ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

検事・佐方 ~裁きを望む~ 上川隆也、松下由樹、渡辺大、水崎綾女… ドラマの原作・キャストなど…

『ドラマスペシャル 検事・佐方 ~裁きを望む~』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

  1. 芳賀渉
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  17. 児島
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  19. 起訴
  20. 高子

f:id:dramalog:20191226230632p:plain

『ドラマスペシャル 検事・佐方 ~裁きを望む~』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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ドラマスペシャル 検事・佐方 ~裁きを望む~[字]

上川隆也が硬骨の検事を演じる“佐方貞人シリーズ”最新作!!
窃盗事件の陰に、資産家一族の骨肉の遺産争い!?
逆転判決で佐方が辞職の危機!

詳細情報
◇おしらせ
☆番組HP
 https://www.tv-asahi.co.jp/kenjisakata/
◇番組内容
検事・佐方貞人(上川隆也)は、不動産会社前社長・郷古勝一郎の通夜の晩に郷古家でおきた高級腕時計窃盗事件を担当していた。取り押さえられたのは、勝一郎と元秘書・明美石野真子)との婚外子・渉(渡辺大)だった。現場に残された証拠は、全てが有罪を示していたにも関わらず、渉は犯行を否定。佐方は真実を求め補充捜査を開始する。さらに、郷古家では勝一郎の遺言書が開かれ!?果たして、事件の裏に潜む驚くべき真相とは…!?
◇出演者
上川隆也松下由樹渡辺大水崎綾女池内万作利重剛黄川田将也立石涼子津嘉山正種松尾貴史石野真子伊武雅刀
◇原作
柚月裕子『裁きを望む』(KADOKAWA刊『検事の信義』所収)
◇脚本
酒井雅秋
◇音楽
吉川清之
◇監督
兼﨑涼介
◇スタッフ
【プロデューサー】佐藤凉一(テレビ朝日)、和佐野健一(東映)、大西文二(東映

 

 


(読経)

♬~

(郷古勝哉)おふくろ 疲れたろ?

少し横になったらどうだ?

(郷古佳枝)あとの片付けは
高子さんと私で やりますから。

(郷古麻恵)ありがとう。

♬~

♬~

(郷古恭治)男のくせに 一人で
トイレにも行けないのかよ。

(郷古翔吾)「男のくせに」は
セクハラだよ 叔父さん。

どこで覚えた?
どこでもいいだろ。

おじいちゃんの部屋 誰かいる…。

えっ?
ほら。

幽霊?

(勝哉)間違いないんだな?

(恭治)
ああ。 親父の書斎で光が見えた。

♬~

香典狙いの空き巣か。

警察には?
いや まだ…。

(勝哉)おい!

♬~

(勝哉)お前…!

(恭治)この時計…。
(勝哉)親父のじゃないか!

(芳賀 渉)離せ! 離せ オラッ!

(佐方貞人の声)公訴事実。

被告人は

平成31年4月4日
午後11時30分頃

米崎県米崎市倉谷台

故 郷古勝一郎方に
正当な理由なく侵入し

棚引き出し内に保管されていた

同人所有の腕時計
時価1200万円相当を

窃取したものである。

(麻恵)始まった頃ね…。

裁判 長引いたりしませんよね?
先生。

(児島隆雄)心配ありません
現行犯ですから。

(恭治)新社長としては
長引かれたら困るよな 兄貴。

遺言書の開示は
予定どおりで構いませんね?

もちろんです。

四十九日を過ぎたら開示するのが
勝一郎さんのご遺志です。

(佳枝)翔吾~ 翔吾~!

翔ちゃん? いないの?

(リポーター)
「米崎地裁前からお伝えします」

「大手不動産会社 GOKO ESTATEの
郷古勝一郎前社長は

胆嚢がんにより
77歳で亡くなりました」

「事件が起きたのは
その通夜の晩でした」

「こちらは現場です」

「勝一郎さんの自宅から

高級腕時計を盗もうとして
捕まったのが

勝一郎さんの婚外子

妻以外の女性との子供である

芳賀渉被告だったと
わかったのです」

このように

故 郷古勝一郎氏の自宅の
裏手の門を乗り越えた人物が

被告人である事は

被告人自身が認めています。

また 窃取したとされる腕時計が
しまわれていた

棚の引き出しからは
被告人の指紋も検出されています。

これらの状況から鑑み

被告人が 腕時計を盗み出す目的で
侵入した事は明白です。

俺は やってない。

昨夜 思い出したんです。

(裁判官)被告人
被告人質問は あとで行います。

いつかは覚えてないけれど…。

(裁判官)被告人
勝手な発言は控えなさい!

郷古勝一郎さん… いや 父と
東京のホテルで会ったんです!

(裁判官)被告人!

(渉)その時 あの腕時計を
譲り受けたんです!

俺は 腕時計なんか盗んでない!
無実だ!

被告人 退廷を命じます!

(渉)俺は
腕時計なんか盗んでない!

俺は…

郷古の奴らに はめられたんだ!

こんなの不当だ!
おかしいだろ! おい!

♬~

(本橋信次郎)「米崎の名士
郷古勝一郎氏に“隠し子"発覚」

「郷古氏宅で窃盗 現行犯逮捕」

「認知拒絶を恨んだ犯行か
遺産を巡る骨肉の争いか?」

下世話な記事というのは
不思議なもんだね。

くだらないと思いながら
ついつい最後まで読んでしまう。

君が起訴した案件らしいな。
大丈夫なんだろうね?

こちらの調べに
落ち度はないはずです。

君の特捜部行きを推したのは私だ。

顔を潰すなよ。

ご心配には及びません。

公判を担当している佐方は
優秀な検事です。

(筒井義雄)郷古家の長男が
事件前日

書斎に保管されている腕時計を
見たと証言しているな。

その点については
自分も気になっています。

譲渡されたという
芳賀渉の供述とは矛盾しますので。

奴は 郷古家に はめられた
とまで言ってるんだろ。

芳賀渉が
郷古勝一郎氏の息子である事は

DNA鑑定で証明されています。

ですが 認知されないまま
勝一郎氏は亡くなっており

その辺りに

なんらかの禍根が残っている
可能性はあります。

うん…。

で… どうする?

とりあえず 補充捜査を進めます。

(薫の声)
裁判 絶対に勝ちましょうね!

庄司さんの栄転も
かかってますし。

栄転?

佐方さん
本当に何も知らないんですね。

庄司さん 東京地検特捜部に
異動だそうですよ。

本橋次席の推薦で。

そうか…。
念願かなったんだな。

よう。

聞いたよ 東京地検の事。

珍しいわね
人事の事 知ってるなんて。

彼女がな 噂好きなんだ。

情報通と言ってくださいよ。

芳賀渉の公判
面倒な事になってるそうね。

大事な時なの。
足 引っ張んないでよ。

知ってるだろ
俺がプレッシャーに弱い事を。

えっ… そうなんですか?

ハハッ…。

事務官 からかうの やめなさいよ。

片ついたら 飲みに行こう。
俺のおごりだ。

期待しないで待ってるわ。

♬~

あそこですかね…。

顧問弁護士の児島です。

どうぞ。

佐方検事のお噂は かねがね…。

失礼します。

勝一郎の妻の麻恵です。

長男の勝哉です。

先日 父の跡を継いで

GOKO ESTATEの代表に
就任しました。

実質 郷古家の家長と
お考えください。

申し訳ありません。
恭治が遅れてまして。

弟さんですか?
ええ。

大学時代にゲームアプリの会社を
立ち上げたんですが

どうもルーズで困ります。

(恭治)経営者なんか
多少ルーズなほうがいいんだよ。

次男の恭治です。

米崎地検の佐方です。

事務官の小田です。
どうも。

あっ…。

母さん また新しいの焼いたの?
いいね。

そう?
(恭治)うん。

うわ~ かわいいカップ
手作りなんですか?

ええ 趣味で。

何年か前 アプリで一発当てた時
焼き窯をプレゼントしたんです。

焼き窯? すごい…。

(勝哉の咳払い)

で… 今日は
どういったご用件でしょう?

勝哉さんの証言に関して

いま一度
確認させて頂きたいと思い

伺いました。

私の証言?

はい。

勝一郎さんの書斎から
窃取されたとされる腕時計を

事件の前日に見たそうですね。

被告人の芳賀渉は

時計は 亡くなった勝一郎さんから
譲渡されたものだと

主張しています。

もし それが事実なら
勝哉さんの証言とは矛盾します。

あの時計は
祖父の代から引き継いできた

由緒あるものです。

父の棺に入れるものを
検討してる時に見たんで

間違いありません。

蛙の子は蛙
盗っ人の子は盗っ人です。

盗っ人…。

あの男の母親は
元々は主人の秘書でしたが

半年ほどで急に辞めたんです。

それが…

30年以上も経って
子供がいたなんて…。

かつては 主人を奪おうとして

今度は 遺産を狙ってるんです。

盗っ人たけだけしいとは
この事です。

(勝哉)母の言うとおりですよ。

年明け早々の事です。

(勝哉)客?
打ち合わせがあるのに…。

急なお客様のようです。

(郷古勝一郎)何をするんだ!

♬~

うう…。

ああ…。

財産が目的で何が悪い?

俺にも権利はあるんだろ!

そんなに疑うなら
DNA鑑定でもなんでもしろよ!

(勝哉の声)もちろん
父は認知しませんでしたけどね。

勝一郎さんが胆嚢がんを
患っていると わかったのは

2月の初め頃でしたね。

それから2カ月ほどで
お亡くなりになった。

その少し前に 芳賀明美
亡くなったようだがね。

(勝哉)あの腕時計は腹いせですよ。

遺産が手に入らず

自暴自棄になって
盗もうとしたんでしょう。

(麻恵)それをもらっただなんて…。
ハハ…。

(勝哉)あり得ませんよ。

我々が実際に捕まえたんです
この手でね。

♬~

それにしても
大きなおうちですね。

平成31年4月4日 午後11時34分

芳賀渉は

故 郷古勝一郎氏の邸宅裏手の壁を
乗り越え 庭に侵入。

(薫の声)
採取されたゲソ痕によれば…。

そのまま 離れに向かい…。

♬~

庭側の窓より 書斎に侵入。

うーん!

事件当日 窓の鍵は開いてたのか。

恐らく。 窓を割った形跡は
なかったようです。

♬~

(薫の声)腕時計を盗み出したあと

書斎から出る。

その後 長男の勝哉氏と
次男の恭治氏に見つかり

2階に逃げ…。

(薫の声)現行犯逮捕に至る。

110番通報は
取り押さえてすぐだったな。

はい。 勝哉さんも恭治さんも
そう証言しています。

記録によると 通報された時間は

午前0時37分です。

1時間以上も滞在してる…。
そうですね。

そんなに長時間 何をしてたんだ?

大体 逃走した方向が不可思議だ。

入ってきた窓から
逃げればいいものを

なぜか 書斎から廊下に出てる…。

確かに…。

あっ!

待ってくださいよ!

(高子)普段
窓の鍵は閉まってるんですが

旦那様が入院されてからは

私が定期的に
空気の入れ替えをしていました。

(恭治)どこ しまったっけ?
父さんの手帳。

あっ… いつもは ジャケットの
内ポケットに入れてたよね。

(高子)ええ。

確か 遺品整理の時
どこかの引き出しに…。

(恭治)でもさ 普通 書き残す?

東京で隠し子に会う予定なんかさ。

手掛かりがあれば
そこから探します。

あっ 佐方さん 勝手に!

すいません。

怖いなあ。
検事さんに隠し事はできないね。

ハハハハ!

♬~

(高子)手帳 ありました。

これで旦那様の予定は
大体 おわかりになるかと…。

その引き出し

時計がしまってあった
場所ですよね?

ええ。
いつも引っ掛かるんですか?

年代物だから 脇んとこ
押さえないと開かないんですよ。

(恭治)っていうか それ…。

あっ すいません 勝手に…。

領収書のようですが…。

(高子)旦那様は
どんな領収書も取っておいでで

それが日記の代わりになると
おっしゃっていました。

これもお借りして構いませんか?

♬~

勝一郎さん
週に一度は東京に行ってますね。

最初に芳賀渉と会ってから
10回以上。

メモも なんでも
取ってたみたいですよ。

口座番号から誕生日まで。

几帳面な方だったんですねえ。

佐方さん?

まさか サボってたんですか?

あるべきものがないんだ…。

探し物ですか?

こんなに散らかってたら

物がなくなっても
しょうがないですよ。

見てみろ。

腕時計がしまってあった
棚ですか?

覚えてるか? その引き出し。

脇んとこ押さえないと
開かないんですよ。

それが何か?

気づかないのか…。

ここ!

取っ手からは指紋が出てるのに
脇の部分からは出てません!

これじゃ開きませんよね
引き出し。

あるべき所に指紋がないんだ。

どういう事なんですかね…?

芳賀渉の滞在時間といい
妙な事ばかりだ。

まさか 芳賀渉の言うとおり…。

俺は 腕時計なんか盗んでない!
無実だ!

明日 東京に行く。

えっ? まだ領収書の調べ
終わってませんよ。

当たりはついてる。
3月15日 恐らく この日だ。

「グランフォレスト赤坂 ラウンジ
昼食代2名」?

手帳を見てみろ。

その日 仕事相手との打ち合わせは
夜 料亭で会食。

この日の仕事の予定は
それしかない。

つまり
ランチの相手は プライベートだ。

当たりがついたなら
先に言ってくださいよ!

(黒崎)郷古様には長年にわたり
当ホテルをご利用頂きました。

誠に残念です。

ラウンジは こちらです。

あの日 郷古様が
ラウンジにいらした時間

担当させて頂いたのは 彼女です。

こちらの男性に
見覚えはありませんか?

(新野春奈)ああ 覚えております。

郷古様は
普段 お一人でいらっしゃるので

お連れ様は珍しいなと思いました。

間違いありませんか?
はい 間違いありません。

では こちらの時計は…?

ちょっと… 記憶にございません。

その日の事で何か 印象に
残ってる事はありませんか?

…いえ 特には。

そうですか。

すいませんが…
トイレは どちらでしょう?

えっ? あっ こちらです。

お手洗いは
こちらを真っすぐ行かれて…。

あの…。

失礼しました。
トイレは口実です。

えっ?

もし 間違っていたら
申し訳ありませんが

郷古氏の事について

支配人の前では話しづらい事が
あるように思いまして…。

すみません。

実は あの日
粗相をしてしまいまして…。

(春奈)ああっ!

申し訳ありません!

ジャケットを
お脱ぎになってください!

(勝一郎)いや…。
(春奈)失礼致しました!

その後 ジャケットは
クリーニングに出したそうだ。

…って事は 芳賀渉は 3月15日に
確かに このホテルで

郷古勝一郎氏と会ってた
って事ですよね。

ああ。 しかし
時計の譲渡に関しては確証がない。

他の従業員にも
聞き取りしてみましょう。

(女性)驚きました。

3年ぶりに来たのに 寝室に
加湿器が2つ置かれていました。

私が以前お願いした事
よく覚えてましたね。

ありがとうございました。

(従業員)ありがとうございました。

どうかしました?

あの… ちょっとよろしいですか?

はい。
佐方さん?

お手数おかけして すみません。
(黒崎)いえいえ。

こちらのホテルでは

常連客の情報を残してると
伺ったんですけども…。

ええ。 常連のお客様でしたら
ここ10年分は。

担当が代わっても
情報が共有できれば

対応がスムーズになりますからね。

どんなささいな事でも
記録するようにしています。

郷古様のデータです。
ありがとうございます。

♬~

3月15日… 備考欄を見てみろ。

♬~

これ…。

(花淵勇男)ええ この方でしたよ。

腕時計の査定を頼まれました。

それは この時計でしょうか?

(花淵)ええ そうです。

パテック フィリップの
ビンテージです。

1000万は下らないと
お伝えしたら…。

♬~

そんな高価なものをくれたのか…。

(花淵)では こちらに…。
はい。

「くれたのか」。

間違いなく そう言ったんですね?

ええ。 頂き物だったんじゃ
ないでしょうか。

(勝哉)
先日も申し上げましたよね。

事件前日 遺品整理の際
父の腕時計を見たと。

検察は 私の話を
疑ってらっしゃるんですか?

どういう事かな?
こっちは被害者なんだが。

実は昨日 東京のホテル

グランフォレスト赤坂に
行って参りました。

3月15日
勝一郎氏が宿泊したホテルです。

(児島)そのホテルが何か?

見て頂きたいものがあります。

♬~

3月15日
宿泊に関してのメモです。

「同伴者より問い合わせあり
近隣の時計店の所在」

「時計店のオオミヤを紹介」

そちらでも
直接 話を伺ってきました。

そんな高価なものをくれたのか…。

「くれたのか」。

間違いなく そう言ったんですね?

ええ。 頂き物だったんじゃ
ないでしょうか。

(勝哉)そんな話が
なんの証拠になるんですか?

私は実際に事件の前日
書斎で あの時計を見たんです。

もう一つ
不思議な事がわかりました。

時計店のオオミヤは
米崎にも支店があります。

芳賀渉は事件の前

その米崎支店に 例の腕時計を
メンテナンスに出していました。

メンテナンス後の受け取りは
4月4日。 事件当日です。

型番も全て
問題の腕時計と一致します。

つまり 事件の前日

あの書斎で
問題の腕時計を見る事は

物理的に不可能なんです。

もう一度 お聞きします。

勝哉さん。

あなたは事件の前日

あの腕時計を見たんですか?

(児島)勘違いだったんじゃ
ないでしょうか。

勝一郎さんの葬儀を
控えていた時期だ。

記憶の混濁も起こるでしょう。

確か 芳賀渉も記憶の混濁で

時計を譲渡された事実を
忘れていたと聞いたが。

(勝哉)確かに
勘違いだったかもしれません。

では その事を
法廷で証言して頂けますか?

お断りします。

郷古家の人間として

遺産を狙う男の
手助けになるようなまねは…

したくありません。

窃盗罪で起訴された芳賀渉は
時計を盗んでいなかった。

(ため息)
どうするんですか? 佐方さん。

このままだと
窃盗に関しては無罪。

判決としては認定落ち
問題判決になります。

芳賀渉に会いに行く。

えっ? 今からですか?
呼び出しの段取りつけてませんが。

こっちから出向いたほうが早い。

(児島)では 本当は
時計を見ていなかったんですね。

ああ。

奴を どうしても有罪にしたくて
思わず…。

(ため息)

虚偽の証言は
のちのち面倒な事になります。

特に あの佐方という検事は
かたくなだと聞きます。

お気をつけになったほうが
よろしいかと。

♬~

検事さんが なんの用ですか?

お聞きしたい事があって
伺いました。

(渉)ちゃんと
聞いてくれるんですかね?

被告人の話なんて
信じてくれなさそうだから。

そもそも 俺を起訴したのは
おたくら検察でしょう。

時計の窃盗を無実にしちゃったら

裁判で
負けちゃうんじゃないですか?

疑わしきは罰せず
それが刑事裁判の原則です。

(渉)それは理想でしょ。

理想は実現すべき指標です。

(渉)検事さん 変わってますね。

そんな青臭い事 言ってたら
足をすくわれちゃいますよ。

(渉)で 聞きたい事ってなんです?

あなたは
事件当日の午後11時34分頃

郷古勝一郎氏の屋敷に侵入。

その後 1時間以上
滞在していた事になります。

時計を盗むのが
目的でなかったのならば

一体 何をしていたんですか?

(渉)それ
取り調べでも聞かれましたよ。

記憶の混濁を理由に
わからないと答えたそうですね。

ええ。

でも 思い出しましたよ さっき。

さっき?

ええ。

人の記憶って不思議ですね。

一つ思い出すと
次々と思い出す。

あの屋敷に行った理由は
父に会うためです。

最後に ひと目。

忍び込んでまでですか?

ええ。

父が入院していた時

向こうの家族は 見舞いすら
許してくれませんでした。

だから 通夜にも葬儀にも
参列できないと考えて…。

まあ それで 仕方なく。

別れを惜しむのに
1時間でも短いぐらいでした。

では 別れを惜しむため
だったのならば…

書斎の棚の引き出しに触ったのは
なぜですか?

変な事を聞くんですね。

よく思い出してください。

屋敷に侵入した理由が
他にあったのではありませんか?

さあ…。

たまたま触っちゃったんじゃ
ないですか?

無罪?

芳賀渉の言動は
明らかに不自然よ。

絶対に裏がある。

お前の言うとおりだ。

不利な証拠を残して
有利な事実を忘れた。

犯行を否認する一方で

裁きを望んでいるようにも思えて
仕方がない。

裁きを望む?

はあ… くだらない冗談なんか
言ってる場合?

いい? 初犯の住居侵入罪なんか
執行猶予付きがいいところよ。

芳賀渉に
なんらかのたくらみがあったら

犯罪者を野に放つ事になる。

他に罪があるなら
改めて起訴するべきだ。

正論ね。

でも 何か事が起きたら

あなたは 検事としての責を
問われる事になる。

時には 泥を飲む事も必要よ。

職務を全うした上で
責を問われるのなら

その泥を 俺は飲む。

諦めるわ
あなたからの異動祝い。

♬~

(本橋の声)
何を言ってるんだ 君は!

無罪など
認められるわけがないだろう!

捜査を続けて
有罪を示す材料を見つけ出せ。

できません。

補充捜査で 芳賀渉は
腕時計を盗んでいない事が

立証されています。

(舌打ち)

我々検事は

検察に不利益になる証拠を
法廷の場に出すべきではない。

こじつけでも なんでもいい
有罪を示す材料を探せ。

これは命令だ。

断じてできません。

先月出た 大阪地裁での判決を
忘れたか?

花井市の女児虐待死。

そうだ。

殺人罪求刑から一転
証拠不十分で無罪判決になった。

いわゆる問題判決だよ。

マスコミは 起訴した我々検察の
勇み足だと騒ぎ立て

世間の非難をあおった。

検察に間違いは許されない。

ましてや 起訴した我々自ら
無罪を認めるなど

絶対にあってはならない!

そんな事をすれば

正義の軸となる検察の信頼を
損なう事になる。

犯してもいない罪を
裁かせる事こそ

検察の信頼を損なう事になります。

お前…!

(筒井)負け戦にこそ
見るべきものがある。

なんだと?

大阪で問題判決が出た際

最高検察庁 生方次長検事
おっしゃった言葉です。

過ちを認め 繰り返さぬ事が
同じ轍を踏まぬ唯一の道だと。

私も同じ考えです。

君は 次長検事と昵懇だそうだね?

はい。

好きにしなさい。

ただし 何かあれば
君の責も問う。

利かん気な馬をかばい立てすれば
落馬するのがオチだよ。

肝に銘じておきます。

♬~

ありがとうございました。

(筒井)礼など必要ない。

俺たちの職務は
正しく裁きを行う事にあるんだ。

課せられた職務を全うする事に
なんの問題がある。

♬~

♬~

法廷での証拠調べにより
本人申し立てのとおり

被告人が 故 郷古勝一郎氏より
腕時計を譲渡された事が

証明されたため

窃盗については被告人は…

無罪と考えます。

(どよめき)

(裁判官)
それでは 判決を言い渡します。

主文
被告人を罰金10万円に処する。

弁護人 また 検察官も

本件においては
住居侵入罪のみが成立し

腕時計の窃盗罪については
無罪であると 弁論 論告する。

当裁判所は 本件公訴事実中

腕時計窃取の点は
犯罪の証明なく 無罪と判断する。

(どよめき)

(裁判官)しかし この点は

住居侵入罪と科刑上一罪の関係に
あるものとして起訴されたので

主文においては
無罪の言い渡しをしない。

♬~

(リポーター)無罪です。
無罪判決が出ました。

窃盗罪に関して
無罪判決が出ました。

(リポーター)
…検察自身が認めた形となり

検察への信頼が揺らぎかねないと
懸念されます。

(麻恵)どういう事よ?

なんで この男が無罪なの?

(勝哉)心配するな 母さん。

俺たちには関係ない話だ。

「窃盗について無罪が確定し
時の人となった芳賀渉さんが

本日 米崎拘置支所から
釈放される模様です」

「今回の無罪判決は

先月の大阪地裁の問題判決と
併せて 今後の検察のあり方に

大きな課題を残す事に
なりそうです」

♬~

ただいま。

見ててよ。

これからだ。

♬~

(麻恵)児島先生
お待ちしておりました。

(児島)四十九日が過ぎたら
遺言書を執行する事が

勝一郎さんのお気持ちでした。

皆さんの総意があれば
今日 こちらで開示します。

お願いします。

♬~

(解錠音)

♬~

先生?

♬~

「遺言書」

「遺言者 郷古勝一郎は
次の通り遺言する」

「芳賀渉は

遺言者と芳賀明美との間の
子であるから

遺言者はこれを認知する」

(雷鳴)

失礼します。

(児島の声)
忙しい優秀な検事さんの時間を

急に奪うようなまねをして
申し訳ないんだがね。

今日 ここに来た理由だが…
これを見てほしい。

郷古勝一郎氏の遺言書の
写しですか。

読んでみなさい。

「遺言者 郷古勝一郎は
次の通り遺言する」

「芳賀渉は

遺言者と芳賀明美との間の
子であるから

遺言者はこれを認知する」

その遺言書は
勝一郎さんの意思ではない。

誰か別の者が書いた
という事ですか?

いや 鑑定では 故人の筆跡に
間違いないだろうという事だ。

勝一郎氏が書いたものならば

それが勝一郎氏の意思に反する
というのは?

私は遺言書の保管に立ち会った。

私が確認した遺言書には
芳賀渉に関する記述などなかった。

自宅の土地と上物を
奥様である麻恵さん名義にし

残りの資産は

勝哉さん 恭治さんに
平等に分け与えるとあった。

不備などは ございません。

最後に もう一度だけ
意思を確認させてください。

なんだ?

芳賀渉の件ですが…。

認知はない。

本当によろしいんですね?

ああ。

(児島の声)まもなく
勝一郎さんは体調を崩され

入院したあと 帰らぬ人となった。

その後 勝一郎氏の気が変わった
という事は?

あり得ない。

では そもそも
なぜ 勝一郎氏は

芳賀渉を認知するという
この遺言書を

作成したのでしょう?

(児島の声)芳賀渉に書かされたと
考えている。

(児島の声)
本物の遺言書を盗み出し

その偽物を置いていった。

芳賀渉の犯行であるという
根拠は?

(児島)金庫の開閉履歴だ。

4月4日 23時58分…。

芳賀渉が郷古邸に侵入した時間だ。

事件の翌日
金庫の中を 一度 確認したんだ。

(解錠音)

(児島の声)しかし
遺言書は手つかずに見えた。

金庫周りからは
芳賀渉の指紋も出なかったからね。

だが まさか 本物の遺言書が
盗まれていたとは…。

それじゃあ
早急に芳賀渉を再逮捕して…。

いや… 逮捕はできない。

えっ?

一事不再理だ。

憲法第39条 何人も すでに
無罪とされた行為については

刑事上の責任を問われない。

また 同一の犯罪について
重ねて刑事上の責任を問われない。

芳賀渉は すでに
窃盗についての無罪判決を受けた。

今 新たに
遺言書の窃盗が判明しても

同じ日時 場所で起きた
同等行為は

重ねて処罰される事はない。

時計の窃盗は
見せかけだったんですね…。

これが
芳賀渉の本当の目的だった…。

佐方検事 君は犯罪者を無罪にし

郷古家の財産を強奪する
手助けをしたんだ!

この遺言書の原本を
お借りできませんか?

手掛かりがないか
調べさせて頂きたいんです。

お願いします。

(ため息)

遺言書をお調べになるのは結構だ。

しかし 芳賀渉の目的を
見抜けなかった検察には

その責を問わせてもらう。

失敬。

♬~

♬~

(本橋)忠告を無視したツケが
こんな形で回ってくるとはなあ。

(本橋)検察の恥を
世にさらしたばかりか

はかりごとに気づかず
犯罪者を野に放ってしまった。

この件を起訴した庄司の
東京地検行きも白紙にした。

庄司に責任はありません。

芳賀渉の起訴に
不備がなかった事は

明白であります。
全ては お前の責任だ!

郷古家は 我々検察を告訴すると
息巻いている。

申し訳ありませんでした。

お前の謝罪で済むような話では
もはや ない!

謝罪で済まないのであれば
検事の職を辞します。

♬~

失礼致します。

♬~

こんな泥を飲んで
何の意味があるの?

見抜けなかった俺の落ち度だ。
その責任は負う。

ただ… 特捜の件 すまなかった。

つまらない事 言わないで。

今すぐに 辞めずに済むよう
手を打つべきよ。

人脈が必要なら 私も力を貸す。

辞める前に
突き止めたい事があるんだ。

何 言ってるの?

このままじゃ
検事でいられなくなるのよ!

(ため息)

どこ行くんですか?

事情通なら知ってるだろう。
俺が 今 どんな状況か。

逆境に強いって聞きました。

佐方さんの噂です。

ごめんなさい。

実は 私
情報より噂のほうが好きなんです。

何があっても
私は佐方さんの事務官です。

一緒に行かせてください。

♬~

あのアパートです。

仕事 お辞めになったんですね。

来る前に シロクマ運送に
連絡してみたんです。

仕事を辞めた事が何か?

あっ
遺産が入ってくるのを見込んで

辞めたと思ったとか?

遺産が入ってくる予定が
あるんですか?

さあ… 向こうが
認知してくれない事にはね。

法律書ですか…。

ああ 俺 法学部だったんですよ
大学の。

なるほど。

腑に落ちました。

はあ?

先日 郷古勝一郎さんの遺言書が
開かれました。

そこには あなたを認知する旨
記されていた。

だが それは

元々 郷古勝一郎さんが残した
遺言書とは別物だった。

へえ…。

本来の遺言書は 何者かによって
盗まれた可能性があります。

俺を疑ってるなら
逮捕でも なんでもすればいい。

それができない事は
元法学部なら ご存じでしょう。

遺言書のすり替えが見つかっても
罪に問われないように

一事不再理を利用した。

一事不再理が成立するためには
まず 起訴される必要がある。

だから

引き出しの取っ手に
わざと指紋を残し

時計を盗んだように見せかけた。

見せかけだから

棚の脇を押さえなければ
開かない事に気づかず

結果 棚の脇から
指紋は検出されなかった。

あの屋敷での滞在時間が
長かったのも

不用意に書斎から出たのも

現行犯で捕まるためだった。

一方 時計が譲渡された事を
取り調べで証言しなかったり

時計店に
メンテナンスを依頼したり

これらは

のちに無実を証明するための
アリバイ作り。

全ては
起訴を望んで実行した事だった。

フフッ…。

大した妄想力ですね 検事さん。

たとえ
俺が遺言書をすり替えたとして

それを罪に問えるんですか?

罪は まっとうに
裁かれなければならない。

えっ?

また来ます。

♬~

でも 芳賀渉は
一体 どうやって

金庫の中の遺言書を
盗み出したんですかね?

勝一郎さん本人から
聞き出さない限り

暗証番号なんて
手に入れられませんよね。

問題は方法ではなくて動機だ。

芳賀渉は なぜ
本来の遺言書を盗んだんだ?

それは… 遺産を
手に入れるためじゃないですか?

芳賀渉と郷古勝一郎氏は

DNA鑑定で
親子である事が証明されてる。

遺産目的なら
認知訴訟を起こせばいい。

確かに。

そもそも 勝一郎氏は なぜ

芳賀渉を認知する旨を記した
遺言書を書き残したんだ?

(渉の声)俺の父親…?

この人が…? 冗談だろ?

(芳賀明美)一度 会いたいって
言ってくれてるの。

ちょっと待って。
なんだよ? 急に。

(明美)お願いよ 渉。
お母さんのためだと思って。

♬~

(渉)芳賀明美の息子です。
渉といいます。

少し調べさせてもらったよ。

♬~

(勝一郎)君の母親には
借金があるそうだな。

私と出会う前に亡くなった
ご主人が

事業に失敗して作った負債だ。

その返済が
最近になって滞り始めた。

理由は 君の母親が
重い病気を患った事だ。

君が本当に私の息子か
調べさせてもらいたい。

疑ってるんですか?

当然だろう。

30年以上も前の関係を
持ち出されて

実は息子がいたなんて

にわかに
信じられるわけがないだろう。

私の財産を狙っていると
考えるのが普通だ。

あなたにとって
母はそんな相手だったんですか?

よく覚えてないな。

私には家族もいる。 地位もある。

安易に信じて
足をすくわれたら たまらん。

♬~

何をするんだ!

♬~

(渉)うっ…。

ああっ…。 あっ…。

財産が目的で何が悪い?

俺にも権利はあるんだろ!

そんなに疑うなら
DNA鑑定でもなんでもしろよ!

ここ 芳賀渉の母親が
入院していた病院ですよね。

母親が亡くなったのは
事件の少し前だ。

芳賀渉の犯行動機に関わる何かが
あるのかもしれない。

おっと… 失礼しました。

あ… あの
入院病棟は どちらでしょう?

あっ この通路の奥です。

ありがとうございます。

(看護師)芳賀明美さんですか?

覚えてます。
すごく感じのいい方でしたから。

(看護師)芳賀さん
今日 天気いいですよ。

亡くなったのは
3月15日と伺ったんですが

息子さんは
最期に立ち会われたんですか?

いえ。
芳賀さん 急変しちゃったんで。

死に目には会えなかった
という事ですか。

ええ。
仕事だったんじゃないですか?

いつも 忙しそうでした。
お見舞いも遅い時間で…。

他に
身寄りもいなかったみたいだし

入院費や治療費が
大変だったんだと思います。

あの お見舞いには 他に
どなたか いらしていましたか?

女の人を何度か見かけました。
お名前などは?

さあ? そこまでは…。

あっ すみません 失礼します。

あっ そうだ。

これ…。

明美さんと あなたですよね?

手元です。 すみません。

そのお友達の手作りだそうです。

なんでも
趣味で陶芸をしてるとかで…。

佐方さん このカップ…。

うわ~ かわいいカップ
手作りなんですか?

ええ 趣味で。

芳賀明美さん ご存じですね?

芳賀渉の母親です。

このカップ
あなたが贈ったものですね?

郷古麻恵さんが
陶器を焼かれる時

あなたもお付き合いすると
伺いました。

なんの話ですか?
その女性にも覚えがありません。

明美さんが入院してた病院で
確認したんです。

あなたが
時々 お見舞いに来てたって。

本当に知りません。
そんな…。

確かに 看護師さんが…。
わかりました。

今日のところは これで。

いいんですか?

芳賀明美さんと
交流があったとすれば

それは 郷古家の方々には
知られたくない事でしょう。

郷古家の家政婦である
あなたにとって

信用問題に関わる事です。

もし何かご存じでしたら
ご連絡ください。

行こう。

私から聞いた事は…

控えてもらえますか?

もちろんです。

(高子)もう…
30年以上の付き合いになります。

明美さんとは
病院の婦人科で出会いました。

(高子の声)
私 子宮系の病気を患っていて

子供ができないって
わかったんです。

その診断を聞かされたあと
待合で泣けてきて。

(高子の声)その時 明美さんが
声をかけてくれました。

明美さんも
何か ご病気だったんですか?

不妊治療だったそうです。

でも しばらくして

明美さんは
ご主人を亡くしてしまったんです。

事業に失敗して
借金が残ったそうですね。

ええ。

一人で返済していくと聞いて…。

(明美)おはようございます。

(高子の声)仕事を紹介したんです。

ちょうど 勝一郎さんが
秘書を探していたので。

でも それが 半年くらいして…。

(明美の声)子供ができたの。

よかったじゃない!

えっ… だったら
なおさら辞めたら駄目じゃない。

勝一郎さんなの… 父親。

えっ…?

でも 産みたいの。

だから 仕事辞める。

(高子の声)
痛いほど わかったんです…

明美さんの気持ち。

私も欲しかったから 子供。

だから 渉くんの事は
幼い頃から知ってました。

明美さんが亡くなった時も
連絡もらったんですが

勝一郎さんの容体も悪化してて
葬儀には行けませんでした。

明美さんが亡くなったあと

芳賀渉に 何か変わった事は
ありませんでしたか?

人が変わったように思います。

急に仕事も辞めて。

あんなに真面目に働いてたのに…。

仕事先で
何かがあったという事ですか?

それほど
ショックだったんだと思います。

2人きりの親子でしたから。

勝一郎さんが亡くなった事を
渉くんに伝えた時も…。

通夜の夜に?

(渉)頼むよ。
父さんに別れを告げたい。

おばさんは 窓の鍵を開けておいて
くれるだけでいいんだ。

♬~

父さんがくれた はなむけに
応えたいんだ。

頼むよ。

はなむけ…。

その言葉の意味は
今でもわかりません。

♬~

勝一郎さんに別れを告げたい
っていうのは

遺言書を盗み出す口実ですよね。

勝一郎さんがくれた はなむけに
応えたいっていう言葉も

一体 どういう意味なんですかね?

小田!
ん?

コーヒーだ。

嫌だ…。
まさか こぼしちゃったんですか?

それ まずいですよ!
頼み込んで借りた本物ですよね?

覚えてないのか?
えっ?

(春奈)ああっ!

もう一度 東京に行くぞ。
えっ また今からですか?

急げ。

ちょ…
ちょっと待ってくださいよ。

佐方 検事を辞するそうですね。

ああ。

佐方は筋を通した。

それが
一方の郷古家の不利益になった。

それを盾に取られたら
責任を取らざるを得ない。

こうなる事は
わかってたのに…。

で 今 佐方は?

東京に向かった。
芳賀渉の犯行動機を探ってる。

動機? 今さら なんのために…。

検事としての職務を
全うしようとしているんだろう。

秋霜烈日のバッジに
恥じないためにもな。

罪に問う事は
もうできないのに…。

罪は まっとうに
裁かれなければならない。

あいつの中にあるのは
ただ それだけだ。

(春奈)コーヒーを
こぼした時の事ですか?

ええ。 郷古氏がいらした時に
こぼしてしまったと

おっしゃっていましたよね。

その時 こちらの書類を
持参してはいませんでしたか?

遺言書ですか…。

ここなんですが…

コーヒーが飛んだ跡では
ないでしょうか?

申し訳ありません。 見覚えは…。

そうですか…。

あっ…。
何か思い出したんですか?

いえ お連れ様の事なんですが…。

(春奈)
ああっ! 申し訳ありません!

ジャケットを
お脱ぎになってください!

(勝一郎)いや…。
(春奈)失礼致しました!

(勝一郎)大丈夫だよ。
(春奈)すぐにクリーニングに。

(渉)ちょっと
トイレで落としてきますよ。

クリーニング屋でバイトしてたんで。
(春奈)いや でも こちらで…。

大丈夫。
(春奈)申し訳ございません!

(春奈)実際 そのお連れの方

コーヒーをきれいに落として
お戻りになったんです。

そのあと 一応
クリーニングにもお出しして…。

コーヒー ジャケットの
どの辺りにこぼれたか

覚えていませんか?

胸の少し下ぐらいから
おなかの辺りでしょうか。

ちょ… 佐方さん
何やってるんですか!?

検証しなければ
わからない事もある。

あっ すみません…。

♬~

あの… 佐方さん?

まだですか?

すみません。
うわっ!

♬~

はなむけ…。

これだ。

ちょっと待ってください。
これまで…。

それ どういう事…。

所轄の方 なんだっていうんです?

終わった事件を調べてる暇は
ないそうだ。

そんな…。 いつもなら
無理してでも調べてくれるのに。

組織に逆らうって そういう事よ。

庄司さん。
面倒に巻き込まれたくないのよ。

今回の件で
あなたが最悪の結果を招いた事は

みんな知ってる。

…で 何を調べようとしてたの?

これだ。

以前 所轄の刑事課長に
恩を売った事がある。

私から言えば
科捜研に頼んでくれる。

お前は
面倒に巻き込まれてもいいのか?

面倒が嫌なら
あなたとは付き合ってない。

手帳の鑑定結果が出れば
証拠も完璧ですね。

いや…
シロクマにも 話を聞きに行く。

シロクマ?

♬~

どうかしたんですか?
もう約束の時間ですよね。

まだ来てないみたいだ…。
誰か来るんですか?

♬~

彼も呼んだんですか…。

来ないとは
思わなかったんですか?

いえ。 郷古家の皆さんに

あなたから伝えたい事が
あるはずです。

行きましょうか。

お前…。

(勝哉)どの面下げて来たんだ?

人の家の遺産 横から奪うような
まねしておきながら。

なぜ その方も
お呼びになったんですか?

正直 この家の敷居を
またいでほしくありませんでした。

俺は 検事さんに

遺産相続の事で話があるから
来いと言われただけです。

佐方検事 一体 なんなんだ?

私は てっきり
今回の件の謝罪だと思っていたが。

彼も この事件の関係者です。

一連の真相を
つまびらかにするためには

彼にも同席してもらう必要がある
と考えました。

(渉)真相をつまびらかにする…?

本来ならば 法廷で
明らかにするところですが…。

(恭治)へえ 面白そうだね。

まずは 芳賀渉さんを認知すると
記されている この遺言書が

どのような経緯をもって
本来の遺言書と入れ替わったのか。

そこからです。

先日 東京のホテル
グランフォレスト赤坂に

行って参りました。

渉さん あなたが勝一郎氏から
腕時計を受け取ったホテルです。

あなたは その時 腕時計と一緒に

この遺言書を
手に入れたのではありませんか?

なんの話ですか?

覚えていらっしゃるでしょう?

グランフォレスト赤坂で

あなたが
勝一郎氏とランチをとった時

勝一郎氏が手を滑らせて

ジャケットに
コーヒーをこぼしてしまった事。

その遺言書を調べたところ

コーヒーの飛沫痕が
付着している事がわかりました。

こちらです。

そんなの偶然でしょ。

確かに 確証はありません。

第一
遺言書を持っていたとしても

それを入れ替える事は不可能です。

その前に
金庫の扉を開ける必要がある。

しかし なんらかの形で

その暗証番号を知り得る機会が
あったとしたら…。

馬鹿馬鹿しい。
そんな事 あり得ない!

勝一郎氏は普段 日々の出来事や
情報を記録した手帳を

ジャケットの内ポケットに
入れていたんでしたね?

(恭治)ええ。

その手帳には 金庫の暗証番号も
記されていました。

渉さん あなたはクリーニング店で
バイトをしていた事があるからと

コーヒーの付いたジャケットを
勝一郎氏から預かり

トイレできれいに落として
戻ってきたそうですね。

(佐方の声)その時 あなたは…。

(手帳が落ちる音)

暗証番号を知る機会に恵まれた。

相変わらず 大した妄想力ですね。

この手帳を鑑定したところ

暗証番号が記されたページから
あなたの指紋が検出されました。

この奇跡とも言える機会を

あなたは 勝一郎氏からの
はなむけと考えた。

(解錠音)

♬~

やっぱり お前か。

しかし 一事不再理まで利用して
なぜ そのような事をしたのか。

その動機は
一体 なんだったんでしょう?

今さら 動機なんて
関係ないでしょう。

いいえ。
あなたも それを聞く必要がある。

他にも気になる事があります。

そもそも 勝一郎氏は なぜ

あなたを認知すると記した
遺言書を作成したんでしょうか?

動機を話して頂けませんか?

♬~

なんなんだ? あんた…。

芳賀渉さん

その真実を知っているのは
あなただけなんです。

事の経緯を

全て
話しては頂けないでしょうか?

お願いします。

芳賀渉さん

その真実を知っているのは
あなただけなんです。

事の経緯を

全て
話しては頂けないでしょうか?

お願いします。

♬~

(明美)渉 その手 どうしたの?

(渉)別に。
ちょっと切っただけだよ。

なんかあった?

♬~

勝一郎さんに
会いに行ったんでしょ?

どうして 何も言ってくれないの?

(渉)母さんの事 覚えてないって。

えっ?
それだけじゃない。

(渉)財産狙いじゃないかって
疑われたよ。

そう…。 仕方ないわ。

疑われて当然ね。

30年
何も知らせないで きたんだもの。

(渉)なんで
今さら 会わせようとしたんだ。

(明美)ごめんね 嫌な思いさせて。

30年前だって 家庭があったの
わかってたんだろ?

なんで そんな奴と…!

母さんの事も覚えてない

あんな奴の子供を
なんで 産んだんだよ!

母さんのした事は…

人の家族も 俺の存在も
傷つけた事になるんだよ!

母さん 何ひとつ後悔してない。

♬~

(渉)それから少しして
父から連絡があって…。

東京で会いたいと言われました。

♬~

久しぶりだな。

(渉)回りくどいの 嫌いなんです。

DNA鑑定の結果
出たんですよね。

それを聞きに来たんで。

♬~

親子…。

安易に信用すれば
簡単に足をすくわれる。

言い訳だな。

(ため息)

こんな事を言っても
君を傷つけた免罪符にはならない。

♬~

見てほしいものがある。

♬~

(渉)認知するって… どうして?

なんとか
認知だけでもと思ったが

私には もう

家族を説得する時間が
残されていない。

末期の胆嚢がんだ。

医師から余命宣告も受けた。

だから それを書いた。

書いたはいいが

結局 家族には見せられなかった。

すまない…。

身勝手な話だ。

だが せめて

私の気持ちだけでも伝えたかった。

本当に申し訳ない。

♬~

よかった。

…えっ?

これ
ご家族に見せてないんですよね?

俺のせいで誰かが傷つくとか
そういうの 嫌ですから。

やっぱり 親子なんだな。

えっ?

君のお母さんも 昔
そうやって身を引いた。

母さんの事
覚えてないって…。

忘れるわけないだろ。

会社を立て直すために
強引に事を進めて

周りが敵だらけになった。

その時 支えてくれたのは

君の母親だけだった。

しかし 突然 姿を消した。

今思えば
君を身ごもったからだったんだな。

♬~

この遺言書
もらってもいいですか?

もちろんだ。

♬~

(勝一郎)これ…。

これは
私が 父から受け継いだ時計だ。

(勝一郎)君が 私の息子である
という証しだ。

♬~

(勝哉の声)嘘をつくな!

この期に及んで
よく そんな嘘を!

嘘なんかじゃない!

そうじゃなきゃ

俺が どうやって あの遺言書を
手に入れたっていうんだ!

だとしても どうして 遺言書を
すり替えるようなまねを?

東京からの帰り道
病院から連絡があって…。

母さん これ…。

(渉)勝一郎さんが

俺は息子だって…。

♬~

(渉)母さん…。

♬~

(渉)ねえ 母さん…。

起きてくれ…。

母さん…。

♬~

(勝哉)父の携帯に
今日が葬儀だとメッセージが。

父は具合が悪くて。

(渉)そうでしたか。

病気の事は伺ってます。

もしよければ
お見舞いさせてもらえませんか?

(勝哉)私は 父の跡を継いで
まだ間もない身です。

えっ?

あなたのような存在が
万が一 公にでもなれば

会社のイメージダウンになります。

3000万円あります。

あなたの母親が欲しかったのは
金ですよね?

これで
借金からも解放されますよ。

こんなものは いりません。

俺は ただ
見舞いに行きたいだけです。

感謝の気持ちを伝えたいんです。

感謝?

認めてくれたんですよ
俺を息子として。

認めてくれた?
(渉)そうです。

勘違いするな。
親父は 気が弱ってただけだ。

俺は 紛れもなく
郷古勝一郎の息子です。

それを隠すつもりはありません。

愚かな奴だな! 母親そっくりだ。

これは お前の母親が
親父に宛てた手紙だよ。

(勝哉)親父に泣きつきやがって…。

親子そろって
どんだけ ずうずうしいんだ。

(ライターの着火音)

やめろ!

♬~

(勝哉)二度と親父に近づくな。

♬~

(渉の声)その後 何日かして
会社をクビになった。

どういう事ですか?

契約は更新するって

この間 言ってくれたばかりじゃ
ないですか。

理由は…
理由は 一体 なんなんですか!?

人員削減…。

本部からの指示だ。 悪く思うな。

(従業員)お疲れさまです。
(従業員)ああ…。

芳賀の奴 何かあったのか?

得意先から 契約を打ち切れって
圧力かかったって。

(従業員)圧力? だって
あいつ ただの契約社員ですよ。

なんすか? その噂。
(従業員)そうだよな。

(渉の声)あんただよな?
勝哉さん。

俺をクビにするために
会社に圧力をかけた。

お前 何言ってるんだ?

(渉)あんたしかいないんだよ!!

何か証拠でもあって
言ってるのか!?

芳賀渉さんの元勤務先である
シロクマ運送の従業員の方々に

話を聞いてきました。

皆さん
一様におっしゃっていました。

芳賀さんは真面目に働いており

勤務態度にも
なんの問題もなかった。

それが
急に契約を切られてしまったと。

その事実を
支店長に確認したところ

大口の得意先からの圧力が
あった事を認めました。

その得意先とは…

GOKO ESTATEです。

(ため息)

どういう事なの? 勝哉。

そもそもの原因は
あの男の母親だろ!!

親父に言い寄って
勝手に子供を作った

最低な行為だ!

確かに ご家族にとっては
許せる事ではないでしょう。

しかし だからといって

なんの罪もない渉さんの人生を

踏みにじっていいという事には
なりません。

あんたは
母さんと俺を侮辱したんだ。

(渉の声)
父さんは認めてくれたのに…。

(渉の声)だから 思ったんだ。

遺産を奪い取ってやろうって。

(渉)ただ奪い取るだけじゃ
意味がない。

(渉の声)この遺言書は
父さんの遺志だ。

それを見せつけてやる。

金庫の暗証番号も覚えていた。

(渉)2 9…。

仕事柄 荷物番号を
自然に覚える癖もついていた。

偶然見たものが
役に立つなんて…。

これは 父さんからの
はなむけだと思ってる。

(麻恵)ハハハハハ…。 くだらない。

理由は どうであれ
罪は罪です。

刑事裁判で罪が問えないなら
民事に訴えます。

その場合

芳賀渉さんが 遺言書を
すり替えるに至った動機と併せて

郷古勝哉氏が何をしたのかも
公になる事になりますよ。

(勝哉)知った事か!

この男がした事は
許される事じゃ…。

(児島)勝哉さん!

取引先への圧力が公になれば
会社がイメージを損なう。

あなたは
代表を継いだばかりです。

その自覚を持ちなさい!

ただし
この遺言書の無効化には尽力する。

芳賀渉氏への訴訟は
そちらの出方次第で検討する。

奥様
それで よろしいでしょうか?

構いません。

こちらは
いつでも訴訟の用意がある事を

くれぐれも お忘れなく。

♬~

(渉)俺は引き下がりませんよ。

あの遺言書は 紛れもなく
父が書いたものです。

遺産が手に入るまでは
裁判でもなんでも闘いますよ。

読んで頂きたいものがあります。

あなたのお母さんが

郷古家の家政婦 吉田高子さんに
宛てて書いた手紙です。

許可は頂いています。

(明美の声)「高子さん

いろいろ心配かけてしまって
ごめんなさい」

「亡き主人の借金も

私の生命保険で清算できる目処が
立ちました」

「何も思い残すことはありません」

「ただひとつだけ お願いがあり
筆を執りました」

「同封した手紙を

郷古勝一郎さんに
渡してほしいのです」

「手紙には
渉のことが書いてあります」

「私は 長い不妊治療の末
子供を諦めました」

「それが 何の因果か
渉を授かりました」

「産めば 勝一郎さんやご家族に
迷惑がかかるとわかっていながら

諦められませんでした」

(明美の声)「渉は 私の希望でした」

「あの子がいたから
私は生きてこられたんです」

(明美の声)「思えば
渉には助けられてばかりでした」

いくよ!
(明美)うん。 おおっ!

(明美の声)「いつも 私を気にかけ

自分を
後回しにするような子でした」

(明美の声)
「私の体調が悪化し始めた時も

何も言わず 大学をやめました」

「主人の残した借金返済のために
弁護士になる夢を諦めたんです」

♬~

(明美の声)「渉は 今まで

父親のことを訊いてきたことが
ありません」

「このまま 私の命が尽きれば
渉は天涯孤独の身の上です」

「幼い頃から 何もかも
ひとりで背負い込みがちな渉に

どうしても伝えてやりたい」

「血のつながった父親が
今も この世に生きている」

「だから 決して
ひとりだと思わないでと」

「母親として
こんなことしかできない無力さを

悔しく思います」

「その気持ちを
勝一郎さんへの手紙に書きました」

「どうか この手紙を
勝一郎さんに届けて下さい」

「それが私の最後の願いです」

あなたのお母さん 明美さんは

ただただ あなたの事を思い

あなたの行く末を
心配していました。

初めこそ疑っていた勝一郎氏も

明美さんの思いに
応えようとしたのでしょう。

それが
この遺言書と腕時計でした。

♬~

あなたが闘い続けるなら

先方は

この遺言書を無効にするよう
法廷に訴える事になります。

あなたが遺言書を入れ替えた事は
紛れもない事実です。

裁判になれば この遺言書は
効力を失う事になりかねません。

あなたは 法律によって守られる。

代わりに

この遺言書は 法律によって
否定される事になるのです。

それは

大切な人の思いを
踏みにじる事にはなりませんか?

♬~

本当は ただ 見せてあげたかった。

母さんに この遺言書と時計を…。

父に息子だって認められたって事。

それだけでよかった。

♬~

(筒井)芳賀渉の件
佐方が収めました。

(本橋)収めた?

(筒井)まずは
芳賀渉の犯行動機ですが…。

(本橋)些末な事はいい。

郷古家が 検察の責任を問う事は
ありません。

郷古家にも なんらかの負い目が
あるんでしょう。

こうなっては

佐方に責任を取らせるのは
理屈に合わないと。

思惑どおりか。

いや 私は何も…。

暴れ馬が真摯に真実を追求して
その結果

職を辞する必要はないと
証明しただけです。

ところで 佐方の辞表ですが…。

(チャイム)

どちらさまですか?

どうしたの?

これを返しに。

(渉)父さんが残した
本物の遺言書と 腕時計。

それと
勝哉さんが持ってきたお金。

それと
弁護士さんに伝えてほしい。

認知も相続も… 放棄するって。

本当にいいの?

ああ。

♬~

♬~

待てよ!

♬~

(恭治)この時計は
君がもらったものだろ。

でも
郷古家に代々伝わる時計でしょ。

関係ないでしょ そんなの。

その時計は…
父さんが君を認めた証し。

そうだろ?

それと 君 パソコンできる?

まあ 多少は…。

無職なんだろ?
今度 履歴書 持ってきな。

♬~

よう。
お疲れさまです。

おう!
今日は 私のおごりよ。 お祝い。

お祝い?

クビ 免れたんでしょ?
ああ… それか。

それにしても 佐方さん

本当に辞める事になったら
どうするつもりだったんですか?

どうするって…。

この男が そんな後先の事
考えるわけないだろ。

ああ… 路頭に迷ったら

ここで引き取ってもらいなさいよ。
ほら。

皿洗い…。
(筒井)おお。

これで もう
いつクビになっても安泰だな。

ハハハハハ…。
フフフ…。

あっ また 問題を起こした時は

これを使え。

♬~

預かっておいてくれ。

自分で持ってなさい!

すいません。
ビールください。

(筒井)あっ 俺 おかわりで。
(店員)はい。

(筒井)ああ うまい。