ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

死命~刑事のタイムリミット~ 賀来賢人、蓮佛美沙子、吉田鋼太郎… ドラマの原作・キャストなど…

『ドラマスペシャル死命~刑事のタイムリミット~』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

  1. 矢部
  2. 蒼井
  3. 信一
  4. 澄乃
  5. 奈保子
  6. お前
  7. 犯人
  8. 大丈夫
  9. 被害者
  10. 高木
  11. 岡本真紀
  12. 岩澤
  13. 自分
  14. 仕事
  15. 彼女
  16. お母さん
  17. ミホ
  18. 瑞希
  19. 世界
  20. 電話

f:id:dramalog:20190519230749p:plain

『ドラマスペシャル死命~刑事のタイムリミット~』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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ドラマスペシャル死命~刑事のタイムリミット~[解][字]

“刑事”吉田鋼太郎vs“殺人犯”賀来賢人…互いに余命宣告を受けた男2人の命がけの追走劇!薬丸岳の傑作小説を初ドラマ化!息づまるミステリーと心揺さぶる人間ドラマ!

詳細情報
◇番組内容
デイトレーダーの榊信一(賀来賢人)は、元恋人の山口澄乃(蓮佛美沙子)ら学生時代の仲間と再会。豪奢な生活を送る榊に羨望の眼差しが注がれるが、榊はある重大な秘密を抱えていた。
翌日、若い女性・岡本真紀が絞殺体となって発見された!警視庁捜査一課の刑事・蒼井凌(吉田鋼太郎)は所轄の刑事・矢部(中尾明慶)と組み、捜査を開始。蒼井は3年前の病を再発させていたが、残り少ない命を犯人逮捕に注ぐことを決意。
◇番組内容2
同じころ、榊も医師から余命宣告を受けていた。何かを決意して夜の街を徘徊する榊……。
そんな中、新たな女性の遺体が発見される。真紀の足取りを追っていた蒼井は、防犯カメラの映像から彼女に声を掛ける男を発見。男の何気ない行動から、聴覚に障がいがあると推理。その矢先、蒼井は聞き込み先で倒れてしまう…!!
やがて蒼井と榊、二人の男の運命が交錯する!そして、物語は誰も予想できない衝撃の展開へ…!
◇出演者
蒼井凌…吉田鋼太郎
榊信一…賀来賢人
山口澄乃…蓮佛美沙子
矢部知樹…中尾明慶

安東徳次郎…モロ師岡
高木庄司…金井勇太
蒼井瑞希山谷花純
蒼井由美子…大路恵美
榊奈保子…黒沢あすか
岩澤兵馬…小木茂光
◇原作
薬丸岳『死命』(文春文庫)
◇脚本
岩下悠子
◇監督
近藤一彦
◇スタッフ
【プロデューサー】川島誠史(テレビ朝日)、榎本美華(東映
◇おしらせ
☆番組HP
 https://www.tv-asahi.co.jp/shimei/

 

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(堤 綾子)
ペントハウスって 眺め最高!

(高木庄司)それにしても
すごい広さだよなあ。

何坪あるんだ? 一体。
(絵梨)いいなあ。

私も挑戦してみようかな?
デイトレード

(小杉)よせよせ。 有り金
全部 溶かされるのがオチ。

ふーんだ!

ねえ 榊くん
おすすめの銘柄とかある?

(榊 信一)さあ…。
今はトレードから離れてるんだ。

まあ これだけ稼げば あとは
人生イージーモードだよな。

(綾子)あっ 私 やるよ。

ねえねえ ねえねえ…。

信一くんって 今
付き合ってる人とかいないの?

何? 急に。

魅力的だから
モテるだろうなと思って。

フッ…。

みんな 乾杯の前に
ちょっといいかな?

みんなに聞きたい事があるんだ。

これなんだけど。

(絵梨)これ… ペーパーナイフ?

うん。
昔 誰かにもらったものらしい。

(小杉)「らしい」って何よ?

誰がくれたのか
ずっと思い出せなくてさ

ずっと モヤモヤしてるんだ。

みんなの中に
心当たりある奴いないかな?

澄乃じゃないの?
付き合ってたんだし。

(山口澄乃)違う… 私じゃない。

(高木)珍しいプレゼントだよなあ
刃物なんて。

(絵梨)でも どうして
贈り主が そんなに気になるの?

さあ…。 自分でも不思議なんだ。

フッ… ごめん 変な事 聞いて。

今日は みんな
集まってくれて ありがとう。

信一くんって
なんだか 雰囲気 変わったね。

フッ… そうか?
うん 痩せたみたい。

それに
長髪のイメージだったから。

ああ…
こいつを隠すのは もうやめた。

本当の自分で生きていく。

そう決めたんだ。

心境の変化?
何かいい事あったの?

ああ。 とびっきりいい事だ。

やっと 新しい世界に
踏み出せそうな気がするよ。

新しい世界…?

(澄乃)信一くん?

(せき込み)

信一 やっぱり 入院しろ。

薬を変えてください。

もっと自由に…。

動き回れるように。

少しでも進行を遅らせよう。
なっ?

自由になりたいんだよ!

♬~

♬~

(カメラのシャッター音)

(岩澤兵馬)顔面うっ血に扼痕。

首を絞められた事による窒息か…。

(鑑識官)吉川線も見られますね。
(岩澤)うーん…。

ヨシカワセン… って
なんでしたっけ?

警察学校で習っただろう ほら。

首の所にできる
抵抗の ほら… 痕跡。

(矢部)はいはい はいはい…
そうでした そうでした。

ええ…
被害者の首に ヨシカワセンあり。

(蒼井 凌)邪魔だ。

♬~

(高杉)お疲れさまです。

所持品は?

(鑑識官)財布 携帯 化粧品
それに 学生証を持ってました。

「岡本真紀」…。 自宅は板橋か。

財布に
2万近い現金が残っていました。

ああ…。
物盗りの線が薄いとなると

まずは 交友関係から
あたっていきたいとこです。

(岩澤)周辺の不審者情報を
洗うのが先だ。

大方 男に
力ずくで連れ込まれたんだろう。

だが 着衣に乱れがない。

事に及ぶ前に
騒がれて 殺したんじゃねえのか。

強姦目的だとは思えねえな…。

それは 何か?
また刑事の勘ってやつか?

(高杉)いや… まあまあまあ…。

相変わらずだな お互い もう…。

♬~

怖え…。

(鑑識官)
死因は 頸部圧迫による窒息死。

甲状軟骨と舌骨が
折れている事から

犯人の手によって
扼殺されたものと推測されます。

死亡推定時刻は
昨夜11時から深夜2時の間です。

(鑑識官)
所見では 性的暴行の痕跡は

見られませんでした。
また 被害者の爪からは

本人のものではない皮膚片が
検出されています。

次 鑑捜査。

被害者の岡本真紀は かなり
交友関係が広かったようです。

携帯電話には
523件の登録がありました。

最後の通話は
昨日の午後4時37分。

ええ… 相手は
同じ専門学校の生徒で…。

(携帯電話の着信音)

ああ… すいません!

(祥代)続けて。

…はい。

(矢部)うわあ CAと合コン?
マジ 超行きてえ…。

お前 名前は?
ああ… 矢部知樹と申します。

捜査一課の蒼井だ。
この件は 俺とお前で組む。

ええっ!? あっ… はい。
よろしくお願いします!

痛い 痛い 痛い…。 何 何!?

痛い…。 離してくださいよ!

ちょっと
子猫じゃないんだから…。

うわうわ うわうわ… うわっ!

なんですか?
耳 澄ませ。

死ぬ瞬間 なんと叫んだのか。

何を訴えたかったのか。

(岡本真紀の声)死にたくない…!

携帯のアドレス 523件
全部 潰す。

♬~

行くぞ。

♬~

(高杉)こちらです。

(真紀の父親)真紀!

(真紀の母親の泣き声)

♬~

(学生)真紀から 夕方 電話が来て
パーッと遊ぼうって。

でも バイトがあったから
会えなくて…。

最後に会ったのは
先月のイベントの時かな。

真紀の奴 男と別れたばっかで
なんか荒れてたんですよ。

その男の名前は?

ああ… いや 知らないっす。

あの… 岡本真紀さんと
お知り合いですよね?

(ミホ)クラブで知り合って
メアド交換しただけだし。

(矢部)ええ… メアドの交換…。

他に なんかない?
(ミホ)ええっ 他?

なんでもいいから。
(ミホ)でも あの子…。

♬~

ああ~ 疲れた!

もう さっぱり つかめませんね
被害者のゆうべの足取り。

聞き込みの時は 相手の顔を見ろ。

表情の変化 見逃すな。

お前 なんで警察官になった?

えっ? あの…。

市民の安全を守る仕事が
したかった…。

嘘つくな。

公務員は不況に強いからか?

一時 そういう連中が
大勢 入ってきた。

俺は そういう奴らは
信用しねえからな。

(店員)お待たせしました。
もりそばです。

ごゆっくりどうぞ。

すいません…。

うっ…。

えっ… 食わないんすか?

うるせえ…。

「手のない時には端歩を突け」と…。

♬~

安東さ~ん…。

来ると思ったよ。

もなか食べるかい?

わあ~ 優しさが超しみる…。
ねえ 聞いてくださいよ。

俺 心が折れちゃいました。
複雑骨折っす。

絞られたんだろう? 蒼井刑事に。

えっ? 安東さん
あの人 知ってるんですか?

私の刑事課時代の部下だよ。

昔からクセの強い男でね。
周りとぶつかる事も多いが

刑事としての執念と嗅覚は
とびっきりだ!

人呼んで 捜査一課の猟犬!
ワン!

猟犬ね…。
ベタなキャラだなあ もう。

まあ 頑張りなさい。

将来 捜査一課を目指すつもりなら
彼から学ぶ事は多いはずだよ。

目指しませんよ 捜一なんか。

おや? 刑事なら
赤バッジに憧れるだろうに。

そりゃ
かっこいいとは思いますけど…。

いや だって
大変そうじゃないですか。

俺はね そこそこでいいんですよ
そこそこで。

欲がないねえ…。

あの… なんか ご用ですか?

(蒼井瑞希)
ヴィヴィ 最高っすよね!

はあ?

ヴィヴィ! ヴィヴィ。

はあ…。

このポスター
もらっていいですか?

(矢部)いや 駄目ですよ。
(瑞希)転売とかしませんから!

いや そういう問題じゃないから。

生活安全窓口なら
あっちですから。

えっ?

捜査本部の蒼井に渡してください。
(矢部)蒼井?

着替え持ってこいって
頼まれちゃって。

あっ…
不機嫌な強面のおっさんです。

こ~んな しかめっ面の。
冬眠を邪魔されたクマみたいな。

えっ… もしかして
蒼井さんのお嬢さん?

大変お世話になっております!

私 捜査でコンビを組んでる
矢部と申します!

父とコンビ…。
マジ最悪っすね。

ええ マジ最悪っす…。

はっ…。

お父さん 呼んできますね。

結構です。 あんな冷血クマの顔
見たくないんで。

…って 伝えておいてください。

あの… これ お嬢さんからです。

娘は もう帰ったのか?

はい。
そうか。

冷血クマの顔
見たくないんですって。

お嬢さ~ん 伝えましたよ~。

(澄乃)あの子たち
ボランティアじゃない?

ああ… 俺たちも
あんな感じだったんだよな。

(澄乃)信一くん
子供 好きだったよね。

澄乃のおかげだ。

えっ?

ボランティアに誘ってくれたのは
澄乃だった。

お肉できたよ!
お肉!

野菜も みんな 食べてね。

ねえ 信一くん
体調 大丈夫?

実は胃潰瘍なんだ。
急に痛みが来る事があって…。

(矢部)はい どうぞ。
(ミホ)どうも。

もうさ
おじさんが しつこいから

木曜の事
みんなに聞いてみたんだ。

そしたら… ジャーン!

岡本真紀さん 見たんだよね?

(カナコ)
六本木のエキウスってクラブで。

あの子 男と喧嘩してた。

その男の顔を覚えてないかな?

ううん…。 でも あの子

そいつの事
ミツハルって呼んでた。

ミツハル? エキウスで
ナンパされた事あるかも。

(矢部)えっ 知ってんの?

…かもしれない。

ちょっと調べておいてくれる?
なんでもいい。

連絡先 知りたいの。
(ミホ)あっ… はい はい はい…。

(携帯電話の振動音)
(カナコ)面倒くさい。

ちょっと ごめん。
(ミホ)ええ~?

いいじゃん おごりだし。
おごりだよね?

東央病院の高木です。

ああ どうも。
お世話になってます。

検査の結果が出たと
お伝えしたはずですが…。

すいません。
ちょっと 仕事が忙しくて…。

あとにしてください!

いや でも…。

(高木)「警察のお仕事が忙しいのは
わかっています」

ですが 今は
こちらを優先して頂きたい。

はあ…。

(ミホ)あっ 刑事さん!

あったよ ミツハル!

あとで… 今度 必ず伺いますから。
すいません じゃあ。

あっ…。
(不通音)

(不通音)

ありがとう。

(ミホ・カナコ)どういたしまして。
フフフフ…。

なんか食べる? 他にも。

(ミホ)いいの~?
いいよ いいよ。

やっと 一歩前進ですね!

喜ぶのは まだ早い。

足 引っ張るなよ。

こんにちは。

まだ開店前なんすけど。

(矢部)あの… 警察なんですけど

三浦光春さん
いらっしゃいますか?

あなた?

蒼井さん いましたよ。

おう。

(矢部)あっ あっ… ちょっと!
裏 裏… 裏!

♬~

ううっ… クソッ…!
蒼井さん どうしたんですか!?

いいから… 俺はいいから
早く追え 馬鹿!

(矢部)はい!

(矢部)おい!

ううっ…。

ううっ…。

うっ…。

♬~

(矢部)おい!
(三浦光春)なんだ てめえ…!

ああっ
痛い 痛い 痛い 痛い 痛い…!

ああっ クソッ!

(矢部)なんで逃げた!?

一回だけです!
使ったの 一回だけですよ!

はあ? もう!

危険ドラッグだ。 そうだな?

(矢部)ええっ?
(三浦)すいません。

おい…。

岡本真紀
木曜の夜 会ってたよな?

(三浦)偶然です。
俺 なんも知りませんって。

エキウスっていうクラブで
口論したよな?

その直後 彼女は殺された。

(三浦の声)
マジで なんも知りませんって!

あいつ かなり酔っ払ってて
俺に絡んできたんだよ!

そのあと どうしたよ?

(三浦の声)あいつ
フラフラって帰っていって

俺はクラブへ戻って
朝まで踊ってました。

おい 矢部
エキウスに確認入れろ。

はい!
ああっ… ううっ…。

電話じゃねえよ!
行けよ クラブへ!

わかってますよ!
そのつもりですから!

ねえ ちょっと こっち向いて。
(カメラのシャッター音)

(三浦)はあ?
(矢部)じゃあ いってきます。

あっ… おい 矢部。
はい!

とことん疑えよ。
えっ?

行けよ 早く!

いや 呼ぶから…。
もう なんだよ!

くうっ… ああっ…。

ああっ…!

(安東)捕物の最中
具合が悪くなったらしいね。

情けない話です。

ちゃんと
定期健診は行ってるんだろうね?

ええ まあ…。

サボっちゃいけないよ。
脅かすわけじゃないが

再発する事もある病気だ。

はい…。

どんな優れた猟犬も
体を壊せば走れない。

♬~

はい…。

蒼井さん。

三浦光春 アリバイありました。

犯行時刻 クラブにいた事を
従業員が証言しました。

いや とことん疑いましたよ。

けど 間違いなさそうっすね。
防犯カメラにも映ってましたし。

そうか…。

いやあ
一歩前進だと思ったんだけどな。

被疑者が 一人 消えただけでも
前進だろう。

はい…。

(高木)この数日 どう説明しようか
迷っていました。

だが あなたは
嘘を見破るプロだ。

それに とてもタフな方でもある。

再発… という事ですか?

ステージⅣ…。 深刻な状況です。

なるべく早く
入院の手続きをしてください。

買いかぶりだ…。

はあ?

私はタフなんかじゃない。

フッ… 見てください。

震えてます。

で…。

(息を吐く音)

余命は どれぐらいですか?

それは 医者の口からは
一概に言えない事です。

ただ…
一つだけ申し上げておきます。

今のあなたの体では
刑事の仕事は とても無理だ。

一刻も早く現場を離れて
治療に専念してください。

♬~

どうぞ。

落ち着きますよ。

どうも すいません…。

お大事に。

♬~

(高木)薬は どうだ?
副作用は きつくないか?

予想してたほどじゃありません。

自由に動き回れるのが
何より嬉しいですよ。

くれぐれも分量は守れよ。

もし 痛みが出たら…。

どうした?

さっき 情けない男を見ました。

この世の終わりのような顔して…。

あれも
余命宣告されたクチでしょうね。

哀れなもんです。

死を突きつけられて
何もできなくなる人間ってのは。

ごく普通の反応だと思うが。

そうですかね?

死を恐れるのは 結局

生きる意味を
見いだせずにいるからだと

俺は思います。

生きる意味?

ええ。

(ドアの開く音)

えっ? なんでいるの?

今 何時だと思ってる。

帳場が立ったんでしょ?
しばらく泊まり込みだって

言ってたじゃん。
着替えだって…。

こんな時間まで
どこを ほっつき歩いてたんだ!

はあ…。
マジで会話成立しないね うちら。

しばらく 夜遊びは禁止だ。

六本木のクラブで踊ってた
女の子が 殺された。

私の踊りは
遊びじゃないんですけど。

似たようなもんだろ。

(瑞希)お母さん
今日も 練習 頑張ってきたよ。

おい 親の話を聞け!

バックダンサーのオーディション
私 絶対 合格する。

ヴィヴィと同じ舞台に
立ってみせる。

見ててね。

わかったのか? おい。

おい!

(ドアの閉まる音)

♬~

(蒼井由美子の声)あなたが
私を救ってくれました。

♬~

おい 行くぞ!

(矢部)蒼井さん! えっ どこに?

店を出たあとの
岡本真紀の足取りを追うぞ。

だって 俺 もう 寝る支度…。

っていうか
なんで戻ってきたんですか?

クラブは まだ営業してんだよ。
早くしろ。

口 ゆすがないと!

飲み込め!
えっ…!?

ちょっと待ってくださいよ!

♬~(榊 奈保子)
「あした浜辺を さまよえば」

♬~「昔のことぞ 忍ばるる」

信一。 フフッ…。

泳いでおいで。

あそこに大きな岩があるでしょ。

潮が満ちて あの岩に届くまで
戻ってくるんじゃないよ。

水着 持ってない。

裸で泳げばいいんじゃないの?

(奈保子の笑い声)

(2人の笑い声)

(奈保子)早くお行き!

(奈保子)ああ もう…。 フフッ…。

(荒い息遣い)

(荒い息遣い)

(荒い息遣い)

(チャイム)

ありがとう。

胃潰瘍って嘘なんでしょ?

なんで そう思う?

気になって 高木先輩に
電話して聞いてみたの。

先輩 自分の口からは
話せないって…。

信一くん 本当の事 教えて。

胃がんだ。

進行したスキルス胃がんだ。

もう手遅れで手術はできない。

もって
あと数カ月って感じらしい。

♬~

死ぬ前に

こいつの事だけは思い出したい。

いつ 誰に
なんのために渡されたのか。

大事な事だったはずなのに
どうしても思い出せないんだ。

もし 思い出せたら…。

思い出せたら?

他の事も思い出せる気がする。

なあ 澄乃

俺たち 高校卒業をきっかけに
別れたんだよな。

俺は東京に進学して
澄乃は地元に残って…。

あの頃の記憶だけが
なぜか曖昧なんだ。

頭が勝手に記憶の一部を
消してしまったような…。

信一くん

私の夢は覚えてくれてる?

♬~

(奈保子の笑い声)

♬~

(田中祥子)
あれ? 顔は似てなかった。

電話の声がね あのナレーションに
似てるって思ったんだよね。

『世界の風景』って番組。

♬~「トゥルトゥ テテーテー」

それ 飲み終わるまで待つよ。

どうも。

♬~

(祥代)被害者は田中祥子 25歳。

死因は 頸部圧迫による窒息死。

爪の間から検出された皮膚片が

岡本真紀殺害犯のDNAと
一致しました。

同一犯による第二の犯行…。

財布に入っていた
ICカードの履歴から…。

(岩澤)外したな。

岡本真紀の交友関係を
潰してたんだろうが

第二の事件が
同一犯っていう事は

明らかに行きずりの犯行だ。

行くぞ。

坊主 あんまり影響受けるなよ。

行くぞ!
(矢部)…はい!

お前 あの赤いエプロンの
店員さんに聞いてこい。

はい。

見た事ないですか?

こちらの方に
見覚えないですかね?

ちょっとわからないですね。
あっ そうですか。 すいません。

いや 見た事ないと思いますよ。

すいません
よく見てもらえませんか?

忙しいので。
ちょちょちょ…

一回だけ見てください。

どうだ?
あ… こっちも空振りでした。

誰も被害者を見てません。

よし じゃあ
聞き込みの範囲 広げよう。

はい。

♬~

蒼井さん
ちょっとだけ休みませんか?

じゃあ 休めよ。

いや だって 蒼井さん
疲れてるじゃないですか。

また動けなくなっても
知りませんからね。

いや… すいません。
生意気でした。

あのカメラ 調べるぞ。

猟犬ね…。

(店長)
午後11時30分 この辺りですかね。

あっ ちょっと待って。
これ…。

ちょっと失礼。

♬~

ああ… 服装と髪形が
岡本真紀と一致するな。

(矢部)かなり酔ってそうですね。

あっ…!

♬~

こいつか?

えー… 男は支払いの際

誤って
10円玉を下に落とします。

しかし それには気づかず
店を出ようとします。

店員の呼びかけにも
応じなかったそうです。

あっ 止めろ。

よし ここ。

で 店員に
後ろから肩を触れられた際

振り返って
サングラスを押し上げています。

これは 相手の口元を
確認するためだと思われます。

つまり お前の考えでは?

はい。 この男は

聴覚に
障がいを持っている可能性が

非常に高いと考えられます。

耳鼻科および補聴器メーカーに
捜査員を回す事を提案します。

(捜査員たちのざわめき)

いつもの刑事の勘ってやつか?

この短い映像だけで

聴覚障がいと判断するのは
早計だろ。

勘じゃねえよ。

あのな 医者と補聴器メーカー
その他もろもろ

それをあたらせるのに
何人 必要だと思ってるんだ!

(沼田)岩澤の言うとおりだ。

蒼井 確かに
お前の推論は一理あるが

たった一人の捜査員の意見を
もとに

人員を割く事はできない。
一課長…。

(矢部)あの…!

一人じゃありません。

僕も同じ意見です。
(捜査員たちの笑い声)

(沼田)とにかく捜査は組織で動く。

個で動くものではない事を
忘れるな。

(祥代)次!
田中祥子の事件について。

(岩澤)はい。

被害者は
駅前の喫茶店ガーベラで

男と会っていた事がわかりました。

このガーベラは
界隈のテレクラを利用する

待ち合わせ場所として
有名な店です。

テレクラ? 今のネットの時代に
珍しいですね。

(岩澤)被害者の預金通帳には
給料とは別に入金が度々あり

このテレクラを通した

売春の可能性が
あるのではないかと思います。

さっき来た警察の人にも
話しましたけど

通話録音とか電話番号とか
残してないですから。

いや そうじゃなくて あの…

お客さんの中に聴覚障がいの人
いなかったですか?

聞こえづらいとか
補聴器してる

そういうお客さん
いなかったですかね?

補聴器した人ね…。
はい。

覚えてないっすわ。

あの 思い出してもらえますか?
お願いします。

しつけえな。

(矢部)あの…
ちょっと まずくないですか?

何が?

いや だって 僕らの担当は
岡本真紀さんの周辺捜査ですよね。

それを勝手に方針変えて
動き回ったら

もう きっと大目玉ですよ。

別に蒼井さんの勘を
疑ってるわけじゃないですけど…。

どうしたんですか?

親父が脳梗塞で倒れる前に
似てます。

えっ?

どう見ても体調がおかしいのに
無理してました。

2年前です。

今でも入退院を繰り返しています。

なのに仕事を辞めようとしない。

家族は心配のし通しですよ。

親父さん なんの仕事してるんだ?

パン屋です。

(矢部)たかが
一個 百いくらのパンのために

不自由な体で

命を削って 立ち作業を続けてる。

いくら常連さんが
待ってるからって…

僕には理解できません。

うらやましい仕事だな。

えっ… パン屋がですか?

俺は仕事で何かを作った事がない。

失うのを見ていくばかりだ。

♬~

(船の汽笛)

(ため息)

悪い。 待った?

なんなのよ もう…。
ねえ 付き合ってほしいって何?

うん…。 前から
一度乗ってみたくてさ

あれ。

はあ? えっ なんの冗談?

いいじゃないか。
たまには わがまま聞いてくれよ。

行くぞ。

(瑞希)ヴィヴィ。
ビビ?

発音が違う。
ヴィヴィ。

有名なんだよな?

超有名。 今 一番人気の
若手実力派アーティストだよ。

警察のイメキャラだって
やってんじゃん。

えー… どんな顔だったっけかな?

指名手配犯の顔は
一発で覚えるくせに。

フッ ハハハ…。

とにかく
そのビビの後ろで踊るなんて

大したもんだ。

おめでとう。

変なの。

ずっと
私の夢に反対してたくせに。

反対するのは やめた。
フフッ… 諦めた。

お前は自分で こうと決めた事は
絶対に最後まで諦めないからな。

私の性格は お父さん似だって
お母さんが言ってた。

えっ?

そうやって笑ってる顔は
お母さんそっくりだ。

あっ で その全国ツアーか
いつからなんだ?

来年から再来年にかけて。

うん…。

お父さんも見に来てよ。

見てくれるよね?
私が舞台で踊るとこ。

ああ… 見るさ。

だから…。

何があっても
お前 くじけるなよ。

♬~

まだ犯人 捕まってないんでしょ?

うん。

こんな事してて いいの?

いや いいんだよ 今夜は。

♬~

今夜だけはな。

♬~

フフッ… 何?

ごちそうさまでした。
お粗末さまでした。

♬~

(奈保子)信一 おかえり。

(男)よお 優等生 おかえり。

(奈保子)信一。

(奈保子)あっ ちょっと駄目よ。
信一が帰ってるのに。

いいじゃねえかよ。

ねえ 私の事 捨てないわよね?

(男)捨てねえよ。

どこにも行かないわよね?

行かねえよ。

ウフフ… ウフフフ…
フフフフ…。

(奈保子の笑い声)

(奈保子の笑い声)

(奈保子の笑い声)

(奈保子の笑い声)

(奈保子の笑い声)

ああーっ!

うわあーっ! あああっ…!

ああーっ!

ああっ! あっ あっ…!

ああーっ! ああーっ!

うああーっ! ああーっ!
ああーっ! ああーっ!

うああーっ!

ああっ ああっ…。

(せき込み)

ごめん… ごめん 澄乃。

平気。

怖い夢 見たんだね。

ああ… 化け物の夢だ。

大丈夫 大丈夫。

はい。

(従業員)いた いた。
補聴器をつけたお客。

(従業員)いた いた。
あっ マジっすか?

うん。
顔は… 顔は覚えてないですか?

いやあ…
あっ でも 声は覚えてるよ。

あの番組のナレーション
そっくりでさ。

ほら あれ なんだっけ?

♬~「テレテー テテーテーン
テレテ テーテン」

♬~(2人)「テレテ テーテン
テーン」

あっ… 『世界の風景』!
そう それよ!

ああっ! うっ… ううっ…
うっ…!

(せき)

あっ…。

あっ… ああっ…!

蒼井さん!?
おい おっさん 大丈夫かよ!

あっ… ああっ! あっ…。

(アナウンス)「佐藤さん 佐藤秀一さん
飯島さん 飯島栄枝さん

会計6番までお越しください」

どうぞ。

どうも。

ご家族が こちらに?

父が…
3年前の胃がんを再発させて

もって あと数カ月だって。

そうですか。

私 独りになっちゃうじゃん…。

あっ… すいません。
関係ない話しちゃって。

♬~

僕も似たような立場です。

えっ?

蒼井さんのお嬢さんですよね?

ほら 日暮里署でお会いした。

ああ…。

お見舞い 今 いいっすか?

はい。

お嬢さんから 全部聞きました。

仕事の話だ。 2人にしてくれ。

♬~

刑事課長に 犯人が聴覚障がいだと
改めて主張したんですが…。

返事は?

まだ裏付けが足りないと。

クソッ!

テレクラ周辺を調べ続けろ。

俺も すぐ現場へ戻る。

戻っちゃ駄目ですよ!

蒼井さん
この犯人は人間のクズです。

いや 人間以下のクソ野郎です。

そんなクソ野郎のために

人生最後の時間を使う必要なんか
ありますか?

(矢部)この犯人は
絶対に僕たちが捕まえます。

だから… だから 蒼井さんは

残された貴重な時間を
お嬢さんのために使ってください。

余計なお世話なんだよ。

お前 前に
たかがパン屋の仕事で

命削る親父さんの気持ちが
理解できねえって言ってたよな。

…はい。

俺には よくわかる。

住宅街の一軒家で
専用のガレージがある…。

値段は気にしません。

今すぐ手に入れたいんです。

ええ よろしく。

(ドアの開く音)

♬~

♬~

(高木)その体で現場に戻るなんて
あまりにむちゃだ。

絶対に許可できません。

ホシは
また必ず犯行を繰り返します。

もっと狡猾に もっと周到に。

残された人生をなげうって
犯人を追うつもりですか?

(瑞希)やっぱり お父さんは
父親である前に刑事なんだね。

それなら ずっと
一人で生きていればよかったのに。

瑞希
(ドアの閉まる音)

(ため息)

♬~

(綾子)あっ やっぱり 信一くんだ。

♬~

なんで?

デベロッパー勤めだもん。

信一くんが使った代理店
うちの系列なのよ。

強引に担当にしてもらったの。

もう やだ 怖い目。
信一くんらしく…。

(奈保子の声)信ちゃん…。
アハハハ… アハハハハ…!

(澄乃)おじや できたよ。

(奈保子の笑い声)

信一くん?

来るな!

俺に近づくな。 出て行け。

信一くん…。
うるせえ!

頼む… 出てってくれ。

♬~

かかとが折れてる。

(木村千香子)わかってるし。

あ~あ 最悪。

送ろうか?

お兄さん 一体 なんのお仕事?

あっ 親が資産持ってるクチ?
アハハハ!

お兄さん いかにも
おぼっちゃんって感じだもんね。

いい家庭に育ったんでしょ?

しつけえんだよ!
(奈保子)あっ…!

待ってよ! 考え直して!

♬~

うわああーっ!

(奈保子)いやーっ!

アハハッ
そんないきなり あっ…!

あっ はっ…! ああっ!

♬~

(奈保子)信ちゃん…。

あんただけは お母さんを
捨てたりしないわよね?

ねえ 東京行くのなんか
やめなさい。

お母さんと ずっと一緒にいよう。

ね?

♬~

友達の家に泊まるって なんで?

会っておきたい奴が
何人か いてね。

体が動くうちに
訪ね歩くつもりだ。

それより さっきは本当にごめん。
どうかしてた。

うん。
今は とっても安らかな気分だ。

何? 綾瀬川の河川敷?

また 首を絞められてます。

遺体に付着していた毛髪の
DNAが

過去2件の犯人のものと
一致しました。

同じ男による 第三の犯行です。

♬~

あっ! ああっ…!
うっ あっ…。

(祥代)被害者は4人。

警察の威信にかけて 一刻も早く
犯人を挙げてください!

♬~

心配いらない。 体は元気だ。

ああ…。

自分でも信じられないくらい
元気なんだ。

♬~

(ナレーション)「『世界の風景』」

「本日は スウェーデンの首都

ストックホルムの街角を
ご案内します」

気晴らしに 一局どうだ?

ええ? もなかもあるよ。

すみません 今 ちょっと…。

そうかい。

(ナレーション)「『世界の風景』」

「本日は スウェーデンの首都…」

♬~

捕まってたまるか…。

クソッ…!

(パトカーのサイレン)

大丈夫ですか?

(由美子)私のせいです…。
えっ?

お隣から悲鳴が聞こえたのに
何もできなかった。

勇気を出して
部屋に飛び込んでいれば…。

そんな事したら
あなたまで殺されてました。

♬~

あ~!

うまい! アハハ…。

ああ… ありがとう。
生き返りました。

アハハハ…。

お隣の事件のあと しばらく
外に出られませんでした。

道を歩く人が みんな
犯人みたいな気がして…。

でも 部屋の窓から
あなたの姿が見えて

少し安心して…。

ああ… ハハッ…。

あなたが
私を救ってくれました。

♬~

♬~

(高杉)蒼井さん!
大丈夫なんですか?

どうも ご迷惑おかけしました。
すぐ 現場に戻ります。

いや… 蒼井さん
こっちを担当してもらえますか?

(署員)はい
日暮里署情報提供ダイヤルです。

電話番しろって言うんですか?

一課長の指示なんです。

情報の信憑性を判断するため

ベテランに
1人 ついてほしいとの事で…。

(ため息)

また 聞き込みの途中で
ぶっ倒れるつもりか?

周りの足を引っ張らない事も
考えろ!

(高杉)すいません。

(矢部)あの…

これ。

蒼井さんが休んでた間の
捜査会議の記録です。

僕 ノート取りだけは得意なんで。

お前のノートの世話になる時が
来るとはな。

(澄乃)この傷 どうしたの?

猫に引っかかれた。
汚らしい野良猫だよ。

信一くん…。

夢が かないそうだよ。

(チャイム)

はい。

「澄乃?」

「えっ…
なんで 澄乃がいるのよ?」

そこで待ってて。 すぐ行くから。

綾子。

信一くん
ちょっと 体調が悪いみたいで

あの… お手伝いに。

彼が勝ち組になったからって
ヨリ戻す作戦?

綾子こそ どうして?

別に。

この間 会った時
なんか様子が変だったから。

会ったって いつ?

もう 結構 前よ。

善福寺でね。

善福寺?

やだ… もしかして知らないの?
新しい家の事。

♬~

(アナウンサー)「新たな情報です」

「被害者の爪から

犯人のものと思われる皮膚片が
見つかりました」

「警視庁の情報提供ダイヤルの
番号は こちらです」

《殺された5人の女は

皆 繁華街で犯人に出会っている》

《彼女たちの共通点は

容姿が派手で
男慣れしたタイプ…》

「ひきがね」?

♬~

澄乃?

(解錠音)

♬~

♬~

♬~

何? これ…。

♬~

(アナウンサー)「被害者の爪から
犯人のものと思われる…」

猫に引っかかれた。

ああ… うああーっ!
ああっ ああっ…。

俺に近づくな。

♬~

(アナウンサー)
「従業員 木村千香子さん…」

あっ…!

あっ… ああっ…。

♬~

♬~

♬~

(澄乃の声)私 夢があるんだ。

将来
信一くんのお嫁さんになって

いつか
素敵なお母さんになりたい。

僕に家族なんか持てるかな…。

(澄乃の声)信一くん!

ボランティアのお疲れ会
メンバー全員 来られるって!

いないのかな…。

♬~

(操作音)

(電話)

はい もしもし
こちら 日暮里署捜査本部です。

あ…。

もしもし?

「もしもし? どうしました?」

(衝突音)
(車のブレーキ音)

「(衝撃音)」

(男性)大丈夫ですか?

(男性)おい 救急車…
救急車を呼んでくれ!

もしもし?
「(女性の悲鳴)」

「何かありましたか?」

「もしもし!」

あの人に伝えて…。

出会わなければよかった…。

そうすれば

愛する事もなかったのに…。

♬~

もしもし… もしもし?

もしもーし!

♬~

(女性)ねえ 何があったの?

♬~

私の夢は覚えてくれてる?

一緒に作ろう。
世界一幸せな家族。

♬~

♬~

母子手帳

(矢部)
妊娠6週目だったようですね。

(ドアの開く音)

澄乃…!

高木先生?

ボランティア活動ですか?

はい…。

なぜ 山口澄乃さんが

警察の情報提供ダイヤルに
電話をしてきたか

心当たりはありますか?

いや… 見当もつきません。

では
榊信一さん ご存じですか?

信一?

(矢部)山口澄乃さんの携帯電話に
通話履歴が残っていました。

ただ 連絡がつかなくて…。

彼も
ボランティア仲間の一人でした。

澄乃とは 幼なじみで…。

(澄乃の声)また あの人に
何かされそうになったら

これで…。

♬~

(チャイム)

♬~

はい。

「あっ… 榊信一さんですね?
警視庁の蒼井と申します」

「山口澄乃さんの事で
ちょっと お話を…」

わかりました。
ロビーでお待ちください。

犯人が聴覚障がいだと
改めて主張したんですが…。

似てる…。
えっ?

似てます! この声 あの…

『世界の風景』のナレーションに!
『世界の風景』?

榊です。

すいませんが
手短にお願いします。

ご心痛のところ
大変 申し訳ございません。

落ち着きますよ。

事故に遭う直前 山口澄乃さんは

警察の情報提供ダイヤルに
電話をしていました。

そのようですね。
高木先輩から聞きました。

事件について
彼女が何を知っていたか

心当たりは?

さあ…。
逆に教えて頂けませんか?

彼女は 電話で
なんと言っていたんです?

はい。

私が電話を受けました。

ですが 彼女は…。

そうですか。
(矢部)はっ…!?

何も言わなかったんですか。

♬~

やっぱり
日を改めてもらえますか?

♬~

(小銭が落ちる音)

♬~

やっぱ 聞こえてなかったですね。

読唇術だ。
読唇術

ここを読むんだよ。

ああ… そういう事?

だが 決定的な証拠がなきゃ
身柄は引っ張れない。

証拠ね…。

DNAの照合さえできればな…。

うう…。

大丈夫ですか?

ここは 僕が引き受けるんで
先に戻って休んでてください。

お前…
張り込みの経験あんのかよ?

ビギナーズラックって
言うじゃないですか!

幸せな奴だな お前は…。

そういえば
「ひきがね」ってなんだよ?

お前のメモにあった走り書きだ。

ああ ああ ああ… あれは

捜査会議の時に頭に浮かんだ
疑問に思った事を

ノートに書いておいたんです。

犯人が
連続殺人に手を染めたのは

何が きっかけだったんだろうな
って。

きっかけ?
いや… なんか こう

引き金みたいなものが
あったんじゃないかなって

そう思ったんです…。

そういう事か…。

はい?

お前 病院行け!
は… はい!

♬~

《榊信一が手に掛けた
5人の女たち…》

《最初の被害者 岡本真紀が
5人の中で一番若く

被害者たちの年齢は
徐々に上がっていった》

《その理由は…》

信一の母親は 不安定な人で…。

僕らが知り合った時も

あいつは
ひどく心を閉ざしていました。

《榊の殺意の奥底には

母親の存在がある…?》

♬~

♬~

おい 大丈夫か?

大丈夫か?

澄乃…。
えっ?

やっと わかったよ…。

自分の使命が…。

使命?
(せき込み)

警備員さん! 救急車!

ああ…。

♬~

(荒い息遣い)

♬~

蒼井さん!?

これ お願いします。 榊の血です。
(沼田)榊?

榊信一の血液です。
DNA鑑定をお願いします。

何度言えば わかる!
捜査は組織で動く。

持ち場を離れた揚げ句

独断で鑑識を使うなど
絶対に許可できん!

DNA照合しろっつってんだ!
この野郎!

何ぃ!?
榊は 確実に聴覚障がいが…!

ああっ…!
(祥代)蒼井捜査官を医務室へ!

病人は病人らしくしてろよ。

時間がねえんだよ!

頼む! 鑑識…
鑑識に回してくれ…! うっ…。

鑑識! DNA鑑定しろ。

岩澤!

鑑識!

(鑑識官)はい!

うう… ううっ…!

あの すみません。
捜査本部の蒼井に

会わせてもらってもいいですか?
(安東)瑞希ちゃん。

あの… 父は?

大丈夫。 今は落ち着いてるよ。

病院に戻りたくないと言って
捜査本部に居座ってる。

(安東)どうぞ。

ふう…。

ご両親のなれそめを
聞いた事はあるかな?

(安東)君のお母さんはね

ある事件の通報者だったんだ。

えっ…?

二十何年も前の話だよ。

(安東の声)お母さんが
一人暮らしをしていた

アパートのすぐ隣の部屋で

若い女性が殺された。

(安東)事件の恐怖と
助けに入れなかった罪悪感から

お母さんは 心のバランスを崩し

しばらく
外に出られない状態が続いた。

それを救ったのは
アオさんだった。

どうやって救ったんですか?

何もしてないよ。

アオさんは
ただ 仕事を続けただけだ。

毎日毎日 地道に 猟犬のように

犯人を追い続けた。

刑事としての使命を果たし続けた。

ただ それだけだよ。

スキルス胃がん…。
榊信一がですか?

ええ。 でも あいつは
自由に動き回りたいと言って…。

(矢部の声)蒼井さんの予想どおり
榊は余命宣告を受けてました。

最初の事件を起こす10日前です。

(矢部)「自分の命が
残り少ないと知った事が

奴の犯行の引き金だったんです」

で… 榊の容体は?

(矢部)「今のところ
安定しているようですが…」

あっ… ちょっと待ってください。

(矢部)なんか あったんですか?
(高木)信一がいなくなりました!

(高木)「トイレに行くと言って
そのまま…」

「出歩ける状態じゃないのに…」

蒼井さん 聞こえました?
榊が姿を消しました!

署に すぐ戻ってこい。
榊の足取りを追うぞ。

♬~

何してんだ? お前。
大馬鹿野郎!

♬~

すまん…。

(瑞希)お父さん。

犯人… 絶対捕まえてよね。

♬~

ああ。

約束する。

♬~

(泣き声)

(瑞希の泣き声)

(エレベーターの作動音)

相変わらずだね 母さん。

あっ… 信ちゃん…?

今度は どんな男を
引っ張り込んでるの?

そうか。 恩に着る。

榊の血液のDNAが
犯人のものと一致した。

これで 奴に
やっと手錠がかけられますね。

ああ…。

少し休んでいてください。
着いたら起こしますから。

すまん…。

♬~

由美子…。

「死ぬ」って どういう事なんだ?

俺には わからない…。

「死ぬ」って事が
まるで わからない…。

怖くて仕方ないんだ 由美子…。

鏡を見たわ。

あなたも瑞希
そこに映っていた。

鏡…?

(矢部)蒼井さん! 蒼井さん!
着きました。

榊の実家は この辺りですね。

(奈保子)ああっ!

あの時は
僕が その格好だったね 母さん。

あんたは笑って言った。

お父さんに似てきたわね。
フフッ…。

(榊の声)やっと思い出したよ。

あんたにされた事も…

それを澄乃に見られてた事も…。

♬~

ああーっ! ああっ! ああっ!
うわあああーっ!

あまりにおぞましすぎて…

全部 忘れてたんだ。

お母さん 寂しかったの…。

信ちゃんが お母さんから
離れていこうとするから…。

寂しくて つらくて…
ああするしかなかったの!

はあ?

ふざけんな…。

また あの人に

何かされそうになったら
これで…。

ふざけんな!!

今 なんか 声がしなかったか?

あの日 僕は殺された。

あんたに殺されたんだ…!

ごめんなさい… ごめんなさい…!

信ちゃん!

この化け物が…。

信ちゃん!

(奈保子)信ちゃん! ああっ…!

榊!

(矢部)ぐああーっ!
矢部 大丈夫か!? おい!

うわああーっ!

(矢部)ちょっと 追ってください!
早く! 痛っ…!

ぐっ…! ああ… 大丈夫ですか?

♬~

榊!

♬~

ううっ…! うああっ!

ううっ…。 クソッ…。
(せき込み)

ああ…! ああっ!

♬~(奈保子)「ゆうべ浜辺を
もとおれば」

♬~「昔の人ぞ 忍ばるる…」

(刺す音)
うっ…。

蒼井さん! クソッ…!

蒼井さん! 蒼井さん!

蒼井さん! ちょっと…!

蒼井さん! 蒼井さん!

蒼井さん…! 蒼井さん…!

(榊の声)僕は
この世に生きる喜びを知った。

自分の死を知らされたからこそ

欲望に正直に生きる
決意ができたんです。

もう思い残す事は何もない。

だから 死ぬのなんか
これっぽっちも怖くありません。

使命というのは
母親を殺す事だったんですか。

「自分の使命が やっとわかった」。

あなたは うわ言で
そう言っていたそうです。

なぜ 最初から母親じゃなく

なんの関係もない5人の命を
奪ったんだ?

彼女たちには感謝しています。

本当に いい女たちだった…。

(矢部)5件全ての殺人については
認めました。

ただ 母親との確執については
何も話そうとしません。

母親が自殺したと聞いたら
嬉しそうに笑ってやがった。

胸クソ悪い。
岩澤。

んっ?

俺に…

話させてくれ。

♬~

おい 下がれ。
(捜査員)はい。

♬~

この病院だったな

最初に会ったの。

覚えてますよ。

あなたは
この世の終わりのような顔をして

座り込んでいた。

哀れな人だなと思いましたよ。

哀れ?

死を恐れる事しかできない。

どうせ 今でも
そうなんでしょう?

あなたは 死ぬのが
怖くて怖くて仕方ないんだ。

それはね

自分の欲望に正直に
生きてこなかったからですよ。

僕は違う。

人を殺すという
最大の快楽を手に入れた。

♬~

僕みたいな人間は

地獄に落ちると
思ってるんでしょう?

そう思う事だけが
今のあなたの救いだ。

でもね…

天国とか地獄とか…。

そんなものは
存在しやしませんよ。

僕たちに
何ができるんですかね?

死ぬ事さえ恐れていない人間に
与えられる罰なんか

あるわけないと思います…。

♬~

お前は…

目を背けてるだけだ。

鏡から目を背けてる。

鏡…?

誰かを愛した人間は

その人と会えなくなる事を
恐ろしいと思い

罪を犯した人間は

その罪の報いを受ける事に
おびえる。

僕は おびえてなんか…。

人間は死ぬ間際
走馬灯を見るらしいが

実は その正体は 鏡なんだ。

自分の人生という鏡…。

お前は その鏡と向き合う事を
恐れている。

フッ… 馬鹿馬鹿しい。

山口澄乃は 事切れる前に
お前に遺言を伝えてきた。

電話越しにな。 聞きたいか?

…ええ。 聞かせてもらいますよ。

彼女は こう言った。

出会わなければよかった…。

「あなたに出会えてよかった」。

そうすれば
愛する事もなかったのに…。

「私は待ってる」。

「愛するあなたを

2人で待ってる」。

それが彼女の最期の言葉だ。

♬~

なんだよ それ…。

嘘 言ってんじゃねえよ!

澄乃が
そんな事 言うわけねえだろ。

俺は人殺しなんだぞ。 ふざけんな
嘘 言ってんじゃねえよ。

大体 「2人」ってなんだよ!
一体 なんの事だよ!

♬~

彼女のバッグに入ってた。

彼女は
お前の子供を宿してたんだ。

山口澄乃は

最後の最後まで
お前を愛してたんだ。

♬~

あっ あっ…!
うわああーっ! ああーっ!

ああっ! ああっ! ああっ!

ああっ! あああーっ!
ああっ! ああっ…!

待ってる。

ああーっ! ああっ!
ああっ! ああっ! ああ…!

嘘だ!
そっちになんか行かない!

俺の行く所は地獄なんだ!
地獄なんだ!

地獄なんか
存在しないんじゃなかったのか?

うわああーっ! ああっ!

嘘だ! ああっ! ああっ!
ああーっ! ああーっ!

はあ… はあ…。

うわあああーっ!
ああっ! ああっ!

(ドアの開く音)
ああっ! ああっ! ああっ…!

(岩澤)どうした!?
嘘だ! 寄るな! 触るな!

(岩澤)わかった!
落ち着け! 落ち着け!

うわあああっ! ああーっ!

ううっ…。

♬~

(矢部)嘘をついたんですか?

ああ…。

(高木)蒼井さん!

(高木)
たった今… 榊が死にました。

えっ!? いや…
だって ついさっきまで…。

(高木)取り調べの直後に
容体が急変して…。

榊は 最期は
どんな様子でしたか?

幻覚におびえて
うわ言を繰り返していました。

「怖い 死にたくない」と…。

榊が… そう言ったんですか?

(高木)はい。 何度も何度も。

失礼。

♬~

ううっ…。

岩澤 何やってんだよ 戻れよ。

捜査会議に間に合わなくなるぞ。

戻ってこい。

あの…。

これ 親父が焼いたパンです。

頂くわ。

僕… 捜査一課を
目指す事にしました。

フフ…。

ああ…。

ああ…。

うう…。

♬~

あの木の下で

お母さんが麦茶をくれたんだ。

うまかったなあ…。

ここが プロポーズの場所だね。

♬~

その時の話 聞かせてよ。

え~?

♬~

(由美子の声)私… 幸せになっても
いいんでしょうか?

えっ?

すぐ隣で
殺人事件が起きたのに

止める事ができなかった私は…

何もできなかった私は…

幸せになっても
いいんでしょうか…。

すぐ隣で 凶悪な事件が起きる。

我々は いつだって
そういう世界に生きてる。

だから…。

だから?

あなたと家族になりたいです。

♬~

♬~

♬~