ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

白い巨塔 第4話 岡田准一、松山ケンイチ、沢尻エリカ、夏帆… ドラマの原作・キャスト・音楽など…

『5夜連続ドラマスペシャル 山崎豊子 白い巨塔 第四夜 テレビ朝日開局60周年記念』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

  1. 関口
  2. 財前教授
  3. 医師
  4. 患者
  5. 裁判
  6. 柳原
  7. 教授
  8. 財前先生
  9. 手術
  10. 里見先生
  11. 裁判長
  12. 証言
  13. 記者
  14. 財前
  15. 木庸平
  16. 里見
  17. PET検査
  18. 肝臓
  19. 財前被告
  20. 血管内リンパ腫

f:id:dramalog:20190526080248p:plain

『5夜連続ドラマスペシャル 山崎豊子 白い巨塔 第四夜 テレビ朝日開局60周年記念』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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5夜連続ドラマスペシャル 山崎豊子 白い巨塔 第四夜 テレビ朝日開局60周年記念[字]

山崎豊子・不朽の名作『白い巨塔』が令和初の大型ドラマとして5夜連続で新たに誕生!主人公・財前五郎岡田准一)をはじめ、大作にふさわしい豪華キャストが一堂に集結!

詳細情報
◇番組内容
山崎豊子・不朽の名作『白い巨塔』が令和の時代に新たに誕生!2019年の現代に設定を置き換え、財前五郎岡田准一)は最先端医療のスペシャリストに!大学病院という閉鎖的な世界の中で繰り広げられる、熾烈な権力争いの行方はいかに…!?大作にふさわしい豪華キャストが一堂に集結!大阪、金沢、岡山、淡路島、中部国際空港、そして海を渡りドイツまで、一大ロケーションを敢行!令和初の大型ドラマを26日(日)まで連続放送
◇出演者
岡田准一松山ケンイチ沢尻エリカ夏帆満島真之介、飯豊まりえ、徳永えり八嶋智人斎藤工、山崎育三郎、向井康二柳葉敏郎、岸本加世子、高島礼子美村里江浅田美代子市毛良枝岸部一徳松重豊小林薫寺尾聰
◇原作
山崎豊子白い巨塔』(新潮文庫刊)
◇脚本
羽原大介、本村拓哉、小円真
◇監督
常廣丈太(テレビ朝日
◇音楽
兼松衆
◇スタッフ
【チーフプロデューサー】五十嵐文郎テレビ朝日
【エグゼクティブプロデューサー】内山聖子テレビ朝日
【プロデューサー】船津浩一(テレビ朝日)、秦祐子(ロボット)
◇おしらせ
☆番組ホームページ
 https://www.tv-asahi.co.jp/shiroikyotou/
☆Twitter
 https://twitter.com/shiroikyotou_ex
☆Instagram
 https://www.instagram.com/shiroikyotou_ex/

 

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彼らのメッセージになっている
という事なんですね。

〈醜い権力闘争を制し
教授の座に就いた

天才外科医 財前五郎

(鵜飼裕次)2票の差をもって
あなたが教授に選出された。

(財前五郎)お受け致します。

〈敗れた東は 浪速大学病院を
追われる事となった〉

(東 貞蔵)私の力が及ばず
本当に申し訳ない。

〈早速 ドイツの医療学会からの
招待を受け

順風満帆の財前は

同期の里見から
担当患者の手術を頼まれ…〉

(佐々木庸平)何十人もの
社員の口を食べさせなあかんねん。

(里見脩二)なぜ PET検査しない?
教授である私の判断だ。

〈容体の急変を危惧する
医師たちの声に

一切 耳を貸さない財前〉

(花森ケイ子)何かあるんじゃない
目には見えない何かが。

(佐々木よし江)手術は成功した
って言うたやないですか!

〈しかし この事が

取り返しのつかない事態へと
発展していく事となる〉

財前の予定は?
ドイツ出張です。

財前!

(よし江)里見先生!
なんで こんな事に…。

(英語)

(医師)ベリー ナイス。

(看護師)イエス サー。

(英語)

(医師)いつまでやってるんだ!

(金井達夫)右CV
13センチで固定しました。

(亀山君子)はい。
ポンプ 繋ぎました。

(医師)ARDSでしょうか…。
(医師)DOA 5ガンマ

ノルアド 0.1ガンマ。
(君子)はい!

(金井)輸液
もう一本 追加お願いします。

(君子)はい。 開始しました。

(金井)吐血しました! 挿管準備!

(医師)動かします!

(医師)これは
肝不全による出血じゃないか?

肝不全…。

♬~

(医師)こんな事になるまで
お前 何をやってたんだ!?

(佐々木庸一)
先生 なんで あんなに血が…。

(里見脩二)DIC…。

血が止まらなくなる
血液の凝固障害です。

(心電図モニターのアラーム)

心マ開始!
(医師)DC150! アドレナリン!

代わるぞ。
(看護師)DC 準備します!

♬~

(看護師)イエス サー。

(君子)準備できました。
(医師)よし…。

♬~

いきます…!

(金井)駄目。 戻らない。
もう一回いくよ。 200。

(君子)はい!
いきます。

(金井)駄目。
(看護師)アドレナリン入れます!

♬~

♬~

(医師)ベリー インプレッシブ
ドクター。

「ザッツ オール」

(拍手)

♬~

柳原… もういい。

柳原先生

術後胆管炎ではなく

やはり
肝臓に問題があったんだね…。

(柳原のすすり泣き)

♬~

(柳原)佐々木庸平さんが
亡くなられた直接の原因は

肝不全と思われます。

(佐々木よし江)肝不全…?

お父さんは膵臓がんやないの?

死んだ原因が肝不全って
どういう事?

肝臓も悪かったって事?

お母さん
そんな話 聞いてた?

2週間で帰ってくるから
大丈夫って…

笑って この病院に入っていった
お父さんが

なんで こんな姿に…!

♬~

里見先生…。
はい。

(よし江)初期のがんやから
手術すれば助かるって

言うてたやないですか。

なのに なんで…。

♬~

病理解剖というのを
ご存じでしょうか?

解剖して
直接の死因が はっきりすれば

もしかしたら 納得できる部分も
あるかもしれません。

(よし江)今さら 解剖やなんて…。

こんなに苦しい思いをした
この人に…

まだ 痛い思いをさせるやなんて
私には…。

そうですか…。

(庸一)やってもらおうや
お母さん。

(庸一)自分が なんで死んだんか
その理由も わからんかったら

お父さんが かわいそうやんか。

♬~

そうやね。

そうかもしれんね…。

♬~

(よし江)せやけど…。

顔だけは
傷つけんといてください!

(よし江)お願いします…。

♬~

(拍手)

ダンケシェーン。

(携帯電話の振動音)

♬~

♬~

(足音)

先生
深夜の執刀のご依頼 恐縮です。

(大河内恒夫)いや 解剖とあれば

病理の教授が駆けつけるのは
当たり前だ。

ありがとうございます。

この方は

いつか 君が 僕のところへ
相談に来た患者なんだね?

そうです。

そうすると
共に 僕の教え子である

里見くんが内科的診察をし
財前くんが手術をした患者を

僕が解剖するという
巡り合わせか…。

先生 準備ができました。

(カメラのシャッター音)

(大河内)午後10時57分
佐々木庸平さんの病理解剖を行う。

(市田 崇)財前先生 今日の手術は
素晴らしかったです。

その後の講演に関しましても
ハイデルベルク大学だけでなく

他大学の教授たちも
絶賛しておりました。

(花森ケイ子の声)えっ…
検査せずに手術をやったの?

優秀な内科医の里見さんが
そこまで言うんだから

何かあるんじゃない?

(ケイ子)手術が成功しても
目には見えない何かが…。

(市田)財前先生
何か 日本で突発的な事でも?

別に大した事じゃないんだ。

大した事じゃ…。

血管内リンパ腫?

それが原因で肝不全となり

血液凝固障害を起こして
死亡したと考えられます。

正式な死因は 血管内大細胞型
B細胞リンパ腫です。

あの… もう少し わかりやすく
説明して頂けませんか?

つまり 血管の中で
腫瘍が増殖する病気なんですが

ご主人の場合

肝臓の中で起こりました。

手術した膵臓がんとは
全く別の腫瘍です。

全く別…。 ほな 財前先生は

この肝臓の病気を見落としてた
いう事ですか!?

(柳原)いや そうとは言えません。

手術前には発症してなかったとも
考えられます。

(よし江)
話が おかしいやないですか。

財前先生は

手術の前もあとも 膵臓以外は
どこも転移してないって…。

手術の前に
肝臓に がんがなかったとしても

手術後に高熱が出て苦しんでる時
あんたらは

術後胆管炎 言うてたの
どういう事や?

(庸一)黙ってないで
なんか言うてや!

肝臓の病気やのに
胆管炎 言うて 治療して…。

財前先生が間違えてたって事か?

庸一くん

確かに お父様の死因は
膵臓がんではありませんでしたが

現時点で それが
財前教授のミスだと決めるのは

適切ではありません。

このあと

より精密な解析の結果を待って
財前教授と経過を十分に検討し

この事態が防げたかどうかを
判定し

初めて ミスと言えるかどうかが
明らかになります。

あとは…
医療事故調査制度という

三者が原因を究明する
システムもあります。

(よし江)もし その調査で

財前先生に落ち度がなかった
という結果が出たら

なんも責任取らんのですか?

お父さんは

大学病院のモルモットやないで…。

(庸一)里見先生には いろいろと
ご親切にしてもらいましたが

父が こんな死に方をしたのは
どうしても悔しい…。

僕は
この問題を徹底的に追及します!

♬~

(鐘の音)

(雷鳴)

(雷鳴)

(よし江)本日は おみ足の悪い中

お見送りを頂きまして
ありがとうございます。

(霊柩車のクラクション)

(女性)病院のベッドで撮った
写真が遺影やて

しゃれにならんなぁ。

せやけどな
あの写真しかなかったらしいで。

かわいそうやなぁ…。

(男性)関西信用金庫さんとこは
ええわな

店の土地 担保にしてるさかい。

いやいや 佐々木さんの豪腕に
貸したようなもんやさかいなぁ。

土地だけじゃ足りんし
庸一くんも まだ大学生や。

あと どないすんのかなぁ?
(杉田寿宏)そんな話

ここでせんでも
ええやないですか。

里見先生… 帰りましょう。

ああ そうしようか。

(呼び出し音)

(携帯電話の振動音)
(柳原)あっ ちょっとすいません。

(携帯電話の振動音)

(雷鳴)

(携帯電話の振動音)

(市田)財前先生! お時間です。

(杉田)奥さん 庸一くん
おかえりなさい。

(よし江)みんな
今日は ご苦労さんでした。

(庸一)ありがとうございました。

(杉田)奥さん ちょっとでも
おなか入れはったほうが…。

(よし江)ああ すんません。
ありがとうございます。

(庸一)はい。
(よし江)ありがとう。

これから どないしはります?

なんせ この人が
1人で切り盛りしてきた店やし

私は なんもわからんから…。

(杉田)庸一くんが
来年 大学卒業しはるまで

奥さんが社長になって
店 続けはったら どうです?

私が?

銀行に いくら借入金があるのかも
よう知らんし

取引先との売掛金
把握してないで。

それやったら

及ばずながら 私も 引き続き
一生懸命やらせてもらいますんで

頑張ってみませんか?

お母さん やろう。
頑張ってみようや。

お父さんが
ここまで やってきた店やし

潰すと 化けて出てくるで。

せやな。
化けて出てくるかもしれんな。

よし。 そうと決まったら
みんなに言うてきますわ。

明日からも
よろしゅうお願いします。

ありがとうございます。

お母さん。
うん?

俺 あの医者を訴えるわ。

(よし江)…そうか。

でも 何しても
お父さん 帰ってこんなぁ…。

あっ ここや。 ここ。

(ノック)
はい!

(関口 徹)ありがとう。
あっ 佐々木さんですよね?

(よし江)はい。
すいません 遅くなっちゃって…。

座ってください。
関口です。 関口です…。

信号待ちで

バイクと自転車の事故を
目撃しちゃって

運転手同士が
取っ組み合いを始めたので

仲裁してたら

交通課の実況見分にまで
付き合わされちゃって…。

遅くなるって
電話しようとしたんですけど

携帯電話 ここに忘れちゃって…。

あの… すみません。

で 詳しいお話を。

あっ…。

大阪綿布協同組合の顧問弁護士の
八木先生からのご紹介で

伺いました。

大体の話は
八木先生から伺っておりますが

医療裁判は
圧倒的に 医者に有利なんです。

医者同士が もたれ合い

医療ミスに関して
証言してくれる事が少なくて…。

(関口の声)国立の大学病院は

自分たちの威信をかけて
医師を守るでしょう。

勝てる見込みは
ますます低くなる。

(庸一の声)父が 誠意を持って
治療を受けた上で

死んだんやったら
諦めもつきますが

あんな いい加減な扱いをされて
最初の診断と違う病気で死んで

諦められないんです。

♬~

わかりました。

詳しいお話を聞かせてください。

(記者)あっ 出てきたぞ!
(カメラのシャッター音)

(記者)浪速大学病院の
財前教授ですね?

今回の件について
一言お願いします。

ドイツの学会については
改めて報告会を…。

(記者)何 言ってるんですか?
訴訟の件ですよ。

(記者)今回の事は
どうして起こったんでしょうか?

(記者)真実を教えてください。

(記者)
財前教授 一言お願いします!

(財前又一)なんもしゃべったら
あかんで。

さあ どいて どいて どいて!
今 なんもしゃべれへんねや!

ノーコメントや!
ノーコメントや!

どいて 言うてますやん!
どいて! どけて!

(又一)どけ どけ どけて…!
どけ 言うとりますやろ!

さあさあ さあさあ…。

不愉快だね
こんな夜遅くに 大声で…。

今日の夕刊だ。

いきなり 訴状を出されて
大変な事になってるよ。

♬~

ああ…。

(柳原)血液検査で 肝機能の数値と
炎症反応が少し気になります。

念のため
PETを撮っておいたほうが…。

肝臓に併発疾患の可能性も
あるんじゃないか?

今頃 肝臓がどうこう
なんていうのは あり得ない。

申し訳ありません…。

先ほど 空港で
今回の事を初めて知り…。

(又一)先生!

裁判所から
いきなり 訴状が届いたと

娘から連絡があり

藪から棒の知らせに

さすがの私も
参ってしまいましたんや。

参ったのは こっちだ!

君を教授に推したばかりに

私は 自分の立場まで
危うくしてるんだぞ!

今回の件は
明らかに遺族の誤解で

私は 何一つ
後ろめたい事はありません!

(鵜飼典江)あらまあ…。

新聞には 佐々木庸平の手術後
君が 彼を一度も診察しなかった

医師としての怠慢が
患者を死に追いやったとあるが…。

確かに… 確かに あの時期は
ドイツ行きの準備に追われ

佐々木さんの診察が
できませんでした。

しかし 担当医である柳原には

しっかり
適切な指示を与えておりました。

もし 診察上の事故だと

認められるような点が
あったとしても

それは 私が
ドイツに行っている間に起きた

医学上の不可抗力です!

医学の素人が いきなり

私が誤診をしたなどという訴えは
承知できません!

だが 遺族は こちらが
どんなに説得しようとしても

聞く耳を持たない。
困るんだよ 裁判沙汰なんて!

申し訳ありません…。

(鵜飼)早速
今津先生から嫌みを言われたよ。

君を教授にしたのは
間違いだったとね。

すでに
旧東派の教授たちと組んで

君から 第一外科 教授の地位を
剥奪しようと動き出している。

(又一)教授のミスは大学のミス。

五郎が敗訴になったら
大学も敗訴です!

万が一
裁判に負けるような事になったら

学部長である鵜飼先生の
経歴 名誉にも傷がつく。

やがて
学長選挙が行われる時にも

いろいろ影響してくるのと
違いますか?

降りかかる火の粉は
払わないかん!

金に糸目は つけまへん。

どうか よろしゅうお願いします!

(鵜飼)浪速大学の名誉のために
今回は 君の言葉を信じよう。

お心のほど
ありがとうございます…!

(呼び出し音)

(ケイ子)「ほーらね 五郎ちゃん

調子に乗って
失敗しちゃったのね」

「甘えん坊の奥さん
大騒ぎしてるんじゃない?」

「“おかえりなさい"とか
“大丈夫?"が先だろ」

しばらく会えないかもな。

(ケイ子)男は
五郎ちゃんだけじゃないから

私は平気。

「でも ドイツに行ってて

不在中に起こった事が
不幸中の幸いかもね」

(ケイ子)こうなったら

五郎ちゃんの持ってる
学識と政治力を駆使して

あらゆる手段を取ってでも
医療ミスを認めない事ね。

「明日からは
とっても忙しくなるわよ」

わかった…。

「声が聞けてよかったよ」

(ため息)

(財前杏子)今日は
くれない会のお茶会があったの。

こんなふうに書かれて
恥ずかしくて行けなかった!!

もし 裁判に負けたら
どうするつもり!?

負ける…。

そんな事は絶対にないよ。

そのためには
どんな手だって打つ。

手を打つって… どんな?

どんな!?

それを考えるために こんな…!

もし
教授の肩書がなくなったら…!

君に迷惑をかけるつもりはないよ。

♬~

(操作音)
もしもし。

財前先生 おはようございます。

空港に お見送りも
お迎えも行けず

申し訳ありませんでした。

そんな事は気にしてないよ。

すぐに 柳原くんを
僕の部屋に呼んでくれ。

(佃)はい。 すぐに行かせます。

(救急車のサイレン)

(ノック)

失礼します。

君のカルテを見たところだ…。
あっ はい…。

大体 教授の不在時には

准教授の金井が
教授の代理じゃないか。

馬鹿の一つ覚えみたいに
私の言う事を守らず

なぜ 金井に相談しなかった?

君は 担当医として
何をしてたんだ?

申し訳ありません。

解剖の執刀は誰がしたんだ?

病理の大河内教授が直々に…。

大河内教授…!

なっ…!

君は なんて
私の不利な事をしてくれるんだ!!

術後の処置といい

君は担当医師として
全くなってないよ!!

申し訳ございません!

まあ いい。
起きてしまった事は仕方がない。

落ち着いて話し合おうじゃないか。
座れ。

座れ!
はい。

失礼します。

このカルテ… まだ 仮登録だな。

はい。
財前先生の許可を頂いてから

院内のシステムサーバーに
登録致します。

「肝に腫大あり

表面に癒合性の白色斑などの
異常所見認められるも

教授の指示で生検など施行せず」

このカルテ…

私と君の将来にとって
どう影響するだろうか?

♬~

(里見の声)柳原先生
術後胆管炎ではなく

やはり
肝臓に問題があったんだね…。

父が こんな死に方をしたのは
どうしても悔しい…。

僕は
この問題を徹底的に追及します!

♬~

もしかしたら

書き間違えたのかもしれません。

わかれば それでいい。

行っていいぞ。
…はい。

失礼します。

…待て。

もう一つ…。

はあ…。
おかえり。

なぜ 遺族に解剖を勧めた?

手術後に急変して

しかも 術後胆管炎ではなく
肝不全で死亡したとなると

なぜ そうなったのか

遺族に説明する責任が
医者にはあると思ったからだ。

佐々木さん…

実際には
血管内リンパ腫だったよ。

おかげで 僕は訴えられたよ。

…ああ。

君は 純粋な善意から 遺族に
解剖を勧めたのかもしれないが

取りようによっては

教授になったばかりの僕を
陥れるために…。

そんな言い方は やめろ!

お前は 佐々木さんが
あのように亡くなった事を

もっと謙虚に厳粛に考えるべきだ。

現に 僕に約束したPET検査も
しなかった…。

君こそ 言葉には気をつけろ。

僕の処置が誤っていたかどうかは
今後の裁判が決める事であって

お前に とやかく言われる
筋合いはないんだよ。

財前…

お前と僕とは
医師としての在り方が全く違う…。

そうだな。

ドイツのお土産だ。

こんな感じで
渡したくはなかったよ。

どうだ? 国平くん。

原告は
国立の浪速大学病院に加え

財前教授個人を
名指しで訴えております。

それほど 私の事を恨んでると…。

(国平)そういう事でしょう。
原告が訴えているのは

財前教授に 医師としての怠慢が
あったのではないかという

注意義務違反と
術前および術後に

診断ミスがあったのではないか
という診療過誤です。

(河野)こうなる前に 示談に収める
手もあったんですがね。

しかし 容体の急変も含め

私が海外に行ってる間に
起きた事で 全て 後手後手に…。

こうなったら
裁判で勝たない事には

財前教授の正当性は
証明できません。

今回の件は 単に
財前教授個人の問題ではなく

浪速大学病院の名誉と権威が
かかってるんです。

裁判費用の事でしたら
いくらでも都合致します。

財前教授 それは本当ですか?

はい。

フフッ…。

国平…。

久しぶり 関口。

浪速大学病院と財前教授の
代理人をする事になった。

同じ事件を
担当する事になるなんて

フッ… 皮肉なものだな。

…なんの用だ?

腹を割って話そう。

この手の裁判で
原告が勝つ事はない。

だが 幸い 財前教授は

示談金は いくらかかっても
構わないと言っている。

君の顔が立つ金額で
話をまとめよう。

依頼人
示談に応じるつもりはない。

(国平)フッ… たかが
小さな繊維問屋じゃないか。

やり手の経営者が亡くなり
後継者も育っていない。

小切手をちらつかせば
すぐに気持ちも変わる。

そう思ってさ。

相変わらずだな… お前のやり方。

実際にかかった

治療費 入院費 葬儀代
合計200万に

大黒柱の佐々木氏が
将来 見込めた収入分の

逸失利益 4200万

本人の死亡慰謝料 3000万

弁護士費用 600万

合計8000万の賠償金を
請求したって

裁判に負けたらゼロだ。

お前なら わかるだろう?

週末まで 返事は待ってやる。

(店員)いつも
お世話になってるんですけど

すいません…。
ちょっと 今回…。

そうですよね… いつも
お世話になってるんですけど…。

示談!?

はい。 財前教授は

賠償額の倍を出しても構わないと
言っているそうです。

倍って… 1億6000万!?

(よし江)お金が欲しくて
訴えたわけやない。

ご主人が
お亡くなりになったあとも

この商店を存続させたいと
考えていらっしゃるなら

資金は
多いに越した事はありません。

示談も選択肢の一つかと…。

実は…

以前 私
河野法律事務所にいたんです。

えっ?

ある訴訟で

依頼人
自殺に追い込んでしまって…。

大企業で起きた
セクハラ訴訟でした。

私は 企業側の和解金を
つり上げるため

依頼人の女性に
裁判を続けるよう説得しました。

和解金額が上がれば
弁護料が上がるという

事務所の方針に逆らえなかった
私のミスです。

彼女は 法廷での執拗な尋問に
耐えられなかった。

(庸一)だから 俺たちの依頼を
引き受けてくれたんですか?

河野法律事務所に
リベンジしたくて…。

初めは そのつもりでした。

でも 財前教授が提示した
示談金の額は あまりにも大きい。

私個人の感情なんて
もう どうでもいい。

(よし江)お金やない。

私らは なんで お父さんが
死ななければいけなかったのかを

知りたいだけです。

先生 力を貸してください。
お願いします。

♬~

(国平の声)向こうは

示談に応じる気は
なさそうでしたね。

1億6000万でもですか…?

河野とも相談しまして

こちらも 本格的に
裁判の準備にかかりますが

やはり 裁判のポイントは

佐々木さんが亡くなられた時の
事情をよく知っている

柳原先生と里見先生
という事になります。

柳原のほうは
手を打ちますので大丈夫です。

(国平)里見先生の言うとおり
PET検査を行い

血管内リンパ腫の診断が
できていたら

速やかに治療は行えた…。

そこを突かれると
こちらとしても痛いですね。

(施錠音)

(チャイム)

(チャイム)

(ノック)

(ノック)

(ノック)

なんだ…
病欠だと聞いて 来てみたが

元気そうじゃないか。

いよいよ 裁判が始まるな。
…はい。

ところで あの件は どうした?

あの件っていうのは…?

君が 書き間違えていたかも
しれないと言っていた

カルテの件だ。

正しく直したか?

いえ…。
それは困るな。

里見も しつこく言っていたが

術前に PET検査なんか
するわけがない。

あの時点で 肝臓に
異常は認められなかったんだから。

君のカルテのままだと

まるで 私が
肝臓の異常に気づいていたのに

何も手を打たなかった
みたいじゃないか。

患者が亡くなったのは
不可抗力だった。

そうだろ?

宮崎のご両親は元気か?

はい…。
安心させてやるためにも

そろそろ
身を固めたほうがいいな。

えっ? そんな相手いませんし…。

知り合いに 京都に5つほど
ドラッグストアを持ってる

社長がいるんだが

そこの娘さんが
お見合い相手を探してる。

その前に… これだ。

明日 そこへ連絡して
会ってきてくれないか?

裁判の想定問答を
リハーサルしたいそうだ。

財前教授 おかえりなさい。

♬~

フフッ… ハハハハ…。

フフフ…。

なんだよ…。
ごめん ごめん。

だって 五郎ちゃん

目をぎらつかせて
貧相な顔してるんだもの。

疲れてるんだ…。

弁護士との打ち合わせ

病院では 平然としながら
外来の診察 回診 手術…

ドイツの報告書も
書かなきゃいけない。

裁判沙汰になっても
今までどおり

第一外科の財前先生に
お願いしたいという

大勢の患者が来るの?

白い猫であれ 黒い猫であれ

ねずみを捕るのが いい猫なんだ。

うん…。 フフッ なるほど。

ねえ…。

証人尋問には
こちらからは誰が出るの?

金井だ。

金井准教授…。

あの人は 元々
東教授の直系の弟子じゃない。

大丈夫?
大丈夫だ。 あいつは

俺の代わりに仕切っていたのに
こんな事になったから

不利な証言をしない。

五郎ちゃんの事だから

きっと
誰にも本当の事を言わずに

うまく つじつまを
合わせてるんでしょう?

底の知れない冷たい人だから。

私は そんな五郎ちゃんだから
好きなんだけど。

♬~

(物音)

(操作音)

ハア ハア ハア…。

♬~

(ドアの開く音)

(書記官)皆さん ご起立ください。

♬~

(河野)財前教授の

ドイツ出発前の様子を
教えてください。

ドイツの準備と
患者の診療引き継ぎで

多忙を極めてらっしゃいました。

海外での学会出席の場合

出発前の5日間ほど
大学を休むのが通例ですが

財前教授は一日も休まれず

第一外科全般の診療指示を
してらっしゃいました。

(河野)その多忙さが

佐々木庸平さんを
直接診察できなかった原因だと

思いますか?

はい。 そのとおりだと思いますし

教授クラスの医師が
執刀した患者を

術後 必ずしも
診察するとは限りません。

(河野)財前教授から

佐々木庸平さんの受け持ちを
指示された

柳原医師の医師としての能力を
どう思われますか?

(金井)勤務成績は優秀
人柄は誠実勤勉

極めて良心的な医師だと思います。

(河野)あなたが 柳原医師から

佐々木庸平さんの事について
相談を受けた時

その容体について なんの疑問も
持ちませんでしたか?

少し 抗生物質の効きが悪いとは
思いましたが

術後胆管炎の経過には
個人差がありますので

財前教授の診断や指示に
疑問を持つ事はありませんでした。

(関口)あなたは
柳原医師の要請を受け

佐々木庸平さんの様子を
見に行かれた時

柳原医師に
何か指示を出されましたか?

(金井)いや 柳原先生は

財前教授からの指示を
受けていましたので

特に 私からは…。

すると 柳原医師は

財前被告の指示どおりに
処置を行った結果

佐々木庸平さんを死に至らしめた
という事で間違いないですね?

いや…。

(関口)つまり 財前被告の指示に

なんらかの不備があった
という事ですよね?

お答えください。
(河野)裁判長!

ただ今の尋問は
悪意に満ちています。

(裁判長)異議を認めます。

では 質問を変えます。

あなたは

どうして 佐々木庸平さんの容体が
突如 急変し

死に至ったと お考えですか?

私は担当医ではなく

私自身が手術したわけでは
ありませんから

その点については
なんとも言えません。

(関口)では 最後にもう一つ。

(関口)あなたは
財前被告の診察や手術が

正しかったと思いますか?

(金井)
教授自身が術前検査を行われ

その上で手術したわけですから

私は財前教授の判断を信じます。

(関口)以上です。

(鍋島貫治)さすが金井。

肝心な事は
何一つ言うてませんね。

五郎くん
うまい事 言い含めよったなぁ…。

(関口)
浪速大学病院の大河内恒夫氏を

証人として
次に予定しております。

(裁判長)
では お呼びしてください。

(又一)問題は この大仏さんや…。

(鍋島)手ごわいなぁ…。

(関口)解剖は どこに重点を置いて
行われたんでしょうか?

第一は 直接 死因は何であったか。

第二は 死亡前に認められていた
肝不全の原因。

第三は 膵頭部の手術は
成功していたかの3点です。

それで 直接の死因は
なんだったんでしょうか?

肉眼的所見と迅速組織診断

および
解剖後の病理結果から見て

肝臓内に
広範な血管内リンパ腫があり

それによって 肝不全を起こし
死亡したものと推定される。

(関口)血管内リンパ腫は

いつ頃から起こっていたと
考えられますか?

(大河内)その時期を
明確に割り出す事は不可能だが

死亡する6月22日より相当程度
前である事だけは断言できる。

血管内リンパ腫の
症状というのは

財前教授が ドイツに
行かれてる間に起こったという

解釈でよろしいでしょうか?

私は 死ぬ直前ではないと
言っただけで

ドイツに行く前なのか

ドイツに行ってからなのかは
わからない。

(国平)この病理所見の記録にある

「肝臓内に胆汁うっ滞が見られる」
というのは

胆管炎の症状だと考えて
よろしいですか?

確かに 胆管炎の症状は
起こっていたと言える。

(国平)
では 財前教授の診断どおり

術後胆管炎は
確かに起こっていたと…?

いや…

その炎症が
果たして 術後胆管炎なのか

血管内リンパ腫による

二次的なものなのかの判断は
つかない。

佐々木庸平さんの遺体は
なぜ 解剖したのですか?

いくら ご遺族の
希望があったからとはいえ

死因に興味を持ち
医師から強く解剖を勧める事は

患者を研究材料として扱う

死者を冒涜する行為なのでは
ないでしょうか。

病理解剖とは
一つの生命の帰らぬ死を

次の人の生に よみがえらせる
尊い手段である。

心ある臨床医なら
死因に少しでも疑問があれば

遺族に解剖を勧めるのが
当たり前で

あなたのように 病理解剖を

医者の学問的興味によるものと
決めつけるような

軽率無礼な方は

医学のなんたるかを
何も ご存じないと思う。

♬~

私の尋問は終わります。

裁判長から尋問します。

解剖結果を受け 財前被告が

手術すべきであったか
すべきでなかったか

あなたの考えを聞かせてください。

(大河内)主治医が 膵頭部の
悪性腫瘍にメスを入れたのは

当然と言える。

事実 膵頭部の手術は
完全に成功している。 見事だ。

問題は 術前に必要な全身検索を
行っていたかどうかです。

仮に 血管内リンパ腫による
肝臓の異変に気づいていたのに

検査を怠り 全身を顧みる事なく

ただ 局所的に
メスを入れたのであれば

財前教授は 臨床医として

注意義務に欠けている

と言わざるを得ない。

(傍聴人のざわめき)

(裁判長)静粛に。

(仲居)失礼致します。

遅くなりました。

(鵜飼)まずかったねぇ。

まさか 大河内教授が あそこまで
踏み込んで意見されるとは。

教授選挙の時から あの人には
振り回されっぱなしでよ…。

相当 手厳しい証言をされると
覚悟してましたが

さすがにショックでした。

おっ… さあさあさあ…。

ハハハ…。 はい さあさあさあ…。

大河内の意見

裁判長の心証に与えた
影響っちゅうのは

どんなもんなんやろ?

とにかく
不利な証言を挽回するには

それを上回る反対の証人を探して
裁判所の心証を良くする事です。

となると…。
柳原ですね。

(又一)柳原って あの医局員のか?

はい。 父親は
宮崎で郵便局長をしていて

三人兄弟の長男。

第一外科では まだ下っ端です。

ああ…。
例の話な 先方につけといたで。

ありがとうございます。

裁判というのは 力の問題です。
全て力の…。

そのとおり!
ハハハ… 力や。 ええ?

原告側が どないしようが

浪速大学や河野先生
国平先生相手に… ハハハハ…!

かなうわけがないがな! ええ?

五郎くん あんたにはな

こうやって
皆さんがついてんねん。

金輪際 負ける事あらへんで!
ハハハハ…!

(河野と又一の笑い声)

(又一)さあさあ これ…。
どうですか?

ハハハ… はい はい。

(里見三知代)
ナイスキャッチ! はい。

いくよ! せーの…。

おっ ナイスキャッチ!

あっ… フフフッ。
お母さんもナイスキャッチ。

(三知代)あっ…。

はい。

(里見好彦)
お兄ちゃん ありがとう。

(三知代)すいません。

好彦くん
お父さん お家にいるかな?

休日に押しかけてしまって
申し訳ありません。

あっ いえ…。
私が伺った理由は

もう わかってらっしゃると
思いますが…。

あっ はい。
今朝 佐々木さんの奥さんから

お電話頂きました。 どうぞ。

その件で どうか
お話を伺えたらと思います。

はい。

ええ… 財前教授と僕は
学生時代からの友人でして

同じ志を持つ医師として
お互い 励まし合ってきました。

彼が こういった形で
訴えられた事には

心を痛めてますし

一日も早く裁判から解放されて

研究や診療に打ち込めるようにと
願っています。

はい…。

しかし 今回の事は
もしかしたら 佐々木さんは

こんなに早く亡くならずに
済んだかもしれません。

僕は医師として

きちんと 佐々木さんの死の原因を
明らかにする事が

浪速大や財前 そして

医学を志す
後輩たちのためになると

信じてます。

♬~

佐々木さんの術前
PET検査という検査なんですが

受持医の柳原先生と僕が
財前教授に 行うよう頼みました。

ですが 彼は 必要ないと…。

里見先生も?
はい。

よし江さんから
その検査の件で

柳原先生と財前教授は言い争った
という事は聞いています。

はい。 そのあと
柳原先生から話を聞いて

僕も 財前教授に
PET検査をするよう頼み

その場では 検査をすると
約束してくれたんですが…。

もし 財前教授が 進言どおりに
その検査を行っていたら

肝臓のリンパ腫は
発見できたと思いますか?

恐らく 高い確率で…。

浪速大学病院での
里見先生の立場に影響があるのは

承知の上で お願いします。

今 おっしゃって頂いた事を
法廷で証言して頂けませんか?

(関口)お願いします!

♬~

(三知代)私は反対よ。
浪速大学に盾突く事になるわ。

家族は どうなるの?

真実を明らかにするのは
あなたじゃなくてもできる。

でも この家を守れるのは
あなたしかいない。

僕は 医師として
恥じるような事はしたくない。

なぜ 自分の将来をかけてまで

たまたま 初診をしただけの
患者のために証言するの?

私は あなた自身と好彦のために

大学に残って 教授になり
研究を続ける道を選んでほしい!

僕も それが目標だった。

でも あの患者の死因を
正確に突き止め

死を無駄にしない事は
僕にしかできない事だ。

(好彦)喧嘩 やめて。

(三知代)
ごめん…。 ごめんね 好彦。

自分の事だけ考えていられたら
どんなに楽か…。

でも 僕は 医者だから。

原告側の証人として
出廷するそうだね。

君には 君の考え方
言い分もあると思うが

本学としては 今回の件は
財前くんの不在中に

不幸な不可抗力によって起きた
事故だという認識だ。

よって 君も

本学の意向を尊重した
証言をしてくれると思ってるが。

明日の裁判では

医学的に厳正な事実だけを
証言するつもりです。

だが それによって

一人の前途ある有能な教授の
学問的生命が

断ち切られるかもしれないんだぞ。

僕の証言が 財前教授の不利になる
証言になったとしても

佐々木さんに対する
財前教授の医師としての態度は

許されるべきものではなかったと
思います。

わかった。
君の思いどおりにすればいい。

もう行きたまえ。
失礼します。

ああ そうだ 里見くん。

山陰中部大学健診センターの
教授のポストが

ずーっと欠員になっててね。

誰か推薦してほしいと
頼まれてるんだ。

はあ…。

学生の指導や職員の健康管理が
主な業務で

研究は ほとんどできない。
…が ともかく 教授だからねぇ。

君も そろそろ
教授になる年齢だ。

これ どうだい?

(東 佐枝子)
延滞をした医局の先生たちに

早く返してくださいって
お願いして回ってるんです。

皆さん お忙しいから
なかなか返しに来てくれなくて。

そうですか。

…あれ? 僕は まだ大丈夫かな?

里見先生は
あと3日の猶予があります。

あっ フフフ… よかった。

そういえば 父が財前先生の裁判を
心配してました。

ああ… そうですねぇ。

落ち着いたら
東先生にご説明に伺います。

明日の証人尋問
僕は 原告側で証言するので

それが終わったら。

えっ… 里見先生が?

はい。

先生の事ですから

よくよくの覚悟を持って
証言されるんでしょうけど

大学での立場が
悪くなるのではないですか?

(野田和夫)もう 財前先生には
長男の嫁や長女のお産と

何から何まで
お世話になってしもうて。

今度は
この華子の縁談のお相手が

浪速大学の財前教授の
お弟子さんっちゅう事で。

もう これは なんちゅうて
お礼を言うていいのか…。

この柳原くんは

私が特に目をかけてる
優秀な医師でして。

年内には 医学博士にと
私も期待してるんですが。

ですが 私は全く
一介の医局員でありまして

とても 華子さんとは
釣り合わないかと…。

柳原先生のご事情も
全て伺うちょります。

失礼ですが 経済的なご心配は
せんでください。

うちの家に 国立大学の偉い先生が
来てくれましたら

格が上がって 箔が付く!

(野田)…っちゅう事ですわ。

(杏子)
浪速大学の医師の夫を持つと

何かと大変ですが

忙しい夫を支え 家庭を守る事は
とてもやりがいを感じます。

華子さんも 立派な医師の
奥さんになれますね?

(又一)これ 杏子!

ええ年して そんな人前で
のろけるもんやあらへん!

(杏子)
あら 五郎さんの自慢だったら

私より お父さんのほうが
かっこ悪いぐらいじゃない。

ええ~? こりゃ参ったな。

(野田と又一の笑い声)

(野田)さあさあ…。
(又一)ハハハ…。

さあさあ さあさあ…。 ハハハ…。

(関口)初めて 佐々木庸平さんの
診察をされた時の

財前被告の診断は
どのようなものでしたか?

膵頭部に
極めて初期のがんがあると

診断されました。
(関口)あなたは 術前の

佐々木さんの血液検査の
結果を見て

財前被告に
PET検査をしたほうがいいと

言いましたね?
はい。

(関口)血液検査の結果は
どのように知ったんですか?

佐々木さんの受持医だった
柳原先生から聞きました。

(関口)
柳原先生は なぜ その情報を

あなたに与えたんでしょうか?

彼も
PET検査をする必要があると

考えていたからだったと思います。

佐々木さんの回診の時
その是非を巡って

財前教授と話し合ったと
言っていました。

(関口)つまり 財前被告は
その時点で 柳原先生から

PET検査を進言されていた
という事ですよね?

そう思います。

(関口)そして
あなたもPET検査を進言した。

はい。
(関口)それに対して 財前被告は

なんと答えました?

肝機能異常は 脂肪肝のせいだと
言っていました。

それで あなたは?

念には念を入れて PET-CTを
撮ってくれと頼みました。

財前教授は
「わかった PETは撮る」と

約束してくれました。

…にもかかわらず 財前被告は
PET検査をしなかった?

はい。
(傍聴人のざわめき)

(関口)PET検査は
初期のがんの発見に

大きな成果を上げている検査です。

里見先生
もし その検査が行われていれば

肝臓のリンパ腫を
発見できていたと思いますか?

♬~

はい。 そして 速やかに診断し
適切な治療が行われていれば

少なくとも このように

早く死に至る事は
なかったと思います。

(傍聴人のざわめき)

(裁判長)静粛に。

つまり 財前被告は

膵臓がん以外の病気を発見する
可能性があったのにもかかわらず

その処置を
とらなかったんですね?

そう思います。

(河野)裁判長! ただ今の尋問は
悪質な誘導尋問です。

(関口)尋問を終わります。

(裁判長)
宣誓書を朗読してください。

(書記官)起立してください。

♬~

「宣誓 良心に従って真実を述べ

何事も隠さず
偽りを述べないことを誓います」

「証人 柳原雅博」

(裁判長)お座りください。

(国平)あなたの記憶内容は

提出済みの
陳述書のとおりですか?

はい そうです。

本件でDICが発症したのは
いつ頃ですか?

財前教授が出発されたあとです。

それまでの肝機能障害とは違い
呼吸不全で苦しまれていたので

ステロイドの量を増やして
投与しました。

(国平)
その後 一時 容体は回復したが

また悪化したという事ですね?

はい。
ですから 金井准教授に連絡し

気管内挿管と人工呼吸管理を行い
昇圧剤も用い

できる限りの
緊急処置をとったのですが…。

(国平)結果は不幸に終わった。

しかし あなたなりに
全力を尽くした事は

よくわかりました。

尋問を終わります。

(裁判長)原告代理人

(関口)はい。

あなたは
患者さんの死後の病理解剖まで

血管内リンパ腫には
全く気づかなかったんですか?

はい。

♬~

(関口)では 質問を変えます。
手術前 何か

肝臓の血管内リンパ腫に
疑いを持つような症状に

気づきませんでしたか?

気づきませんでした。

では 手術の際も 肝臓周囲に
異変を認めなかったんですね?

(柳原)特に何も。

財前教授の手術は完璧で
滞りなく進み

出血量も少なく終わりました。

(関口)
では もう一度 お伺いします。

あなたは 手術前も 手術中も
佐々木庸平さんの体に

膵臓がんの症状以外の異変を
全く認めなかったんですね?

…はい。

(柳原)財前先生 肝に腫大が…。

それに
変に白いところもあります。

生検に出したほうが
よろしいでしょうか?

元々 脂肪肝があるからだ。
見ただけでわかるだろ。

(関口)おかしいですね。

里見准教授の証言によると
あなたは 手術前

佐々木庸平さんの血液検査の
肝機能の数値が気になったので

財前被告に PET撮影を進言し

手術の際も 異常を認め

肝生検を申し出たという事実が
明らかになってます。

(柳原)そんな事実はありません。

柳原さん
あなた 何か隠していませんか?

(柳原)いや 何も隠していません。

裁判長! 原告代理人から

里見 柳原 両証人の対質尋問を
申請致します。

教授総回診で
佐々木庸平さんの部屋を訪れた際

あなたは 財前被告に

PET撮影をしたほうが
よいのでは? と言いましたね。

(柳原)言ってません。

(関口)本当ですか?

(柳原)記憶にありません。

里見証人の証言によると

あなたは 患者さんの
血液検査の結果に疑問を持ち

財前被告にPET撮影を
申請したが 却下されたと。

また 手術中 生検を申し出たが
取り合ってもらえなかったと。

記憶にありません。

(関口)
里見証人 いかがでしょうか?

私は 確かに
柳原先生から そう聞きました。

覚えていないはずはありません。

(関口)里見証人は
こう言っておられますが。

(柳原)里見先生の
思い違いではないでしょうか。

記憶がないので
認めようがありません。

柳原先生 なぜ 嘘をつくんだ。

(関口)柳原さん。

ちょっと こっちを見てください。

(関口)あなたの言葉一つで
かけがえのない家族を失い

悲しみに打ちひしがれる
ご遺族が救われ

佐々木庸平さんの死が
無意味じゃなくなるんです!

あなたに
医師としての良心があるなら

勇気を出して ご遺族のために
真実を述べてください。

里見証人の証言を認めますね?

(関口)認めますね!?

いいえ 認めません。
全く記憶にありません。

♬~

里見先生。

ああ… 佐枝子さん。

ご立派でした。

♬~

あなた…。

♬~

(安西太郎)柳原 よくやった!

(一同の笑い声)
(柳原)ありがとうございます。

(佃)いやあ…。
お前 本当に運がいい。

今や 我が病院は
鵜飼派の一人勝ちだ。

鵜飼学長 財前医学部長体制が
実現すれば

お前 教授間違いなしだ!
ハハハ…!

待ってください。
そしたら 僕は どうなるんです?

(佃)決まってんだろ。

柳原に あごで こき使われて
終わるんだよ。

それが嫌だったら 今から
こいつに ごますっておけ!

はい。 先輩 お疲れさまでーす!

(佃)ハハハハ…!
早いんだ こいつ。

ごますらせたら うまいんだよ…。

(店員)お待たせしました。
ひれ酒です。

(佃)あっ 来た来た 来た来た…!
じゃあ ここに置いてください。

(杉田)奥さん…。
(よし江)あっ…。

(杉田)お疲れのところ
すいませんが ちょっと お話が。

あっ…。 じゃあ 庸一
先 風呂入っておいで。

(庸一)ああ わかった。

いや… こんな時に
したない話なんですが

銀行筋の資金繰りが
だいぶ苦しいんですわ。

メーカーや元売りも
商品の売り控えをし始めてきて…。

あれですなぁ…。

裁判が どうも
不利やと判断されたみたいで

地方の得意先も 手形やのうて
現金で払うてくれ言うてます。

雁鉄砲やな。

雁鉄砲?

お父さんが よう言うてはったわ。

行儀良う並んで飛んでいる
雁の列に 鉄砲が当たったら

バラバラッと散ってしまいよる。

あれみたいに 中小企業の
ワンマン社長が倒れたら

店も
バタバタッて倒れるんやって…。

奥さん 裁判がどうのと
私は 難しい事 ようわからんが

示談 受け入れはったほうが
ええんちゃいますか?

そのお金で 店 守らんと
どないもならんですわ。

杉田さん
心配かけて すいません。

よう考えますわ。

(ドアの開く音)

(ケイ子)財前先生。

フフッ… あちらでお待ちですよ。

(又一)ああ…
遅うなって えらいすんまへん。

弁護士さんとの打ち合わせが
長引いてしもうて。

いえ もう
先に始めさせてもろうてました。

(岩田重吉)裁判は大変やから

今日は パーッと
財前くんの激励会というわけや。

まあ 座って 座って。

あんたには
絶対 勝ってもらわんと困る。

今回の裁判は 単に

浪速大学病院の
権威と名誉だけやない。

我々 開業医にも関わってくる。

(鍋島)もし 財前くんが
負ける事にでもなったら

大学病院ですら
ミスがあるのやから

個人病院では当たり前という
そういう つまらん考えが

患者に植え付けられるかも
しれんねん。 それが まずいんや。

はい わかっております。

ああ…
こんな大ごとになるとはなぁ…。

さあ 先生方
まずは乾杯したらいかが?

ああ そうやな。
つい興奮して 忘れとったわ。

(又一)
ああ そうや そうや そうや…。

なら 岩田はん 鍋島くん

五郎くんが きっちり あっさり
勝訴できる事を願うて

乾杯!
(鍋島・岩田・財前)乾杯!

財前先生 どうでしたの?
今日の証人尋問は。

ああ… 私が術前に
PET検査をしなかったせいで

患者の病気に気づかなかったと
まるで犯罪者扱いでしたよ。

里見くんは
これからが大変やなぁ。

(又一)そんなん自業自得や。
構へん 構へん!

彼がやった事は 私たちがすんでる
医学界からしたら

自殺行為ですよ。

財前先生と里見先生は
同じ医者でも全く違う。

どういう意味だ?

いえ… どっちがいいとか
悪いとかじゃないんです。

2人とも 名医と呼ばれ
患者からの信頼も厚く

たくさんの命を助けている。

でも 里見先生は 患者のために
患者を救うお医者さん。

財前先生は 自分のために
患者を救うお医者さん。

その違いですわ。

失礼します。

(ケイ子)失礼します。

♬~

財前くん あんなの気にするな。

そうや そうや。 気にするな。

今は
裁判に勝つ事だけに集中せな。

万一 財前くんが

不当に責任を問われる気配が
出てきたら

医師会から
財前教授支持の声明文を出して

強力に後押ししてもええと
思うとるで。

ありがとうございます。

♬~

はあ… でも 里見くんが心配だ。

大学を敵に回すような事は
しないほうがいいんだがな。

(チャイム)

(ため息)

(東 政子)里見さんの馬鹿正直も
困ったものね。

(佐枝子)どうぞ。

あっ こんにちは。

ああ… 里見くん。 待ってたよ。

(政子)お久しぶりですこと。
ご無沙汰してます。

そうか…。

金井くんと柳原くんがなぁ…。

いや 財前くんの事だから

彼流に
どんなすべを使ってでも

裁判を乗り越えていくだろうとは
思ったが

まさか あの2人が

そんな医者としての良心を失った
証言をするとは… 信じられん。

里見さん
原告側の証人として証言されて

大学のほうは大丈夫ですの?

あなた
大変な勇気をお持ちですわ。

いえ… まあ…。

冷静な君の事だ。

一時の感傷や同情で
思い立った事ではなく

よくよくの覚悟を
決めての事なんだろう。

権威主義で封建的な
あの大学の中で

自分の将来を懸けての事だ。

里見くん
君は 実に立派だ。

(佐枝子)もし お父さんが
里見先生の立場だったら

どうしてましたか?

そんな大学の雰囲気を

教授だった時に一度だって
改めようとしたでしょうか?

むしろ
その上に乗っかっていらした。

佐枝子さん なんて事を…!

私 ちょっと 頭を冷やしてきます。

佐枝子さんでも

突然 感情的になる事が
あるんですねぇ。

私 里見先生の将来を考えると

ご遺族に協力されないほうが
いいと思いますが

それと同じぐらい…

いえ… それ以上に

やっぱり 里見先生らしく
医師としての誇りを守ってほしい。

ありがとう。

私…

里見先生の事が好きです。

♬~

佐枝子さん 僕は…。

何も言わないでください。

♬~

(国平)あなた方が
財前被告に対して

求めてらっしゃる損害賠償

並びに 慰謝料について
お伺いします。

8000万円という請求は

亡くなった佐々木庸平さんの
年齢や収入などを考慮しても

少し高すぎるのではないかと
思うのですが いかがですか?

お金が高いか低いかは
関係ありません。

私たちは

私たちのように医学に無知な
患者や家族でも闘える

無責任な医者の言いなりになって

泣き寝入りしなくていいんや
という事を訴えたいだけです。

法外な請求をしておきながら
そう言われても

ピンときませんが。

質問を変えます。

あなたが言うように 里見医師が

本当に血管内リンパ腫の発症を
疑っていたら

当然 あなたに伝えるべきじゃ
ありませんか?

それを伝えなかったのは
なぜでしょう?

なぜって…。
つまり 里見医師こそ

ご主人が亡くなるまで
医師としての責任を

果たしていなかったんじゃ
ないでしょうか?

よう そんな事を!

血管内リンパ腫がどうの
術後胆管炎がどうの

専門的な事は ようわかりません。

ただ 里見先生は
ほんまに親身になってくれた。

財前先生は そうやなかった…。
それだけはわかります。

それは
あなたの個人的な先入観では?

違います! 誰でもわかります。

里見先生の証言が真実です。

財前先生は嘘つきです!

手術のあと
何べん お願いしても

一回も
来てくれなかったやないですか。

その上 受持医の柳原先生に
嘘の証言をさせて

自分の怠慢と誤診を
ごまかそうとしてます。

(国平)何を根拠に
柳原医師の証言が嘘だと?

場合によっては
名誉毀損罪になりますよ。

(よし江)
それなら 私を罰してください!

その代わり 裁判長

財前先生も
ちゃんと罰してください!

私の夫は
財前先生の無責任な診察で

死んでしまいました…。

これだけは
間違いのない事実です…!

難しい理屈を
こねくり回さなくても

この事実に基づいて ちゃんと
財前先生を裁いてください!

それができなくて
なんのための裁判所ですか…。

お父さんを返して!

今すぐ生き返らせて…!

(嗚咽)

法廷でお涙ちょうだいって…。

そんなもんが通用すると
思うてんのかいなぁ?

あなたは 里見医師が 再三

PET検査を要請したにも
かかわらず

血管内リンパ腫など
肝臓合併症の可能性を無視して

手術した。 違いますか?

それは里見医師の思い違いか
あるいは 私に対する嫉妬心から

故意に事実をねじ曲げた発言かと
思われます。

そもそも
本件は糖尿の悪化で発見された

早期膵臓がんの症例です。

膵がんの手術は
急ぐ必要があったし

血管内リンパ腫は
極めて まれな病態で

膵がんとの関連もなく

確定診断をする事は
非常に難しいものでした。

苦しい言い逃れですね。

言い逃れをしているつもりは
ありません。

事実を話しているんです。

いえ… 事実は

あなたが
術前 PET検査を怠り

術中 肝臓の異常を無視し
術後 肝不全を診察せず

術後胆管炎だと決めつけた
誤診により

佐々木庸平さんを死に至らしめた
という事です!

いかに医学の素人とはいえ
医学者を侮辱するのも甚だしい。

何をもって
誤診と決めつけているのか

理解に苦しむ。
あなたも法律の専門家であれば

確たる証拠を示して
発言して頂きたい。

証拠さえなければ
誤診にはならない。

あなたは
そう おっしゃってるんですか?

誤診などしてないから
誤診ではないと言ってるんです。

あなた それでも
国立大学の教授ですか?

裁判長。

今の発言は 被告を不当に侮辱し
脅迫する暴言です。

取り消しを求めます。

(裁判長)原告代理人
今の発言を取り消し

以後 気をつけて尋問するように。

(関口)では
いかに国際学会へ出発前の

多忙な中だったとはいえ

患者さんの家族が 再三
診察を求めたにもかかわらず

一度も その要望に応じなかった
その理由を聞かせてください。

その事なんですが…。

私は聞いていないんです。

(関口)ご家族が柳原医師に訴え

彼が あなたに
何度も診察を求めたはずです!

ですから 患者のご家族
柳原くんの思い違い

あるいは
記憶違いではないでしょうか。

聞いていれば
当然 私は診察に行きました。

そんなん でたらめや!
裁判長 この男は嘘つきです!

(裁判長)静粛に!

原告は席に着くように。

席に着きなさい!

はあ…。

♬~

元々 医学というのは
多くの症例から導き出された

最大公約数の上に
成り立つものですが

残念な事に
現代の医学をもってしても

導き出せない症例がある。

今回の事案は

まさに現代医学の水準を
超えるものであり

どうしようもない不可抗力

もしくは 不運だったと
言わざるを得ません。

あっ 君ちゃん! どうも。
(君子)こんにちは。

おなか 大きなったね。
(君子)だいぶ。

ふう…。

よいしょ…。

あっ 起きてた。
よっこいしょ… ただいま。

(亀山富治)おかえり。
(君子)ふう…。

(亀山)なんや お前
そんな身重で重たいもん持って。

起こしてくれたら
一緒に行ったのに…。

(君子)だって 夜勤明けだったし

ぐうぐう いびきかいて寝てたし…
ありがとう。

(君子)
ありがとう。 よっこいしょ…。

(亀山)これ お前がおった病院と
ちゃうんか?

(君子)そうね。

(亀山)
なんか えらい事になってるぞ。

(君子)うん…。

ねえ ビール飲む?

ええな。 もらおうか。

(記者たち)「財前教授!」

(キャスター)「記者の問いかけに対して
無言を貫いた財前被告」

「日本中が注目する裁判は

泥沼状態のまま
判決の日を待つ事になります」

♬~

(呼び出し音)

おはよう。

(黒川キヌ)「眠れんかったん?」

母さんこそ。

(キヌ)家族を亡くすとなぁ…

残されたもんは
すぐ死を受け入れんけぇ

誰かに責任を負わせとうなるんよ。

父さんを亡くした時の私も
そうじゃった。

(キヌ)「時間はかかるけど

向こうの家族も
わかってくれるわ」

うん。

五郎…。

落ち着いたら
いっぺん こっちへ帰っておいで。

♬~

「そうだね…」

「全然 帰れてないなぁ…」

(足音)

また連絡するよ。

お母さん?

今日 裁判所に行くから。

そうか。

誰か私に会わせたくない人でも
来る?

何 言ってんだよ。

あなたが外で何をしてても
私には関係ないけど。

私たち そういう夫婦だし…。

ただ 大学教授だけは辞めないで。

私とお父さんを
がっかりさせないで。

(船の汽笛)

(ドアの開く音)
(書記官)ご起立ください。

(書記官)ご着席ください。

(ドアの開く音)

(裁判長)判決を言い渡します。

「主文 原告らの請求を

棄却する」

よっしゃ!
やった!

(裁判長)静粛に。

(裁判長)「当法廷は
柳原証人の尋問結果を

全面的に採用しない」

「財前被告は 里見証人の
再三の要請にもかかわらず

術前のPET検査を行わず

術後 患者 佐々木庸平に発生した
発熱と全身状態の悪化を

術後胆管炎とのみ診断を下し

他の疑いを持たなかったのは
明らかである」

(又一)よっ! 財前五郎

(裁判長)
「しかしながら 本件のように

極めて まれな
血管内リンパ腫の鑑別は

困難だったと判定され
それが ただちに

同被告の法的責任を認めるものと
断定する事はできない」

(記者たち)財前教授!

(記者)財前先生!
(記者)一言お願いします!

(記者)財前教授!
(カメラのシャッター音)

(記者)一言だけお願いします!
(記者)お願いします!

(カメラのシャッター音)

(記者)亡くなられた患者さんに
一言お願いします。

心から
お悔やみを申し上げると共に

私は医師として 今までと変わらず
一つ一つの命に対して

誠心誠意 向き合っていく事を
お誓い申し上げます。

(記者)それだけですか!?

(記者)教授!
(記者)それでいいんですか!

(記者たちの怒号)
(カメラのシャッター音)

先生 これが裁判ですか!?

法律は
こない冷たいもんなんですか?

たとえ 何年かかってもいいです。

控訴してください。

もちろんです。
早速 控訴の手続きをします。

私としても
このままでは引き下がれません。

(関口)先生… ご協力頂いたのに
申し訳ありませんでした。

他に 何か手はあるんですか?

(関口)これは 佐々木さんが

入院から死亡されるまでの診療に
関わった

医局員や看護師の
リストなんですが…。

赤で消してあるのは
話を聞こうとして断られた方です。

誰も話してはくれない
という事ですか…。

はい。

何人かは
病院が変わったり 辞めたりで

連絡先がわからない方が
いるんですが

もし 里見先生
ご存じの方がいたら

教えて頂けますか?

はあ…。
(佐枝子)あっ 君子さん…。

ああ…
ご紹介が遅くなりました。

財前教授の前の第一外科教授の
東先生のお嬢さんで

佐枝子さんです。

今回の裁判 東先生も佐枝子さんも
心配してくださって…。

東さんは 亀山さんの事
ご存じなんですか?

はい。 優秀な方で

父が最も信頼してる
看護師さんでした。

私も よく
休憩時間にお茶をしていました。

連絡先 わかりますか?
病院を辞められて

携帯の番号も変わってしまって
困っているんです。

携帯の番号までは…。

あっ… でも 年賀状があります。
自宅の住所でしたら わかります。

佐枝子さん 裁判に関わる事は…。

いいえ 里見先生。

君子さんの事は
よく知ってますし

私にできる事は
これくらいですから。

ありがとうございます。

♬~

(財前の声)ここからの風景

残酷だなって思うんだ。

残酷?

(財前の声)生きる者と死にゆく者
若者と老人…。

それを俺は
ここから 全て見ている。

俺は なんで
こっち側にいるんだろう? って

不思議だった。

(携帯電話の振動音)

はい。

例の山陰中部大学健診センターの
後任教授の件なんだが

来月から
君に行ってもらう事にした。

どうやら
覚悟はできてるようだね。

はい。
(ドアの開く音)

失礼します…。
失礼します。

(鵜飼)おお 財前くん おめでとう。
私の医学的信念が認められました。

鵜飼先生には ご心配をおかけし
申し訳ございませんでした。

里見。

僕の誤診の疑いが晴れた事

君も友人として
喜んでくれるよな?

財前…。

お前の医師としての良心は
この結果に満足してるのか?

(鵜飼)まあまあ いいじゃないか!
裁判は終わったんだ。

そうだ 財前くん 里見くんはね

山陰中部大学健診センターの
後任教授に赴任するんだよ。

そうか。 僕は裁判に勝ち
君は教授になったというわけか。

おめでとう!
向こうに行っても頑張ってくれ。

♬~

(ドアの開閉音)

ここは俺の場所だぞ。

お前の言っていた事が
今ならわかる。

ここは… 大学病院という所は

生と死のはざまにある
不思議な空間だ。

人は必ず死ぬんだよ。

医者が何百人という患者を
全て救う事なんか…。

不可能だ。
違う そういう事じゃない!

お前は医者としての自分に
もっと厳しくあるべきだ。

医療は 人間の祈りだ。

神をおそれ 神に祈るような
敬虔な心で

患者の生命と尊厳を守る。

それができないなら

医療に携わる事は許されないと
学んだし そう信じてきたはずだ。

違うか?

これっきり
会う事もないだろうな。

さようなら。

♬~

患者のために
患者を救う医者と

自分のために
患者を救う医者…。

俺か。

♬~

♬~

♬~

(大河内)判決が出たそうだね。
はい。

♬~

里見くん 君…。

長い間 お世話になりました。

失礼します。

♬~

(杏子)あなたと結婚して

この7年間は
あっという間だった。

講師から准教授

ようやく教授になったと思ったら
訴えられて…。

ごめん。 心配かけたね。

ねえ。

裁判も片づいたし
そろそろ 子供作ろっか。

…ああ。

お父さんも早く早くって
うるさくて。

財前家の
未来永劫の繁栄のために

教授の次は跡継ぎだって。
大げさよね。

私は あなたの跡継ぎを生めるけど
あの女には無理よ。

妻じゃないんだから。

♬~

♬~

人間の野望というのは
恐れを知らんものらしい。

(君子)証言します 私!

(よし江)柳原先生!
ほんまの事 言うて…。

いい加減な事を言うのにも
程があるぞ!

里見… 俺を診察してくれ。