ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

みをつくし料理帖スペシャル(前編) 黒木華、森山未來、永山絢斗… ドラマの原作・キャスト・音楽など…

土曜ドラマ みをつくし料理帖スペシャル(前編)「心星(しんぼし)ひとつ」』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

  1. 料理
  2. 太夫
  3. 種市
  4. 早帆様
  5. 早帆
  6. 又次
  7. 源斉先生
  8. お澪坊
  9. 小松原様
  10. お前
  11. 重光
  12. 清右衛門
  13. 江戸
  14. 心星
  15. 野江
  16. 里津
  17. お願い
  18. フッ
  19. 翁屋
  20. 今夜

f:id:dramalog:20191214225340p:plain

土曜ドラマ みをつくし料理帖スペシャル(前編)「心星(しんぼし)ひとつ」』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

無料で民放各局の動画視聴ができるTVerティーバー)!まずはココから!
民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」

他にも、無料お試し期間のあるVODサービスが増えてますので、以下バナーから各社のラインナップを調べてみるといいかもしれませんね。

(本ページの情報は投稿日時時点のものです。最新の配信状況は Paravi サイトにてご確認ください。)

(詳細はFODプレミアム公式ホームページにてご確認ください。)

 

土曜ドラマ みをつくし料理帖スペシャル(前編)「心星(しんぼし)ひとつ」[解][字]

ある日、澪(黒木華)のいる「つる家」に武家の奥方・早帆(佐藤めぐみ)が、料理を教えてほしいとやって来る。実は小松原(森山未來)の妹で、澪を探りにきたのだった…。

詳細情報
番組内容
つる家は、澪(黒木華)の料理で繁盛している。小松原(森山未來)や源斉(永山絢斗)も訪ねて来る。ある日、武家の奥方・早帆(佐藤めぐみ)が、料理を教えてほしいとやってくるが、実は小松原の妹で、兄と澪の関係を探りにきたのだった。そうとは知らず、澪は淡い想いを口にする。また、澪は早帆の母・里津(富司純子)の持病に効く恐ろしく手間のかかる「ははきぎ料理」に挑戦するのだが、澪の運命を左右する一品となる…。
出演者
【出演】黒木華森山未來永山絢斗,安田成美,柳下大国広富之小日向文世麻生祐未,林田悠作,星田英利木村祐一村杉蝉之介成海璃子萩原聖人蒔田彩珠伊武雅刀波岡一喜佐藤めぐみ徳井優ほか
原作・脚本
【原作】髙田郁,【脚本】藤本有紀
音楽
【音楽】清水靖晃

 

 


(犬の遠吠え)

(東助)酒だ 酒だ~。

飲むぞ 飲むぞ~!

(笑い声)

(種市)大根と油揚げの椀を3つ!

(芳)こちらは 蓮根のきんぴらを
2人前だす!

(ふき)おいでなさいませ!

(丑丸)親父 まずは酒だ!
はい。

(東助)うまそうだな おい!
おい こっちにもくれ!

(おりょう)何だい 座りもしないうちから。
食い意地 張ってるねえ もう。

又さん 熱燗1本。
≪(又次)はいよ。 お澪坊 菊花雪だ。

(澪)は~い。

♬~

(又次)はいよ。
ありがとうございます。

お願いします!

(弥三郎)う~ん。

お口に合いましたでしょうか。

いずれも 実にうまい!
おおきに ありがとうございました。

妻にせがまれて来たかいがあった。
まあ。

≪(種市)お澪坊 だし巻きは まだかい?

≪は~い ただいま!

又さん ありがとよ。
こいつぁ 今日の分だ。

遠慮なく頂戴するぜ。

又次さんがいてくれはるおかげで
三方よしの日」は いつも大入りです。

なに。 俺ぁ 里ん中しか
知らなかったから

10日に一度
こうして みんなと働けるのが

どうにも うれしいのさ。

柄じゃねえがな。

それじゃ すまねえが 今夜も
お澪坊とご寮さん 送ってくれるかい。

(又次)もちろんだ。

(小松原)う~ 寒い寒い。
(種市)小松原様!

親父 熱いのを頼む。
(種市)へい!

(ふき)旦那さん。
(種市)ん?

よう。 下がり眉。

ああ いい いい。 すぐに乾く。
でも…。

聞いているぞ。 「三方よしの日」とは
なかなか しゃれたことを考えたものだな。

ふだんは酒を出さぬ つる家が
月に三度 三のつく日にだけ酒を出す。

店によし 客によし 世間によしで
三方よし

フッ 全く お前さんてやつは

眉に似合わず 知恵者だ。

眉で考えるわけや ありません。
フッ。

あ~ 寒い。
俺ぁ 何だか寒気がしてきたぜ。

悪いが お澪坊 あと任せた。

えっ。 旦那さん 大事ありませんか。
私が お布団敷きます。

又次さん すんません
雨降りのようやさかい

わてらは 今夜
こちらに泊めて頂こう思います。

えっ。 あ~ うん そいつがいい
うん そうしな。

じゃあ 澪さん また10日後に。

おい。

何か食わせろ。

はい。

♬~

ん? 何だ。

何か…。
何か?

何か緑色のものが…。

ああ 取ってくれ。

でも…。
取れ。

…はい。

♬~

ああ ほうき草の実だな。

ほうき草?

うん。 枝は 箒の材料だが

実は 料理にも使えるらしい。

まあ。

母方の祖父は
もう亡くなってしまったが

陸奥の出で これをよく好んだと聞く。

ん?

いえ。 あの… 初めてやなと思て。

何が?

小松原様が
ご自分のことをお話しして下さるの。

♬~

また来るよ。
おおきに。

またのお越しを お待ちしとります。

あ…。

早帆といいます。
お見知りおき下さい。

あなたが こちらの料理人ですか。

はい。 澪と申します。

澪さん 一つお願いがあります。

私に お料理を指南して頂けませんか。

恥をお話ししますが 嫁いで13年
一向に料理が上達いたしませぬ。

本来 奉公人に任せていればよいのですが
たとえ 時折でも

私は自身で試みたいたちなのです。

夫の好物のかき揚げを作れば
歯こぼれしそうなものしか出来ず

里芋の煮つけは えぐいばかり。
煮魚は ぱさぱさで 焼き魚は ぐずぐず。

鮎飯は焦げ焦げで 栗飯は ごわごわです。

おや まあ。
そりゃあ 奥方様 相当なもんですよ。

ええ。 私の作った料理を食べたくないと
泣いて里に帰った侍女もおります。

湯豆腐は ありえないほど鬆が入って
軽石のようになります。

作った本人が申すのも何なのですが
食べ進めるうちに

豆腐なのか 軽石なのか
分からなくなりました。

プッ… ハハッ 申し訳おまへん。

(笑い声)

ほな 料理の下ごしらえを
お教えすることにしたんか。

はい。
早帆様の場合 その方がええと思います。

下ごしらえを おろそかにしたのでは

決して おいしい料理には
仕上がらんさかいな。

天満一兆庵の旦那さんも
いつも 口癖のように…。

[ 回想 ] (嘉兵衛)佐兵衛。 佐兵衛。

(嘉兵衛)佐兵衛~。 (芳)佐兵衛!
若旦さ~ん!

(嘉兵衛)どないなっとんのや。

澪… 託せるのは おまはんだけや。

何としても 天満一兆庵の暖簾を…。

この江戸に…。

何で 佐兵衛は
訪ねてきてくれへんのやろか。

わてらが 江戸に つる家にいてることは
知ってるはずやのに。

♬~

里芋のえぐみは お米のとぎ汁で
下ゆですることで抜けますよ。

煮つけなら艶やかに仕上がりますし
柔らかな丸い味になるんです。

まあ! 知りませんでした。

煮崩れや色あせを避けたいのなら
下ゆでした方がいいんですよ。

小松菜の煮浸しが 真っ黒で
どろどろだった理由が分かりました。

(笑い声)

すっかり打ち解けてらぁ。
まるで姉妹みてぇだぜ。

どこかで
お会いしたような気がするんです。

早帆様かい?

実は 俺もそうなんだ。
だが 一向に思い出せねぇ。

あの 早帆様。
はい。

武家では お母上様から
料理を教わったりはなさらないのですか?

子細は伏せますが お役目柄 亡き父は
母が台所に入るのを好まず

私は 料理をする母を
見たことがございません。

兄によれば
私に輪をかけて料理下手だとか。

それは また すさまじい…。

澪さん。

(笑い声)

すんません。

実は 母は
もう長くないかもしれないのです。 え…。

長らく腎の臓を患い
むくみに苦しんでいます。

お医者様も手を尽くして下さったのですが
もはや…。

あ… ごめんなさい。
湿っぽい話をいたしました。

では 武家のご妻女に
料理を指南しているんですか。

はい。

町人ならば
母親が口うるさく教えますが

武家では
重きを置くところが違いますからね。

通りかかっただけなのに
お茶をごちそうになってしまいました。

すいません。
そんな。 いつでも来て下さい。

では これで。

あの 源斉先生。
はい。

むくみに効くお薬は ありますでしょうか。

むくみ。
早帆様の…

先ほどの方のお身内が
腎の臓を患ってらっしゃって。

そのような病人には
地膚子を使います。

じふし?
はい。

ほうき草の実を乾かした薬種です。

ほうき草…。

[ 回想 ] ほうき草の実だな。

枝は 箒の材料だが
実は料理にも使えるらしい。

ほうき草の実を料理に用いる土地が
あるというのは まことでしょうか。

料理にですか。

いや… 皆目見当もつきません。

えっ! では 清右衛門先生
今度こそ 書かれるのですね。

あさひ太夫の物語を。

うむ。 ようやっと あさひ太夫

幼い頃に売り飛ばした女衒を
突き止めたのだ。

詳しい話が聞き出せた。

(坂村堂)では 速やかに
お帰りになって下さい。 (清右衛門)ん?

何をいつまでも
くつろいでいらっしゃるのです。

さあ お勘定は私に任せて
早く帰って書いて下さい!

せかすな。
早く!

清右衛門先生!

何だ。 蕪の柚子漬けなら
悪くなかったぞ。

お願いいたします。
何だ。

何をお願いされてるのだ わしは。

あさひ太夫のことを書くのは
取りやめて下さい。

何をたわけたことを…。

あさひ太夫と私は

幼なじみなんです。

何だと…!

(東西)これは まさに天下取り。

太閤はんにも勝る

旭日昇天の相や!

えらいこっちゃ 天下取りやで!

ちょっと みんな聞いたか!?

(野江)澪ちゃん。

私は旭日昇天より 澪ちゃんが言われた
雲外蒼天の方がええ。

え? な… 何で?

天下取るような運やったら

それに見合うような不運も
連れてくるんや。

それから間もなく
享和の大水がありました。

私は みなしごになり
ご寮さんに助けて頂きました。

幼なじみは生きてるかどうかも
分からへんままでしたが…。

野江ちゃん…?

生きて…。

(又次)あさひ太夫

…てえのが その人の名だ。

雲外蒼天の方が ずっとええ。

お願いします。 もう誰にも

野江ちゃんを傷つけてほしくない。

見世物にしてほしくないんです。

享和の大水と言ったか。

わしも あの時 戯作の筆の足しにと

大坂へ出かけた。

そうか あの地獄絵図の中に…。

あ~ いつまで そうしてるのだ。
話しづらくてしょうがない。

お前は あさひ太夫が どうやって
今の位に上り詰めたか知っているのか。

お前の幼なじみは記憶を失い
お助け小屋にいた。

(清右衛門)
それを知った女衒の卯吉という男が

かどわかし同然に 江戸へ連れていき

翁屋の楼主に売ったのだ。

旭日昇天の易を受けた娘だ。

高う売れるで。

(清右衛門)そして その娘が
禿から新造になる時のことだ。

(清右衛門)いずれも 江戸で
その名を知らぬ者はいない

御用商人が3人。

それぞれ 4, 000両を翁屋に預けて
遊女としてのあさひを買い上げたのだ。

(清右衛門)それ故 あさひ太夫
ほかに客を取る憂いもないし

楼主から借財を重ねることもない。

(清右衛門)あさひ太夫は翁屋では別格。

形の上では抱え遊女でありながら

下へも置かぬ
客人扱いを受けているのだ。

それだけでも救いと思うことだ。

そんな…。 そんなふうには とても…。

(清右衛門)ならば こうせよ。

お前が あさひ太夫を身請けするのだ。

身請け代 4, 000両を払えば かなうことだ。

無理です…。

4, 000両なんて 到底 無理です。

ふん。 気概のないやつだ。

お前が料理で客を呼ぶことができれば

かなわぬ夢ではあるまい。

ハッハッハッハッハ。

ぐずぐずしていたら 戯作に仕立てるぞ。

まず 乾かした ほうき草をゆでます。

そして 水にさらして
皮を剥ぐのだそうです。

繰り返し 冷たい水にさらして
もみ洗いしなくてはなりません。

気が遠くなるような仕事です。

分かりました。

後には おもしをかけて
水抜きをしなくてはなりませんが

これも 書物を読む限り
恐ろしく厄介な手順です。

澪さん ほうき草の古い呼び名を
知っていますか。

いえ。

ははきぎと言うのだそうですよ。

ははきぎ?
はい。 そうです。

は…。
(あくび)

これは失敬。
先生。

もしかして ご本を調べるのに
一睡もしてはれへんのと違いますか。

いや そんなことは。

源斉先生。 いつも いつも
ほんまに いつも

ご厚意に甘えてしまって
申し訳ありません。

澪さん。

澪さんは 腎の臓を患い
むくみに苦しむ人を

救いたいと考えているんでしょう?

はい。

ならば そのお手伝いをするのは
これこそ医師の本分というものです。

♬~

うっ…。

まるで氷やないか。
このままやったらあかん。

大事ありません。
そうかて。

やり遂げたいんです。

♬~

どうした義兄上 やにわに。

今日は我らの同輩が
詰め腹を切らされた日だ。

ご公儀に背いた者を悼むことはかなわぬが
2人も働いた この部屋で

命日に手を合わせても
咎められることはあるまい。

♬~

死ぬ時は悔いのないようにしたいものだ。

このまま死ぬならば 悔いは何であろう。

何だ 柄にもない。

お前が悔いるとすれば 母上様のお望みに
応えられぬことであろう。

母の望み? 何だ それは。

跡継ぎのことに決まっておろう。

それには心配は及ばん。

早帆が5人も
おのこを産んでおるのだから

1人くらい分けてくれればよい。 ん。

また そのようなことを。
己でなんとかせい

♬~

まあ!
なんと ふっくらとして おいしそうな。

これからは
べちょべちょや 焦げ焦げのご飯を

夫や子らに食べさせなくて済みます。

夫は兄の朋友で 昔から存じておりました。

幼なじみだったのですか。

ええ。 妻となるまで 語り尽くせぬほどに
いろいろとありました。

私は幸せ者ですね。

思う人と結ばれたのですから。

早帆様が羨ましいです。

お許し下さいませ。
身をわきまえぬ物言いを…。

澪さん。

もしや 心に思う殿方が

いるのではありませぬか?

恐らく どれほど慕っても添えぬ人が。

澪さん。 私を姉と思い
聞かせてはもらえませぬか。

どのような人なのか。

早帆様に…。

早帆様に よく似た人です。

報われるなど 端から望みません。

思いを打ち明けることも

悟られることもない。

ただ その方に お健やかで

お幸せにいてほしいと祈るばかりです。

なんと一途な。

私が そのお方なら
男冥利に尽きるというもの。

打ち明けて下さって ありがとう。

(早帆)そろそろ刻限ですね。
帰り支度をいたします。

あの… 早帆様。

はい。

お帰りになられましたら

私がお教えしたとおりに
白いご飯を炊いて下さい。

それから
すりおろした山芋をかけて下さい。

そして最後に これを載せて

母上様にお召し上がり頂いて下さい。

これは?

ははきぎの… ほうき草の実です。

むくみに効くと言われているそうです。

出過ぎたことをして申し訳ありません。

澪さん これを持って
一刻 おつきあい願えませぬか。

え?
こちらのご主人には 私からお願いし

お店に迷惑のかからぬうちに
お帰しします。

さあ 急いで。

♬~

戻りました。
≪はい。

(重光)お姫様。
重光。 母上のお加減はいかがか。

むくみは どうか。
はっ。 まだ引いてはおりませぬ…。

子細は後に。
まずは急ぎ この人を厨に案内せよ。

♬~

澪さん。 その ははきぎ飯とやらを
あなたが ここで作って下さい。

え?
そなたたち

万事 澪さんの指図に従うように。
(一同)はい。 あの…。

何も恐れることはありませぬ。

あとのことは私に任せて
存分に腕を振るって下さい。

♬~

お連れいたしました。

≪(早帆)お通ししなさい。

澪さん。 どうぞ それを我が母の前へ。

♬~

(里津)早帆から聞きました。

私のむくみを気にかけて
これを作ってくれたのですね。

(里津)ああ…。

♬~

私の父は
奥州南部家の御境奉行に仕えていました。

そこは幾たびも飢饉が襲う土地でした。

そこで生きる人々は
平生は口にもしなかった

ははきぎの実に工夫を凝らして

食べ物として 凶作にも耐えたのです。

よもや 食べ物があふれる この江戸で

ははきぎの実を料理しようと思う
娘がいたとは。

人払いを。

重光 お前もお下がり。

はっ。

我が名は覚華院。

いや 里津と申す。

亡き父の家名は小松原。

小松原?

(早帆)ごめんなさい 澪さん。

つる家の方々が 小松原と呼ぶ浪人は
我が兄 小野寺数馬です。

(里津)そなたが ははきぎ飯を作る間に
早帆が私に言った。

そなたを数馬の嫁に迎えてはと。

(里津)話にならぬと私は言った。

小野寺家の跡取りの嫁が 町娘

しかも 料理人などと…。

なれど… そなたが作った
ははきぎ飯を食べるうち

心が動いた。

そなたが食べる者の気持ちを
大切に思うておるのが よう分かった。

(里津)
そなたなら 立派に数馬の心と体を支え

小野寺家を支えてくれよう。

2年の間 駒澤家で
早帆の下で行儀見習いをなさい。

そして しかるべき 旗本の養女となり

小野寺家に嫁いできなさい。

御膳奉行の妻となるには

数多の苦難もあろう。

なれど ははきぎの実を料理した
そなたなら

きっと乗り越えられる。

親類縁者から不平不満も出ようが

私の残る命を懸けて

それらを封じてみせましょう。

よろしいですね?

(早帆)澪さん。

答えるのです。

お許し下さいませ!

澪さん…。 澪さん!

(重光)いかがなされた! お待ち下され!

♬~

怖い… 怖い。

お父はん お母はん 助けて。

助けて 野江ちゃん。

澪。 今日も寝つかれへんのか。

ご寮さん 風邪をひかれては大変です。

澪。 何で話 してくれんのだす。

あの日 早帆様のお屋敷で何があったんや。

何もあれしまへん。

ただ… 怖い夢を見ただけだす。

(芳)夢?

夢やさかい もう思い出すこともおまへん。

御免!

あっ これは お侍様
申し訳ごぜぇやせん。

夕餉は七つからでごぜぇやす。

あっ いや そうではない。
(種市)えっ?

ああ。 今夜の肴は銀杏の素揚げに
小鰭の天ぷらでごぜぇやす。

それは うまそうな…。

いや そうではない!
(種市)えっ?

(重光)拙者は 小野寺家の用人で

多浜重光と申す者。

小野寺家当主ご母堂 覚華院様が
澪殿を大層気に入られ

是非とも行儀見習いにと仰せなのだ。

おそばにいて
身の回りの世話などしながら

書や和歌 琴などの
雅なたしなみごとのほかにも

武家の女人としての立ち居振る舞いを

身につけることができる。

(種市)冗談言っちゃいけねぇ。

お澪坊をただ働きさせた上に

さんざん恩に着せて教え込むのが
和歌やら琴だってぇのか。

そんなもんで腹が膨れるのか
生きていけるのかよ。

帰ってくんな!
(重光)待て待て待て。

武術も教えようというのだ。

覚華院様も早帆様も大層腕が立つ。

早帆様?
今 早帆様と言わはりましたなぁ。

多浜様。 澪は わてにとって
娘も同然でおます。

どうぞ包み隠さず
子細を話しておくんなはれ。

うん。

あの小松原様が御旗本だと…?

(おりょう)澪ちゃん。

澪ちゃん すごいじゃないか!

御旗本のところへ輿入れだなんて
とんでもない玉の輿だよ!

おめでとう!

どうしたんだい。 うれしくないのかい。

事は そうたやすくはねぇぜ。

♬~

全く 御旗本だなんて とんでもねぇや。

ただのご浪人てぇなら
いっそ 刀なんぞ捨てちまって

このつる家を お澪坊ごともらってくれ
と言えるんだ。

そうさ お澪坊と一緒に つる家を…。

どうした ふき坊。 眠れねぇのか?

澪姉さん お嫁に行くの?

(種市)行ったら寂しいか。

お嫁に行きたいのに
行けなかったら寂しい。

そうだな ふき坊。

ふき坊の言うとおりだ。

♬~

(芳)2本の指だけ氷のようや。

おまはんが こないな怪我をしたんは

御膳奉行が詰め腹を切らされた
いう話を聞かされた時やったなあ。

一途に料理だけで生きてきた子が
その大事な指を怪我してしまうほど…。

おまはんにとって 小松原様は…

小野寺様は
それほどまでに大事なお方なんやなあ。

(芳)澪。

幸せになっておくれ。

(芳)おまはんが幸せにならへんかったら

わては亡うなった おまはんの二親に
顔向けできへんのや。

けど ご寮さん…。

わてのことなら 心配せんかて構へん。

もう 前のわてとは違う。

この江戸で一人で生きていける才覚も
健やかな体もおますのや。

ご寮さん。 私には…。

私には
小松原様のお気持ちが分かりません。

若くもない。 美しくもない。

こないな私を 望んでくれるとは
思われへんのです。

こいつはいけねぇ いけねぇよ。

こいつだ! このとろとろ茶碗蒸し。

やっぱり こいつはいけねぇ。
ようやく ありつけたぜ。

毎年 これの初日は昼も夜も
お客が途切れませんよって。

旦那さん お味噌汁も
火にかけておきますね。

おう ありがとよ。
ほな そろそろ失礼させてもらいまひょ。

はい。

(勝手口が開く音)
うう… 寒い 寒い 寒い。

まずは 熱いのを頼む。

はい。

小腹も減っている。 何か食わしてくれ。

♬~

小松原様。
ん。

いや 小野寺様と申し上げるべきですかね。

お前さん 酒だの何だの言う前に
きちんと筋を通して

話すべきことが
あるんじゃねぇんですかい。

♬~

確かに そうだな。

長い間 たばかって すまなかった。

そんなことじゃねぇ!

お澪坊の気持ちを考えたことがあるのか
ってぇ話だ!

本当なら 玉の輿で浮かれても
おかしかねぇのに

お澪坊は ずっと沈んだままだ!

母親やら 妹やら 家来やらが
いろいろ言ってきたところで

肝心要のお前さんは これまで
知らぬ顔の半兵衛だ!

人の心をもてあそぶのも
いい加減にしろって話だよ!

すまないが
2人で話をさせてもらえまいか。

これでは話にならぬ。 こちらへ。

う~ん…。

このところ 母や 妹や 重光が

何やら 俺に隠れて こそこそと
様子がおかしいと思っていた。

妹にせがまれ お忍びで ここに来たことも
義弟からは聞いておったが。

フッ なるほどな。

早帆の考えそうなことだ。

やはり ご存じなかったのですね。

全ては 小松原様のお気持ちの
関わりのないところで…。

このまま死ぬならば…。

このまま死ぬならば 悔いは何であろう。

(匂いを嗅ぐ)

何やら匂うぞ。

はっ!

ああ…。

フフフフ…。

フッ ハハハッ…。

ハッハッハッハッハッハッ…。

ハハハハハハハッ。
小松原様 笑い過ぎです。

フフフフ…。

俺の女房殿にならぬか。

ともに生きるならば 下がり眉がよい。

♬~

答えろ 下がり眉。

俺の女房殿にならぬか。

お澪坊 さっさと答えんだよぅ!

なるのか ならねぇのか
はっきり答えな お澪坊!

そうか なるのだな。

はい。

♬~

そうか… お澪坊をもらってくれるのかい。

ありがとよ。 ありがとよ…。

♬~

この形で ここに来るのも
これが最後か。

見てみろ。

よい月だ。

よいか。

決して無理はするな。

(雨音)

今夜は そろそろ しまいにしようか。
はい。 ほな 2階の座敷を片づけてきます。

ありがとよ。
おい ふき 暖簾しまってきな。

あっ 源斉先生! あ~ どうぞ!

どうぞ どうぞ。

お澪坊 ぐずぐずしてねぇで
先生に摘み入れ汁を頼むぜ。

はい。
澪さん。

おめでとうございます。

あ…。

ありがとうございます。

しきたりの違いなど

いろいろと難しいこともあるでしょうが

澪さんなら きっと やっていけます。

それでは。
えっ。 いや 源斉先生

飯を食ってって下せぇよ。
今すぐ 熱いの入れますから。

いえ。 往診がありますので。

あ…。
(種市)先生!

(種市)傘! 傘 傘!
あっ!

源斉先生!

源斉先生!

♬~

(種市)雨なのに 傘を忘れるなんざ…。

澪さん この度は
よう 心を決めて下さいました。

兄の縁談の目処が立ったことは
母の心の支えになっていますよ。

なるべく 身一つで おいでなさい。

入り用なものは
当家で ご用意しますからね。

ありがとうございます。

あの… 早帆様。

父の形見のお箸だけ
持っていくのを お許し下さい。

(早帆)お箸?
はい。

塗師だった父の作った塗り箸です。
形見の品です。

さようですか。

塗り箸は いかによいものでも
格としては低いのです。

小野寺も 駒澤も 食に関わる役職ゆえ
そのようなことには厳しいのです。

お父上の形見の品なら やむをえませんが
家の者には知られぬようになさい。

♬~

じゃあ 今月いっぱいで
一旦 店を閉めるんだな?

ああ。 で 半月後に新しい料理人で
始めるつもりだ。

なら 俺が ここへ来るのも今夜が最後だ。

え? いや 又さんには
三方よしの日」を引き続き…。

(又次)悪いが諦めてくんな。

もとは 翁屋の楼主が澪さんを見込んで
俺を手伝いに よこしたんだ。

澪さんが抜けるとなりゃ
事情が違ってくる。

あ…。 承知したぜ 又さん。

あとのことは 俺がなんとかすらぁ。

すまねぇな。 今日一日
精いっぱい 務めさせてもらうぜ。

おう。 頼んだぜ。

(種市)ふき坊。

さてと。 おっ こいつは いい鰯だ。

蒲焼きにするか。
梅干しで炊きます。

ほう そりゃ うまそうだ。

野江ちゃんの好物です。

今日のお弁当に入れますね。

澪さん。

あさひ太夫の弁当は もう作らなくていい。
え…。

いや 作ってくれるな。

何で… 又次さん 何で そないなこと…。
俺じゃねえ。

あさひ太夫からの伝言だ。

そうか。 澪ちゃんが。

あの澪ちゃんが お嫁に…。

♬~

又次。
はい。

澪ちゃんに伝えてくれるか。

おめでとう。 どうか 達者で暮らして。

達者で暮らしてって…。

(又次)御旗本の奥様になろうって人が

吉原の遊女と関わりがあるとなりゃ

迷惑がかかる。

そう考えておいでなのさ。

そんな…。

ほな 野江ちゃんには 二度と…。

あさひ太夫のことなら心配ねぇ。
何があっても 俺が守る。

けど…。
(又次)忘れちまいな。

あさひ太夫のことも 翁屋のことも。

これまであった何もかも 一切合財…。

いいから 料理に精を出しな。

あと何度 包丁を握れるか
分からねぇんだ。

武家に嫁いだ女に求められるのは
料理の腕なんかじゃねぇ。

下手すりゃ 包丁を持つことすら
許されねぇかもしれねぇぜ。

♬~

[ 回想 ]
ともに生きるならば 下がり眉がよい。

(足音)

源斉先生。

澪さん?

どうされたのです? こんな所で。

少し 考え事を…。

つる家まで送りましょう。

源斉先生。

道が枝分かれして 迷いに迷った時
源斉先生なら どうなさいますか。

私なら 心星を探します。

心星?

そう 心星です。

あそこに輝く あれが心星ですよ。

あの星こそが 天の中心なんです。

全ての星は
あの心星を軸に回っているんですよ。

悩み 迷い
考えが堂々巡りしている時でも

きっと 自身の中には
揺るぎないものが潜んでいるはずです。

これだけは譲れないというものが。

それこそが
その人の生きる標となる心星でしょう。

♬~

どうぞ どうぞ。 どうぞ。

うまいね!

おいしい。 ほんまに おいしいわ。

こいつはいけねぇ。 ヘヘヘッ。

私 こんなにおいしいの
生まれて初めてです。

ごちそうさん
(芳)あっ ありがとうございます。

おかげさんで生き返ったぜ。
ありがとよ!

♬~

よう 下がり眉。

どうした。

俺の目の中に 何かあるのか。

ん? フッ ハハッ。

お許し下さいませ。

料理は 私の生きる縁です。

それを手放すなど できません。

この命がある限り 一人の料理人として

料理の道を 存分に全うしたく存じます。

顔を上げよ 下がり眉。

その道を選ぶのだな。

はい。

そうか 相分かった。

♬~

ならば その道を行くのだ。

あとのことは 何も案ずるな。

お前は 誰にも 何も言わずともよい。

全て俺に任せておけ。

分かったな。

♬~

よいか 澪。

その道を行くと決めた以上
もはや迷うな。

道は

一つきりだ。

♬~

あさひ太夫をよこしてもらいましょう。

いつの日か また
あの橋の真ん中に2人並んで

真っ青な天を仰ぐ日が来る。

いつの日か きっと。