ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

赤ひげ2 第7話 船越英一郎、中村蒼、佐津川愛美、前田公輝、鈴木康介… ドラマの原作・キャストなど…

『BS時代劇 赤ひげ2(7)「育ての親」』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

  1. 鶴之助
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  17. 駄目
  18. 大丈夫
  19. お父っつぁん
  20. フッ

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『BS時代劇 赤ひげ2(7)「育ての親」』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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BS時代劇 赤ひげ2(7)「育ての親」[解][字]

浪人の沖石が、病気の赤子を連れて来た。「出世したら迎えに来る」と、赤子を養生所に預けたまま行方知れずに。赤子担当を命じられたおよねは、しぶしぶ赤子の面倒を見る。

詳細情報
番組内容
赤ひげ(船越英一郎)の下に浪人の沖石(山田純大)が、病気の赤子を連れて来た。やがて沖石は「出世したら迎えに来る」と書き置きを残し、赤子を養生所に預けたまま行方知れずになってしまう。赤子の担当を命じられたおよね(佐津川愛美)は、しぶしぶ赤子の面倒を見始めるが、不慣れな育児に翻弄され…。
出演者
【出演】船越英一郎中村蒼佐津川愛美,前田公輝,鈴木康介,山田純大
原作・脚本
【原作】山本周五郎,【脚本】川﨑いづみ 

 

 


(鶴之助の泣き声)

(去定)風邪を こじらせてるな。

こうなるまで どうして放っておいた?

(沖石)いや それが…。

腹は減らすのか? 母親の乳は飲むか?

いえ…。
ん?

与えておりません。

なぜだ。

この子を産み落として…
間もなく死んだので。

死んだ?

<鶴之助という この赤子を

しばらくの間
養生所で預かることとなった>

♬~

心配いらねえよ。

♬~

(津川)浪人とは難儀なものですね。

「武士は食わねど高楊枝」
といっても

赤子は そうはいきませんからね。

生まれて間もなくは

知り合いから
乳を分けてもらっていたようですが

嫌な顔をされると
それ以上 頼めなかったようで。

くだらん。
え?

くだらん見栄だ。

(津川)確かに。

おや 保本さんは同意しかねると?

いえ そういうわけでは…。

ただ 考えていたんです。
(津川)何をですか?

自分も同じような立場だったら
どうするかと…。

妻に死なれ 乳飲み子を
一人 抱えることになったら。

フフフッ。 いらぬ心配ですよ。
え?

あなた方には 立派な親御がいる。

あの浪人とは 全く違いますよ。

おや 恵まれていれば
恵まれているなりの悩みがあるようで…。

黙ってやれ 津川。
はい。

<津川さんに言われて
改めて気付いたことがある>

よし いいぞ。

<人より恵まれた境遇にあることを
後ろめたく思う気持ちが

常に自分にはある>

次 朔太郎。

♬~

失礼しますよ。

今日も 大勢 病人が来ましたね。
全く 息つく暇もありゃしない。

人の数だけ 病があります。
まあ そうですけど。

そのために 我々がいるんです。

何だか 虫の居どころがお悪いようで。
ん?

≪(鶴之助の泣き声)
≪(田山)飲まぬか。

おやおや どうやら あなたの弟子が
赤子に手を焼いているようですよ。

弟子ではありません。

(田山)飲まねば 元気になれんぞ。

分からぬのか。

お前のために言ってるのだ。

(およね)赤ん坊が分かるわけないだろ。

なら お前がやってみろ。

え? ちょっ… ちょっと!

え?

(泣き声)

飲んだ…。
飲んだじゃないか!

お前は いい子だね。

およね。
ん?

その子の面倒は お前が見ろ。
え…?

あ! ちょっ… ちょっと!
ちょっ… ちょっと!

何で 私が面倒見なきゃなんないんだよ!

田山より お前に懐いている。

そりゃあ こんな とうへんぼくより
ましだろうけど。 とうへんぼく?

女が世話するのがいいっていうんだったら
お常さんに頼めばいいだろ。

子を育てたことがあんだから。 なあ?

(鶴之助の声)

フッ。 お前がいいって言っているぞ。

え?
いいな。

ただし 看病の時には

熱と下の具合に気を付けろ。

じゃあ ほかの仕事は
やらなくていいんだね!

台所仕事なんかは やらないからね!

好きにしろ。

何だよ 全く…。

<こうして 鶴之助の世話係は
およねとなった>

(泣き声)

ほらほら 泣くなって。

(泣き声)

≪(鶴之助の泣き声)

あっ ごめんよ 通しておくれ!

(泣き声)
はいはい はいはい…。

(泣き声)

臭っ!

ちっちゃいのに 一人前だな。

ほら 待って 待って 待って。
ほら はいはい はいはい。

(泣き声)
もう寝ろって。

はいはい…。

(泣き声)

よしよし よしよし…。
(およねのあくび)

どうだい?

うん… もう大丈夫だ。

あ~ くたびれた!
(笑い声)

何だい。

たった3日 世話したぐらいで
大げさだな。

何 言ってんだい。 赤ん坊の看病ほど
くたびれるものはないよ。

そりゃ お前が
まだ 子どもみたいなものだからな。

言ったね!

(泣き声)

え?
おい およね…!

はいはいはい
はいはいはい…。

怖かったのかい? 大丈夫だよ。

お前を取って食いはしないからな。

腹の具合は どうだ?
下痢などしてないか?

してないよ。
そうか。

にしても 情の薄い父親だね。

あれから 全然 来ないじゃないか。

確かに。

赤子を預けていて いい気なもんだ。

♬~

こんなものが 玄関に…。

(沖石)「新出去定様。

拙者 浪々の身にて
乳飲み子の鶴之助を抱え

このまま暮らしていては
身を立てるすべもありません。

世に出ることができたら
必ず迎えに参りますので

それまで この子を
お預かりいただけないでしょうか。

ご厚意にすがり
お願い申し上げる次第です。

沖石主殿」。

(お常)何やってんだい。
うわっ!

お常さんこそ
何やってんですか。

あんた 洗い物が まだだろ。

お常さん やってきてください!

今日は あんたの番じゃないか!

(およね)え?

そういうことだ。

じゃあ この子は
捨てられたっていうのかい。

捨てたのではない。

身を立てた暁には
迎えに来ると書いてある。

何 言ってんだい!
身を立てられなかったら

やっぱり 捨てちまうってことだろ。

そんな… そんなことって。

いや 確かにお前の言うとおりかもしれぬ。

え?
新出先生

この赤子は捨てられたんです。
番所に届け出ましょう。

(およね)え? けどさ…。

(田山)手紙一つで 子どもを
置き去りにするような父親の言葉は

信じられません。
明日の朝 私が この子を連れていきます。

駄目だよ…。 そんなの駄目だよ!

迎えに来るって言ってんだろ!

くさっても この子の父親は侍なんだろ!

武士に 二言はないんだろ!

およね…。

あんたら そいつの言葉を
信じてやれないのかよ!

それでも男かい!

(田山)おい さっきと随分違うじゃないか。
お前だって この子は捨てられたって。

私は信じるよ。
この子の父親は 必ず迎えに来る!

それまで 私が この子の面倒見んだい。

それなら いいだろ。
文句ないだろ 赤ひげ。

子守以外の仕事もするんだぞ。

じゃあ いいのかい?

(泣き声)
(田山)本当に いいんですか?

あっ あ… ごめんよ!

よしよし よしよし。

いいのか およね。
ん?

苦労するのは お前だぞ。

行きがかりさ。
しかたがないだろ。 なあ?

♬~

全く お前も物好きだねえ。
邪魔だよ。

(津川)フンフン…。

察するに こんな身の上だな。
何だい。

ほれた腫れたで 一緒になったものの
すぐに旦那に捨てられて

女手一つで 子を育てる
けなげなおっ母さん…。

いや 泣かせるねえ。
はあ?

何 くだらないこと言ってんだよ。
もう あっち行ってください!

シッ シッ!

♬~

痛っ!
もう ぶきっちょなんだから。

ほら 貸して。
ん?

やってあげる。
いいよ。 私がやる。

痛っ!

もう…。

できた?

できた…。

本当に できてる。

できた!
よく頑張ったね!

できてる! アハ~ッ できた!

ほら 着てみるか? おい。
きっと よく似合うよ。

あんたたち!
洗濯物。 日が暮れちまうよ!

(2人)は~い!

♬~

あら まさをさん。

あら どうも。
どうも。

およねさん
えっ いつの間に母親に?

ん?
え?

(笑い声)

もう 何 言ってんだい まさをさん。
この赤ん坊はね うちで預かってる子!

あ そうだったんですか!
あ~ 驚いた。

(およね)全く 早とちりだよ。

でも すっかり自分の子みたいだったから。

(お常 お雪)え?
何 言ってんだい。

(まさを)すみません。
これ 皆さんで どうぞ。

おいしそう!

ちょっと
あんたばっかり 取るんじゃないよ!

ちょっ ちょっ ちょっ…!
もう いいんだよ。 あんたに任せて…。

あっ。
私の子なわけないだろう。 なあ?

頂きます。
頂きます。

ん!
おいしい! おいしい!

≪(話し声)

いいんですか?
本当に かわいい子ですね。

けど 何だか…。

やっぱり およねさんに似てるみたい。

何 言ってんだよ。

(まさを)ほら 目元なんて そっくりです。
(笑い声)

♬「ねんねん ころりよ おころりよ」

♬「およねは よい子だ」

あ…。 やだ ごめんよ。

いつも おっ母さんが
そう歌ってたからさ…。

♬「鶴之助は よい子だ ねんねしな」

ん? ウフフッ。

変われば 変わるものだ。

何の話です?
およねですよ。

あの赤ん坊の世話をするようになってから
何だか 働き者になったようで。

鶴之助様様というところだ。

(田山)なるほど。 では 津川さんも
いっそ 父親になってみてはどうですか?

(津川)どういう意味だ?
(田山)そうすれば

今まで以上の働きぶりになるかと。
(津川)今の言葉 そっくり お前に返す。

あ 代わるわ。
およねちゃん ごはん まだでしょ。

大丈夫だよ。 もう終わるから。
本当?

うん。 任しときな。
そう? じゃあ。

あのさ…。
え?

あ いや 何か 気にかけてくれてさ…。

いや…。

いや 何か いつも
あんた 優しくしてくれるからさ。

こんな私に ありがとうって思って…。

およねちゃん…。

♬~

今日は これで失礼します。 ん…。

♬~

あの…。
何だ?

このままで いいのでしょうか。

何の話だ?

およねのことです。

およねは 鶴之助の世話を
するようになってから 変わりました。

心穏やかに 安らいでいるように見えます。

しかし このまま ずっと2人は
一緒にいられるわけではありません。

鶴之助を失ったあとの
およねの気持ちを思うと…。

およねは 赤子ではない。

(およね)ねえ どうしよう…。
どうしよう どうしよう…。

赤ひげ! 赤ひげ!

どうした?

かんざしの玉を飲んじまったんだよ!

何!? ついてこい!

助けてくれ 赤ひげ!
助けておくれ!

おい そこのヘラを取れ!
うん!

はい。
頭を押さえろ!

うん。

鶴之助… しっかりしろ 鶴之助!

ああ 鶴之助…!

≪(鶴之助の泣き声)

もう大丈夫だ。

ごめんよ ごめんよ。
私が目を離したばっかりに…。

もう遅い。 早く寝ろ。

うん…。

ごめんよ。 ごめん ごめん…。

鶴之助…。

ごめんね。 ごめんね 鶴之助…。

私は駄目だね…。

やっぱり 駄目な女だね…。

♬~

そんなの よくあることだよ。
え?

前に うちの子もさ 目ぇ離した隙に
こんな大きなあめ玉 喉に詰まらせてさ。

そんなことが…。
そうそう!

もう慌てて 喉の奥に指突っ込んで
吐き出させるの 大変だったよ。

もう ほんとに驚いたんだから。
そう… そうかい。

気にすることないよ。

そうだよ。
うん…。

うん。

へえ~。 お常さん
そんなことがあったんですか。

いや… 作り話だよ。

え?
え? あ いや…

何か ほら 気落ちしちまってるからさ。

何だい?
何でも。

<そうして 穏やかに時は過ぎていった>

これ 鶴之助ちゃんに。

わあ よかったね 鶴坊。 ほら。

<誰から見ても
およねは 本当の母親のようになっていた>

(田山)これを 鶴之助に。

え… いいのかい?

ああ。 甥っ子のお古で悪いが。

うれしいね。

着替えは いくつあっても助かるんだよ。

そうか。 それは よかった。

ほら 鶴坊 見てごらん。
ほら こんなにあるぞ。 ほら 鶴坊。

(津川)あ~ どこ行ったんだろうな…。

え?

いや 手拭いを どこかに…。

代わりのあるかい?
うん その辺に。

あ これか。

(笑い声)

鶴之助のおしめじゃねえか!
(笑い声)

(鶴之助の声)
貸すよって言ってるよ。

結構だ!
おいらのおしめ 貸してやるよ。

(笑い声)

<そんな ある日…>

(沖石)新出先生に お目通り願いたい。

(沖石)この度 上総久留里3万石
黒田家への仕官が かないました。

身辺も整い お預かりいただいていた
一子 鶴之助を迎えに参りました。

これまでの鶴之助の世話については
言葉では 礼は申し尽くせません。

おかげさまをもちまして
再び 身を立てることができました。

こちらは 些少で
お恥ずかしい限りですが…。

いや 結構。
いえ ですが…。

引っ込めろ!

でなければ 話はできん。

沖石殿。
(沖石)はい。

あんたは 子を捨てた。

いや しかし 私は…。

いや 一度 捨てたのだ。

信じてください!
私は 必ず迎えに来るつもりで

その思いで
鶴之助を ここに置いたのです。

仕官先を失って3年
その間 妻は苦労のし通しでした。

暮らしを切り詰め 内職仕事にいそしみ
日々を暮らすのが 精いっぱいの中で…。

そんな時 私たちは子を授かりました。

それが 鶴之助です。

難産の末
鶴之助は ようやく生まれました。

しかし 妻は産後の肥立ちが悪く
日々 やつれていく一方で

私は鶴之助を抱えたまま
働くすべもなく…。

(ちぐさ)鶴之助…。
(沖石)妻に

滋養のあるものを食べさせてやることも
できませんでした。

ちぐさ しっかりしろ! ちぐさ!

(沖石)
妻は 鶴之助を満足に抱くこともできず

死んでいきました。

同じ過ちを繰り返してはいけない。
私は そう思いました。

鶴之助が 風邪をこじらせていることにも
気付かず

妻が命懸けで産んでくれた我が子まで
失うところでした。

その時 私は決めたのです。
鶴之助を 一度は捨てようと。

その上で 死に物狂いで仕官先を見つけ
鶴之助を迎えに来ようと。

身勝手は 重々 承知の上。

しかし 私は あの時
皆様のご厚情に甘えるよりほかに…。

何 言ってんだい!
てめえの言い分ばっかじゃねえか。

誰だ?
誰だっていいだろ!

いや この者は この養生所の
下働きをしている およねという…。

母親だ。
え?

鶴之助の… 母親だ。

あんたはさ 鶴坊の気持ち
考えたことあんのかい?

え?
鶴坊は いい子だよ。

ふだんは ニコニコ
機嫌よく笑ってくれるんだ。

でもさ ふとした時に
さみしそうな顔して泣くんだよ。

そりゃそうさ。 まだ あんな赤ん坊なのに
おっ母さんに死なれて

たった一人のお父っつぁんには
捨てられちまったんだからね。

そんな時はさ 私が いくら あやしても
いくら頑張っても

泣きやんでくれないんだよ。

しまいには 疲れて眠るまで
ずっと泣いてんだ。

それなのに あんたは…!

世話をしてくれたことには礼を言う。

だが 鶴之助は私の子だ。

返してもらおう。

お… およね?

♬~

おい およね どこに行く?

おっと! …何?

おい およね待て!
(お常)え?

あら ちょっと どうしたんだい?

危ない! ちょっと どいてくれ!

ごめんなさい…。
ちょっと どいて!

待て およね!

およねを捕まえてくれ!
(津川)お… おう!

♬~

おい およね!

≪およね! およね!

おい 何をしてるんだ!? おい!

というわけだ。
今日のところは お引き取り願おう。

え?

およね いい加減にしないか。

どうだ?
いや…。

いいのか!

この寒さだ。 鶴之助が風邪をひくぞ!

(物音)

およね…。

嫌だよ…。

鶴坊と別れるなんて 絶対嫌だよ…。

(泣き声)

この子が いるようになってから

目が覚める時 一日が始まるのが
うれしくて しかたないんだよ…。

夜眠る時だって
明日が来るのが楽しみでしかたないんだ。

この子が いなくなったら
それが み~んな なくなっちまう。

およね 覚えてるか。
何をだい?

この子が ここへ来た時のことだ。

田山は 手紙一つで置き去りにするような
父親は信じられないと言った。

だから 番所へ届け出ようと言った。

しかし お前は言った。

父親は 必ず迎えに来る。
それまで 私が面倒見ると。

信じたお前が正しかったんだ。

お前のおかげで
鶴之助は 父親のもとに戻れる。

♬~

何だい 気持ちよさそうに…。

人の気も知らないで。

全く のんきなもんだよ…。

ねえ 鶴坊 寝てていいから聞いておくれ。

私もさ あんたと同じなんだよ。

おっ母さんに死なれたんだ。

お父っつぁんは
赤ん坊の時に いなくなっちまったから

独りぼっちになっちまって…。

≪(およね)
その時 周りにいた大人たちは

私を食い物にすることしか
考えてなかった。

だから 私はさ

誰も信じないようにしようって
決めたんだ。

けどさ ここにいるようになって

ここの人たちと 一緒にいるうちにさ…

何だか すっかり変わっちまったんだ。

こんな私のためにさ

みんな 本当の親きょうだいみたいに
親身になってくれて…。

そしたらさ 私 いつの間にか…

また 人を信じるようになってたんだよ。

だから あんたのお父っつぁんの言葉
信じてみようって思ったんだ。

ねえ 鶴坊…。

あんたといられて
楽しかったよ。

ありがとね。

ありがとな。

♬~

この恩は 生涯忘れぬ。

ちょっと待って!

これ あんまり うまく縫えなかったけど
お守り… 鶴之助ちゃんに。

およね殿…。

およね。
ん?

お前は 本当によくやった。

お前のしたことは尊い
限りなく尊い

さ! ほら 何やってんだよ。
ほら 病人が来ちまうだろ。

こんなとこで
ぼやっとしてる時間ないよ。

あ~ 母親ごっこも楽しかったけどさ
私は もう少し気楽でいたいよ。

あ~ 肩の荷が下りた~!

♬~

(お常)ほら あんた さっさとやんなよ!
(およね)やってるよ~!

先生の言うとおりでしたね。

およねは 赤子ではない。

ああ。 大切なものを失っても

己の力で 立ち上がることができる。

あ~ 冷たっ!
水なんだから 当たり前だろ。

バカだね 本当に。

一つ 聞いてもいいでしょうか?
何だ。

医者としての先生を支えているものは
何でしょうか?

この間 津川さんに言われて
改めて気付いたことがあります。

私は 恵まれている人間です。

およねや ここに来る貧しい病人のように
理不尽な苦労をしたことのない人間です。

私は そのことに
後ろめたさのようなものを感じています。

ですが それが医者としての自分を
支えているのだと 気が付いたんです。

後ろめたいがゆえに
もっと 人に尽くさねばと

医者としての自分を駆り立てるのです。

フッ。 随分 難儀な生き方だな。
そうかもしれません。

そうだな 俺を支えているものか…。

恐らく 欲だ。

欲?
ああ そうだ。

皆々が 理不尽な苦労に
さいなまれることなく

健やかに笑って暮らしている。

そのような美しい風景が見たい。
必ず見たい。

その尽きせぬ欲が 絶えず俺の胸にある。

フッ。
何だ。

随分 難儀な生き方ですね。

お前に言われる筋合いはない!

♬~

♬~

次 お千代さん!
(お千代)はい。

きっと いい子が生まれるよ。
生まれたら 抱かせておくれ。

♬~

できてる! アハ~ッ できた!
ほら 着てみるか?

よかったね 鶴坊。

♬~

達者でね… 鶴坊。

♬~

<それは 去定先生が言われた

美しい風景だった>

♬~

<しかし…

その美しい風景を壊す者の手が
すぐ そこに迫っていた>

よし いいぞ。
ありがとうございました。

では。
ん。

次!

新出殿には
お辞めいただくしかありませぬなあ。

新出先生がいなくなれば この養生所は…。

このままでは 労咳になる。

半七には あの世に行ってもらう。

どんな訳があるか知らないけど
あんたは悪い人じゃない。

先生!
治してくれるのか…。

お前が諦めなければ わしらも諦めない。