ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

渡る世間は鬼ばかり 3時間スペシャル2019 赤木春恵、松村雄基… ドラマの原作・キャスト・主題歌など…

橋田壽賀子ドラマ 「渡る世間は鬼ばかり」 3時間スペシャル2019』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

  1. 仕事
  2. 日向子
  3. 本当
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  15. 一人
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  19. 五月姉
  20. 貴子

f:id:dramalog:20190917065514p:plain

橋田壽賀子ドラマ 「渡る世間は鬼ばかり」 3時間スペシャル2019』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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(本ページの情報は投稿日時時点のものです。最新の配信状況は Paravi サイトにてご確認ください。)

(詳細はFODプレミアム公式ホームページにてご確認ください。)

 

橋田壽賀子ドラマ 「渡る世間は鬼ばかり」 3時間スペシャル2019[解][字]

今年の『渡鬼』はいつもと違います!ナントあの五月(泉ピン子)がYouTuber(ユーチューバー)に!!新メンバーに劇団EXILEから小野塚勇人が。乞うご期待!!

詳細情報
番組内容
幸楽ではキミ(赤木春恵)の四十九日法要が営まれる中、弁護士の末永(松村雄基)がキミの遺産を五月に譲るという遺書を持って現れ一同を驚かせる。岡倉では商社の御曹司・藤川昇(小野塚勇人)が日向子にプロポーズ。商社を辞め板前修業をして日向子と岡倉を受け継ぎたいと申し出る。店で邪魔者扱いされた五月はスマホを購入。「さつキッチン」なる料理動画配信を始める事に。 五月YouTuber(ユーチューバー)になる!!
出演者
長山藍子 泉ピン子 中田喜子 野村真美 藤田朋子 前田吟 角野卓造 三田村邦彦 徳重聡 植草克秀 村田雄浩 吉村涼 えなりかずき 清水由紀 岡本信人 中島唱子 沢田雅美 東てる美 安藤美優 大谷玲凪 小野塚勇人 長谷川純 西原亜希 小林綾子 馬渕英里何 丹羽貞仁 関口まなと 松村雄基 いまむらいづみ 伊東孝明 上村香子 山本コウタロー 佐藤B作 野村昭子 天童よしみ 赤木春恵/写真 石坂浩二
音楽
エンディングテーマ
「人生讃歌 ~渡る世間は鬼ばかり~」
作曲:羽田健太郎
作詞:Satomi
唄 :天童よしみ
スタッフ
作 :橋田壽賀子
音楽:羽田健太郎
演出:清弘誠
プロデューサー:石井ふく子
製作著作:TBS
公式ページ
◇番組HP http://www.tbs.co.jp/oni/

 

 


そして いつもの家族の
笑いと涙をお届けいたします

(一同)ありがとうございました
(聖子)毎度ありがとうございます

(五月)いらっしゃいませ

何にされますか?
ラーメン 3つ

ラーメン 3つ
(一同)はいよ

(勇)
はい ギョーザとやきそば あがったよ

はい
はいよ

(愛)母さん それ私が
何言ってんのよ

あんたは
そちらにお水 差し上げて

(愛)キャッ
あ~っ

申し訳ありません!

母も年ですので もう店へ出ない
でもいいって言ってますのに

言うこと聞かなくて
本当にご迷惑をおかけしました

クリーニング代は
うちで持たせて頂きますから

あっ いいの いいの
こういうことだってあるさ

おばちゃん 気にすることないから
すいません

ちょっと つまずいちゃって
すいません…

申し訳ありません
あの お代はいいですから

申し訳ありませんでした
母さん ちょっと

また やっちゃったのか?
(周平)ケガ 大丈夫ですか?

ケガなんかしてない
ちょっと つまずいて

まだ働けるから
また そんなこと言って

年中 足が痛いの
腰が痛いのって こぼしてて

だから お店が混む時には
お店へ出るのやめなさいって

言ってるのに
全然言うこと聞かないんだから

だって忙しい時 働かないで
いつ働くの

(愛)母さん 何度失敗しても
分からないんだから

お店が混む時は
皆 食器のせたお盆持って

狭いとこ
慌てて歩いてるの

足腰がしっかりしてないと

つまずいたり
転んだりするのは当たり前でしょ

何度言ったら
分かってくれるの?

何度 今みたいなことになったら
分かってくれるの?

母さんはもう十分働いてきたの
少しは ゆっくりしてくれていいの

邪魔にしなくたっていいじゃない

お客様の中には母さんの顔
見に来たい人だっているんだから

だったら何もしなくていい

そういうお客様と おしゃべりでも
してりゃいいでしょ

ただし お運びの
邪魔にならないようにね

何よ 人 バカにして

(誠)お義母さんのことが
心配なんですよ 愛は

長年 お店で
働いていらしたんです

足や腰にくるのは
当たり前です

そろそろ楽なさって
下さっていいんです

楽なさって下さい

去年 お父さんがケガしたみたいに
骨折でもしたら

母さんが
つらいだけじゃないの

周りの者だって
いい迷惑なんだから

今日 午後は
おばあちゃんの四十九日

お店でやるけど
母さんは何もしなくていいのよ

皆で準備することになってるの

くれぐれも
余計な手出ししないでね

このお店のことは
私達 若い者に任せて

ねっ 母さんは
のんびりしててくれたらいいの

分かってよね
同じこと何度も言わせないでよね

あっ あの…

ちょっと言いすぎだぞ

あれくらい言わないと
こたえないの

もう本当に 母さんにはもう
お店で忙しい思いさせたくないの

足や腰痛いのよく分かるから

ねえ お父さんからも
よく言って聞かせてね

ケガしてからじゃ遅いんだから
あがったよ

はい これ 2番テーブルさんね

(愛)大変お待たせ致しました

(ため息)

いつまでも若いつもりでいたのに

いつか こういう日 来るんだ

<五月も還暦をすぎ>

<自分では
何も変わらないつもりでも>

<店で重い食器をのせた
盆を運んだり>

<食器を下げたりするのが
こたえる>

<老いを迎えていたのでした>

<五月の姉妹達も
それぞれ同じように年を取り>

<「幸楽」では
五月の姑のキミが亡くなり>

<今日 その四十九日の法要が
幸楽であり>

<久しぶり一族が>

<顔を合わせることに
なっているのでした>

♬~

お忙しい中
わざわざありがとうございました

色んな方に来て頂いて
義母も喜んでおります

とにかく三代目の愛ちゃん夫婦も
立派に一人前になって

キミさんも安心して
成仏してるでしょう

あなた達だって
もう楽できるわよね

夫婦で ゆっくり
旅にでも行ってくれば?

そんなのんびりしたこと
できません

これから頑張らなければ

今後とも
よろしくお願い致します

じゃあ お疲れの出ないように
(二人)ありがとうございました

無事に四十九日の法事も
終わりました

お客様もお帰りになって
これからは ゆっくりと

お義母さんの
思い出話もしながら

お夕飯をゆっくり
召し上がって下さい

2階で ご用意させて頂きます

(弥生)本当に私なんて

お見舞いに伺うこともできないで
申し訳ございませんでした

いえいえ お袋
老人ホームに入ってましたでしょう

いや~ 最近は
私も忙しさにかまけて

顔も見に行ってなかったんです

元気だって聞いてたから
安心してたんですけどね

心筋梗塞で急だったもんですから
とうとう死に目にも会えずに

お夕飯までの おしのぎに

(葉子)あっ ありがとうございます

(文子)こう言ったらなんだけど

ベッドに縛りつけられることもなく
亡くなるなんて大往生よね

そうよね ご自身もつらい思い
なさらなくて済んだし

周りの者達にも
何の面倒もかけないで

子供孝行なお義母さんよね

(久子)私達が行った時にはもう
私も死に目には会えなくてね

(邦子)老人ホームなんかに
入れちゃうから

最後は とうとう独りぼっちで

私も それがつらくて

やっぱり うちにいて頂いた方が
よかったんじゃない?

お袋はな
実の娘達と暮らしたくて自分から

久子と邦子のとこ行ったんだよ
お前が悔やむことはないよ

久子達のとこ行っても
久子も邦子も仕事があって

うちにはいないから
お袋 寂しかったんだろ

それに
忙しい娘達のお荷物になるのが

つらかったんじゃねえかな

自分から老人ホームに入りたい
って言い出したんだから

反対した方がよかったのかね

(邦子)でもさ 母ちゃん
ここには友達も

いっぱいいて楽しいって
いつも笑ってたじゃない?

私は これで よかったと思ってる

そうですよ

家族と一緒に暮らしてたら
やっぱり色々 気を使うだろうし

他人だったら
好き勝手に暮らせるもの

私はね 独りもんだから将来は

老人ホームのお世話になる
って決めてるんです

それが一番のんきだと思ってる
フフッ

子供がいたら やっぱり一緒に
暮らしたいと思うだろうし

もし子供に一緒に暮らしたくない
なんて言われたら

どんなにショックか

いなかったら
恨み節もないしね

そうよね

子供なんていたらさ
寂しい思いさせられて

腹も立つこともあるだろうしさ

子供なんて いないのが一番
フフフッ

(貴子)香を連れてると

何も お手伝いできなくて
申し訳ありませんでした

香が起きましたので 私はこれで

いいんだよ お参りに来てくれた
だけで もう十分なんだから

これから夕飯だからね
ゆっくりしていきなさい

ありがとうございます でも
香がいると皆様にご迷惑ですし

そんなこと気にすることないの

それに眞ちゃんだって
来るかもしれないし

いえ 主人は大阪へ出張で

帰りは
最終になるって言ってましたし

私も今日は掃除もしないで
出てきたもんですから

主人が帰るまでに
色々しなきゃならないことが

主人 結構うるさい人で

いいのよ 帰んなさい

こんなおばさん達と
一緒に食べたって

うんざりするだけでしょ

それでは 私はこれで

お先に失礼させて頂きます

あと よろしくお願いします

じゃあね 香ちゃん
バイバーイ

かわいい
(弥生)バイバイ 香ちゃん

(葉子)バイバイ あっ かわいい

お姉ちゃん
送ってあげなくていいの?

彼女 私のこと嫌いなのよ

眞のことだって
尻に敷いてんだから

子供なんて いらないわよ

愛だって
私のこと邪魔にしてんだから

まあね うちなんて
二人の子供とも親を捨てて

娘は外国 行っちゃったし

一人息子なのに入婿になって

よその人間になっちゃったり

子供って育てる楽しみだけで

当てになんて
するもんじゃないのよ

うちなんて双子でしょ?

早く大きくなって
親なんていらないって

思ってくれる日が
来てほしいって今から待ってる

本当 一人が一番のんき ウフフフ

うちは望が 父親のハワイの
ホテルを継いでるから

もう何の心配もないし

私は好きな仕事を

自分のためにだけ
好きにやってられる

フフフフ 長子は大変よね
色んなしがらみ しょっちゃって

由紀さん お兄さん手伝いたいって
うちへ帰ってきたんでしょ?

(長子)英作が在宅医療
始めたからね

ただ 「おかくら」を
ヒナが何とか続けてくれてるから

私は おかくらの後継者としての
責任からは解放されて

今は 英作の夢を
少しでも応援できたら

ていう気持ちになれたの
だから今日も そろそろ帰んないと

皆のお夕飯の支度があるから
あっ どうぞ それはご心配なく

皆さんに料理 持って帰って
頂くように支度してますから

とんでもない
料理の方は 本当にお任せ下さい

うち 一人や二人じゃないですから
いやいや分かってますよ

先生も看護師さんも
何人もいらっしゃるんでしょ?

十人分あれば足りますか?
いや いいんですよ そんな心配

いやいや
お袋の供養のつもりですから

ねっ
診療所の皆さんに食べて頂いたら

お義母さんの供養になるから

今日は珍しく皆 集まってんだから
姉妹 のんびりと

(勇・五月)あっ お帰り
(弥生)お帰りなさい

(葉子)さくらちゃん?

いや すっかり大きくなって
見違えちゃった

(さくら)こんにちは
さっ

早く おばあちゃんのお参りして

お待たせしました

すごいかわいい
愛ちゃんに似てるね

似てる
かわいい

まあ~
相変わらず愛想のない子だね

まっ 一番恥ずかしい年頃なのよ

でもさ お夕飯は皆と一緒でしょ?

だって
おばあちゃんのご供養なんだから

ごめんなさい
あの子 夜 塾があったりして

一人で食べて出ていくから

へえ~ 一人で食べるの?
かわいそうに

いつも一人なんですよ
お店が忙しいでしょ?

どうしても私達と
お夕飯の時間が違いますからね

お店は手伝わないの?

今の子 そんなことしませんよ

やらなきゃならないことや
やりたいことが山ほどあって

いつも うちで
一人でいるんですから

へえ~ 寂しくないのかしらね?

(愛)一人がいいみたいで

勉強もしてるんでしょうけど
いつもスマホ 片手にして

スマホでは色んな人と しゃべれて
友達いっぱいできるとかで

独りぼっちでも寂しくないって
今の子って皆 そうなんですかね?

スマホの友達なんて
ろくなことないんじゃないの?

親が気 使ってやんないと

学校の友達より ずっと楽しい子が
たくさんいるなんて言って

まあ それも
いいんじゃないかと思ったり

スマホで友達つくるって

私達の時代には考えられないよね

本当 スマホがなかったら

うちなんか
仕事にならないんですもの

夢中で勉強したわ
色んなことができて面白いの

私達の子供の頃にさ
こんな時代が来るなんて

思ってもいなかったわよね

私も勉強しようかな~

お店で 邪魔者扱いされるもんね

何? 店で邪魔にされるって

誰だって そういう時が来るのよ

私は幸楽で40年間 お義母さんに
仕込まれてきたでしょ?

でも
お義母さんもいなくなっちゃって

幸楽で 私だって
そういう時が来るのよね

何 寂しいこと言ってんのよ

幸楽は五月姉ちゃんが
ここまでにしたんでしょ?

五月姉ちゃんの幸楽じゃない
ねえ 勇さん?

はい
いや 幸楽は

お義母さんと勇のものなの

お義母さんが亡くなったら
相続権は

勇と久子さんと邦子さんにあるの

権利は 相続権は

嫁の私にはないの

だから いくら幸楽で働いても
私も年じゃない?

いくらいたってさ

これからは
もうそろそろ覚悟しとかないとね

何 ひがんでるんだ ばかばかしい
店の権利なんか関係ねえだろ

(文子)そっか

いくら働いても
嫁には相続権がないんだものね

そんなの関係ありませんよ
五月が幸楽の人間だってことに

変わりはないんですから
五月姉ちゃんとこも おかくらも

娘が継いでくれたから

嫁姑のことだけは
心配いらないよね

それだけでも
ありがたいと思わなくちゃ

娘だって言いたいこと言うわよ

親は
小さくなってなきゃいけないの

また そんなことを

いらっしゃいませ
(愛)いらっしゃいませ

(末永)あっ もう四十九日の法要は
終えられたんですか?

どちら様ですか?

末永と申します

あっ

弁護士さん? あんた

亡くなったお母様と
お付き合いがございまして

義母と?
とにかく お焼香させて頂きます

あっ どうぞ

こちらの奥様は?
私ですが

いや あの
小島五月さんとおっしゃる…

あっ 五月は母です

(末永)初めてお目にかかります

私 小島キミさんが入っていらした
老人ホームの

皆さんのご相談に乗っている
弁護士なんですが

小島キミさんから
遺言をお預かりしておりまして

えっ?
えっ?

(末永)本当はもっと早く
伺わなきゃいけなかったんですが

商社の仕事で しばらく
ニューヨークへ行っておりまして

3日前に帰国しましたら

キミさんが亡くなったって
ビックリしました

アメリカへ出かける時は
まだ お元気でしたから

本当に急だったんですね

それで とにかく
四十九日の今日伺ったら

ご親族の方達も
お揃いじゃないかと思いまして

小島キミさんの遺産は

小島五月さんに相続させたい
という ご遺志でしたので

1年ほど前に私が…
えっ?

あっ あの あの あの…
(久子)ちょっと ちょっと何ですか

私に遺言なん… あの

そんなバカな
(末永)本来なら

ご子息さんと娘さん方が
相続なさることになるのですが

ご遺言があれば
キミさんのお決めになった方が

相続なさることに
へえ~

幸楽のお母さん 五月姉ちゃんに

あの 私…

あああ… あの 私 今 何の役にも

今は この娘の代になってますし

もう私は年ですし

私には そんな資格ありません

それに私が相続したにしたって
もう年ですから

もし 亡くなったら
この子の代になって

この子が相続
また払わなきゃなんないんですよ

相続税 そんなもったいない

母ちゃん 一体
何考えてたんだろう

相続の権利は私達にだってあるの

それを私達に何の相談もなしに

全部 五月さんに譲るだなんて

久子さんと邦子さん差し置いて

私 ご辞退させて頂きます

何よ 嫁には相続権がないって

今 文句言ってたとこじゃないの

こんな年になって もらってから
仕方がないじゃないの

それより お義母さんが私に
遺産残して下さった

ていう気持ちだけで 私ありがたい

奥様のお気持ち
分からないではありませんが

ただね

キミさん その時
しみじみとおっしゃってました

五月は高校が嫌いで

中退して家を出て

幸楽の求人広告見て
住み込みで うちへ来てくれた

働き者で

それを見込んで
息子の嫁にしたけど

それから今まで 姑や小姑の苦労を

辛抱して
ただ働き続けてきてくれた

その五月も年を取ったら

今までのようには
働けなくなる時も来る

そしたら実の娘でも

邪魔にされるようなことにだって
なりかねない

そんな時 勇と一緒に
店の権利を持っていたら

大きな顔をしていられる

実の娘といったって
お金のことになると

人間 変わることだってあるから

せめて それだけは
考えてやらないと って

あっ もちろん 娘さん夫婦は

親を粗末にするなんてことは
ないと私は信じてますが

せっかくのキミさんの
お心遣いです

ありがたく
受けておあげになった方が

そうよ
おばあちゃんの気持ちだから

でも
久子さんや邦子さん差し置いて

私… 私になんか権利は

(末永)キミさん おっしゃってました
久子さんと邦子さんは

ギョーザの工場 持っていらして

人気商品で方々へ納めてて
何とか暮らしは成り立ってる

その開業資金は皆
幸楽から出てるから

それで久子と邦子は十分だって

まあ そうよね

私達が今 何とか
こうやって商売してけてるのも

幸楽のおかげだもんね

母ちゃんがさ 娘達と一緒に
暮らしたいって言い出して

うちで引き取った時だって

母ちゃんの生活費だよって
お兄ちゃん ちゃんと毎月

お金 入れてくれてたしね

(久子)はあ~っ
老人ホーム入る時だってさ

入居の費用も 毎月の支払いも

全部 お兄ちゃんが
出してくれてました

今さら遺産 欲しいなんて
もう 言えた義理じゃないか

うん

母の遺産は

母の遺言どおり

五月さんに贈与を進めて下さい

よかった
お二人に ご理解頂いて

それで 運ばせて頂きますが

どうぞ よろしくお願い致します

すごいじゃない 五月姉ちゃん

幸楽のお母さん
ちゃんと 五月姉ちゃんのこと

見ていて下さってたのよ

苦労した甲斐があったじゃない

お義母さん…

無事 四十九日も終わったな

たくさんの人が
お参りに来てくれた

皆 母ちゃんのこと
忘れずにいてくれて

慕われてたからね

お義母さん お客さんに

店の顔だったもんな

お店 好きだったもんね

お店 出ていたかっただろうに

でも 脚 悪くしてから

ご自分で自覚なさったんでしょう

お店に迷惑かけるからって

自分から 久子さんのところへ
行くっておっしゃって

私なんか やっぱり 自分の娘と
暮らした方がいいのかなって

ちょっぴり寂しかった でも
今の年になったら分かんのよね

久子さんや
邦子さんのところ行って

面倒かけると思ったら
さっさと老人ホーム入って

今の年になったら よく分かる

お義母さんに 気の毒なことした
私 何か つらくて…

お袋はな 老人ホーム入って
お仲間ができて

楽しいって言ってたんだよ

幸楽に いたって
久子達のとこ いたって

皆 忙しいだろ
独りぼっちだったんだよ お袋は

だから よかったんだよ
老人ホーム入って

お袋は喜んでくれてるよ
後悔なんかすることねえんだよ

年を取るとね 居場所なくなんのよ

たった一人で
周りに迷惑をかけないようにって

何とか寂しくないようにって

お義母さん
私も そういう時が来ました

力 貸して下さい

何を
くだらないこと言ってんだ お前

何が くだらないのよ
私なんか働けなくなったら

ただ ここで
ダラダラしてるだけじゃないの

あなたは いいわよ
そりゃ おやじバンドがあるから

私は 働けなくなったら
友達だっていないのよ

私は 一人で

豊かに老後を暮らしていくことを
考えなきゃ

今の私にとっては
一番大事なことなの

今の時代は 孫だって
当てにできない時代なんだから

今日は
幸楽のお母さんの四十九日で

皆さんにも
供養に召し上がって下さいって

持たせて下さったの

(由紀)うちの母も
幸楽のおばあちゃんも亡くなって

何だか寂しいわね
(英作)昔は よく遊びに寄って

随分 ごちそうになった 優しくて
明るい方で よくして頂いた

今日も お参りに
伺いたかったんだけど

在宅医療 始めたりしたら
そんな暇なくなっちゃって

それは皆 よく分かってるわよ
だから せめて

幸楽のお料理を食べて
幸楽のお母さんの

思い出話でもしてくれたらって
どうぞ 皆さん 召し上がって

いただきます
(ミツ)いただきます

(八木)僕は お会いしたことが
ないから ごちそうになる資格

ありませんけど
おいしそうだし 腹減って

うちへ帰るまでもちそうにないし
遠慮なく頂きます

本当に 今日も皆さん
ご苦労さまでした

担当の患者さん お変わりは?
あっ 今日は特別には

おととい うちへ帰りたいって
私が病院から引き取ってきた

おじいちゃん
よっぽど嬉しかったんでしょうね

急に
うな重が食べたいって言いだして

≪へえ~っ
ご家族は反対したんですけど

私は 買ってきてあげたんです
どうせ 食べられないだろうけど

本人の気持ち
大事にしてやりたくて

そしたら何と
ケロッと平らげちゃって

本当に満足そうな顔して

そりゃ よかった いや 私も
病院で食べられなかったのが

うちへ帰った途端に 好きなもの
食べ始めた患者さんには

何人も会ってる 精神的なものが
大きいんだろうね

だからって 助かるわけじゃない

自分のうちで穏やかな死を
迎えさせてあげたくて

連れて帰ってきたんだ
いずれ その時は訪れる

けど ほんの数日でも
患者さんにとって

幸せな時を
迎えさせてあげられたら

そのための在宅医なんだ

私は本間先生と同じ志で
在宅医療のお手伝いさせて頂けて

ありがたいと思ってます
ああ いやいや

命を救うことが医者の仕事だと
長い間 信じてきたけど

今は患者さん達に穏やかな死を
迎えさせてあげられるのも

大事な務めだって気がしてる

私達も先生達と同じ思いで

看護師の仕事
させて頂いてますけど

奥様 大変ですよね
毎日 先生方や私達の

お昼と夕飯の支度なさらなきゃ
ならないんですから

私なんかは女房がいるんです
帰って食べれば すむことなんです

それを いつも
お世話になってしまって

いや うちの仕事は
どうしても患者さん相手だから

遅くなったり 往診に夜遅く
出かけなきゃいけなかったり

不規則だから
奥さんだって大変なのよ

でも うちは どうせ家族の食事を
作らなきゃいけないから

何人 人数が増えたって 手間は
同じなの お気になさらないで

(ハル)いつも そう おっしゃって
下さるから甘えてしまって

それに 皆と一緒に頂くと
ホッとして楽しいし

そう言ってもらえたら
やり甲斐があります

もっと お料理うまくならなきゃね

いや いつも おいしく頂いてます
奥さんは 私がいなくて

女房が寂しい思いしてるだろう
って心配して下さいますがね

とんでもない 食事の支度しない
だけで どんなに助かってるか

今も独身時代のまま 好きなこと
やってます のんきなもんですから

だったら いいけど
そうだ 何だったら 食事の支度の

手伝いに女房 よこしましょうか?
ああ やめて

私はね 好き勝手に
仕事させてもらってるの

もし 手伝いに
来てもらったりしたら

何か気を使っちゃって
その方が疲れちゃう

私はね 皆さんと一緒に仕事させて
もらってるつもりでいるの

それが
今の私の生き甲斐でもあるし

いつか 年を取ったら
仕事もできなくなる時が来る

それを考えたら こうやって
皆さんの仕事の役に立てるって

どんなに幸せか

(電話のベル)
あっ

はい 本間クリニックです

あっ はい はい

立川さんです
すぐに来てほしいって

私が すぐ行きますって
言って下さい

(ミツ)すぐに参ります はい
いや 俺が行くよ

私の患者さんなの
いや もう遅いよ

今日は面倒な患者が続いたんだよ
疲れてるだろ 俺でいいだろ

そうよ 立川さんって
90歳にもなって

一人暮らししてる
おばあちゃんでしょ

いっつも往診頼むのに
行くと大したことないのよね

老人ホームに入れてあげたら?

ひとりでもいい 長いこと
暮らしてきた自分のうちで

死にたいって頑張ってるの
そういう人を助けてあげるのが

私達 在宅医の仕事なの

私の顔 見ると安心するのか

もう元気になるの
行って ちょっと

おしゃべりするだけで
いいんだから

お子さんだって
いらっしゃるんでしょう?

お子さん 面倒みてくれないの
かしらね 一度 相談してみたら?

私はね 仕事が忙しかったから

母さん 老人ホームに入れて
面倒みてあげなかった

それが今も つらくて…

だから せめて そういう
お年寄りの力になりたいだけ

じゃあ 行ってきます
(ミツ)行ってきます

行ってらっしゃい
行ってきます

そうよね
私も おかくらがあったから

お義母さんと一緒に
いてあげられなくって

私が 何か言えるような
義理じゃないわね

(弘子)はい
あっ 本間です 遅くなりました

どうぞ
はい

(弘子)また突然 お電話して
おばあちゃん また発作?

いえ 急に息子さんが みえて
色々 お話があるらしいんですけど

おばあちゃんと意見が合わなくて
それで夜分 申し訳ないの承知で…

よかったです 発作じゃなくて
それじゃ

はい

(志乃)あっ 先生
あっ 志乃さん 大丈夫ですか?

介護士さんが
電話して下すったそうで

わざわざ お呼び立てして

ここんとこ心配だから
定期往診の日じゃないけど

明日 伺うつもりでいたの
急病じゃなくて安心しました

痛みは?
大丈夫です

先生 血圧を
ああ そうね

測らせて下さい
はい はい はい

(立川)
本間先生でいらっしゃいますか

はい

初めて お目にかかります
母が いつもお世話になってまして

長男の孝です

母は 大腿骨を骨折して なかなか
歩けるようにならないのに

勝手に退院して
うちへ帰ってきてしまって

心配しなくても
うちのことぐらいできるの

つたい歩きしたら
何とか うちの中ぐらい歩けるし

介護士さんに来てもらわなきゃ
掃除も洗濯も できないくせに

ちゃんと お国で
介護士さん よこして下さるの

長い間 あんた
介護保険 払ってきたんだもの

介護士さんに お世話になるのは
当たり前のことなんだから

けど 介護士さんは
決められた日にしか

来てはくれないんだよ
あとは ほとんど一人なんだから

とても一人暮らしは無理なの
とにかく 心臓も悪いんだ

発作でも起こしたら
どうしようもないんだからね

それは 何とか私が

えっ?
(由紀)えっ?

いやいや 母が一人の時に
発作 起こしたら

誰が先生に連絡するんですか

その時は死んですむことなの

私は いつ死んだって
思い残すことはないし

そういう死に方が
一番ありがたい

ほっといてくれていいの

母さん

それじゃ あの 同居なさるとか

いや ごめんですよ
えっ?

息子の家族と一緒に住むなんて

嫁や孫に遠慮してさ

息子達だって いい迷惑でしょう

脚の不自由な姑の面倒
みさせられたりしたら

嫁だって孫だって うんざりですよ

まさか 息子が仕事辞めて

母親の看病するわけにも
いかないし

それは 俺だって まだまだ現役で

しっかり働かなきゃ
誰が家族 養っていくの

もし 来いと言ってくれても

私は お断り

息子に面倒かけるくらいなら
死んだ方が ましだわよ

とにかく
俺達と一緒に暮らせなくても

一人暮らしだけは させられない

ああ そうだ 先生
今は老人ホームって

楽しいところになってきたって
いうじゃないですか

思いきって老人ホームに
入ってくれれば ねえ

そんなお金 どこにあるの?

このうち売れば
それくらいの費用になるでしょ

えっ そんなこと考えてるの?

冗談じゃないわよ このうちはね

私が結婚した時
ローン組んで 建てて

ここで 子育てして

ず~っと今まで住んできたの

お父さんの思い出が詰まってる
大事なうちなのよ

だから
ひとりでも ここで暮らして

ここで死にたいの

私のことはね 忘れてくれていい

子供は育てる楽しみ
もらっただけで十分 うん

何をしてもらおうとも思わないし

迷惑かけるなんて 私には
それはとんでもないことだわよ

あんたは
私を老人ホームへ放り込んで

肩の荷を下ろしたいんだろうけど

老人ホームなんて
入れなくたってね

私のことは これっぽっちも
心配することないの

心配されたら 私が迷惑

分かってくれるわよね

私ね 老人ホーム ダメなのよ

他人と付き合うなんて元気ないし

ひとりで

もう ゆっくり暮らしたいの

ひとりで ここにいてもね

本間先生 ちゃ~んと来て下さるし

介護士さんだって
ちゃんと来てくれるんだから

な~んにも
心配することないんだよ

お母さんが
ここでの お一人暮らしに

こだわっていらっしゃる
お気持ち

よ~く分かるんです

そういう方達のために

私のような在宅医療専門の
医者がいるんですから

病院だとね 食べられなくなると

胃に 管 入れられて
食べ物 流し込んで

つらい思いして
生きてなきゃならないの

けど 在宅医療の先生なら

私が食べられなくなったら
無理に生かそうとしないの

自然に 平穏に

終わりを迎えさせて下さるって

信じてるの

だから 安心してるの

志乃さんには
そんな時 まだまだ来ませんよ

脚だって リハビリしたら
立てるようにもなるんですから

よろしくお願い致します

はい

お帰りなさい
ただいま

立川のおばあちゃん どうでした?
うん 病気じゃなかったの

ミツさんには
先に帰ってもらいました

息子さんが みえてて
老人ホームへ入れたいって

そうなんだ

自分の家族で暮らすだけでも
大変な時代だものね

とても 親の面倒まではね

おばあちゃんだって
それが よく分かってるから

今のうちで一人で のんびり
暮らしたいって言い張って

何だか かわいそうで

でも それが おばあちゃんの
本音かもしれないわね

私も 年を取ったら
一人の方がいいもん

私も同じ気持ちだけど

立川のおばあちゃんの希望は
生きているのが つらくなったら

食べるのは やめて
死ぬつもりだから

治療なんかしないで
少しでも楽に死ねるように

見守ってほしいって

はあ~っ
行くたびに言われるのよね

安楽死は させてもらえないこと
分かってるから

せめて
医者として罪にならない範囲で

手助けしてほしいって

もう 参っちゃう

それが在宅医としての
使命かもしれないわね

生きてる方が つらいっていう方
結構いらっしゃるんでしょう

そういう方と
どうやって向き合っていくか

英作も いつも
それで悩まされてる

命を救うことより

どうすれば 楽に優しい死を
迎えさせてあげられるか

その方が
ず~っと難しいのよね

高野さんから電話があった
出かけてくる

あっ 私も行く
ああ こんな時間に

ハルさんもミツさんも
呼び出しちゃかわいそうよ

今夜は徹夜になるかもしれない

高野のおじいちゃん これ以上
頑張らせるのは かわいそうだ

もう 何もしないで
静かに見送ってあげたい

(眞)ただいま

もう寝ちゃったの?

あっ ごめんなさい
ただいま

今日は疲れちゃって
香と一緒に うたた寝しちゃってた

夕飯 食ってないんだ
いやだ 最終の新幹線だって

言ってたから お夕飯
すませてくるんだとばっかり

何も用意してない
えっ 今日 幸楽 行ったんだろ?

ええ ちゃんと お参りして
ご仏前 三万円 包んでおきました

えっ だったら 幸楽の料理
持たせてくれたんじゃないの?

久しぶりに幸楽の料理
食べられるって楽しみにしてさ

だから わざと
夕飯 食べなかったんだ

もらってこなかった
いや どうして

だって お義母さんの姉妹だとか
久子さんとか邦子さんとか

親戚だらけで
私なんか入り込む余地ないし

私も付き合うつもりなんて
全然ないし

もう さっさと
帰ってきちゃったから

せっかく行ってんだ
母さんがいたら無理にでも

持たせてくれるはずだけどな
私 そんなもの

もらいたくないもの
押しつけられたら

めんどくさいから
お土産なんて作る暇のないように

さっさと引き揚げてきたの 今夜は
インスタントラーメンで我慢して下さい

そんなバカなことあるか
俺達には大事な身内なんだよ

もっと親身になって
付き合うのが本当だろ

おばさん達と会えることだって
めったにないんだ

ゆっくり話し合える
いい機会じゃないか

私 親戚なんかいらないの
いつも言ってるでしょ

私は あなたと結婚するために
結婚反対された母とも弟とも

縁を切るようなことになったの
それで ホッとできた

私には家族なんて
うっとうしいだけなの

幸楽と付き合うのだって たくさん

だから 幸楽の相続権も
放棄してもらったんじゃない

私には 眞と香さえ
いてくれたらいい

相続権放棄したって

親きょうだいと
縁が切れたわけじゃないの

少しは嫁らしいことだって
してくれたって

あなた 何にも分かってない
私は子育てだけだって大変なの

幸楽と付き合う暇なんて
どこにあるの

そんなに
幸楽のことが気になるのなら

あなたが行って親孝行してくれば
いいことじゃない

いや 俺は
仕事が忙しくて行けないから

忙しいのは 私も同じなの

いつも同じことでケンカして

うんざりだ もう

おはようございます
おはようございます

ねえ 愛
おはようございます

昨日さ おばあちゃんの法事に
いらした お客様の

ご仏前 頂いたでしょう
整理してたら

眞からも三万円 頂いてんのよ

そんなのにさ 貴子さんに
何にも持たしてやんないんだもの

もっといると思ったのに
急に帰っちゃって

お土産
作ってる暇 なかったのよね

貴子さん 香ちゃん連れてるから
迷惑かけると思って

早く帰ったんじゃないの?
うちの身内が苦手なのよ あの人

だけどさ もらいっぱなし
ってわけにはいかないじゃないの

だから今日 貴子さんとこ 何か
持ってってやろうかと思って

母さんが行ったら また貴子さんに
嫌な顔されるだけよ

分かってるわよ
だから マンション 行かないわよ

事務所に行って
眞とも会ってないしね…

眞とも しゃべりたいし

だから 事務所 行くわよ
で 眞の好きなもの…

眞が お世話になってるから
長谷部さんのものもね

(誠)はい

(金田)おはよう!
あっ おはようございます

昨日は 義母のお参り
ありがとうございました

朝 早くから 悪いね
何か 急ぎの用でも?

老人ホームから
おやじバンドの依頼があってさ

その日 行けるかどうか こちらの
都合 聞いてからじゃないと

返事できないから 他の連中は
OKなんだけど ここんとこ

幸楽さん 忙しそうですからね
大丈夫だよ

いつだって やりくりつけて
行ってんだから

ありがとう
じゃ OKの返事 出しとく

来週のね 日曜の午後なんだ
よろしくね

(誠)あっ あの… ちょっと
申し訳ありません

日曜日は ちょっと無理です
えっ?

(誠)ここんとこ
日曜日は お客さんが多くて

昼休みなく営業してるんです

お義父さんは いらっしゃれても
私は…

調理場 2人抜けるのは ちょっと…
何 言ってんのよ

今までだって 2人抜けたら
私が入ってたじゃないの

心配することないわよ
あっ いや あの…

都合 悪かったら 断れば 済むこと
なんだ 断りたくはないですけどね

無理することないんですよ
無理は してほしいんだけどさ

何 言ってんですか

おやじバンドは
うちの主人の生きがいなんです

取り上げないで下さい
あっ…

じゃあ 決めさせてもらって…
ああ

よかったー! やあ 朝早くから
お騒がせしました どうも

いや ちょっ…
日曜の午後ね

典介さん…
よろしくね!

あっ…

あの…

この際ですから ハッキリと
言わせて頂きます

今までは 調理場 抜けても

皆 何とか
やってきてくれました けど…

さっきも言ったように 2階に
お客 入れるようになってから

忙しくなって 特に 日曜なんて
お義父さんと私 2人抜けたら

調理場 間に合いません せめて…

私は
残れるようにしてもらった方が…

何 言ってんのよ
調理場だったら 入ったって

私だって 料理 できんの

それに達ちゃんだって 調理師の
免状取って 料理だって できるし

洗い場が たまったら 私が洗えば
済むことじゃない

心配することないの
(誠)いや 今までは何とかそれで

やってこれたかも
しれませんけど…

いつまでも お義母さんに
頼ってるってのが…

足も腰も痛いって
おっしゃってるのに

おやじバンドのために 無理を
おさせするようなことが…

何 言ってんのよ
年寄り扱いしないでちょうだいよ

誠の言うとおりよ
母さんは 何でもないって言うけど

私達は 母さん 見てたら 分かるの
足 つっぱれなくなって

つらそうだし
腰も曲がってきてるし

年寄り扱いしないでって
言われたって 年は取るの

周りで気をつけてあげなきゃ

転んでケガでもしてからじゃ
遅いの

そうだよ 転ばぬ先のつえだよ

去年の俺みたいに
大ケガしてみろよ 大変だぞ

年取ると 治るのは遅いしさ
もう 懲りたよ

うっかりすると
ケガして動けなくなってる間に

認知症が始まる なんて言うからな
よし 分かった

じゃあ 誠君は
店に専念してくれ

バンドの方は 君がいなくても
何とかやっていけるように

皆と相談してみるから
申し訳ありません 勝手なことを…

(愛)お父さんには もう
好きなことをさせてあげたい

これからは 私達 夫婦が
この店 支えていかなきゃね

誠には まだまだ早すぎるの
おやじバンドは

あ~あ 私は 眞の事務所
行ってきますよね

だって
眞とだって 話 してないしさ

昨日 眞 来ると思ったのに
来ないんだもん

貴子さんは
眞の話も してくれないし

眞のとこは しっかりやってんだよ
何かあったら 言ってくるだろ

しつこくすると また嫌われるぞ

一人前になった子供なんか
ほっときゃいいんだから

親が子供の心配して
何が悪いんですか

貴子さんの所へは行きませんよ
嫌な顔されるんだから

眞の好きなもん 作ってね
それと 長谷部さんのものも

お願いします
はい

じゃあ よろしくね
≪はい

お義父さん 本当すいません
いやいや…

うんうんうん

あっ…

長谷部さん!
(長谷部)ああ… しばらくです

どうもご無沙汰しております 眞が
いつも お世話になっております

眞君なら もう 出かけました

せっかく いらして頂いたのに
はあ…

相変わらず 忙しいんですね

(長谷部)眞君 しっかりした仕事
してくれますから

頼りにして下さる
お得意様が多くて

何か急なお話でも?
あっ どうぞ

あっ…

あの… 昨日 来なかったんですよ

祖母の四十九日だったんですけど

代わりに貴子さんをよこして…

そうだったんですか…

けど 昨日は
大阪へ出張だったから

貴子さんに代理を…
許してあげて下さい

あっ… それは仕方がないですけど

でも いくら忙しくたって…

うちへ来たって
どんな暮らししてるのか

さっぱり分かんないんですから

貴子さんは 行ってるんでしょ?

来やしませんよ そりゃ 昨日は
お参りに来ましたよ

だけど
来たって さっさと帰っちゃって

話 するわけでもないし
そんなの ありゃしないでしょ?

貴子さんも一家の主婦ですし

子育てもあるし のんびりしては
いられないんでしょう

夫婦も
うまくいってるようですから

ご心配はいりませんよ

そんなこと言ったってさ…

いや だって…
来たって 罰は当たらないでしょう

親なんですから…
お母さん

眞君夫婦は 立派に一人前になって
自立して暮らしてるんです

もう 親の心配なんて
いらないんですよ

心配したって
子供には うるさいだけ

そういう年になったんです
何かあったら 頼ってきますよ

けど 親を頼りにするようじゃ
どうしようもないじゃないですか

顔も見せないのが一番なんですよ

お母さんは もう
親には頼らないで済むような

立派な子育てをなさったんです

親の務めは 果たされたんですから
ほっとかれたらいいんです

子供だって ほっといて
もらった方が ありがたいんです

そういうもんなんですよ

それに 忙しいと

とても 親のことまで
考える余裕なんて ないんです

お母さん
それを喜んであげて下さい

それが
母親ってもんじゃないんですか?

生意気なこと言って
申し訳ありません

ただ 子供が親離れしたのを
恨むようなことがあったら

お母さんが
おつらいだろうと思って

お母さんは 今まで 本当に
苦労なさっていらしたんです

幸楽も 立派な後継者が育って
おいでだし そろそろゆっくりして

ご自分の好きなことをなさったら
いいんじゃないですか?

やっと
そういう時が来たんですから

そうですよね

私なんか 邪魔なだけで
うるさがられるだけですから

そうです

あっ… いや
そういう意味じゃありません

母親の役目は
立派に果たされたんだから

もう 子供のことより ご自分の
時間を楽しまれるようにと…

はい ウッフッフ…

本当に
長谷部さんの大事なお時間を

申し訳ございませんでした
あっ いえ…

これ あの うちの料理ですから
どうぞ 召し上がって下さい

ありがとうございます 眞君が
戻ってきたら 一緒に頂きます

いいえ! 眞は食べたかったら
うちに来るでしょうから

それと 眞には 私がここへ
来たことは言わないで下さい

また 眞に しかられますから

長谷部さんの言ったこと 本当に
ありがたいと思っております

お茶も さしあげないで…
いいえ!

長谷部さんの言ったこと
骨身にしみました

もう ここで結構です
ありがとうございました

失礼致します
あっ あの…

(大きな音でドアが閉まる)

おはようございます
(タキ)あら おはようございます

タキさん 昨日は うちへ

お心遣い ありがとうございました
いいえ

うちからも 誰か送らなきゃ
いけなかったんですけど

いえ とんでもないです
タキさんと うちの義母とは

全く お付き合いもないのに
ご仏前 頂いて

本当に恐縮してるんですよ
何かと思ったんですけど

うちのもんで
ちょっとお恥ずかしいんですけど

たまには中華料理も
いいかなあって…

(日向子)ありがとうございます
わざわざじゃないのよ

私も ちょっと
用事があったもんだから

それに ちょっと 皆の顔も
見てみたかったし

五月伯母さん
お元気そうで何よりです

幸楽のお料理 頂けるなんて
嬉しい

中華料理は やっぱり
幸楽が一番だもの

日向子ちゃん
まあ お世辞が上手になったこと

(まひる)もう 22ですものね
えっ!?

何 日向子ちゃん
二十歳 過ぎたの?

あら やだ
私も 年取るはずだわ

私なんて もう お店にいたって
居場所 なくなっちゃってさ

そこいくと タキさん すごいわね
おかくらで 現役で

おかくらの顔ですもんね
(タキ)アハハハハ…

私だって とっくに引退しなきゃ
いけない年ですけどね

日向子ちゃんが
まだ結婚なさらないと

ここを出るわけに
いきませんもの

長子さんから お預かりしてるのは

おかくらと
日向子ちゃんなんですから

日向子ちゃん
やっぱり お店 やっていくの?

おじいちゃんと約束したんだもの
おかくら 継ぐって

(壮太)お店より 早く いい人と
ご結婚されて 普通の家庭を

築かれた方が 幸せなんじゃ
ないかなと思うんですけどね

英作さんも長子さんも そう願って
いらっしゃるんじゃないんですか

お店を継ぐなら なかなか
結婚は難しいんじゃないかって

壮太とも話してるんです

お店をお継ぎになるのなら
お相手は やっぱり

板前が仕事の人がいいに
決まってますし

そんなお相手 なかなかいるとは
思えませんしね

お一人で お店やっていかれるのは
大変ですし

でも 壮ちゃんと まひるさん
いてくれるじゃない

それが いつかは私達も私の実家へ
帰らなきゃなりませんし

(日向子)まひるさんの実家は
旅館でしょ

今は お父様が
調理場 仕切っていらっしゃるけど

いつかは 壮ちゃんが継がないと

それが条件で まひるさんとの結婚
許してもらえたんだから

あっ そうだったわね 聞いてた

いざとなったら 日向子ちゃんに
普通の結婚 して頂いて

お店は 人様に貸すとか 売るとか
したらいい

その方が
ヒナのためには いいんだって

長子さんは おっしゃるんですよ

そうよね 好きな人ができたら

べつに
無理して諦めることないからね

それが
いるんですよ 素敵な彼が

えっ!?
違う! 彼は ただのお客様

いい方なんですよ
中小企業ですけど 社長のご長男で

あの方なら 日向子ちゃんには
最高のお相手だって

皆 そう思ってて

それで お店をどうするかって
話になったり

大きなお世話
私は 調理師が好きだし

このお店も大事だから
一生 一人でもいいの

おかくらは 続けるから
余計なこと 考えないで

(藤川)こんにちはー
(タキ)いらっしゃいませ

準備中の札だったけど
いいですよね

昼飯 混むから早い方が…と思って
(まひる)いらっしゃいませ

もう 開けようと思ってたんです
どうぞ こちらへ

シュークリーム
今日は 行列が少なかったから

ちょっと並んだだけで買えた
えっ…

わ~っ… ありがとうございます

私が どんなに
あのお店のシュークリーム 好きでも

並ばなきゃならないんだったら
とても買えないもの

嬉しい!
皆と頂きます

(タキ)ねっ?
あの人?

そう
すごいイケメンじゃないの

優しそうだし

彼とは 本当に ただのお客様の
お付き合いですから

でも 好きだったらさ
べつにいいんじゃないの?

だって お店を一人でやっていく
って大変だっての

この私が
一番よく分かってんだから

女の幸せっていうのはね
平凡な奥さんになることが一番…

幸せなんだからね

いらっしゃいませ

お待たせしてます

ただいま
せっかく出かけたんだから

ゆっくりしてくればいいのに

母さんがいなくたって
べつに困るわけじゃないから

そうですよ お出かけになって
お疲れでしょ?

無理して お店に
お出になることありませんよ

私達だけで
十分 間に合ってますから

ただいま
(一同)お帰りなさい

せっかく お出かけになったんなら
ゆっくりなさってくればいいのに

お義母さん いらっしゃらなくても
別に困るわけじゃありませんから

(周平)そうですよ
お出かけになって お疲れでしょう

無理にお店に お出になること
ありませんよ 私達だけで十分

間に合うんですから ねえ?
そうだな

(滝本)出前 行ってきます!
(一同)行ってらっしゃい!

チャーハン あがったよ
はい!

うんっ… はあっ…

疲れてんだろ?
お前 早く寝た方がいいよ

疲れてません!

無理して
見え 張ってんじゃないよ

皆 気 使って

お客が混む時は大変だから
休んで下さいって言ってんのに

お前
聞く耳 持たねえんだからさ

ただ 働いてんの
疲れてません

自分で そう思っててもな

若いもんと同じように
器いっぱい載せたお盆 持って

ヨロヨロ ヨロヨロ してんだから
危なっかしくて

見ちゃいられないよ
そういう時だって あるわよ

愛だって 聖子ちゃんだって
疲れたら 同じじゃないの

私のこと 年寄り扱いして…

年寄りだからって
邪魔にしないでよ

何 ひがんでんだよ 皆
お前のこと 心配してんだよ

思いやりじゃないか
愛情だよ

長いこと お前が苦労してきたの
知ってるからさ

もう のんびりさしてあげたい
のんびりしてほしいって

皆 そう思ってんだから
のんびりさせたいって

私に何ができんのよ?

私は 働くことしか 能がないの

友達も いないしさ
あんたは いいじゃないの

おやじバンドがあるから
今からだって 遅くはねえよ

これから 自分のやりたいこと
見つけりゃいいだろ

はいはい 私はね
皆の重荷にはなりませんよ

子供にも うるさく言いませんよ

皆に
子離れしろ 子離れしろって

うるさく言われてさ…
今日だってね

眞のとこに 食べるもの
持ってったんですよ

でもね 眞には やりませんでした

持って帰るの 悔しいからね
おかくらに持ってったの

タキさんと 日向子ちゃんに
久しぶりに会ってきた

日向子ちゃん 偉いわよねえ

長子が 本間クリニックに行って
母親と別に暮らしてんのにさ

もう 立派に…

板前として
一人前になってたもんね

見直しちゃったわ

親なんか いなくたって
立派に育つんだなって

よかったじゃねえか 今まで
外 行くことなかったんだからさ

これからはな そうやって
身内に会いに行くのもいいし

新しい友達つくることも
考えるんだな

友達ねえ…

お客さん たくさんいても
友達って 呼べないし

友達って どうやってつくるの?

はっ…

ウッフフフ…

日本囲碁史上最年少、10歳のプロ
棋士

仲邑菫初段が今日、

公式戦として初めて

男性棋士との対局に挑み、接戦を制
した。

今年の春、史上最年少で

囲碁のプロ棋士となった仲邑菫初
段10歳。

7月の公式戦で初めて勝って

最年少勝利記録を更新。

これまで2勝1敗の成績。

今日は大阪市内で十段戦の予選に
挑んだ。

仲邑初段と対戦するのは

1993年に入団した古田直義四
段。

仲邑初段にとって公式戦で男性棋
士と対戦するのも

持ち時間3時間で戦うのも初めて。

劣勢に追い込まれる場面もあった

抜群の集中力と粘りで

対局開始からおよそ8時間後、

235手で見事、勝利を収めた。

(一同)ありがとうございました!
ありがとうございました

母さんね お店 始まるまでに
帰ってくるから

急ぐことないのよ 行きたいとこが
あったら 好きなだけ

ゆっくりしていればいいの
もう お店に縛られることなんて

ないんだから
はい

≪ありがとうございました

いらっしゃいませ
ご予約頂いた…

中西様でいらっしゃいますか?
あの…

文子 おりますか?

文子?
社長よ

あっ… いらっしゃいます

どうぞ

文子
あっ 五月姉ちゃん

何か あったの?
何か なかったら

来ちゃいけないの?
そういうわけじゃないけど

めったに来ない人が来ると
ビックリするじゃない

相変わらず忙しいんだ
ちょっと相談があって

だったら 四十九日に幸楽へ行った
時に 言ってくれればいいじゃない

いやさ
あんた 忙しくなったから

会社 大きくするっつってたのに
全然 変わってないじゃない

安いツアーは やめたのよ
うん?

今 うちはね
企業のトップクラスの海外視察とか

お金を惜しまない私立の学校の

海外修学旅行とか…

とにかく…

大口で贅沢な海外ツアーを
扱ってるから

普通のお客様の窓口は
少なくて済むの

相変わらず 頭いいのね 文子

私 一人じゃ無理だけど
彼が いてくれるから

考えられないわ 別れた亭主と
一緒に仕事するなんて

私には できない
夫婦だとね ケンカになることも

仕事のパートナーだと思えば
お互いに…

(社員)お帰りなさい
クールになれるからかな

うまくやってる ああ…
(亨)アッハハ…

ああ いらしてたんですか
じゃあ 話は あとで

いやいや 私 すぐ失礼しますから

いや お姉ちゃんだって
用があるから来たんでしょ?

まだ聞いてないじゃない
僕の方は 急ぐことじゃないので

いえいえ どうぞ どうぞ
あっ…

あの仕事は取れた
社長クラスのグループだから

ちょっと手は
かかるかもしれないけど 費用は

こちらの希望を通してくれたから
ああ よかった

コーディネーター
片岡さん 押さえて下さいね

分かってる じゃ ごゆっくり
いえいえいえ…

どうぞ どうぞ
私達 べつに…

内緒話が
あるわけじゃないんですから

あの 亨さん お一人ですか?
はっ?

再婚なさらないんですか?
アッハッハ…

結婚は こりごりです

ハワイのホテルは 望が継いで
何とか やってくれてますし

一人で 好きな仕事をしてるのが
一番です

何かに縛られるのは
たくさんですよ

文子と同じこと言ってるんだ…

お互いに結婚に懲りたから

仕事は いいパートナーに
なれるのねえ きっと

いいわよねえ 仕事があってね…

私なんて お店 出てたらさ

お店に いないでくれって
言われるもんね

皆 五月姉ちゃんのこと
心配してんのよ

幸楽の仕事は 私達と違って
重労働だもん

私なんて
お店に ぶらぶらしてたってさ

友達は いないし 知り合いの
女の人だって いないんだもん

何か お稽古 始めたら?
お仲間が できるんじゃない?

稽古ごとなんて
お金かかるじゃない

それでね 私さ

スマホ始めようかと思って

スマホ!?
ほら さくらがさ

友達いないじゃない
親も かまってやれないし

それで私が
あんた寂しくないのか?って

聞いたのよ 友達もいないし

そしたら スマホがあったら
友達ができるから

寂しくないって言うの

スマホがあって友達ができて
寂しくないんだったら

私も挑戦してみようかなと思って

挑戦って そんなこと考えてんだ
うん

それで 今 スマホ買ってきたのよ
高いんだけど

それで スマホは一番使ってんのは
文子だと思うから

文子に
教えてもらおうかなと思って

えっ 冗談じゃないわよ

スマホは そんなに簡単に
扱えるようにはなれないの

教えてはあげたいわよ

けど 私 とてもそんな時間ないし

あっ やっぱり 難しい 無理か…

買ったお店だったら
教えてくれんじゃない?

だって お金かかる
もったいないもん

あの よかったら私が

あっ 亨さん
いや 今日なら私 時間あるし

そう難しいことじゃ
ありませんから それに

これ 僕と同じ機種です

あっ あの~
私 夜のお店休んでもいいんです

亨さんさえよかったら
ぜひ教えて下さい お願いします

私 知らない人に教えてもらうって
何かみっともなくて

いい? すいません 同じ

大丈夫です
お願いします

(電話のベル)

はい 幸楽でございます

何だ 母さん

ええ

ええ はい
お店のことは心配しないで

ゆっくりしてらして下さい

あっ 文子叔母ちゃんによろしくね
はい

母さん
今夜お店休ませてくれって

文子叔母ちゃんとこに
いるっていうんだけど

何しに行ったのかしらね
いいことじゃないか

お義母さん これまで ご姉妹で

ゆっくりなさることなんて
なかったんだ

これからは そういう機会を
つくるようになさった方が

あっ
写りました?

はい 動画も写るじゃないですか

これを使えば
自分の思ってることを

文字よりもハッキリと
伝えることが可能です

いや~ スマホってすごいですね

これで この動画でSNSを送って

それで気に入ったら
もし返事が来るでしょ

その人を もし気に入ったとしたら
その人に返事を出して

それが友達になれるって… わけ?

あっ これハマりそう

ビックリしたな もう
こんなに早く

分かってもらえるなんて
思ってませんでした

もう立派に使いこなせてますよ

お義姉さん あとは
ゲームのやり方ですけど

いや それは大丈夫です

うちへ帰ったら
若い人に教えてもらいますから

本当にありがとうございます
何かあったら いつでも

私でお役に立てることなら
喜んでお力にならせて頂きます

あっ 8時になっちゃった

よかったら お礼に
お夕飯ごちそうさせて下さい

文子と一緒にどうですか?
すいません

嬉しいな

あら 帰っちゃったのかな

あら?
文子 ごめんね 遅くなっちゃって

あれ? 文子?

文子?

文子!
文子!

救急車呼びます
はい

文子! 文子!

文子

(亨)もしもし 救急車を
お願いしたいんですが ええ…

ひどい貧血らしいんですが

入院して精密検査した方が
いいっておっしゃるんで

今夜は このままこちらへ
お世話になることに

よかった どうなるかと思った

じゃあ 準備があるでしょ
私 手伝います

いえ もう遅いですから

お義姉さんは
お帰りになって下さい

準備なんて何もいらないんです

必要なものは
病院が用意してくれるそうですし

もし 入院が長くなるようでしたら

その時は その時でまた

そうよ 点滴したら
元気になるから

よかったね 亨さんいてくれてね

(文子)うん

(呼び出し中)

☎もしもし おっ 五月か?

通じた!

あの… スマホを買っちゃったのよ
高いんだけど

それで 最初に
一番最初には

あなたにかけようって決めてたの

スマホだ!? お前が?

うん だって公衆電話探すのも
最近は大変じゃない

それで
急いで帰ろうと思ったんだけど

ちょっと皆には悪いんだけど
遅くなっちゃって

色々あったのよ
うちへ帰って話するから

それじゃあ
皆によろしく伝えて下さい

たまには こうやって皆で
夜食食うってのもいいな

ねえ
母さんがスマホ買ったって本当?

スマホなんてもったいないし
あんなややこしいもの

使う気になんてなれないって
言ってた人が まさか

お店でも よく

スマホ見ながら食べてる
お客いるじゃないですか

いつも おかみさん
怒っておいででしたよ

見るか食べるか
どっちかにしろって

スマホのこと敵のように
思っておいでだったんですよ

それがどうして?
それじゃあ 今日は一日

スマホ買いに
お出かけだったんですか?

何考えてんだかな

いいことじゃありませんか

スマホ
楽しいと思われるようになったら

お義母さんも少しは
違う世界が広がるでしょうし

せっかく買われたんなら
楽しくなるほど

使いこなせるように
なって頂きたいな

私がお教えしてもいいな
冗談言わないで

この忙しい時に そんな
のんきなことしてる暇ないでしょ

じゃ 私達 さくらが待ってるから

お疲れさまでした
お疲れさまでした…

たまには お義父さんや皆と

ビールでも
飲みたいとこなんですけどね

分かってる分かってる
愛のやつ うるさいからな

俺達はね 君達夫婦が

仲良くやってくれるのが
一番なんだから

≪(愛)誠
はい!

お義父さんすみません お先に

お疲れさまでした
お疲れさまでした

(誠)
はいはい はい はい 今 はい…

俺 そっち行くわ

タッキーの牛丼も
久しぶりだからな

何だよ お前
夕飯も食べずに帰ってきたのか

だってさ 文子が倒れてたのよ

救急車呼んだりさ
大変だったの

検査結果 聞かなかったら
帰ってこれないじゃない

へ~ 文子さんが

貧血だったの
また明日行ってやんなきゃ

それで 文子さんとこ行く前に

スマホ買ったのかよ
そっ!

スマホ買っちゃったのよ

ちょっと高かったけどさ
こんな便利なものないわね~

まあ難しいけどさ 楽しくてさ

私 世界が変わっちゃったわよ

あら あら つかなくなった
どうやんの?

あら ついた はい 電気
わっ

はい カメラ~

あれ お義母さん?

おはよう
(誠)おはようございます

(聖子・周平)おはようございます
おはよう

皆が来る前に
調理場使わせてもらわないと

邪魔になるでしょう
おっしゃって下されば

作りましたのに
どこかへお出かけなんですか?

昨日も休ませてもらったのに

今日もちょっと
出かけなきゃなんないのよ

そんなことはいいんですよ

お義母さんはもう
お好きなことなさって下さい

お義母さん
いらっしゃらなくたって

お店はやっていけるんです
本当に遠慮なさらないで

お義母さん
さんざん働いてこられて

やっとこういう時が
来たんですから

ゆで卵とチャーシューとザーサイ
もらっちゃった

どうぞ お弁当なら
お手伝いします

何人前ぐらいお作りすれば
いやいや もう終わったから

はい

あら 随分早いわね

五月姉さんに電話もらって
慌てて来たの

透はこの時間しか
来られないっていうから

(透)ご無沙汰しております
どうも しばらく

お義母さんの四十九日には
仕事で出張していたものですから

伺えなくて
とんでもない

まあ 皆忙しいのに
申し訳ありません

検査入院だから
大したことないのに

けど ビックリしちゃった

文子姉さん 姉妹の中で
一番元気だと思ってたから

仕事だって一番やってるしさ

本当 人間
明日のことは分かんないわね

年なんて関係ないんだから
本当

あのまま一人だったら
死んでたかもしれないんだもの

考えさせられちゃった

そうよ 亨さんのおかげよ

あれ 亨さんどうしたの?

今日は忙しくて 私の分まで
やってもらわなきゃならないから

よかったじゃない
もう他人なのに助けてくれて

夫婦の時より
頼りにしてるんだもんね

本当 感謝してるわ

夫婦の時はね
妻としての責任もあって

それ果たさないと男の人は
面白くないみたいだしね

わがままも言えないし

家事なんて苦手な私は
結構プレッシャーもあったの

けど 今は ただの仕事仲間として

何もしてあげられなくたって

お互い
仕事に見合った報酬もらって

対等に付き合える
そういう関係もいいですよね

うちなんて 夫婦で同じ
一級建築士の仕事してますけど

私は仲間と
大きな仕事だけ手がけて

個人の住宅やリフォームなんて
小さい仕事してる葉子とは

全然分野が違うんですよね

だから
私の方がうまくいかない時は

葉子がせっせと仕事取って
稼いでくれて

去年なんて 大きな企業の
ビル建設請け負ったんですけど

突然 その企業が倒産して
とうとう無収入で

葉子に食べさせてもらってました

葉子には頭が上がりません
夫婦でいるのも情けない話です

今頃 何言ってるの

助け合うのが夫婦だって
いつも言ってるでしょ

その代わり 今年は私
遊んで暮らさせてもらうから

はい
仕事してると

子供達に母親らしいこと
してはやれないのよね

今年は思いっきり母親の楽しさ
味わわせてもらう

本当に親子の暮らしに
どっぷりつかって過ごす

実は ベトナムに日本の企業が
ビルを建てるの引き受けて

明日 出発なんです
(葉子)1年はかかるっていうから

その間 女房の役目からも
解放されるでしょ

透が稼いでくれたら
私は仕事休んでもいいし

思いっきり羽伸ばせるの

双子ちゃん 八つになったんだっけ

もうママなんて必要ないよね

今までベビーシッターや
お手伝いさん任せだったでしょ

母親の愛情っていうの
教えてやらないとさ

休みの日には三人でドライブしたり
旅に行ったり

海外旅行もいいし
うんうん

そのうち
親なんか必要なくなるわよ

いいじゃない それで

私 かわいがってやったからって

子供達に何を返してもらおうとも
思ってない

ただ私が母親やりたい時に
やらせてもらえたら それで

文子姉さん
じゃあ 私達はこれで

あっ 透が明日
ベトナムへたつでしょ

色々と挨拶しとかなきゃならない
とこがあるらしいの

ごめんなさいね そんな忙しい時に
わざわざ来てもらって

いえ こんなことでもないと

お目に
かかれなかったかもしれません

よかったです 出発前に伺えて

安心したわ
葉子とは こないだ会えたけど

今日は 夫婦揃って来てくれたから

葉子が本当に幸せだっていうこと
よ~く分かった

けど 本当
明日のこと分かんないわね

一日一日 精いっぱい
大事に生きなきゃね

文子姉さん また来るから

ねえねえねえ
朝早く来ると思ったからさ

私さ お弁当作ってきたのよ
持っていかない?

ああ いい どっかで食べる…
いやいや

五月お義姉さんのお弁当なら
頂いていきます

いや おむすびよ
なおのことありがたいです

おむすび大好きなんですけど
葉子は作ってくれないから

ちょっと 当たり前じゃない

うちの食事をおむすびで
すますなんて女房の恥でしょ

食べたかったら
そう言ってくれたらいいのに

毎日だって作ってあげますよ

何 むきになってんのよ
透さんは優しい人だから

私のことを立ててくれてんの

そんなことも分かんないの?

あっ ねえ
透さんと久しぶりに会ったの

あんた達二人のさ 写真撮りたいわ

ねえ それでさ
ちょっと勇に送ってあげたいのよ

だからさ ちょっと写真撮らせてよ

ねっ ちょっとさ

はい 仲良く 仲良く はい

はい 笑顔 はい~

いつスマホ買ったの? 五月姉さん

スマホ嫌いだって言ってたでしょ
それがね 今ハマってんの

じゃあ 皆で撮ろう

病人も入れまして いいですか?

入る?
いいですか? いいですか?

本当だ
何でVサインすんのよ

じゃあ ハートマーク
はい

(携帯着信)

えっ?

いや 俺じゃありません

(携帯着信)

ちょっと ちょっと

あのね ちょっと皆さんに
言っておきたいことがあります

仕事中は 携帯は電源オフか

マナーモードにしておくこと
これ常識ね

よろしく
(一同)はい

(携帯着信)

えっ?
旦那ですか?

えっ…

あっ 俺だ…

メールだ 五月から
えっ お義母さんからメール?

昨日買ったんでしょ スマホ
まさかメールなんて

写真送りますって こう…

ああ わっ 本当に写真来たよ

これは透君と葉子ちゃんか?

(周平)ちゃんと写ってる
(達夫)見事なもんじゃないですか

五月のやつ 何考えてんだろうな

急に
スマホできるようになったりして

いよいよ遊ぶ気持ちに
なられたんじゃないですか

スマホで遊ぶっていうのか?
暇潰しになりますし

ゲームもできますからね
ゲーム?

くっだらねえ ああ また来たよ

あら これ文子さんだな 見てみ

見せて 見せて

何かさ
お見舞い行ってるっていうよりも

遊び行ってるみたいだな
(愛)楽しそう

あっ
あっ お姉ちゃん

遅くなっちゃって

電話もらって
すぐ出ようと思ってもね

お店みたいなもの持ってると
なかなか自由になれなくって

いいのよ 大したことないのに
五月姉ちゃんが慌てちゃって

何が 大したことないのよ

ゆうべ 死ぬかと思ったんだから!

(弥生)いや 文子はね
私より若いんだから

そんなひどいことになるなんて
思いもしなかったけど

年じゃないのよね

いつ 何があるか

もうちゃんと
覚悟決めとかないとね

今 精密検査終わってね

貧血の原因分かったから
その治療してもらって

退院したら
色々注意して暮らさないとね

今まで不摂生だったから

うん…
私だってどっか悪いんだろうけど

人間ドックに入るのも面倒で

そうね 人間ドックなんて
1回も行ったことない

一度ぐらい行った方がいいのかな

皆 年だものね

急に死んじゃったら
遺言も残せないしね

そろそろ そういう準備を
しとかないとね

そうよね いつ来るか
分かんないんですものね

私も今度で骨身に染みた

色々考えないと

お昼食べた?
えっ

そんな暇 あるはずないでしょ

ボランティアで
お年寄りが集まれるようにって

お店 オープンしたのは
いいんだけれど

思いがけず
いらっしゃる方が多くてね

うちは ただ場所を
使って頂くだけなんだけど

それで何もしないんだけど

私が知らん顔してるわけには
いかないでしょ

一緒にっておっしゃって下さる
方もいるんだけど

そういうのに甘えると
きりもないしね

それで あの…
お昼食べそびれてしまって

そういう場所
つくりたかったんでしょ

文句言えた義理じゃないじゃない

そうね 一人暮らしの
引きこもりの方がお気の毒で

そういう方達に
心を開いてもらえたらって

けど 本当は
私が寂しかったのよね

子供達は
二人とも離れていっちゃって

孫達もそれぞれ
自分達の世界持ち始めて

私なんて
相手にもされなくなっちゃって

良は庭師の仕事に追われて
うちへ帰ると寝るだけで

話をすることもないし

佐枝さんもね
子供が大きくなったら

働きに出るようになって

本当に独りぼっちで

私のすることも
なくなっちゃって

分かる 分かるわ
うん そういう時来るのよね

でもさ
皆に大事にされてると思ったら

いいじゃないの

そうとでも思わなきゃね

ねえ おむすび食べる? ねっ

冷蔵庫にさ
チャーシューも入ってるし

ゆで卵もあるし ザーサイもある

たくさん作っちゃったのよ
長子も来ると思ったし

(弥生)ありがとう
でもさ 文子は食事制限あるからね

あっ ねえ お姉ちゃん 余ったらさ

いっぱい来んでしょ 人が
持ってってあげてよ

ありがとう
今 お茶入れま~す

でも 文子

思ったより元気だったから
安心した

ああ ここで今日は
ゆっくりさせてもらおうかな

そうよ めったにこんなこと
ないんだからさ

あっ でも こんなこと
しょっちゅうあっちゃダメよね

皆 元気で長生きしなきゃ

(良)この部屋いっぱいになって
すごいですね それは

だけどね
ゼロがいくつ並んでもね…

ただいま
(良)お帰り

まあ おにぎやかだこと

いらっしゃいませ
よっ マドンナのお帰りだ

待ってましたよ

今日は留守をして
申し訳ございませんでした

まあ いらしてたんですか
ごめんなさいね

早くお帰りになるなんて
知らないで

いいんだよ
いやあ良義兄さん すごいですね

お年寄りの元気な人達を

庭師のアシスタントに
連れてってるんですって?

もう仕事がなくなった人達を
働いてもらえるなんてね

いやいや手当は 普通の職人さんの
半分ぐらいですから

切り取ったね 枝とか草を
運び出すのが仕事だから

(中井)いや それでも
皆 喜んでますよ

ええ もうお金より
誰かと一緒に

汗を流すことが
嬉しいんでしょうね

私だって 長いこと引きこもってて

それが老後だって
納得してました

で 思いがけず
おやじバンドへ入れて頂いて

誰かと一緒に同じことが
できるようになって

初めて それが分かりました

でも どうして勇さんがここへ?

実は うちの誠が おやじバンド
抜けたいって言い出しましてね

ほら去年 うちの店
改装しましたでしょ?

そしたら何だか
急に客が増えちゃって

誠が 「もう おやじバンドなんか
やってる場合じゃない」って

私も五月も年ですからね

自分達で背負ってかなきゃって
覚悟を決めたんでしょう

もう私達には楽をさしてやりたい
って思いやりなんでしょうが

そういう誠の優しさも
大事にしてやりたいし

それで中井さんに相談したら

誠の代わりができそうな人がいる
ってことなんで

それで伺ったんです
そうなんですか

じゃあ皆さん お夕飯は?

いやいや 佐枝さんに
迷惑かけちゃ悪いからさ

あとで 皆で
どっか行こうって言ってんだよ

あっ
うん?

さささささ… さっ

谷村庄治君です

どうも 初めまして

おやじバンドをやっております
小島勇と申します

メンバーが一人
やめるもんですから

代わりをお願いできる方は
いないかって

中井さんに相談しましたら

あなたを ご推薦頂きましてね
それで今日 早速

ご足労頂きまして
申し訳ありません

(谷村)お話は
中井さんから伺いました

ただ…
私 ピアノが弾けるだけで

今の新しい楽器はどうですか…

体で覚えたものは
忘れてないよ

少し稽古してみたら分かる

ただ 無理をお願いしても

うち ボランティアで
やってるもんですからね

ご苦労をおかけしても
何のお礼もできないんですが

それは承知してます

ボランティアでって伺ったから
お受けしたいと思ったんで

何といっても
ただのアマチュアです

それでもグループの仲間に
入れて頂いて

また演奏できるとしたら
こんな嬉しいことはありません

好きで好きで
楽しみに弾いてたピアノですから

ただ 皆さんの足を引っ張るような
ことになったらと…

それが心配で…

じゃあ 一度
練習してみましょう ねっ

それで自信が持てるんなら

いつか皆さんに
集まって頂けるでしょうか?

皆さんのご意見も伺いたいし

じゃあ早速 明日にでも
これから皆に連絡してみますよ

羨ましいな
その年になっても

一生懸命になれるものがある
ってのは

良義兄さんこそ
羨ましいかぎりですよ

趣味の植木いじりが
定年になったら商売になって

それが今や 何人も人を使う
プロになったんですからね

好きで資格を取って始めた
仕事ですがね

今じゃ 私の手伝いして

少しでも老後の足しにしたいって
のが何人もいましてね

そろそろ私の年じゃ
厳しい仕事ですが

辞めるわけにはいきませんよ
だからいいんですよ

だから頑張れるんですから

すいません ちょっと失礼

どうぞ どうぞ どうぞ

もしもし? 金田さん?
何だ 切っちゃった

(佐枝)
お夕飯のご用意ができました

どっかへ食べに行くから
あら

皆さん いらっしゃるって
伺ったので

慌ててご用意したんです

お口には合わないかもしれません
けど よろしかったら

ありがとう 佐枝さん
私がいられなくて ごめんなさいね

あの うちの嫁の佐枝です

今はあの… 息子と別れて

息子は出て行ったんですけれど

佐枝さん うちへ残ってくれてね

うちのこと してくれてるんです

あの せっかくお夕飯の支度した
って言ってるんです

よろしかったら
うちで召し上がってって下さい

どうも ご迷惑をおかけして

それじゃあ お言葉に甘えて
ごちそうになりますか?

どうぞ どうぞ
甘えちゃって下さい

すいません ちょっと…

はいはい ああ 金田さん

えっ? カラオケやってる?

明日ね…

明日という字は
明るい日と書くのね?

今 そんな話してないから
明日ね

(良)どうぞ どうぞ ねっ

時間がなかったものですから
鍋にさせて頂きました

最高ですね
ありがたいですね

一人暮らしだと つい
できた物 買っちゃうんですよね

こんなに にぎやかに
飯食えるなんて久しぶりです

一人がいいなんて言って 友達の
付き合いもやめてきましたが

年取ると やっぱり
仲間がいるっていいもんですね

忘れてました
こういう時間があるってこと

谷村さんのような
一人暮らしの方に

おやじバンドに入って頂けると
いいですね

これ 五月叔母様から頂いた
おむすびなんです

あっそうか 病院で!

へえ どれどれ?

うん こういう所で食べると
五月のおむすびもおいしいな

ごちそうさまです!
帰ったら 褒めてやろうかな

これね うちの女房がにぎった
おむすびです

よろしかったら どうぞ
いただきます

おむすびが ちゃんこにぴったり
秋の夜

(源太)よっ
才能ありだね

いやいやいや
(良)いやいや 本当 本当

よし

よし

あれ? 何だ五月か?

ああ お帰りなさい
ただいま

ねえ 誠さんの代わりの人が
いたっていうんで

弥生姉ちゃんのとこ
行ったんでしょ どうだった?

まあ一応 その気には
なってくれたんだけどさ

昔 趣味でピアノ弾いてただけだ
っていうから

果たして使えるかどうか

それで 一応メンバーに連絡とって

明日の晩 皆で集まって
練習することにしたんだよ

メンバーに気に入ってもらえるか
どうかも見とかないとな

うまくいくといいね

何やってんの? 今頃

ええ? なかなか
固定したんだけどさ

手元がなかなか
うまく撮れないのよね…

何撮るっていうんだよ?
だからさ この動画をね

撮るのよ これで…

なかなか これ
うまくいかないのよね…

こんなもん撮って
どうなるんだよ?

だから このスマホ

この手元を動画で
撮りたいわけよ

私さ

お店でも 足手まといだって
分かってるから

また ひがんでんのかよ

皆 無理しないようにって
心配してくれてんだろ

愛情じゃねえかよ

私だって そろそろ無理がきかない
ってことは承知してますよ

うちにいたってさ
グダグダしてるだけで

友達もいないしさ
あんたみたいに

一生懸命になれる趣味もないしね

この町内だって
色んなグループがあるじゃねえか

友達なんか すぐできるよ

私 そういうの苦手なの
知ってるじゃない

でもね 友達なんか
作んなくたって

このスマホがあればね
会いに行かなくたって

このスマホで 友達ができて
しゃべれるっていうんだから

それは亨さんから
教えてもらったの

えっ 亨君がスマホ
うん

亨さん優しいのよ 何時間も
スマホの手ほどきしてくれたんだから

それでね私 考えたの

SNSっていうの? それで

5分間で おいしいお料理を作って

SNSで発信しようかと…

お前にそんなことできんのかよ
いや

だって私は17の時から この

幸楽でお義母さんに
料理を仕込まれてるんだもん

新しい人生を それで
やり直してみようかと思ってんの

そんなもん 見るやついるのかよ?

試してみなきゃ
分かんないじゃないの

資本がかかるわけじゃないしさ

それに お店だって

朝早くか

それにお店が終わって
夜遅くやればさ

誰の邪魔にもなんないじゃないの

まあ それで気が済むんだったら

別にいいけどな
うん…

だけどこれ… なかなかね
固定がなかなかうまくいかなくて

今晩から挑戦しようと思って…
貸せ 貸せって

貸してみろ 俺が撮ってやるから

(シャッターを切る)

写真だよ それは
分かった 分かった 分かった

これで四角が出りゃいいんだ

はい 手元ね
手元

こんなもんかな
ちょっと切りづらい

切りづらい?
こっち側まわってよ

いい? ダメだ
顔が入っちゃうな

顔はダメ 顔ダメ
顔ダメなの?

こんなもんか?
ちょっとそば来すぎ

ちょっと店の雰囲気…

店は写しちゃダメ!
店は写しちゃダメ?

何やってんの あんた
重たいよ

ああ 12時すぎちゃってるよ

遅くなって
申し訳ありませんでした

あっそうだ さっきの
亨さんにちょっとメール送ろう

迷惑だろ こんな夜中に

だってメールだもん

明日の朝 見てくれるでしょ

あっ お風呂沸かさなきゃ

今夜 私
中流させて頂きます

何だよ 随分 優しいじゃねえか

だって あんただって これ
力になってくれたんだからさ

このスマホのおかげで 夫婦円満

このスマホに感謝ね チュッ

うわっ うわ~

おはようございます

おはよう よかったね~
出社できるようになって

このたびは 本当に
お世話になりました

あなたのおかげで命拾いして

また仕事ができる

お礼の言葉もございません

五月義姉さんのおかげだよ

お義姉さんがスマホの扱い方
教えてほしいとおっしゃって

お教えしてたから
少し遅くなって

いつもの仕事なら
オフィスが終わった時

帰ってしまってたよ そしたら

君が倒れたのなんて
気のつきようもないし

お義姉さんが
運よく来て下さってたから

そうよね
まだ生きて頑張れってことかもね

けど入院してて 私一人だったら
仕事はどうなってたか

あなたがいて下さったから

あなたがハワイへ帰るの延期して
私の代わりを…

本当に
ありがたいと思ってます

ハワイなんか帰んなくたって

望がしっかりやってくれてるよ

もう望の時代だ

私は名前だけの社長

誰でも年を取ると
そういう時が来るんだよ

それでいいんだ

だから君の役に立てたら

今の私には 言うことない

君もこれからは あんまり
無理しないようにしないとね

うん… いつ何が起きるか
分かんないんですものね

骨身に染みた

たまに病気するのもいいかもな

自分の今を見つめ直すのは
大事なことだからね

そろそろ
遺言も書いとかないとと思って

入院中に
弁護士さんに来てもらって

遺言状 作ったの

これ あなたに預けとく

いや… そりゃまた
気の早いことだね 遺言状だなんて

でもね 私に預けられても

私の方が先にいくかもしれないし

とにかく この遺言状はね
あなたに

私の遺産全てを
相続してもらうためのものなの

私に!?

遺産っていったって
大したことないもん

今のマンションと
この会社の経営権と

まあ どれだけ残せるか
分かんないけど

現金や 宝石や?

とにかく その時
私が持ってる物 全て

いやあ よしとくれよ

君の物をもらおうなんて
もうとっくに他人だし

今 私が一番大事なのは
あなたなのっ

遺言状 書いとかないと…

こんなもの書いたって

どれだけの物
残せるか分からない

もしかしたら
借金があったりするかもしれない

その時は 私の方から
破棄させてもらうわね

とにかく

あなたに相続してほしいの

私の 心からの願いなの

そうしたら安心できるの

それで 君の気持ちが済むんなら

一応 預からせてもらう
うん

遺言って大事よね~

ちゃんと書いとかないと
あげたい人んとこには

いかないんだもん

五月姉ちゃんのお姑さんが
亡くなったでしょう?

その遺産は 息子の勇さんと

娘の久子さんと邦子さんに
相続権があるんだけどね

嫁の五月姉ちゃんにはないのよ

でもね 幸楽のお母さん

嫁の五月にって

遺言書いて

弁護士さんに預けてくれてたの

嫁の五月姉ちゃんの
長い間の苦労も分かって

五月姉ちゃんの将来のことも
考えてくれて

五月姉ちゃん

泣きながら感謝してた

ああ 遺言って
すごいなと思ったわ

だから私も書いたの

病気すると
そういう気持ちにもなるのよね

あっ スッキリした

さあ これからも
せっせと稼ぐわ

残したい人がいると思うと
稼ぎ甲斐があるものね

文子って 意外と優しいんだね

仕事一筋だとばっかり思ってた
私はそういう文子が好きだけどね

いやもう 今だって変わんないわよ

仕事人間だし

夫婦でいるより
仕事のパートナーとしてのあなたの方が

ずーっと好きだし

私も その方が 余計な気を
使わなくて居心地がいいよ

(携帯着信)

おおおっ 今日のもうまそうだね

何?
うん?

SNSで料理の作り方を
配信している人がいてね

お知り合い?
うん?

言ってもいいかな いいよね
SNS使うっていうのは

皆に見てほしいと思うから
なんだもんね

一体 誰?
へへー

五月義姉さん
えっ!

「17から中華料理店で働き」

「その店の嫁になり
働き続けたが」

「年取って 足腰が弱くなると
店の邪魔になるようになる」

「友達もいないので
せめて簡単に作れて」

「おいしい料理を
皆さんに見てもらいたい」という

メッセージがついてて
料理の作り方を発信してるんだ

動画って…
あなた教えたの!?

もう 何回か投稿してるんだけどね

何と見てる人が どんどん増えて

いっぱい返事も来てるんだよ

不思議な世の中だよね

それがきっかけで
五月義姉さんと

コメントのやりとりをする人も
出てきたって

五月義姉さん 舞い上がってるよ

新しい世界が広がったって

すごいじゃない! スマホだったら
座ったままできるから疲れないし

コメントのやりとりで楽しめるん
だったら 言うことないもの

スマホって 使い方によっては
人を傷つけたりすることもあって

嫌う人もいるけど

体が不自由になって 外へ
出られないようなお年寄りには

楽しい世界を広げられる
手段になるよね

五月義姉さんもスマホ
友達たくさん作ったらいいんだ

うん

(愛)またやってる

開店前に お店手伝うのは
邪魔にならないからって

出てくれるのはいいけど

近頃はスマホ相手にしてる方が
多いんだから

いいじゃないですか お料理の動画
結構 人気なんですよ

私もスマホを見て
ビックリしました

見てる人 多いんですよ
コメントもたくさん来てるし

お店 一度行ってみたいから住所と

お店の名前 教えてほしい
なんてのもあったりなんかして

母さん お忙しいですね
ついでにお店の宣伝もして下さい

いや 私のこのスマホはね
趣味だから

お店には関係ないの ダメ

そうですよね
お店分かっちゃったら

皆来て 大変なことに
なっちゃいますもんね きっと

あくまでも趣味だからね~

それほど五月さん
人気のスマホおばさんなんですよ

じゃあ行ってくるからな
あと よろしく頼むね

いや よかったです
私の代わりに いい人見つかって

これで私も安心して
調理場の仕事に専念できます

ピアノ お上手な方なんですって?

この間 集まってテストする時は

大丈夫かなって
不安だったんだけど とてもとても

私なんて足元にも及ばない
プロ級の腕だった

あのまま引きこもってるなんて
もったいない話だ

まあ また楽器を触れるって
ご自分でも喜んでおられた

いや 私が頼りにされると
どうしても

ボランティアに行く回数が
制限される

けど これからは
毎日でも演奏できる

おやじバンド 忙しくなりますね

皆 暇なのかね
「毎日でも行くぞ!」って

皆 張り切ってるよ

皆さんによろしくね
ああ あっ今日な

練習終わったら 新人の谷村さんの
歓迎会 うちでやりたいから

そっちの方は頼むな
はい 行ってらっしゃいませ

あの 谷村さんがお使いになる
私の楽器

セッティングしてありますから
OK

行ってきます
行ってらっしゃい

あっ 来た

♬~

(華江)♬~岬めぐり

♬~バスは走る

♬~僕はどうして

♬~生きてゆこう

♬~悲しみ

♬~深く

♬~胸に沈めたら

♬~この旅 終えて

♬~街に帰ろう

おおー 帰ってきた 帰ってきた!

ごめんごめん 遅くなっちゃって
いいの いいの

マスターは俺達と違って
まだ現役で忙しいんだ

気にすることないのよ
いやいやいや

おかげさまで私もね 誠君が
店の責任者になってくれたから

本当に自由になった

頑張るよー!

じゃあこれからは オファーがあったら
断らないでいいんだな

私も庄治君も のんきな身分だ
なあ?

もういつでも どこへでも
行きますから!

ただ華江さんは母親でもある

ダメな時には
遠慮なく おっしゃって下さい

と一応 言っておきます

私だってもう 娘夫婦の代になって
はみ出し者ですからね

勝手に やらせてもらってます
ご心配なく

いいな いいな もう
この年になって

こんな素晴らしいメンバーと
仲間になれるなんて もう夢だ

夢ですよ

では 始めますか?
待ってました!

準備はOKですか?
(一同)OK!

では 「心をギュッと
抱きしめて」から いってみよう

華江さん よろしく!
頑張ります

ドンカマ

いきますよ~

ワン ツー ワン ツー スリー

♬~

♬~金は無いけどヒマならあるさ

♬~

♬~居場所は無いけど
ロマンはあるさ

♬~

♬~人生まだまだ

♬~これからですよ

♬~今夜は仲間と一騒ぎ

♬~

♬~WOW WOW MY DREAM おまえを

♬~おまえを

♬~いつも追いかけていたいのさ

♬~

♬~WOW WOW MY LOVE 俺の

♬~俺の

♬~心をギュッと抱きしめて

♬~

♬~WOW WOW MY DREAM おまえを

♬~おまえを

♬~いつも追いかけていたいのさ

♬~

♬~WOW WOW MY LOVE 俺の

♬~俺の

♬~心をギュッと抱きしめて

♬~

♬~心をギュッと抱きしめて

♬~

五月姉ちゃんも

面白いことしてるなあ

ああ でも おいしそう

人気があるの 分かるな

ただいま
あっ お帰りなさい

ただいま
(ハル)戻りました

お帰りなさい お疲れさまでした

竹田のおじいちゃん どうでした?
あっ 大丈夫

(由紀)竹田のおじいちゃん
90過ぎてらっしゃるでしょ

延命治療はしないでくれって
ちゃんと書いてらっしゃるから

家族の方も納得してらして

せめて 楽に最期を
お迎えになれるようにって

お兄ちゃんも そういう処置だけ

けど 急にカレーが食べたいって
言いだして用意してもらったら

何と 「うまい うまい」って
ケロリと平らげて

「うちへ帰ったから食べられた
うちはいい」って喜んでくれてさ

(由紀)病院では反対されたのに

お兄ちゃんが主治医と
よく話し合って おじいちゃんの

うちへ帰りたいっていう希望
かなえてあげたんだから

ご本人と家族の気持ちが
ハッキリしてたから

息子さんも娘さんも

うちでみとって
静かに送ってやりたいって

父親の気持ちを よく分かってたし

あと2~3日と思ってたけど

意外と元気で安心したわ

とにかく最後まで
しっかり みてあげないとな

お夕飯 まだなんでしょ
今 すぐ支度します

ああ 大丈夫
じゃ 私はこれで

お疲れさまでした
お疲れさまです

竹田さんで おじいちゃんと一緒に
カレーごちそうになった

竹田のおじいちゃん お兄ちゃんや

家族と一緒に食べるのが
嬉しかったみたい

患者がハッキリ 自分の意思を

分かってもらえるように
しといてくれたら

私達も十分な
在宅医療ができるんだけどね

しょうがないわよ
家族は病院に入れた方が楽だから

終末医療を自宅でっていう人

なかなか いないんじゃないのかな

じゃ とにかく早く休んで

竹田のおじいちゃんの
容体によっちゃ

徹夜続きになるかも
しれないでしょ

休める時に休まないと
はい

(電話のベルが鳴り)急患かな

はい 本間クリニックでございます

はい? ああ~ タキさん
あっ

いつもヒナがお世話になってます

はい はい

分かりました
じゃ 明日 帰らせて頂きます

はい じゃ 明日

おやすみなさい

おかくらから? 何かあったの?

話があるから来てほしいって

おかくら
預かってもらってる人から

来てほしいって言われたら
行かないわけいかないでしょ

それに私に話があるなんて
普通じゃないような気もするし

とにかく明日 行ってきます
明日 私がいなくて

ご迷惑かけるかもしれないけど
ごめんなさいね

このうちのことは
私らで できるから心配しないで

けど 急に呼びつけるなんて

長子さんが どんなに忙しいか
分かってないんじゃないの?

いや タキさんも そういうことは
承知してるはずなんだけどね

大したことじゃないと
いいんだけど

お母さん どうしたの? 今頃

お父さんや
由紀叔母さん達 忙しいんでしょ

お母さんが
うち空けてていいの?

私が お願いして来て頂いたんです

分かった 藤川さんのことでしょ

彼は ただのお客様だから

(タキ)でも 昨日はハッキリと

日向子ちゃんと結婚したいって
おっしゃったのよ

わざわざ ご両親も一緒にいらして

日向子ちゃんさえ よかったら
正式に お話を進めたいって

もちろん
日向子さんは このお店をやめて

あちらのおうちの人間になるって
いうんですよ

それが条件で
ご長男で いらっしゃるんだから

当然のことでしょう
やめてよ その話は

私は本間家の一人娘なの

お嫁に行けるわけないでしょ
このお店だってあるし

お店のことは どうにでもなるの

ヒナが
責任を感じることなんてない

ヒナが その方のことが好きなら
結婚すればいい

それがヒナにとって
一番の幸せなんだから

好きとか嫌いとかは二の次

私は
このお店で調理師してたいだけ

その条件が かなえられなきゃ
たとえ どんなに素晴らしい人でも

結婚の相手にはならないの

それは
藤川さんにも よく話してあるし

だから ご両親にも藤川さんとの
結婚は ちゃんとお断りした

それで
藤川さんとのことは終わったの

わざわざ
お母さん呼ぶことなんてないの

私は今でも このお店を
背負っていかれるより

平凡な結婚をなさった方が
いいって信じておりますよ

こんな いいお話を
お断りするなんて もったいない

しかも 日向子さんは藤川さんには
好意をお持ちなんです

それぐらい 私だって分かりますよ

よく分かりました

この際 何よりも大事なのは

ヒナが藤川さんのことを
どう思ってるかでしょ

好きなら何にも迷うことない

ご両親からも賛成してもらって
お嫁に行けるの

こんな ありがたいことなんて
ないんだから

何度 言ったらいいの
好き嫌いなんて関係ないの

私は このお店で
お客様の喜んで下さるものを

召し上がって頂く調理師って
仕事が好きなの それだけのこと

もう二度と この話はしないで

この人って思えるような人が
現れたら ちゃんと話すから

おはようございます
(タキ)藤川さん…

ゆうべは両親もお邪魔して
大変 ご迷惑をおかけしました

いや… あの
日向子ちゃんの母親です

(タキ)あの
さっきまで話してた藤川さん

日向子の母です

藤川さんから ヒナが
結構なお話を頂いたと伺って

ヒナの気持ちを確かめようと
思って来たんですけども

ご両親からも
お許しを頂いてるっていうのに

ヒナ本人が
わがままなことばかりを

申し上げているようで
本当に申し訳ありません

一度 日向子の父親と
よく相談してから また…

それはいいんです もう

日向子さんの
お気持ちはハッキリ伺って

何言っても変わらないことくらい
よく分かってます

そういう強さが
日向子さんの素晴らしさでもあり

私が一番
ひかれてるところでもあるんです

藤川さんだって 日向子ちゃんには
もったいないような いい方ですし

私は 日向子ちゃんを
幸せにして下さる方だって

信じてるんですよ

何とか このご縁が
うまく まとまりますようにと

願っておりますから

もう一度 日向子さんを
説得させて頂きます

もうしばらく
お待ち頂けますようにね

長子さんだって同じお気持ちよ

いい加減にして
昨日 ちゃんと お断りしたのよ

今さら何を言っても無駄なの

藤川さんだって
納得して下さったの それでいいの

ヒナ
それでいいんです

私は日向子さんに
うちへ来て頂くのは諦めました

ごめんなさい せっかくのご好意を

無にするようなことになって

その代わり お願いがあります

私を
こちらで働かせて頂きたいんです

俺 調理師になりたいんです

あなたの弟子にして下さい
何年かかってもいい

一人前の調理師に
仕込んで頂きたいんです

何バカなこと
おっしゃってるんですか

藤川さんは立派な商社の
後継者でいらっしゃるんです

そのために一流の大学を出て

調理師になりたいなんて
何を考えてらっしゃるんですか

僕 小さい時から
食べることが好きで

その料理を
作ることにも興味があって

よくキッチンで お手伝いさんの
することを見てました

けど 調理師になろうなんてことは
考えてもみませんでした

でも 友達に
こちらへ連れてきてもらって

壮太さんや日向子さんが
目の前で作ってるのを見て

楽しそうだなって羨ましかった

作ってくれるものも皆 おいしいし

調理場で
生き生き働いてる日向子さんを

素晴らしいと思ってるうちに

いつか
好きになってしまっていたんです

ただ その時でも まだ自分が

調理師になりたいなんて
思ってもいないで

日向子さんと結婚することだけを
考えていました

ところが 日向子さんには

おかくらという店を継ぐ責任が
あるからって 簡単に断られて

やっと目が覚めました

おかくらを出られない
日向子さんと

結婚したいのなら
どうすればいいか

俺も調理師になって
おかくらで日向子さんを

支えられるように
なったらいいんだって

そんなこと ご両親が
お許しになるわけないでしょう

親のために子供は自由に
生きられないなんて バカなこと

もし反対されたら
うちを出るまでです

藤川さん?
私は

親の会社を
継ぐ気なんてありません

うちは物流というか

物を売ったり
買ったりすることで儲ける商社で

ものを作る仕事じゃないんです

とにかく 数字ばっかり見つめてる
つまらない仕事なんです

だったら 料理作って人様に
喜んでもらえる調理師の方が

どれだけ
やりがいがあるかしれません

親父の会社を継ぐなんて
ごめんです

うちには弟も二人います
彼らが継げば済むことで

今 それに気づいてよかったです

どうか こちらで
調理師の修業をさせて下さい

一人前になれたら
日向子さんだって

私との結婚を
考えて下さるかもしれないし

私には今はもう そういう
生き方しか考えられないんです

お願いします!

私に頭下げられましても

私が
決められることではないですし

もう一度 よく
ご両親と ご相談なさって

まだ ご両親は調理師になることを
ご存じないんでしょ

こちらでOKして下さったら
両親にも話すつもりで

ハッキリ申し上げておきます

私のために調理師になろうと
思われるのなら迷惑です

ご両親が反対なさったら
諦められた方が…

もう決めたことです

絶対 親を説得してみせます

英作にも来てもらえばよかった

とにかく思い込みの激しい人で

私達の言うことなんか
聞いてないんだから

俺が行ったって
変わるような男じゃないよなあ

けど ヒナのために
調理師になるっていうんだろう

結構 まっすぐで
いい男かもしれないじゃないか

親を泣かせるなんて
同じ親として許せない

27だっていうんだろ
親には関係ない年だよ

息子が自分で考えて
自分で決めたことだよ

親が とやかく言うのはおかしいよ

いや けどさ
ヒナは彼のこと どう思ってんだ?

もしホレてるんだったら
一緒になってもいいしさ

ヒナは
どんなに好きな人ができても

おかくらへの責任の方が
大事だって言うだけで

好きなんだか 嫌いなんだか

まあ 俺達が
とやかく言うのは おかしいだろう

本人同士の問題なんだから

ヒナと彼とで決めたらいい

俺が わざわざ行くこともない

親が口出すことじゃないんだから

ヒナの一生が かかってるって
いうのに 無責任なのね

ヒナの一生が かかってるからこそ

ヒナ本人が決めなきゃ
悔いが残るだろ

もう寝る
えっ?

明日 早く行かないと
心配な患者さんがいるんだよ

ちょっと 英作にはヒナのことより
患者さんの方が大事なの?

もう 当たり前だろ ヒナには
もう親は要らなくなってるがね

患者さんには
俺が必要なの おやすみ

ちょっと!

嫌だ ちょっと ねえ ねえねえ

おはようございます

おはよう
やってますね

もうさ
朝の準備の前には終わろうと

思ったんだけど ごめんなさいね

大丈夫です
私 今朝 早く来たから

お義母さん
やりましたね

こんなに大勢の人が見てくれてて

コメントも たくさん来るなんて

いや もうさ
スマホって楽しいよね

友達も たくさんできたし

いや これね
お義母さんのメッセージも

ウケてるんじゃないですかね

「中華料理店で40年以上
働き続けてきたけど」

「年をとると足手まといになって」

「店から はみだして
急に暇が出来ました」

「もう誰からも
相手にされなくなったので」って

お義母さん
そんなことないですから

「せめて
スマホで誰かとつながれたらと」

「これを流すことにしました」

「ひとりぼっちの年寄りの
ささやかな願いです」って

これ 見る人の心に響くんですよ

正直な私の気持ちだもの

だって スマホやってからさ

私に会いたいとか それから

お料理教室やってほしいとかって
言ってくんのよね

でもさ そんなことしたら 私
動き とれなくなっちゃうじゃない

だから私は ただの

スマホのお料理おばさんで
いいと思ってるの

それだけで楽しいもん

よかった お義母さん
すっかり明るくなりましたね

でも 正直言ってね

町内会の会館 借りて お料理教室
開きたいなと思ってるの

いいですね 応援しますよ

いやいやいや…
いいの それは実現しなくても

私の 夢だけで
ちょっと元気出るから

(着信音に)
あれっ あらっ…

長子だよ
はいはい

はい もしもし 何?

えっ 今日?

うん いいけど

うん 後で

はいはい
分かりました じゃ 行きます

はい じゃ 後で はい

あの
長子さん 何かあったんですか?

うん 岡倉は私の実家だからさ

長子が来てほしいっつったら
行かなきゃなんないじゃない

ねえ ちょっと見てくれる

さっきの ほら どう これ?

あっ おいしそう これ

我ながら
ちょっといいと思わない?

いいです いいです

あと これ書き込めばいいから
じゃ はい 食べていいよ

えっ 本当に? いいですか
いい いい 食べて

ちょっとね 朝から実は
おなかがすいていて 本当に…

何で そっち食べるかな
こっち食べない? 普通

うちを出てきたって

もちろん ご両親には お許しを
頂いていらしたんですよね

親になんて言ったら うちに
閉じ込められて出られませんよ

では うちへは
もう帰られないんですか?

すぐ近所に部屋を借りて
必要な物は運びました

もう後へは引けないんです
こちらで修業させて下さい!

ご両親のお許しもなく そんなこと

親だって 私の覚悟が分かったら
許してくれると思います

その覚悟を示すために
うちも出たんです

よろしくお願い致します!

ここまで心を決めて
うちへ いらしてるの

もう お断りするわけには
いかないでしょ

ヒナ 軽々しく そんなこと!

もちろん 会社だって
辞めていらしたんでしょ

簡単に
次の就職なんて できないだろうし

とにかく 料理を作る仕事が
したいって おっしゃってるの

きっと今まで
うちへ いらしてて

壮ちゃんのお料理を
気に入って下さったんだと思う

日向子さんの腕にも感服してます

和食の中に
いつも新しいものを取り入れて

このお店でしか
食べられないものを作ってる

すごい才能ですよ
ぜひ私も勉強したい!

じゃ 今日から
調理場に入って頂きますか

そんなことしたら
ご両親がいらしたら どうすんの?

必ず おいでになるわよ
お母さん ご両親に顔向けできない

勘当されるのは百も承知の上です
そんな親不孝なこと

私が幸せになれるのなら 親だって
喜んでくれていいでしょう

私は やっと自分の本当に
いきたい道を見つけたんですから

うちにいて頂きましょう

生半可な気持ちで
いらしたんじゃないんです

お店のためにも
何よりの方じゃありませんか

白衣 お貸しします ねっ

こちらへ どうぞ

よかった 一日も早く 一人前の
調理師になれるよう頑張ります!

お母さん
どうなっても知らないからね

余計なこと しないで下さいよ

何も あんな疫病神
抱え込むことないでしょう

(小声で)日向子さんのことも
あなた 考えて下さいよ

日向子ちゃんね
あの方のこと 好きなの

そんなこと分かってますよ

だからこそ
諦めさせるためにも断らないと

日向子ちゃんは
将来 あの方と一緒になって

ご夫婦で おかくらにいらしたら

こんな
いいこと ないじゃありませんか

そんな
うまくいく道理がないでしょ

ヒナもヒナよ
男なんて いくらでもいるのに

よりによって あんな人

(日向子)
じゃあ まずは手を洗って下さい

はい よろしくお願いします

すいません
あとは よろしくお願いします

はい
はい

じゃ すいません

もう 母さん 当てにはしてない
って言ってるでしょ

ゆっくりしてらして下さい

だって お父さんだって 今日
おやじバンドで抜けてんでしょう

お父さんにも母さんにも
やっと そういう時がきたの

二人がいなくたって
何とか やっていけるんだから

どうか
お好きなこと なさって下さい

前は そういうふうに言われたら
寂しかったんだけどね

でも 今は ありがたいと思ってる

じゃあ
あとは よろしくお願いします

(一同)いってらっしゃい
はい お願いします

来て下さったんですか
うん

あの 今 ちょっと
ややこしいことになってまして

皆様とお会いになる前に
事情をお話ししておいた方が

どうぞ

ええっ 母親が連れ戻しにきた?

昇さんは 日向子ちゃんを愛してる

日向子ちゃんは 昇さんを好き
ええ

どんなに好きなお人でも
日向子ちゃんは

おかくらを継がなきゃならない
って気持ちが お強いから

決して 愛だの恋だのっていう
浮いたお話は なかったんです

藤川さんだって
立派なお宅のご長男ですから

日向子ちゃんは はじめから
諦めておいでだったんです

でも 調理師になってまでも
っていう藤川さんに 心開かれて

おかくらで修業なさること
受け入れられたんです

それを 親が反対で乗り込んできた

私が話する
えっ? えっ?

ちょ… ちょっと待ってください

(芳子)さっさと
その白衣脱ぎなさい みっともない

お父さんだって私だって あんたを
こんなとこで働かせるために

育てたんじゃないの

もちろん こんな店の娘と
結婚させるつもりもない

今すぐ帰るの 迎えにきたんだから
(藤川)いい加減にしてくれよな

俺の人生は俺が決める
誰に文句も言わせない

まあ いやだ

すっかり ここの小娘に
いいように振り回されて

お初に お目にかかります

私 日向子の伯母でございます

いろいろ事情は伺いました

お母様のお気持ち よく分かります

私にも
たった一人 息子がおります

私のうちは
中華料理の店をやっております

息子は 店の跡は取りたくないと

私達の反対する娘と
結婚致しまして

嫁は 店とは関係ないって

店には 寄りつきません

息子は 嫁の言いなりで

尻に敷かれっぱなしで

相続は放棄するから

親の面倒をみる義務はないって

もう 親子の縁を切れたも同然で

まあ 店の方は
娘が継いでくれまして

ほっと致しました

今 娘夫婦の代になりまして

親は 邪魔者扱いです

親は くやしい思いをしております

けど よく考えましたら

子供は 二十歳を過ぎたら
自立したら

親が とやかく言うことは
間違ってるんじゃないかって

今 やっと
そう思えるようになりました

いつまでも 親の世話に
なってるような子供では

親は 死んでも死にきれません

子供は 育てる楽しみをもらった

いつか 親がいらなくなって

ひとり歩きできるようになったら

親は 喜んで
子離れしてやらなきゃって

今 肩の荷下ろしたつもりで

そういう気持ちで

自分のために これから生きようと
思っております

色んなことをやろうと思ってます

お母様

昇さんは

やっと 自分の幸せになる道を
探したんじゃないんでしょうか

母親から見て
とんでもないことでも

昇さんにとっては

一番幸せになる道を
選んだんじゃないでしょうか

私も 今まで

くやしい思い してきました

けど 親が反対することは
できないんです

ですから

昇さんのやりたいこと

どうか させてあげてください
お願いします

大事に 預からせていただきます

もしかしたら 今は調理師への
希望を持っておいででも

途中で挫折なさることだって
あるでしょう

せめて
ご本人が納得なさるまででも

大目に見てさしあげて下さい

(藤川)母さん

いつか ここで

俺の作った料理 おいしいって
食べてもらえるように

しっかり修業するから

ご心配なら
いつでも どうぞ いらして下さい

お待ちしてます

どうぞ ご夫婦お揃いで

早く お母様 追いかけて
二人で よく話してきて

いいんだ

いつか こういう日はくる

お袋も俺も
こういう時を乗り越えなきゃ

本当に分かりあえやしないんだよ

ご迷惑おかけしました

でも

お袋は
少しは分かってくれたと思います

ああ ビックリした

ご両親が いらっしゃるって
分かってたから

五月姉ちゃんなら 力に
なってくれるだろうと思って

呼んだんだけど

まさか
あんなふうに説得するとはね

五月姉ちゃん 見直しちゃった

そうですよね 私

五月さんが お見えになる時

あちらのお母さんと 大ゲンカに
なるんじゃないかって思ってた

やさしくやさしく言わなきゃって

もう 自分らしくなくてさ
くたびれちゃった

五月さんが ご自分の経験を
お話しになってる時

涙ぐんでらしたでしょ

それ あちらのお母さんも
こたえてらしたのよ

本当よ

なんとか お袋に喜んでもらえる
ようになりますから

皆さん
どうか 厳しく仕込んで下さい

(電話のベル)

幸楽でございます

なんだ 眞

母さんは いない

長子叔母ちゃんに呼ばれて
出ていったから遅くなるんじゃ…

えっ 私に頼みたいことあるって
どうしたの?

分かった

じゃあ
とにかく今から行くから はい

ただいま
(一同)おかえりなさい

眞から電話で すぐ来てくれって
ちょっと行ってきます

何の用なんだよ
頼みたいことがあるって

ほっときゃいいんだよ
そういうわけにいかないでしょ

何だか 切羽詰まった声で 最初
母さん当てにしてたみたいだから

貴子さんとか
香ちゃんのことじゃないの?

よし 俺が行くわ

お父さん行ったって
何もしてはやれないでしょ

母さんか私を頼りにしてるのよ
お父さんじゃ役に立たないこと

じゃあ お前も一緒に来たらいいよ

だから 私一人行けばいいの

俺は 眞の父親だぞ

たまには 息子と
話し合いたいことだってあるんだ

誠君 夜の店には 間に合うように
帰ってくるからな

いや 眞ちゃん お忙しくて

ここには
なかなか おいでになれないんです

久しぶりに お会いになるんです
ゆっくりしていらして下さい

どうせ
ろくなことじゃねえだろうけどな

ちょっと行ってきます

(チャイム)

はい

(愛)眞? 私
ああ はい

ああ ごめん 忙しいのに
わざわざ来てもらっちゃって

わおっ 父さん…

父さんまで来てくれること
ないんだって

(愛)
何バチあたりなこと言ってるの

お父さん 眞のこと 心配して

貴子さんは?
出てった

香ちゃんも 一緒に?
香は置いてったよ

それで困っちゃって
俺 仕事あるしさ

(愛)またケンカしたの?

(眞)もう今度という今度は
あいつと別れる

幸楽へ帰ることにしたから

ただ 今夜は仕事の約束があって

まさか 香を連れてくわけに
いかないから

とにかく 母さんか姉貴に
香を見ててもらおうと思ってさ

それで 明日 引っ越し屋に
来てもらって 幸楽へ帰るから

よろしくお願いします

何をバカなこと言ってんだ 今頃

そんなことだろうと思って
来てみたんだよ

今まで 辛抱に辛抱してきたんだ

もう我慢の限界なんだよ

別れんのは勝手だけどな

幸楽へ帰ってきたって

幸楽には もう
お前の寝る部屋なんか ないからな

自分で探すんだな

店でだって寝られるだろ

そんなとこまでに
なっちゃったの?

もう あいつの顔なんて
二度と見たくない

そんなこと言わないで

別れたりして 香ちゃんどうするの
俺が育てるよ

(愛)あんた一人で できるわけ
ないでしょ 頭冷やしなさい

俺は 寝る時間も惜しんで
働いてんだよ

誰のためでもない
貴子や香のためにだ

それを「うちのことも子育ても
何もかも私に押しつけて」

「もう我慢できない」とか言って
ふてくされて

うちに帰ったって
文句や愚痴ばっかり聞かされて

ろくに飯も作んないんだから

あげくに香置いて うち出て もう

これでも辛抱しろっていうの?

本気なんだ
当たり前だよ

あんなやつといたら
俺がダメになっちまう

いい加減にしろ!

グダグダ グダグダ
勝手なことばっかり

貴子さんを選んだのは
お前なんだぞ

金持ちのうちに育って
わがままなのは目に見えてたから

お前には ふさわしくないって
俺達 反対したんだよ

でも お前も貴子さんも

親の言うこと無視して
一緒になった

お互い 自分の責任で
生涯の伴侶にって決めたんだろ

それを

親には関係ない 別れるから
親んとこへ帰ってくるなんて

そんな勝手なことが
できると思ってんのか?

結婚なんていうのはな

お互い 努力しなきゃ
続くもんじゃないんだよ

お前が ホレて 決めた人だろ

気に入らないとこがあったって

お前が辛抱して
貴子さんのこと理解してやれ

お前は自分の意志で
幸楽継ぐのをやめて うち出たんだ

もう幸楽へ帰ってこられるなんて
思うんじゃないぞ

自分で選んだ人を大事にしなきゃ

貴子さん 責める前に

貴子さんのつらさも
分かってやりなさい

子育てっていうのは
大変なんだから

あなた そんなこと
眞に言ってきたんですか

お前がいなくて よかったよ

お前がいたら よく
帰る気になってくれたって喜んで

眞 ここへ
置いてたかもしれないからな

やめてくださいよ 人 バカにして

私はね

とっくに 子離れしなきゃいけない
なんてことは分かってるんですよ

私だって その場にいたら
同じこと言ってますよ

私は もう子離れできてるんです

私 岡倉へ行って
同じこと言ってきたんです

私 子離れできてないなと
思ったんだけど

人には いつか
立派なこと言ってたんですよね

その時に

あっ 子離れできてるんだなって
嬉しかった

これからはな

お互い 好きなことする時間作って
楽しくやってこう

仲良くね

本当に お前も
今まで よく働いてくれたな

心から感謝してるよ

何よ 今頃 気味悪い

今だから言えんじゃねえかよ

そうね

そうですよね

今だから 私も

ありがとうって言いたい

長い長い時がたったから
言えることなんですよね

本当に長かったもんな

振り返ったら
色んなこと ありましたね

幸せでした

また 同じことが言えるように

もう俺達夫婦しかいねえんだから

仲良くやってこう

あっ ねえ

またさ 姉妹で
配当もらいに岡倉集まんの

そっか

もう1年たったのかよ

早えなあ

タキさん しっかりしてるからね

配当もらえるなんて ありがたいわ

じゃ いただきます

昇さん とっくに お母さんに
連れて帰られてると思ったら

修業してるんだ

諦められたそうですよ

パソコンと向かい合ってる
人生より

自分で料理を作って
人様に喜んでもらえる仕事の方が

やりがいもあるし 楽しいだろう
って お父様も納得されて

会社の方は 昇君でなくても

弟さんが二人いるから心配するな
って おっしゃいましてね

じゃ 昇さんと日向子ちゃん
二人で頑張って下さい

五月姉ちゃんの
この間のお説教が きいてるみたい

感謝してます

お父さんとお母さんに
ごあいさつしてきました

では

(日向子)今年も おかげさまで

ほんの少しですが おかくらの
利益を配らせていただきます

ありがとうございました

(一同)ありがとうございました

まあ

(弥生)ありがとうございます

日向子ちゃんだけじゃない

皆さんのおかげです

ことに
タキさんには お世話になって

どうか いつまでも日向子ちゃんを
支えてあげて下さい

ありがとうございます

日向子ちゃんの結婚式までは

大丈夫

タキさんは 100歳まで
お元気でいらっしゃるから

うちは だんなが
1年 ベトナムで仕事なの

だんなが留守っていうのは
本当にありがたいことよね

この1年は 思いっきり遊ぶつもり

だから この配当 ありがたいわ

うちも お店に手を入れなきゃ
ならないところがあるから

まさか 集まる方達から
いただくわけには いかないでしょ

なにしろ 皆さん
年金暮らしの方達ばっかりだから

私 やりたいこと たくさんあるし
嬉しいな

私 ちょっと入院してたでしょ

色々ものいりだったから 助かるわ

うちはね
もうすぐ昇さんのお誕生日なの

よく働いてくれてるし

もしかしたら ヒナのお婿さんに
なる人かもしれないから

盛大に お祝いをしてあげようと
思ってるの

それに使わせてもらいます

<おかくらの相続の時>

<店を残すために
姉妹五人 株で相続することにし>

<1年に1度の その配当の時>

<姉妹達が おかくらへ
集まることになっていました>

<1年の間には>

<それぞれ 色々あったでしょうが>

<今年も 皆 元気で
それぞれ幸せそうでした>

<来年も 皆 明るい顔で会えたら>

<…と
ただ願っている姉妹達でした>

さあ食べようかね

♬~