ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

悪魔の手毬唄 古谷一行、加藤シゲアキ、古田新太、寺島しのぶ、小瀧望… ドラマの原作・キャストなど…

『<土曜プレミアム>・悪魔の手毬唄金田一耕助、ふたたび~』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

  1. 立原
  2. リカ
  3. 磯川
  4. 歌名雄
  5. 放庵
  6. 千恵子
  7. 里子
  8. 源治郎
  9. 恩田
  10. 嘉平
  11. 泰子
  12. 金田一
  13. 春江
  14. 敦子
  15. 文子
  16. お前
  17. 事件
  18. 咲枝
  19. 仁礼家
  20. 五百子

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『<土曜プレミアム>・悪魔の手毬唄金田一耕助、ふたたび~』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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(本ページの情報は投稿日時時点のものです。最新の配信状況は Paravi サイトにてご確認ください。)

(詳細はFODプレミアム公式ホームページにてご確認ください。)

 

土曜プレミアム>・悪魔の手毬唄金田一耕助、ふたたび~[字]

加藤シゲアキ古谷一行出演!新旧金田一そろいぶみの豪華共演!恐怖の手毬唄が連続殺人を誘う…犯人は誰だ!?

詳細情報
おしらせ
全日本フィギュアスケート選手権 女子フリー」延長の際、放送時間繰り下げの場合あり。
ご案内
【公式Twitter】
@temariuta2019
【公式HP】
https://www.fujitv.co.jp/kindaichi_returns/
番組内容
岡山と兵庫の県境にある鬼首村(おにこうべむら)では由良家(ゆらけ)と仁礼家(にれけ)という、2つの名家が対立していた。岡山県警警部・磯川常次郎(古谷一行)の依頼を受け、金田一耕助加藤シゲアキ)はその村にある亀の湯という温泉宿を訪れる。そこの女主人である青池リカ(寺島しのぶ)は、20年前に起きた悲惨な事件によって夫の源治郎を亡くしていた。そしてその犯人、恩田幾三はいまだに行方不明だという。
番組内容2
ある日、鬼首村出身の人気歌手、大空ゆかり(中条あやみ)が帰郷するということで村中が活気に湧く中、リカの息子、青池歌名雄(小瀧望)の婚約者である由良泰子(菅野莉央)が滝つぼで死んでいるのが発見され…。
横溝正史原作、加藤シゲアキ主演の金田一耕助シリーズ第2弾!金田一のバディ役は古谷一行古田新太寺島しのぶ中条あやみ小瀧望ら豪華キャスト集結!クリスマスソングに代わる恐怖の手毬唄が日本列島に
番組内容3
鳴り響く…。
出演者
加藤シゲアキ 
生瀬勝久 
中条あやみ 
小瀧望(ジャニーズWEST) 
大野いと 
大友花恋 
菅野莉央 
六角慎司 
森廉 
花乃まりあ 
柴田鷹雄
 ・ 
木南晴夏 
岡田義徳 
有森也実 
森下能幸 
小木茂光 
国生さゆり 
渡辺大
 ・ 
古田新太
 ・ 
斉藤由貴 
泉谷しげる 
中尾ミエ 
石橋蓮司 
寺島しのぶ 
古谷一行
スタッフ
【原作】
悪魔の手毬唄横溝正史(角川文庫) 
【脚本】
根本ノンジ 
【プロデュース】
金城綾香 
【演出】
澤田鎌作

 

 


(金田一)あれが 鬼首村。

亀の湯。 ここか。

ごめんください。

ごめんください。
≪(お幹)はい。 はい。

予約した者なんですが。
(お幹)あっ。 お名前は?

金田一です。
金田一 耕助と 申します。

(お幹)あっ。
岡山県警の 磯川さんから

ご紹介いただいとります。
東京の作家さんですやろ?

作家…? いえ。 あのう。

(お幹)確かに
先生いう 雰囲気やもんね。

(金田一)あのう。 今の
もう1回 言ってもらえます?

先生いう 雰囲気やもんね。

いやぁ。 何の 何の。

どうぞ…。

(お幹)こちらです。

どうも。 こんにちは。

(お幹)お部屋 お二階になります。

(お幹)あのう。 やっぱり 先生も
このうちの取材ですか?

取材?
(お幹)さっきの方

こちらの ご長男ですけど。

先の事件のこと 詮索されるのが
お嫌いで。

事件って 何の?
あれ? ご存じないですか?

結構 有名な事件で
新聞に載ったりしたんですけどね。

ほら。 20年前に…。

≪(リカ)失礼いたします。

(リカ)ようこそ。
亀の湯へ お越しくださいました。

(リカ)
当旅館の女将でございます。

青池リカと 申します。

どうか ごゆるりと
お過ごしくださいませ。

はい。

(リカ)お幹ちゃん。
(お幹)はい。

では 後ほど
夕飯を お持ちいたしますんで。

ごちそうさまでした。

うん?

(割れる音)
あっ。 すいません。

あっ。

あっ…。

(お幹)金田一さん。
もう お昼ですよ。

あっ。 ねえ。
昨日 女の子 見たんだけど。

何か 変わった頭巾 かぶってる。
ああ。

ここの娘さんの 里子ちゃんです。

体が弱えんで ずっと
蔵ん中で 暮らしとりまして。

蔵の中?
それより

温泉でも 入ってきたら
どうです?

うちの お風呂は とにかく
湯船が大きいのが 自慢で。

いやぁ。 あんまり お風呂
好きじゃなくて。

臭っ!

えっ?
あっ!?

気持ちいい。
入ってみるもんだな。

≪(放庵)よそ者。

あんたじゃろ?
よそから来た 作家先生いうのは。

東京から来た 金田一
申します。

(放庵)わしゃ
多々羅 放庵いう者じゃ。

先祖代々 こん村の
庄屋 務めちょった。

あっ。 お庄屋さんでしたか。
(放庵)暇つぶしに

郷土史みてえなものを
研究しちょる。

はあ。 郷土史ですか。

(放庵)村外れに
一人で 住んどって

何も することねえじゃけえの。

お一人で?
さみしいですね。

(放庵)でもな 先月
別れた女房から

復縁したいという 手紙が
届いたんじゃ。

もうすぐ おりんが帰ってくる。

おりんさんと いうんですね。
奥さんは。

(放庵)5番目のな。

えっ?

(放庵)結婚したのは
合わせて 8人じゃ。

8人!?

その中でも おりんは
なかなかの上玉じゃったぞ。

フフフ。 えっ?

≪(花火の音)

これ 何の音?
(お幹)花火ですよ。

花火? 何で?

(お幹)歓迎の花火です。

噂の グラマーガールが
帰ってくるんですわ。

噂の グラマーガール?

えっ?
新聞 見とらんのですか?

「大空ゆかり。 グラマーガールが
日本中を 駆け巡る」

大空ゆかりって
今 大人気の歌手じゃない。

本名は 別所 千恵子いうて
こん村の出身なんです。

もしかして この人
ここに泊まるの?

こがあな狭いところに
泊まらんわ。

泊まるんは
仁礼の お屋敷ですわ。

(春江)嘉平さん。
お世話になります。

(嘉平)おお。
自分のうちやと 思うて

好きに 使うてくれ。

(日下部)私 ゆかりの マネジャーを
しとります 日下部と 申します。

(嘉平)いらん…。 そんなもん。
≪(辰蔵)社長。

えろう すんまへんな。

うちの妹と めいっ子が
ご厄介になるそうで。

(嘉平)あの 別所の 千恵子が

こがなスターになって
戻ってきたんやぞ。

わしも 鼻が高いわ。 ハハハハ!

(笑い声)

(勝平)千恵子ちゃん。
客間 案内するわ。

(千恵子)ありがとう。

≪(太鼓の音)
うん? 今度は 何の音?

(お幹)盆踊りの練習ですわ。
今夜は お祭りですから。

お祭り? 参ったな。

歌名雄。

もう 行くん?

(歌名雄)迎えに行かな
あかんしな。

(リカ)泰子ちゃん?

あんた 本気で
あの子と 結婚するつもりなん?

(歌名雄)そんなに 俺を
仁礼の婿に させたいんか?

そうすりゃ
旅館も 安泰やからな。

そんなことない。

(リカ)私は あんたに

鬼首村しか知らん人間に
なってもらいたくない。

あんたには
好きなこと してもらいたいの。

(歌名雄)だったら
俺の好きにする。

(歌名雄)
もう 口出しせんでくれ。

(リカ)歌名雄…。

(敦子)仁礼家 仁礼家って

昔じゃあ 誰か来たら 必ず
由良家に泊まったもんじゃ。

ねえ お母さん。

(歌名雄)こんにちは。

(敦子)あら。 歌名雄さん。

泰子 迎えに来てくれたの?
(歌名雄)ええ。

(敦子)ねえ 歌名雄さん。
泰子のこと くれぐれも 頼むわよ。

(歌名雄)はい。
(敦子)違うの。

(敦子)これからも ずっと。

(泰子)母さん。 もう ええから。
行こう。

(歌名雄)うん。 いってきます。

かっ。 何が グラマーガールや。
ててなし子が。

(勝平)文子。 早 せえ。

(文子)待って。

(千恵子)お母さん。
そろそろ 行かないと。

(春江)
待たせておけば いいのよ。

(春江)
あんたは 大空ゆかりよ。

何で こんな田舎の盆踊りで
歌わなきゃいけないの?

(お幹)せっかくの お祭りやのに。
うるさくて 本も読めやしない。

(お幹)結構 遠いですよ。
山田の村は。

大丈夫。 今夜は
向こうで 一泊しますから。

いってきます。
お気を付けて。

うん?

♬~

こんにちは。

(おりん)ごめんくださりませ。
おりんで ごぜえやす。

お庄屋さんのところに
戻ってめえりやした。

なにぶん
かわいがってやってつかあさい。

(お幹)ホンマは ちらっと
見たかったんじゃ。 グラマーガール。

里子ちゃんと 大空ゆかりが
同級生で よかったわ。

仲 良かったん?

(里子)千恵子ちゃんと
子供んころ よう 遊んでた。

お兄ちゃんも。

≪(太鼓の音)
(お幹)早 行こう。 始まる。

(里子)やっちゃん?

(お幹)里子ちゃん?

どうしたん?
(里子)ううん。

(お幹)行こう。

ただいま。
(お幹)今 戻られました。

金田一さん。 大変です。
えっ?

♬~

♬~

あっ!?

(立原)おい! 近づくな。

あっ!
(立原)あっ?

お久しぶりです。
僕ですよ 僕。

(立原)知らん。
おう。 つまみ出せ。

(乾)はっ。
ちょっと 橘さん。

誰が 橘だ?
本官は 岡山県警 警部補

立原 寅蔵だ。
えっ?

(立原)もう いい。
取りあえず 逮捕。

(乾)はっ。
金田一です。 金田一 耕助。

だから
知らんと 言っとるだろうが。

(乾)えっ!?
あの 金田一大先生でありますか?

(立原)お前 知ってんの?

(乾)犬神家 連続殺人事件を
解決した

名探偵であらせられます。
(立原)犬山家? 知らん。

(乾)金田一先生。
岡山県警の 乾と 申します。

乾さん。 ちょっと
近くで見ても いいですか?

≪(歌名雄)おい。 どいてくれ!
(勝平)友達なんだ。

やっちゃん!

彼は 確か 亀の湯の。

(勝平)歌名雄です。

あいつは 泰子ちゃんと
結婚の約束しとって。

(歌名雄)うわーっ!

やっちゃん? どうして?
やっちゃん?

どうして?

おい。 こら。 何やってんだ?
駄目だろ。 向こう 行ってろ。

≪(本多)ごめんなさいよ。
ちょっと どいてつかあさい。

(立原)こら。 じいさん。
入るな。 帰れ。

(本多)検視じゃ 検視じゃ。
20年ぶりの事件じゃ。

20年?
まさか 本多先生ですか?

(本多)おう。

(立原)まだ 現役で
やっとらしたんですか。

ご無沙汰しとります。
立原です。

(本多)知らん。
(立原)えっ?

おい。 近づくんじゃない。

(本多)どなたじゃ?
(立原)気にせんでください。

自称 探偵とか ぬかす
やからですわ。

おお。

口に 漏斗が
突っ込んでありました。

こりゃ 滝の水を 大量に飲んで
窒息死したんでしょうな。

違いますよ。
ああ?

ここに 首を絞められた痕が
あります。

痕跡の向きから 考えると

背後から 荒縄のようなもので
絞殺されたと 思われます。

両手のひらと 膝にも
傷が ある。

岩場で殺害してから 遺体を運び
滝つぼに 運び入れたんでしょう。

(立原)何を 適当なことを。

(本多)いやぁ。 いい目をしとる。
(立原)えっ?

大したもんじゃ。

(立原)よし。

今から この部屋を
捜査本部とする。

それで 被害者の名前は?

(乾)はっ。
由良 泰子さん。 二十歳。

おい。 お前 何で
こんなとこ いるんだよ?

ここ 捜査本部だ。 出ていけ。

泊まってる僕が
宿の広間を 使うのは

僕の自由ですよね?
くそ。

じゃあ 場所 変えよう。
仁礼家 行こう。 あそこ 広いし。

(お幹)いやぁ。
あそこは やめた方が。

(立原)えっ?
どうして?

亡くなったん
由良家の 泰子さんですよね。

そいで 仁礼家いうんは…。

あっ。 駄目だ 駄目だ。
どういう意味ですか?

(お幹)昔から 仁礼家と 由良家は
仲 悪うて

亡くなった 泰子さん。
由良家の娘さんなんです。

どうして…?

(お幹)お母さんの 敦子さんと

おばあちゃんの 五百子さんの
3人で 暮らしとりました。

もともとは 由良家の方が
栄えとりましたけど

すっかり 逆転してもうて。
どうして?

(お幹)おととい 金田一さん。
ぶどう酒 飲んだでしょ?

あれは 仁礼家が
製造しとるんですわ。

当主の 嘉平さんが
商売上手で

今じゃ 仁礼家の天下です。

仁礼家には 勝平さんと
文子さんいう

お子さんが おります。
なるほど。

≪(玉田)失礼します。
遺留品の鑑識 終わりました。

(立原)ご苦労さん。
何か 出たか?

(玉田)どちらも 仁礼家のもので
間違いないようです。

やはり 指紋は
検出されませんでした。

この印 何ですか?
(立原)仁礼家の屋号の はかりだ。

仁礼家は 秤屋で
由良家は…?

枡屋です。 ここの女将さんの
青池家は 桶屋。

ちなみに うちは ざる屋です。

お前の家なんか
どうだっていいんだよ。

他に 何か 出たか?
(玉田)死亡推定時刻は

昨日の 夜 6時から
8時の間だそうです。

最後に 泰子さんを見たのは
誰ですか?

おい。 こら。
(乾)青池 歌名雄君と

家を出たのが 夕方 5時ごろ。

その後 お祭りの現場で
姿が見えなくなったと。

お前も 答えんでいい。
それ以降 泰子さんを見た人は?

(乾)おりません。
(立原)だから。

≪(リカ)すみません。
ちょっと よろしいですか?

どうしました?
(立原)俺が 言う。

どうしました?

うちの娘が
話があると 申しておりまして。

話って 何ですか?

(里子)昨日 見たんです。

泰子ちゃんが おばあさんと
歩いてるのを。

(リカ)里子。 それ ホントなん?
(里子)うん。

あんときか。

(立原)お前も 見たのか?
(お幹)いいえ。

(立原)お前 ちょいちょい
入ってくるな。

(お幹)はあ?
おばあさんの顔は 見てませんか?

(里子)いえ。 こう 頭に
手拭いみたいなものを しとって。

えっ? もしかして…。
何だ?

それ おりんさんかもしれません。
おりん?

(おりん)《ごめんくださりませ》

放庵さんの 別れた奥さんです。

(おりん)《おりんで ごぜえやす》

おい。 放庵の家 行くぞ。
(乾)はっ。

これが 放庵さんの家?
(立原)ああ。

お庄屋さんだったんですよね?
(立原)ああ。 20年前は

離れのある 立派な屋敷に
住んでたんだがな。

放庵さん。 放庵さん。 いるか?
警察だ。

(立原)誰も いない。
どこか 行ったのか?

これは。
(立原)うん?

(乾)これ 血じゃないですか?
(立原)えっ?

腹か何かを 刺されたのか。
おい。 凶器 探せ。

いえ。 吐血でしょう。
(立原)吐血?

見てください。
血の色が 濃い。

これは 胃酸の成分で
血が変色しているためです。

(立原)そうなの?

あっ。 2人分の食事。
一緒に 飲み食いしてたのか。

この足跡
はんかけ草履のようです。

(立原)はんかけ草履? 女物か。

乾。 足跡 踏むんじゃない。
あっ。 俺も 踏んでるわ。

お前 そっちに いたって
しょうがないだろ。

こっち 下がってろ。
ったく。

お前 邪魔だ。
あっち 行ってろ。

「ぜひ 昔のことは
水に流して

最後は 一緒に 暮らしとう
願っております」

復縁を申し出る 手紙。
おりんさんからのようです。

あれ?
これ 1回 封を開けられてる。

(立原)
何で そんなこと 分かるんだ?

見てください。
ここが 微妙に ずれてます。

おそらく 湯気に当てて 剥がし
中を読んでから

また のりづけ
したんじゃないでしょうか。

(立原)なるほど。

あれ? これ 消印にも
細工の跡が あります。 ほら。

(立原)かすれて 見えんな。
おい。 乾。 今 何年だ?

(乾)昭和27年であります。

これ 6に見えませんか?
(立原)去年 来たのか。

でも 放庵さんは
先月 手紙が届いたって。

(立原)何のために
そんな細工をしたんだ?

それは 分かりません。

(立原)お前 何だよ。

(乾)金田一さん。
(立原)俺を 呼べ。

(乾)すいません。
でも これが。

(立原)あっ? 薬草か?

毒かもしれません。
(立原)えっ?

おい。 すぐに 鑑識 持っていけ。
(乾)はっ。

(リカ)
お疲れさまでございました。

(立原)女将。
ややこしいことになった。

こりゃあ 長引くかもしれんぞ。
(リカ)何が あったんです?

それが…。

(磯川)ごめん。
(リカ)あら。

やあ やあ。 これは これは。

(磯川)皆さん。 お揃いで。

お久しぶりです。
(立原)おい。

お前 お久しぶりって
それ 口癖か?

誰にでも 言ってんのか?
(磯川)久しぶりだな 金田一さん。

(立原)あれ? 磯川警部。
こいつを ご存じで?

(磯川)ご存じも何も

門島の事件を 解決した
名探偵さんだ。

(立原)あの獄門島を?
こいつが!?

(リカ)名探偵さん?
じゃあ 作家先生というのは?

(磯川)こりゃ いけん。
リカさん。 すまん すまん。

探偵が いきなり 現れたら
びっくりしてしまう 思うて

作家が 訪ねていくと 方便を。

磯川さん。
それ どういう意味です?

まさか…。
(磯川)そりゃ ゆくゆく。

もしかして まだ あの事件を?
(磯川)いやぁ。 まあ。

私は もう
整理が ついてますから。

忘れてえと 思うのは
よう 分かる。

ただ これは 刑事の さがや。
堪忍してつかあさい。

すみません。
さあ 中へ。

(磯川)ハハハ。 これ これ。

懐かしいな。
(立原)何やっとるんですか?

それで 磯川警部は
どうして こちらへ?

(磯川)由良の泰子が
殺されたと聞いて 飛んで来た。

放庵の家に 行っとったんだろ?
何か 分かったか?

ちょっと待ってください。
どういうことですか?

(磯川)うん?
僕は 磯川さんに

静養できるところを
紹介してくださいって

頼んだんですよ?

申し訳ない。

だまし討ちするつもりは
なかったんだが

あわよくば 金田一さんの力を
借りよう 思うてな。

実は 昔 この村で
殺人事件が あった。

えっ?
泰子が殺されたと 聞いて

もしかしたら 20年前の事件と
何か 関係がある。 そう 思って。

いや。 磯川警部。
いくら何でも それは…。

どんな事件だったんですか?

その 20年前の
未解決事件というのは。

聞いてくれるか?
まあ 一応 概要だけでも。

あっ。 自分が?
(磯川)そうだ。

事の発端は 一人の男が
この村に 来たことだ。

男の名前は 恩田 幾三。

恩田は この村に

モールを作る 機械を
売り込みに来た。

モールっちゅうのは クリスマスの
きらきらした 飾りのことだ。

真っ先に 飛び付いたのが
由良家だった。

そのころ 仁礼家が ぶどう酒で
大当たりしてたから

何とか 巻き返そうと思って
必死だったんだろう。

完成した モールは
恩田が 買い取った。

それを見て 他の村人たちも
次々に 機械を導入し

中には 借金までして 機械を
買い付ける者も いたらしい。

でも…。
詐欺じゃった。

それに 気付いたのが

リカさんの亭主の
青池 源治郎じゃ。

青池 源治郎。
(磯川)恩田の悪事を 暴くいうて

源治郎は 恩田が 身を寄せとった
放庵の離れに 乗り込んだ。

ところが 逆に
恩田に 殺されてしもうた。

(立原)後頭部を 手おので
たたき割られて

顔は 炭で焼かれて
もう ぐちゃぐちゃだったわ。

恩田は
どこに 行ったんですか?

(磯川)捜査の網を かいくぐって
逃げられてしもうてな。

一説では 満州辺りへ
高跳びしたらしい。

じゃあ そのまま
行方知れずですか?

(磯川)ああ。 面目ない。

恩田の事件は もう
とっくに 時効を過ぎとる。

しかし
妙な胸騒ぎがして ならん。

金田一さん。 頼む。
また 力になってくれんか?

もちろん
磯川さんの頼みとあれば。

ありがたい。
≪(玉田)失礼します。

放庵の家にあった
薬草の分析が 終わりました。

(立原)何だった?
(玉田)ヤマトリカブトの 根の部分でした。

(立原)トリカブト
(玉田)吐血や

残った食器から
アルカロイドが 検出されました。

トリカブトは この辺じゃ
お庄屋殺しと 呼ばれてる。

お庄屋殺し?
(磯川)ああ。

≪(戸の開く音)
(警察官)あのう。

由良んちの 敦子さんが
家まで来てくれ 言うとりますが。

由良の家へ?
(警察官)何でも ご隠居さんが

歌を聞いてつかあさいと。
歌?

(敦子)いえ。
急に 言いだしましてね。

お母さん。
警察の方 来ましたよ。

とっとと やってつかあさい。

(五百子)♬「一番目の すずめの
いうことにゃ」

♬「おらが 在所の 陣屋の殿様」

♬「狩り好き 酒好き 女好き」

♬「女好き」
(立原)何だ こりゃ?

(五百子)
♬「女たれがよい 枡屋の娘」

(立原)枡屋?

(五百子)♬「器量よしじゃが
うわばみ娘」

♬「升で量って じょうごで飲んで」
(立原)これは。

(五百子)♬「日がな一日
酒浸り 酒浸り」

(五百子)
♬「それでも 足らぬとて」

♬「返された 返された」

(立原)金田一
由良家の屋号は 枡だ。

五百子さん。 最後の…。
(五百子)うん?

(立原)もっと 大きな声で。

最後の 「返された
返された」というのは

どういう意味ですか?

殺された 殺された。

やっぱり。

泰子さんは この 手毬唄に
のっとって 殺されたんです。

(敦子)えっ?

五百子さん。
数え歌の 手毬唄なら

三番とか 五番とかまで
歌詞が 続くはずです。

続きの歌
歌ってもらえませんか?

(せき)

これ 忘れてます。
え~…。

(せき)
(立原)敦子さん! この村で…!

立原さん。 普通の声で。
(立原)ああ。

敦子さん。 この村で

他に この手毬唄 知ってる人間
いないのか?

(敦子)さあ?
放庵さんぐらいでしょ。

(立原)放庵か。

あのう。 ちょっと

見せてほしいものが
あるんですが。

(敦子)ここが 泰子の部屋です。

(立原)おい。 探偵。
言っとくがな

お前には 捜査権なんか
ないんだぞ。

こんなことして
俺が 本気 出したら…。

立原さん。
(立原)話 聞けよ。

手紙? 汚え字だな。

「あなたの 亡くなった
お父さんについて

重大な秘密を お教えします」

「今夜 7時 お祭りの会場に
迎えを 送ります」

「放庵」
(立原)放庵?

敦子さん。
この 父親の秘密って…。

秘密なんて ないで…。

もう 出ていって!

そげんことより とっとと
仁礼の 嘉平を 捕まえて!

あいつが 誰かに やらせたに
決まっとる。

うちの泰子を 殺して

自分の家の 文子と 歌名雄を
くっつけようと しとるんじゃ。

嘉平さんが?
(敦子)ハハハ。

秘密が あるのは 仁礼の方じゃ。

あそこの 文子は
嘉平の娘やない。

えっ?

嘉平の妹の 咲枝の娘や。

≪(リカ)歌名雄。

嘉平さんが 来てる。

お前に 話があるって。

(嘉平)泰子のことは 残念じゃが
こうなった以上

うちの文子と
一緒になってもらうしかねえな。

(歌名雄)えっ?
(リカ)嘉平さん。

そんな話だったんですか?

通夜で するような話やないから
わざわざ 来たんじゃ。

歌名雄。 これは
母さんのためでも あるんやぞ。

(リカ)嘉平さん。
今日は もう。

私も これから 由良家の お通夜の
お手伝いに 行きますんで。

(嘉平)お前が 仁礼の婿になれば
亀の湯は 安泰じゃ。

里子にも
婿を 見つけてやる。

カワイイ妹を いつまでも
蔵ん中にいさせて ええんか?

(リカ)歌名雄。
もう 向こう行って ええから。

少し考えて ええですか?

おお。 ええぞ。
大人んなれ。 歌名雄。

(磯川)そうか。 泰子に
そんな手紙が 来とったんか。

ええ。 ただ 手紙に書かれていた
父親の秘密が 何なのかは

教えてもらえませんでした。

父親ちゅうたら
今 来とる 大空 何とか…。

別所 千恵子さん?
そうそう。 千恵子。

あれの父親は 恩田じゃ。

えっ!?
恩田って あのう…。

逃亡している 詐欺師の
殺人犯ですか?

そうじゃ。 当時 恩田が
身を寄せとった 放庵の離れに

ちょくちょく 千恵子の母親の
春江が 出入りしとった。

周りの者は
みんな 知っちょった。

千恵子が 生まれたら

詐欺師の娘だの
人殺しの家族だの

散々 嫌がらせを受けて

最後は 村を 追われるように
出てった。

おう。 今夜 由良の泰子の
通夜じゃったな。

金田一さん。 行くんかね?
ええ。

村の人が 集まるので 念のため
みんなの様子を 見ておこうかと。

じゃあ これ 代わりに 頼む。

ああいう場が どうも 苦手でな。

ああ。 しまった。
えっ?

僕 何も 用意してない。

そんなことだろうと 思った。

これ あんたの分じゃ。

ああ。 助かります!

≪(読経)

(読経)

(敦子)よう 来れたもんじゃ。

(嘉平)このたびは…。

(敦子)こんなもん いらん!

嘉平さん。 泰子を
あんたが やりんさったんじゃろ!

何を 言うとるか!

(敦子)この 人殺し!

(勝平)おばはん!
今 何ちゅうた!?

(敦子)地獄に 落ちれば
ええんじゃ!

帰れ! 帰ってくれ!

(泣き声)

お前に言われんでも 帰るわ。

(勝平)文子! 帰るぞ!

(泣き声)

(リカ)文子ちゃん。

(文子)おばさん。

歌名雄。 ちょっと
気が立ってるだけだから。

気にしないで。

ありがとうございます。

(立原)われわれも
一杯 頂くことにするか。

ええ。

(乾)痛っ。
(立原)お前 何 飲んでんだよ。

(乾)あっ。 すいません。

あっ。 大空ゆかりだ。

(立原)おお。
なかなかのもんだな。

おっ。

(千恵子)あっ。 里子ちゃん?

(里子)あっ。 千恵子ちゃん。
(千恵子)こっち 座って。

(春江)ああ。 里子ちゃん。
大きくなって。

(里子)ご無沙汰してます。
春江おばさん。

(千恵子)久しぶりだね。
会いたかった。

(里子)私も。
≪(辰蔵)おい! 千恵子!

こっちぃ 来て 酌せえ!

(春江)いい。
行かなくていい。

(辰蔵)早う 来い!
大スターだか 何だか 知らんが

俺は お前が 子供んころ
おむつ 替えたんじゃけえな!

(春江)兄さん。
いいかげんにして。

(里子)千恵子ちゃん。 行こう。

(辰蔵)お前 亀の湯の娘じゃろ。
頭巾を取れ! 頭巾を!

(千恵子)ありがとう。
(里子)ううん。

昔と同じ。
こうやって いつも

里子ちゃんと 歌名雄さんに
助けてもらった。

(里子)いつも
助けてもらってたんは 私の方。

お前は 呪われた子だ。

話すと 呪いが うつるって
いじめられて…。

でも 千恵子ちゃんだけは
仲良うしてくれて。

こうやって 会えて よかった。
(千恵子)うん。

(悲鳴)

(立原)表だ。 行くぞ。
(乾)はっ。

(里子)誰?

(千恵子)里子ちゃん。

♬~

どうしました?
(千恵子)あそこに 影が。

(立原)影? どんな影ですか?
(千恵子)おばあさんのような。

(乾)おりんじゃないですか?
(立原)何!?

おりん! 出てこい!

(悲鳴)

里子ちゃん?

(立原)何だ。 里子か。
びっくりした。

(千恵子)誰か いた?

♬~

(あくび)
(辰蔵)駄目だ。

(辰蔵)よいしょ。

(辰蔵)げっ! 味が 違うとる。

(辰蔵)誰じゃ?
大事な ぶどう酒を こぼしたんは。

(悲鳴)

♬~

(乾)ああ。 金田一さん。
こちらです。

ああ。

お疲れさまです。

(乾)これを。
うん?

(悲鳴)

秤。 仁礼の屋号ですね。

また 奇妙な仕掛けだ。

(警察官)かばんと 一緒に

この手紙が
あそこに 落ちとりました。

父の秘密を 教える。 放庵」
泰子のと 同じです。

あれ? 立原さんは?
(乾)由良の ばあさんのところに。

(立原)ああ。 金田一
これ 駄目だ。 これ。

何にも しゃべんなくなる。

小判! はかり!

お前 何やってんだ?

♬「二番目の すずめの
いうことにゃ」

おっ!?

♬「おらが 在所の 陣屋の殿様」

♬「狩り好き 酒好き
女好き 女好き」

♬「女たれがよい 秤屋の娘」

(立原)やっぱり
二番は 秤屋か。

♬「器量よしじゃが 爪長娘」

♬「大判小判を はかりに かけて」

「はかりに かけて」

(五百子)♬「日なし勘定に
夜も 日もくらし 日もくらし」

♬「寝るまも ないとて」

♬「返された 返された」

やっぱり 歌のとおりに
細工されてる。

続きは?
三番は 覚えてませんか?

ばあさん。 三番だ。
思い出せ!

♬「三番目の すずめの
いうことにゃ」

(立原)きた!

(五百子)
♬「おらが 在所の 陣屋の殿様」

(立原)ここ 長いんだよな。
おんなじなのに。

(五百子)♬「狩り好き 酒好き
女好き 女好き」

こい!

(五百子)♬「女たれがよい」

ああ…。

えっ?
「よい」?

♬「女たれがよい」

何屋の娘だ!?
シッ!

(せき)
(立原)何だ。 忘れちまったのか。

もう 最悪だ。
(立原)うん!?

立原さんが 話し掛けるから。
(立原)俺!?

ああ…。
(立原)ばあさん。 しっかりしろよ。

(磯川)どう 思う? 金田一さん。
うーん。 泰子さんと 文子さん。

2つの殺人には
共通点があります。

一つは 手毬唄の内容に沿って
死体に 細工をしていること。

もう一つは 父親の秘密を
教えるという 手紙で

おびき出していることです。
(磯川)ああ。

ただ 分からないのは

なぜ 放庵の名前を
かたっているのか?

お前 バカか?
おりんが 放庵の仕業に

見せかけるために
決まっとるだろ。

そうでしょうか?
何!?

共犯者がいる可能性は ねえか?
共犯者?

(立原)ああ。 こりゃ いかん!
わしとしたことが。

どうしました?
真相が 分かってしまった。

おりんと 放庵が
共謀しとるんだ。

えっ?
(磯川)でも 放庵の家には

吐血が あったんじゃろう?
(立原)磯川先輩。

ありゃ 偽装です。 偽装。

放庵が 殺されたふりをして
2人で やっとるんです。

なぜ 今まで 気付かなかったんだ。

おう。 乾。 いま一度
共謀の線で 洗い直せ。

(乾)はっ!

何 食っとんだ? お前。
早 行かんか!

あのう。 立原さん。
(立原)何だ?

手毬唄が 三番まであることは
分かりました。

だったら この歌を知ってる人を
探した方が 早くないですか?

だから その 放庵が おらんから
困っとるんだろう。

≪(リカ)失礼いたします。

(リカ)お茶を お持ちしました。
(磯川)リカさん。 すまんのう。

リカさん。 知りません? 手毬唄。
(リカ)手毬唄?

(磯川)リカさんは 神戸 出身じゃ。
知らんだろう。

じゃあ 旦那さんの源治郎さんから
聞いたことは?

夫は 5歳のころ
この村を 出てますんで。

ああ。 そうだったんですか。
それは なぜでしょうか?

夫の両親が
ここを 経営していたんですが

立ち行かなくなって
いったん 手放したようで。

その後 ご主人の一家は
どうされたんですか?

(リカ)まだ 小さかった
源治郎の手を引いて

神戸に 移住して。
神戸。

その後のことは
あまり話してはくれませんが

成人した後 色々 職を
転々として 弁士になって。

弁士って 活動弁士
はい。

《「月形は 鋭く察知した」》

《「長藩。 月形 半平太と 知ってか
ひきょう者。 名を名乗れ」》

《「おう。 新撰組じゃ」》

《「待ち伏せとは ひきょう者」》

《「冥府へ 落ちろ」》

(リカ)活動写真に 合わせて
せりふを 語っていく

講談師のようなもので。

青柳 洋次郎という 芸名で
出ていました。

青柳 洋次郎。 へえー。

(リカ)私も そのころ
三味線弾きで

劇場に 出ていたんで
そこで 知り合って。

(磯川)金田一さん。

リカさんの三味線は
そりゃ 見事やぞ。

今度 聞かせてもろうたらええ。
ああ。

(リカ)そんな 大したものじゃ
ありませんよ。

それで なぜ こちらへ?

里子が おなかにいたころ
弁士は すっかり 廃れてしまって。

(立原)ちょうど
サイレント映画から

せりふ入りの トーキー映画に
変わったころか。

それで 安定した仕事をしようと
こちらへ?

ええ。

亀の湯を 買い戻して
2人で 温泉宿を やろうって。

その矢先 あの事件が。

(磯川)すまんのう。 つらい話を
思い出させてしもうて。

(リカ)いえ。

(立原)あしたも 早い。
もう 寝るぞ。 布団 敷け。

(乾)はっ。

(立原)あっ。 俺 ちょっと
風呂 入ってくるわ。

(乾)広くて いい お湯でしたよ。
(立原)ああ。 そうか。

待て お前。
何で 俺より先に入ってんだ お前。

(乾)あっ! すいません!

(磯川)前に
ここの長男の 歌名雄君に

相談されたことがあってな。

自分は 泰子のことが 好きやけど
母さんのために

文子と 結婚した方が
ええのかなって。

歌名雄は
よう リカさんに 言われとる。

この村を出て
好きなことをしろって。

でも 歌名雄は 歌名雄で

ここに残って
リカさんと 里ちゃんのために

何かしたいと 思うとる。

磯川さん。 まるで 歌名雄君の
父親みたいですね。

な… 何 バカなこと 言うとる!

そんな怒ることですか?
もうええ。

俺は あした
おりんのことを 調べてくる。

お願いします。 僕の方も
気になることがあるので

あした 仁礼家に 行ってみます。

すみません。 突然。

(嘉平)妹の 咲枝だ。
金田一 耕助と 申します。

(嘉平)探偵さん。
文子が 殺された理由を

咲枝が
知っとるかもしれんちゅうのは

どういう意味じゃ?

文子さんは
由良の泰子さんと 同じように

父親の秘密を 教えるという
手紙で 呼び出されています。

何か 心当たりは ありませんか?

(嘉平)そんなことを 聞かれても
咲枝が 知っとるわけないやろ。

由良の敦子さんから
亡くなった 文子さんの母親は

咲枝さんだと 聞きました。

犯人に つながる 重大な
手掛かりかも しれないんです。

咲枝さん。 文子さんの お父さんは
誰なんですか?

(嘉平)それは 言えん。

咲枝。 もう 下がってええ。
(咲枝)兄さん。

(咲枝)ここまで きたら

恥や 外聞じゃ
言うとる場合じゃありません。

(嘉平)咲枝。

洗いざらい 申し上げます。

文子の父親は 恩田 幾三という
男でございます。

ああ…。

どうか ふびんな娘の
敵を討ってつかあさい。

あっ いやぁ…。

ただ 敦子さんが
言いなすったのなら

私も 言います。
えっ?

殺された 由良の泰子さんも

敦子さんと 恩田との間で
できた お子です。

えっ!?
恩田から 直接 聞いたので

間違いございません。
あの…。 あのう。

恩田というのは
どんな男なんですか?

(咲枝)どんなと 申しますと?
写真など ありませんか?

あの人なら
持っているんじゃありませんか?

(春江)写真?

(春江)そんなもん ありませんよ。
何でも いいんです。

恩田に 関することを
教えてください。

(日下部)それが 何か
今度の事件と

関係があるんですか?
まだ 分かりません。

(春江)お引き取りください。
何でも いいんです。

左利きだったとか。
ほくろが あったとか。

(千恵子)お母さん。
あれを お教えしたら?

「あれ」?
(日下部)千恵子さん。

余計なことは 言わなくていい。

大空ゆかりが
こんな事件に関わっては 駄目だ。

千恵子さん。
教えてください。

靴下の穴です。
靴下?

(千恵子)私が
靴下に 穴を開けたら

よく 言ってました。
お前の父親も そうだったって。

どういうことですか?

(春江)あの人 足の中指が
長かったのよ。 両方とも。

足の中指…。

(春江)だから
足袋でも 靴下でも

すぐ そこから 破れるって
いつも こぼしてた。

こんな狭い村で
次々と 手を出すなんて。

恩田という男は
何を 考えていたんでしょうか。

(磯川)いやぁ。
遅うなって すまん。

磯川さん。
何か 分かりましたか?

ああ。 おりんという女性
去年の暮れに 死んどった。

えっ!?
(磯川)間違いない。

栗林りん。 ちゃんと 役所に
届けが 出とる。

じゃあ 僕が 峠で会ったのは
誰だったんだ?

そんなもん 放庵に決まっとる。
放庵?

(立原)やつは 生きとる。
おりんのふりをして

泰子も 文子も 殺したんだ。

動機は 何でしょうか?
それは…。

(立原)先生!
本多先生。 警察だ!

≪(本多)やかましい! 叫ぶな!
(立原)でけえ声だな。

(立原)こんにちは。

(本多)えっと。

えっと えっと えっと…。

これじゃな。
ありがとうございます。

(本多)じゃが 現場写真なら
警察に たくさんあるじゃろ。

(磯川)戦争で
ほとんど 焼失してしもうてな。

いやぁ。 助かった。
(本多)いやいやいや。

うわ。 想像より ひどいな。

(磯川)完全に 顔を
焼き尽くしとるじゃろ。

何で ここまで…。

あっ!
(磯川)うん?

中指が 長い。
(立原)それが どうした?

春江さんが 言ってたんです。
恩田は 足の中指が 長かったって。

(本多)何を言うとる!
それは 源治郎の遺体じゃ。

(磯川)待て。 そうか。
やはり そうだったのか。

これは 源治郎じゃねえ。
恩田だ。

えっ?
(本多)えっ!?

当時 いくら捜し回っても
恩田は 見つからんかった。

もしかして その遺体は
源治郎ではのうて

恩田じゃねえかと
上層部に 進言した。

だが 通らんかった。

あんとき 離れ 貸してるいうて
放庵が 遺体 確認に来たんだが

源治郎に 間違いねえって
証言したんじゃ。

(磯川)ああ。
(立原)ということは

源治郎は まだ 生きていると?
(磯川)その可能性は あるな。

(立原)でも それが 今回の事件と
どう 関係があるんです?

(磯川)それは まだ 分からんが。

あっ!

まさか 今回の事件の犯人も
源治郎なんじゃ…。

磯川さん。 立原さん。
(立原)ああ?

僕は これから
神戸に 行ってきます。

(立原)何で 今 言うんだよ。
(磯川)神戸?

この事件の源は 全て 神戸に
あるような気がするんです。

(磯川)分かった。
俺は ここに残ろう。

お願いします。

どうも ありがとうございました。

(男性)失礼いたします。
失礼します。

次は…。

≪(読経)

(男性)こちらへ。

≪(読経)

(読経)

(辰蔵)あっ。

(リカ)千恵子ちゃんは
お酒じゃない方が いいわよね。

(千恵子)あっ。 おばさま。
ありがとうございます。

(女性)千恵子と 春江が
来てからやで。

こげぇなこと 続いとるん。
もしかして あいつらじゃない?

(絹代)人殺しの家族やからな。

(立原)おい。 聞いたか?
(乾)はい。 しかし…。

≪(足音)

歌名雄。

みんな このままで ええんか?

やっちゃんと 文ちゃん
殺されて。

俺たちの村
めちゃくちゃにされて。

このまま 指 くわえて
黙って 見とるんか!

俺は 嫌や。

俺たちの村は
俺たちで 守ろう。

これから 山狩りして

逃げてる犯人
捕まえようやないか!

≪(勝平)俺も やるぞ!

(勝平)大事な妹 殺されて
黙ってるわけには いかんのじゃ!

犯人 見つけたら
絶対に 殺したる。

(一同)おおー!

(千恵子)歌名雄さん。

やめて。
犯人が憎いの 分かるけど

そんな恐ろしいこと
言わないで。

もう 2人も 殺されてるの。

これ以上 犠牲者が
出てほしくない。

だから お願い。 行かないで。

(立原)素晴らしい!

いやぁ。
君たちの勇気には 感動した。

よし。 じゃあ われわれ 警察も
その山狩りに

協力しようじゃないか。

(歌名雄)ホントですか?
(立原)ホントだ。

よし。 じゃあ みんな 出発だ!

行くぞ!
(一同)おおー!

(歌名雄)行くぞ。

(歌名雄)神社に 集合するぞ!
(一同)おおー!

(磯川)おい。 どうした?

(乾)男衆が
山狩りに行くと 言いだして。

しかも 先輩が
われわれ 警察も 同行すると。

(立原)バカ。 作戦だ。
警察が 山狩りに 同行すれば

こっちの警備が
手薄になったと 思って

犯人が 動く。
それが 狙いだ。

磯川さん。 自分は 千恵子が
怪しいと 思っとります。

千恵子が?
(立原)ええ。

彼女は 歌名雄が 犯人を
捜しに行くのを 突然 反対した。

どうも 千恵子の動きが 怪しい。

行くぞ。
(乾)はっ。

(立原)こっちだ。

(野呂)よいしょ。

(野呂)これ。 弁士が集まって
共演したときの写真や。

それの 一番右。

これが 青柳 洋次郎さん?

(野呂)俺や。

あなたじゃなくて 青柳さんの
写真を 探してるんです。

冗談やんか。 その左。 左。
左?

これが 青柳 洋次郎。
つまり 青池 源治郎。

兄ちゃん。
無声映画 見たことあるか?

いや。 一度も。

「疾風迅雷。
杉作と 露路の 危急を知り

駆け付けるは
ご存じ われらが 鞍馬天狗

「ええい。
うじ虫。 天誅だ。 覚悟」

「白刃一閃。
鞍馬天狗の熱血躍り

義刃 ついに さやを ほとばしり

悪人どもを ばったばったと
切り倒した」

「きっと 助けに来てくださると
信じてましたわ」

「倉田さま。 私も 一緒に…」

「拙者には なさねばならぬ
大義があるのだ」

「杉作。 お露殿を 頼んだぞ。
さらばじゃ」

「愛馬と共に
さっそうと去り行く 鞍馬天狗

「その運命や いかに」ってな
具合よ。

おお。 野呂さんも
弁士だったんですね。

さすが 女性の声色も 上手ですね。
せやろがい。

当時は わしと 洋次郎で
小屋 ぱんぱんにしたもんや。

で あいつ 今 何してんねん?

それが 故郷の 鬼首村に
戻ったんですが…。

戻った?
えらい憎んどったけどな。

ほら。 あいつの家
温泉宿やったやろ?

村の風習か 何や 知らんけど

温泉 やっとる 湯あみは
一番 身分が 低うてな。

村の人間と まともに
話したことない 言うてた。

ほんで 温泉も 村の金持ちに
取られてもうて

一族 全員
路頭に迷った 言うてた。

嫁はん 元気なんかな?
あの 三味線の べっぴんさん。

自分 聞いてる?

ああ。 すいません。
そろそろ 帰らないと。

もう 汽車 ないで。
えっ?

しゃあないな。
泊めたるわ。

その代わり 付き合うてや。

お酒ですか?
ちゃう。

兄ちゃん。 写真 好きか?

(ブザー)

♬(音楽)

♬~

≪(驚く声)

(絹代)ひっ!?

(リカ)里子?

(千恵子)里子ちゃん。

♬~

(歌名雄)じゃあ いくぞ!
(一同)おう!

♬~

源治郎の 検視写真。
足の中指が 異常に 長かった。

(春江)《あの人 足の中指が
長かったのよ。 両方とも》

春江さんは 恩田も
長かったと 言っていた。

磯川さんの 言うとおり
あの死体が 恩田だとすると

源治郎は 逃げているのか?

じゃあ いったい
今 どこに いるんだ?

(立原)動いた。

(立原)あっちだ。

♬~

♬~

(立原)何をしとるんだ?
あいつは。

(立原)戻るぞ。
(乾)はっ。

♬~

(立原)来た。

(乾)誰かを 捜してるんですかね?

(立原)あっ。

♬~

(磯川)どうした?

(立原)ますます 怪しい。
何なんだ? あの女は。

あるいは 立原さんの
言うとおり

放庵さんが おりんに
化けているのか?

(おりん)《ごめんくださりませ。
おりんで ごぜえやす》

いや。 あれは 女性の声だった。

うん? 待てよ。

(野呂)《「倉田さま。
私も 一緒に」》

活動弁士だった 源治郎なら
女性の声色を出せるのか。

いや。 違う。
確かに この耳で聞いた。

あれは 女性の声だ。

(歌名雄)放庵! 出てこい!

つまり 女性の誰かが
おりんに 化けている。

村の関係者で
生き残っている 女性は

由良の 敦子さん。 五百子さん。

亀の湯の リカさん。 里子さん。

仁礼の 咲枝さん。

別所の 春江さん。 千恵子さん。

♬~

♬~

まさか…。

♬~

しまった!?
なぜ 気付かなかったんだ?

野呂さん! 野呂さん!

(野呂)どないしてん?
鬼首村に 戻らないと。

どうにか なりませんか?

今 何時やと 思うてんねん?
車でも 何でも 無理やで。

そんな。 時間がない。
電話。 電話 貸してください!

(歌名雄)母さん! 母さん!
母さん! 母さん!

(リカ)どうしたの?

(歌名雄)里子が 死んどる。
殺されとる。

何を 言いよんの?
(歌名雄)ホントや。

六道で 殺された。

里子は…。
里子は 殺されたんや。

♬~

(歌名雄)母さん。 母さん。

♬~

♬~

(玉田)その かばんの中に
これが。

「父親の秘密を 教える。
放庵」でしょう。

(玉田)そのとおりです。

(立原)凶器は これか。

(玉田)砂を詰めた その一升瓶で
背後から 殴打したようです。

(立原)これは?

(玉田)それが 錠前と 鍵が
合わないものでして。

これは 手毬唄の 3番です。

(乾)えっ?
(立原)手毬唄?

神戸の おりんさんの
弟さんのところから

これを もらいました。

(立原)鬼首村の 手毬唄。

3番目の歌詞は 「錠前屋の娘
器量よしじゃが 錠前 狂うた」

「錠前 狂えば 鍵 合わぬ」

「鍵 合わぬとて 返された」

(立原)待て待て。
錠前屋は 別所家の屋号だろう。

はい。

(立原)里子の 青池家の屋号は
桶屋だ。

どうして 錠前屋の
千恵子じゃなくて

桶屋の里子が 殺されてるんだ?
おかしいだろ。

うーん。

(立原)「うーん」じゃねえよ。
何だ? あいつは。

♬~

♬~

磯川さん。 女将さんは?
リカさんは 今 どこに?

里子が 暮らしとった
蔵ん中に 閉じこもっとる。

磯川さん。 立原さん。

仁礼家に 皆さんを
集めてもらえませんか?

何をするつもりだ?
謎解きは これからです。

(嘉平)通夜が
終わったばかりやのに 何の用や?

何で 私が 仁礼のうちなんかに
来な あかんの?

私 そろそろ 千恵子と
東京に戻るの。

お時間は 取らせません。

写真を 鑑定していただいたら
終わりますんで。

(咲枝)写真?
これです。

一番 左。 一つ 鼻の下に

ひげが あるものとして
鑑定していただきたいんです。

(嘉平)ああ。

(咲枝)ああ!?
(春江)ああ…。

あんた どこで これを?
それは どなたですか?

恩田 幾三です。

(立原)詐欺師の 恩田!?
こいつが?

春江さんも 咲枝さんも
恩田だと?

(咲枝)はい。

(嘉平)何が 言いたいんだ?

実は これ
恩田 幾三ではなく

弁士だった 青柳 洋次郎。

本名 青池 源治郎の
写真なんです。

(嘉平)青池 源治郎?
(春江)それは…。

(嘉平)亀の湯の?
(春江)リカさんの旦那じゃろうが。

ええ。 リカさんの夫
青池 源治郎と 恩田 幾三は

同一人物だったんです。

(春江)そんなはずは ないわ。
いえ。

青池 源治郎が
この村を出たのは 5歳。

それ以来 誰も
彼の顔を 見ていないはずです。

源治郎は リカさんと
歌名雄君だけを

先に この村に来させ 自分は
一度も 村に帰ってこなかった。

おそらく 源治郎と リカさんが

一緒にいるところを 見た人は
いないはずです。

(立原)おい。
なぜ 青池 源治郎は

鬼首村で 詐欺を働いたんだ?
生まれ故郷だろ。

立原さん。 ここは
古い風習が 色濃く残る

非常に 閉鎖的な村です。
中でも 職業差別が ひどかった。

(立原)職業差別?
当時の村人は

温泉宿を営む 青池一家を
下に見て 差別していたんです。

その中心に いたのが

嘉平さんの 仁礼家ですね?

あなた方は 亀の湯の経営が
立ち行かなくなると

二束三文で 買いたたき
青池一家を 村から追い出した。

(磯川)じゃあ 全ては 源治郎の
村への 復讐じゃったのか?

源治郎は 詐欺で
金を 巻き上げるだけじゃ

満足できなかったんでしょう。

そのとき たまたま 各家に
妙齢の女性が いた。

だから あなた方が
狙われたんです。

いわば 皆さんも 事件の被害者と
言えるかもしれません。

私は 兄や 仁礼家のために
手込めにされた?

(磯川)しかし 嘉平さん。
何で 追い出した 青池一家に

また 亀の湯を
戻してやったんじゃ?

(嘉平)それは…。
亀の湯を 買い戻したいと

この村に来たのは 源治郎の妻
リカさんだけだった。

あなたは 彼女を 一目 見て

源治郎と 会わずに
返してあげたんですね。

あの女 目当てじゃったんね。

(嘉平)いや。 それは 違う。
(敦子)そうに 決まっとる!

歌名雄を 婿にしたがったのも
母親のリカ 目当てじゃろ。

(嘉平)何を バカなことを!

(立原)金田一
村の人間は 誰も

源治郎だとは
気付かなかったのか?

いえ。 一人だけ 気付いていたと
思われる人物が います。

(立原)誰だ?

放庵さんです。

≪(戸の開く音)

(恩田)《放庵さん》

(放庵)《どうじゃ?
もうかっとるか?》

(恩田)《いやいや。 立派な離れを
貸してくださり 助かってます》

(放庵)《いやぁ。 構わんよ。
恩田さん》

《いいや。 青池 源治郎》

《わしの目は ごまかせんぞ》

(放庵)《安心せえ。
わしが 力を貸しちゃる》

もちろん これは
僕の想像でしか ありませんが。

(嘉平)いや。
放庵なら やりかねん。

庄屋から 落ちぶれた あいつは
村に 恨みを持っとった。

源治郎と結託して
わしらを 陥れようとしたんじゃ。

悪いのは 全て 放庵じゃ!

(立原)じゃあ 源治郎を殺したのは
やっぱり 放庵か。

いや。 それは…。

♬~

まさか 金田一さん。

(磯川)何ちゅうことじゃ…。

(磯川)何で?
何でなんじゃ?

(立原)磯川警部。
どうされました?

≪(日下部)春江さん!

春江さん 大変です。
ゆかりが。

(日下部)千恵子さんが いません。
(春江)ひっ!?

♬~

♬~

♬~

(磯川)リカさんは?
いません。

♬~

≪(戸の開く音)

♬~

何しに来たの?

何で この村に
戻ってきたの?

♬~

何で?

何で あんたが 生きてんの?

リカさん!

よかった。 間に合った。

(立原)女将さん。
あんた 今 何しようとしてた?

千恵子さんも 気付いたんですね?

(千恵子)はい。

(磯川)リカさん。 違うよな?
まさか あんたが そんな。

リカさん。

(リカ)磯川さん。

(リカ)ごめんなさい。

(リカ)私 どうしても
あの人が 許せなかったんです。

だって 幸せだったんですよ。

♬~

(リカ)《あんた》
(源治郎)《さあ いくぞ》

(リカ)結婚して
歌名雄が 生まれて

おなかの中には 里子もいて

本当に 幸せだったんです。

それが 突然 鬼首村に
移住するって 言いだして。

でも あの人
神戸から 動こうともしないで

私と 歌名雄だけを
この村に 帰らせたんです。

どうして そんなことを?

源治郎は 最初から
恩田という男になって

詐欺を
働くつもりだったんですよ。

(リカ)村に来て しばらく
たったころ 恩田という男が

村から お金を
巻き上げてるっていう話を

聞きました。

人相や 背格好から
もしかして 夫なんじゃないか?

しかも お金だけじゃなく
村の女の人たちに

次々 手を出しているって。

そんなはずない。
夫は 神戸にいるはず。

だから 確認しようと思って

恩田という 詐欺師が
仮住まいにしている

放庵の離れを 訪ねたんです。

(リカ)《どうして?》

(源治郎)《何や。 お前か》

(リカ)《どうして あなたが
ここに いるの?》

(源治郎)《決まっとるやろ。
復讐や》

《俺や 俺の家族を
散々 バカにしてきて

差別してきた この村を
破滅させたるんや》

(リカ)《ねえ。 ねえ。
ほら。 私たちは どうなるの?》

(源治郎)《もう お前らに
用はない》

《しゃあないから
亀の湯 くれたるわ》

(リカ)《ちょっと。
あなたは どうすんのよ?》

(源治郎)《金も たまったし
満州に 高飛びやな》

(源治郎)《何や お前

仁礼のやつに ずいぶん
気に入られてるそうやな》

(源治郎)《めかけにでも
してもらったら どうや?》

《ハハハ》
(リカ)《ねえ。 ちょっと

そんなこと 言わないで…》
(源治郎)《やかましいわ。 ぼけ》

(リカ)《お願い。 見捨てないで。
お願い。 お願い》

(源治郎)《離しやがれ。
これ 持って 出てけ。 おら!》

(源治郎の絶叫)

(歌名雄の泣き声)

源治郎の顔を 焼いたのも
あんたか?

それは 放庵さんに
言われたんじゃないですか?

(泣き声)
(リカ)《歌名雄。 大丈夫》

≪(放庵)《ようやっと
お前も 気付いたか?》

(放庵)《焼け》
(リカ)《えっ?》

《顔を焼け》

(放庵)《恩田が 源治郎じゃと
知っとるんは

わしと お前だけじゃ》

(放庵)《安心せえ。
力 貸しちゃる》

(歌名雄の泣き声)

(放庵)《やれ》

(歌名雄の泣き声)

♬~

♬~

♬~

(放庵)《これで わしと お前は
一蓮托生じゃ》

♬~

(立原)どうして 今になって
放庵を 殺したんだ?

脅されたんでしょう。

「作家と名乗る男が
事件を 調べに来た」

「秘密を バラされたくなかったら
言うことを 聞け」

(磯川)じゃあ 金田一さんに
この亀の湯を 紹介した 俺が

リカさんを
追い詰めてしまったんか。

何ちゅうことじゃ。

あなたは 放庵さんに届いた

おりんさんからの手紙を
盗み読み 保管していた。

おりんさんの 死亡通知も
盗んだ あなたは

その手紙の消印に
細工を施し

放庵さんに 届けた。

そして おりんさんに化け
放庵さんの家を 訪れ

夕飯に 毒をまぜて
殺害した。

♬~

(千恵子)私 分かりません。

(千恵子)どうしてなんですか?
どうして おばさまが

泰子ちゃんや 文子ちゃんを
殺したんですか?

(リカ)父親が 一緒なのよ。

みんな同じ あの男の 子。
千恵子ちゃん。

あなたも。

もし 血が つながった者同士が
結婚して 子供が生まれても

それは 不幸にしかならない。

あなたが 帰ってきたせいよ。
(千恵子)私が?

子供のころ
あなたが いじめられてるとき

歌名雄が いつも
助けてあげていたでしょ?

それ みんな 覚えてる。

そんな あなたが こんなに
奇麗になって 帰ってきた。

泰子ちゃんも 文子ちゃんも

歌名雄を
取られるんじゃないかって

焦るに 決まってる。

こうなった 責任は 千恵子ちゃん。
あなたにも あるのよ。

いや。 焦ったのは リカさん。
あなたでしょ。

千恵子さんが
帰ってきたことで

早く 始末しなければと
焦ったのでは ありませんか?

まず 泰子さんを 手紙で呼び出し
あの滝へ 誘った。

(泰子)《おばあさん。
私の父親の 秘密って 何なん…》

♬~

♬~

文子さんの場合も そうですね?

そうよ。

《歌名雄 ちょっと
気が立ってるだけだから

気にしないで》
(文子)《ありがとうございます》

《30分後。 歌名雄を
ぶどう酒工場に 行かせるから

そこで 待ってて》
(文子)《ホンマですか?》

♬~

(文子)《歌名雄さん?》

♬~

♬~

手毬唄の書かれた この冊子が

放庵さんの家には
ありませんでした。

あなたが
持ち帰ったんじゃないですか?

(リカ)ええ。
(磯川)でも なぜだ?

どうして 里ちゃんまで?

私にも 分かりません。

どうして あの子が
あそこに いたんか?

私は 千恵子ちゃんの かばんに
手紙を入れたのに。

あれは 里子ちゃんが
持ってったんです。

私 おばさまのことを疑って
捜しに行ったんです。

(立原)《何をしとるんだ?
あいつは》

(千恵子)でも いなくて。

(千恵子)そしたら
かばんが なくなっていて。

すぐに 里子ちゃんだって
気付きました。

(千恵子)でも もう…。

リカさん。
里子さんは ずっと前から

おりんさんが あなただと
気付いていたんですよ。

これは あなたの
手拭いですね?

泰子さんの通夜のとき
あなたは 自分の影を 壁に映した。

(悲鳴)

そして おりんの存在を
より 植え付けるために

わざと 手拭いを落とした。

それを見つけたのは
里子さんだったんです。

♬~

皮肉なものです。
母親が 化けた姿を

誰よりも早く 見抜いたのが
娘さんだったんですから。

(磯川)じゃあ 里子ちゃんが
文子の通夜の晩

頭巾を取って
素顔で 現れたんは…。

(リカ)《里子?》

(磯川)リカさんに
気付いてほしかったからか。

おそらく そうでしょう。

そして 彼女は
千恵子さんの かばんを 持って

手紙に書かれていた 場所へ
行ったんです。

祈るような 気持ちで
待っていたことでしょう。

どうか お母さんが
来ませんように。

どうか お母さんが
気付いてくれますようにと。

♬~

♬~

里子のこと

誰よりも 分かってあげてる
つもりだったのに。

許して 里子。
お母さんを 許して。

♬~

≪(乾)失礼します。
放庵の死体を 発見しました。

(立原)何?
(乾)沼に沈んでいた 死体が

浮かんできたようです。

(磯川)金田一さん。 立原君。
死体検分を頼む。

(立原)いや。
磯川さんも ご一緒に。

おい。 お前。
容疑者 見張ってろ。

(乾)はっ。
(磯川)いや。 俺が見とく。 頼む。

(立原)分かりました。
おい 探偵。 行くぞ。

♬~

千恵子さん。

♬~

(立原)おい。
(警察官)はっ。

(歌名雄)入れてくれ…!
(警察官)立ち入り禁止です…!

(歌名雄)入れてくれ!

(歌名雄)探偵さん。
これ だいぶ前に 死んどるんか。

はい。
(歌名雄)じゃあ

里子 殺したの
こいつやないな? 誰や?

誰が 里子 殺したんや?
(立原)歌名雄君。 君に 話がある。

(磯川)私が 最初に
ここに来た あの事件のとき

歌名雄君は 2歳で

里子ちゃんは まだ
おなかの中でしたな。

(磯川)それから 20年。

事件を 調べる 言うちゃ
ここへ来て 酒を飲んで

あんたの三味線を 聞いて

歌名雄君と 話して
時々 里ちゃんとも話して。

(磯川)勝手に
家族のように 思うとりました。

そのたび あんたに 苦しい思いを
させとったんですな。

リカさん。 最後に 一つ
お願いしても ええですか?

三味線を
聞かせてもらえませんかのう?

リカさんの弾く 三味線が
聞きてえ。

ここで 待っとりますんで
持ってきてつかあさい。

磯川さん。 ええんですか?

ホンマに ええんですか?

ええんです。 これで。

ありがとうございます。

(歌名雄)嘘や。
そんなん 嘘や!

(立原)残念だが 本当だ。

(歌名雄)嘘や。
嘘や 言うてくれ。 探偵さん。

呪われとる。

父親が 詐欺師で
母親が 5人も殺した 殺人犯。

こんな 呪われた血
俺で 終わりにしたる!

歌名雄君!
(立原)歌名雄君!

≪(千恵子)待って! 歌名雄さん!

千恵子ちゃん。

私は ずっと

詐欺師の娘。 人殺しの娘って
言われて つらい思いをしてきた。

何度も 死のうと思った。

でも 歌名雄さんと 里子ちゃんが
いつも 励ましてくれた。

どんなに つらくても 死ぬな。
いつか いいことが あるからって。

(千恵子)だから 生きてください。

どんなに つらくても
いつか いいことが あるから。

私でも できたんです。
だから 歌名雄さんも。

血が 半分 同じ
きょうだいなんですから。

(立原)磯川警部。
青池リカを 連行します。

(磯川)すまん。 逃げられた。
(立原)えっ?

(磯川)かわやへ 行きたいと
言われてな。 油断しとった。

(立原)あなた まさか…。

(磯川)すまん。 責任は 俺が取る。
(立原)責任って。

さらに 被害者が増えたら
どうするんですか?

立原さん。 リカさんは もう
誰も 殺しませんよ。

どうして そんなことが
分かるんだ?

あいつは 今 どこに?
たぶん 彼女は…。

♬~

(五百子)《♬「四番目の すずめの
いうことにゃ」》

《♬「おらが 在所の
陣屋の殿様」》

《♬「狩り好き 酒好き
女好き 女好き」》

《♬「女たれがよい
桶屋の娘」》

《♬「器量よしじゃが
やきもち娘」》

《♬「橋の上から
川面を眺め」》

《♬「色街帰りの
旦那を 待った 待った」》

《♬「ねたみが 強いとて」》

《♬「返された 返された」》

ごめんね。 歌名雄。

ごめんね。 里子。

♬~

♬~

♬~

磯川さん。 立原さん。

金田一 耕助。
本当に 名探偵だったんだな。

いえいえ。
心から 感謝する。

いやぁ。 こちらこそ。

(お幹)あら。
急に 素直になっちゃって。

お前には 関係ない。

金田一さん。 ありがとうな。

いえ。 磯川さんは
これから どうされるんですか?

まあ 責任 取って
刑事の職を 辞することにした。

せめて 若手の教育係でもと
お願いしたんだけどな。

(磯川)もう 十分だ。
後は 立原君。 任せたぞ。

(立原)はい。

金田一さん。 歌名雄君は
しばらく 俺が預かる。

田舎に 連れて帰って
一緒に 畑でも 耕すさ。

そうですか。
それなら 安心です。

じゃあ 僕は これで。

磯川さん。
あなた リカさんのこと…。

(磯川)えっ?

いえ。 何でも ありません。
じゃあ。

(お幹)金田一さん。
お達者で。

♬~

♬~

♬~

♬~