ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

アガサ・クリスティ「予告殺人」沢村一樹、大地真央、室井滋、荒川良々… ドラマの原作・キャストなど…

『ドラマスペシャル アガサ・クリスティ「予告殺人」』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

  1. レーリィ
  2. ドラ
  3. 寅美
  4. ミッチー
  5. ローリィ
  6. 鬼瓦
  7. 車井
  8. リッカ
  9. 本当
  10. 雉香
  11. ドア
  12. 兎左子
  13. 武類
  14. レーリィ夫人
  15. 警部
  16. 銃声
  17. 詩織
  18. 鳩児
  19. 犯人
  20. 一同

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『ドラマスペシャル アガサ・クリスティ「予告殺人」』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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ドラマスペシャル アガサ・クリスティ「予告殺人」[解][字]

日本初映像化作品『そして誰もいなくなった』を皮切りに『パディントン発4時50分』『鏡は横にひび割れて』に続く第4弾!マープルシリーズのトップに輝いている作品!!

詳細情報
◇番組内容
予告された時刻に暗闇の中で始まったゲーム。銃声が3発轟くと、そこには実弾で打ち抜かれた男が絶命していた。湖畔に建つ一軒家に集まった12人の中に犯人がいるのか!?
そして誰もいなくなった』で見せた相国寺竜也警部(沢村一樹)の煌めく推理をしのぐ捜査で、緻密なトリックと因縁に縛られた人間関係が紐解かれていく!
◇出演者
沢村一樹大地真央室井滋荒川良々芦名星北乃きい、村田雄浩、夏樹陽子国広富之田島令子 ほか
◇原作
アガサ・クリスティ『予告殺人』(ハヤカワ文庫刊)
◇脚本
長坂秀佳
◇監督
和泉聖治
◇音楽
吉川清之
◇スタッフ
【チーフプロデューサー】五十嵐文郎テレビ朝日
【プロデューサー】藤本一彦(テレビ朝日)、椋樹弘尚(角川大映スタジオ)
◇おしらせ
☆番組HP
 https://www.tv-asahi.co.jp/agatha2019/

 

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♬~

♬~

♬~

♬~

(相国寺竜也)
〈その奇妙な事件は

あるタウン誌の個人広告から
始まった〉

♬~

(土田寅美)うーん…。

おはよう。 ああ イタッ…。

あれ? レーリィ
なんか嬉しい事でもあった?

ねえ ドラ。
ん?

見て 見て。 ほら。

こんな面白い広告が…。

「殺人のお知らせ」?

10月29って… 今日じゃない!

やだ これ うち!?

だから びっくりしてるのよ。

ねえ… これ
レーリィ あんたが載せたの?

ううん。

だから 面白いんじゃない。
えーっ!?

(ミッチー)おはようございます 奥様。

ミッチー
今日は忙しくなりそうよ。

(寅美)お客様
いっぱい見えるかもよ。

そういう事は
前もって言ってくださらないと。

いや それがね レーリィはね
覚えがないんだって。 ねえ?

きっと
いつもの誰かのドッキリなのよ。

えっ?

面白いでしょ?
ドッキリ?

面白くありません!
急いで買い出ししなくちゃ!

何 着よう? アハハッ!
ねっ!

怪人Xか…。

(鐘)

(鐘)

(鐘)

(万智)あなた 大変!

今日 レーリィの家で
殺人が起きるんですってよ!

ハハッ さっき見たよ その記事。

バンチ それは お遊びだよ。

お遊び?

まず くじ引きで犯人を決める。

(八矢)次に電気を消して
真っ暗な中で

犯人役が誰かの肩をたたく。

たたかれた者は「わっ!」と叫んで
殺されたまねをする。

(八矢)それから 電気をつけて

みんなで探偵になって
犯人捜しをする。

今 この町で はやっている
お遊びさ。

まあ 面白そう! フフッ!

♬~

(品地栗江)あら ミッチー
もう 夜の支度?

(ミッチー)変なゲームのために
大忙しですよ。

(ミッチー)
この野菜 つけといてください。

(栗江)はい。
(町田百々子)はい。

ミッチー いつも怒ってるね。

きっと まだ 死んだ坊やの恨みが
忘れられないのよ。

あっ! 卵も もらいます!

はーい。
はい。

♬~

♬~

うん…。
これ ミッチー 作ったのかな?

うん おいしいわね。
うん。

やあ ミッチー 忙しいね。

(雉香)
おいしいバイキング作ってね!

(ミッチー)手伝ってくれたって
いいんですよ。

あなた方兄妹 居候なんだから!

おお 怖い 怖い!

台風嘘八百号通過中!

うーん もう!

♬~

(夏目芙美子)
文士さん もう支度をしないと。

えっ? 母さん 行くんですか?

だって お前

あの広告 レーリィは覚えがない
って言うんだもの。

載せてしまったのは 私の責任。

出席ぐらいしないとね。

ええ~? 代金は支払い済みだし
きっと 誰かのいたずらですよ。

そうよ。 だから 行くのよ。

仕掛けたのは どなたなのか
あちらで何が起こるのか。

お前だって 記事になるでしょ!
さあ 早く早く! ねっ!

(ドアベル)

どうぞ。

(ドアベル)

いらっしゃい ブルック。
いらっしゃい チェリー。

こんばんは レーリィ。

ごきげんよう レーリィ。

ちょっと早すぎたかな?

一番乗りよ 先生。

やっぱりな。

これ 君の好きなブルゴーニュ

ああ ありがとう!
82年だよ。

ワオ!
(3人の笑い声)

どうぞ。

素敵な燭台だね。

ええ ありがとう。 フフフ…。

どうぞ。

おやおや。

(武頼)皆さん おそろいだ。
ハハハ…。

遅れたり弁護士先生!
ってところですかね。

(一同の笑い声)

(武類)ハーモン お元気?

♬~

今回の犯人 誰かしらね?
そうね…。

皆さん おそろいになりました。

約束の時間までは…
まだ少しありますが

どうぞ ごゆっくり。
(武類)ねえ レーリィ。

犯人を決めるくじ引き まだだけど
どうする?

あっ!

新しいルールなんじゃない?
アハハッ!

(一同の笑い声)

♬~

♬~

(時報)

(一同)うわっ!

(寅美)まあ 時間どおり!
本当に消えたわ!

(武類)まだ くじ引きしてないぞ。

(ドアの開く音)
(男)動くな!

(桜子)飛び入りもありなの?

(男)動くな! 後ろへ下がれ!
(鳩児)はいはい はいはい…。

(男)手を上げろ!
従わない者は撃つ!

♬~

(銃声)
(一同の悲鳴)

(銃声)

(銃声)

(物音)

♬~

(武類)大丈夫か?

(武類)どうなってるんだ!?

(八矢)明かりだ! 早く明かりを!

(武類)
玄関にキャンドルがあった!

誰か キャンドルを!

はい… はいはい。

(寅美)今の本当に け… 拳銃?
拳銃?

(悲鳴)

♬~

(一同の悲鳴)

わあっ!
誰だ? こいつ!

死んでる…!

レ… レーリィ?
レーリィ レーリィ! レーリィ!

レーリィ…!
レーリィ どこ?

(寅美)あぁーっ!!
レーリィ どうしたの!?

血! 血~! ああ~!

(雉香)ああっ…!
(武類)大丈夫か?

私は大丈夫。
それより 撃たれた人を。

(寅美)み… 耳… 耳から 耳から!
痛い?

(武類)誰だ? こいつ。
見た事もない。

(詩織)みんな
明かりがつくまで動かないで!

(ドアノブを回す音)

(解錠音)

(ミッチー)ああっ!

今の音は なんですか?

(詩織)いたずら小僧が
死んじゃったのよ!

(八矢)誰か 警察を!

(武類)自分で喉元をぶち抜いてる。

見るんじゃない。

ああ… ああーっ!

(月見兎左子)「銃声3発 犯人死亡」

「予告殺人」

あっ 警部 おはようございます!

おはよう ピョン子くん。

(兎左子)
また変な事件が起きましたね。

あっ そう。

どうぞ。
ありがとう。

警部 車 表へ回しました。

あっ そう。

では 行きましょう。

(兎左子)えっ?

♬~

ピョン子くん。
はい。

コーヒー ごちそうさまでした。
えっ… 警部!

私は?

♬~

(多々良)
ざっと調べてみたんですがね

事件現場となった
小径の館の主の黒岩怜里

周りからは レーリィ夫人って
呼ばれてるらしいんですが

出身は北海道の旭川なんすよ。

そして 彼女は その旭川を出て

現在の住まいである
西多摩郡あさひ町に移り住んだ。

それから6年
彼女は周囲との折り合いも良く

今では レーリィ夫人と呼ばれて

すっかり
地元の名士となっている。

でしょ?
はあ。

来る以上
それくらいは調べてきます。

はあ…。

♬~

(多々良)あっ タヌキ!

♬~

♬~

鬼バンさん?

ああ 竜さん 来たか。

こっちは ホトケの現住所が
うちの管内になってたんでね

朝一番から
引っ張り出されたってわけだ。

なるほど。 ガイシャの身元
随分早くに割れたのですね。

運転免許証からだ。

名前は 車井久三。

車井久三…。

現場 行くか?
お願いします。

〈意外にも それは
谷東署の名物警部

鬼バンこと 鬼瓦胖六だった〉

♬~

〈中堅刑事 峰岸徹朗〉

〈荒くれ 堂道元治〉

〈女刑事 有川旭〉

〈学者肌 十条潔司〉

〈まだ新人 西島徳太〉

〈おやじさん 渋民義男〉

〈現場には

いつもの鬼バンチームが
そろっていた〉

真っ暗闇の中 ガイシャは
そのドアから入ってきて

懐中電灯を照らしながら
全員にホールドアップさせた。

(鬼瓦)バン!
(銃声)

バン!
(銃声)

(鬼瓦)弾は
黒岩怜里の耳元をかすめて

後ろの壁に当たった。

その時 レーリィ夫人は
ここにいたらしい。

(鬼瓦)そして 3発目。

弾は なぜか
ガイシャのここを撃ち抜いてる。

パーティー参加者の13人は
暗闇の中 何もできなかった。

ブレーカーが落ちた時

キッチンには
ミッチーという家政婦がいたが

誰かに ドアへ鍵を掛けられて
出てこられなかったと言ってる。

なぜ 停電になったのかは
わからない。

調べてみたが
電気系統に異常はなかった。

(鬼瓦)ん?

あっ これは
開かずのドアだそうだ。

何十年も前に そのドアで
子供が怪我をしてたんで

縁起でもないと
前の住人が塞いじまったらしい。

(鬼瓦)ガイシャは入ってくるなり
強烈なライトを突きつけて

「動くな!」と叫んで 3発撃った。

明かりがついた時
レーリィ夫人は

耳たぶのかすり傷で
白いドレスを真っ赤に染めていた。

ここまでは
みんな 一致してるんだが

このあとの目撃証言が
バラッバラだ。

ある者は
銃が暴発したのだと言い

別の者は
賊は自殺したのだと言う。

解剖所見は?

事故死か自殺かは
いまだに不明だ。

これが 鑑識の撮った
事件直後の画像ですが…。

♬~

驚きましたよ。

まさか
本当に殺人が起きるなんて…。

この広告を持ち込んだのは?

僕は 外へ出ていたもので
窓口には母が。

あの強盗犯人さん

あの方が
自分で持ってきたんですよ。

(車井久三)
「編集長に よろしくね」って

このとおり

夫人から代金まで
預かってきてるんですから。

でも すぐ
レーリィに確かめてみたら

本人は
覚えがないって言うんですよ。

それでも 掲載は
中止にはしなかったんですね。

いやいや…。

だって
代金は受け取っちゃってますし

「きっと 誰かのいたずらよ」

「面白いから このまんま
やりましょうよ」って

レーリィが
そう言うもんですから。

ええ!

♬~

(刑事)鬼バンさん。
(鬼瓦)おう。

こちらです。

トカレフのバッタもんだ。

(鬼瓦)最近 大陸から
暴力団経由で

国内へ大量に流れ込んでいる。

落ちた途端 ライトが
消えてしまったそうですが…。

(鬼瓦)落ちたショックで
ふたが外れて

中の電池が転がり出たらしい。

あれ?
ん?

ヤスリで削られていますね。

落ちたら
すぐに電池が飛び出すよう

細工がしてあります。

失礼。

ガイシャが自ら このような細工を
するはずがありません。

このライトは 別の誰かが
ガイシャに渡したものでしょう。

(兎左子)警部!

どうしました? ピョン子くん。

ガイシャの車井久三ですが

2週間前までは 駅前のホテルに
勤めていた事が わかりました。

車井久三さんが
以前 こちらにお勤めだったとか。

(支配人)ええ。

車井久三なら 半月ほど前までは

確かに
うちで働いておりましたが…。

あの…
ちょっと不都合がありまして。

不都合… といいますと?

あの… まあ
言いづらい事なんですけれども

フロントの金を ナニしていた事が
わかったものですから。

つまり ネコババですか?

大した額ではないんですけれども

あまりにも度重なるもので。

車井久三さんについて
知りたいのですが

どなたか詳しい方は?

(春川真名)いやあ
付き合ってたっていうか

ずっと年上だし

からしてみたら
時々 プレゼントくれる

ただのパパ友。

パパ友?

(真名)そう パパ友。
パパみたいな友達。

なんか 「俺は北海道の大社長の
息子なんだ」とか言って

ハンドバッグ買ってくれたり

こんなの買ってくれたり。

事件の日の事は 彼は なんと?

なんか お遊びで ピストル強盗の
バイトやるんだって。

フフフ… ピストルなんか
ないじゃないって言ったら

真っ暗だから
これで十分だって。

あっ あと

俺は あそこの奥さん 昔から
知ってるんだって言ってたかな。

えっ?

そうなんですよ。

3週間ほど前

私一人でホテルへ食事に行った時

いきなり呼び止められて…。

♬~

(車井)あの…。

お久しぶりです!

ああ あなたは…。

ええ 小樽の病院で。

まあ 懐かしい。

あの方 妹が入院してた病院の
守衛さんだったんですよ。

(寅美)そうなのよ。

その頃は 私も一緒に
お見舞いに行ってたから よく…。

ドラ いいから。
ここは 私がお話しするから。

あっ… うん。
(兎左子)えっ? ドラ?

ああ ドラというのは

亡くなった妹が付けた
この人のニックネームなんです。

本名の土田寅美の「土」を
「ド」と読んで

名前の寅美と合わせて 「ドラミ」。

略して 「ドラ」と。

本当にローリィって
そういうの天才的だったよね!

ドラ。
失礼。

「ローリィ」というのは?

ああ 私たち 妹の楼里の事を
そう呼んでたんです。

なるほど。

で 車井とは?

ああ その時は お茶をしただけで
別れたんですが

1週間ほどしたら
突然 ここへ訪ねてきて…。

(兎左子の声)ここへですか?
(怜里の声)ええ。

近くを通りかかったからって。

そうよ。 あいつ きっと
レーリィを殺すつもりで

ここに下見に来たんだわよ!
殺すつもり?

屋敷を
ジロジロ見回したりなんかして

気味悪かったもん。

ああいう目の人って
ほら 犯罪者に多いでしょ。

でも 殺せなかったから
自殺したんだわよ。

ドラ。

そういう事は 軽々しく
口にするものじゃないわ。

(寅美)あ… ごめんね。

アイタ~…。

また痛むの? 大丈夫?

(寅美)うん 大丈夫。

薬ね 新しいの買ってあるから
ちょっと… すいません。

アイタ~。

彼女 頭痛持ちなんです。

あっ 彼と会ったのは
その2回きりです。

そうですか わかりました。

大変参考になりました。
ありがとうございます。

(柱時計の時報)

ちょっと失礼します。

あっ! あとはご自由に。

♬~

あっ すいません!

部屋の中は真っ暗でした。

車井久三は 両手に

ピストルと懐中電灯を持って
入ってきた。

♬~

どうやって開けたのでしょうね?

あっ!

ピストルを わきへ挟み…。

こうかな?

♬~

そこ 開かずのドアなので
開きませんよ。

えっ?

(ぶつかる音)

前の大家さんの時からなので
鍵や ちょうつがいなんかも

さび付いちゃってる
みたいなんです。

帽子… 帽子…。
はい。

♬~

ドラさん ちょうどよかった。

ちょっと よろしいでしょうか?

(寅美)はい。

こんな所に焦げ跡が。

(寅美)えっ?

あらやだ!
いつもは ここに灰皿があるのよ。

これ 誰か タバコで焦がしたね。

それから このドレスデンですが

これは アダムとイブの
アダムでしょうか?

えっ アダム?

あれ? これ 昨日まで もう一方の
イブがあったんだけども…。

(兎左子)もう一方の?
(寅美)アダムとイブがね

一対になってるのよ。
どこいっちゃったのかしら?

ドラ。
はい?

あっ また怒られるよ…。
もう やだ! もう 臭い!

(においを嗅ぐ音)
臭っ… これ。 どうして こんな…。

もう 誰? 焦がしたの。

何 怒ってるのかしら?

何か?

レーリィ夫人 実は

この開かずのドアを
開けてみたいのですが。

ああ… 開くかしら?

♬~

(解錠音)

あっ…。

あっ… 開いたわ。

(兎左子)開きましたね。

♬~

さび付いていませんね。
えっ…?

ちょうつがいにも
油が差してあります。

油は まだ新しいですね。

ええっ? いつの間に 誰が…?

(ため息)

♬~

(鬼瓦)車井は
銃を持っていなかっただと!?

ええ。 そう考えるのが
一番自然です。

部屋の中は真っ暗でした。

車井久三は 懐中電灯だけを持って
入ってきます。

「動くな」。

(車井)動くな! 手を上げろ!

ビームライトを向けて 叫びます。
「手を上げろ」。

(車井)従わない者は撃つ!

「従わない者は撃つ」。

人々は 強烈なライトで目がくらみ
何も見えません。

ライトは 右へ左へと揺れて

こちら側を照らします。

その隙に…。

伴平くん。
はっ!

開かずの扉から出た 犯人Xは

素早く 車井の背後へと回り…。
(多々良)バン!

(銃声)
(一同の悲鳴)

(多々良)バン!
(銃声)

レーリィ夫人には
当たりませんでした。

すると 犯人Xは
驚いている車井へ…。

バン!

(銃声)

車井が倒れると同時に
懐中電灯は床へ落ちます。

(懐中電灯が落ちる音)

(倒れる音)

その隙に 犯人Xは 何食わぬ顔で
元の場所へと戻ったのです。

はあ…。
明かりがついた時には もう

ホシの見分けはつかなかった
ってわけか。

鬼バンさんの
おっしゃるとおりです。

クックル 鳩児と
編集長の芥川さんが

ロウソクを取りに走り

ブレーカーへは
立花詩織さんが向かっています。

(鬼瓦)わからんぞ。

そのロウソクやブレーカーに
走った奴らの

どっちかが
ホシだったのかもしれん。

しかし ホシが そこまでして
レーリィ夫人を狙う理由は

一体 なんなんすかね?

(鬼瓦)うーん…。 まあ 要するに

あの晩の出席者全員が
容疑者だって事だ。

♬~

(ミッチー)バン バン バンって
音がしたから…。

ドアを開けて のぞこうとしたら

このドアには
鍵が掛かっちゃってて

私 閉じ込められちゃってたのよ。

その鍵を掛けたのは?

犯人に決まってるでしょ!

犯人は 開かずのドアから
出てくるところを

私に見られたくなかったんですよ。

ブレーカーは
誰が戻したのでしょう?

あの女ですよ!

あの女?

リッカ。

はい。 キッチンのドアには
鍵が掛かっていました。

でも 鍵穴に
差し込まれたままだったので

私が開けて 入ったんです。

鍵穴に? 鍵穴…。

そのあと その鍵は?

ブレーカーを戻した時に

キーケースに
返しておきましたけど。

キーケースに? キーケースに…。

はい…。

私 何か いけない事してます?

していません!
全然していませんとも。

(兎左子)はあ?

私が検事だった時の
経験から言うが

犯人の気持ちになって考える事だ。

いわゆる その…
FBIで言うところの

プロファイリングが
必要だと思うな。

…って言いますと?

(武類)奴は 見境なくぶっ放した。

…が レーリィのドレスが
真っ赤な血に染まったのを見て

極度な恐怖を覚えた。

小心者だったんだよ 奴は。

だから 自殺した。

(桜子)お茶でもいかがですか?
(武類)おう。

さあさあ どうぞ。
どうぞ お構いなく。

キッチンにまで鍵を掛けたのは
なぜなんすかね?

(桜子)フフフフ…。

ミッチーの話は
少し割り引いて考えたほうが…。

(多々良)はっ?

あの家政婦さん
基本的に嘘つきなんですよ。

フフフフ…。

なぜか 特に リッカの事を
目の敵にしてるようですわ。

リッカ?

レーリィが付けたんですよ。

立花詩織の「立花」を音読みにして
「リッカ」。

詩織さん…。

まあ ミッチーが
何を言っているか知らないが

ただ リッカを陥れたいだけ
なのかもしれないという事です。

家政婦のミッチーさんですが

リッカさんに
特別な感情を抱いているとか?

ああ…。 あれは 自分のお城を
取られたからですよ。

そうだろ? バンチ。

ええ そうよ ハーモン。

リッカが
今 アトリエにしている部屋

あそこは
ミッチーのお部屋だったんですよ。

(多々良)
えっ? どういう事っすか?

(八矢)6年前の事になりますが

ミッチーは 6歳の坊やを
亡くしているんです。

(万智)それも
レーリィの車に はねられてね。

なんと…。

(万智)ちょうど
うちのすぐ近くだったんです。

(八矢)青信号で
レーリィの車が走ってきた。

すると その前に いきなり
坊やが飛び出してきたんです。

信号は赤だったんで

一方的に
坊やのほうが悪かったんですよ。

(万智)ミッチーと坊やは その日
この町に来たばかりだったんです。

それで レーリィ夫人は?

(八矢)悪いのは 100パーセント
坊やのほうなのに

レーリィは ミッチーに
多額の見舞金を支払った上に

あの部屋に住まわせて

館の家政婦にまで
してやったんです。

(万智)その半年ほどあとよね。
リッカが現れて

周りの景色がいいからって
あの部屋を気に入って

アトリエにしたいので
住みたいって。

(八矢)それで ミッチーは
奥の使用人部屋へ移る事に…。

結果的には リッカが

ミッチーを追い出すような形に
なってしまったんですよ。

この部屋 嫌い。

よくも あのリッカ
私の部屋 取ったな もう…!

けど ミッチーが
それを根に持って

リッカさんを
目の敵にするっていうのは

筋違いじゃないっすか?

本当は ミッチーにも
わかってるんだと思いますよ。

当たりたいのは
リッカではなくて

坊やを死なせた
レーリィのほうだって…。

(多々良)よくご存じなんすね。

聞かなくても ドラが 勝手に
いろいろ話してくれるんで。

改めて伺いますが

犯人は
なぜ あなたの命を狙うのか

何か思い当たる節は
ありませんか?

なぜでしょうね?

(寅美)
もしかしたら レーリィには

50億円の遺産が
入るかもしれないんです。

まあ ドラったら…。

えっ… 50億円!? 50億円っすか?

(寅美)北海道の資産家に
旭川のドン・ファンって呼ばれた

外道蘭毘っていう
大社長がいたんです。

外道蘭毘…。
また えらく変わった名前だなあ。

「いた」というのは
今は もう お亡くなりに?

はい。 7年前に がんで…。

(寅美)レーリィは その社長さんの
秘書をしてたのね。

でも 妹のローリィが 8年前に
甲状腺炎で入院しちゃって…。

妹思いのレーリィは
秘書の仕事を辞めて

すぐに 付きっきりで
妹の看病にあたったの。

その時にね 社長さんは

レーリィに 何千万もの退職金を
払おうとしたんだけど

レーリィが それを断っちゃって。
ねえ?

だって あちらには

生まれつき病弱な奥様が
ずっと入院中だったんですもの。

そんなお金 とても…。

こう言って 断ったんですよ
レーリィが。

もう 社長は 感激しちゃって

それだったら 自分の遺産を
レーリィに残そうって。

遺産を?

(寅美)うん。 それで
すぐに公証人を呼んできて

奥さんが生きてる間には
奥さんに

奥さんが死んでしまった場合には

自分の全財産を
レーリィに譲るって

正式な遺言状を…。

(鬼瓦)こりゃ驚きだよ。

(寅美)それでね その奥さんは
入院中なんだけども

ここのとこ
日に日に体が弱ってて…。

もしもの事があった場合には

社長の財産は
全部 レーリィの所に…。

フフフフ…。

その社長さんには 他に身内は
いらっしゃらないのですか?

素仁愛という妹がいます。

でも 随分前に
縁を切られていて…。

ろくでもない男と駆け落ちして
子供まで作っちゃったからですよ。

素仁愛は もう とっくに
死んじゃってるみたいですけどね。

(鬼瓦)
その妹の子供っていうのは…?

双子の兄妹がいます。

閑歩と炎真という名で。

素仁愛に 閑歩に 炎真…。

変わった名前の
オンパレードっすね。

その双子のお子さん 年齢は?

確か 今年で
25歳になっているはずです。

(鬼瓦)もし ここで

レーリィ夫人に
もしもの事があったら

法的には 遺産は
その血縁の双子のものになる。

兄妹が
夫人の命を狙っているとしても

おかしくはないな。

2人は もう この町に
紛れ込んでるかもしれないっすね。

ええっ…?

二卵性双生児ですから
兄妹の顔は似てないと思います。

25歳といえば
くさい奴は いくらでもいるぞ。

(多々良)ああ…。

あっ…。

(多々良)
まず 鳩児と雉香の兄妹っす。

(多々良)それから 立花詩織。

町田百々子。

品地栗江。

編集長の芥川。

みんな 最近
この町へ来たばっかりっすよ!

(鬼瓦)だが 芥川は違うだろう。
おっ母さんが付いてる。

妹の素仁愛が死んだというのは
間違いで

あの母親が
素仁愛なのかもしれないっしょ!?

(鬼瓦)
ああ… まあ 言われてみれば

芥川文士だとか
夏目芙美子だとか

名前が
絵に描いたように嘘くさいな。

♬~

(栗江)ねえねえ トト!
(百々子)ん?

一体 誰が犯人なのか

2人で いつもみたいに
推理ごっこしてみない?

(百々子)えっ? やろう ヒンチ!
(栗江)ねっ!

(百々子)やろう やろう!
(栗江)やろう!

(栗江)いい? ドアは ここね。

で あなたは ここに立っていた。

で あの男は 懐中電灯を持って
中に入ってきた。

中にいた私たちは
この光で目がくらんだけど

ドアの陰になっていたトトには
光が届かなかったでしょ?

あの男は
懐中電灯で部屋中を照らした。

トトにだけは みんなの様子が
見えていたはずよ。

さあ 思い出して!

一体 誰が
あの場にいなかったのか。

待って ヒンチ。
今 思い出すから!

誰が あの場にいなかったのか。

♬~

あっ!

(携帯電話の着信音)
思い出した!

(栗江)あっ もしもし。
(百々子)そうだ あの人よ!

(栗江)はい。
…ちょっと待って。

はい。 あっ… 猫ちゃんが?

わかりました。
じゃあ すぐ行きます。

はい はい。
(百々子)ヒンチ 思い出したの。

あの時 そこに
あの人がいなかったのよ!

(栗江)あとで聞くから。 ちょっと
呼ばれたから行ってくるね。

えっ 嘘…。 待って ヒンチ!

(栗江)
ごめんね。 ちょっと待ってて!

待って…!

♬~

あの人が…。

(雨音)

あの人よ…!

(雷鳴)

♬~

(百々子)うっ…! ああっ…!

あっ… ああっ…!

ああっ…!

(せき込み)

ああっ…!

♬~

(ブレーキ音)

あっ すみませんね
また電話しちゃったりして。

捨て猫ですか?
(猫の鳴き声)

こんな小さな坊やが
かわいそうだからと言って

届けに来て。

かわいい。 うちに来るわよね?

(鳴き声)
助かります。

♬~

(カメラのシャッター音)

♬~

(カメラのシャッター音)

♬~

(カメラのシャッター音)

(栗江)トトが…

「思い出した」って大声で叫んで…。

「あの人が そこにいなかったのよ」
って…。

あの人?

その「あの人」っていうのは
誰の事だか わかりますか?

(栗江の泣き声)

きっと トトさん
犯人に口を封じられたんですね。

伴平くん。

♬~

(足音)

あれ? 刑事さん。

失礼。

あっ… 私のみたい。
どこで落としたんだろう? これ。

いや… これは こちらで…。

えっ?

ええ~? 私 疑われてるの?

ドラさん あなたが

レーリィさんと この館に
住むようになった いきさつを

教えて頂けますでしょうか?

ああ…。
突然にね 手紙が来たのよ。

うーん…
ローリィが死んじゃって

家屋敷を処分してたレーリィも
北海道から出ていっちゃって

半年ぐらいした時に
東京で一緒に住まないかって。

まあね 北海道の生活はね

ローリィの思い出が
いっぱい詰まってるから

レーリィもね
つらかったんだと思うのね。

でも 私は嬉しかったなあ。
だって 私 身寄りもないし

リウマチとか頭痛が どんどん
ひどくなってる時だったから。

で 結局 大親友の
お世話になる事に。 うん。

ドラさん。
(寅美)ん?

ぶっちゃけ
犯人は 誰だと思ってますか?

ああ…。 こんな事 言っちゃ
なんなんだけども

私はね クックルとケンケンが
気になるのよねえ。

クックルとケンケン…
あの居候兄妹っすか?

(寅美)うん。 クックルは
インテリアの工芸家

ケンケンは 陶芸家よ。

2人ともね そこそこの稼ぎは
あると思うのに…。

レーリィにね
小遣い せびってるところ

私 何回も見ちゃったの。

(寅美)この事はね
身内の私だけじゃなくて

ブルックやチェリー

ハーモンやバンチまで
知ってるほどなんだからね。

クックルにケンケン

ブルックにチェリー
ハーモンにバンチ…。

まるで 判じ物っすね!

フフフ… 失礼ね。 いい?

クックルは 鳩児の「鳩」の

ケンケンは
雉香の「雉」の鳴き声ね。

それから ブルックは
「ブルイ トメクロウ」の略で

それから チェリーは 桜子だから。

それから ハーモンは
「ハチヤ モンマ」の略。

バンチは 万智の音読み!

私たちね この呼び名のおかげで
みんな親しくなって

会話までね
もう 楽しくなっちゃってるのよ。

本当に ローリィのセンスって
天才的ね!

えっ?
ローリィ?

あらやだ 間違えた。
アハハハッ! ハハハ…。

(携帯電話の着信音)

あっ… 失礼。

(多々良)あの…
もう一度 お名前の説明を…。

(寅美)えっと 「ハチヤ モンマ」…。
はい 相国寺

妙なもんが出てきちまってさ。

妙なもの?
(鬼瓦)ああ。

これだよ。

さっき
気づいたばっかりなんですけど

僕のパソコンを使って

誰かが 闇サイトで
取引してたみたいなんです。

(旭)これが そのやり取りです。

闇サイトで
トカレフを購入しています。

(鳩児)僕は知りませんよ。

それなのに 13万円も
引き落とされてるんですよ。

パスワードは?

ズボラなもんで
初期設定のまんまだったんです。

警部
これ 劇のポスターっすかね?

「安中礼仁奈」って
読むんですかね? この名前。

変わった名前が… ねえ?
多いな…。

(兎左子)警部。

どうしたの? ピョン子くん。

♬~

あの… ミッチーが

内々で話したい事がある
って言うんですけど。

実は リッカの事なんですけど

事件の前の日
私 その道の前を通ったんですよ。

そしたら…。

その時は あんまり
気にしなかったんだけど

だんだん その男が

あの車井だったような気が
してきたの。

これは 私の勘だけど

あの女 奥様の財産を
狙ってるんですよ! うん。

事件の前日
詩織さんが こちらの部屋で

車井久三と話し込んでいるのを
見たという方が

いるとか いないとか…。 ねえ?

はい。

(詩織)ミッチーね。
(兎左子)いえ… あの…。

(詩織)彼女の言う事は
気になさらないでください。

私の事を嫌ってるらしくて

いつも
でたらめばかり言ってるんです。

♬~

ドラさん
ちょっと よろしいでしょうか?

ああ…。

実は 明日 旭川の病院へ
伺おうと思うのですが

その前に 念のために
お聞きしたい事がありまして。

あら 何かしら?

レーリィ夫人と
外道蘭毘社長についてです。

ずばり…

お二人は 男女の関係に
あったのでしょうか?

いや… それはないわよ~!

だって レーリィの中身は
男だもん。 ハハハハ…。

そうは見えませんが。

それに
ドン・ファンだなんていうのは

単なる噂にすぎないから。

社長は 大の愛妻家。

亡くなるまで
ベルの事 本当に愛してたのよ。

ベル?

社長の奥さん
寿津という名前なので

妹が ベルって。

なるほど。
社長は バリバリの愛妻家。

レーリィは 男勝りの仕事ひと筋。

社長は そこのところを見込んで
単なる秘書じゃなくて

レーリィを 仕事の完全な相棒
というふうに扱ってたんだから。

そういう事だったのですね。

(寅美)ベルも
レーリィの事が大好きなの。

いつも 褒めてばかりなのよ。
まあね

レーリィが ローリィみたいに
お色気があったらね

これ 違ってたかも
しれないんだけどね。 ハハハ…!

まあ ドラったら また…。
(せき払い)

ちょっと
おしゃべりがすぎますよ。

はい…。

(怜里と寅美の笑い声)

(野田とま子)ベルさんは 今日
とっても機嫌がいいんですよ。

こちらでも ベルさんと
呼ばれているのですね。

ええ。 昔は レーリィが
毎日のようにお見舞いに来て

ベル ベルって呼ぶものですから
私たちまで…。

ベルさんの現在の病状は?

がんです。

はっきり言うと いつ召されても
おかしくない状態です。

ここ数年は 気力だけで
持ちこたえている感じで。

あちらにおられます。

では 私は これで。

ありがとうございました。

♬~

レーリィとは もう 本当に
長い事 会ってないんですよ。

妹のローリィが 重い病気で
小樽の病院に入院して

その看病とか
一緒にいたいっていうんで

小樽に移ってしまったんです。

でも ローリィが亡くなって

今では もう
年賀状のやり取りぐらいしか

していないんです。

レーリィ夫人が
こちらへ お越しになった事は?

私も ぜひ会いたいって
何度も誘ったんですけどね…。

ここへ来ると

死んだローリィの事
思い出すからって。

いつまでも
悲しみは消えないんですね。

ベルさん。

ご主人の遺産について
お尋ねしたいのですが…。

遺産?
ええ。

なぜ ご主人は 血縁関係でもない
レーリィ夫人に

遺産を残そうと?

フフッ… それね
実は 私が言い出した事なの。

えっ?

レーリィは
主人の仕事が危なくなった時に

何度も助けてくれて

私も レーリィの事を
尊敬していたから。

もし 主人より私のほうが
先に死んだら

遺産は レーリィにあげてねって。

そういう事だったのですね…。

レーリィったら

それでもいらないって
言い張ったの。

ご主人には 実の妹さんが
いらっしゃいますが…。

素仁愛の事ね。

でも 素仁愛は駄目。

うちの人も あいつだけは
絶対に許さないって。

それに 素仁愛は
もう死んでしまってるみたいだし。

その素仁愛さんには

双子のお子さんが
いらっしゃるとか。

ああ 閑歩と炎真?

仮に今
レーリィ夫人が亡くなった場合

遺産相続の権利は

そっくり その2人へ
行く事になりますよね。

えっ?

あっ いえ
ただの仮定の話ですので。

ベルさん

もし その双子のお子さんの写真を
お持ちでしたら

ぜひ
拝見させて頂きたいのですが…。

待って…。

確か…。

一度だけ…。

大事なものは

もう この箱の中だけに
なってしまって…。

ああ これ これ。

3歳の誕生日だからって
送ってきたの。

二卵性だから
双子には見えないわよね。

(雷鳴)

〈翌日 小径の館では

小さなパーティー
開かれていた〉

(武類)おお 豪華だ…。
(寅美)「ドラ」って…。

ああっ…!
ローリィ ありがとう!

もう ドラ! 「レーリィ」。
あっ…。

やだ! 私ったら もう…。

こんな事してもらうの
初めてだから。

(武類)還暦祝い 還暦祝い!

(八矢)そうそう
還暦のサプライズだよ。

あんな事件があったあとなのに

皆さん お集まり頂いて
本当に ありがとうございます。

(寅美)ありがとうございます。

(八矢)嫌な事は
早く忘れるに限りますよ。

(武類)うん。
まあ 口さがない連中は

死の館だなんて噂してるけどね。

楽しい事もしなきゃ。

さあ レーリィ 始めましょ。

♬~(一同)「ハッピー バースデイ トゥ ユー」
(寅美)ああ…!

♬~(一同)「ハッピー バースデイ トゥ ユー」
(寅美)いやあ…!

♬~(一同)「ハッピー バースデイ
ディア ドラさん」

♬~(一同)「ハッピー バースデイ
トゥ ユー」

楽しそうでいいですね~だ!

(鳴き声)

(雷鳴)

(雷鳴)
あら 素敵!

(万智)雷!

降ってきたわね。

えっ 私も?
(桜子)うん きれいよ。

(雷鳴)

(桜子)大きい。
近いね。

(寅美)アイタッ…。
ドラ 大丈夫?

うん… 頭痛薬
買ったばっかりなんだけど

もう なくしちゃって…。

あら 私のでよければ あるわよ。

いいの?
ベッドにあるから 新しいのが。

ごめんなさい。
イタッ イタタ… 痛い…。

ドラ
飲んだら すぐに戻ってきてよ。

うん。 アイタタ アイタタタタ…。

すみません 皆さん。
(武類)いえ…。

(雷鳴)

(寅美)ああ… アイタタ…。

あっ… アイタッ…。

(雷鳴)

あっ もう やだ…。

♬~

ああ… アイタッ…。

(雷鳴)

あっ 苦しい…。

なんだ これ… 痛い…。

あっ…。

(雷鳴)

(雷鳴)

ドラ 遅いわね。

何してるのかしら?

(詩織)私 見てきます。

あっ いい。 私が行くわ。 失礼。

(鳩児)僕たちも行きますよ。
そう?

(詩織)私も行きます。

寝ちゃったの?
ねえ。

♬~

ドラ。

なんだ 寝ちゃってたのね。
フフフ…。

(詩織)ドラさん。
(雉香)ドラさ~ん。

♬~

息してない…。
えっ?

(詩織)ドラさん?
ドラ?

(鳩児)ドラさん!
(雉香)ドラさん!

ドラ しっかりして!
ねえ ドラ!

(詩織)死んでる…。

ドラ! ドラ!

(泣き声)
(詩織)ドラさん! ドラさん!

ドラ!

♬~

(西島)ドラさんは

レーリィさんの頭痛薬を
取りに行ったんです。

薬は
あそこに置いてあったんです。

(堂道)
夫人の常備薬だったんですね?

ドラは…。

ドラは 私が殺したんです…。

あの時 頭痛薬をあげるなんてさえ
言わなければ…。

(鬼瓦)すぐ 鑑識が
カプセルを科捜研に回すだろう。

なんの毒かは すぐわかる。

(すすり泣き)

♬~

ピョン子くん
何か見つかりましたか?

警部 こんなものが…。

(兎左子)ドラさん
皆さんとの思い出を

宝物にされてたんですね。

(雉香の声)「はい 上がり!」
(寅美の声)「ああ…」

(怜里の声)「勝つのは…」

(寅美の声)
「決着をつける時がきたようね」

(怜里の声)「ほ~ら そろった!」
(雉香の声)「伯母様 ずる~い!」

(怜里の声)「えっ? リッカ 判定」
(詩織の声)「今のは…

ギリギリセーフですね」
(怜里の声)「ほ~ら!」

(寅美の声)「よし レーリィ
じゃあ もういっぺん!」

(雉香の声)
「決着つけるんじゃなかったの?」

(寅美の声)
「いいじゃない お願い! ほら!」

(怜里の声)
「もう一回 やりましょ!」

♬~

これは 牧師夫人のバンチと
弁護士夫人のチェリーが撮った

スマホの映像です。

「ドラ 大丈夫?」

「うん… 頭痛薬
買ったばっかりなんだけど

もう なくしちゃって…」

この時には ホシは もう

カプセルのすり替えを
済ませていたんでしょうな。

「すいません」
(万智)「大丈夫?」

「ドラ
飲んだら すぐに戻ってきてよ」

(寅美)「うん」

毒物が判明しました。

ヒメノツヅラですね。

ヒメノツヅラ?

(鳥のさえずり)

この藤色の花ですが

ヒメノツヅラに
似ている気がして…。

うん ヒメノツヅラですね。

この根っこの部分に
キルサキスという猛毒が…。

これは 誰の花壇かな?

♬~

どうぞ
好きなだけ調べてください。

(詩織)確かに ヒメノツヅラは
きれいな花だから

絵を描こうと思って
育ててはいましたけど

それ以上の事は
なんにもしてませんから。

警部。

(兎左子)警部
ちゃんと動いてくださいよ!

♬~

(多々良)これ ヒメノツヅラの
根っこっすよね?

(旭)リッカ ちょっと
署のほうまで来てもらうよ。

私 そんなの知りません!

話は署で聞く。 来てください。

♬~

彼女 ハメられましたね。

(寅美)あらやだ!
いつもは ここに灰皿があるのよ。

これ 誰か タバコで焦がしたね。

イブの絵柄は
どこへいったのでしょうね?

(寅美)あれ? これ 昨日まで

もう一方のイブが
置いてあったのに…。

はあ?

♬~

♬~

見ていてください。

♬~

(ショートする音)

これが
あの夜の停電のトリックです。

犯人は こうして
中間スイッチをショートさせ

ブレーカーを落として
停電させたのです。

ああ… なる…。

問題は

これをやった犯人Xが誰なのか?
という事です。

ああ 竜さん 来てくれ。
例のものが見つかった。

見てくれ。

(峰岸)これです。

(多々良)
まさしく イブの絵柄っすね。

(鬼瓦)この箱は君のだろ?

私は知らない。
誰かが 勝手に放り込んだのよ!

本当よ!
本当に私は知らないんだから!

ホシは 雉香さんに
罪を着せようとしているのか

それとも 雉香さんが
捜査の裏をかこうとしているのか。

うん… パソコンは
クックル 鳩児のものだった。

ヒメノツヅラは
リッカ 立花詩織が育てていた。

そして ドレスデンのランプは
ケンケン 雉香さんだ。

全て
犯人Xがやった事だとしたら…

おい… これ くさいのは
あの編集長親子だぞ。

つまり 芥川が双子の閑歩で
その母親が素仁愛って事っすか?

もし 仮に 外道蘭毘社長の妹の
素仁愛さんにお会いしたとしたら

すぐに本人だと
おわかりになりますか?

さあ…。

もう 30年以上も前に
別れたきりですから…。

でも なぜ?

死んだとされる彼女が
実は生きていて

子供たちと一緒に
この町へ入り込んでいる

可能性があるのです。

まあ…。

でも 双子の兄妹を連れた
母親なんて

この町には いませんよ。

ええ。 ただ 3人そろっているとは
限りません。

母親は
息子の閑歩とだけ一緒で

娘の炎真は 別にいるのかも…。

(柱時計の時報)

トト…。

(鳴き声)

素仁愛の若い頃の写真だったら

確か このアルバムに
あったはずですけれど…。

えっ?

ここには
素仁愛の写真だけではなく

私たち姉妹の写真も
いっぱいあったはずなのに…。

最近 この屋根裏部屋へ
誰かが上がった事は?

そういえば 先週のいつだったか

編集長が…。

編集長… 芥川さんですか?

『あさひタイムズ』に

「怜里夫人の思い出」という
コラムを書きたいからと言って…。

♬~

芥川は 取材のために
屋根裏部屋へは上がったが

アルバムのそんな写真は
知らないと言っています。

まあ 私がやりました
なんて奴はいないだろうがな。

(峰岸)芥川文士と母親が
この町へ来たのは3年前ですが

転入届は まだ出されていません。

出身は石川県だというので
至急 問い合わせているとこです。

芥川文士と夏目芙美子か…。
名前からして ふざけてる。

徹底的に調べてくれ。
(一同)はい。

クックル 鳩児なんですが

出身校だという美大
卒業アルバムを調べてみたら

その中に 桃畑鳩児の名前と写真が
ありました。

なんだと? 本名だったのか。

その住所をたどったところ
近くに住む親戚の口から

芝居好きの妹 雉香も
確かに実在していると。

はあ…。

一番偽者くさい兄妹が
本物だったとはな…。

(渋民)
となると 本物の閑歩と炎真は

一体 どこにいるんですかな。

(多々良)警部!

リッカについての新事実っす。

自分は リッカが画家である事を
思い出して

絵描きの団体を
片っ端から当たってみたんです。

そしたら ありました。

ただし 立花詩織というのは
絵描きとしての雅号で

彼女の本名は…。

♬~

砂原炎真だったんす!

砂原炎真…。

(砂原炎真)わかっちゃったなら
仕方ないわね。

そうよ 私が砂原炎真です。

でも 犯人じゃないわ。

ただ ここにいて

伯父の外道蘭毘の遺産が
どうなるのかを

見届けたかっただけ。

あなたは この町へ来て
絵を描き始めるまでは

青森県八戸市
自衛隊に勤めてましたね。

やっぱり そこまで調べちゃった?

という事は…
ピョン子くん あれを。

(兎左子)はい。

トカレフ

車井久三を殺害した凶器です。

自衛官という事は
あれなのかな…

銃の扱いには
慣れているというか…。

私が銃を扱ったら
3発も無駄撃ちしないで

最初の1発で…。

仕留めてます。

(兎左子)あの…
もう一人の双子 砂原閑歩は

どこにいるんですか?

わかりません。

私たちが小学校に上がる前に
父も母も亡くなって

離ればなれになっちゃったので。

今 見ても 閑歩の事は
わからないと思います。

もう一人の閑歩のほうは
どこにいるんですかね?

25歳の男といったら

やっぱり あの編集長しか
残っていません。

基本的な事ですが 犯人Xは
なぜ 車井を殺したのでしょうね?

(兎左子)はあ?

犯人は レーリィ夫人を狙って
2発 撃ちました。

(銃声)
(一同の悲鳴)

(銃声)

そして 3発目。

なぜ 車井を撃つ必要が
あったのか?

それは…
3発目も夫人を狙ったのですが

車井が止めようとしたので

犯人Xと
揉み合いになっちゃって…。

いえ 銃口は このように
脳天に向けられていました。

(銃声)

(懐中電灯が落ちる音)
(倒れる音)

揉み合って暴発したような形では
ありません。

あの… 妙な手紙を
受け取ったんですけれど…。

(女性の声)「突然の手紙を
お許しください」

「実は 2日前に

そちらでお世話になっている兄
鳩児にも手紙を出したのですが

いまだに返事がありません」

「11月5日の午後
そちらに着くのですが

お訪ねしても
よろしいでしょうか?」

「雉香」

雉香…。

どういう事ですか?

ケンケン 雉香が
もう一人いるって事ですか!?

ああ…。

♬~

いやあ バレちゃいましたか。

実は 僕が初めて この町へ来た時

駅前のバーで
偶然 知り合ったのが

この人だったんです。

♬~

(鳩児の声)話をしてみたら

彼女も この家に縁のある人だって
わかって

意気投合しちゃって…。

えい! それなら
妹 雉香のふりをさせて

一緒に連れてきちゃえって。

あきれた…。

では あなたは 一体 誰なの?

はっきりさせる時がきたようね。

私が 炎真の姉の 砂原閑歩です。

まあ…。

あっ 閑歩って
男じゃなかったんですか…?

(兎左子)
男の子と女の子じゃなくて

2人とも女の子…!

…のようですね。

♬~

炎真…。

閑歩…。

(炎真)やっぱりね。

初対面の時
もしかしたらって思ってたの。

私もよ。

でも 私は犯人じゃないわ。

レーリィ伯母さんに
ちょっと興味があったから

近くで観察してみたかっただけ。

(足音)

雉香さんをお連れしました。

(桃畑雉香)はじめまして。
鳩児の妹の雉香と申します。

あなただったの…。

あっ あの壁のポスターの…!?

(鳩児)妹は 今
大阪で芝居をやってるんですよ。

イーハトーブの人々』。

来月は こちらの六本木でも
やりますので

皆さんも ぜひ!

(峰岸)石川県警から
芥川文士と夏目芙美子についての

返事が来ました。
やっとわかったか。

芥川文士は本名。

母親も旧姓に戻ったので
本名だという事です。

またも本名か…。

ああ…。

♬~

♬~

あっ…。

わかりましたよ。

(鳥のさえずり)

♬~

あの夜 皆さんは
ここにお集まりでした。

暗闇の中 車井久三は

強力ライトを手に
入ってきました。

(車井)動くな!

ドアを このようにして開け

皆さんの姿を照らします。

ライトに目がくらんで
皆さんには何も見えなかった。

しかし…。

このドアの陰にいた
トトさんからだけは…。

車井と同じように
全てが見えていたはずなのです。

トトは叫んだの

「あの人が そこにいなかったわ」
って…。

そのために トトさんは
殺されてしまいました。

では この時
誰が そこにいなかったのか?

うわあっ…。

どうして
私を呼ばなかったのよ!

私だって
あの晩 あれを見てるのよ。

(ミッチー)いきなり
ブレーカーが落ちたから

なんだと思って
ドアの鍵穴からのぞいて見たの!

そしたら

あの開かずのドアから
出てきた人がいたのよ!

(武類)ミッチー!

本当なんだろうね?

それは 誰だったんだ?

とっても信じられない人だった。
今まで黙ってたけど…。

「今まで黙ってた」って…
お前さん まさか その相手から

金をせしめようと思ってる
つもりじゃあるめえな?

金をもらって
どこが悪いんですか?

私は 真っ暗な中で

このレーリィ奥様が
出入りしたのを

はっきり見てるんですよ!

(武類)レーリィが? ハハハッ…。
(ミッチー)うん!

フッ…。

私が?

ミッチー どうして
そんな でたらめを言うの?

(堂道)貴様

真っ暗な中で 誰の姿か
わかるわけないだろうが!

いいえ!

鍵穴から
ずっと見てたんですよ!

鍵穴からのぞいたなんて嘘だわ。

ミッチー 私が行って開けるまで
あのドアの鍵穴には

鍵が
差し込まれたまんまだったのよ。

(ドアノブを回す音)
あれ?

(解錠音)

そうなの?
(鬼瓦)ミッチー。

お前さんの嘘や でまかせには
もう うんざりだ!

出てってくれ!

(峰岸)あの女 キッチンに
閉じ込められたと見せかけて

裏口から こっそり回り込んで

車井にバーン!って事は
考えられないですかね?

それより 俺には その時

暗闇の中で
編集長が どうしていたのかが

気になるんだがね。
(芥川)えっ 僕が?

えっ ちょっ ちょっ…
なんでですか?

僕には 第一
動機がないじゃないですか。

お宅の『あさひタイムズ』の経営は
実は あんまり

思わしくなかったんじゃ
ないのかね?

(渋民)編集長
調べてみたところ あんたには

レーリィ夫人からの借入金が

500万もある事が
わかったんだがね。

(芥川)いえ それは あの…

厚意に甘んじて
お借りしましたけど

もう ほとんど
返し終わってますから。

ええ ええ! ええ ええ!

♬~

ミッチー。

あっ 奥様
今日 きれい…。

ご苦労さま。

すいません。

あなたという人は

なんて嘘つきなの?

あの… 私 もう一度
警部さんの所へ行って

今の話は全部嘘だって
言ってきましょうか?

そんな事
もう みんな 知ってますよ。

♬~

お前は 一度だけ
本当の事を言ったのよ!

ああっ…!

それを知っているのは
この私だけなのさ!

(寅美の声)レーリィ…。
おお… レーリィ!

そんな事しちゃいけないよ!
そんな事は駄目よ!

ドラ…。

ドラ…?

堪忍して…!

あなたの事は
死なせたくはなかったのよ!

私は 本当に…。

ああっ…。

あなたの事は
死なせたくはなかったのよ!

捜査本部まで来てもらえますかな
レーリィ夫人。

(ミッチーのせき込み)
(兎左子)大丈夫ですか!?

この人は
レーリィ夫人ではありません。

あっ?

妹のローリィです。

その証拠に いつも着けている
その首飾りの下には

甲状腺の手術痕があるはずです。

(旭)拝見。

その真珠のネックレスは

ローリィであるという証拠の
手術痕を

隠すためのものだったんです。

(楼里)ドラが…。

私には 今 ドラの声が…。

その正体は これです。

音声は 多少加工してありますが
元の音源は…。

(スイッチを押す音)

(寅美の声)「レーリィ…。
おお… レーリィ!」

「そんな事しちゃいけないよ!
そんな事は駄目よ!」

(楼里の声)「はい 私の勝ち!」

(寅美の声)「あーっ! アハハッ!
ほら 負けちゃったじゃない!」

(寅美の声)もう… 悔しい!
(楼里の声)フフフ…!

♬~

(鬼瓦)じゃあ 行こうか。
ローリィ夫人。

(泣き声)

(堂道)行きましょう。

(泣き声)

♬~

(エンジンをかける音)

乗ってください。

(パトカーのサイレン)

こうして お集まり頂いたのは
我々が皆さんを疑い

ご迷惑を
かけてしまった事について

お詫びしなければ
ならないからです。

そのためにも
これまでにわかった事を 全て

皆さんに
お話ししなければなりません。

小樽の病院で

私の甲状腺の手術が終わって
1年後。

姉のレーリィが
急性肺炎をこじらせて

あっけなく世を去った。

その時

私は 若い頃の浪費癖がたたって
無一文でした。

姉の死で

今 入院中のベルが亡くなったら
入るはずの

50億円もの遺産が
なくなってしまう。

(楼里の声)
私は 一生懸命 考えました。

レーリィが急死した事は
まだ誰も知りません。

(楼里の声)もし ここで

死んだのは
姉のレーリィではなく

妹のローリィだったとしたら…。

世間に そう信じ込ませるだけで
いいんです。

幸い 旭川から
小樽に移り住んでいたので

姉のレーリィを知る人は
いませんでした。

私は大急ぎで葬儀屋さんを呼んで
姉のレーリィになりすまして

妹 ローリィのお葬式を
1人で済ませました。

あとは
姉名義の家や土地を売って

どこか遠くの町へ行こう。

そして

新しく 姉 レーリィとして
生まれ変わって生きていこうって

決心したんです。

無事に引っ越しを済ませ

すっかり
レーリィになりきれたと思った時

大親友だったドラの事が
気になりました。

ドラは 身寄りもなく

頭痛とリウマチに
悩まされています。

私は ドラが大好きだったから

すぐにも呼び寄せて
一緒に暮らしたかった。

だけど こっちには大問題が…。

それでも 私は
ドラを呼び寄せたかった。

だから 私は 思いきって

ドラに 事実を打ち明ける決心を
したんです。

(寅美)あっ… あの…。

ドラ!

久しぶりね!
ローリィ!?

本当に?
本当だよ!

(楼里の声)
私は 一生懸命 説明しました。

ローリィがレーリィ?

あっ… つまり
ローリィがレーリィで

レーリィがローリィって事?

そう。

この町には
知り合いは誰もいないし

ドラが そばにいて

私の事をレーリィとして
扱ってくれたら

誰より 確かな
生き証人になるのよ。

あんたは もう なまら

レーリィに
なりきっちゃってたんだね。

ドラ…。

お願い!

助けて!

私一人じゃ 心細いのよ。

わかったよ ローリィ。

ローリィのためだったら
私 なんでもやるよ。

ありがとう!

でも ドラ 気をつけて!
んっ?

絶対に口を滑らせないで。

私は もう
昔のローリィじゃなくて

姉さんのレーリィなんだからね。

ねっ! ねっ!
そこは絶対に守ってよ!

大丈夫! わかったよ ロー…。
アハハッ!

レーリィ。 アハハハッ!

レーリィ。 うんうん。
そう。

レーリィ。
ありがとう。 ドラ ありがとう!

レーリィとなった私のもとへは

縁故を頼って またいとこの
クックルとケンケン兄妹が来た。

若い2人は 私の顔を知らないので
レーリィだと思い込んだわ。

そして 絵を描きたいからって

リッカが
下宿する事になったりして…。

ここは絵を描くには
とてもいい所よ。

この家で一緒に住まない?

3階に
アトリエになる部屋があるわ。

よろしいんですか?
ええ。

(楼里の声)私をレーリィだと
信じる家族が増えて

全ては うまくいってたの。

ところが…。

お久しぶりです!

あら…。

(楼里の声)それは

昔 小樽で働いていた
病院の守衛だった。

私たち姉妹が
しょっちゅう顔を合わせていた

唯一 私の事を知ってる男だった。

レーリィさん。

ローリィさん こんにちは。

こんにちは。
(黒岩怜里)こんにちは。

お久しぶりです!
ローリィさんですよね?

フッ… まあ 懐かしい。

それが全ての始まりでした。

慌てたローリィは
車井をお茶に誘い

殺人ごっこのパーティー
アルバイトをしないかと持ちかけます。

この時点でローリィには
車井を殺すしかなくなったのです。

(車井)動くな!

(桜子)飛び入りもありなの?

(車井)動くな! 後ろへ下がれ!
(鳩児)はいはい はいはい…。

(車井)手を上げろ!
従わない者は撃つ!

(銃声)
(一同の悲鳴)

(銃声)

(銃声)

(懐中電灯が落ちる音)
(倒れる音)

わあっ!
誰だ? こいつ!

(寅美)ああーっ!!

(武類の声)
私たちは あの血を見て

誰もが 狙われたのは
レーリィだと思い込んだ。

(八矢)あの時の血は
なんだったんだろうね?

(多々良)爪切りっす。

♬~

これで こう…。

(耳たぶを切る音)

次に トトさんの事件です。

偶然通りかかったローリィは

トトさんの会話を
聞いてしまいました。

(百々子)ヒンチ 思い出したの。

あの時 そこに
あの人がいなかったのよ!

(栗江)あとで聞くから。 ちょっと
呼ばれたから行ってくるね。

えっ 嘘…。 待って ヒンチ!

(栗江)ごめんね。
ちょっと待ってて!

(百々子)待って…!

(相国寺の声)
こうして ローリィは

第2の殺人まで
犯さなければならなくなりました。

ごめんなさい…。

ごめんなさい!

そして 最後は
大親友のドラさんです。

私は…。

本当に…

ドラの事が大好きでした。

(楼里の声)でも ドラは…

だんだん 口を滑らす事が
多くなってきて…。

本当に ローリィのセンスって
天才的ね!

(多々良)えっ?
ローリィ?

あっ…。

ああっ…!
ローリィ ありがとう!

もう ドラ! 「レーリィ」。

あっ! やだ!

♬~

ドラに悪気はないんです。

でも このままでは

いつか とんでもない事を
言い出してしまう。

♬~

殺したくない…。

(すすり泣き)

♬~

サプライズで

ドラの還暦パーティー
やったのは…。

私の せめてもの償いだったの…。

♬~

私には 謎は全て解けました。

ところが 残念な事に
肝心の物証が何もありません。

そこで最後の手段として

あるトリックを
使う事にしたのです。

♬~

だって そんな
見てもいない事を…。

あなたは これまで

嘘や でたらめで
散々 人に迷惑をかけてきました。

どうでしょう? ミッチーさん。

そろそろ この辺で

人の役に立ってみたいとは
思いませんか?

人の役に立つ?

(相国寺の声)ミッチーは

その役割を
見事に果たしてくれました。

編集長には お気の毒でしたが

プライベートな借入金の話を
持ち出させて頂きました。

本当の事ですから…。

この時 ローリィは

さりげなく席を外し

ミッチーのいるキッチンへと
向かいました。

(相国寺の声)そこで 我々は
一斉に動きました。

結果は
皆さん ご承知のとおりです。

この計画がうまくいったのは
全て

ミッチーの名演技の
おかげだったのです。

♬~

♬~

♬~

♬~

フフ…。
フッ…。

2人とも
何を笑っているのでしょう?

警部 フラれちゃったっすね。

な… なんの事?

いや 駄目ですよ 警部。
私にもわかる反応でしたもの。

警部。

私たち結婚したんです。

えっ?
(炎真)フフフ…!

えっ? えっ?

(芥川)実は 今朝方
婚姻届を出してきまして…。

それは おめでとう。
(拍手)

(炎真)ありがとうございます。
あっ そう。

おめでとうございます。

ミッチーが見た
青シャツの男って

車井久三じゃなくて
編集長だったんすか?

(芥川)あっ すいません。
言いそびれました。

あっ… おめでとう。

結婚式には
ぜひ呼んでください。

(兎左子)失礼します。

警部も やはり
人間だったって事っすよね。

うん!

2人とも 何を言ってるんだろう?

フフフフ… フフフ… フフ…。

♬~

(大岩純一)FBI?

(笹川健志)アメリカ連邦捜査局から
極秘の捜査依頼だ。

(大岩)これは
東京 ニューヨーク 連続殺人だ。

FBIの神林瑤子です。

(奥野親道)
次に現れると予告した場所は

ドイツです。
(オリバー・スミス)オーストラリアから来ました。

(高井智代子)ニューヨークで死亡した
左藤彬と全く同じ名前です。

(大岩)
被害者の無念を晴らすために

必ず ホシを挙げる!
(捜査員たち)はい!