ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

マンゴーの樹の下で「~ルソン島、戦火の約束~」岸惠子、清原果耶… ドラマの原作・キャスト・音楽など…

『特集ドラマ マンゴーの樹の下で「~ルソン島、戦火の約束~」』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

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『特集ドラマ マンゴーの樹の下で「~ルソン島、戦火の約束~」』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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特集ドラマ マンゴーの樹の下で「~ルソン島、戦火の約束~」[解][字]

第二次世界大戦のフィリピン攻防戦を生き残った日本人女性の手記を元にドラマ化。主役を岸惠子さんと清原果耶さんがリレーで演じ伊東四朗さんと安藤サクラさんが親子役に!

詳細情報
番組内容
長年小さな写真館を凛子(岸惠子)と綾(渡辺美佐子)は営んできたが綾が亡くなり、不動産社員・門井(林遣都)に従い、凛子は売却を決意。密かな恋心を凛子に持つ田宮(伊東四朗)は嘆き悲しむ。そこに一通の手紙が届く。昭和20年のマニラ空襲で亡くなったはずの、綾の弟からの手紙だった。フィリピン時代の事を何も語らない凛子。昭和20年ルソン島の日々、凛子(清原果耶)と綾(山口まゆ)二人だけの秘密があったのだ!
出演者
【出演】岸惠子,清原果耶,渡辺美佐子,山口まゆ,林遣都大東駿介安藤玉恵福田転球六角慎司,エルケ,山本裕子,後藤ユウミ,細山田隆人,武智健二,長谷部浩幸,室屋翔平,南雲柚月,安藤サクラ伊東四朗
原作・脚本
【作】長田育恵
音楽
【音楽】清水靖晃

 

 


♬~

(凛子)<あのころ 私は フィリピンにいた>

おはようございます!

<戦争のさなか 多くの民間企業が
軍に続いて進出し

私も タイピストとして赴任した>

(梶山)ああ そう! よかった~。
奥田凛子です。

今日から よろしく お願いします。
(梶山)あ~! こちらこそ。

<社内では 女性海外赴任者の
第一号だった>

(宮野)奥田くん
次 この原稿 タイプ頼む。 はい。

ご苦労さまでございます。
はい 次回の船積み分です。

お願いします。
(梶山)宮野支店長 電報です。

♬~

(綾)どうぞ。 ありがとうございます。
あなたは…。

(宮野)海軍から注文だ。

造船用の木材を 至急 調達する。
バターン半島に伐り出し隊を送り込む。

で 何人 編成しますか?
動ける駐在員 全員 当たれ。

(梶山)分かりました。

奥田くん 至急 発注内容をまとめる。
はい。

(梶山)鈴木くん 資料を。 (鈴木)はい。
みんなも集まってくれ。

バターン半島は 危険です。

危険って?

ゲリラが 日本人を狙っています。

(宮野)気遣い ありがとう。
だが 危険は承知だ。

輸送が遅れれば 戦況に響く。
みんな 頼むぞ。

(社員たち)はい。

日下部くん。
はい。

これ タガログ語に翻訳してくれ。
はい。

♬~

ねえ 他にも女性がいるって
知らなかったわ。

通訳の 日下部 綾です。
こっちに詳しいの?

こちら生まれなので。

女ふたりなら百人力よ。 よろしくね。

よろしく。

<赴任して1か月 私は 夢の中にいた>

綾! あの木陰で食べよう!
うん!

<思えば あまりに無知だった。

私は 大本営の発表だけを信じていた。

フィリピンは 戦争の外にあるんだと>

(カメラのシャッター音)
なに?

ううん。 立派な樹!
日本じゃ見かけないけど。

マンゴーだよ。
ほら こずえの先。

ほんとだ! 実がなってる。

(カメラのシャッター音)

いいカメラね。
東京 出る時 父が貸してくれたの。

帰ったら こっちの景色
見せようと思って。

東京か~。 行ってみた~い。
内地には行ったことなくて。

お父様 山口の ご出身なんでしょう?

父は3年前に亡くなって。
母は フィリピン人なの。

だから 今じゃ よけい内地は遠いな~。

うわっ! おいしそう!
召し上がれ~。 いただきま~す。

うん! おいしい!
ほんと?

父は よく言ってたな~。

日本人の本当の力は
ここに あるんだって。

うん?

大和魂。 私たち外地の日本人は
この魂でもって 日本人の証しとする。

この魂があるかぎり どこにいようと

より日本人らしく
あらねばならないって。

立派な お父様ね。
父が生きてたら

凛子さんを見習えって
言ったでしょうね。 なんで 私?

だって 会社の皆さん
しきりに おっしゃってた。

ものすご~く優秀なタイピスト
お越しになるって。

しかも 志願されて。

それは…。
支店長を追いかけて?

えっ?
(笑い声) えっ えっ… えっ!?

見てたら分かる!

宮野さん 私が入社した時

最初の上司だったのよ。
へぇ~。

それに ほら こっちに来たら
英語が使えるじゃない。

宮野さんと 前に話してたの。

いつか ニューヨーク支店が出来たら
そこで働きましょうって。

つまり 恋のために いらしたのね?

いや そんなんじゃないって!
あの… 尊敬っていうの?

男とか女とか関係なく
一緒に働けたらなって。

一生?

もう 綾!
痛いなぁ もう! あっ ごめん。

(笑い声)
もう~。

よかった 綾に会えて。
ほんとは怖かったんだ。

こっちに来る理由 百個はあるのに
それでも怖くて。

でも 来てくれた。 海を越えて。

私 子供のころから ずっと

内地の大和撫子に会いたかったの。

♬~

(カメラのシャッター音)
また? 私も撮りたい。

<けれど 突然 その時は来た>

日下部さん これ 次の注文書です。
お願いします。

それと 本社に報告があって
在庫状況 撮っておいてください。

分かりました。

(警報音)

警報?
そうだ 今日 防空演習だったね。

(爆発音)

港のほう?

(宮野)退避! 退避!
退避だ! 宮野さん!

退避!
宮野さん!

アメリカだ! 軍艦が やられてる!
早く! 早く! 全員 退避!

(爆発音)

行こう!

綾! 綾!
早く乗れ!

綾!
乗れ! 綾!

綾!
(爆発音)

第一便 出ろ!
待って! 凛子!

綾!
(爆発音) 綾!

凛子! 凛子!
綾! 綾!

凛子!

綾!

凛子!

綾!

凛子!

ああ…! あっ… ああ…。

綾…。

ああ…。

♬~

綾…。

♬~

(門井)どうも。
ありがとう。

吉川さん…。

少しは落ち着かれました?
おかげさまで。

いいお葬式でしたね。

受付まで手伝ってくださって ありがとう。

いえ 持ちつ持たれつですから。
お寂しくなりますね。

どっか行くとこじゃなかった?

ええ ちょっと。
でも 顔 出そうとは 思ってたんですよ。

行ってらっしゃいよ。
こっちは ゆっくり話したいから。

それって もしかして…。

あなたには お世話になったから。

奥田さん! とうとう決意されました?

ああ いや… 俺 そういうつもりじゃ
なかったんですけど

でも ほんと 悪い話じゃないっていうか。

でもね こんな小さな店
立ち退かせたって

成績にはならないと思うけど。
そんなこと…。

(朋美)こんにちは。
あ~ いらっしゃい。

みゆちゃん こんにちは。
(みゆ)こんにちは。

あっ じゃあ 奥田さん
またあとで寄ります。 はい!

今日は?

これ お願いします。
ちゃんと写ってるといいんですけど。

サイズは いつもどおり?
(朋美)はい。 これで。

うん。 仕上がりは あさってになります。

あの~ 表の紙。 来月で…。

うん そうなの。 元気なうちにと思って。

せっかく
撮っていただいてたのに。 そうね…。

あっ…。

差し上げます。

みゆちゃん
これ みゆちゃんだよ。 覚えてる?

覚えてる。 あっちで赤いの着て撮った。

それは 七五三でしょ。
おばちゃん 豚のまねした。

誰かさんが泣くから。

お猿さんは?

あの時 受付の方が。

お猿の おばちゃんね
いいとこ行っちゃった。

お山?

お空。

ありがとうございました。

♬~

のんちゃんって言うの。
(綾の笑い声)

なにして遊ぼうか? (みゆ)にらめっこ。
えっ にらめっこする?

にらめっこ。 はい にらめっこして。
にらめっこしましょう。

(笑い声)

あ~! そんなお顔も いいね。

はい。 のんちゃんと仲良くしようね~。

いい? のんちゃんと はい!

じゃんけんで勝ったお顔。 はい。

(カメラのシャッター音)

♬~

(田宮)よう。
あっ どうも。

綾さん。 早ぇよ…。

ねえ 綾さん 浅月堂の まんじゅう
好きだったよな。

甘いものなら なんだっていいのよ。
雑食だし。

その ひと言 いらんでしょうが。
お茶 いれるわね~。

さてと 印画紙とフィルム
補充しておきますね。

フィルム 少し多めに ちょうだい。
来月 卒業式があるでしょう。

はい 分かりました。 数 どうします?

う~ん 去年と同じで
いいと思うんだけど。

その辺に 綾がつけてた伝票が
あるはずだけど。

はいよ。 あっ そうだ。

4月から 新しいことも始めましてね。

これ フォトカレンダーってんです。

見本 置いときま~す。 は~い お茶。
あっ どうも。

あら かわいいじゃない。

でも 4月だったら うちは いいかな。

じゃあ やっぱり 来月いっぱい?
うん。

相談もなしに?
30年もの つきあいなのに?

そんなに たつ?
はぁ… これで 俺も引退か。

なによ 田宮さんまで。
問屋さんに 定年は ないでしょ。

だって そっちは 店 閉めるくせに

人には 馬車馬 続けさせるって?

なんで。 全然 馬車馬じゃないでしょ?

そうやって 長ッ尻だし。

週2回 ここに来ることだけが
人生の憩い 生きがいだったんです。

どうも。 カメラ もう1個
買ってあげようか?

そうやって 混ぜっ返すんだから。

あっ。

顔色 よくなったなぁ。

いや この4か月 綾さんの介護で
ず~っと寝てなかったんでしょ?

寝てたわよ。

最後の日だって 私 ぐうぐう寝てた。

冷たくなったのも 気が付かないで。

家族の寝息 聞きながら 逝けるなんて
最高じゃない。

綾さん きっと 凛子さんの布団
ポンポンって たたいていったんですよ。

そうだ。 甘納豆が あったんだ。

ほんとだよ。

いや 俺ね 綾さんみたいに死ねたら
いいなぁと思ってさ。

いや 例えば がんが分かった時
延命治療は やめて

あるがままを受け入れる。

いや あんたも
綾さんの意志を尊重したでしょ。

いや これまで 理想の死に方なんてこと
考えたことも なかったんだけどね。

綾はね 最高に ぜいたくだって 言ってた。

自分の死に方
自分で決めるんだからって。

お互い 肉親は失ったけど

生き残り同士
結構 うまくやってきたよね?

あんた方は特別だったよ。

30年 見てきた 俺が言うんだ。

はい どうぞ。

おいしいでしょ?

…で あんたは?

これから どうすんの?

店やめて 当てでも あんのかい?

えっ?

(ドアが開く音)

奥田さん! 門井でございます。
戻ってまいりました!

どうも。 お客様いらっしゃいましたか…。

客じゃねえよ。 知ってんじゃねえか。

これ 浅月堂の まんじゅうです。
お口に合うといいんですが。

ダブってんじゃねえよ。
門井さん…。

それと それと 我が社で手がけてる
医療付き老人ホームの資料。

ほら ご興味あるって
ちらっと おっしゃってたでしょう?

ごめんなさい。

ああ… ごめんなさい。
こっちは もう 時間 大丈夫なんで。

ううん そうじゃないの。
悪いんだけど あの話

ちょっと待ってもらえないかしら。
明日 出直しましょうか?

ううん… いったん 白紙にしてくれる?

奥田さん…。 決められたんですよね?

どうせ いつかは
立ち退かなきゃいけないんですよ。

分かってます。

葬式 手伝わせるだけ 手伝わせといて…。

おい。
なんですか。

なんだ お前は?
田宮さん。

あなたには関係ないでしょう。
立ち退きって なによ。

こんな 70のばあさん追い出そうとして
それでも 人間の血が通ってんのかよ。

うちは 地主さんから
委託 受けてるだけですから。

委託だと!?
やめて。 ちょっと やめてください。

奥田さん! この人のせいですか?
この人に なにか吹き込まれたんですか?

あっ!?

事情が変わったのよ。 今 ここを
動くわけに いかなくなっちゃったの。

なんですか それ…。

俺 誠意 見せましたよね?
誠意じゃねえよ。

さよならだ。 はい。
奥田さん…。

これも持って帰れ。 ほら!

連絡ください!
連絡じゃねえ!

立ち退きって?

凛子さん!

今頃 こんな手紙が届くなんて…。

<マニラ陥落から3か月あまり。

私たち民間人も 軍を追い

ルソン島北部に退却していった。

男性の ほとんどは 臨時に徴兵され

残された女性の中から 131名が選抜され

第十二陸軍病院に集められた>

(老中佐)本日付で
陸軍特志看護婦として

なでしこ隊を編制する。

職務内容は 看護婦補助 食料調達補助。

諸君は 各班班長として
隊を率いてもらう。

(女性たち)はい!

なでしこ隊隊長は 豊風商事 奥田凛子。

はい!

なでしこ隊 お国のため
命を賭して励みます。

しっかり頼む。
はい!

♬~

綾…!

♬~

よかった…。 会いたかった!

痩せたね。

マニラを出て すぐ赤痢になって。

でも 会社の食糧生産隊の人から
薬と食べ物を頂けて 助かったの。

綾は? ここまで元気だった?

♬~

母が死んだの。

サンホセの手前で爆撃に遭って。

即死だった…。

♬~

弟さんは…?

おなかと…

太ももを撃たれて… 陸軍の病院に。

綾…。

逃げてる間じゅう 混血は…

フィリピン側の
スパイなんじゃないかって疑われた。

健 きっと見捨てられる。 私だって…。

綾! 綾は日本人よ。 そうでしょう!

(敵機の飛行音と機銃掃射の音)

(悲鳴)

また来る!

(悲鳴)

(敵機の飛行音と機銃掃射の音)

大丈夫…?

♬~

綾…!

生き延びよう。

生き延びるの!

♬~

はい はい お待ちどおさん。

いいの? 帰らなくて。

食事は 誰かと するものです。
はい 月見ちゃん。

おいしそうだ。

はい じゃあ 冷めないうちに。
いただきましょう。

いただきま~す。
いただきま~す。 あ~ あったかい。

う~ん おいしい。

料理 できるんだ。

だてに独り身じゃねえよ。 …で?

うん。

綾にね 身内がいたの。

弟さん フィリピンで生きてるって。

ほう~ そりゃ よかったじゃないの。

間に合わなかったね…。
うん? うん…。

なんで 今…。 あれから何年?

44年。 弟さんね
日本人であることを隠して

ず~っと イゴロットの村で
生きてたんだって。

なに? イゴ… イゴ…。
だから イゴロットって

ルソン島の北の山奥にね
そういう人たちがいるの。

うん。

弟さんね 戦争中に助けられて
そのまま ず~っと。

日本語を捨てて。 名前を捨てて。

だからといって 今…。

16年前にね ひとりのシスターが
この協会を作って

やっと 日本人を探し始めたんだって。

戦争中は 日本人っていうだけで
命を狙われたから。

満州は そうじゃなかった?

満州
ああ ああ! そう そう… そう。 うん。

弟さんね 今は フィリピン国籍を取って

農園も つくって
お孫さんまでいるんだって。

ほう~ そんなら
まあ 幸せっつうことじゃないの?

でも… 綾にね

よかったら 一緒に暮らしませんかって。

綾もね 本当は フィリピンで
生きたかったんじゃないかなぁ。

私と出会ったりしなければ。

待て。

おい! あったぞ! 来い。

盗れ。

行け! 早く行け! 早くしろ!

ノー! ストップ! ストップ!
ストップ!

日本語で言え!

やめてください!
抵抗はしないと言っています!

おい!
食料を分けてくださいと!

オーケー。 オーケー…。

入れろ! 入れろ!

ノー! ストップ! ストップ!

種芋だけは残してくださいと
言っています。

この人の畑です!
黙っとれ!

やめて!

飢え死にしたいか!
待ってください!

少しでも種芋を残しておけば
また芋が作れます。

そうすれば
後から来る人が助かるでしょう。

味方の力になります。
この人に 畑を守ってもらうんです。

日本人が来たら 分けてくださいと。

♬~

行くぞ!

綾。 綾… これを。

♬~

サンキュー。 サンキュー。 サンキュー。

♬~

[ 回想 ] 私が死んだらさ
私のことなんか忘れなよ。

田宮さん 凛子のこと 絶対 好きだよ。
ねえ 結婚したら?

バカなこと言わないでよ。

じゃないと 私 あっちへ いってからも
たくさん恨まれちゃう。

こんな いい女を
一生 独り占めにしたのかって。

あ~ なに! バカ バカ!
痛い 痛い 痛い!

痛いったら~。

独り占めしたのは 私のほうだよ。

綾。 弟さん待ってるって。

フィリピンに 帰りたい…?

♬~

<長い強行軍の 疲労や熱病

飢え アメリカ軍の爆撃…。

なでしこ隊
2割の脱落者を出していた。

日に日に 隊の統制は取れなくなり

ただ数人で固まって
進み続けるしかなかった>

母ちゃん…。

どこ行くんだよ 母ちゃん…。

母ちゃん…。

(浜野の声と座り込む音)

立って。

止まるなら置いてく。

(浜野)重いのよ…。

要らない… 要らない…。

要らない…。

お母さんからの葉書でしょう?

持ってあげる。

捨ててよ!

♬~

行こう。

(伊東)看護部隊を 離脱するけん…。

えっ…?

戦闘部隊やったら 食料も十分あるけん

そっち行ったら
なんか分けてもらえるかもしれん。

だめよ。 私たちは なでしこ隊よ。

本隊を追わなきゃ。

もういい。 キリないもの。

どうせ死ぬなら おなかいっぱい食べて
それから死にたい…。

行ったからって 食べられるとは限らない。

♬~

戻りなさい! 命令違反よ!

いまさら 命令 守って なんになるん?
班長さん。

♬~

離れたらだめ。 生き残れない。

戻って!

♬~

誰が始めたんだろ? こんな戦争。

内地にいた凛子なら分かる?

私たちが 今 なにをしてる?

ただ生きるために生きてるだけ。

虫と同じ。

行くよ。

なんのために?

帰るためよ…。

♬~

生きて 帰る。

日本に。

私も帰りたい…。

マニラのおうちに。

♬~

行くよ。

♬~

いらっしゃいませ。

(美咲)証明写真 撮ってよ。

こちらへ どうぞ。

ここって こんなに写真があるのに
あなたが写ってるのは 一枚もないのね。

そうね。 確かに。
じゃあ 撮りましょうか。

ねえ あなたが こっち座りなよ。

えっ?
撮ってあげる。

いいじゃん たまには。
証明写真が ご入り用なんでしょ?

そう ご入り用。

なに!? ちょっと あなた… 失礼でしょ。
あなた なにしに来たの?

あなたが いつも やってることでしょ。

でも… なに? あなた。
はい どうも~。

えっ…? 美咲!

お前 なんで ここへ…。
田宮さん…。

(カメラのシャッター音)
証拠写真

娘さんが いらしたの?

知らなかったの?
30年も つきあってたんでしょう?

おい。
田宮さん 独り身じゃなかったんだ。

いや いや いや…
勝手に出てっただけよ。

おい ちょっと来い。
やだ 離してよ。

なんで いまさら この人と。
いいから…。

あなたも その年で恥ずかしくないの?

恥ずかしいって? なにが?

結婚すんでしょう!?
だ~か~ら!

えっ…?

まだ 言ってないんだ。

はっ?

言ってないの!

なんの話?

この人ね 私が小学校に上がる前に
出てったの。

うちは それから ず~っと別居。

私にとっての父親は…。

これだった。

(美咲)こんなんでさ…

母親と娘ふたり
生きていけるわけないよね?

お母さん 病院の賄い婦しながら
ず~っと頑張ってたよ。

でも 今になって この人
離婚したいんだってさ。

昨日 言いに行った。

結婚したい人が できたって。

(美咲)悔しいじゃない。

えっ? 母親と私は こんな はした金で

30年も つながれてきたのかって。

はした金って…
払い続けるのに この俺が どれだけ…。

戻る気ないなら
もっと早くに捨てろよ!

お母さん もう 60だよ。
いまさら 放り出すの?

まだ 60だ。
いや… 遅いよ!

遅かねえ! まだ生きてんだからよ。

あいつ 今年 定年だろ?

あいつ 言ってたよ。

これで やっと 肩の荷が下りる。
これからが第二の人生だって。

こりゃあな 俺たちの鎖だったんだよ。

自分が出てったくせに。
しかたなかったんだ!

借金こさえて逃げたんだよ。

借金取りがな アパートどころか

お前の幼稚園まで押しかけてきた。

あん時 俺は
離婚してくれって頼んだんだ。

でも あいつは
そう簡単には許さないって。

どこにいてもいい
いくらでもいいから振り込めって。

♬~

借金も やっと返し終わった。

ほんとに やっとだ。

あいつも俺も これから先 人生の最後

てめえの好きなように生きるんだよ。
自由になるんだよ。

きれい事よね?

なに笑ってんの?

田宮さん 一生懸命 生きてきたんだ…。

(美咲)なにそれ…。

私は 綾と頑張ってきた。

凛子さん 俺は
綾さんを忘れろとは言ってない。

綾さんの思い出ごと引き受けるつもりで。

田宮さんには感謝してます。

オープン当時から
ず~っと支えてもらって。

もともとね なんていうか
戦友なのよね。

(美咲)戦友って?

戦争が終わって
フィリピンから引き揚げてきたら

両親も家も 空襲で焼けていたの。

田宮さんも同じだったって。

戦争から帰ったら
東京で ご両親を失われてたって。

私たちと同じだったから。

いや いや いや 嘘です 嘘です 嘘ですよ。

この人 戦争 行ってません!
えっ?

(美咲)痔で 兵役免除になったんだよね?
お母さん言ってたし。

えっ 田舎も 愛媛だよね?

おばあちゃんも ピンシャンしてたし
みかん送ってくれてたし!

♬~

ああ そう…
そんなに気に入られたかった?

ハハハ…。 いや 笑えね~。

♬~

これ 捨ててください。

ご迷惑おかけしました。

(ドアの開閉音)

スタジオの点検 終わったら
声かけてください。

来週から 別の人間をよこすよ。

ただ 結婚は 口先じゃない。

ここが なくなったら
あんたに会う理由が なくなる。

あんたと俺が 他人同士なんて
そう思ったら…。

あっ… 戦争のこと 嘘ついて悪かった。

ふたりの前では
どうしても言えなかったんだ。

田宮さん。

田宮さんが来てくれたの
とっても楽しかったわ。

ほんと?
ほんとよ~。

楽しみにしてたのよ。

私ね 先週 フィリピンに返事を書いたの。

「日下部 綾は 永眠しました。

遺骨は 私の手元にあります。

よろしかったら
迎えに来てください」って。

綾 かわいそうにね。

私と出会わなかったら 人生 変わってた。

フィリピンで なにが あったんだよ?

話しても分からない。

そうやって 墓場まで持ってくのか?

うまそうだ。

♬~

(兵士)よこせ… よこせ…。

よこせ…。

嫌… 離して! 嫌!

返して! 返して!
よこせ!

♬~

よこせ~! よこせ…!

凛子! 凛子!

離して!
凛子! 凛子!

離して!
凛子! 凛子!

♬~

凛子… 早く! 早く! 早く!

この傷…。

やっちゃった。

バカ。 他人なんて誰も助けないよ。

自分のことだけで 精いっぱいなのに。

逆なら?

凛子 助けてくれたでしょ?

ずっと憧れの人がいた。

その人の うわさを聞いてから

なんて すてきなんだろうって。

会える日 指折り数えて

実際 会ったら 想像以上に すてきで。

誰? 恋人?

知ってる?

その人 タイピングが すっごく速いの。

憧れの大和撫子

いつか肩を並べたいって思った。

その人に認められる女性に なりたいって。

♬~

その人を好きな気持ちまで捨てたら…

私が私じゃなくなるわ。

♬~

私も… 大好きな人がいる。

知ってる。

宮野支店長。

その人も 大和撫子

明るい 太陽が似合う

どんな花より鮮やかな人。

知ってる? その人 英語の他に

タガログ語も話せるのよ。

イロカノ語もね。

♬~

助けに来ないでよ…。

綾が無事でいないと 私…。

♬~

生きよう!

ふたりで。

♬~

死んでも死にきれない。

♬~

凛子…。

宮野さん…。

♬~

凛子!

♬~

(男性客)これと これ。

はい。 出来上がりは 24日になります。

(フェリサ)ハロー。

どうぞ どうぞ。

綾。 弟さんの お孫さんが 来てくれたよ。

どうぞ。

綾はね 病気で ここで亡くなったの。

最期まで ず~っと 私が一緒だったの。

70歳でした。

♬~

綾おばあちゃん 幸せでしたか?

♬~

<戦争は 終わった>

ドロボウ! バッキャロー!

<その時になって初めて
私は 私たちの罪を知った。

日本は フィリピンの人々から

食料を奪い 誇りを奪い

命を奪い 生き永らえてきた。

その報いが これなのだ…>

ヒトゴロシ!

弟さんのこと なにか分かった?

健がいた サンホセ陸軍病院ね…

爆撃されたんだって。

アメリカさんが そう言ったの?

苦しんでないといいな。

まだ 14だったし。

きっと… 今は 幸せなところにいる。

だといいな~。

♬~

大丈夫。

最期が分かったから。

健のこと 私が覚えてる。

♬~

うん。

もう一つね 私に 「選べ」って。

なにを?

日本へ行くか… フィリピンに残るか。

母親がフィリピン人だから
残ってもいいんだって。

♬~

どうするの?

怖いの…。

♬~

日本には行ったことないから。

♬~

離れたくない。

♬~

一緒に 日本に帰ろう。

綾のことは 私が守るから。

私と来て。

お願い。

あら! ああ 懐かしい…。

おじいちゃんから。 凛子さんの。

そう… 覚えてるわよ。 家にあったの?

ああ よく残ってたわね。 ありがとう。

もしもし? 私です。

今日 来てもらえますか?

あのね 古~いカメラが出てきたの。

ほう~ これはねぇ…。

♬~

<そのカメラには 昭和19年のフィルムが

入ったままになっていた>

うん? おっ!

ああ 私 出てきた。
お~!

あれ~? これ… これ 凛子さん?

そうよ。

きれい。
若かったね。

へぇ~。

♬~

ありがとう。

綾…。

綾おばあちゃん…。
そうよ。 綾…。

♬~

(フェリサ)会いたかった…。

綾さんは いつも
こんな あんたを見てたんだな。

逆なのよ。
うん?

私 綾を守ると誓った。

だから 一緒に日本に来てって。

でも 守ってくれたのは

いつだって 綾のほうだったのよ。

私 綾がいなければ 息もできなかった。

綾は それを分かって

日本に行くって言ってくれたの…。

私は 綾に 故郷を捨てさせちゃったのよ。

♬~

行くよ。

♬~

凛子と日本に行く。

♬~

綾おばあちゃん 幸せでしたね。

(フェリサ)日本に来て 凛子さん

お店… 写真。

幸せでしたね。

♬~

人が生きる場所は 国でもない。
土地でもない。

人なんだよ。

綾さんが生きる場所は あんただった。

ありがとう…。

♬~

おっと! どいてください。
なに!?

それじゃ すぐ
車 回してきますね! はい。

ごめんなさい。
これから ちょっと 見学してくる。

なんだよ これは。 老人ホームなんて
あんたには似合わない。

そうだよね ほんとに似合わないよね。

なあ 俺と暮らそうよ。

嫌よ。 いまさら あなたに
朽ち果てていくとこ 見せたくない。

人間 誰だって 朽ち果てるさ。

だから ちゃんとしておきたいの。

≪(車のクラクション)

じゃ お願いしますね。

ちょっと待って。 いいのかい?
全部 運び出しちまったら

俺たち きれいさっぱり 他人同士だよ。

そんなものに戻れると思う?

私と あなたは
切っても切れない間柄でしょ?

…っていうと?

茶飲み友達。

茶… 茶…。

ああ…!
じゃあ 長生きしねえとな お互い。

そう。

♬~

♬~

♬~

♬~

♬~