ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

世にも奇妙な物語‘19 永遠のヒーロー・しらず森・人間の種・大根侍、さかさま…

土曜プレミアム世にも奇妙な物語‘19雨の特別編【ストーリーテラータモリ】』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

  1. 遥子
  2. 尚之
  3. 黒木
  4. レッドライガー
  5. 少女
  6. 昭彦
  7. お母さん
  8. 吉野
  9. 大場
  10. マスターカイザー
  11. 野下
  12. お父さん
  13. 室長
  14. ピアノ
  15. 亜希
  16. 演奏
  17. 清美
  18. 老人
  19. 大丈夫
  20. 桜井

 

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土曜プレミアム世にも奇妙な物語‘19雨の特別編【ストーリーテラータモリ】』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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土曜プレミアム世にも奇妙な物語‘19雨の特別編【ストーリーテラータモリ】[字]

玉森裕太が危険なピアノで絶体絶命/吉田羊が禁忌の森で不思議体験/郷ひろみが定年間際の戦隊ヒーローに!?/木村文乃が植物の母と対面/浜辺美波が大根で決闘

詳細情報
番組内容
珠玉の短編ドラマをオムニバス形式でお送りする『世にも奇妙な物語』は、毎回、斬新で多様なラインアップをとりそろえ、おなじみのストーリーテラータモリと豪華キャストが“奇妙な世界”へといざなう人気シリーズ。
郷ひろみが戦隊ヒーローを演じるユーモラスな『永遠のヒーロー』、吉田羊が神隠しにあった息子の母を演じる『しらず森』、木村文乃が種から生えた人間を育てる『人間の種』、
番組内容2
玉森裕太が恐怖のピアノ楽曲を奏でる『さかさま少女のためのピアノソナタ』、浜辺美波が女子高生主人公のシュールなアクション・コメディー『大根侍』といった個性的な作品をお届けする。まさに梅雨の季節に家で見るのにぴったりの豪華ラインアップ。
タモリストーリーテラーパートも今回はひと味違って必見!
出演者
ストーリーテラー
タモリ 

【永遠のヒーロー】
郷ひろみ 
上白石萌音 
村杉蝉之介 
神尾佑 
他 

【しらず森】
吉田羊 
長谷川朝晴 
髙橋來 
他 

【人間の種】
木村文乃 
粟野咲莉 
山田杏奈 
岡本玲 
他 

【さかさま少女のためのピアノソナタ
玉森裕太 
黒島結菜 
大内田悠平 

出演者2
【大根侍】
浜辺美波 
小手伸也 
井上瑞稀(HiHi Jets/ジャニーズJr.) 

スタッフ
【編成企画】
渡辺恒也、狩野雄太 
【プロデュース】
小林宙、中村亮太 
【制作】
フジテレビ 
【制作著作】
共同テレビ

 


(野下)呪われた曲?
(黒木)もう一度

ピアノ 聞かせてくれよ。
(老人)神隠しの森。

(遥子)ナオ!
(レッドライガー)正義は勝~つ!

(希)
緑が 種を植えてくれたんでしょ?

(緑)お母さん…。
(樹)私が 先輩のことを守るんだ。

♬~

(男)あっ!

(ストーリーテラー)
あなたも 雨宿りですか。

当分 やみそうにもないですね。

ラジオでも聞きますか。
鳴りますかね?

♬(ピアノの演奏)
んっ… 鳴りました。

音楽は お好きですか?

♬(ピアノの演奏)

♬~

♬~

(係員)お待たせいたしました。

(野下)う~わ マジか。

≪(吉野の母)おめでとう 八重。
よかったわ。

指も ちゃんと動いてたし
よく響いてたものね。

(野下)吉野のやつ
優勝して当然って顔だな。

(黒木)俺ら
就活するか もう 決めないとな。

(黒木)《いくら努力しても
才能は手に入らない》

《結局 俺は
選ばれた人間じゃなかった》

《そういうことだ》

♬~

♬~

≪(時計の時報)

♬~

♬~

(黒木)《『さかさま少女のための
ピアノソナタ』》

(黒木)
《「絶対に弾いてはならない」》

♬~

(黒木)
《「1921年 アルベルト・ミラーが

『さかさま少女のための
ピアノソナタ』を 演奏するが

天井から照明が落下し
両手を失ってしまった」》

(黒木)《「楽譜は存在するが

誰にも聴くことができない曲
といわれる」》

(講師)
即興演奏で打ち負かしたという

有名な逸話がありますよね。

ベートーベンは 相手の楽譜を
その場で ひっくり返し

まあ 見事に 逆から…。
(野下)呪われた曲?

(講師)このように
ピアノ演奏を行う上で…。

「この曲を もし 弾き間違えたなら
必ずや手を失うだろう」

って バカか。

そんなわけねえだろ。

まあ そうだよな。

(野下)黒木 オーディション
ホントに受けないの?

もう ピアノは終わりにする。

(学生たちの話し声)

♬(『さかさま少女のための
ピアノソナタ』の演奏)

♬~

(黒木)
《「誰にも聴くことができない曲

といわれる」》

(野下)《「この曲を
もし 弾き間違えたなら

必ずや手を失うだろう」》

(黒木)《「天井から照明が落下し
両手を失ってしまった」》

♬~

♬~

♬~

(学生たちの話し声)

(野下)時間が止まった?

フフ… 大丈夫か? お前。

ハハハハ…。
(黒木)いいよ もう。

でも その話が本当なら

弾き間違えたら
手を大ケガしてたかもな。

この曲 吉野 八重に
弾かせてやりたいな。

ノルン大の留学オーディション
あいつも受けるじゃん。

野下…。

ハハハハ 冗談だよ 冗談。

吉野のやつ 何か 感じ悪いじゃん。
才能あるからって

お高くとまっちゃってさ。
(黒木)おい。 野下…。

うわ。

(黒木)あっ…。
(野下)うわ お前 何やってんだよ。

(女性)大丈夫ですか?
(黒木)あっ すいません。

ごめんなさい。

♬~

≪(物音)
≪(野下)あ~!

うっ… うっ… あっ…。

(野下)あ~!

うっ… あ~!

あ~ 痛え…。 あ~。

野下? おい。 大丈夫か?
(野下)う~…。

♬~

弾いたの
願掛けのつもりだったんだよ。

練習すればするほど
不安になっちゃってさ。

(黒木)ごめん。 俺が巻き込んだ。

暗くなんなよ。

正直 ほっとしてるんだって。

どうせ プロなんかなれないし。

いっそ 会社 入って
モテたりとかしてさ…。

もう 弾けないんだな 俺…。

なあ あのさ

あいつ
もう ピアノ 弾けないかもって。

(吉野)そう。

うらやましい。

(黒木)おい。

うらやましいって 何だよ。

あいつが どんな思いで
必死に ピアノやってきたか

お前 分かんのかよ。

そんなの分かるはずない。

お前 最低だな。

♬~

♬~

(野下)《なあ 黒木

受けてみろよ オーディション》

♬(ピアノの演奏)

♬~

♬~

≪(野下)よっ。

野下…。

最後くらい
お前のピアノ 聴きたかったし。

やっぱり 厳しいな…。

(野下)いや よくやったよ。

≪(吉野)どいて。

♬(ピアノの演奏)

♬~

すげえ…。

♬~

♬~

♬~

♬(『さかさま少女のための
ピアノソナタ』の演奏)

♬~

♬~

(吉野)どういうこと? これ。

しゃべれんの?

体は動かないけど…。

あなたが時間を止めてるの?

この曲を弾くと こうなるんだ。

特別な楽譜みたいで。

(吉野)せっかく 飛び降りたのに。

吉野こそ 何で こんなこと…。

ずっと苦しかった。

(吉野の母)《手首の力 抜いて!》

(吉野の母)
《ここ 違う! 何度 同じこと…》

(吉野)
さいころから 毎日 毎日

ピアノの練習ばっかりで…。

弾けば弾いただけ

自分から ピアノ以外
全部なくなっていった…。

♬(ピアノの演奏)

(吉野)逃げたら
生まれ変われるんじゃないかって。

(吉野)でもね そんなこと
できるわけがなかった。

だって 私には

ピアノ以外 何もないんだもん。

バカだよね…。

(黒木)ごめん この前は。

確かに 分かるはずないよな
人の気持ちなんて。

そうだよ。

(吉野)ねえ

この曲 弾き終わったら
どうなるの?

(黒木)また 時間が動きだして
君は地面に落ちてく。

だけど
その前に 演奏を間違えたら

俺が大事故に遭う 野下みたいに。

そう…。

♬~

(黒木)《もうすぐ 曲が終わる…》

(黒木)《どうしたらいい?》

《どうすれば…》

♬~

♬(『さかさま少女のための
ピアノソナタ』の演奏)

なるほど。
また 最初から 弾いちゃったんだ。

(吉野)ねえ 黒木君は
どうして ピアノを弾くの?

やっぱり 好きだからかな。

私も 黒木君みたいに
ピアノ 好きだったら

こんなふうに弾けたのかな。

(黒木)嫌み?

ううん。

今の演奏 とっても すてきだよ。

(吉野)
でも もう 次は弾かないでね。

私なんかのために
責任 感じることないから。

勝手に諦めんなよ。

俺 中1のとき 賞もらって。

うれしくて
それで ずっと練習して…。

でも…。

(黒木)大学 入ったら
俺くらいのやつ ごまんといて

急に よくいるやつのうちの
一人になった。

(黒木)
俺は 吉野が うらやましい。

俺には あんな演奏できない。

あの音は 吉野じゃなきゃ
吉野にしか出せないんだよ。

なあ
もう一度 ピアノ 聞かせてくれよ。

♬~

♬(『さかさま少女のための
ピアノソナタ』の演奏)

♬~

(黒木)
《きっと 何か方法があるはず…》

(黒木)
《くそ… どうしたらいい?》

♬~

♬~

♬(『さかさま少女のための
ピアノソナタ』の演奏)

♬~

(吉野)お願い。 もう やめて。

限界だよ。
このまま弾いてたら いつか…。

嫌だ。

君を 絶対 死なせない。

弾きたい。

(吉野)私 また 弾きたい。

黒木君みたいに。

(黒木)《どうしたらいい?》

《あと10小節…》

《9 8 7 6…》

《何かあるはず。 何か…》

(黒木)《あと3小節…》

(黒木)《くそ…》

ありがとう。

♬~

≪(ドアの開く音)

これ どういうことなの?

ベートーベンの逸話を
思い出したんだ。

(黒木)時間を止める以外にも

この楽譜で
何か できるんじゃないかって。

♬(『さかさま少女のための
ピアノソナタ』の演奏)

♬~

(黒木)この曲

『さかさま少女のための
ピアノソナタ』っていうんだ。

(吉野)えっ…。

助かって よかった。

本当に ありがとう。

私も
誰かのために ピアノを弾きたい。

俺も ピアノを続けてみるよ。

(吉野)うん…。

この曲 私も弾いてみたいな。

えっ? もし でも 失敗したら…。
(吉野)大丈夫。

あんなに聞かせてもらったし。

♬(『さかさま少女のための
ピアノソナタ』の演奏)

♬~

(黒木)《さかさま…

少女?》

(男)あんた こんな時間に
何で こんな山奥にいるんだ?

あなたは なぜ ここに?

お互い この小屋がなければ
遭難者でしたね。

この深い森で。

(警察官)至急 至急。
本日 12時半 行方不明の通報。

当該 母親より
捜索願の要請あり。

場所は
明野南町 富士美団地内…。

(刑事)では 息子さんが
いなくなったときの 服装は?

(遥子)紫のスタジャンに
ベージュのパンツで…。

目を離したのは
ほんの一瞬だったと。

だから そうです。 お願いだから
早く捜してください!

(武広)遥子 落ち着きなさい。

(刑事)警察も 全力を挙げて
捜索に当たりますので。

まずは 最後に姿を見た 森の方を
洗ってみます。

(刑事)しらず森か…。

しらず森?

(鈴の音)

(男性)東京 杉並区内の
小学校に 通う

小学校2年生の男の子が…。

≪(清美)遥子 時間よ。

は~い。
(男性)警視庁は

職業不詳の 島田 佳孝容疑者を

昨日
誘拐の容疑で逮捕しました。

島田容疑者が自供した場所を
調べたところ…。

遅くならないうちに帰りなさい。

近頃 物騒だから。

(清美)そう。
変な人が うろついてるのよ。

気を付けてね。 ナオ君もね!

(男性)誘拐したところ

泣いて うるさくなり
首を絞めて殺したと…。

(遥子)行くよ 尚之。 遅れちゃう。
(尚之)うん。

(遥子)昼までには帰るから。
(清美)うん。

あっ はい。
(遥子)はい 行こう。

いってきま~す。
(武広・清美)いってらっしゃい。

(男性)北斗君に対して
守ってあげられなくて ごめん…。

(遥子)
女の子も 男の子も いっぱい。

うちの学校ね すっごい
人数 多かったんだよ 1クラス。

50人ぐらい いたの。
(尚之)えっ!

(遥子)フフフ…。

(男性)いや~
30年もたつと みんな 変わったな。

(明季)そりゃ 変わるでしょ。
(遥子)先生も変わったけど。

(麻弓)離婚?
(遥子)ああ…。

今 話し合ってるとこ。

尚之の親権で もめててさ。
(麻弓)へ~ 大変だね。

(明季)で 別居中なわけだ。

今 実家にいるけど
肩身 狭くてさ。

そんなわけで
また 遊べるから 誘って。

(明季)じゃあ 飲み行くか…。
(遥子)行く。

(明季の息子)ママ おしっこ。
(明季)えっ おしっこ? はいはい。

(遥子)
あっ 左のトイレ 壊れてたよ。

(明季)えっ あと どこだっけ?
(遥子)右奥~。

(明季)右奥。 は~い。
(麻弓)でも 残念だね。

(遥子)んっ?
(麻弓)旦那さん 昭彦さんだっけ?

(遥子)うん。
(麻弓)優しそうな人だったのに。

全然。

あの人は 家族のことなんて
どうでもいいんだもん。

≪(ドアの開閉音)

(昭彦)ただいま。

(昭彦)大丈夫そうだな。

飯は? 何も食ってないんだよ。

(遥子)ねえ
どうして 電話 出ないわけ?

何度も かけたのに。

(昭彦)あのさ 前にも言ったよな?
仕事中 電話してくるなよ。

尚之が 苦しんでたんじゃない!
(昭彦)大事な接待だったんだぞ。

それぐらい 自分で解決しろよ。

(男性)ほら
気合 入れてこう 気合。

(男性)はい。
(遥子)タイムカプセルなんて

全然 覚えてないんだよね 私。
(明季)私も。 何 埋めたっけ?

(遥子)ねっ。
(麻弓)え~ みんな 忘れ過ぎ。

(遥子)えっ?
(明季)いや 30年前だよ?

覚えてないって 何にも。
(遥子)そうだよ。

(麻弓)え~ ひどい。 あれは?

帰り道の森とかは?
(遥子)神社の奥ね。

(明季)あっ 缶蹴りとかした。
(麻弓)そうそう… 懐かしいよね!

(一同)お~。
(尚之)お母さん 来て来て!

(遥子)出た? お~!
(麻弓)う~わ すっごい。

(一同)お~。

(男性)ジャジャ~ン。

これ 誰の?
(明季)覚えてない。

(尚之)開けちゃ駄目?
(遥子)後でね。

(尚之)お母さん
何 入れたか 覚えてないの?

(遥子)それが 覚えてないのよ。

おうち帰ったら開けるから。
ねっ?

(尚之)帰ったらって
どっちの おうちに?

(遥子)んっ?
(尚之)おばあちゃんの おうち?

お父さんと一緒の おうち?

おばあちゃんの おうち。

(遥子)そうだ。 面白いとこ
連れてってあげる。 おいで。

(遥子)
さあ 尚之 階段 数えるよ。

1 2 3 4

5 6 7 8 9 10…。

お~ 狭い。 12 13…。

こんな狭かったかな? この階段。
よいしょ。

うわ~ 懐かしいな。

(遥子)フフ。
(尚之)ねえ 帰ろうよ。

何でよ。
東京にはないよ こんなとこ。

お母さんね
この辺で よく遊んだんだ。

石蹴りとか得意だったんだよね~。

(尚之)つまんない。
(遥子)何でよ。

(尚之)「ふしのもり」?

(遥子)「しらずもり」って読むの。

(遥子)尚之 もしかして怖いの?
(尚之)全然。

(遥子)ホントかな? フフフ…。
(尚之)怖くないよ こんな森。

僕 探偵団だもん。
(遥子)探偵団?

何 これ。

覚えてないの?
(遥子)覚えてない。

(遥子)待って。

(遥子)真っすぐ 真っすぐ。
おいで。 行こう。

ナオ。

待って。

もう…。

♬~

あっ。 うわ~!

(遥子)どうした?

尚之。

尚之。

もう 帰るよ!

(武広)《遅くならないうちに
帰りなさい》

《近頃 物騒だから》

(清美)
《変な人が うろついてんのよ》

尚之…。

尚之!

(遥子)尚之! ナオ!

(警察官)
行方不明者は 長田 尚之 8歳。

各位は 事件 事故の 両面で
捜索されたし。

≪(ドアの開く音)

(遥子)あの それは?
(刑事)ああ… 念のためです。

尚之君が
何かの事件に 巻き込まれた場合

犯人が
連絡を取ってくるかもしれない。

(清美)誘拐?

遥子 ほら 座りなさい。 んっ。

(遥子)私のせいだ。

私が あんなとこ
無理に連れてったから。

(武広)そんなことはない。

(刑事)お母さん
ご主人とは 連絡 取れましたか?

(遥子)主人は 東京にいますので。

(刑事)何か分かるかもしれません。
お願いします。

(遥子)出ないと思いますけど。
(刑事)お願いします。

(呼び出し音)

(アナウンス)ただ今
おかけになった電話は 電…。

(刑事)失礼ですが ご主人とは
尚之君を どちらが引き取るか

もめているそうで。
(遥子)はい?

(刑事)ご主人についても
少し お話 伺えますか?

子供の失踪事件は

身内が関係していることも
多いんです。

《お前なんかに
育てられるわけないだろ》

《尚之は 俺が引き取る》

お母さ~ん!

≪(鈴の音)


(刑事)入電。

(遥子)尚之。
(清美)ナオ君。

(遥子)尚之~!
(清美)ナオ君!

(遥子)尚之!
(清美)ナオ君!

≪(鈴の音)

(遥子)すいません。

この辺りで 小さな男の子を
見ませんでしたか?

息子なんです。

この先の森に入って
行方不明になって…。

(老人)もう いいかい。

もう いいかい。

(清美)遥子…。

あの おじいさんよ
最近 出る 変質者。

ほら 関わらないで。

(老人)それじゃあ 駄目だ。

はっ?
(老人)しらず森は 神隠しの森。

(老人)昔から そう いわれとる。

神隠し?
(老人)それじゃあ 駄目だ。

それじゃあ 子供は戻ってこん。

遥子。

あなた。

(昭彦)ご無沙汰してます。

どういうことだよ
尚之が いなくなったって。

一緒に森に入って
ちょっと 目を離した隙に…。

目を離した… 何で?

いや…。
(昭彦)何やってんだよ!

だから 言ったんだよ
お前じゃ無理だって!

あなたなんて 尚之のこと

見向きもしないじゃない!
電話だって出ないし!

飛行機に乗ってたんだよ 出張で!
お父さんに電話で聞いて…。

今日だけのことじゃないでしょ!
(武広)やめなさい 2人とも!

(清美)そうよ!
ナオ君が かわいそうよ。

≪(少女)何してるの?
こんな所で。

(尚之)僕
迷子になっちゃったみたいなんだ。

そう。 じゃあ
お父さん お母さん 心配してるね。

(尚之)お父さんは いないけど。

お母さんと 仲が悪いから。

ふ~ん。

(昭彦)何か
心当たりはないのかよ。

(遥子)じゃあ 何?

あなたは知ってるの?
尚之が行きそうな場所 一つでも。

俺だって後悔してるよ。

できるなら
もっと 尚之と関わりたかったさ。

今だって お前と同じぐらい
尚之が心配なんだ。

(遥子)尚之に何かあったら 私…。

♬~

(少女)ついてきて。
私が見つけてあげる。

♬~

(昭彦)どうした? 遥子。

(遥子)タイムカプセルに
30年前 私…。

《覚えてないの?》

これって 尚之のバッジだよな?

どういうことだよ。

これって…。

(鈴の音)

(少女)うちは すぐそこ。
私のお母さんにも

捜してもらうよう 頼んであげる。

あれ? ここ…。

どうかした?
(尚之)おばあちゃんの団地だ。

お母さん! お母さん!
(少女)よく分かったね 私のうち。

ここ おばあちゃんのうちだよ。

えっ 何 言ってるの?
(清美)遅いじゃない。

おばあちゃん?
(清美)おば…。

はるちゃんの お友達?
(少女)うん。 お母さん

この子 迷子なんだって。
(清美)あら そう。

どっから来たの?
(尚之)お母さん どこ?

お姉ちゃん 名前 何ていうの?

(昭彦)信じ難い話と
思われるかもしれませんが

妻に代わって 私が説明します。

話は 30年前に さかのぼります。

(遥子)「未来の私へ」

「なおゆきくんが
迷子になっています」

(少女)「なおゆきくんが
迷子になっています」

「すぐに
神社の奥の森に 行ってください」

(少女)《この子ね しらず森で
迷子になっちゃったんだって》

《お母さん 捜してるの》

(神主)《それはね
神隠しっていってね

森の神様の いたずらなんだよ》

《そういうときは

「もう いいかい。
もう いいかい」って

かくれんぼのときみたいに

呼んでもらわなきゃ
いけないんだよ》

(少女)「あの森で
神かくしにあったときは

『もう いいかい。
もう いいかい』と

返事があるまで 呼びかけなければ
いけないそうです」

(少女)《学校で
タイムカプセル作るの》

《私が 手紙で伝えてあげる》

(尚之)《信じてもらえるかな?》

(少女)《う~ん…
何か 証拠があるといいけど》

(少女)「それから

なおゆきくんが大事にしている
バッジも 入れておきます」

(少女)《宝物?》

《お母さんに
お父さんと仲良くしてって

それも お願いしてくれる?》

(少女)「なおゆきくんが
悲しんでいるので

お父さんと
仲良くしてあげてください」

「6年1組 遠野 遥子」

あのときの男の子…。

(尚之)あっ 大丈夫?

うん。

 

(昭彦)会社からだよ。
(遥子)いいの? 電話。

(昭彦)そんな場合じゃないだろ。

(遥子)ホントに信じるわけ?
こんな 嘘みたいな話。

(昭彦)このバッジ

俺が買ったんだよな。

えっ?
(昭彦)ほら

遊園地 行った帰りに 3人で。

3人で…。

(尚之)《あっ!》
(昭彦)《んっ?》

(尚之)
《これ 学校で はやってるんだ》

(昭彦)
《「Detective Club」? 探偵団か》

《ねえ 買って 買って》
(昭彦)《えっ?》

(遥子)
《尚之 わがまま言わないよ》

(尚之)《お願い》

《特別だぞ》
(尚之)《やった!》

(遥子)《よかったね》
(尚之)《お母さん これ 見て》

(遥子)《お~ カッコイイじゃん》

(昭彦)《フフ… 大事にしろよ》
(尚之)《うん》

《ありがとう。 フフ…》

尚之 うれしそうだったよな。

そうだね。 楽しそうだ…。

悪かったな。

家族のこと
ちゃんと見もしないで。

私も
文句ばっかりで ごめんなさい。

♬~

あそこだよ。

(昭彦)じゃあ 呼び掛けるぞ。

(昭彦)もう いいかい。

(昭彦)もう いいかい。

(遥子・昭彦)もう いいかい。

≪(遥子・昭彦)もう いいかい。

(尚之)聞こえた?
(少女)うん。

ま~だだよ。 ま~だだよ。

≪(遥子・昭彦)
もう いいかい。 もう いいかい。

(少女・尚之)ま~だだよ。

≪(少女・尚之)ま~だだよ。

(昭彦・遥子)
もう いいかい。 もう いいかい!

(尚之・少女)ま~だだよ。

ま~だだよ!

もう いいよ。

(遥子・昭彦)もう いいかい!
もう いいかい!

(昭彦)もう いいかい!
(遥子)もう いい…。

(遥子)尚之!

(尚之)お母さん!
(遥子)尚之…。

ケガない?

さあ 帰ろう。

帰るって どっちの おうち?

(遥子)もちろん
私たち3人の おうちよ。

(尚之)ありがとう。
かなり古びてる。 うわ~。

(遥子)なくさないでよ?
(尚之)うん。

≪(鈴の音)

(男性)次のニュースです。
今日 午後9時ごろ

富士川町の商店に 男が押し入り

店主を刃物で殺害し
現金200万円を奪い 逃走しました。

早く捕まるといいですね
正義の味方に。

ありがとうございます。
(女性たち)キャ~!

(ゲルゲルゲ)ギャ~ッハハハ…!

(女性)キャ~!

≪(レッドライガー)待て!
(ゲルゲルゲ)誰だ?

(レッドライガー)赤い炎は 正義の証し。

レッドライガー

(ゲルゲルゲ)何?
(レッドライガー)とう!

(ゲルゲルゲ)出たな レッドライガー
やっちまえ!

(手下たち)シャア!

(ゲルゲルゲ)この野郎!

おっ…。

(レッドライガー)とう!

いくぞ!

(レッドライガー)来い ゲルゲ!

(ゲルゲルゲ)食らえ 地獄シャワー!

(レッドライガー)
うわ! くっ…。 うわ!

あっ… くっ…。
(ゲルゲルゲの笑い声)

(レッドライガー)くそ~
こうなったら~!

必殺 レッドサイクロン!

と~!

(ゲルゲルゲ)おっ… うわ~!

(レッドライガー)正義は勝~つ!

(ゲルゲルゲ)
うわ。 引っ張るな この野郎。

(警察官)ご苦労さまです。
(レッドライガー)ご苦労さま。

(レッドライガー)ありがとう。

お疲れ。 あっ お疲れさま。

(レッドライガー)お疲れさまです。

(室長)大場さん お疲れさん。

(一同)お疲れさまです。

(大場)大場 博人

怪人ゲルゲルゲの身柄を確保し
ただ今 戻りました。

[科学の進歩により 人体の能力を
最大限まで引き出す

改造人間技術が
発達]

[それを悪用する者
怪人が 現れ

市民の生活と安全を
脅かした]

[この緊急事態に 日本政府は

警察庁内に 怪人対策室を設置]

[最新科学技術を駆使した
ヒーロースーツを 開発し

怪人たちに対抗した]

(山本)大場警部
今月もトップじゃないですか。

(桜井)さすが エース。

(大場)いや
俺一人の手柄じゃない。

みんなの協力のおかげだ。

(室長)大場さん 警察庁長官から
表彰状が届いてるよ。

ありがとうございます。

それと 新しい装備が。

(山本)えっ?
これ ハイパーαベルト。

(りさ)最高レベルの身体機能を
引き出すことができる

最新型 変身ベルトですよね?

これからは レッドライガー 改め
ハイパーレッドライガーαだ。

(桜井)お~。
(山本)すげえ。

(桜井)大場さん 俺も
すぐに追い付いてみせますから。

(山本)
ダブルスコアついてますけど。

(桜井)うるさい。
(りさ)大場さん お茶 どうぞ。

あ~ 小牧君 いつも ありがとう。
(りさ)いえ。

(大場)かっ! あっつ!
(りさ)あっ ごめんなさい。

ヒーローが猫舌なんて
締まらないですね。

(一同の笑い声)

(山本)室長 新人が入るって話
どうなったんですか?

(室長)その話なんだが…。
(りさ)またですか?

(桜井)最近の若者は 夢がない。

俺たちの若いころは
みんな ヒーローに憧れたもんだ。

(大場)今は ヒーローも
若者の嫌がる 3K職業だ。

危険 きつい…。
(桜井)切りがない。

(りさ)大場さんも
来年 定年ですし

ますます 厳しくなりますね。

定年後は どうされるんですか?

家族で ゆっくりと過ごすよ。

娘が幼いときに 妻を亡くし
彼女には さみしい思いをさせた。

それが 一番です。

そういえば
桜井さんも単身赴任でしたよね?

嫁の機嫌を取るのに大変だよ。

私も遠距離恋愛中なので
いつ 浮気されるか。

(山本)俺なんか 田舎の両親が
見合いしろって うるさくて。

(室長)みんな 大変だ。

まあ これも 全ては

世界の平和のためだ。
(一同)はい。

 

(大場)亜希。
(亜希)お父さん こんばんは。

こんばんは。
あっ また カップラーメン。

ハハハハ。
ちょっと小腹がすいてな。

ヒーローが そんなんじゃ
体 持たないでしょ?

心配するな。
お父さんを誰だと思ってるんだ。

熱っ…。
大丈夫?

(せき)

風邪か?
ちょっと 調子 悪くて。

暖かくして寝ろよ。
もし お前に何かあったら…。

大げさなんだから。

大げさなことあるか。

世界で 一番 大事な娘だ。

恥ずかしいから やめてよ。

来年 やっと 定年を迎える。

これで ゆっくり 亜希と暮らせる。

うん。

どうした? うれしくないのか?

ううん。
お父さんが いなくなったら

世界の平和を守れるのかなあって。

心配するな。
お父さんの仲間が守ってくれる。

うん。

(室長)みんな 聞いてくれ。
犯行声明が届いた。

(一同)えっ?
(マスターカイザー)ハハハハ…。

怪人対策室の諸君 ごきげんよう
マスターカイザーだ。

マスターカイザー?

(マスターカイザー)われわれは
Kウイルスの開発に成功した。

致死率 99%。

(一同)えっ?

(マスターカイザー)
われわれの要求は 1つだ。

48時間以内に

これまで逮捕した怪人を
全員 解放しろ。

さもなくば 世界中に
このKウイルスを ばらまく。

フフフ…。

(りさ)そんな…。

(桜井)怪人たちを
全員 解放なんてしたら

それこそ 世界の終わりだ。

でも たったの48時間で
何ができるっていうんですか。

諦めるな。

われわれが すべきことは
ただ一つ。

世界の平和を守る。 それだけだ。

(桜井)吐け!
マスターカイザーは どこだ!

(ゲルゲルゲ)そんなやつ 知らねえ…。

(桜井)この野郎。
あっ? じゃあよ…。

(ゲルゲルゲ)あ~ 痛っ 痛っ!
弁護士 呼んでくれ~。

お願いします。

(大場)何でもいいので
思い出してください。

(ホステス)知らないって
言ってるでしょ。

収穫 ゼロでしたね。
(大場)うん。

(バイブレーターの音)

娘からだ。

(バイブレーターの音)

どうした? 何かあったのか?

(亜希)ううん。
ちょっと 声 聞きたくなっただけ。

今の仕事が落ち着いたら

休暇もらって
必ず 亜希に会いに行く。

うん。 楽しみにしてるね。

(室長)マスターカイザーの
提示した期日まで

あと4時間だ。

時間がない。 何としても
やつの計画を阻止するんだ。

(一同)はい。

(手下)うわ! くっ…。

言え! マスターカイザーは
どこにいるんだ!

(手下)知らねえよ!

(大場)あと1時間…。

(手下)えっ…。

(レッドライガー)これが最後の質問だ。
マスターカイザーは どこだ!

(電子音)

(室長)全捜査員に告ぐ。

マスターカイザーの居場所が
分かった。

元東和代病院のあった廃墟だ。

(レッドライガー)ここから すぐです。
至急 向かいます。

みんなが来るのを待て。
(レッドライガー)時間がない。

(レッドライガー)ここか。

(マスターカイザー)ハ~ハッハッハ…。

(レッドライガー)
その声は マスターカイザー!

(マスターカイザー)
よく ここが分かったな。

(レッドライガー)食らえ~
レッドサイクロ~ン!

とう!

なっ 何?

(レッドライガー)ええっ?
なっ なっ 何だ? これは。

(マスターカイザー)
飛んで火に入る夏の虫とは

このことだな。

(レッドライガー)くそ~!

(マスターカイザー)これで終わりだ。

ん~…! ん~…!

カイザーソード!

(レッドライガー)うっ! うっ あっ…。

(亜希)お父さん 諦めないで。

(レッドライガー)亜希。

(レッドライガー)ん~…!

はっ! いくぞ!
(マスターカイザー)何?

(レッドライガー)ハイパー
レッドサイクロンアルファ~!

(マスターカイザー)うわ~!

(レッドライガー)正義は勝~つ!

(3人)大場さん!

(山本)おとなしくしろ。

(桜井)11時59分

恐喝罪およびテロ等準備罪
逮捕する。

(りさ)警察です。 動かないで。
(手下)シュシュシュ~。

(マスターカイザー)くそ…。

お父さん。

亜希 マスターカイザーを倒した。

世界の平和を守ったんだ。

だから 何?

えっ?

何が マスターカイザーよ。

そんなことして 何になるのよ。

亜希。

(大場)亜希!

(大場)室長 しばらく
休みを頂けないでしょうか?

(室長)どうして?

娘に会いに行きます。

今は 駄目だ。

お願いします。

(室長)駄目なものは駄目だ。

♬~

♬~

(レッドライガー)えっ?

(室長)どうした?

家に帰ったら
空き地になっていました。

どういうことですか? これは。

さあ。 私には さっぱり。

その手を離すんだ。

本当のことを話してください!
(室長)何の話だ?

(室長)うん 分かった。 話すよ。

娘は AIだ。

AI?

コンピューターの中にだけ
存在する 人工知能

大場さんだけじゃない。
みんなも そうだ。

ヒーローが 戦うモチベーションを
維持するために

一人一人に あてがわれた
バーチャルにしか存在しない

家族や恋人。

《嫁の機嫌を取るのに大変だよ》

《私も遠距離恋愛中なので
いつ 浮気されるか》

《田舎の両親が
見合いしろって うるさくて》

そんなわけ…。

娘が生まれたとき
この手で 抱き上げた。

入学式も出たし
誕生日だって 毎年 一緒に…。

その記憶は ヒーローになる
改造手術を受けたときに

すり替えられた 偽物の記憶だ。

えっ?

(室長)だましていたことは
申し訳ない。

真実を知れば
みんなの士気が下がる。

(室長)われわれが いなくなったら
世界の平和は どうなる?

どうか
みんなには 黙っててほしい。

このとおり。

♬~

♬~

 

 

お父さん。

亜希。

何かあったの?

ヒーローを辞めようと思っている。

えっ?

何のために戦っているのか
分からなくなってきた。

お父さんがヒーロー辞めたら
世界の平和は どうなるの?

もういいよ。 分かってるんだ。

お前は AIなんだろ?

コンピューターの中にしか
存在しない。

現実には 存在しないんだ。

お前は…。

お前は 偽者なんだ。

そうだったら よかったのに…。

あした 手術を受けるの。

手術が成功する可能性は

ほんのわずか。

もし 成功したとしても
私の病気が完全に治ることはない。

正義は勝つ?

そんなの嘘よ。

現実には
ヒーローなんか いないの。

(亜希)《お母さんは?》

(看護師)《さっき 電話があって
今日も来れなくなったって》

♬~

♬~

《しゃ~》

(せき)

(大場)
《世界で 一番 大事な娘だ》

《恥ずかしいから やめてよ》

♬~

ゲーム?

そんなわけ…。

(亜希)お父さん。

俺は
いっ… いったい 何のために…。

(亜希)
でも お父さんが いたから

どんな つらいときも
諦めずに頑張ってこれた。

お父さんは 私のヒーロー。

強くて 優しくて

フフ… 猫舌で…。

私だけのヒーロー。

ヒーロー?

お父さん…。

ありがとう。

亜希。

今まで ありがとう。

フフ。

あっ…。

(大場)亜希!

(大場)ご迷惑 お掛けしました。

今日から また
よろしくお願いします。

(山本)めっちゃ心配しましたよ~。

(りさ)信じてました
大場さんは 必ず戻ってくるって。

(室長)どうして 戻ってきた?
(桜井)世界平和のためですか?

ああ。

でも それだけじゃない。

(警報)

(室長)
怪人が現れた。 全員 出動だ!

行くぞ!

(レッドライガー)
世界の平和は 俺たちが守る!

(男性)先ほどの強盗殺人事件の
続報です。

逃走中の容疑者は 40~50代 男性。
身長180cm程度。

青のジャンパーに
茶色いリュック。

なお 容疑者は 犯行時に 左手を
ケガしているとのことです。

何 見てんだよ。

何 見てんだよ!

そうだよ。 俺だよ。

俺が ラジオの犯人だよ。

おやおや。 物騒ですね。

刃物は
まさに 人を惑わす魔物ですよ。

(樹)助けて…。

キャ~!

(樹)《萩山 翔。
ポジション ポイントガード

《バスケ部の
エースにしてキャプテン》

《頭脳明晰。 おまけにイケメン》

(生徒たちの歓声)

(部員)萩山先輩 頑張って!
(部員)頑張れ!

(生徒たちの歓声)

(樹)《よって… ライバル多し》

《なお 先輩の好きな食べ物は
ぶり大根》

《好みのタイプは
料理が上手な人》

《となれば…》

《作るっきゃないでしょ~!》

あっ すいません。

(男)さや当てとは いい度胸だ。

さや当て?

(男)刀の さやと さやが
ぶつかったであろうが!

かっ 刀?

(樹)《えっ? 何 この人》

《ダイコンのこと
刀って言ってる?》

《えっ 超ヤベえやつじゃん》

ごめんなさい。
ホントに すいませんでした。

待てい!

刀は 武士の命。

お主も武士ならば
神妙に 勝負 致せ。

いっ いや あの
私 武士じゃないし…。

問答無用! 覚悟~!

や~!
(樹)いっ…。

(樹)《嘘。 何で?》

《ダイコンで斬られた》

(樹)えっ… えっ… えっ…。

助けて…。

や~!
(樹)キャ~!

あっ… 助けてください。

命だけは 命だけは
助けてください。 お願いします。

(男)哀れなやつめ。

武士の情けだ。

決闘は 1カ月後にしてやる。

えっ…
許してくれるんじゃないの?

えっ? あっ あっ…。

(男)思い人か。

もし 逃げたら
代わりに こやつを斬る。

えっ?
(男)せいぜい 腕を磨くがいい。

ハハハ…。
(樹)えっ? えっ? ちょっと…。

(男)ハハハハ…。

1カ月でなんて…。

もう どうすればいいの?

≪(老人)そこな娘。

えっ?
(老人)わしの弟子に ならんか?

えっ… 弟子って 何の?

(老人)もちろん 剣術じゃ。

わしの指導を受ければ
必ず あの男に勝てる。

あっ… ホントですか?

(樹)《んっ? 待って 待って。
タイミング 良過ぎない?》

《もしかして 詐欺?
あっ 絶対 そうだ》

《ダイコンなんかで
物が斬れるわけ…》

(老人)や~!

(樹)[次の日から 師匠の家で

剣術修行が始まった]
もっと腰を入れて!

えい。

(老人)[初心者は 長ネギから始め
ゴボウ ヘチマを 習熟せねば

ダイコンには 触れられん]
(樹)はっ。

[そして 手だれともなれば
どんな野菜とて 武器にできる]

(老人)始め!

(樹)う~…。

あっ… あっ あっ…
あっ あっ あ~!

(ため息)

よし。

(樹)《今まで 特に
やりたいこともなかったけど

今は とにかく勝ちたい》

《私が 先輩のことを守るんだ》

せい!

(樹)いった~。

(老人)よくぞ ここまで耐えた。

仕上げに
これで 巻きわらを斬ってみろ。

♬~

はっ!

お~!

(樹)アスパラ…。

(樹)「六月 三十日」?

え~? この日
バスケの試合なんですけど~!

(樹)ホントに すいません!

今日 試合 行けなくて。

(萩山)何だよ マジな顔して。

あっ 今日が 最後の
試合になるとか思ってんの?

バ~カ。 大丈夫だよ。

俺 絶対 勝って 全国 行くから。

(樹)あの… 私 先輩のことが…。

(部員)お~い 出発するぞ。

あっ 今 行く。

で 何?

あっ… いや…。

あっ そうだ。

あの これ 作ったんです。
飲んでください。

(萩山)おう。 サンキュー。

絶対に勝ってください。

私も…。

絶対に 生きて帰ってきますから。

おう。 じゃ。

(緑)ん~ おいしい。

(緑・太一)フフ。

(太一の ため息)

(緑)どうしたの?
(太一)んっ?

(太一)緑 俺と結婚してください。

2人で幸せになろう。

太一…。

緑?

あっ…。

いや もちろん 返事は
今すぐじゃなくて いいからさ。

♬~

♬~

(玲子)えっ? 返事しなかったの?

(緑)うん…。
(玲子)どうして?

緑たち いい感じだったじゃない。

もう 付き合って
3年くらい たつでしょ?

まあね…。

遠藤に 何か 問題でもあった?
(緑)いや

そういうわけじゃないんだけど。

てっきり
OKするもんだと思ってた。

えっ?

嘘でしょ…。

(緑)え~。

キャ~!

どういうこと?

(希)あっ…

懐かしい。

ねえ

あなた 誰?

(希)春田 希。 あなたのお母さん。
(緑)はっ?

緑が 種を植えてくれたんでしょ?

♬~

嘘でしょ。
(希)緑 大きくなったね。

(緑)ちょっと待ってよ!
こんなの信じられないよ!

緑を産んだのは
1989年5月9日。

出生体重は 2, 850g。

どうやって調べたの?

調べなくたって分かるわ。

おなかを痛めて 緑を産んだのは
この私なんだから。

その姿で
産んだって言われても…。

(緑の おなかの鳴る音)
(緑)あっ…。

お母さん 緑が大好きだった
ロールキャベツ 作ってあげる。

何で知ってるの?

(緑)あっ… ねえ 大丈夫?

(希)いいから あっちで待ってて。

(希)痛っ。
(緑)ほら~。

ちょっと見して。

えっ?
(希)大丈夫 大丈夫。

(希)懐かしいでしょ?

たくさん食べてね。
お代わり あるから。

食べないの?

だって 植物だから。

(希)緑 奇麗になったね。

(希)お父さんは? 元気?

(緑)今 海外に出張中なの。

(希)そっか…。
相変わらず忙しいのね。

(緑)ちょっと!

シャワー浴びてきたら?
お風呂場は そこ曲がって…。

聞かなくても分かるわよ。

同じ味だ…。

≪(シャワーの流れる音)

≪(希)嫌っ!
≪(物音)

≪(希)ちょっ あっ… あ~!

(緑)あっ…
ちょっと もう 何やってんの!

もう… あ~!

(緑)も~。

嘘!

誰?
(希)私よ。 お母さん。

はっ?

さっきまで 子供だったじゃない。

水で 成長しちゃったみたい。

(希)ぴったり。 借りていい?

(緑)どうぞ。

(通知音)

(希)「結婚」って
緑 プロポーズされたの?

ちょっと… 見ないでよ。

(希)先方に お返事してないんだ?

関係ないでしょ。

どうして お返事しないの?

そんな簡単なことじゃないの。

(希)もし 悩んでることがあるなら
話 聞いてあげるよ。

(緑)ちょちょちょっ… 何?

(希)ゆっくり お話ししましょ。

(緑)もういいから!

あしたも早いの。

おやすみなさい。

(希)おやすみ。

♬~

♬~

≪この会社の人ですよね?

あの 遠藤 太一さんって方
ご存じですか?

(玲子)知ってますけど
どちらさまですか?

(希)失礼しました。
私 春田 緑の…。

ちょっと 何してるのよ。

(希)緑。 えっと ほら あの…
お弁当 届けに来たの。

はっ?
(希)ほら。

今 「太一」って 言ったでしょ?

この子 緑の知り合い?

えっと…

いとこなの いとこ。

≪(エレベーターの到着音)
(緑)どういうつもりよ。

(玲子)あっ
ちょうど戻ってきたみたいよ。

じゃあ 私 行くね。
(緑)えっ? あっ…。

お疲れ。

どうしたの?

あなたが太一さん?

(太一)そうですけど…。

ごめんね。
いとこが 急に遊びに来ちゃって。

緑のいとこ?
(緑)そう。

あっ そうなんだ!

初めまして。 遠藤 太一です。
(希)あっ 初めまして。

いつも 緑が
大変 お世話になっております。

あっ いえ。
(希)あの

緑が 色々
ご心配おかけしているそうで

すいません。
(太一)えっ?

ちょっと もう 何 言ってるのよ。

仕事だから さっさと帰って。
お弁当 もういいから。

まあまあ まあまあ。
せっかく来てくれたんだから

そんな言い方 よくないよ。

ありがとうございます。

んっ。

ごめんね 太一。

私 行かなきゃいけないから。
じゃあね。

(希)あっ あっ
あの どうか 緑のこと

これからも
よろしくお願いします。

(緑)ホントに あきれた。
余計なことしないでよ。

ごめんなさい。

どうしても
緑のお相手を 一目 見たくって。

それより
太一君 とっても いい人じゃない。

どうして 迷ってるの?
彼のこと好きなんでしょ?

それは そうだけど…。

お母さん 太一君となら

きっと
幸せになれると思うけどな。

ねえ 覚えてる?
緑の6歳のお誕生日の日。

(希)《緑 誕生日おめでとう》

《おめでとう》
(緑)《うわ~ 開けてもいい?》

(希)《うん。 どうぞ》

(緑の父)《おっ? おっ?》

(緑)《あれ? 魔法の指輪は?》

(希)《魔法の指輪は
売り切れちゃってて…》

《その代わり
おめかし5点セットにしたの》

《これ すごい人気なんだって?》

《うん…。 ありがとう》

《やっぱり
指輪の方が よかった?》

《ううん。 これでいい》

《カワイイし…》

(希)《緑
我慢しなくて いいんだよ》

《約束したのと 違うの
買ってきちゃったね お母さん》

《ごめんね》

《自分の気持ちに 素直になって
言っていいんだよ》

《ホントは 魔法の指輪がいい》

《うん。 よし 分かった》

《お母さん
今から取り換えてくる》

《でも…》
《ううん。 大丈夫》

《他のお店も探して
必ず見つけてくるから》

《待っててね》
《うん》

(希)あのときは
すっごく うれしかったな。

緑が 自分の気持ちに
素直になってくれて。

やめてよ。

そんな話 したくない。

もう 行かなきゃ。
あなたも帰って。

(緑の父)《希!》

《希…》

(緑の父の泣き声)

≪(物音)

(緑)人の部屋で 何やってるの!

(希)おかえり。

ねえ あの指輪って
もう 捨てちゃった?

(緑)はっ?
(希)魔法の指輪よ。

もしかして 受け取ってないの?

(希)あった~。 よかった。

ちゃんと 緑の手に渡ってたのね。

(緑)何で いまさら
そんな物 捜してたの?

(希)だって これは

緑が 自分の気持ちに
素直になってくれた

大事な思い出だもん。

そのこと 思い出してほしくて。

そんなこと 思い出したくない!

そんなの
全然 いい思い出じゃない!

だって そうでしょ?

私が こんな物 欲しがらなきゃ

あなたが
出掛けることもなかったし

事故に遭うこともなかった。

それは 違う。
(緑)何が違うの?

こんな おもちゃのせいで

私のせいで

お母さんは 死んじゃったんだよ。

(希)あっ…。

指輪なんて いらないから

お母さんに
帰ってきてほしかった!

あれから ずっと思ってた。

お母さんを殺した私なんか
幸せになっちゃいけないんだって。

もしかして
そのせいで 結婚 迷ってるの?

何で そんなふうに…。

あなただって
後悔してるんじゃないの?

もう 私に構わないで。

あなたといると つらいの。

♬~

♬~

♬~

(緑)《もう 私に構わないで》

《あなたといると つらいの》

(緑)あっ。

♬~

何してるの?

緑 おはよう。

お母さん…。

(希)やっと そう呼んでくれた。

(緑)ずぶぬれじゃない。

(希)指輪 捜してたの。

たぶん
この辺に落ちたと思うんだけど。

(緑)そんなのいいから 早く…。
(希)よくないわよ!

緑だって ずっと
取っておいてくれたんじゃない。

(緑)早く入らないと
寿命が縮まっちゃう!

(希)知ってたんだ…。

(緑)だから 入って。

ねえ!

(希)あっ!

あった。 ほら 見て。

ほら。

あ~ よかった。
やっと 緑に 直接 渡せた。

(緑)何で こんなことするの?

そうやって また
勝手に いなくなるつもり?

お母さん?

お母さん! 大丈夫?

(希)緑

これだけは 分かってほしいの。

お母さん もう一度
その指輪を買いに行ったこと

全然 後悔してないよ。

だって お母さん
とっても うれしかったんだから。

(緑)もういいから 早く…。
(希)緑は 何も悪くない。

もっと早く そう言ってあげなきゃ
いけなかったのに

つらい思いさせてきて
ホントに ごめんね。

お母さん
恨まれても仕方ないと思ってる。

(緑)恨んでなんかない。

私は ただ

お母さんと
一緒にいたかっただけなの。

お母さんと
いろんなことを話して

いろんなことをして…。

ずっと お母さんに会いたかった。

緑…。

やだ… 行かないで。

緑… お母さん 幸せだったよ。

緑のお母さんになれて
すっごく幸せだった。

お母さん…。

だから
緑にも幸せになってほしい。

ねっ?

私 幸せになりたい。

ううん。

私 幸せになる。

うん。

♬~

♬~

(神父)では 指輪の交換を。

♬~

♬~

ありがとう お母さん。

さっ さっきから
訳 分かんねえ話ばっかしやがって。

黙らしてやる。

1人 殺すのも 2人 殺すのも
おんなじだ。

やめた方がいいですよ。

私には分かってます。

(ストーリーテラー・男)あなたは 本当は
犯罪を犯すような人ではない。

そのことは あなた自身が
一番 分かっています。

お前… 誰だ?

もう1人の あなたです。

(男)あ~ あっ…。

あ~!

(ナイフの刺さる音)

(倒れる音)

♬~

あ~!

恐怖は

外から やって来るものでは
ありません。

全て
人間の心が生みだすものです。

あの男のように。

♬~

自殺ですか?

(警察官)いや 分からん。

所持品 捜せ。

(警察官)はい。

何ですか? その古い写真。

どういうことだ?

♬~

(男)刀の さやと さやが
ぶつかったであろうが!

や~!
(樹)キャ~! 助けてください。

決闘は 1カ月後にしてやる。

もし 逃げたら
代わりに こやつを斬る。

(樹)私が 先輩のことを守るんだ。

待たせたな。

(男)よく 逃げなかったな。

褒めてやる。

抜け。

♬~

(男)ほう。
少しは できるようになったか。

だが しょせんは 素人の猿まね。

♬~

ちぇ~!

(樹)《ついていけてる》

(樹)《これが 修行の成果?》

♬~

♬~

(舌打ち)

まさか この技を
使うことになるとはな。

♬~

いかん。 あの構えは…。

参る!

えっ?

(老人)やっ… やめろ!

♬~

先輩…。

(樹)《もう 先輩ったら》

《ぶり大根は 逃げませんよ》

(男)あっ!

せっ… 拙者の名刀を!
(樹)うん。 さすが 名刀。

全然 辛くない。

(男)己 許さん!

や~!

先輩に ぶり大根を作るまでは
死ねない。

(樹)必ず 生きて帰る。

♬~

(樹)安心せい。 峰打ちじゃ。

(通知音)
(樹)んっ?

あっ 先輩。

あっ。

(樹)♬「ラブラブ ベリベリ
ぶり大根~」

♬「ぶり大根~ ぶり大根~」

♬「ぶり大根~」 フフ。

特上のブリ 買えた~。

これで 先輩は私のもの。

≪(ガンマン)ヘイ。
(樹)んっ?

嘘~。

(オラキオ)この業界ね…。