ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

小さな神たちの祭り 千葉雄大、土村芳、マキタスポーツ、笛木優子… ドラマのキャストなど…

『TBCテレビ60周年記念ドラマ 小さな神たちの祭り』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

  1. 親父
  2. 元気
  3. 東京
  4. イチゴ
  5. お前
  6. 今日
  7. 美結
  8. 仙台
  9. お姉ちゃん
  10. 家族
  11. 一緒
  12. 愛梨
  13. 自分
  14. 夕暮
  15. ホント
  16. 人達
  17. 谷川
  18. 小太郎
  19. 本当
  20. 一同

f:id:dramalog:20191120215745p:plain

『TBCテレビ60周年記念ドラマ 小さな神たちの祭り』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

無料で民放各局の動画視聴ができるTVerティーバー)!まずはココから!
民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」

他にも、無料お試し期間のあるVODサービスが増えてますので、以下バナーから各社のラインナップを調べてみるといいかもしれませんね。

(本ページの情報は投稿日時時点のものです。最新の配信状況は Paravi サイトにてご確認ください。)

(詳細はFODプレミアム公式ホームページにてご確認ください。)

 

TBCテレビ60周年記念ドラマ 小さな神たちの祭り[多][字]

家族全員を東日本大震災で失った青年(千葉雄大)。東日本大震災から9年目の今でも、自らの幸せを追い求める事が出来ない。そんな彼の前に一台のタクシーが現れる・・・

詳細情報
番組内容
舞台は宮城県南部沿岸の町、亘理(わたり)。主人公(千葉)はイチゴ農家の長男。しかし農家を継ぐ気はなくあの日は東京の大学にいた。そして津波で家族全員が行方不明に。それから8年経った2019年でも葛藤を抱え続け、恋人(土村芳)との関係も危うい。そんな時に彼が遭遇した夢のような出来事とは・・脚本は内館牧子。拭い去る事の出来ない思いを抱えながらも、再び前へと進む東北の人々の希望をある青年の姿を通して描く。
出演者
千葉雄大 土村芳
マキタスポーツ 笛木優子 細田佳央太 
不破万作 白川和子
サンドウィッチマン伊達みきお 富澤たけし
吉岡秀隆
脚本
内館牧子

 

 


(汽笛)

おはよう!
おはようございます

<(晃)俺の家は
宮城県 亘理のイチゴ農家>

<亘理は 仙台から 車で
40分くらいの海辺に広がる町で>

<うめえイチゴは 全国的に有名だ>

(航)なあ 兄貴

俺も 東京 一緒に行っていいか?

しつけえな お前

今日は
沢村と2人でアパート決めたり

入学前にやること色々あるんだよ

だから 絶対
兄貴達の邪魔はしねえって

俺 1人で KEYTALKのレアなCD
中古屋で探してるから

あ~…

だったら 別の日に1人で行け

(航)上京する兄貴の下働き
って言うと

学校 休みやすいんだから

どうしても だめっすか?
どうしても だめです

最終の新幹線で帰るから
ホント 時間ないんだって

入学祝 今日 やろうと思ったけど

お~っ! 気が利くなあ お前
サンキュー

やろうと思ったけど やんねえ
俺が使う

だな

俺が お前に何か礼してやんねえと
いけねえよな 本当は

小学生の頃から
イチゴ農家 継ぐって言ってくれて

だから 兄貴は
好きなことできる

(行雄)
明日 スタンド休みだべ?

(良子)うん
土曜日だから休みじゃないの?

(航)どうしても
だめだってよ ケチ

シュッ
(クミ)晃 航も連れてってやんな

1人で動くって言ってる

兄ちゃんが 東京の人になる前に
兄弟で旅がしたいんだべ?

いい いい 友達と2人で

羽伸ばしたいって気持ちも
分かるからさ

さすがだな お前

優秀で評判の弟が
跡継いでくれるって

親父 幸せだな

(広太郎)晃 東京で
少しでも嫌な目に遭ったら

ケツまくって
ちゃっちゃと帰ってこい

まくるも何も アパート決めたら
日帰りだよ

(一同)ハハハ…
でなくて 今から心に留めておけ

東京は一人勝ちとか何とか

調子こいてやがって
ろくなとこじゃねえんだ

分かったな? 晃
今から ケツまくる稽古しとけ

何言ってんだ 父ちゃんは 本当に
(クミ)何言ってんの もう

(一同の笑い声)

あと1カ月もしないで
桜だねえ

♬~どうして
おなかが へるのかな

ばあちゃん
桜 咲くと 必ず歌うのな

俺なんかさ あれが桜の歌だと
ずっと思ってたよ

俺もだ

(クラクション)

では 行ってくる
でも 夜には帰るけどよ

ああ 晃 ほれ 食べて…
いいのに

あっ! 夜 カレーにして
俺の分 取っといて

分かったよ 気を付けてな

じゃあね

よ~し

<じいちゃんは
若え頃から運転が趣味で>

<とうとう イチゴとタクシーを
兼業している>

フフッ ま~だ手振ってるよ

ハハハ…

オーバーだよなあ
日帰りだっての

お前が 東京に行く日が

いよいよ
近づいてきた気がするんだよ

子離れしてもらわねえとな

航みたいに
頼もしいやつ残んだから

(行雄)沢村のとこ 寄るか?
ああ いい

あいつとは
仙台で会うことになってんだ

親戚の結婚式があったとかで
家族みんな 仙台だってよ

ふ~ん

晃 花見には帰ってこいよな

♬~どうして
おなかが へるのかな

たぶん ばあちゃん

初めて 花見やった日
腹減ってたんだろうな

ハハハ…
ハハハ…

東京 何回も来てるし
どうってことねえけど

ここの住人になると思うと…
(沢村)また違うよな

伝統大学って感じするよな

二流だけどな
言うなって

行くぞ
おう

何だ 空いてっぺ
(沢村)なあ

うめえ 400円で この味だ

お前 カレー 好きなのに
焼き肉かよ

えっ? 今日 母ちゃん カレー
作っとくって言ってたからね

ふ~ん
この学食で 朝飯も食えるんだと

えっ!? すげえな

(地鳴り)

地震だ!

(悲鳴)

潜れ!
うん!

(悲鳴)

(アナウンサー)今 地震による
揺れを感じています

落ち着いて行動してください

身の安全を図ってください

慌てて外へ飛び出すのは
危険です

上から落ちてくるもの
倒れてくるものに

気を付けてください

だめだ こんな地震ありか?
震源地 どこだ?

震源地 東北の太平洋側!
岩手 宮城 福島に大津波警報

すぐに避難してください
津波が押し寄せてきます

(秒針の音)

(アナウンサー)震源域は
岩手県沖から茨城県沖にかけての

長さ500キロメートル
幅200キロメートル

最大震度7

宮城 岩手 福島の沿岸部は
死傷者が心配されています

だめだ つながらない

津波により
住宅や車が飲み込まれ

宮城県 名取市
田畑が濁流に沈んで…

名取が これじゃ…
亘理もだな…

交通機関の状況をお伝えします

俺が 航を東京に連れてきてれば…

あんだけ 一緒に行くって…

俺が どうしても だめだって…

航は しっかりしてるから

家族を誘導して 高台に
避難してるよ 心配するなって

<無責任な励ましに 腹が立った>

お前は心配いらねえもんな

たまたま 今日 家族全員
仙台に行ってるんだべ?

海側じゃなくて 街だもんな!

<家族揃って 珍しく いつまでも>

<タクシーに
手を振っていた姿が浮かんだ>

<不吉な予感がした>

(沢村)晃!

いやあ やっと
大学に来る気になったのか?

電話もらって ほっとしたよ

悪い
心配ない

出席とか
学校側も考えてくれてるし

俺 大学 やめるから

えっ?
今日 退学届もらいに来たんだ

亘理で 保証人に話して
ハンコもらって出すから

お前 親に入学金まで払わせて
1日も行かねえでやめるのか?

その親 見つけねえと

家族5人 誰も まだ…

見つからねえのか?

いっちょ前に 犬もな

5人も いなくなるとさ

避難所でも仮設でも

何か みんな
気 使って寄ってこねえんだよな

どうやって話したらいいか
分かんないんだろうな

<何で 俺だけ生き残ったんだ?>

<みんなと一緒に…>

<死にたかった>

(玄次)どうしても やめるのか?

うん

今日も ずっと捜してるけど

5人と小太郎見つけるまでは
大学どころじゃねえからさ

ハハハハッ

あ~あ

何で 航を
東京に連れてかなかったかなあ

晃なあ

俺は お前の親父と

30年近く一緒に
イチゴを作ってきた親友として

これだけは言っておく

お前が幸せに生きることが

親父達には
何より嬉しいことなんだよ

玄さん

ありきたりなこと言うねえ
ハハハッ

みんな 死んで
俺だけ生きて 幸せになれねえって

死んだと決めつけんな!
死んだって!

もう2カ月だよ

5人 捜さねえと

生き残った俺は
申し訳立たねえんだよ

大学 行って 自分だけ
幸せになってる場合かって

ありがとうございます

親父のハンコだよ これ

お前の親父から預かってたんだ

東京で金に困っても

父親には言いにくくて
きっと 玄さんに泣きつくって

そのとき
貸してやると言ってくれってな

(玄次)
おかしなバイトされては困る

自分は 学校 行けなかったから

あいつのことは
楽しみなんだってな

お前の親父は
イチゴ作りじゃ超一流

それでも 長男が継がなくても

文句一つも言わなくてさ

東京の学校で大きくなれって

ずっと 金 ためてた

学校 やめんなら
好きに使えばいい

ありがとうございます

<俺は 学校をやめなかった>

<3月には 卒業だ>

<あのときから 4年がたった>

<東京は 何事もなかったみたいに>

<きらめいている>

<何事もなかったのだ>

<当事者以外には>

(沢村)行っちゃう? 行っちゃう?
行っちゃおうよ ハハハッ

よし 今日 じゃあ 一晩飲もうぜ

よし 行くか!

うん いつものとこ いつものとこ
俺 今日 金 持ってきてるから

よう
おお! あっ 先 行ってて

久しぶりだな
おう

昼休みも勉強か?

夜遊びしすぎて
卒論 間に合わねえんだ

お前 夜遊びしてんのか?
いやあ 安心したよ

あっ じゃあ またな
おう またな

<家族の皆様 小太郎
元気ですか?>

「元気ですか?」はねえよな

<4月からは 東京の新橋にある>

<グランドOA機器販売の
正社員です>

<岩手県陸前高田には>

<漂流ポストと呼ばれる
ポストがある>

<これは
亡くなった人宛ての手紙専門だ>

<亡くなった人が読むわけはない>

<なのに
たくさんの人達が手紙を出す>

(川瀬)
あれ? あれ? あれ? あれ?

もう みんな 行っちゃったけど
今から 俺も出るけど

課長
うん

僕 今日 都合つかなくて
行けないんですよ

ああ そう

えっ!? えっ だって
お前達の新入社員歓迎会だよ?

申し訳ありません

1泊 温泉旅行なんて
うっとうしいだろうけどさ

これで みんな 近くなるんだよ?

はい… すいません

(川瀬)
まったく… 主賓が何の用だよ?

ああ… 個人的なことなんですけど

自分にとっては 大切な用で

結婚とか申し込むってか?

ハハハ…

もう 課長は勘がいいから
困っちゃいますよ

…ったく 今の若いやつらは
絶対 プライベート優先だもんな

じゃあ 帰るとき
戸締まり よろしくな

はい
うん

じゃあ お疲れ
お疲れさまです

(ドアの開閉音)

<みんな
冷てえ水の中で死んだんだ>

<俺だけ温泉につかれっか>

♬~どうして
おなかが へるのかな

♬~けんかを…

ただ今 戻りました
おお お疲れ

どうだ? 少しは
手応えのある客 開拓したか?

ああ… すいません 頑張ります

まだ5カ月目だから
しょうがないけど

同期の2人に
あんなに差つけられてる

必ず挽回します
自分 あの 大器晩成型っていうか

自分で言うな のんき者が

飛び込みでも何でも
やってくれよな

ああ はい
これ取りに来ただけなんで

すぐに
飛び込みに回るつもりでした

あの カタログだけでも
見ていただけませんかね?

今 忙しいんですよね
ああ そうおっしゃらずに

お話だけでも お願いします

ああ 何て名前の会社でしたっけ?
あっ あの…

グランドOAのですね
谷川と申します

<夜までかけて 飛び込み8軒>

<小さい商店まで 全部断られた>

(バイブレーター着信)

はあ びっくりしたよ
いきなりだもん

亘理のイチゴ 復活してるって
何かで読んだけど

東京は? イチゴの仕事?
そう

あっ すいません!
はい

グラス 1つ
はい 少々お待ちください

夏イチゴがいいんだよ
今頃 夏に出荷するイチゴな

土産の夏イチゴ

おお! うまそう!
ああ

高設式の近代的なハウスで
いいイチゴができる

親父さんと航と
一緒にやりたかったよなあ

お待たせいたしました

どうだ? 仕事は
失礼いたします

これが すんげえおもしろくて

俺 案外
営業マン向いてんのかもよ

成績なんてトップクラスよ

ホントか?
疑ってんのか? 見りゃ分かるだろ

晃…

お前 立ち直ったんだな

俺が幸せに生きることが

親父達を喜ばせるって
玄さん 言ってたろ

そうだな

5人も小太郎も喜んでるよ

ああ 亘理のみんな 元気?

それが 女 子どもが元気でさ

男は それに引っ張られて

祭りやイベント
復活させたりしてるんだ

俺に言わせりゃ 東京なんて
震災 とっくに風化してるよ

3月11日しか思い出さねえってか

ああ まあ それは当然だと思うよ

俺でさえ ほら このとおり
前向いてんだから

今日 いきなり呼び出したのは…

こいつ

<あの日の朝>

<航が ちらつかせたものだった>

(玄次)昨日 見つけたんだ

高校生のくせに…

金 使いやがって フフフッ

気配りのできる子だったもんな

亘理のイチゴを背負う子だったよ

<夏イチゴは
わざと 店に置いてきた>

<イチゴは
ケーキでも食べられねえ>

<3時56分で止まった時計は>

<いっつも バッグに入れておこう>

<それが
罪滅ぼしのような気がした>

<3年目の夏が来ても
俺の成績はビリだった>

他社に決めたってことですか?

(井上)すいません グランドさんに
ほとんど決まってたんですが…

(小田)ここにきて 突然
他社が 大幅な値引きを示しまして

(井上)
当社は 大量にコピーするので

単価が1円安いだけで
大きいんです

あっ…

必ず ほかで挽回します

聞き飽きた お前 毎回それな

それで 給料もらってんだから
詐欺だよ

(川瀬)お前の そのチャラさ
客も信用しないんだよ

<俺が どういう気持ちでいるか>

<こいつは
全く分かっていなかった>

今月の給料は いりません!

今日かぎりで
辞めさせていただきます!

いや お前 何も そこまで…

皆さん!
大変お世話になりました!

<親父 俺 ケツまくったよ>

<見てたか?>

<親父…!>

<親父!>

おう

おお! 来てくれたのか
わざわざ 暑い中

そりゃ来たけどよ
何年かぶりに 電話がきたら

「明日 仙台に帰る」だもんよ

おっ
おお サンキュー

仙台なら 仕事もあると思ってさ

晃 俺も
ずっと連絡しねえで 悪かったな

お前は から元気じゃねえかって
気になってたけど

近寄りたくなくてさ

お前は5人もいなくなって
俺はゼロで

それが運ってもんよ ハハッ

俺は から元気じゃなくて
ホントに元気なんだ

俺 仙台に遊びに行くよ

おっ! よし
じゃあ 文化横丁で飲もう

いいねえ 文横
だろ?

親父が好きでさ

俺も帰る場所があるって
気付いてから

急に楽になってさ

(沢村)だけど 仙台辺りは
もう かなり復興しただろうな

海側じゃねえからな

でも 東京とは違うだろ

東京は あっという間に
夜景もギラギラして

今じゃ 364日 震災のこと
忘れてる人 多いだろうよ

<震災は
本当にあったのだろうか?>

<福島が 原発事故で
叩きのめされたことは>

<本当だったのか?>

<配送の仕事を決め
卸町にアパートを借りた>

<肉体労働はいい
何も考えずに眠れる>

最初はグー ジャンケンポイ

すご~い
こんちゃーす!

あっ 川井先生 お願いします

谷川さん いつもご苦労さまです
あっ いいえ

いつものとこに
置いていいですか?

お願いします
はい

ヨーグルトゼリー どうぞ
あっ

ホントは 先生達のおやつに
作ったんですけど

実は 砂糖のかわりに
間違って塩入れちゃったんですよ

焦ってたから 瓶 よく見なかった

塩入りゼリーですか

先生達には出せないけど
捨てるのもったいないでしょ?

私も1個 食べますから
あがってください

ほら 谷川さんの仕事 汗かくから
塩分補給 大切でしょ

まあ…
どうぞ

いただきます
はい

う~ん フフフッ

食えないね これじゃ

いや 塩分補給 大切ですから ねっ

ウフフ… すごい

谷川さん

谷川さん

もしかして
ごはん食べるとこですか?

えっ あっ ええ…
よかった

メトロポリタンの食事
ご一緒しません?

えっ?

塩入りゼリーのお口直しに
ごちそうします

いや いいです いいです
そうじゃなくて

実は ホテルメトロポリタンの
お食事券が2枚 当たったんですよ

夏の福引きで
それが 期限が今日までなんですよ

もったいないから
誰かいないかなとか思ってて

俺 いっつも
もったいない要員ですね

ウフッ そうですね

嘘です! どうですか?

そう 亘理なんだ 谷川さん

震災 大丈夫でした?

いや それが全然大丈夫じゃなくて

家や イチゴのハウスも
流されました

でも 命があれば
必ず復興できますから

うん そうです そうです

岡本さんは?

うちは 家族も親戚も みんな

仙台とか内陸でしたから
大丈夫でした

ものが倒れたり けがしたり
断水って被害は ありましたけど

よかったですね

ご実家では またイチゴの仕事
始めたんですか?

ええ ハウスも建て直して

跡継ぎの弟と親父が
頑張ってますよ

ホント

命さえあれば
また歩きだせるものですよね

ええ

うめえ ここのホヤ
吉田 好きだったよな

≪だな 津波でな

≪そうか いたなあ 吉田

生きてる者勝ちだな 世の中は
≪だな

≪宮城は結局 何千人死んだの?

≪5~6千じゃねえか?

今 何つった?
あ? 何だ お前

死んだやつらは
死に損だってのか!

ちょっと 手 手 手出しちゃだめ!

どうされましたか?
お騒がせしてすみません

でも 震災で死んだ人は
みんな 損みたいな言い方して

こんな言い方されれば
誰だって怒ります

死んだのは一人一人なのに
よくまとめられますよね

谷川さん

手出してたら 仕事クビだったよ

うん

俺 実は…

家族5人 全員失って

誰一人 まだ見つからねえんだ

5人? 家族全員?

かわいい犬も

谷川さん 1人が残ったの?

うん

もう 6年もたつのに

俺…

全然 前向けてねえんだ

どうしても 諦めがつかねえ

東京の街も しばらくは暗くて
何か嬉しかった

日本中が
俺達と歩いてくれてるって

何で今は 仙台までも
こんなに明るくて

みんな楽しげなんだ!

みんなが 前に歩きだした証拠だよ

いいことなんだよ

いいや 忘れられたって思うよ

忘れてないって

しばらくは
いろんなことばがあったよな

「頑張ろう東北」 「日本は負けねえ」

「一人じゃないよ」

今 誰が使ってる?

言われて思い出した

そんなことば あったよね

忘れてたべ

でも 谷川さん すごいよ

5人も亡くして
まだ見つからないって

誰も信じないと思う

明るいし 元気だし

初めから 家族のこと話さねえで

元気に見せてきたから

今日は言っちゃったね

ねっ
ねっ

それに

街は明るくなってんのに
震災の話すると

みんな 嫌うべ

でも 「勘弁してよ もう」
なんて言われたら

俺 本気で殴る

私が また前に出て止める

<これをきっかけに
俺は美結とつきあい始めた>

いつも園の子どもと保護者達と

この辺りに席作って 芋煮会やるの

子どもは大張り切りだよ

俺も張り切ったなあ

親父のイチゴ仲間と 家族と

KEYTALK 完璧だったな!

いや 晃 ホント
よくチケット取れたね

いや もう 奇跡

KEYTALK 弟が一番好きで…

あっ いや

あの日 KEYTALKのレアなCD

東京の中古屋で探すから
一緒に行くって

そっか
連れてってればな

奇跡的に
チケット取らしてくれたの 航だべ

サンキュー

サンキュー

弟さん イケメン
ええ?

この人 お母さん?
うん

ばあちゃんの隣が親父

小太郎 抱いてるのが じいちゃん

苦しいよね
みんな いなくなったんだから

まあな

えっ?
晃 温泉入ってたんじゃないの?

うん やっぱ 何かな…

今回は 絶対入るって
言ってたじゃない

まだ だめなの?
だね

鳴子も作並も
青根も入れなかったし

じゃあ 何で温泉来るのよ

ええ?
美結が温泉巡り 趣味だから

あっ つきあわされてるって?

そうじゃなくて
俺も のんびりできて嬉しいの

3・11から
どのぐらいの間 暗かった? 仙台

忘れた

仙台は もっと寄り添ってくれると
思ってたけどな

沿岸部 まだ復興できてねえのに

晃さ

いっつも そう言うけど

まず 仙台が前を向かないと
宮城全体が力をなくすんだよ

8年たっても
まだ仮設にいる人も多いんだよ

仙台は もっと
やることあるだろうよ

「元気に前を向き始めましたので
ご安心ください」

って書いたの?

「美結という彼女が
いつも支えてくれてます」って

「でも 毎日 5人と小太郎ばかりを
思っています」って?

よく分かるな

ねえ マジな話

本気で自分の幸せをつかむほうが
家族は喜ぶんじゃない?

だけど まだ なかなか…

意外と めめしいね 晃

家族亡くさねえと分かんねえよ

(春佳)えっ?
結婚話 全然出てないの?

つきあって3年目だよね?
うん

秋保温泉 行って
お泊まりしたんじゃなかった?

だっけ?
何が 「だっけ?」よ

作並も 鳴子も 青根も
お泊まりしたじゃない

そうだ 鎌先温泉もだ
物覚え いいね

(春佳)私にだけ
毎回 打ち明けてたじゃない

だっけ?
そんな はっきりしない男とさ

ズルズルつきあっても
ろくなことないよ

それに 前から思ってたけど

美結なら谷川さんより
条件のいい男 いるって

う~ん
でも 何か ほっとけなかった

うわっ 頭悪い女
みんな そう言うんだよ

この人は私がいなかったら
だめになるって

だめになんか なんないの

ほかの女 探して
シャラッとしてるよ

普通は そうだろうけど

でも 彼は震災で地獄見て

私と出会って初めて

気持ちが楽になった?
っていうか…

だけどさ 家族の話ばっかりで
うんざりするって言ってたじゃん

最初は いいけど

ずっと それだとね
もう潮時 別れな

最後に 私から出てみる

えっ? 突然の捨て身

出る 今日 出る

きっと言われるよ

お得意の
「自分だけ幸せになれない」って

話があるんだ 今日は

どう思って 私とつきあってるの?

私は 結婚 考えてたけど

この先も
晃に全然そんな気ないんなら

私 もういいから

俺 あの…

家庭持ったりして 自分だけ
幸せになれないって言うんでしょ

自分だけ生き残って
申し訳ないって

あのね
生き残った人が幸せになることが

一番の供養なんだよ

生き残った人が幸せになることと
風化は…

違う

よく分かってんだ 俺も

だけど…

死にたくなかったんじゃ
ねえのかなとか

あっちは寒くねえかなとか

いっつも心のどっかで思ってる

弟を死なせたのは俺だし

8年過ぎても
気持ちに復興なんてあるかよ

諦めきれねえ

そうだよね

分かった

でも 私 もう無理だから

申し訳なかった

今まで 美結に甘えてたと思うよ

ズルズルつきあう結果になって
ごめんな

ありがとな

あっ それ…

卸町で
≪はい

あれ?

運転手さん 道違います 卸町です

違うって 止まって!

じいちゃん?

(小太郎の鳴き声)

小太郎

(クミ)あら 晃

ちょうど
あんたの好きなカレーだよ お昼

小太郎 チョコレートやら
インスタントコーヒーやら

あんたの好きな
隠し味のカレーだよ

何してんだ 早く入れ

ご苦労さん

お前 やるじゃねえか うん?

あのケツのまくり方は
わが息子ながら ほれたね

何で知ってる…?

俺はさあ 兄貴好みの隠し味カレー
好きじゃねえんだよ

俺もだ 腹減ってりゃ食うけどな
うん

♬~どうして
おなかが へるのかな

晃 食べろ

晃 座んなよ

<テレビも 土間も テーブルも>

<置物も 皿も 前のままだった>

観光農園 どうした?

父ちゃんね 前から
真っ赤に熟れたイチゴを

食べてもらいたいって
言ってんだよ

いっつも完熟する前に
出荷するからさ

それには 観光農園にして
摘み取って

そこで食べてもらえば いいからね

よその観光農園と違って

夏イチゴだけに限定したほうが
いいって 俺 言ったの

そしたら
もっとアイデア出してって

何よ 食べないのか?

<このカレー食ったら>

<ここの人間に
なってしまうのではねえか>

どっか 具合悪いのか?

いいや

うめえ
だから 晃バージョンの隠し味

親父 福神漬 取って

<あったかかった>

<みんな生きてる>

あ~ 食った食った ごちそうさん

さあ 食って
ちゃっちゃとアイデア考えよう

働き者の俺! なあ 親父

お前は 自分で褒めんな

それより 今は
夏イチゴの出荷 手伝え

(クミ)どれ 私らも
ハウスに行かなくちゃね

(良子)どれ 行くべ

おう 晃 お前も手 貸せ

今は 夏イチゴの出荷で大忙しだ

小太郎の手も借りてえわ

俺は そろそろ…

ごちそうさん

どれ 今は
タクシーどころじゃねえもんな

あっ…

息してる

小太郎 どっかに

あっちへつながる入り口
知らねえか?

連れてってくれ

みんな 死んだんだよな

(クラクション)

日 暮れねえうちに乗れ

何見てんだ?
いや

あの… カレーうまかった

おお それは何よりだ

<みんな死んだのか? とは
怖くて聞けなかった>

ここ どこなんだ?
(行雄)うん?

夕暮れは
あの世とこの世のはざま時

夕暮れは あの世とこの世の…

仙台だ

<ここでタクシーに乗ったのと
同じ時刻だった>

<夏の夕暮れは 18時50分
時間は全くたってねえ>

あっ ごめん 今日 園長に言って
4時半で帰るから

あっ 彼を呼び出したの
えっ!?

昨日 捨て身作戦だめで
別れたんじゃないの?

別れた でも 彼は

私に謝って お礼言って
ちゃんとしてたよ

私は むかついて 席立っちゃった

どうせ別れるんだから
それでよくねえ?

うん…
でも 昨日 布団の中で考えたよ

この別れ方 後味悪すぎ

まあ いいこともたくさんあったし

一応 お礼とか言って別れたほうが
私のためだなって

そりゃまあ それが筋だけど

新しい人 紹介してよね

お待たせ
ああ! びっくりした

いらっしゃいませ

コーヒーお願いします
かしこまりました

昨日は お礼も言わないで帰って
ごめんね

今まで ホントにありがとう
うん

まるまる2年は長かったけど

楽しいこともあって
いい思い出作ってもらったよ

うん

また 塩入りゼリー作っとくから

聞いてる?

美結は 科学で証明できねえこと
信じるか?

何? 急に

信じるよ そういうことって
いっぱいあるっていうし

死んだ家族と
犬の小太郎に会ったんだ

前みたいに 幸せに暮らしてた

夢の中に出てきたってことは

そろそろ 前向いて歩けって
言いたかったんだよ

夢じゃねえんだ

昨日 美結と別れてから
この辺歩いてたら

じいちゃんのタクシーが来た

すごい…

もう一度 行ってみてえ

夕暮れは
あの世とこの世のはざま時

ちょっと…

ちょうど 昨日の今頃

じゃあ 私 帰るね

一番町とかで ばったり会ったら
ごはんでも行こう

ありがとう

晃 少しずつでも
前に歩きだしなね

そうしないと 一生棒に振るよ

来た!
えっ?

えっ ちょちょちょ…

私 帰る! ちょっ…

見せてもらった写真と同じ顔

おじいさん?

しばらく行くと トンネルに入る

怖い 降りる
いや!

ちょっと待って

あら~ 美結さんも

よく来たねえ
はい

あの 私のこと
ご存じなんですか?

そりゃ 晃の大事な人だもの

こりゃ たまげた

お~い みんな 来~い!

晃が彼女 連れてきた!

祝いだ~!

田中さ~ん!

騒々しくて すいませんねえ

さあさあ 上がれ 上がれ
いらっしゃい いらっしゃい

みんな 写真と同じ顔

みんな 生きてたの? ここ どこ?

航 美結さんの席は真ん中ね
うん

座って 座って

ホント こいつが
いつも世話になっててね

上がってくれ 上がってくれ
(山本)アキちゃん 元気そうだな

(良子)ちょっと見てよ
彼女 きれいすぎだろ

本当に かわいいなあ ええ?

この人達 全部 死んだ人?

全部

隣の山本さん コンビニの坂口さん

クリーニングの敏子さん
ほかも みんな…

死んだ人

3・11で

≪アキちゃ~ん

(子ども達)アキちゃ~ん

おお みんな来たか!

久しぶりだな 健 友彦

愛梨も萠も
≪遊ぼう

みんな みんな 上がれ 上がれ
おう 上がれ 上がれ

この子達も?

3・11で

(クミ)ほら どけどけ

「皆さん 死んだんですよね?」って
聞いてみて

聞けるわけねえべ

皆さん
お亡くなりになったんですよね?

(一同の笑い声)

生き死に関係ないさ

あの世もこの世も
つながってっから

昔っからそうだよ
≪なあ?

答えになってない

(子ども達)お姉ちゃん 遊ぼう

お姉ちゃん 遊ぼう

ああ うん そうだね 遊ぼ

≪こっちこっち 遊ぼう

子どもは鋭いな

幼稚園の先生のにおい
分かるんだな

<何で知ってんだ?>

だけど 晃は じれってえよ
こっちから見てるとな

そう言うけど
私らが幸せに暮らしてるって

分かれったって無理だよな 晃

えっ まあ あの…

ここから見てるけど

確かに 2~3年前は
めげてる人 多かったけど

減ってきたよね

(敏子)それ聞くと
こっちも肩の荷 下りるよね

≪だな

地震前は よかったとか
思うんじゃねえぞ

人は いつだって
昔は よかったなんだって うん?

昭和がよかった
平成がよかったって情けねえ

≪だな ハハハ…

さあさあ ほら
≪飲むで 飲むで

よ~い どん

圏外…

(萠)あっちにね
春菊があるの 行こ

春菊?
(萠)うん

せっかくだから 夏イチゴ
外国でメジャーにしたいんだよ

そいつは みんな考えてる

和牛みてえな
世界ブランドにしようってな

観光農園でよ

外国人が あの真っ赤なとこ
食ったら驚くべな

(黒田)あれだけのイチゴ
夏に食えるって ありえねえもんな

だから 俺 焦んの
この前 何かで読んだんだよ

日本って国は
開発で諸外国に勝って

ビジネスで負けるって

(黒田)負ける? おいおいおい
航 どこに行くんだよ

便所 便所
便所? ったく…

安心したろ
みんな 楽しくやってて

ここ あの世か?

そうだよ
岩手の人達も 福島の人達も

それぞれ あの世の地元で
おもしろくやってるよ

あの世って こんななのか?
こんなのありか?

ありだよ 見ただろ?

なあ 兄貴
いい加減 元気に歩きだしてくれよ

前向いてさ

俺…

自分だけ生き残って
申し訳なくって

特に お前を
東京に連れていかなかったこと…

最後に 行かなくていいって
決めたのは俺だよ

洗面所で ささっとあげてりゃ
針も止まんなかったのに

俺こそ ごめん もう捨てろって

このところ
3・11も すっかり風化して…

そうか? そりゃ 前みたいに
熱に浮かされた感じは ないけどさ

みんな 俺達のことを忘れてねえよ

俺達みんな
こんなに元気で幸せなのに

生き残った人が元気ねえと

俺達 死んでも死にきれないんだよ

なあ

みんな 何で
俺が前向けてねえことや

美結の名前や 仕事や
いろんなこと知ってんだ?

だから こっちは見守ってんだもの
見えるよ

それに 手紙くれたろ

陸前高田のポストの?

まさか… 読んでたのか
当たり前だろ

岩手の人も 福島の人も
みんな読んでるよ

なあ それより びっくりしたろ

親父は あの世でもこの世でも
イチゴしかないの

だよな

前からずっと
完熟のイチゴ その場で食わねえと

本当のうまさは分かんねえって

それで ひそかに 観光農園
考えてたらしいんだよ

それが津波で…

親父にしてみりゃ
やり残したわけだよ

俺も親父の夢
かなえてやりたいしな

何より 俺がやりたいしさ

晃! ちょっと… ちょっと

晃 帰れるよね? 私達
いつ帰れる?

心配すんな 夕暮れになれば
じいちゃんが送ってくれるから

そうだよね…

お~い! お前ら!

(子ども達)
アキちゃんだ! アキちゃーん!

どうだ? 毎日おもしろいか?

(子ども達)楽しいー!

(健)だけどね お祭りがないの

えっ? 夏祭りとか
神社祭りは ねえのか?

(愛梨)うん ないの 灯籠流しも

何で? みんな
こんなに元気に暮らしてんのに

何で祭りだけねえんだ?

(友彦)
分かんないけど 神社がないと

お祭りできないんだって

(健二)いつか
神社建てるまで待っててって

パパ言ってた
そうか

(萠)
でも平気だよ 待つんだもんね

(子ども達)うん

よし!

じゃあ 神社建てる前に
おみこし作るべ!

(子ども達)
本当!? やったー!

えっ 帰れなくなる

(子ども達の歓声)

お姉ちゃん 何のおみこし?

お姉ちゃんは 何がいいかなあ…
ねえ…

そうしたら
絵の具やクレヨン 色紙

みこしに使えそうなもん
何でも持ってこい!

(子ども達)はーい!

ねえ 夕暮れには帰れるよね?

この世とあの世の
はざま時でないと

帰れないんだよね?
大丈夫

それまでに 絶対 何とかしてよ

分かってるって

おい 航 来い!
(航)おう

大人達には
灯籠を作ってもらう

えっ 灯籠流しもやる気か?
やる!

ちょっと待てよ 灯籠は
死んだ人達を慰めるために

生きてる人が流すもんだよ
いいや

ここに来て 逆もあると思った

生きてる人を慰めるために
死んだ人が流すんだよ

はっ?

みんなこっちで
元気に笑って生きてるだろ

だけど あっちの人達は

心配して 嘆いて 悲しんでる

いなくなったら
人は どうなるかなんて

分かってねえんだからさ

そうか

みんな幸せに生きてるなんて
思いっこねえもんな

だから それを知らせる灯り

心配いらねえよ
みんなも幸せになれよって

こっちからのメッセージか
そう

震災の後も途切れなかった
灯籠の灯り

こっちで見えたべ?

うん 嬉しかった

毎年やってくれて
みんなで見てた

だから こっちで流すと

あっちで生きてる人達に
見えるんだよ

手紙だって…
届いてたんだからさ

兄貴

苦しんだろ? 8年間

ごめんな 俺達だけ死んで

こっちの人 みんな
残してきた人達に悪いと思ってる

<謝られるとは 思わなかった>

ホントごめん
だから幸せになってほしいんだよ

何だよ
お前ら 楽にするためにか?

アハッ ばれた?
この野郎~

大人達は 灯籠を作りまーす!

(どよめき)

灯籠に使うもの
あと みこしに使う板とか棒とか

くぎや接着剤なんかも
持ってきてください

じゃあ 手元が狂うんで
酒はここまで!

ちゃっちゃと片づけ!

(広太郎)よ~し

6時半に ここ出ないと
帰れなくなる

3時間半あれば できるべ

どれ おじさんも
みこしチームに入るべ

子どもの頃やってたんだ
任せてくれ

子どもみこしだから
おじちゃんは だめ!

あれま

(萠)ねえ みんな
どんなおみこしがいい?

ティラノサウルスのおみこし
(愛)やだ! パンダがいい!

(友彦)ミッキーがいいよ 絶対!

(子ども達の騒ぐ声)

ねえ ねえ!

今から決めて
夕暮れまでにできると思う?

頑張る

アキちゃーん!
今日 おみこし担ぐんだよね?

そうだよ

(萠子)お姉ちゃんと一緒に作る!
(菜々)これ 何?

あっ これは えっと…
(愛梨)先生~!

(菜々)おみこし
パンダのほうがいいよね?

えっと パンダ… パンダかな~
決まったのかな?

(黒田)はい ろうそく
うっす!

(航)ほら もう どんどん作れ~

(健)こっちも どんどん作ってやる

(クミ)は~い 休憩 休憩

ほら 休憩だって

ちょ… みんな 大丈夫だよね?

ほら 取ったら戻ってこいよ~

晃 ビールは夜のお楽しみだよ

あっ 夜の宴会 カレーも頼むな!

(クミ)任せろって

晃… ここで暮らすのも
いいって思ってる?

でしょう?
思ってねえよ そんなこと

無責任よ 無理やり連れてきて

私は帰りますから

晃は家族と一緒で
ここがいいでしょうけど

私の家族は あっちにいるの!

必ず帰れるから!
ずっとそう言ってるべ

根拠もないのに
言ってるだけでしょ?

もういいから
こっちにいなさいよ

私は何としても帰りますから!

まだ 夕暮れ始まったばっかりだろ

夏の夕暮れは長いから なっ?
落ち着けって

落ち着いてるから
6時半にここを出るのは

無理だって言ってるの

(愛梨)痛い!

(友)アキちゃん 愛梨が手切った

えっ?

すぐ戻る
えっ

あら? どうしたの?
あっ ちょっと ハンカチを…

どう? おみこしは

(小声で)さよなら

帰り方…

どうしよう…

すいません 仙台の太白区まで
行ってもらえませんか?

悪いね 郵便屋は郵便運ぶけど
人は運ばねえから

お願いします
何とか行ってもらえませんか?

だめだ 怒られるから

よし
ありがとう

行こう
(愛梨)行こう行こう

気い付けろよ

なあ 美結どこに行った?
庭じゃねえの?

さっき ハンカチとか言って
バッグ持ってったよ トイレか?

(友彦)お姉ちゃん! お姉ちゃん!

お姉ちゃん いなくなった

(敏子)だから便所じゃねえの?

(翔)いなかったよ

よし!
子どもは戻って みこし作って

大人は みんなで
そこらを捜してください!

僕らも捜す 行こう!

(友彦)行こう 行こう!

≪お姉ちゃーん!

(子ども達)
お姉ちゃん! お姉ちゃんだ!

やっと見つけた!

お姉ちゃん どこ行ってたの?
お姉ちゃん やっと見つけた

お姉ちゃん 急にいなくなるから

(健二)
僕ら たくさん遊んでもらって

おみこしも手伝ってもらって

だから お姉ちゃんが帰るときは
ありがとうって言おうねって

僕らが何も言わないうちに
急にどっか行っちゃうんだもの

そっか…

みんな お姉ちゃんに

お別れのあいさつしようと
思ってたんだ…

うん あと お姉ちゃんのこと
忘れませんって

お姉ちゃん 元気でねって

ごめんね

お姉ちゃんも
突然いなくなりたくなかった

(愛梨)お姉ちゃん 泣かないの

愛梨 指切っても泣かなかったよ

ハハッ…

美結ー!

僕らが先に見つけたんだよ!

僕だよ 僕だよ!
僕だよー!

すげえなあ お前ら!

よく見つけたな

さあ 早く帰って
お姉ちゃんとおみこし作ろう!

おうち帰らないの?

おみこしができてから

みんなに 「ありがとう」

「大人の言うこと聞いて元気でね」
って言ってから帰る

(子ども達)やったー!

≪みんな 行こう!
(子ども達)うん!

地震津波で亡くなった人達

大人も子どもも…

みんな 突然だったのよね

家族にも友達にも

ありがとうもさよならも
言えないで…

朝 いってきますって
言って出てって

それっきり

きっと
「一緒に過ごせて幸せだったよ」

「いつも見守ってるよ」って

言いたいこと 伝えたいこと
いっぱいあっただろうにね

突然 残された俺達も
言いたいことあったよ

だけど

みんなと一緒の日がずっと続くと
思ってたから…

わざわざ
お礼なんか言うわけないよね

心の中で思ってもさ

明日も あさっても

みんなで生きてるって
疑わなかったし

今 思い出したけど

私も 晃に

今までありがとう 元気でねって
言いたくて

呼び出したんだった

≪お姉ちゃーん!

早くー!
こっちこっちー!

待てー!

うわっ

あっ…
あっ 血出てる

平気 平気

「愛梨 指切っても泣かなかったよ」
だもん

行こう

ああっ
ハハハ…

ありがとう

待て こらー!

フフフ… 待てー!

(安藤)おお いたいた!

(坂口)
子ども達の声が聞こえたから

すみませんでした 勝手に外出て

ううん いいのいいの

見知らぬ土地に来たら
ちょっと散歩したくなるよね

うん ホントホント

すみませんでした

(航)よし! みこしも灯籠も
あと少しだからな!

(一同)オー!

美結ちゃん ちょっと手伝って

はい

美結ちゃん

今まで晃のこと支えてくれて

本当に本当にありがとう

母親として
どれほどありがたかったか…

いえ

でも もう
美結ちゃんの思うようにしてね

えっ?

あの… 見てたんですか?

母親って自分の子どもの幸せが
一番嬉しいの

美結ちゃんのお母さんも同じ

だから… ねっ

晃は もう十分すぎるほど
助けてもらった

本当にありがとう

≪立派にできた ほら
よかった 立派だ

ここにな
神様が降りてきて宿るんだよ

じゃあ 神様を呼ぼう!
どうやって呼ぶの?

うーん 神社もねえし
神主もいねえからな

大丈夫だ!
みんなで呼べば来るから なっ!

いくぞ! せ~の…

(一同)神様ー!

神様ー!

神様ー!

<この子達が 神なんだと思った>

神様ー!

神様ー!

愛梨! 愛梨 おいで

よ~し! みんなー!
用意はいいかー!

(一同)オー!

この気合い 晃のおかげだね
なあ

みこしを作るって考え
誰もなかったからな

ありがとう

みんなが元気で幸せに生きてて
俺も嬉しいよ

晃も こっち来るか? ん?

はあ?
ハハハハ…

それより親父
ああ?

こっちで 何か嫌なことあったら

ケツまくって
あっちに帰ってこいよ

バカ この野郎
あら~ 心強いね

親父!
ああ?

急にいなくなったから
言えなかったけど…

大学行かせてくれて…
サンキュー

好きなように 思いっきりやれ

そうすりゃ 世の中ってとこは
結構おもしれえんだ

うん…

跡継がなくて ごめん

バカ野郎

優秀な航が継いでくれたほうが
ありがてえ

そうだな

生き残ってくれて…
サンキューな

人はな 命をつないでいくことが
大事なんだ

生き残ったやつが
元気につないでいく

そういう務めがあるんだ

頼むな

行くべ!

<確かに みんな死んだ>

<だけど>

<みんなと一緒に暮らした日々は>

<いつまでも死なねえ>

はい みんな 聞いて~

灯籠は海に流して

みこしは海沿いの道行くよ
いいね?

(一同)オー!

(航)わっしょい
(一同)わっしょい

(航)わっしょい
(一同)わっしょい

じいちゃんのタクシー会社に
行こう

誰か送ってくれる

お祭り… 見てから帰ろう

何 言ってんだ

もう夕暮れじゃねえけど
今なら まだ帰れるかもしれねえ

行くぞ

いや
晃だって見たいでしょ お祭り

帰れなくなるぞ

帰りたいよ

帰りたいけど… 見たい

(クラクション)

遅くなっちゃったな 乗れ!
送るから

ちょっとだけ お祭り見てから
乗っていいですか?

担ぐとこ ちょっとだけ

乗れ! ギリギリだ

(みこしの掛け声)

みんなー! ありがとなー!

(みこしの掛け声)

みんなのこと忘れないよ!

(みこしの掛け声)

航! みんなのこと頼んだぞ!

(航)任せろー! こっちは
心配しねえでいいからなー!

みんな! 大人の言うこと聞いて
元気でね!

(みこしの掛け声)

<小さな神達の祭りだった>

しっかり生きろよー!

たくさん食べるのよー!

(みこしの掛け声)

(行雄)着いたぞ

仙台…

じいちゃん

何で突然 8年以上もたってから
出てきたんだ?

何で?

いなくなった人は みんな

8年たった今も

大人も子どもも1万8000人

昔のまんまに
元気で楽しくやってる

それでいいだろう?

ほれ 降りろ

じいちゃん!

出てきてくれて… ありがとう

よ~し よ~し

こっち まだ夕暮れだ

動いてる

6時20分

ここからタクシーが出た時間だ
ホントだ 同じ時間…

なあ 夢だった気しねえか?

する

ああっ 夢じゃない!

「愛梨 指切っても泣かなかったよ」

この世からいなくなっても
終わりじゃねえんだな

私ら ちゃんと見たもんね

俺…

俺 やる

イチゴ作る

俺 つなぐ!

親父のやり残したこと やる!

俺と結婚してください!

はい

私もしたい

いいのか?

俺と別れ話するために
呼んだんだべ?

あいさつなんて
どんどん変わるの

「これからもよろしく」が
新バージョン

うおーっ! アハハハ!
ハハハハ…

晃 私もイチゴやる

だめ
えっ?

お前は幼稚園の先生続けて
定収入 得ろ!

ハハハ…
何それ~ 超現実的!

真面目だよ!

何だ… ハハハハ

(美結の笑い声)

ねえ 見て 星がきれい

ホントだ…

そういえば 3・11の夜も
星きれいだったよな~

≪ねえ

星じゃねえ

灯籠の灯りだ

生き残った人達に見して
力づけるって言ってた

うん 地上から見えるんだよって

お願いします!
ゼロから教えてください!

いきなり どうした?

親父も 航もできなかった
高設式で

そのやり方で

俺が作った うめえ夏イチゴ
仏前に供えたいんです

お願いします

農業は絶対に嫌だと
言ってた上に

土産の夏イチゴを
店に忘れてったお前だ

厳しいイチゴ作りができるかよ

お前のことは信じられねえよ

また 親父のこと話しながら飲もう

俺 前に親父から聞いてます!

農業に必要な水と太陽のうち
名字は谷川だから 水はある

長男には 日の光という漢字で
晃にしようと

玄さんと2人で考えた名前だって

俺 回り道したけど

やっと名前にふさわしい仕事に
気付きました

津波で 家や家族を失って

イチゴのハウスも流されて

それでもイチゴと
立ち上がった人達と一緒に

仕事させてください!

どんなに厳しくてもやります!

<あれから何度も
夕暮れのここに来ている>

<だけど タクシーは二度と来ない>

晃 私 結婚式 ここで挙げたい

結婚式 絶対来てよね

大人にも子どもにも
みんなに招待状だよ

みんな来るよな

ここのポストの手紙
いっつも届いてるんだから

(♬~結婚行進曲)

♬~

(片言で)
それでは 神と私達一同の前で

結婚の誓約を交わしてください

(♬~アヴェ・マリア)

♬~アヴェ

いや うるせえな!

うるさいよ おかしいでしょ

(神父のせきばらい)

喜びのときも 悲しみのときも

病めるときも 健やかなるときも

夫として生涯 愛と忠実を
尽くすことを誓いますか?

誓います

(拍手)

≪お姉ちゃん きれい!

(歓声と拍手)