ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

白い巨塔 第5話 最終回 岡田准一、松山ケンイチ、沢尻エリカ、夏帆… ドラマの原作・キャストなど…

『5夜連続ドラマスペシャル 山崎豊子 白い巨塔 最終夜 テレビ朝日開局60周年記念』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

  1. 財前
  2. 財前教授
  3. 柳原
  4. 財前先生
  5. 関口
  6. 先生
  7. 五郎
  8. 証言
  9. 裁判
  10. 裁判長
  11. 手術
  12. 自分
  13. 又一
  14. 患者
  15. 医師
  16. 君子
  17. 看護師
  18. 里見先生
  19. カルテ
  20. 失礼

f:id:dramalog:20190526231141p:plain

『5夜連続ドラマスペシャル 山崎豊子 白い巨塔 最終夜 テレビ朝日開局60周年記念』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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5夜連続ドラマスペシャル 山崎豊子 白い巨塔 最終夜 テレビ朝日開局60周年記念[字]

山崎豊子・不朽の名作『白い巨塔』が令和初の大型ドラマとして5夜連続で新たに誕生!主人公・財前五郎岡田准一)をはじめ、大作にふさわしい豪華キャストが一堂に集結!

詳細情報
◇番組内容
山崎豊子・不朽の名作『白い巨塔』が令和の時代に新たに誕生!2019年の現代に設定を置き換え、財前五郎岡田准一)は最先端医療のスペシャリストに!大学病院という閉鎖的な世界の中で繰り広げられる、熾烈な権力争いの行方はいかに…!?大作にふさわしい豪華キャストが一堂に集結!大阪、金沢、岡山、淡路島、中部国際空港、そして海を渡りドイツまで、一大ロケーションを敢行!令和初の大型ドラマ…ついに最終回!
◇出演者
岡田准一松山ケンイチ沢尻エリカ夏帆満島真之介、飯豊まりえ、八嶋智人斎藤工、山崎育三郎、向井康二柳葉敏郎、岸本加世子、高島礼子美村里江市毛良枝岸部一徳松重豊小林薫寺尾聰
◇原作
山崎豊子白い巨塔』(新潮文庫刊)
◇脚本
羽原大介、本村拓哉、小円真
◇監督
鶴橋康夫
◇音楽
兼松衆
◇スタッフ
【チーフプロデューサー】五十嵐文郎テレビ朝日
【エグゼクティブプロデューサー】内山聖子テレビ朝日
【プロデューサー】船津浩一(テレビ朝日)、秦祐子(ロボット)
◇おしらせ
☆番組ホームページ
 https://www.tv-asahi.co.jp/shiroikyotou/
☆Twitter
 https://twitter.com/shiroikyotou_ex
☆Instagram
 https://www.instagram.com/shiroikyotou_ex/

 

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(財前五郎)俺が あの白い巨塔
頂点に上り詰めるのを

見せつけてやる。

〈ドイツでも成功を収めた財前〉

〈しかし 出国前にオペをした
佐々木の容体が急変し 亡くなる〉

(佐々木よし江)手術は成功した
って言うたやないですか!

(佐々木庸一)
俺 あの医者を訴えるわ。

〈医療ミスの訴えを起こされた
財前は

遺族と
全面的に争う姿勢を見せる〉

君のカルテのままだと

まるで 私が
肝臓の異常に気づいていたのに

何も手を打たなかった
みたいじゃないか。

〈部下の柳原に
嘘の証言をするよう

圧力をかけるが

同期の里見が 遺族側の証人として
裁判に出廷する〉

(里見脩二)なぜ 嘘をつくんだ。

(関口 徹)つまり 財前被告は
その処置を

とらなかったんですね?
そう思います。

(関口)あなた それでも
国立大学の教授ですか?

(よし江)ちゃんと
財前先生を裁いてください!

〈しかし 裁判は財前が勝利し
里見は大学を去る事となった〉

これっきり
会う事もないだろうな。

(鵜飼裕次)来年 世界外科連盟の
理事のポストが 1つ空き

強力な候補者を
日本から推薦してほしいという

要請がありました。

そこで 我が浪速大学からは

財前教授を推薦します。

今回の裁判で傷つけられた

浪速大学病院のイメージ回復にも
なるでしょう…。

どうでしょう? 財前教授。

はい。

謹んでお受け致します。

(大河内)ほう…。

現在 控訴審を控えている
財前くんが

名誉ある世界外科連盟の理事に
適当な立候補者だというのかね?

どうなのかね? 鵜飼くん。

ええ…。

そして 財前くん
君自身の意見は どうなんだね?

私は 現在係争中の
医療裁判につきましては

皆様にご迷惑をおかけした事は
本当に申し訳ないと…。

それだけに 私のような若輩が
立候補し 理事になる事で

本学のお役に立てるのであればと
思っております。

鵜飼くん。

理事の推薦には
教授会の承認が必要なのかね?

いえいえ…
規定では必要ありませんが

一応 皆様にご報告をと
思いましてね。

それじゃあ
この話は時間の無駄だ。

♬~

(ドアの開閉音)

(東 政子)
今日は なんのお話かしら?

今度の裁判の事でしたら
東を巻き込まないで頂きたいの。

東は
里見さんのように若くないし

格別な正義漢というわけでも
ないし…。

(ドアの開く音)

(東 貞蔵)おお… 里見くん。
急に呼び出してすまないね。

いえ。 先生 お元気そうで。

ああ…。 退官した時は
少し疲れていたが

今は
近畿労災病院の病院長として

やりがいのある仕事を
させてもらってるよ。

ああ… なによりです。

ありがとう。 もういいよ。

話は聞いたよ。

浪速大学から君を追い出すなんて
鵜飼くんもひどい事をする。

いえ…。 今から思えば

財前に気を使わずに
検査をしていれば

もしかしたら 佐々木さんは
助かったかもしれません。

なぜ 佐々木さんが亡くなる前に

自分の意思を
押し通さなかったのかと

心から悔やんでいます。

♬~

なあ 里見くん。

君さえよかったら
うちの病院に来てくれないか?

僕がですか?

内科で
優秀な人材を探しているんだ。

君が来てくれるんだったら
こちらとしては言う事はない。

ありがとうございます。
ですが

来月から 関西がんセンターに
行こうと思っています。

ほう…。

そうか。
はい。

あそこだったら
自由に研究ができるね。

浪速大学並みとはいきませんが

それでも 全国から
優秀な研究者が集められていて

まあ 自分には合ってるんじゃ
ないかなと思ってます。

うん… そうか。
はい。

わかった。 残念だが…。

もし 私に
何かできる事があるんだったら

いつでも言ってくれ。
はい。 ありがとうございます。

(携帯電話の振動音)

ちょっと失礼。

ああ 今津くんか。 どうした?

えっ?

信じられんな。

うん… わかった。

どうかしましたか?
ああ…。

今日の教授会で 財前くんが

世界外科連盟の理事選挙に
立候補したそうだ。

まさか…
控訴審を控えてるんですよ?

いや… 間違いないらしい。

人間の野望というのは
恐れを知らんものらしい。

♬~

♬~

(看護師)お願いします。

(佃 友弘)お願いします。

「これより
安田太一の右肝切除を開始する」

メス。
(看護師)はい。

(心電図モニターの音)

吸って。

(吸引する音)

展開して。
やりづらいな… 広げて。

展開して。
はい。

ふう…。

ハア ハア…。

汗。
(看護師)はい。

失礼します。

ハア ハア ハア…。

あっ…!

(安西太郎)先生?
(金井達夫)先生。

♬~

うっ…! 止血だ!

クソッ…。
(安西)ガーゼ!

もたもたするな!
(安西)はい!

5-0 モノフィラメント。
(看護師)はい。

しっかり渡せ!
(看護師)すみません!

早く 早く…。

展開して… 展開!

(荒い息遣い)

(佃)先生!

(安西)先生 どうされたんですか!?

(安西)先生!
(佃)ゆっくり…。

立ちくらみだ。 疲れてるのかな…。

そりゃあ 疲れますよ。
毎日のように手術があって

その上 控訴審
選挙の準備もありますから。

財前先生じゃなきゃ
とっくに倒れてますよ。

今日は早く帰るよ…。

そうなさってください。

♬~

(物音)

(財前杏子)あなた…?

あら… 今日は早いのね。
電話くれたらよかったのに。

出かけるのか?

友達と約束があるの。

(杏子)ねえ この前のお見合い
どうなったの?

先方は乗り気だよ。

何度か
2人で会ってるみたいだ。

そう…。

うまくいくといいわね
私たちみたいに。

ねえ 今日
お父さんの所に行ってきたの。

具合でも?

違うわよ。
子供作ろうって言ったじゃない。

私には
何も悪いとこがなかった。

次は 五郎くん連れてこいって。

わかった。

じゃあ いってきます。

遅くなると思う。

教授の次は理事
その次は子供か…。

(河野正徳)
相手方の控訴理由に対し

十分 反論しましたので

裁判官の反応も悪くありません。

新たな証人や鑑定人は
必要ないかと考えてます。

さすがは 河野先生と国平先生の
お手並みは見事ですな。

(国平)向こうも 打つ手がなくて
困ってるみたいです。

鵜飼先生のご尽力のおかげで
いい鑑定人が見つからないそうで。

一審以上に順調に進み
大いに安心しております。

以前頂いた 佐々木庸平の
入院から死に至るまでの

診療に関係した
医局員や看護師のリストですが…。

(河野)この病院に現在いる者は
大丈夫です。

地方の病院に出されたり
辞めたりした者も

順次 追ってます。

この亀山君子は?

(国平)明日 夫が勤めてる工場に
行ってきます。

うちの事務所が
親会社の顧問をやってるんです。

ハハハ…!
楽勝ですよ。 ハハハ…。

こちらは 医師である柳原くんを
きっちり おさえてますし

辞めた看護師を 今さら
気にするわけじゃないんですが…。

(ノック)

(安西)失礼します。

ああ…。
財前先生 回診のお時間ですが…。

すぐ行く。

♬~

明日 工場には
何時頃いらっしゃいますか?

12時頃ですが 何か?

いえ 義父も
ご同行させて頂けたらと…。

それはいいかもしれませんね。

それは心強い! なあ 国平くん。
ハハハ…。

では 場所のほう
メールしてください。

(国平)わかりました。

失礼します。

失礼します。

食事のほうは
順調に進んでいるのか?

はい。 通過障害もなく

昨日から五分粥です。
ならいい。

(安田太一)財前先生…。
(安西)あっ!

(佃)先生!
(安西)大丈夫ですか?

♬~

どうされました?
(安田)先生…。

実は お昼ご飯のあとで
おなかが痛くなって…。

安西先生
言おうと思ったんですけど

午前中に
1回しか診てくれなかったし

看護師さんも
バタバタ忙しそうで…。

安西くん!
患者の病状の移り変わりには

いつも気をつけるようにと
常々 言ってるじゃないか!

申し訳ありません!

(看護師)失礼します。

失礼します。

(安田)先生 この
おへその上辺りが痛くて…。

先生 大丈夫でしょうか?

手術は うまくいったって…。
患者は黙って!

静かに!
はい…。

(よし江)財前先生は嘘つきです!

手術のあと 何回お願いしても

一回も
来てくれなかったやないですか。

♬~

少し 腸音の亢進がある。

術後イレウスも考えられる。

術後 ガスがたまって

腸の調子が
悪くなる事がありますから

その時は すぐに
安西先生に言ってください。

(安田)はい。 わかりました。

♬~

お大事に…。
(安田)ありがとうございます。

♬~

(チャイム)

五郎ちゃん…。

どうしたの?

顔色が悪いわ。 真っ青よ?

お水 飲む?

(ため息)

はい。 お水。

何かあった?

裁判や理事選挙が
うまくいかないわけ?

いや 手術だ…。

昨日の肝臓がんの手術の事だ…!

簡単だったんだ!

なのに あの佐々木庸平のように
なったらと思うと

身がすくんで… 言いようのない
恐ろしさを感じた!

手元が狂って
大出血させてしまったんだ!

今まで 自分の腕には
絶対的な自信があったのに…。

で… 成功したの?

ああ…。 危なかったが
問題なく終わったよ。

じゃあ 心配する事ないじゃない。

佐々木さんの事だって

五郎ちゃんは外科医として
やる事をやったんだし。

診断どおりに切って
手術は成功したんだもの。

ハハハハハ…。

俺は完璧にやったんだ。

ただ…

患者と その家族と

最後まで向き合わなかったのが
運の尽きだったわね。

ケイ子…。

君って女は
俺よりも強い人間だよ。

♬~

とても疲れたよ…。

ねえ… そんなに疲れてるなら

いっそ 裁判や
理事の立候補もやめたら?

いや… 裁判も選挙も

うまく操って
両方とも勝ってみせる。

言ったろ? 俺は
どこまでも上り詰めてみせるって。

馬鹿ね。

せっかく
国立大学の教授になったんだから

その地位と権限を
フルに活用して

すごい研究でも
取り組めばいいのに

裁判に巻き込まれたり

選挙なんかのために
ご機嫌取りして…。

これが俺の生き方だ。

余計な口出しはするな。

教授になってからの五郎ちゃんは
なんだか面白くなくなったわ。

私たち 別れようか。

(携帯電話の振動音)

(携帯電話の振動音)

なんだ! こんな時間に。

実は 例の患者が
強い腹痛を訴えていて

やはり 先生が危惧されたように

腸閉塞を引き起こしたと
思われます。

じゃあ
スコポラミンを入れておけ。

すぐに行く。 再開腹手術の
準備をしておくんだ。

術後腸閉塞の手術くらいに
教授直々 お出ましとは…。

財前教授も
随分お変わりになったこと。

話は また今度だ。

♬~

(佃)財前先生。
容体は?

(安西)
先生のご指示どおり 直ちに

経鼻胃管カテーテルを挿入して
胃内容を排除し

スコポラミンと鎮痛剤を
注射しましたら

嘔吐や腹痛は収まりました。
よし。

術前検査では 一部腸管が
壊死している疑いがある。

なるべく早く腸閉塞を解除し
腸切除を回避したい。

迅速にして冷静なる介助を
行うように。

♬~

始めよう。 クーパー。
(看護師)はい。

♬~

(電話)

はい。

はい… 少々お待ちくださいませ。

財前先生 奥様からお電話です。

家から…?

♬~

はい。

(ケイ子)どう? 手術の結果は。

癒着による腸閉塞だったよ。

壊死はしてなかったから
切り取らずに済んだ。

じゃあ もう一度
こっちに帰ってくる?

別れ話の続きをしましょうか。

(受話器を置く音)

(工場長)おい! 亀やん 亀やん!

(工場長)お客さんやぞ!
(亀山富治)はい。

(工場長)亀やん! 早う 早う…!

早う 早う! 何をしてんのや。
大事なお客さん 待たせてんねん。

早う来いっちゅうねん ほんまに。
(亀山)この忙しい時に もう…。

(工場長)
どうも お待たせ致しました。

さあさあ 亀やん。

あのな こちらはな
弁護士の国平先生と それから…。

財前又一と申します。

(亀山)財前…?

国平先生はな うちの親会社が
いつもお世話になってる

偉い先生なんやで。
(亀山)はあ…。

(又一)実は 亀山はん

本日お伺いしたのは 他でもない

奥さんの君子さんの事なんですわ。

(国平)君子さんが 浪速大学病院に
勤めていた時に亡くなった方が

病院と医師を相手取って
裁判を起こしまして。

その時の事を知っている方を
お訪ねしているんです。

(又一)その医師っていうのが
私の娘婿の財前五郎なんですわ。

それやったら 直接 君子に
聞いたらええやないですか。

いやいやいや…。
まずは 男同士 こうやって

旦那さんと先に
お話しさせてもろたほうが

スムーズかなと思いまして。

へえ… こっちは
外堀から埋めようって腹か。

亀やん
なんちゅう口の利き方…!

(国平)いえいえ… いいんです。

亀山さん 今 「こっちは」という
言い方をされましたね。

という事は…。

この間 東佐枝子っちゅう女が
弁護士 連れて

うちのに 法廷で証言してくれって
頼みに来たわ。

(又一)えっ!?
まさか 向こう側の証人に…?

そんな面倒くさい事
させるわけにはいかん。

ああ… 助かったぁ。
ああ よかった。

聞いたところ 奥さん
妊娠中らしいやないですか。

こういう大変な事を
妊婦にさせるっちゅうのは

酷な事でっせ。

どうやろ? 亀やん。

ここは 奥さんを
しっかり説得してもろて

お二人の足
引っ張る事のないように。 なっ?

こちら どうぞ。

(又一)ええ… それと これは

私から亀山さんに。

黙って… 黙って お納めに…。

ちょっと ちょっと…。

黙って聞いとったら
いい気になりやがって!

なんで お前らが 君子やのうて
俺の工場に乗り込んできたか

ようわかったわ この卑怯者が!

すんまへん すんまへん!
いやいや 誤解… 誤解や!

(工場長)亀やん やめんかい!

正々堂々 生きてきた 俺には

お前らみたいなやり方は
大嫌いなんじゃ!

(せき込み)

(又一)うわあ…!

ちょ… ちょっと ちょっと…。

あっ あっ… 亀やん…。
(又一)あっ 散らばってるがな!

♬~

(携帯電話の振動音)

(東 佐枝子)もしもし 君子さん?

佐枝子さん… 私 証言します!

裁判で 私が聞いた事 話します!

えっ 本当ですか?

今日 財前教授のお義父さんと
弁護士が

夫の工場まで押しかけて
口止め料を払おうとしたんです。

真っすぐな性格の人だから

そんなやり方
絶対に許さなくて…。

もう大丈夫です。
裁判で証言します。

ありがとう 君子さん…。
ありがとうございます!

(君子)私にも 看護師としての
プライドがあります。

患者さんの命を

お金でどうこうできると
思ってたら 大間違い!

♬~

どうぞ。

こちらでお待ちください。

(裁判長)それでは 控訴人代理人
尋問をどうぞ。

(関口)はい。

まず 佐々木さんの手術前の事を
お聞かせください。

証人は 総回診の時

柳原医師が財前医師に
PET撮影を申し出たのを

はっきりと聞きましたか?

(君子)はい。
(傍聴人のざわめき)

(関口)
その時 財前医師は なんと?

「必要ない」とおっしゃいました。

では 手術後の事を お尋ねします。

執刀医である財前医師は
佐々木さんを診察しましたか?

いいえ 亡くなるまで
一度もしませんでした。

(関口)執刀医であるのに
一度もですか?

(関口)では 症状が
急変してからの事について

お聞かせください。

(君子)
奥さんは 何度も柳原先生に

財前教授に診てほしいと
頼んでいました。

(関口)
その時 柳原医師は なんと?

(君子)財前教授は忙しいからと
断っていました。

でも 佐々木さんの容体が
どんどん悪くなって…。

柳原先生は

壮行会に出かけた財前教授を
呼びにまで行きました。

(柳原)ご家族が
財前教授に診て頂きたいと

おっしゃっております。
病院に戻って頂けないでしょうか。

(君子)それでも 財前教授は
戻ってきませんでした。

柳原先生だけじゃなく
第一外科の先生方は

財前教授が 佐々木さんの急変を
術後胆管炎と決めつけ

医師として
とるべき処置をとらなかったと

わかっているはずです!
だけど みんな…

財前教授の機嫌を
損ねたくないから…。

(柳原)教授の指示に従って
処置するしか仕方ないだろ。

それが大学病院だって事は

君子さんも
よくわかってるでしょ?

(君子)柳原先生 どうして
本当の事を言わないんですか?

これ以上 佐々木さんを
苦しめるのは やめてください。

(河野)裁判長!

傍聴席へ向かっての発言は
許されません。

証人の発言を
記録から削除します。

♬~

(河野)亀山さん あなたは
前任教授である東先生に

相当
気に入られていたそうですね。

辞めるまでは ずっと
第一外科に勤めていましたから

長いお付き合いではありますが…。

(河野)その頃 院内では

東教授付きの看護師と
言われていた。

(君子)そんなふうに言う人たちも
いました。

(河野)あなたは 東先生に対立する
財前先生に対して

反感を抱いていた。 だから
財前先生を陥れるような事を

発言しているのでは
ありませんか?

違います。 そんな事はありません。

(河野)そうですか?

浪速大学病院には
あなたと東先生が

不倫関係にあったのではないかと
噂する者もいます。

そんな事あるわけないでしょう!
(関口)裁判長!

(河野)では…!

浪速大学病院に勤務していた時
あなたは

財前先生の事を
どのように思われてましたか?

(君子のため息)

正直言って 苦手でした。

特別な紹介状を持っている患者と
一般の患者を

あからさまに区別するし

医局員や
私たち看護師に対しては

まるで 使用人をあごで使うように
横柄な態度でした。

(河野)フッ… つまり
財前先生が苦手というより

あなたは 医療に真摯に取り組む
財前先生を

勝手に邪推し 責任を
転嫁しているのではないですか?

尋問を終わります。

(裁判長)証人は
お帰りになって結構です。

本日は これにて
審理を終了します。

財前… 財前。

ちょっと話があるんだ。
時間取れないか?

あら… 財前先生
ご無沙汰しております。

こちら 里見先生。
大学の同級生だ。

里見先生の事は
財前先生から よく聞いてます。

さあ 奥にどうぞ。

こっちでいい。

♬~

何? 大阪きっての名医

しかも 男前が 2人もそろって
しかめっ面なんかして。

最近は どうしてるんだ?

千里にある
関西がんセンターにいるよ。

そうか…。

大学病院での
煩わしい雑務がなくなって

研究に専念ができる。

それに いろんな研究者たちと
意見を交換して

協力して仕事ができる事が
嬉しい。

♬~

財前…。

傍聴席から見ていても

お前が神経をすり減らして
疲れきっているのが よくわかる。

世界外科連盟の理事なんて
どれだけのプラスになるんだ。

また余計な仕事が
増えるだけだろう。

医学者としての
貴重な時間と体力を

すり減らすだけだ。

立候補なんかやめて
楽になったらどうだ?

理事になる事が
プラスかマイナスかは

俺が決める事だ。

立候補するからには

対立候補を引きずり下ろしてでも
当選してみせるよ。

僕は 友達として
心配してるんだ。

そんなに心配してくれるなら

佐々木側につくのを
やめてくれないか。

それが友情ってもんだろ。

いや…

僕は お前が教授の権威を笠に
医局員たちを巻き込んで

真実を隠そうとする態度を
改めない限り

佐々木さんたちに協力する。

それが
患者の命を預かる医者の使命だ。

(ケイ子)今日の喧嘩は
ここまでにしておいたらいかが?

一日で決着をつけるのには
もったいなさすぎるわ。

♬~

ごちそうさま。

(ケイ子)里見先生。

また いらしてくださいね。

財前先生が
お友達を連れてこられるの

初めてなんです。

あいつは いつから

あんなに生き急ぐように
なったんですかね?

体に気をつけるよう
言ってください。

(ドアの開閉音)

(安田)長い入院で…。
なんか うな重でも食べたいな。

おはようございます!

(安田)あっ 財前先生!
財前先生じゃないですか!

ああ これは…。

お会いできてよかった。
先生には お世話になりました。

ご無事に退院できて 何よりです。

手術も うまくいったし
腸閉塞の時には

夜中にもかかわらず駆けつけて
手術してくれるなんて

神様です!

先生を訴えてる 恩知らずの
遺族がいるそうですが

天罰が下りますよ!

私は授業がありますので…。
失礼します。

(安田)あっ すいません。
お大事に。

(安田)ありがとうございました。
失礼します。

スペ患でもないのに

わざわざ 財前教授自ら
お見送りですか。

最近の財前教授は
術後の診察も丁寧だし

腸閉塞みたいな簡単な手術に
夜中でも駆けつける。

さすが 理事に立候補する名医だ。

…と 評判ですよ。

(野田華子)
もうすぐ できますから。

はい。 ありがとうございます。

(華子)うちのお父さんが 町医者で
アルバイトなんてしないで

学位論文に専念したらいいのに
って言ってましたよ。

ああ… そうですか。

(チャイム)

こんばんは。 関口です。

柳原さん いらっしゃいますか?

(関口)柳原さん。

(関口)柳原さん?

(ドアをたたく音)

(関口)今度の法廷が
最後のチャンスです。

お願いします。 本当の事を…。

♬~

(関口)柳原さん あなた

佐々木庸平さんの
心肺蘇生をしていた時

何を思っていたんですか?

(関口)里見先生から聞きました。

佐々木さんの心臓は
とっくに止まっているのに

あなたは
一生懸命 心臓を動かし続けた。

医師として
生きてほしいと願った。

(関口)柳原さん
あなたは これから

何百人 何千人の患者の命を救う
医師です。

自分の将来に
禍根を残してはいけません。

ううっ… ううっ…。

♬~

ううっ… ううっ…。

(背中をぶつける音)

(柳原)大丈夫ですか?
(華子)はい…。

♬~

すいません…。
いいえ…。

(柳原)すいません…。
(華子)いいえ…。

♬~

(裁判長)控訴人代理人は どうぞ。

(関口)亀山君子さんは

あなたが 佐々木さんの
PET検査をするよう

財前医師に申し入れ

なおかつ 術後 症状が悪化した際
ドイツ壮行会の会場にまで行き

直接 財前医師に診察を頼んだと
証言しました。

この証言を受けて
あなたの一審での証言に

変わりはありませんか?
お答えください。

変わりはありません。
第一審で証言したとおりです。

(机をたたく音)
(よし江)柳原先生! お願いです!

ほんまの事 言うて!

(関口)どうか 勇気を持って
真実を証言してください。

この控訴審の法廷でしか

あなたの医師としての良心を
よみがえらせる場はないんですよ。

♬~

第一審で証言したとおりです。

(傍聴人のざわめき)

(関口)そうですか…。

ご遺族の方が こんなにも
苦しみ続けているのに…。

あなたという医師は…。
あなたという人間は…。

尋問を終わります。

♬~

(関口)里見先生
亀山君子さんの証言と

柳原先生 財前先生の証言とが
真っ向から食い違っています。

なぜでしょう?

どちらかが嘘をついているとしか
思えませんよね?

私は嘘をついていません。

(関口)では 術後
佐々木庸平さんを一度も診ずに

ドイツへ行かれた事については
どう思いますか?

第一審でも申し上げましたが

私は
患者 及び そのご家族が

診察を望んでいるという事を
聞いていませんでした。

仮に聞いていたとしても 執刀医が
患者の診察をしないという事は

よくある事です。

しかし その結果

佐々木庸平さんの容体は急変し
死に至ったんですよね?

私は ドイツに行く直前まで

佐々木さんは 術後胆管炎の
症状であったとしても

なんらかの合併症を
引き起こす可能性があるから

その時は
しっかり対応するようにと

担当医である柳原くんに
何度も念を押しました。

(関口)つまり あなたは
全ての責任は

受持医である柳原先生にあると
おっしゃるんですか?

そうです。

(傍聴人のざわめき)

いかに 彼が
日々の診察業務に加え

学位論文とアルバイトで
疲れきっていたとしても

常に患者を第一に考えるという

医師としての基本を
忘れてしまったのは

彼の怠慢と言わざるを得ません。

もし 私にミスがあるとすれば

そんな 未熟で経験の浅い

機転の利かない若い医師に

大切な患者を託してしまった
という事です。

その患者が 極めて まれな病態を
持たれた方だったというのは

不幸な巡り合わせでした。

♬~

(柳原)嘘だ。

(柳原)嘘だ! 全部嘘です!

財前教授は嘘をついてる!
(裁判長)静粛に!

(関口)直ちに 柳原先生を
控訴人側の証人として申請します。

(河野)柳原先生の言葉は

佐々木庸平さんの死の責任が
自分に及ぶ事を恐れて

発作的に発言したものと
思われます。

必要であれば 日を改めて

冷静な状態で
証人調べを行われたい!

裁判長! 今を逃しては

柳原先生に対する
様々な圧力が考えられ

二度と重要な証言を
得られないかもしれません。

お願いします。

直ちに 柳原先生に
質問の許可をお願いします!

必要ないだろ!
(傍聴人のざわめき)

(裁判長)静粛に!

♬~

合議の結果 柳原証人の発言は

本件の重要な争点と関連し

かつ 本件の事実を正確に知る
参考になると認め

極めて異例の措置ではあるが

柳原医師に対し
証人として質問する事を許可する。

(たたく音)
(河野)えっ? そんな…。

(裁判長)被控訴人は自席に。

柳原証人は前へ。

(又一)あかん あかん。
それは…。

(裁判長)それでは 控訴人代理人
尋問をどうぞ。

(関口)はい。

えー… 今 あなたが
財前医師の証言に対し

突然 「嘘だ」と叫んだのは
どうしてですか?

正直に お話しください。

亀山君子さんの
証言したとおりです。

(佃)おい おい…。 違うだろ!

僕は 教授回診の時に
PET撮影が必要だと思い

財前教授に伝えましたが
必要ないと言われました。

(佃)おい 柳原 何 言ってんだ…。
(又一)あり得ない…。

(関口)それだけですか?
他にも ありませんか?

(柳原)佐々木さんの手術中…。

財前先生 肝に腫大が…。

それに 変に白い所もあります。

生検に出したほうが
よろしいでしょうか?

元々 脂肪肝があるからだ。
見ただけでわかるだろ。

(関口)つまり 財前教授は

2回とも 肝臓の異常に関する
あなたの進言を無視し

その結果 佐々木庸平さんは
手術後 死に至ったのですね?

(国平)異議あり
何を言うんだ!

黙って聞いていれば

いい加減な事を言うのも
程があるぞ!

(裁判長)被控訴人は
勝手な発言を控えなさい。

♬~

(国平)こちらからも
柳原証人にお聞きしたい。

許可します。

百歩譲って

もし あなたが言っている事が
本当だとしたら

なぜ 今まで
嘘の証言をしたのでしょうか?

(柳原)浪速大学病院と
財前教授の名誉を考えると同時に

医局員である僕の立場を考えて
言えませんでした。

嘘の証言によって得られる
医局での出世を考えると

どうしても…。

♬~

(柳原)でも
さっき 財前教授が

自分の責任を 全部
僕のせいにしようとした言葉で

僕の気持ちは変わりました。

あまりにも ひどすぎます!

何 言ってんだよ!
(傍聴人のざわめき)

(裁判長)静粛に! 静粛に!

不規則発言をする者には
退廷を命じる。

♬~

(柳原)僕は 医師としての良心に
立ち返るべく

真実を証言します。

♬~

罪悪感は決して消えない…。

(柳原)一生残るものだと
気づいたんです。

(国平)なるほど。

しかしね あなたの証言が真実だと
証明する証拠はありますか?

証拠はあります。

(裁判長)柳原証人
裁判所から質問します。

これまでの証言を覆し
しかも 証拠まであるとの発言は

裁判における真実と公正さに鑑み

大変 重大な事です。

はい わかっています。

その証拠とは なんですか?

改ざんした カルテの原本です。

♬~

(柳原)財前教授は
ドイツから帰国後

僕に 佐々木庸平さんの手術記録の
改ざんを命じました。

それを 病院の電子カルテ
登録しました。

(柳原)ですが…

僕は 最初に書いた
手書きの手術記録を

保管しています。

(柳原)元のカルテは

「肝に腫大あり

表面に癒合性の白色斑 認めるも

教授の指示により対応せず」。

それを

「肝には軽度の肥大 認めるも

観察の範囲内で
特記すべき異常なし」と

書き換えました。

(国平)国立大学の医師が
カルテの改ざん…。

あなたは 財前教授の指示のもとに
行ったと証言しましたが

その証拠はありますか?

ないなら
柳原証人の虚言とも言える!

証拠はありません。
でも 僕は…。

証拠がないなら あなたが行った
カルテの改ざんに

財前教授が関与している
などという証言には

なんの信憑性もない。

日頃から恩のある教授の診断が
間違っていると思い込み

その間違いを隠蔽しようと
勝手にカルテを書き換えた!

それは違います!

♬~

財前教授が
ご自分のミスを隠すために

僕にカルテの改ざんを命じた…。

それが 真実です。

♬~

♬~

(仲居)失礼致します。

遅くなりました。

(又一)河野先生は
お見えやないんですか?

ええ。 急に
別の裁判の打ち合わせがあり

今日は…。

財前先生。

カルテの改ざんとは
一体 どういう事でしょうか?

全く身に覚えのない事。

柳原の思い違いか
私に対する逆恨みでしょう。

(又一)それにしても
柳原っちゅうのはアホな男やで。

わしらの言う事
黙って聞いとったら

なんの問題もないのに

これで 学位論文も縁談も
全てパーになったっちゅう事や。

裁判の見通しは
どうなりますか?

明日 佐々木側は

カルテを証拠として提出する
段取りですが

財前先生が指示した証拠が
ないので

判決では 一審同様

佐々木側の主張は
認められないでしょう。

はい… 勝訴判決を期待します。

(裁判長)判決を言い渡します。

(裁判長)主文
一 原判決を取り消す。

あっ…!
お母さん!

(裁判長)二 被控訴人らは

控訴人
佐々木よし江 佐々木庸一に対し

各自 8000万円及び
これに対する支払い済みまで

年五分の割合による金員を支払え。

(裁判長)被控訴人 財前五郎

佐々木庸平の肝臓に
異常が認められたにもかかわらず

これに全く注意を傾けず

里見医師 柳原医師の進言を無視

佐々木さんを死に至らしめた事は

医師としての注意義務違反である。

♬~

(裁判長)死後
肝臓の異常は不可抗力であったと

周囲に思わせるために

柳原医師に
カルテの改ざんを命じた事は

当裁判所として

その倫理的 社会的責任を
厳しく追及すべきと考え

冒頭のごとき
判決に至ったものである。

先生 ありがとうございました!

(庸一)
先生 ありがとうございました。

(よし江)ありがとうございました。
ありがとうございました。

♬~

(記者)財前教授…! 財前教授!
今のお気持ちを一言。

(記者)辞任されるおつもりですか。
辞任など論外だ!

(記者)上告されるんですか?
当然だ!

(記者)財前教授
一言 お願いします。

予見不可能な症状に対し

注意義務違反などという事は
絶対に認めない!

カルテを改ざんしたのは
柳原であり

私が指示をした証拠など
どこにもないはずだ!

こんな不当判決が認められれば
多くの医者は…!

(記者)教授?
(記者)教授!

(記者)財前さん!
(記者)財前教授!

(又一)どけ! どけ どけ!

財前! 財前!

財前! 財前!
(カメラのシャッター音)

撮るな 撮るな! 撮るな!

(又一)救急車!

ああっ…。

救急車…!
財前! 財前!

ああっ… ああ…。

(黒川キヌの声)五郎。
(又一の声)五郎くん。

(ケイ子の声)五郎ちゃん。

(杏子の声)あなた。

(又一の声)五郎くん! 五郎くん!

(技師)財前教授 終了です。

(ノック)

(佃)失礼します。

財前さんをお連れしました。
どうぞ。

(又一)あっ 鵜飼先生
五郎くんの様子は どうですか?

ここんところ
やれ裁判や理事選挙や言うて

大変やったさかい…。

会食が続いて
いつも二日酔いだったので…。

大変申し上げにくいのですが

財前くんは… 膵臓がん
ステージはⅣaです。

膵臓がん…?

ステージⅣaって…。

(金井)隣接臓器に浸潤している
可能性も高いかと…。

(鵜飼)現時点では
全力を尽くすとしか言えません。

本人に なんて言ったらいいか…。

ちょっ…
ちょっと待ってください!

裁判に負けたばかりだというのに
そんな事 言えません!

本人に黙って治療するわけには
いかないんですか?

化学療法をするにしても
手術をするにしても

本人に告知しなければ
治療できないんです。

ああっ…。

ほんなら 早う告知して
治療を…!

そんなの駄目!

五郎さんには黙ってて!

(又一)杏子…。
だって こんなの無理よ…。

(杏子の泣き声)

♬~

先生。

見てのとおりです。

五郎への告知は
2~3日 待ってもらえまへんか?

娘も 気持ちの整理が
必要やと思います。

お願いします。

わかりました。

あと 理事選挙の件ですが…。

立候補は取りやめですな…。

残念ながら こうなった以上
仕方ありませんね。

あと この事は口外無用。

浪速大学の がん専門医が
膵臓がん。

それも かなり進行しているのに

症状に気づかなかった事が
表沙汰になれば

患者やマスコミに与える影響は
大きい。

わかってます。

わかってますよ
わかってますがな…。

わしの有望株が…。

♬~

病院内に箝口令を。

遅い!
申し訳ありません。

ちょっと倒れたぐらいで
検査 検査 検査。

まあ いい。 結果を見せてくれ。

ああ… 先生

今週 スペ患の人間ドックが
立て込んでおりまして

もう少し時間がかかりそうです。

私だと言って
急がせればいいじゃないか。

(佃)わかりました。
裁判の上告と理事選挙があるんだ。

こんなところで
ゆっくりしていられない。

ちょっと 様子を見て
せかしてきます。

おい… おい!

先生は このところ
お忙しすぎました。

いい機会ですから
体を十分に休ませてください。

あっ いや…。
(ドアの開く音)

どうや? 五郎くん。

お義父さん すいません
こんな大事な時に倒れてしまって。

いやいや… うちの有望株は
なんちゅうても忙しすぎた。

少し ゆっくり休み。

(佃)先生 代わります。
すいません やります。

柳原先生。

里見先生。

どうも。

ここのラーメンがうまいんだ!
食べない?

いえ… 大丈夫です。
そうか。

これから どうするの?

ああ…。

昨日 浪速大学病院に
辞表を出してきました。

そっか…。

高知県にある診療所が

ずっと医者がいなくて困ってると
聞いたので そこに行きます。

えっ 無医村?

はい そうです。

無医村は 君が想像しているより
大変だよ。

よく決心したね。

里見先生。

僕は 医学者として

もう一度 生き直したいと
考えてます。

僕の優柔不断さが
佐々木さんの死を早め

裁判で嘘をついて
ご遺族の方を苦しめたんですから。

わかった。

じゃあ そこで診療しながら

博士論文をまとめて
僕に送ってくれ。

東先生と相談して
浪速大学で都合がつかなかったら

他の大学で学位を取れるよう
僕も動くよ。

えっ…?

僕のせいで
浪速大学を辞められたのに…。

ありがとうございます。
フフフ…。

お互い 頑張らないとね。

…はい。

♬~

また。

はい。 では…。

(柳原)お待たせ。

里見先生。

♬~

じゃあ 行こう。
うん。

(携帯電話の振動音)

はい。 ああ 佐枝子さん。

♬~

お待たせしました。

急に すいません。
裁判が落ち着いたので…。

実は お話ししたい事が
ありまして。

僕にですか? なんでしょう?

♬~

今回の裁判で
私なりに いろいろ考えました。

私は結局 父の庇護のもと

自分では何も考えずに
生きていたのではないかなって。

まだ 具体的には
どうするか決めていませんが

これからは 少しずつでも

自分の足で 自分の人生を
歩いていこうと思います。

♬~

私 もっと広い世界 見てきます。

そこには きっと…

先生のような方が
いるかもしれない。

♬~

さようなら 里見先生。

♬~

♬~

(ドアの開く音)

里見。
財前…。

どうして ここに…。

俺を診察してくれ。
えっ?

浪速大は信用できない。

♬~

本当の事を言ってくれ。

♬~

俺は医者だ。

自分の命は 自分で決める。

生きるのも死ぬのも 俺なんだ。

♬~

信用できるのは お前だけなんだ。

♬~

膵臓がん
ステージⅣa もしくは Ⅳb。

肝転移も否定できない。

♬~

ああ…。

俺が膵臓がんか。

よりによって…。

この俺が膵臓がんか…。

診断結果を見せてくれ。

これなら
まだ切れるんじゃないか?

ステージⅣaといっても
脾静脈浸潤ぐらいだろう。

肝転移だって
まだ はっきりしたものはない…。

お前なら どう治療する?

まずは 術前化学療法を勧める。

ボーダーライン・リセクタブル膵がんに対する
術前化学療法か。

そうだ。

しかし
俺の場合 がんは膵尾部にあって

腹腔動脈や門脈からも遠い。

抗がん剤で小さくしなくても
今なら切れるはずだ。

いや…。

腫瘍が周囲に浸潤しているのが
明らかで

このまま切っても ミクロレベルで
腫瘍が残る可能性が高い。

手術するなら 腫瘍を
小さくしてからのほうがいい。

それが 本当に最善か?

膵臓がんに対する
化学療法の奏効率は

40パーにも満たない。

がんを小さくできる確率は
5割以下だ。

効かない化学療法をやって
時間を無駄にしたくない。

膵臓がんの唯一の根治的治療は
手術だ。

一刻も早く
拡大切除したほうがいい。

誰に切ってもらうんだ?

お前なら 誰に切ってもらう?

僕だったら…
お前に切ってもらう。

自分で
自分を切るわけにはいかないな。

♬~

初めて わかったよ。

自分の命を
他人に預けるしかないんだな。

正直… どうしたらいいか
全くわからない。

♬~

俺は…。

お前に治療を頼みたい。

そして 執刀は…。

♬~

東先生に頼んでくれないか。

さすがに 俺からは言いづらい。

わかった。

僕にできる事なら なんでもする。

ありがとう。

♬~

頼むよ。

♬~

悔しいな…。

お前ほどの才能を持った医者が…。

なぜ 気づけなかった!

(救急車のサイレン)

(足音)

五郎さん!

(秒針の音)

(秒針の音)

これが 俺の膵臓か…。

(秒針の音)

ああ… ああーー…!

♬~

♬~

♬~

財前くんが膵臓がんとは…。

財前くんには

最高裁で逆転するまで
協力してもらわないと困ります。

里見くんには 浪速大で
自分の治療にあたってほしいと

財前くん たっての希望です。

あと もう一つ…。

財前くんは

先生に手術して頂く事を
希望しています。

…私に?

東先生。

財前は 一つ間違えれば
もう助からないかもしれない

がん患者なんです。

里見くん…。

財前くんに…

大学を追われる羽目になった君が
そこまで…。

皮肉なもんだね。

いろいろあった我々が

こうして
財前くんのために集まってる。

一人の人間の命の前には

どんないきさつも理由にならない。

わかりました。

手術は引き受けます。

ありがとうございます。

♬~

♬~

これより 財前五郎
左腎 左副腎合併切除を伴う

脾膵体部切除
リンパ節郭清を行う。

メス。
はい。

♬~

電メス。
はい。

♬~

(金井)あっ…。

腹膜播種…。

里見先生 それは…?

がん細胞が 膵臓だけでなく
バラバラと散らばって

腹膜に転移しています。

東先生!

なんとか… なんとしても
助けてやってください!

「東先生! 原発巣を切って

腹腔内に散らばった腫瘍を
できるだけ取り

最後に シスプラチンを
散布する事はできませんか?」

(佃)こう 腫瘍が飛び散っていては
手の施しようが…。

♬~

(金井)東先生。

残念ですが 閉じましょう。

ああ… 閉じよう。

♬~

鵜飼先生 なるべく早く
抗がん剤でたたきましょう。

里見くん
君もわかっているはずだ。

すぐに化学療法を行うのは無理だ。

貧血も かなりあるし
凝固系も狂っている。

血栓症のリスクも高い。

♬~

東先生…。

手術時間は1時間。

ドレーンもなしですね。

開腹 即閉創 試験開腹ですか。

腹膜播種ですね。

そうだ。

先生… ありがとうございました。

毎日 診察に来るよ。

執刀してくれた医師が
診てくれると

こんな気持ちになるんですね。

ホッとします。

初めて わかりました。

もう少し寝なさい。

はい。

♬~

(携帯電話の着信音)

(キヌ)もしもし。

(杏子)あっ もしもし。

あの… 杏子です。

えっ? 杏子さん…。

どうしたん? なんかあったん?

♬~

五郎が そんな…。

時間が… あまりないんです。

時間がないって…?

(杏子)本当は
余計な心配かけたくないから

岡山に連絡するなと
言われてるんですが…。

10年前 ここを出した時から

五郎は 財前家の人間です。

(キヌ)「それは 一番
あの子がわかっとります」

私が今 見舞いに行っても

かえって 気を使うて
疲れてしまう。

(キヌ)「私は…」

行きません。

杏子さん ご親切にありがとう。

♬~

お義母さん… ごめんなさい。

(カーテンを閉める音)

ううっ…。

水を…。

水?
水…。

ううっ…。

ハア… ハア… ハア…。

杏子…。

杏子…。

子供は無理そうだ…。

お父さんが嘆いてたわよ。

「俺の有望株が大暴落や」って。

あなたらしくないじゃない
弱気になるなんて。

私の前では…

いつものように
浪速大学の財前教授でいてよ。

そうだな…。

(心電図モニターのアラーム)
うっ ううっ…!

うう… ううっ…!

あなた!?
ううっ…!

(ナースコール)
あっ ああ…!

(ナースコール)

♬~

ううっ…!
(看護師)財前先生 わかりますか?

財前。
ああ… ああ…!

(金井)里見先生
トルソー症候群ですよね?

急いでくれ。
血栓溶解が間に合うかもしれない。

ああ…!

まずは頭部MRIを撮る。

柵 抜きます。
押さえて…。

♬~

いいかな? まずは端まで。
1 2 3!

移すよ。 1 2 3!

財前。

うう…!
急いで。

(安西)よし 行こう! 急いで。

財前。

♬~

(黒服)少々お待ちください。

失礼します。

あの… 財前先生の奥様が…。

♬~

(ケイ子)財前先生 お元気ですか?

最近 全然
顔を出してくれないんですよ。

五郎さん 死ぬわよ。

…え?

(ため息)

私 自分でも

どうして ここに来たのか
わからない。

五郎さんに 何人 女がいようと
構わない。

だって あの人の望む人生を
かなえてあげられるのは

私しかいない。

あの人を守れるのは
あなたじゃなくて私なの。

わかっています。

♬~

(ため息)

♬~

初めて お見合いの席で
五郎さんの事を見た時

どうしていいのか
わからなかった。

あっという間に好きになって…。

私じゃなくて

財前の家と結婚したと
わかってても…。

五郎さんと一緒になれるのが
嬉しかった。

♬~

結婚すれば

いつか 本当の夫婦になれると
思ってたの。

あなたの事を知るまでは…。

♬~

明日 くれない会があるの。

教授たちの夫人会が。

ほら そこに 財前教授の妻として
出席しないと…。

いつものようにしてないと
駄目だから…。

♬~

夕方まで病院に行きません。

♬~

母さん…。

母さん… ごめん…。

なんだ…
別れたんじゃなかったのか…。

なかなか会いに来てくれないから
来ちゃった。

相手より 余計に
好きになったほうが負けなんだよ。

きれいだな…。

好きでしょ? 赤いバラ。

ケイ子…。

何? 五郎ちゃん。

俺さ…。

すぐ良くなるから。

だから 待っててくれないか?

その時 ケイ子が
どこにいても構わない。

必ず見つけ出して
会いに行くよ。

だから 待ってろ。

♬~

♬~

(ノック)

(ドアの開く音)

里見先生。 お久しぶりです。

えーっと…。

ほら 裁判中に
飲みに行った時の…。

ああ…! 雰囲気が全然違うので
わかりませんでした。

もう失礼するところです。

そうですか。

じゃあ… 財前教授。

また お店でお待ちしてます。

お大事に。

♬~

さようなら 五郎ちゃん。

♬~

しびれてるんだ。

トルソーが起こったんだろう?

とうとう がんが
脳梗塞を引き起こしたか…。

こういう事なんだ…。

里見 早く
抗がん剤治療をしてくれ。

今のお前の状態じゃ 無理だ。

まずは 血栓症の治療をして
体力を回復して…。

そんな事をしている間に
俺のがんは進行していく。

頼む…。

このまま死ぬのは嫌だ。

むちゃだ。

俺は いつも
そうやって戦ってきたのを

お前は知ってるだろう。

…わかった。

抗がん剤の治療方針を立てる。

ありがとう…。

もう一つ…。

(財前の声)
屋上に連れてってくれないか?

(汽笛)

俺の手は 思いどおり動かない。

もう 誰も助ける事はできない。

俺は 生きてるのか?
死んでるのか?

どっちだ?

お前の手は温かいな…。

♬~

少し 1人にしてくれないか?

電話したいんだ。

わかった。

♬~

(呼び出し音)

(携帯電話の着信音)

母さん 元気か?

うん…。 五郎は?

世界外科連盟の理事に
立候補したから

その選挙で忙しいよ。

そう…。

会いたいな 母さんに。

♬~

岡山に帰りたい…。

うん。 うん…!

もう少しで楽になるから。
ゆっくり…。

うん 待っとる。 待っとる…。

母さん… ありがとう。

♬~

そろそろ戻ろうか。

ん?
これは お前が持っててくれ。

♬~

(心電図モニターのアラーム)

ううっ ううーっ…!

メッツェン… 吸引…
腫瘍栓をかき出す…!

急げ… 急げ…!

財前先生… 財前先生!

二度目の脳梗塞
起こっています。

今回は
出血性梗塞になってしまいました。

ああ… 手術を開始するぞ…。

急げ… 柳原… 柳原…!

あなた しっかりして!
死なないで!

カルテ…。

(ドアの開閉音)

うう…!

財前くん しっかりするんだ。

あっちへ行け… 用はない…。

(金井)先生 鵜飼医学部長ですよ。
鵜飼先生です!

用はない… あっちへ行け…。
用はない…。

財前くん…。

ううっ…!

怖い… 怖い…
苦しい… 苦しい…。

水が…。 息ができない…。

ああ…!

疲れた… 疲れた…。

少し… 少し休む…。

(心電図モニターのアラーム)

ああ… これが… 死か…。

(心電図モニターのアラーム)

(心電図モニターの心停止音)

(心電図モニターの心停止音)

午前3時39分 ご臨終です。

(又一)ああ…! 五郎くん…!

わしが悪かった!
無理させすぎた…!

(心電図モニターの心停止音)

(財前の声)「自らの死体をもって

癌の早期発見並びに
進行癌の治療の一石として

役立たせて頂きたい」

膵臓癌
現在もなお難治性癌であるが

病態の解明が その克服の端緒に
繋がることを信じる」

「私の場合は 癌に伴う血栓症
致命的な合併症を起こしたが

逆に これを標的として

早期診断や治療につなげることも
不可能ではないと愚考する」

「しかし そうした治療開発を

里見先生と共に

自らの手で成し得なかったのは
痛恨であり

自ら癌治療の第一線にある者が
早期発見できず

手術不能の癌で死すことを恥じ

浪速大学病院第一外科の名誉を
傷つけてしまったことを

深くお詫び申し上げます」

♬~

「里見」

「こうして虚しく
死を待つだけになっても

君と共に
病に苦しむ人々を治療し

その生命を紡ぐ医師として

人生を全うできたことを
誇りに思う」

里見 ありがとう。

いつか また きっと。

財前五郎

♬~

♬~

(ノック)

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