ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

みをつくし料理帖スペシャル(後編)黒木華、森山未來、永山絢斗… ドラマの原作・キャスト・音楽など…

土曜ドラマ みをつくし料理帖スペシャル(後編)「桜の宴(うたげ)」』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

  1. 太夫
  2. 料理
  3. 野江
  4. 又次
  5. 料理人
  6. 花見
  7. 回想
  8. 吉原
  9. 紅花
  10. 采女
  11. 登龍楼
  12. 翁屋
  13. お前さん
  14. 摂津屋
  15. 伝右衛門
  16. お許
  17. 行末
  18. 采女殿
  19. 旦那
  20. 龍宮

f:id:dramalog:20191221222512p:plain

土曜ドラマ みをつくし料理帖スペシャル(後編)「桜の宴(うたげ)」』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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土曜ドラマ みをつくし料理帖スペシャル(後編)「桜の宴(うたげ)」[解][字]

傷心の澪(黒木華)を守るため、小松原(森山未來)は皆を裏切る決断をする。そんなある日、吉原で花見料理を作ってほしいと伝右衛門(伊武雅刀)が澪に会いにくるが…。

詳細情報
番組内容
己の道は料理の道…小松原(森山未來)は澪(黒木華)に一切の迷惑が掛からぬよう、他家と縁組を進め、澪との縁談を破談にする。ひとり悪者になる小松原の気持ちが痛いほどわかる澪。小松原との約束を全うするため料理道に精進する。ある日、吉原の翁屋伝右衛門(伊武雅刀)から、澪の天敵、登龍楼・采女宗馬(松尾スズキ)を招いた桜の宴の料理を頼まれる。あさひ太夫…幼馴染の野江に会いたい一心で澪は依頼を引き受けるが…。
出演者
【出演】黒木華森山未來永山絢斗,安田成美,柳下大永尾まりや小日向文世麻生祐未,林田悠作,木村祐一村杉蝉之介成海璃子萩原聖人蒔田彩珠松尾スズキ伊武雅刀佐藤めぐみ中原丈雄ほか
原作・脚本
【原作】髙田郁,【脚本】藤本有紀
音楽
【音楽】清水靖晃

 

 


(澪)お許し下さいませ。

料理は 私の生きる縁です。

それを手放すなど できません。

この命がある限り 一人の料理人として

料理の道を 存分に全うしたく存じます。

(小松原)顔を上げよ 下がり眉。

その道を 選ぶのだな。

はい。

ならば その道を行くのだ。

あとのことは 何も案ずるな。

お前は 誰にも 何も言わずともよい。

全て俺に任せておけ。

分かったな。

♬~

多浜重光 このとおりでござる!

ちょ ちょ…
多浜様 そんな いけねぇよぅ。

武家様が俺らみたいなもんに
軽々しく頭下げたりなすっちゃあ。

いや まずは こうせねば
拙者の気が収まらぬのだ。

弱っちまったなあ。

分かってますよ。

周りのご説得に 思わぬ手間がかかって

お澪坊を受け入れるのが
遅れそうだってんでしょう?

多浜様。 もしや
澪の行儀見習いのお話を…

いえ 後々の嫁入りのお話そのものを

取りやめにしたい
いうことだすやろか。

な… 何だって。 ほ… 本当か!

本気で そんなこと言いに来たってのか!
旦那さん いけません!

お澪坊 離せ! 多浜様。
離してくれよ! 多浜様!

訳をお聞かせ願いませんやろか。

小野寺家は先般申したとおり
三河以来の旗本ゆえ

殿の縁組みは 一族にとっても一大事。

ご親戚筋からの不服も多く

無理に この話を進めても
何一つ よいことはないのだ。

そんなこたぁ とっくに
分かってたことじゃねぇのか!

人の気持ちをもてあそんだあげく
踏みつけにしやがって!

(芳)旦那さん!

つる家の旦那さんが言わはるとおり

今更 それを理由に全てをなしに
というのは妙な話だす。

お茶をお持ちしました。

わては商家同士の縁組みしか
知らんのだすが

縁組み前に話が壊れるのは
そう珍しいことでもあれしまへん。

もともと片方に
別のお相手がいてはったとか

あるいは… 新たな縁談が持ち込まれて

それが店として格上やったり
よう繁盛してはったり…

要するに 元よりも
はるかにええお話が来た場合だす。

ブッ…!

(重光のせきこみ)

よし 分かった。

お澪坊は行儀見習いに出さねぇし

どこぞの御旗本の養女にもしねぇ。

小野寺だか 小松原だか知らねぇが

やつのところへ嫁がせたりもしねぇ。

この話は もう終わりだ。

さっさと帰ってくんな。

♬~

(早帆)澪さん こたびのこと…
このとおりです。

早帆様… どうかお手をお上げ下さいませ。

(早帆)愚かな兄妹をお許し下さいませ。

あなたの心を
どれほど踏みにじったことでしょう。

早帆様… 違います。

それは違うんです。
(早帆)いいえ 違いません。

ひとつきほど前のことです。

上役から兄に 縁組みの話がありました。

無論 兄は断るはず。
そう思ったのですが…。

[ 回想 ] 何故です 兄上。
何故 そのような心変わりを。

出戻りとはいえ 大目付のご息女だ。

出世につながることは間違いない。

澪さんは どうするのです。

ハッ 料理人の嫁をもらって
何の益がある。

(早帆)澪さんには
とても お聞かせできぬことを…。

よもや 兄があれほどの俗物とは…。

どうか どうかお許し下さいませ!

つる家にも改めてお詫びに伺います。
(戸が開く音)

(おりょう)
それは やめてもらえませんかね。

早帆様が悪いわけじゃないってことは
分かってますよ。

けど…

澪ちゃんを泣かせた男の縁者とは

あたしだって つる家の旦那さんだって

もう一切 関わりたくないんですよ。

♬~

早帆様!
(芳)澪!

おまはんのしようと思ってることは
あかん。

誰のためにもならん。

もっと早うに気付いてやれたら
よかったのに 堪忍やで。

ご寮さん。 そやけど このままでは…。

澪。 小野寺様は
憎まれ役を引き受けることで

おまはんを守り通さはったんや。

そして たとえ 意に沿わん縁組みでも
受け入れると決めはった。

それを無駄にしたら 罰が当たる。

♬~

[ 回想 ] 小松原様。 忘れ物です。

要らん。
え?

欲しいなら やる。

ほんまですか!

フッ ほんまだ。

お許し下さいませ。

お許し下さいませ。 お許し下さいませ。

お許し下さいませ。 お許し下さいませ…。

(源斉)澪さん…。

澪さん! 澪さん!

気が付かれましたか。

源斉先生…。

あ… ご寮さんには
つる家に行ってもらっています。

店を開けんと…。 いけません。

そんな体で 何ができるんですか。

この度のことは 聞いています。

眠れないのも 食べられないのも
無理もありません。

私や ありません。

ほんまに苦しいのは
ほんまに傷ついてるのは

私やないんです。

私や…。

分かっています。

あのお方は

澪さんの一途な思いを
踏みにじるような人ではない。

よく分かっています。

申し訳ありませんが

澪さんの苦しみを和らげる薬は
ありません。

澪さんが自分で治すよりほかないのです。

澪さんが
澪さんの選んだ道を進むことでしか…。

♬~

はい お待ち!
(新吉)待ってました!

(秀次郎)どんな料理人 雇ったか
知らねぇが

まずかったら承知しねぇぜ。

(おりょう)お待たせしました。
はい どうぞ。

う~ん!

ああ…。
(裕造)こいつぁ 俺のよく知ってる味だ。

(東助)おうよ。 江戸がどれほど広くとも

この とろとろ茶碗むしを作れる料理人が
2人といるとは思えねぇや。

(丑丸)てことはだ…。

(おりょう)妙だねぇ。

膳の上のお代が みんな少し多いんだよ。

こっちも一緒だす。
こっちもだ。

あの… お帰りのお客さんが これ。

(種市)えっ…。
(ふき)料理人に渡してくれって。

いろいろあるだろうけど
戻ってきてくれて ありがとよって…。

♬~

(子どもたち)鬼は外! 福は内!

鬼は外! 福は内! 鬼は外!

鬼だぞ!
うわ~!

鬼は外! 福は内!

(子どもたち)鬼は外! 福は内!

鬼は外! 福は内!

若様方 いけません。
今日は伯父上様の大切な日ですよ。

構わぬ。 ほれ。

鬼は外!
鬼は外! そうだ。

フフフッ。
福は内! 鬼は外! 福は内!

鬼は外! 福は内!

[ 回想 ] おっ これは節分の豆か。

年の数だけ食わねばな。

小松原様は 50くらいですか?

うん。 では お前は 38くらいか。

うん。

[ 回想 ] そんなに お好きなんですか?
煎り豆が。

ああ 好きだ。

[ 回想 ] この上なく 好きだ。

殿。 間もなく 先様のお行列が

ご到着でございます。

相分かった。

♬~

[ 回想 ] よいか 澪。

その道を行くと決めた以上
もはや迷うな。

[ 回想 ] 道は 一つきりだ。

♬~

伝右衛門殿。 お目にかかれまして
幸甚にございます。

(伝右衛門)こちらこそ。

で 今日は何用で。

吉原にうまいものなしと申しますな。

すなわち 吉原にうまい料理屋を出せば
きっと当たる。

伝右衛門殿 このすぐ近く

吉原江戸町一丁目に
店を手に入れられましたな?

だから何だ。
(采女)手短に申しましょう。

あの店を譲って頂きたい。
なんと…。

(采女)私も同じようなことを考え
界隈を探しましたが

あのような出物は またとない。

どうしても あの店が欲しいのです。

ふざけるな! 横取りされてたまるか!

翁屋では 毎年弥生7日に上客を招いて
花見の宴を催すのだそうですね。

その料理のまずいことといったら
桜もしおれて見えるほどだとか。

入れ物を買ったはいいが

ろくでもない料理人しか
雇えないのであれば

早晩 潰れましょう。

登龍楼に譲った方が 世のため 人のため

あなたご自身の身のためですよ。

たわけたことを。

腕のいい料理人ぐらい知っておるわ!

ほう?

嘘ではないぞ。

嘘だと思うなら 花見の宴に来るがいい!

是非 伺います。

まことに腕のいい料理人であれば

私も潔く諦めましょう。

(伝右衛門)そこで思い出したのだ。

お前さんの 見事な鱧料理を。

じゃあ 何かい。 お澪坊に吉原で

花見の宴の料理を
作ってもらいたいってわけかい。

いかにも。

私には分かってますよ。

お前さん
そんな とぼけた顔つきをしているが

料理については とことん負けず嫌いだ。

お前さんの意地と誇りにかけて

采女宗馬を今度こそ
打ち負かしてやるがいい。

お澪坊 どうする?

私でよければ お引き受けいたします。

そうか やってくれるか!

うん うん!

よしよし。
又次 お前も手を貸してやりなさい。

(又次)へい。
(伝右衛門)材料のことなら

金に糸目はつけない。

望むものを何でも用意しましょう。

首尾よくいけば 祝儀は弾みますよ。

うん。 ハハハハハハハッ。

(戸の開閉音)

本当に引き受けちまって よかったのかい
お澪坊。

花見の膳は ともかく
あの登龍楼の何とかってのは

関わらない方が いいんじゃないのかい。

登龍楼と関わるつもりはありません。

え?

澪は料理を 人を打ち負かすための道具に
したりはしまへん。

(種市)じゃあ 何で…。

澪さんのこった。

ああして頼まれたら断れねえわな。

[ 回想 ] (あさひ太夫)
澪ちゃん いつか会おうね。

[ 心の声 ] うん。 野江ちゃん。

いつか会える。 きっと会える。

なぜ そう次々に
たわけたことばかりをするのだ!

吉原の上客など
食べ物の好みは並ではない!

そんな輩が この店で出すような料理を
求めると思うのか。

何だ これは。
独活の皮のきんぴらです。

見れば分かる。 皮だぞ 皮!

一晩で何十両
下手をすれば何百両と散財する者が

こんな貧乏くさい料理を喜ぶと思うのか。

こんな… ん?

(笑い声)

あ…。
(坂村堂)澪さん ご存じですか。

食通の求める贅沢料理は
三種あるのだそうですよ。 えっ?

一つは 金目鯛の目玉ばかりを
あら煮にしたもの

一つは 鮑おろし

いまひとつは 白魚の踊り食い。

何でぇ そりゃあ。

廓の上客を ただ喜ばせたいのなら

そうした料理を出せばよい
ということですよ。

私は上方の生まれですから
金目鯛なんて魚 知りませんし

鮑をおろすやなんて
聞いたこともありません。

その上 白魚の踊り食いやなんて。

踊りながら食べるんでしょうか。

あっ 食べる人が踊るのではなく
食べられる魚が踊るのだと思いますよ。

多分 ぴちぴちと跳ねているものを
食べるのでしょう。

ああ そうか 魚が…。

いやや 私…。 フフフッ。

よかった。
澪さん 本当にお元気になられましたね。

やはり 澪さんにとっては

料理のことを考えることが
一番の薬なのですね。

食通だからといって

奇抜な料理がおいしいと
思うわけではないでしょう。

それよりも 澪さんらしく料理すればいい。

この度の宴は あさひ太夫とは
関わりのないものでしょうが

あさひ太夫に食べてもらいたいと
思う料理を作ってみては どうですか。

野江ちゃんに。
はい。

それやったら そうですね

まずは だしのたっぷり利いた
甘くない卵焼き。

桜鯛は塩焼きに。
そうや 昆布締めもいいな。

柔らかい早筍が手に入れば
わかめと合わせて若竹煮。

ああ それから 甘いものも…。

[ 回想 ] (野江)澪ちゃん。

ほら。

(野江)ないしょやよ。

(笑い声)

(笑い声)

あ… フフッ。

毎度! 毎度。
毎度ありがとうございます。

ご苦労さんです。

こいつぁ 紅花じゃねぇのか?
そんなもん 一体どうすんだよぅ。

どうって 料理するんです。

く… 食うってことか?

あ… フフッ。

(種市)分かってんのか お澪坊。

ほんのちょっとの紅を作るのに
とんでもねぇ量の紅花が要るんだぜ。

百姓家の娘たちが
どれだけ精を出して紅花を摘んでも

一生 自分の唇には載せられねぇ。

それくらい高ぇもんだ。

それをおめぇ く… 食っちまうなんて
ありえねぇぜ。

ありえへん ありふれてへん。

花見の席で出す お料理ですから
常と同じでは足りません。

桜を愛で 春の一刻を惜しむような
そんなお料理を お出ししたい…

食べる人に喜んでもらいたい
そう思たんです。

(芳)剥きもんか。

剥き物は 食事の場に花を添えますから…。

佐兵衛が よう作ってましたなあ。

うわ~!

(お薗)捨吉さん…。

いけません まだ寝ていないと!

世話になりました。
もう大事おまへんよって。

むちゃです。
そんな体で物を売り歩くなんて。

捨吉さん!

わては親不孝もんだす。

不孝に不孝を重ねて

待ってくれてる親に合わせる
顔もあれへん。

こないな わてが生きてるかいなんぞ…!

(泣き声)

宴は 8つ半から暮れ6つ。

翁屋の物でも人でも 存分に使ってよい。

又次さん おはようございます。

ああ。 言われたとおりのもん
そろえさせてもらったぜ。

宴の最後に
料理番を客に引き合わせるが

その時は悪いが

又次を出しますよ。
え?

女が料理番では 翁屋の信用に関わる。

旦那さん そいつぁ あんまりだ。

こちらから 澪さんに頼んでおいて。
(伝右衛門)そんなことは分かってる。

いや 間違わんでくれ。

私は女であっても

お前さんを料理人として
十分認めている。

しかし 女の料理と知れれば
宴が台なしになるばかりか

この先の商いにも障りかねないのだ。

せめて…

せめて 客たちが どんな顔をするか

間近で
見さしてやっちゃもらえませんか。

この人が苦労して考えた料理なんだ。

目立たない所で見ればいい。

ありがとうございます。

これは摂津屋様!

いや ようこそ おいで下さいました。

伝右衛門殿。 今年も
楽しみにして参りましたよ。

こちらでございます。

ほう~。

これは趣向ですな。

(近江屋)摂津屋さん。

どうも 遅くなりました。

おや これは また珍しいお方が。

登龍楼のご主人が
翁屋の上客とは存じませなんだ。

いえ うちの客というわけでは…。

(近江屋)さよう 采女殿は 妻もめとらず

おなごに興味がないのかと
思うておりました。

私ごとき者を末座にお加え頂き
痛み入ります。

名高い翁屋の花見の宴

そこに供される膳を賞翫してみたいと

伝右衛門殿に願い出ました次第です。

(上州屋)膳を賞翫?
(笑い声)

(井筒屋)なんと酔狂な。

料理番付で不動の大関位を誇る
登龍楼のご主人が

吉原の料理を食べてみたいとは。
(笑い声)

膳のあとには是非 采女殿の感じたことを
聞かせて頂きたい。

趣向ですな。

(笑い声)

[ 回想 ] (野江)ほら。

ないしょやよ。

♬~

又次さん。

これは お客さんにお出ししてから
目の前で お湯を注いで下さいね。

ああ。
お願いいたします。

あんたが采女宗馬を打ち負かそうなんて
考えちゃいねえことは分かってる。

だが この料理を口にした時のやつの顔は
この俺だって拝んでやりてぇぜ。

そろそろ運んでもらおうか。
(一同)はい。

ああ 一つは置いてってくんな。
はい。

あさひ太夫に食べてもらおうと思ってな。

ありがとうございます。

さあ 客の顔を見てきな。

♬~

ほう…。

常の喜の字屋のごとく
大皿の料理かと思えば

銘々の膳とは…。

♬~

どうぞ お箸上げを。

この鮮やかな赤い色は何だね?

(井筒屋)はて 見覚えのあるような
ないような。

おや この花びらは。

紅花のようですな。

(天野屋)紅花!

紅一匁 金一匁と言われる紅花を…。

何という贅沢 何という極み。

(摂津屋)では頂きましょう。

ほう これは うまい。

これは おいしい…。

これも おいしい。

これも。

(伝右衛門)これ もっと酒を。

いや。 酒で腹が膨れるのが
もったいないのですよ。

そんなふうに思ったのは初めてのことだ。

うん おいしい。

これは おいしい。

すばらしい。
これは うまい。

♬~

ご無礼いたします。

こちらが今日の膳を…。

♬~

茶碗に注ぐのに 茶ではなく酒なのか。

(井筒屋)それも目の前で
ちろりから いきなりとは

なんと不粋な。

翁屋 こ… これは…。

なんと…
この 酒に漂う花の儚げな美しさよ。

香りのかぐわしさよ。

(摂津屋)花見の宴とは

春の日に命を削るようにして咲く花を
慈しみ愛でるもの。

紅花を味わい尽くした上に
最後の一献で この満開の桜。

はあ… かように 心に残る宴は初めてだ。

(天野屋)登龍楼の主の舌をも
満たしたことでございましょう。

なるほど どの皿も目に麗しく
見事な味わいでした。

しかし このような料理人を雇うとは
翁屋の名にもとる所業でございますな。

又次は長年 うちの料理番を務めている。

何がいけないと言うのです。

私が言っているのは…。

この料理人のことです。

女?

(天野屋)この娘が…
この膳をこしらえたというのですか。

(采女)町場の一膳飯屋ではあるまいし

吉原の大見世 翁屋が

名だたる豪商の方々に
女のこしらえた飯を食わせるとは

笑止千万。

この花見の宴
茶番というよりほかは ありますまい。

確かに この人は女だが
料理番付にも載った立派な料理人…。

又次。
(又次)しかし。 黙れ。 黙るんだ。

(采女)こういうことですよ 翁屋殿。

廓の楼主が浅知恵で料理屋など出しても
恥をかくだけ。

江戸町の店は登龍楼に任せるが賢明です。

江戸町の店は お譲り頂けますね。

(采女)ご心配なさらずとも
支払いは店の値打ち以上に

十分にさせて頂きます。

ただし
店とともに売ってもらいたいものがある。

あさひ太夫を よこしてもらいましょう。

な… 何を…。 まさか…。

(采女)吉原のうまい料理屋の看板に
これ以上ふさわしい女はいない。

店の女将として
仕込ませてもらいましょう。

存じておりますよ 摂津屋様。

あさひ太夫の旦那の一人が
あなた様でしょう。

(采女)通人の粋な遊びも結構ですが
ここらで しまいにして

吉原に初めて出来る
うまい料理屋のために

お譲り頂きたい。

うちには そのような名前の花魁はいない。

世間が面白がって作り上げた幻だ。

そうです。
あさひ太夫など 断じておりません。

(笑い声)

いかにも
今の吉原に太夫などという位はない。

それを楼主や内儀

ましてや 摂津屋様ほどの豪商までもが
太夫 太夫と もてはやすから

幻の花魁などと呼ばれ
廓の奥深くで守られて

のうのうと過ごしているのだ。

だが 所詮は遊び女。

哀れに思えばこそ 廓から出し

この私のそばに
置いてやろうというのです。

この下衆野郎!

又次 やめろ 旦那方の前だ!

つけあがるのも大概にしなはれ!

誰が 誰があんたなんぞに…。

一目で分かりましたよ。
お前さんの料理だと。

紅花に目をつけたところまでは
褒めてあげましょう。

だが そこから先は
まるで一膳飯屋の域を出ていない。

(采女)鯛や鮑を盛ることで
豪華に仕立てたつもりだろうが

そこに添えられたものといえば

わらびに ふき えごまに ぜんまい。

いずれも贅を尽くすどころか

食うに困った者が口にする
かてもの料理。

実に貧乏くさく
せっかくの花見の興をそぐばかり。

そういうところに
料理人の格が出るのだ。

場にふさわしい料理というものがある。

そういうものさえ分からぬ者には

吉原の花見の膳など
端から務まりはしないのだ。

≪お堪えなんし。

≪なりぃせん。

あさひ太夫だな。

(采女)出てきたということは
私の申し出を受け入れるのだな。

(あさひ太夫)「龍宮の

殿の行末 摘む花を

喜ぶなかれ われはめしうど」。

フッ…。

♬~

(采女)よろしいでしょう。

太夫の機知に免じて
今日のところは身を引きましょう。

えっ。

江戸町の店については

諦めては いませんがね。

♬~

なぜ急に そぶりを改めたのでしょう。
(井筒屋)あの歌は一体?

さほど うまい歌とも
思いませなんだが…。

(摂津屋)「龍宮の 殿の行末 摘む花を

喜ぶなかれ われはめしうど」。

ああ…。

まず この歌には

宴の膳の食べ物が
さまざま詠み込まれている。

上の句に出てくる末摘花とは

紅花のこと。

下の句の「喜ぶなかれ」には

昆布と鰈。

「めしうど」には
独活が入ってるし

「めし」はもちろん ご飯です。

(一同)おお…。
(摂津屋)それから

鯛も隠れている。 見つけられますか。

鯛がでございますか?

「龍宮の 殿の行末 摘む花を」。

龍宮城には 鯛がいるはずですよ。

ああ…。

それと 白魚も。

龍宮城に?

いや 「殿の行末」。

白魚は 殿様魚とも呼ばれます。

なるほど。 ハッハッハッハッ。

龍宮とは恐らく 登龍楼のことです。

「登龍楼の主の行末

すなわち
この先の命を摘んでしまうような

贅沢三昧の膳を喜ぶことはできない

私は ただの めしうどなのだから」と
そういった意味合いでしょう。

めしうど?

古来 和歌にまつわる方々を
そう呼びますが

とらえられた人も
また めしうどといいます。

采女殿を龍宮の主と持ち上げ

永く健やかに生きてほしいと願い
その上で

自分は このまま遊女として
廓で生きるつもりだと

采女殿の面目を潰すことなく伝えた。
見事な機転です。

それにしても 女料理人とは驚きました。

今日一番の趣向でしたな。
(笑い声)

なるほど
どうりで 贅を尽くしておりながら

どこか優しく つつましい
慈愛にあふれた味がした。

ちょうど 雛祭りの膳のような。

私は かつて たった3度だけ

雛祭りの膳を食べたことがございます。

遅くに授かった娘のための雛祭りでした。

(摂津屋)思えば 今日の膳は

4つで逝ったあの子への
供養であったような気すらします。

ありがとうございました。

摂津屋様 どうぞ お手をお上げ下さい。

♬~

ここらで お開きとしましょう。

(上州屋)そうですな。

私など なじみの八千代の顔が
ちらついて ちらついて 我慢なりません。

(笑い声)

ああ ここでよい。

さようでございますか。
恐れ入ります。

♬~

はっ! お前様!
旦那様! お前様!

大丈夫ですか?
お前様!

(又次)誰か!
お前様! 誰か!

「龍宮の 殿の行末 摘む花を

喜ぶなかれ われはめしうど」。

ほんまに驚きました。

あの僅かな間で 宴に出た料理を
歌に詠み込んで

申し出を断るやなんて…。

ただ 申し出を断るために
詠んだ歌ではないと 私は思います。 え?

わらびに ふき えごまに ぜんまい
紅花の間引き菜…。

かてものを ふんだんに使ったことを
采女殿は責めたてた。

けれど 澪さんの花見の膳は
ただ 贅を尽くしただけの料理ではない。

それを食べた人が皆
健やかに生きていけることを願う

慈愛の膳だった。

この歌が本当に伝えたかったことは
そのことでしょう。

采女殿とて 登龍楼の主です。

心の内では 澪さんが膳に込めた
本当の思いに気が付いていたはず。

野江ちゃんは それを見抜いて…?

だからこそ
采女宗馬は身を引いたのでしょう。

見目形の美しさは もとより

芸の見事さ 機転 そして 度胸。

澪さんの幼なじみの野江さんは
ただ 運命に翻弄されるだけではない

自ら運命を切り開いていく
強さをお持ちです。

♬~

澪 どないしたんや 風邪ひくで。

遠い…。

遠い。 どうしようもなく遠い。

手を伸ばせば届くほど そばにいたのに。

何で こんなにも遠いんやろか。

野江ちゃんの置かれた立場
その身に起きたことは

決して
まぼろしなんかでは あれへんのに。

澪…。

♬~

それが うちからの祝儀。

そちらが 摂津屋さんたちからのご祝儀だ。

これは又次さんに
お渡し下さいませ。

八重桜に お酒を注いだのは
又次さんの機転です。

お湯ではなく
熱くしたお酒を注いだからこそ

桜の花の香りを際立たせることが
できたんです。

フッ 相変わらず かたくななことだ。

でも まあ うちからの祝儀を
断らなかったのは何よりだ。

中を確かめなさい。

♬~

どうした 不服かね。

多すぎます。

なんと?

こんなに受け取れる
道理がありません。

(笑い声)

欲はないのは知っていたが
ハッハッハッハッ。

金は欲しくないのか。

欲しいです。
むしろ 喉から手が出るほど欲しい。

ああ… 安心した。

欲がない輩ほど
扱いにくいものはないからな。

まあいいから それは取っておきなさい。

お前さんの料理には
それだけの値打ちがあった。

喜の字屋の仕出し1人前の相場を
教えてやろう。

料理1人前が金一分だ。

つる家なら 50人前といったところだろう。

金一分?

お前さんに人並みに
欲があると分かったから言うが

例の江戸町一丁目の店

お前さんに任せたい。

(伝右衛門)
女料理人であっても腕があれば

お大尽方に贔屓にしてもらえることは

花見の宴で はっきりした。

お前さんなら 年に1, 000両
否 もっと稼ぐことも夢ではあるまい。

(伝右衛門)
ハハッ まあ ゆっくり考えることだ。

これから元飯田町まで帰るのでは
ひもじかろう。

又次に何か作らせよう。

♬~

こっちだ。

♬~

ここから先は
あんた一人で行ってくんな。

えっ。 行くって どこへ。

♬~

太夫に。

≪あい 太夫に。

♬~

太夫に。

≪あい 太夫に。

♬~

太夫に。

≪あい 太夫に。

折檻覚悟の新造たちの 粋な計らいか。

♬~

襖は決して開けてくれるな
とのことでござりいした。

これ… 天神橋や。

≪(あさひ太夫)そう 天神橋なんよ。

野江ちゃん…。

野江ちゃんなん?

≪(あさひ太夫)そう うちやよ 澪ちゃん。

野江ちゃん…。

野江ちゃん…。

≪(澪の泣き声)

(あさひ太夫)
澪ちゃん 昔と ちっとも変わらへん。

相変わらず 泣き味噌やなあ。

≪(あさひ太夫)澪ちゃん 堪忍なぁ。

あの大水で 店も親きょうだいも
何もかも のうなってしもた。

高麗橋淡路屋こいさんやった
うちを覚えてくれてるんは

澪ちゃんだけ。

≪(あさひ太夫)せめて 澪ちゃんには
遊女のあさひやなくて

野江のままで いさせてほしいんよ。

野江ちゃん。

この襖の絵…。

ほんに懐かしいなあ。

天神橋 よう一緒に渡ったねぇ。

うん…。

旦那衆が うちのために
名高い絵師に命じて

昔の大坂の町並みを
襖に描かせようとしてくれはってなぁ。

けど うちからお願いして
その絵にしてもろた。

≪(あさひ太夫)雲と風と天神橋

うちにとって その絵は
澪ちゃんと うち そのものなんや。

野江ちゃんと うち…。

そう。 うちらの頭上には

あれから ずっと厚い雲が垂れこめたまま。

澪ちゃん。 つらかったやろ。

≪(あさひ太夫)又次から聞いてる。

大水のあとのことも。

何で江戸に来たかも。

≪(あさひ太夫)火事のことも。

縁談のことも…。

私なんか…。

野江ちゃんの方が ずっと…。

澪ちゃん。 うちは信じてるんや。

きっと その雲を突き抜けて吹く風を。

どないに つらいことがあったかて

生きて生きて 生き抜くと決めた。

≪(あさひ太夫)
亡うなった身内のためにも

自分の一生を投げ捨てへんと決めたんや。

そういう生き方を貫いたなら

きっと厚い雲も突き抜けられる。

≪(あさひ太夫)いつの日か また

あの橋の真ん中に2人並んで

真っ青な天を仰ぐ日が来る。

それでこその雲外蒼天

それでこその旭日昇天やわ。

野江ちゃん…。

野江ちゃん。

野江ちゃん…。

澪ちゃん。

紅花尽くしのお膳 ほんまにおいしかった。

澪ちゃんのお料理は
いつでも うちを元気にしてくれる。

前を向かせてくれるよ。

≪(あさひ太夫)ありがとう。

♬~

中食は終わりました。

どうぞ 下げておくれやす。

♬~

[ 回想 ] (野江)ないしょやよ。

(笑い声)

♬~

けっ! 全く分からん娘だ。

女料理人の分際で ようも ようも
この翁屋の厚意を無にできたもんだ。

もういい! 料理屋なんぞ やめだ!

申し訳ありませんでした。

愚か者め。

吉原で店を持てば

あさひ太夫の身請けは
かなわぬ話ではなかったのだぞ。

いつか 顔を合わせられる日が来るなら

胸を張って 目を見て話がしたい。

楼主様に頼りきって稼いだお金で

身請けをしたり
天満一兆庵を立て直したのでは

私は うつむくことしかできません。

今は この小さいお店で

お客さんの嘘偽りのない声を
聞かせて頂きながら 精進を重ね

料理人としての器を
広げていきたいんです。

そして…。

いつの日か きっと。

♬~

ああ!

はい 澪ちゃん。 おお!
はい。

フフフフッ。
ありがとうございます。

(種市)おっ 先生!
あっ 源斉先生 お持ちします。

ありがとうございます。
さあさ どうぞ奥へ。 お待たせしました。

お~ 来た来た来た来た来た!

おう こっちだ こっちだ!
すんません。

いらっしゃいませ! お二階へ どうぞ。

う~ん!

これは いいぞ。
フフフッ。

♬~