元気出せ。

学校飾ったったやんけ
目ぇが腐るほど見たわ。

ハハッ。

中学卒業後は 幼なじみの実家
丸熊陶業で働くことになっていました。

「今日も かわいいなあ」言うてくれる?

これからは
うちのこと見て言うかもな。

「かわいいなあ 喜美ちゃん」言われても
お世辞やで。

「かわいいなあ 照ちゃん」も
お世辞やで?

ほんまか!
ほんまや!

(笑い声)

ところが…。

(秀男)この話は
なかったことにしてもらいたい。

えっ?
(秀男)男ばっかりの職場に

15歳の女の子を受け入れるやなんて

「そんなん困ります」いう…
みんなの意見なんや。

堪忍や 喜美ちゃん。

お帰り。 口約束やったら
あかんっちゅうこっちゃ。

今度のとこは 一筆書いてきてもろた。

働き口 見つけてきてくれた。

大阪?
(常治)そや。 大阪で働け。

春から お前は大阪や。

分かった。 大阪 働きに行きます。

そして 中学を卒業する日。

いた~! 喜美子!

何で勝手に帰るん!?
卒業式の余韻も何もないやんけ。

うち忙しいさかい 言うたやろ。
大阪行く話やったら 聞かへんで!

行くなら うちを倒してから行け。

来い!

♬~

とやあ~!

アッハッハッハ…。
い… 息できひん…。

アハハハハ…。
はあ…。

うち性格悪いさけ 友達できひんかった。

あんた いいひんと困るわ。

大阪行ったら あかん。
許さへん! 一生許さへんで!

照子… 元気でな~。

あんたのこと忘れへんで~。
言うな~!

(笑い声)

なあ お父ちゃん。
うん?

≪タヌキの道 知ってる?

信楽に来たすぐの時にな
あの道で ほんまもんのタヌキに会うたで。

≪「よそもんはタヌキに化かされるんや」
信作が言うてな。

ほな 化かしに来たんやな。

ほやけど あれ以来 会うてへんねん。
何でか分かる?

もう よそもんやないからな。

≪うちは 信楽の子や。

うちは 信楽 好きや。

うち…。

大阪行きたない!

(泣き声)

タヌキの道の先 ず~っと行ったらな
急に パアッと開けるんや。

そこから見える夕日が きれいや。

よう見とけ。
大阪行ったら もう見られへんで。

家族や友人と離れ
大阪で働く決心をした喜美子。

偶然見つけた焼き物のかけらを
お守りにして旅立ちます。

喜美子の仕事は 下宿屋の女中でした。

(さだ)ここよ。
「荒木荘」…。

(さだ)どうぞ 入って。
はい。

ああ お部屋は そこ。 荷物片しといて。
はい。

(圭介)
空くなあ どないしても こんだけ…。

あの… こっちゃにお住まいですか?
ちょうど住んで1年になるかな。

そうですか…。

この辺 使わせてもらいますね。
えっ?

ご迷惑おかけしないように
この辺りまで使わせてもろうて

そっち行かんように厳重に注意します。

可愛らしいなあ。
えっ?

僕が住んでるのは 2階や。

(さだ)あっ 圭ちゃん。
(大久保)やっぱり閉まらへんか?

ちょっと いつの間に こんな子
どういう関係や!?

(さだ)アハッ この子よ。
信楽から来る言うてた子。

ええ!?
(さだ)ご挨拶した?

お医者さん目指してる医学生よ。

そして 大久保さん。 もともとは
荒木家の女中さんやったんよ。

今 近くに住んでてな
手伝いに来てくれてんの。

よろしくお願いします。
ほな 今日は

ごはん食べて ゆっくりしたらええわ。

うわ~い! うちだけの部屋!

うわ~い!

うわ~…。
(ふすまにぶつかる音)

うっ… うう…。 何?

無理や。
こんな子にできるわけあらへん。

ちょっと待って下さい。 うち できます。

一生懸命 働きます!

一生懸命やったからて
人から見たら大して変わらん。

誰にでもできる仕事やと
思われてまっさかいな。

そんなこと…。
早速 あんな失態してしもうたやろ。

あんたには無理や。 信楽帰り。

その夜。

臭っ…!

(マツ)「お父ちゃんが
自分の手拭い入れとけ言いました。

わざと洗うてないの。

臭うて腹立つさかい 負けるもんかと
思うはずやって。 ほんまやろか?

ほな 体に気ぃ付けて頑張るんよ」。

臭い~!

うち 柔道やってましてん。

草間流柔道は
相手を敬うことから始めます。

大久保さんは家ん中のこと
ずっとやってきやった。

すごいことやと思います。
すばらしいことやのに

誰にでもできる言わはりました。

そやろか?

大久保さんが作ったごはんは
大久保さんにしか できひんのとちゃう?

うちは
「家ん中の仕事も すばらしい仕事や」

いつか 「あんたにしかできひん」
「参りました」言わせてみたい。

そう思いました。

どうか雇って下さい。
戦わせて下さい お願いします!

戦うて 子ども相手にアホらしもない。

こうして喜美子は
女中見習として働き始めます。

これ 何ですか?
(大久保)ストッキングや。

破れたとこ直し。 素早く丁寧にな。

これ 荒木荘の仕事ですか?

できるか できへんか どっちや?
できます!

(窓をたたく音)
出来た?

まだです! こんなようさん…。
はよしなはれ!

大久保…。

とやあ~!

あ~! よしっ。

失礼します。

そして 初めての給料日。

えっ?

忘れとった~。

ちゃんとしたお給料は
大久保さんがおらんようなってからよ。

えっ?
喜美ちゃんは見習いや。 見習い…。

全部任されるようなって 初めて

大久保さんに渡すお給料も全部
喜美ちゃんのもんになる。

頑張り。

大久保!

大久保~! とやあ~!

とやあ~! ハア ハア…。

荒木荘での暮らしも
2年と半年が過ぎました。

喜美子は荒木荘を
切り盛りできるようになり

働きながら美術学校に通おうと
考えていました。

ちや子さんの言うてたとおり

そこが一番活気があって
意欲的な学校でした。

今年からジョージ富士川
特別講師で呼ぶぐらいやからな。

どんな人です? サイン会があるんよ。
これな 行っとき。

日本を代表する芸術家やで。

お~ ボンジュール ボンジュール。
ジョージ富士川が来たでえ。

はいはい ごめんな。

自由は不自由やで。

来年 中淀の
美術研究所の絵画科に通おう思てます!

そこ 僕が特別講師頼まれたとこや。
はい!

基本を学ぶことは大事なことやで。

土台がしっかりして初めて自由に描ける。
はい。

きみこは どんな字?
喜ぶに 美しい子です。

ありがとうございます。

喜美ちゃん!
草間さんや~!

終戦のあと 離れ離れになったままや
言うてた奥さん 見つかった…?

これこれ!

最近 よく思い出すことがあって…。

お店をね…。
お店?

お店をやろうって言ってた。

当時は 一緒になったはいいけど 2人で
過ごす時間が ほとんどなかったんだよ。

だから いつか2人でお店でもやろう。

そうすれば
ずっと一緒にいられるからって…。

その夢を… 向こうは かなえてた…。

奥さん 生きてたん!? よかった…。

別の人と。

どこかで片をつけなきゃいけないとは
思ってたんだ。 そうです。

逃げてちゃいけない…。 そうです!
行こう。

(戸が開く音)
(里子)いらっしゃいませ。

♬~

10円のお返しです。
ありがとうございました。

こんばんは!
こんばんは。 いらっしゃいませ。

里ちゃん つわりは どう?
そろそろ気持ち悪なる頃やん。

(里子)まだ そんなん…。
うちの時は ひどかったさかいな。

そうなん?
そうよ。

(里子)何にしましょ?
(母親)何にしようかな。

(娘)いつもとおんなじで きつね。
(母親)きつね?

♬~

ああ!
ハハハハッ。

おおっ。

♬~

☎(常治)喜美子か?
お父ちゃん!

☎(常治)お母ちゃんがな 倒れた。
えっ?

お母ちゃん!? ただいま帰りました!
(直子)ただいま~。

喜美子姉ちゃん!
百合子~ かわいらしゅうなって!

お母さん倒れたって ほんま?
直姉ちゃん また居残りやったんけ?

うっさい! 居残りて 何?
勉強できひん…。

言わんでええ!
あ… やめえ! 何してんねん!

お母ちゃんは?
奥や。

奥? どないしたんや?

お父ちゃん。

も… もう戻らんでええ。 なっ?

大阪 戻らんでええから。
はい?

こいつや! うちのこと頼むわ もう…。

新しい仕事な
信楽で ちゃんと見つけたるさかい。

以上!

何が「以上」やのん?
また そんな一方的に言うて。

お母ちゃん…。
喜美子。

お母ちゃん…。
よう帰ってきたな。

お母ちゃん倒れたて うそついたんやて。
さっき聞いたとこやねん。

ほんま倒れてまうやろ!?
今のままやったら!

体調悪いんは ほんまの話や。
夏に 1回倒れよってん。

夏バテや。
姉ちゃんいんと この家 まわらん。

ずっと いんのん?
ちょっと待ってや そんなん無理や。

うち明日 大阪戻るで。 あかん!
戻るで!

翌朝 喜美子は 早々に家を後にしました。

(百合子)喜美子姉ちゃん!
百合子! 学校こっち?

病院行くねん。
お母ちゃんの貧血の薬もらいに。

百合子 学校やろ? 学校行き。
えっ?

姉ちゃんが代わりに行ったる。
貧血の薬 言うたら分かるの?

大人はあかんねん。
えっ?

やっぱり いた。
余計なこと言うな言われてるやろ!?

ちょっと待って? 余計なことて 何?

朝から 何 怒ってんねん この~。

おはよう。 また病院?
知ってんの?

病院のツケたまってんねん。

大人が行ったら 「川原さん ええ加減
お金払て下さい」言われんねん。

百合子 子どもやろ?

逆にな 学校も行かんと
薬取りに来るやなんて

かわいそうな子やな言うて
薬くれやんねん。

姉ちゃん 知らんやろ。

お父ちゃん オート三輪買う言うて…
えらい借金して…。

張り切り過ぎて アホや。 足くじいて…
ずっと仕事できひんかった。

ほやのに飲んでばっかりで ツケたまって
借金どんどん増えて…。

(すすり泣き)

喜美子… 忘れもん?

ちょっと支払いしてきた。
ほかにもあるんやて?

全部で いくらたまってんの?
なんとかなるよ。

ならへんから
うちを呼びつけたんちゃうの!?

悩んだ喜美子は…。

ほんで…

ほんで 決めました。

学校は諦めます。 そのお金は 家の借金に。

うちは 信楽に帰らせてもらいます。

すみません 大久保さんからは
まだ認めてもらえてへんのに。

認める認めんで言うたら…
あの時やん…。

「大久保さんが作ったごはんは

大久保さんにしかできへんのんちゃう?」
って言われた時に

もう認めてたわ。

(さだ)そんなん最初の日やんか。

(大久保)フフフ…。
(さだ)もう! フフフ…。

お父ちゃん これから お酒は
週末だけにしよな?

何 言うとんねん お前。
体のためにもよ。

大阪帰れ! もう。
もう帰らへんよ うちの家は ここや。

こうして信楽に戻った喜美子は
丸熊陶業の食堂で働き始めます。

そんなある日
絵付け火鉢と出会った喜美子。

失礼します。

絵付けをやりたい?

うまくできるかどうか分からへんけど
やってみたい。

子どものお絵描きとはちゃうで?

しかも 女の絵付け師なんて
聞いたことないで?

女は やれへんの?

絵付けも陶芸も みんな作ってるのは男や。

照子 お願いしますぅ!

明日 あの作業場行き?
お父さんに早速 言うとくし。

ありがとう 照子!

おお… 気分ええなあ。
(信作)おう おう おう よかったな。

翌朝 作業場へ行ってみると…。

(くしゃみ)

日本画を描いていはった
深野心仙いう立派な先生やど。

立派な…。

試作品が焼き上がりましたんで。

はい はい…。
へえ~。

(秀男)品のええ絵柄ですわ。
さすがは 深野心仙先生。

あ~。
あちら お弟子さんや。

あっ 初めまして!
こんにちは。

やってみたい言うてんねんやけど
どやろな?

フカ先生が ええなら。
ええよぉ。

ほな 僕らもかましまへん。
ああ よかったなあ ええ?

ほんまにええんですか? ほんまに!?
ええよぉ。

ありがとうございます!
よろしくお願いします!

(池ノ内)ほな 早速 これ描いてみよか?

いや いきなりそんな…。
ええねん 練習や練習。

よし…。
ああ そうそう。 そういう感じ。

(磯貝)器用やなあ。
こんなんやんの好きなん?

好きです 楽しい!
(池ノ内)女の子で珍しいな。

時間を忘れるほど

絵付けに夢中になっていく
喜美子でしたが…。

あ… 先生?
いや… あ… あの…。

おおっ。 先生! 先生?

おはようさん。
おはようございます。

朝は集中したはるさかいな。

朝はあかんのですか?
見られたないねんな。

集中したはる時のフカ先生…
あれやしな…。

あれ?
また折見て 遊びおいで?

遊び? えっ!?
えっ?

えっ?

遊びちゃいます。 仕事として
やらせてもらうつもりでおりました。

物になるまでは何年かかるか分からん。

その間 一銭ももらわれへんし
当然やけど 無給や。

お帰り。
ちや子さん!

そんなに ゆっくりしてられへん
仕事で来てん。

仕事?
雑誌記者や。

琵琶湖に… 橋が架かんねん。

ええ~!

どきどき わくわくすることを伝えんのが
うちの仕事や。

大橋の話 聞きつけた時にな

夢の大橋や そんなん取材したいわ
うちにやらして下さい言うて。

せやけど 女やからな
相手にしてくれへん。

「どうしてもやりたい やってみたい」。

一生懸命 掛け合うて…。

ようやっと
任してもらえることになったんよ。

やりたいこと やらしてもろてんねんもん
楽しいてしゃあない。

うちも… やりたかった~!
(マツ)何!?

絵付け やりたかった~!
絵付け?

物になるのに 何年もかかる言われてん。

うちには 余裕ないねん!
時間も お金もないねん。 あかんあかん。

喜美子…。

翌日 喜美子が作業場を訪れると…。

(うなり声)

♬~

フカ先生?
あ…?

大丈夫ですか?

あ… 恥ずかしい…。

フカ先生は
日本画を描いてはってんな。

賞を取ったり 個展をやったり
世の中から認められてた。

それが 戦争が始まって…。

戦争画っちゅうもん
初めて描いたわ…。

ちっちゃい頃から
絵ぇ描くんが好きでな。

欲しいもんは
何でも 僕が描いたった。

お父ちゃんな
「ああ ええよぉ」言うてくれたんや。

お母ちゃんもな
「ええよぉ」言うてくれてな。

あ~ うれしゅうて 楽しゅうてな。

笑て描いとったわ。

笑いながら描いとった絵がな

もう あれだ 戦争画や。

人間が殺し合うんや…。

絵にできひんわ。
戦争終わった言われてもな

もう… もうあかんわ。
絵なんか 一生描けんと思た。

そん時な こいつと出会ったんやぁ。

こんなとこに絵!?

なんと ぜいたくなことを
日本は楽しむようになったんや。

僕は 叫んだわ。

「火鉢に絵! ええよぉ!」。

この絵ぇ前にして
あったまる人のことを思うと

もう楽しゅうて うれしゅうてな…。
笑てまうんや。

アッハッハッハッハッ…。

うちは フカ先生についていきたい。

笑いながら 楽しそうにやってる
あのフカ先生に。

決めた。 うちはフカ先生の弟子になる。

お願いします!
うちを三番弟子にして下さい!

3番は 3日で辞めたで?
えっ…。

(磯貝)9番目ちゃいます?
9!?

ほな キュウちゃん。

えっ…。
はい。

うちを弟子にして頂けるんですか?

ええよ。
頑張ります! よろしくお願いします!

キュウちゃん。

最初は
一本の線を描くことから始まりました。

息を吐くように正しい線を引けるよう
何万本も描き続けます。

そして 模写の練習も始め
何度も何度も繰り返しました。

3年後。

ようやく喜美子は一人前と認められ
仕事を任されるようになりました。

新しいデザインを
考案してはるんでしょう? 今年の。

これや。
(池ノ内 磯貝)おおっ。

キュウちゃんも ひとつ やってみるか?
もの作りは一生修業や。

採用されるまで 何回でも
取り組んでみたらええやないか。

分かりました やってみます。
挑戦してみます。

ありがとうございました。
ええよぉ。

悪戦苦闘の末…。

お願いします。
(深野)うん。

ほう!
ええですか?

ほう~。
あかんですか!? ほうほう…。

ええんですか? ほう~。
どっちやねん。

ほう。

持って… いきますしね?

おうおう おうおう。 久しぶりやな。

正月以来か? 照子と あかまつで飲んだ。

おい 俺のここ ええ匂いするから
嗅いでみぃ。

うわっ!
ハハハハッ!

ハハハハ… 臭いやろ。
昨日の夜 ここにゲロ吐かれてん。

来んな 来んな。 おい もっと嗅げ。
何やねん もう… ええわあ!

何しに来たん?

俺が今 どこ勤めてるか覚えてる?

役場や。 商工観光課。

その話 来年にせえへん?
今年 ちょっと忙しい。

もう お前は いっつも忙しい!
万年忙し太郎やな。

何や その忙し太郎て。
忙し太郎…。

(加山)何ですのん?
話やったら 向こうで。

あ… あ…。

絵付けの新しいデザインです。
うちが考えました。

また持ってきてもええですか?

今年が駄目なら来年

来年が駄目なら その来年
また考えます。

ありがとうございました!

あれ? 知ってるやんな?
照子の… うちの婿。 はい。

婿に来て もう… みつきか。

(敏春)みつきと29日です。

照子のお見合いの話を聞かされたのは
半年ほど前…。

京都の老舗旅館の三男坊で
大学出の頭の切れる男や。

おう。
会計事務所辞めて 婿に来てくれはる。

こんな ええ話ない言うて
お父ちゃん お母ちゃん大喜びや。

あんな男!
ゴキブリ百万匹の方がマシやで!

なぁや! せやろ!?
おう!

失礼いたしますぅ。

頂き物のおスイカとおブドウ
お持ちしましたぁ。

敏春さん どうぞ。

ありがとう。
へえ。

(笑い声)
おスイカ…。

シ~ッ!
初めて見たわ 照子の若奥様ぶり。

好きになったんやなあ。

好き… になった…。

おほほほほ…。
おほほほほ…。

ああ見えて 2人でいてたら優しいねん。
物知りでな。

自分が丸熊陶業継いだら
日本一 目指しますぅ言うたりすんの。

毎日 一生懸命やってる。
敏春さんを支えてあげてんねん。

これでは融資を受けられません。

事業計画書 戦略いうもんが必要です。
うわ~ 面倒くさいこと抜かすのう。

新しゅう若い社員を入れるんは
賛成してくれはったやないですか。

そらまあ 事業拡大のためや。

一方 川原家では
東京での就職が決まった直子が

旅立つ準備をしていました。

何で お父ちゃんの手拭い
東京持ってかな あかんの!?

お父ちゃんが行くな言うても
うちは東京行くで。

別に 行くなとは…。
言うてるやんけ! 言うてへんねん。

ほな 何や? 何が言いたいねん!

お前は… お前…。

離せ…!
ええから スイカ食べやいさ!

みんなで仲よう 食べようや。

なっ?
(常治)端っこでええねん もう!

絵付け 楽しい?
楽しいよぉ。

うちは 一生の仕事を見つけたんや。

直姉ちゃんも 何か見つかるとええな。

フッ。

何でも楽しめ!
誰かと出会て 楽しくなるかもしれんし。

誰と出会ったら楽しいいうねん。
こんな人…。

(笑い声)
そんな人 嫌や!

こんな人ちゃうか?
(笑い声)

(笑い声)

吹きかけるか 普通!?

そして 丸熊陶業に
新しい社員がやって来ました。

ここで君らには 新しい自社製品の
企画開発を担ってもらいます。

火鉢とは
全くちゃうもんを考えてほしい。

(八郎)失礼します。
あ…。

新しい人?
(八郎)あ はい。

(信作)火まつり知ってます?
火まつり

火の神様に感謝する
信楽ならではの夏祭りです。

僕は ここが好きで ここ 信楽の土が

火ぃで焼き上げた時に
ちょっと ざらざらしてる感触が…。

分かります。 ちょっと ざらざら…
洗練されてないいうんかな…?

素朴な感じ。
素朴 それや! 好きなんです。

うちも好きです。

あっ これや これ。

敏春さんは このデザインを
次の火鉢に採用したい言うてはる。

ああ。
敏春さんの話も聞いてあげて下さい。

それ 誰が描いたか
知ってて言うてんのか?

えっ?

≪喜美子~!
うん?

採用されたで!
新しい絵付け火鉢のデザインや!

えっ…?

すごいやん!
そら よかったなあ。

今後は どんどん新しいこと取り入れる
言うてました。

よっしゃ。 ほな 体操しよか。

ほな 今日は ちゃんとやりましょう。

よし ちゃんとやりましょう!
いくぞ。

いきます。 5 6 7 8…。

(一同)1 2 3 4 5 6 7 8…。

川原さん。
はい?

信楽初の女性絵付け師…?

デザインが採用されて

晴れて喜美ちゃんは
一人前の絵付け師になったいうことや。

ありがとうございます。

そういうことで 滋賀毎報さんに
載せてもらえることになりました。

新聞?

え~ では まず お名前ですが…。

キュウちゃん呼ばれてやる。

弟子入りしたんが9番目やさけ
深野心仙のな。

はい。
それは 入れんでもよろしいです。

信楽初の女性絵付け師の話に絞って…。

丸熊陶業の
マスコットガールみたいな感じで。

ミッコー どうです?
喜美子のミッコー!

ミッチーブームに乗っかって
ミッコーな。 うんうん。

その火鉢に
ちょっと手を添えてもらえますかね?

ああ そうです そうです そうです。
マスコットガールらしさ 出てますね。

(黒岩)「丸熊陶業のマスコットガール」!

(加山)すごいですわ~!

川原さんがデザインした
絵付けの火鉢が出来たら

欲しいいう注文入りました!
続々と来てます。

ほんまですか?
そら すごいわ。

時代は 深野心仙からミッコーですわ~。
ほんま新聞はすごいなあ。

(一徹)本人の前で言わんでもなぁ。
(秋安)悪気ないんやろ。

失礼します。

ちょっと よろしいですか?

ええよ。

深野先生のお描きになった日本画
僕の家に ず~っと飾ってありました。

へえ~。 どんな絵?

(八郎)鳥が飛んでます。

山があって 水辺があって…
鳥は 2羽飛んでました。

祖父が 日本画が好きで
ようやっと買えたいう思い出の一枚で。

ありがたい話や。
(八郎)いえ!

それを白いごはんに換えました。

闇市行って…
大事に飾ってあった先生の絵を

白いお米と 卵3個に換えて

「おいしいなあ おいしいなあ」言うて
うちのもん みんなで食べました。

すいませんでした。

先生の絵のおかげで 白いごはん… 卵…
ほんまにありがとうございました!

(深野)若い頃に描いた 名もない絵や。

忘れんとってくれて ありがとう。

(すすり泣き)

[ 回想 ] (八郎)山があって 水辺があって…
鳥は 2羽飛んでました。

描いてみました。

鳥は 2羽や言うてましたよね?
仲よう並んで 飛んでるところを

こんな感じかなあて
想像して描いてみました。

どうです?

うれしいです。

十代田さんの話を聞いて
描かずにはいられませんでした。

大事にします。 ありがとう。

もろてくれて うちもうれしいです。
ありがとう。

(加山)川原さん!
おう…!

社長が倒れました
病院に運ばれはったんです。

(西牟田)加山さん!

亡くなられたそうです。

照子に会えたのは
しばらくたってからのことでした。

ここんとこ 食欲なかってん。

そら そうやろ…。
お父ちゃんのことだけやない。

おなかに赤ちゃんいんねん。
えっ!?

気付かんかった? フフフ…

まあ 目立たん方や言われたもんな。

それもあってな
葬儀は うちの体のことを考えて

静かに内々でやろういう話になってん。

そやったん…。

環境が これから急激に変わるで。
うちだけやない 喜美子もな。

丸熊陶業… 大改造や!
大改造?

若い世代を中心にするんや。

火鉢の生産も大幅に縮小される。

これからは 電気やガスの時代や
敏春さん言うてた。

火鉢は
どこの家庭でも要らんようになってく

売れんようになってく。

ありがとうな。
いえ。

ほな 早々に旅立ちます。

丸熊陶業を大改造されるいうお話。

信楽を離れて 遠くの地から
応援させて頂きます。

寂しいですよね。

えっ?

深野先生
いつまでおられるんか お聞きしとうて。

もし 火まつりの時 まだおいでやったら

たいまつ担いで歩くのん
ご一緒さしてもらいたいな思て…。

うん? えっと…。
歩きたいんです 最後やし。

え… 最後て 何が?
せやから 先生が!

せやから 何で先生が!
信楽を去るいう話…。

えっ?
ご存じやなかったんですね?

どういうこと? えっ? 待ちなさい!

こんな大事なこと
僕の口から言うてええもんかどうか…。

言うて下さい!
いやいや いやいや…。

わあっ。
ずるいわ! 言うてえや!

教えてえや! ずるいわ!

あの…。

はい。
はあ…。

大体 うちが知らんのに
何で 十代田さんが知ってんの?

事務所で聞いて…。

長崎に 絵付けの研究をされてる方が
いてはるそうです。

深野先生は お弟子さんになるんです。

はあ!?
さまざまな工芸品に

絵付けの技術を生かすことを考える
言うてはりました。

挑戦するんや…。
新しい挑戦です。

かっこええな。

かっこええ。

うち フカ先生大好きです。

うちも長崎行こかな…。

フカ先生 辞めはるんやろ?

みんな 絵付け職人さんがクビになった
言うてるよ?

誰が そんな話…。
お前が分かってへんだけやろ。

新しいことに挑戦するんや!

フカ先生は 長崎行って
絵付けを一から学ぶんや!

お父ちゃん 分かる?
どんなに すごいことか。

やりたいことやろうとして
好きなこと追いかけて!

フカ先生は すごい先生や!

世間が何と言おうと すばらしい人間や!

世間の何を分かっとんねん。

好きなことを追っかけて…

それで食える人間が
どんだけおる思とんねん。 ええ?

深野先生みたいな人間だけが
すばらしい人間や思うんやったらな…。

出てってくれ。

そして 火まつりの日。

先生 大丈夫ですか?
おう…。 先 行ってて。

来て下さいね。
行くし。

待ってますよ。
行くよ~。

何でしょう?

うちは
丸熊陶業に しがみつくことにしました。

引き続き お仕事をさせて頂きます。

マスコットガール ミッコーでも
キッコーでも 何でもかまいません。

それが お仕事であれば
一生懸命やらせて頂きます。

分かりました。
つきましては…。

信楽初の女性絵付け師として

それに見合った…
その… 要求といいますか…

今後は 一人前として扱って頂きたい。

要するに 賃金アップ?

はい。

やりました~!
お給金上げてもらえました!

(池ノ内)ほんま!?
(磯貝)やった~!

先生! やりました。

これで 名実ともに
一人前の女性絵付け師誕生や。

ほんまに ありがとうございました!
お世話になりました。

こうして 深野先生たちは
信楽を去っていきました。

うわ~!

これが… うちの絵付け火鉢…。

きれいに焼いて頂きまして
ありがとうございます!

ええ感じやん。

いとしいわあ… すりすりしよ。

すりすり。
すりすり。

初めてデザインした火鉢を見せようと
八郎のもとを訪ねると…。

はあ…。

ああ!
声かけたら邪魔かな思て…。

すいません。
何か?

これ 持ってきたんです。

うわあ…。

あの… 話 してたいんやけど
土が固うなってしまうんで。

やりながら
話 してもいいですか?

もちろんです。 ええです ええです。
すいません。

陶芸家を目指してはるん?

なりたいなあ思てます。

誰かにとって
大事な大事な宝物になるような…

そういう作品を作るのが僕の夢です。

夢 その1です。

1?
フフフ…。 その2もあるってこと?

その3もあります。
3も! 欲張りやなあ。

何ですぅ?
よう言わん。

ええ! 何で?
言わん 言わん。

このまま見ててもええですか?

こうやって間近で
じっくり見たことないんです。

ほやから見てたい。 ずっと見てたい。

(常治)集団見合い? (信作)はい。
大勢で いっぺんにお見合いするやつや!

そや! 百合ちゃん それや。 東京でも
えらい盛り上がったらしいですわ。

ほう~。 そういうのを信楽でも
やろういう話になって

名付けて「お見合い 大 作 戦」! バ~ン!

喜美子にも参加してもらいます。

はあ~。
おう おう おう おう…! ええな これ。

川原さんも参加しはんのん?
お見合い大作戦。

お見合い大作戦? 信作が
役場の人と盛り上がったみたいですよ。

「ハチ お前は絶対参加してやあ」
言われました。

「ハチ」「信作」って
呼び合う仲になったんですか。

この前も あかまつで飲みました。

へえ~。

十代田さんいう人がいてな。
自分の作品作ってやんねん。

面白そうやし 興味わいてきてん。

うち 陶芸を学んでみたい…。

また修業すんのん?
修業いうか…

絵付け以外にも 学ばせてもろて
自分の世界を広げたい。

おはようございます。

こないだは ありがとうございました。

今日から
見させてもろてもええですか? 毎日。

困るわ そんなん。
えっ…。

僕と 川原さんと2人?
はい。

そんなん… 何て言われるか…。

周りに知られたら
何 言われるか分かりませんよ。

がっかりや…。

ハチ 信作って呼び合って うちのことは
喜美子 言うてくれへんのは

そういうことやったんですね。
何が そういうこと?

こんなにも何回も会うて
ようさん おしゃべりしてんのに

ここと ここの間は
男と女いうことでしょ!

男と女や!

僕にとって 川原さんは 女や。

僕は つきおうてもない人のことを
気軽に名前では呼べません…。

ほな つきあったらええやん…。

呼んで? 喜美子 呼んで。
つきあって下さい。

夢の話 したん覚えてます?

その2は
陶芸展に出品して 賞を取りたいんです。

ほんで その3もあって…。
何です?

好きな人と結婚することです。

はよ結婚したいな思てます。

あの 作業… 進めさしてもらいます。

あっ!
ああ!

(2人)びっくりした…。

何や 話が
おかしな方向に行ってしもうた…。

すいません。
いえ。 うちも変な方向に話を…。

うち その… 結婚いうんは
よう分からへんし…

つきあった その先に
漏れなく 結婚がついてくるん?

好きな人ができたから結婚したい
いう話です。

好きな人…。

ほやけど うち…

結婚いうんは考えられません。

ほな 川原さんで。
えっ。

川原さん 十代田さんで。

どうぞ。

誰かに何か言われたら
僕に すぐ言うて下さいよ。

僕から きちんと言い返します。

来てもええの?

(八郎)上げて 押す。

喜美子は
八郎から陶芸を教わることになりました。

そうそう…。 で 体を上に上げて

上から下に押す。

焼きもんのかけらを…。

えらい昔のかけらや言われて。
昔て?

室町時代

見せて下さい! ああ…。

いや ええですよ
うちも見てもらいたいです。

うわあ…
なにで こんな色出したんやろ…?

これは 焼いただけや…。
焼いただけで こんな きれいな色出るん?

その当時の土と… 空気と水と…。

焼き加減か…。

炎の力?
せやな。 二度と出えへん 自然の色や。

自然の色…。

うん。 貴重や。

へえ~! ほな 大事に持っときます。
うん。

あの…
向こう座って ゆっくりお話ししたら?

あっ いや もう帰ります。

夕方から あれなんで…
お見合い大作戦。

ええ人に出会えたらええな思てます。

(マツ)八郎さん 感じのええ人やった。

あんな人やったら お見合い大作戦で
すぐに合う人 見つかるやろなあ…。

十代田さん!

これ…。
あ… わざわざ そんな…

すいません。

あんな…。

あんな…?

一回しか言わへん。

お見合い大作戦 行かんといて下さい。

えっ。
行かんといて! 何…。

好きや!

好きやねん うち あんたのこと!

どう考えても よう考えても 好きやった!

あんな…? あの!
あ… いや…

どうぞ。

草間さんいう人がいてな?
奥さんを捜しててん。

奥さん ほかの人と暮らしててん。

分かる?
分かる…。

結婚してても
こういうことがあるんやなぁて。

手をつなぐことより
難しいことがあるんやなぁて。

離さへん。

僕は ずっと離さへん。

抱き寄せてもええですか?

えっ…。

おんどりゃ~! お父ちゃん!
お父ちゃん!?

あ~!
ああっ…。 何すんの!

来い!
お父さん? お父さん…。

話 聞いてや!

もう お父ちゃん!
分かった もう分かった…。

何が分かったや! ほんまに もう!

どこの馬の骨か分からんやつと
こいつは…。

十代田八郎さん いいます。

どこのハレンチさんや。
八郎さんです。

お前は あばずれさんや もう!
結婚 考えてます。

結婚!?
十代田さんは…

陶芸家になりたいいう夢を
持ってはります。

結婚はせんでええ。
お父ちゃん お父ちゃん言うて お前

ずっと お前 かわいらしい娘のまんま
ここにおったらええねん。 なっ?

そういう感じで ちょっと 頼むわ ひとつ。

うちのお父ちゃんは
ほんま 一筋縄ではいかへんねん。

今まで 家のこと
全部うちがやってきてん。

何かあったら
お父ちゃんと向き合ってきた。

ちゃぶ台ひっくり返されるんも
うちが止めてきてん。

うちが頭下げて許してもらう。

これからは 僕がおる。

一緒に頭下げよ。

ちゃぶ台ひっくり返されたら
一緒に押さえよ。

あの…。
(常治)本日は…

お忙しいところ
ご足労おかけいたしまして。

先日の件
心より陳謝いたしますとともに

何とぞ ご容赦のほど
お願い申し上げます。

殴って すまんな。
いえ。

娘はやれへん。 以上。 風呂!

まだやけど…!
(常治)もう ほんま しゃあないな。

お父ちゃん。
ミカンの皮でも浮かべて

入るかなあ。
ちょっと待ってえや お父ちゃん!

それから何度も川原家を訪ねた八郎ですが
まともに取り合ってもらえません。

喜美子は
子どもの頃から川原家を背負ってきて

この先も 家をしょっていかなあかん。

ほんでもな? 結婚することで
しょってるもんが 少し軽うなるんよ。

自由にしてやってな?
もうええから。

あっ…。 ええ!? もう 大丈夫なん?
痛たたた…。

やっぱり痛い。
これ あれや 来たわ 陣痛ちゃうか。

(2人)うそやん!
ちょっと呼んできます!

大丈夫か?
どうしたらええ? どうしたらええ…?

痛い 痛い…。

照子が産気づいてな
出産に立ち会うてん!

ほんま!?
もう 焦ったわ!

照子さん 産まれたんや!
そうやねん!

(百合子)上がらはります?
(マツ・小声で)上がって!

あの 改めまして 十代田八郎と申します。

あの~ 八郎君。
はい。

八郎君は 今 丸熊陶業の

商品開発室いうとこで
社員さんでおられるやろ。

はい。
あの 喜美子から聞いたんや

陶芸家になる夢 持ってるいうて…。

そんな夢 必要ですか。
お父ちゃん。

陶芸したらあかん
言うてるわけちゃうねん。

なんぼでも空いてる時間にやってくれても
かまへん。

せやけど 喜美子と一緒なるんやったら

一生 そんな ふわふわしたことを言えへん
いうて。 約束して下さい。

夢を… 持つないうことですか。

好きいうだけでは
夢いうのは かなえへんねんて。

うち もう見てるで? 十代田さんと 夢。

独り立ちして食べていけるようになる。

そういう十代田さんの夢を
うちは もう見てるんやで?

なんぼでも空いてる時間でやってかまへん
言うとるがな もう!

もの作りは そんな甘いもんちゃうわ!

お父ちゃんが仕事帰りに
酒飲むのとは違うんや! 一緒にすなや!

誰に…!

4年前に陶芸展で入選した
山田さんいう人は

こういう… 小さな湯飲みを作って…
一個5万で売れます。

大学出の初任給の2倍 3倍…。

何で5万で売れるか分かりますか?

それだけ心が動いたからです。

僕は
人の心を動かすような作品を作りたい。

僕の部屋に 絵が飾ってあります。

風邪ひいて寝込んで
ごはん食べられへんかった時

その絵を見て 元気を出しました。

誰かの描いた絵が
誰かを支えたりするように

僕も誰かの心を癒やしたり
励ましたり…

そういう…。

僕は 陶芸家になります!

一緒に夢を見させて下さい。

喜美子さんと結婚させて下さい!

お願いします!

お願いします。

陶芸展で 賞 取ったら…。
受賞祝と結婚祝 一緒にしたる。

取れるもんやったら 取ってみぃ!

はい。

陶芸展に向け
八郎は 作品作りに没頭します。

そんな中
コーヒー茶わんの依頼が舞い込みます。

せやけど これも
どっちか1種類いうのは悩むなあ…。

2種類作りましょか?
ええの? はい。

ほな これ 10個 10個で2種類頼める?

(八郎)かまいません。
(大野)手間かけさせて悪いなあ。

15個言うてたやん 数増えてるやん!

間に合うのん!?
この正月休みにやったら。

この正月休みは
作品作りに集中する言うてたやん!

何で おじさんに言わへんかったん?
言うたら 気ぃ遣わすやん。

うちが作る。

電動ろくろに挑んだ喜美子ですが…。

あっ あっ あっ…。

あっ…。

電動ろくろ使いこなすんは何年もかかる。
これは 諦めぇ。

喜美子は こっちで… 10個作ったらええ。

そのうち 上手になるで。

自分の作ったコーヒー茶わんで

誰かが
おいしそうにコーヒー飲んでくれてる

そういう景色を思い浮かべて
作って下さい。

深野先生は ニコニコ穏やか~に
やってはったんやろ?

喜美子かて
絵付けやってる時は そうなんちゃう?

陶芸と絵付けは違う
今やってみて よう分かったわ。

おんなじや。

作ってる人の気持ちが 作品に伝わる。

どんな もの作りでも
そこだけは一緒や思う。

心は伝わるで。

はい。

喜美子は 手回しろくろを使い

一晩かけて ようやく10個
形にすることができました。

しかし…。

本焼きしたら割れる。
えっ?

見た感じな。 ほんまのところは
焼いてみな分からへんで?

そんなん あかんわ!
どうしよう… 2個割れる…。

時間ないな… ないな…。

今から急いで作るわ。
喜美子。

使てええ粘土ないのん?
気になること言うて悪かった。

気になるに決まってるやん!
喜美子。

ともかく焼いてみんことには
分からへんねん。

そんなん困る…。

それが陶芸や。

待つしかないんよ。

おおらかな気持ちでな?

信作んとこ電話してくるわ
おじさんに今の状況 伝えてくる。

♬~

2個割れて数が減ってもかまへん
言うてくれました。

申し訳ない。
お花の絵ぇ描いてあげることにしてん。

どこに描こう…
おしゃれな感じで 1か所。

何か 楽しいこと言うて。

不安と緊張で気持ちが沈む。

賞を取るで。
そら ええな。

3月の末に受賞作品の発表や。

ほんで 4月に結婚や。

5年後 2人の作業場が出来てる。

それ 書いとけ書いとけ。
書いとく書いとく。

2人の将来設計やな。

予定どおりにしよな?

キスは いつするんやろ。

え…。

全部 予定どおりは つまらん。

僕も男やで。

お花の絵…

コーヒー茶わんの中に描くわ。

ええなあ。

今 ひらめいた…。

ええな それ。

お花 ええ感じやん!
飲み終わったら見えるしなあ。

ほんま気に入ったわあ。
ありがとうございます。

陶芸展に向けた八郎の作品も完成。

(敏春)これは なかなかやわあ。

ほんまや こんな赤い色 珍しいんちゃう?

ええ色やなあ。

ありがとうございます。
大したもんや。

そして 入選発表の日。

分かったん?

その顔は…

裏の… 裏をかいてる?

作った。
えっ。

ごはん茶わんや。

これで毎日 一緒にごはん食べよな?

えっ…。
これから ずっと。

フッ。
ええ!

おめでとう!
入選おめでとう! よかったなあ!

ありがとう。 照子 あの…
おんぶひも きつきつやで。

ついに うちの丸熊から 陶芸家誕生や!
おっ 陶芸家! よっ 陶芸家!

受賞とご結婚をあわせまして
せ~の…!

(一同)おめでとう!

(拍手と歓声)
ありがとうございます。

(拍手)

まだ 一緒に飲んだことなかったんで…。

娘が3人おって…。
男は 俺一人で。

息子が欲しかったんや。

喜美子を… 頼むな。

はい!

はよ撮ろうや 東京帰んでえ!

(中村)はい 撮ります。

(シャッター音)

5年後。

2人は 丸熊陶業から独立。

八郎の作品は なかなか高値では売れず
喜美子も家計を支えていました。

琵琶湖大橋関連の取材も
今日で終わりや。

もう こっちに来ることもなくなるなあ。
寂しくなるなあ…。

見て~!

な… 何や これ。

イチゴケーキ!
おお すごいなあ。

よし ほな 飾りに行くか?
行っといで。

喜美ちゃんも
そろそろ 作品作りできるんちゃう?

自分の作品作ろう思わへんの? うちは
陶芸家を目指してるわけやないんで。

女性陶芸家なんて 信楽にはおらんし。

せやから 喜美ちゃんが
その1人目になったらええやん。

ほやけど うちは
今の仕事にやりがいを感じてるし

十分満足してます。

男には負けん才能があってほしいいう
同性としての希望やな。

ほな そろそろ行くわ。

また連絡するわ。
はい お元気で。

おはよう!

このころ 常治は
体調のすぐれない日が続いていました。

うん? ヘヘヘヘッ。

作業中悪い ちょっとええ?
ええよ。

おじさん 調子悪いやろ?

うん…?
県立病院で会うたで。

検査したあと 泣いてはった。

どういうこと?

お父ちゃんが病院に?
一人で診てもろてたんや…。

今日 やっと
担当の先生いうのに会えてな。

一人で暮らしてる言うて
うそついてたらしい。

一人やから
検査結果は 本人に言うてくれいうて。

何で そんな うそを…?
予感が あったんちゃうか?

予感?

すい臓がやられてんねん。
肝臓にも転移してて

先生が診た時は
手の施しようがない状態やった。

そう長いことない。

そんな話 信じられるわけないやん。

何や それ!
一番しんどいのは お義父さんや。

喜美子が しっかりせんと。

したげられることないか聞いたんよ。

何もない言われた…。

せやから できることは 泣かんことや。

常治の体調は 日に日に悪くなり
食事も満足にできません。

おじいちゃんがな おいしいごはん
いっぱい食べれるように

ええ器 作ろう。

今 武志が描いてます。

お義父さんの顔やそうです。

次 お母ちゃんな?
その次 百合ちゃんや。

♬~

こういうの作るいうんは…。

心を 伝えるいうことやな…。

みんなの心が よう伝わった…。

ええ皿や…。

ええ皿や。

疲れたから… もうあっち行け ほら。

一人にせえ…。

大丈夫や。

ううっ…。

痛いんか?
お義父さん。

(百合子)お父ちゃん…。
(おならの音)

はあ~。
おっほ…。 (八郎)うそやん…。

(笑い声)

大丈夫 言うたやろ…。

喜美子。
うん?

ちょ… こっち来てみ。

ほな… またな…。

まだ起きててぇや。 まだ話 したい。

せやな 何がええかな
どんな話がええやろ。

あっ そや。
初めて 琵琶湖見た時の話 しよか。

また みんなで行こな?

お父ちゃん また言うてな?

「海ちゃうで 湖やで。 日本一の湖や!」。

そう言うてな 笑てな?

また笑おうな お父ちゃん。

(泣き声)

常治は そのまま 目覚めることなく
逝ってしまいました…。

お姉ちゃん!
直姉ちゃんが帰ってきた。

うわっ! 誰…?

ああ どうも! 鮫島です。

一緒に働いてはるんやて…。
はい。

あっ お姉ちゃん。

あんた どないしたんや 急に。

大阪行くさけ
ちょっと寄ることにしてん。

(直子)電話がかかってきた。

「わざわざ帰ってこんでええ。
帰ってくるな。

お父ちゃんは 大丈夫やから」。
何で そんなこと…。

強いお父ちゃんでいたかったんやろ。

なにを悟ったようなこと言うてんの?

お父ちゃんが
帰ってくんな言うたとしても

帰ってくんのが 子どもちゃうの?
そりゃ あんたとお父ちゃんは

馬が合わんで
ケンカばっかりしてたけどな

最期くらい…!
会いたい思たに決まってるやん!

会いたかった。 会いたかったで。

ほやけど うちは お父ちゃんの言うこと
いっつも逆らって

言うこと きかんかった。

最後くらい お父ちゃんの言うこと…
きいてやろう思たんや…。

(すすり泣き)
堪忍な… 堪忍や…。

ほな… おかげで心ん中には
元気なお父ちゃんしか おらんのやな。

うっとうしい 暑苦しい
元気なお父ちゃんしか記憶にない。

ジョージ富士川
八郎に頼まれ 喜美子のために

実演会を開いてくれることに
なったのです。

さあ やるで!

どや? 川原さん。

何 描いたらええか…。

自由に何でも描け言われてもな
なかなか さっと描けんもんやな?

自由 自由言われる方が 不自由や。

みんなにはな ジョージ富士川
鼻や 唇や 目玉ついてるやろ。

それついてたらな
見えへん色も見えるようになるんや。

不思議やなあ。
さあ 描け。 好きなように描け~!

こうせな あかんなんて決まりごとは…

一個もないんやで。

いくよ~!
キャ~! わ~!

自由は不自由や。 よいしょ。

アハハッ!

(ジョージ)よ~し。 ああ~! よし きた。

せ~の!

♬~

(ジョージ)いくで~!

(歓声)

ジョージ富士川と出会った日から
八郎は 猛然と作品作りを始めました。

翌年 八郎の作品は 陶芸展で金賞を受賞。

僕が片づけるさかい 喜美子は やりぃ。

ずっと 作りたい思てたんやろ。
ジョージ富士川さんに会うてから。

喜美子の番や。

♬~

(泣き声)

お義父さんのことが浮かぶんやな。

(泣き声)

喜美子は 父を見送ってから初めて…

やっと 泣くことができました。

ようやく 喜美子の手が動きだしました。

誰のためでもない 自分だけのために。

自由に作りました。

川原喜美子 初めての作品です。