ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

温泉若おかみの殺人推理30 東ちづる、羽場裕一、岡田茉利子、野村宏伸… ドラマのキャストなど…

『温泉若おかみの殺人推理30』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

  1. 水野
  2. 浩二郎
  3. 塔子
  4. 浜谷
  5. 由紀子
  6. 富山
  7. 美奈
  8. アリバイ
  9. 警察
  10. 社長
  11. 本当
  12. ホテル
  13. ラシックステージ
  14. 新太郎
  15. 遺産
  16. 海地獄
  17. 杵築
  18. 別府
  19. 三波
  20. 立花

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『温泉若おかみの殺人推理30』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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温泉若おかみの殺人推理30[解][字]

主演・東ちづる「温泉若おかみ」シリーズ最新作!!
九州別府温泉~湯布院で発生した連続殺人…容疑者は若おかみ!?
消えた1億と墓前のバラ完全犯罪トリックの謎!!

詳細情報
◇番組内容
中川美奈(東ちづる)は、大分・別府温泉にあるホテルの若おかみ。夫の新太郎(羽場裕一)は地元署の刑事で、大おかみ・政子(岡田茉利子)のシゴキを受けながら、元気に働いている。ホテルで介護付き高級マンションの説明会が催されることになり、社長の富山浩介(野村宏伸)と開発部長の富山浩二郎(内田朝陽)がホテルに到着。そんな中、ホテル近くで男性の撲殺死体が発見された。第一容疑者として挙がったのは、なんと美奈だった…!
◇出演者
東ちづる羽場裕一芳本美代子中山忍山村紅葉内田朝陽野村宏伸若林豪岡田茉莉子
◇スタッフ
【脚本】安井国穂
【監督】児玉宜久
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.tv-asahi.co.jp/prime-sun/

 

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おい… ストップ!
ストップ! ストップ。

なんだ? ありゃ。
あっ…!

♬~

(中川美奈)〈雄大な海と
山に恵まれた大分県

おんせん県としても
知られています〉

〈その中でも別府は

源泉の数も
お湯の量も日本一〉

〈美しい別府湾や鶴見岳

〈海地獄 血の池地獄などと
名付けられた源泉巡りなど

観光名所も多くあります〉

〈また 関あじ 関さば
豊後牛など

美味しい食材が豊富にあります〉

〈その別府に

私が若おかみを務める
別府杉乃井ホテルがあります〉

〈別府湾を一望する
観海寺温泉に位置し

美しい景色を見下ろせる
露天風呂と

和洋中のシェフが腕を振るった
料理が自慢の大きなホテルです〉

♬~

(中川新太郎)よし…。

はい 上げるぞ。
はい。

(中川政子)
ちょっと右が下がってるわ。

5センチぐらいかな。

(小百合)このパンフレット
どこに置きますか…?

あっ えっとね…
美奈 これ どこだっけ?

えっ? ああ…
あの ホールの前じゃなかった?

入ってすぐの受付だって
そう説明したでしょう。

そうでした!
そうでした…。

本当に あなたたちは 私の説明
なんにも聞いてないのね。

申し訳ありません!

今日から1週間の説明会には

東京や大阪から
参加の申し込みがあるそうです。

我が杉乃井ホテルでは

別府を 大分を 九州を代表して
おもてなしをするんです!

ああ もう時間だ。
行かなくちゃ。

新太郎!
あっ 新ちゃん これ…。

あとは頼んだ。
ええっ!?

まったく…。

これじゃ いつまで経っても
隠居できないわね。

しっかりしなさい!

はい!

よし!

♬~

(従業員)いらっしゃいませ。
お荷物は…。

(富山浩介)後ろに。

富山社長
お待ち致しておりました。

これから1週間
よろしくお願いします。

(政子)こちらこそ どうぞ
よろしくお願いを致します。

ホールの準備は
もう できておりますから。

ご案内致します。 どうぞ。

(富山)ああ…
別府湾がきれいに見えますね。

ありがとうございます。

この景色も うちのホテルの
大きな売りになっております。

(富山)懐かしい海です。

社長 お生まれは別府ですか?

杵築です。
あらっ! お隣ですね。

子供の頃 母親に連れられて
よく別府に来ました。

そうでいらっしゃいますか。
さあさあ どうぞ。

こちらが
会場の璃宮でございます。

(富山)ああ… 立派な会場ですね。

説明会にいらっしゃるお客様も
さぞ喜ばれる事でしょう。

(富山浩二郎)兄さん
明日の2時からの説明会

追加予約が かなりあるんだよ。

で このパンフレットをもう100部
追加注文したほうがいいよね。

浩二郎
何度 言わせるんだ。

「社長 パンフレットを追加しても
よろしいですか?」だろ。

ああ… そうだった。

「ああ」じゃなくて
「はい」だ。

まったく お恥ずかしいです…。

ご兄弟 仲がよろしい証拠ですわ。
ねえ? 若おかみ。

ええ お義母様。
「大おかみ」でしょ 仕事場では。

そうでございました。
申し訳ありません。

でも 仲がいい証拠ですよ。
ウフフッ…。

(一同の笑い声)

殺人事件!?

(殿山警部)科捜研から
正式な報告書が来た。

白骨は男性 30代から40代。

死後約6カ月。

問題は ここだ。
はい。

ここに 小さな陥没の痕跡がある。

これは 鈍器で殴られた痕だ。

鈍器による撲殺…。

その可能性が高い。

これは まずは
被害者の身元特定だな。

ええ。

「クラシックステージ別府は

入居者の皆様のステージ
生きる舞台です」

「館内には
別府の宝である温泉を引き

窓からは別府湾を望みます」

「地元の食材を使った料理と
最高レベルのスタッフを…」

いいわねえ…。

私も入居しようかしら。

♬~(会場の音楽)

(富山)今日は
ありがとうございました。

いかがでしたか?

素晴らしいですね。
ありがとうございます。

期待してますよ。
(富山)頑張ります。 どうぞ…。

はい。
入れたらいいですね。

♬~

若おかみ どちらへ?

これ以上
付きまとわないでください。

(浜谷直樹)俺に
そんな口 利いていいのかな?

確か 旦那さんは警察官だったね。

その旦那さんにも
話を聞いてもらおうか。

私を脅すつもりですか?

バレたら困る事してるのは
あんたのほうだからねえ!

離して! やめて… 何するの…
やめてください!

もう やめて…!
オラッ!

美奈さんは?
はい。

携帯電話にかけたんですが
留守電でした。

まったく… 若おかみとしての
自覚が足りないわね。

こんな大事なパーティーの時に
いなくなるなんて。

はい。

あっ… 大おかみ
大丈夫ですか!?

あら 新ちゃん… 今 聞いた。
お義母様は?

部屋で休ませた。 心配ないよ。

ああ よかった…。

ごめんなさい。
すぐ戻るつもりだったんだけど。

こんな時間まで 何やってたの?
えっ…。

あの… お客様の忘れ物を
駅まで届けに。

美奈が行く事ないだろう。

おい 代わりに
すぐパーティー会場に。

根付がない…。
えっ どうしたの? 落としたの?

ほら 新ちゃんにもらった
あの ブルーのかわいいの。

どうしよう…。
ああ いいよ いいよ。

うちの館内なら
すぐ出てくるから。

それより ほら
パーティー会場のほうに。

うん 行ってくるね。
いってらっしゃい。

♬~

(智恵子)引退!?
(小巻)大おかみが!?

私も驚いたの。

真剣にクラシックステージの
パンフレットを読んで

ああ このお部屋がいいわ
…なんて。

お体の事もあるから。

ええ 昨日も
めまいがしてらしたしね。

じゃあ この杉乃井ホテルは?

若おかみの時代ですねえ。
ええ!

政権交代
新時代の始まりよ。

ああっ… 若おかみ!

はい。
おはようございます!

おはようございます。
今日も よろしくお願い致します。

お願いします。

あらっ! こんな所に糸くずが…。
えっ?

気づかなかった…。 小百合さん
ありがとうございます。

何をおっしゃいます 若おかみ。

私たちは
若おかみを支えるために

この杉乃井ホテル
いるのですから。

そうなの?
もちろんです!

一生
若おかみについていきます~。

(小巻・智恵子)は~い。

ありがとう…。

(パトカーのサイレン)

♬~

ご苦労さまです。

ご苦労さまです。
はい ご苦労さん。

(三波刑事)お疲れさまです。

後頭部を
鈍器で強打されています。

凶器は?
(鑑識官)こちらです。

この石か。

ガイシャの身元は?

ああ… 遺留品に免許証と名刺が。

あっ 「浜谷直樹」。
フリーライターか。

ああ それと…

遺体のそばに
これが落ちていました。

根付か。
(三波)ホシは女ですかね。

ちょっと これ…。

どうした?

ええっ? 心当たりがあるのか?

はい…。
ええっ!?

(政子)ありがとうございました。
ありがとうございました。

またのお越しを
お待ちしております。

♬~

(政子)殿山さん。

ああ 大おかみ。
新太郎 今日は何?

いつも お世話になってます。
若おかみ…。

はい。
昨日の夜 海地獄で

フリーライターの浜谷直樹さんと
会っていましたね。

あの…。
ちょっと 一体 なんの話なの?

母さん 事件関係の事で
ちょっと 美奈だけにね…。

浜谷さんは 今朝
遺体で発見されました。

殺人事件です。
殺人!?

ゆうべ
浜谷さんと一緒でしたよね。

はい!

ちょっと 署まで同行願えますか。
美奈さん 一体 どういう事?

警察に呼ばれるような
訳でもあるの?

大おかみ すぐ終わりますので。
すぐ終わる。

申し訳ありません。
おい 三波。

(三波)はい。
申し訳ありません。

新太郎… 一体 どういう事なの?

この根付は
若おかみ あなたのですね?

はい。

浜谷さんが 女性と口論している
姿を目撃した人がいました。

相手は 和服の女性で

時刻は 午後6時50分だと
証言しています。

その和服の女性というのは
若おかみ あなたですよね?

はい。

浜谷さんとは
どういう関係ですか?

それは… 言いたくありません。

若おかみ
これは殺人事件の捜査です。

黙秘となれば 我々は
それなりの理由があると考える。

それでも
言えないという事ですか?

申し訳ありません。

海地獄で 浜谷さんと別れたのは
何時でしたか?

7時ちょっと前です。
それから ホテルに戻りました。

それから ずっとホテルに?

はい。

美奈が
浜谷さんとの関係を黙秘した?

どういう知り合いかは
答えたくないそうだ…。

アリバイもない。

ホテルへ戻ったのは
7時を過ぎていたそうだな。

はい…。 7時20分頃でした。

海地獄から杉乃井ホテル
10分ちょっとで帰れるだろう。

10分の空白か…。

若おかみには
また来てもらう事になるぞ。

当然です。

新太郎 ちょっと…。
はい。

どうする? 捜査から外れるか?

いえ… 警部
私に捜査を続けさせてください。

規範上
事件関係者が身内にいる場合

捜査から外されるのは知ってます。
ですが 刑事として

真実を追求したいんです。
お願いします。

わかった。

ただし 捜査中に若おかみの関与が
濃厚になった場合は

捜査から外れてもらうよ。
いいな?

はい わかりました。

(ドアの開く音)
(三波)警部。

被害者の浜谷が宿泊していた
ビジネスホテルに

本人の手帳とデジタルカメラ
残っていました。

何か出たか?
はい。

これを見てください。

若おかみを辞めてもらいます。

えっ…!? お義母様。

殺人事件に関連して
警察に呼ばれた。

理由は どうあれです。

そんな人 杉乃井ホテルの若おかみ
名乗らせるわけには参りません。

はい…。

申し訳ありません。

あなたに全てを任せて
楽隠居と思ったけれど…

難しいわね。

ああっ! お義母様。

どうされました?
大丈夫ですか?

せめて… 由紀子がいてくれたら。

若おかみが殺人犯!?

容疑がかかっているのよ
海地獄での殺人事件。

そんなの信じられません!
(小百合)私だって信じてないわよ。

でも これで
杉乃井ホテルの跡目争いは

混沌としてきたわ…。

たとえ 犯人じゃなくても

若おかみが
殺人事件に関係してたら…。

おかみ騒動どころじゃないですよ。

ここは 大穴の由紀子さんが
帰ってくるかもしれないわ。

由紀子さんって 誰ですか?

新太郎さんの妹さんよ。

そんな方がいたんですか?

何しろ 大おかみにとっては
血の繋がった実の娘だから…。

若おかみ…。

あっ…。

あのね… もう その呼び方
やめてもらえる?

これからは 一人の仲居として
働く事になったから。

(3人)仲居としてですか!?

ええ。

先輩。
うん?

先ほどは…。

ああ…。

どうしたんだ? その格好。
うん?

ああ 一から出直しです。

えっ?

ああ… そうなんだ。
うん。

ラシックステージの
富山社長は?

ああ お部屋だと思う。
Hana館のスイート。

フリーライターの浜谷直樹さん
ご存じですか?

はい。

ニュースで
事件の事も知りました。

まさか 殺害されるなんて
思いませんでした。

これは 殺害された浜谷さんの
カメラに残っていた写真です。

浜谷さんは
ずっと クラシックステージと

富山社長の事を
追っていたようですね。

浜谷さんは クラシックステージの
何を取材されていたんですか?

わかりません。

正式に取材を申し込まれた
わけではありませんし。

アポなしで突然来た人と
話なんかできませんよ。

昨日 午後7時から9時の間

社長は どちらに
いらっしゃいましたか?

昨日の?

(三波)夜7時から9時の間です。

それが
死亡推定時刻なんですね。

つまり 私が疑われていると?

関係者の方 皆さんに
お聞きしています。

昨日の6時から8時は
このホテルでパーティーがあり

関係者の方々に
ご挨拶をさせて頂いてました。

ああ それだったらね 確かに

8時まではいらっしゃいましたよ。
おい 美奈!

ごめん…。

では 8時からは?

杵築に向かいました。

杵築?

(富山)私たちの生まれた
ふるさとです。

母の墓がありましてね
墓参りをしていました。

夜に墓参りですか?

昼間は説明会があって
行けませんでした。

月命日でしたので
昨日のうちに手を合わせたくて。

他に それを証明してくれる方は
いらっしゃいますか?

はい!
俺が一緒に行きましたよ。

パーティーってやつが苦手でね

7時過ぎの電車で
先に杵築に行って

花を買って
で 杵築で兄貴と落ち合って

それで 一緒に墓参り行きました。

(三波)身内の方の証言は
アリバイになりません。

…という事は

私にはアリバイがない
という事になりますね。

これは 任意なのですが

指紋の提出に
ご協力願えませんか?

わかりました。 協力致します。

あの 僕のも必要なんだったら
警察にあると思いますよ。

昔 やんちゃしてて 本当
兄貴にも迷惑かけたんですよ。

その時にとったのが
警察にあると思いますから。

余計な事 言うな。 今は
真面目に働いているんだから。

おい 海地獄の殺害現場にあった
被害者のバッグの遺留指紋と

任意提出された富山浩介の指紋が
一致した。

弟のほうではなく?

確かに
警察庁の指紋データベースには

富山浩二郎の指紋が
登録されている。

傷害事件だ。

酔って 派手に喧嘩をして
相手に怪我を負わせたらしい。

(三波)素行としては
弟のほうが怪しいですけどね。

だが バッグに残っていたのは
持ち主の浜谷と

富山浩介の指紋だけだ。

重要参考人として
富山浩介を任意で事情聴取する。

はい!
はい。

被害者のバッグに 富山さん
あなたの指紋が残っていました。

2日ほど前
別府の駅前だったかな

突然 カメラのシャッターを
切られましてね。

取材のアポイントなど
何も取らずにです。

その時に

写真を消してほしいと言って
トラブルになりました。

や… やめてくださいよ 社長。
写真 消してくださいよ。

(浜谷)撮られちゃ
まずい事でもあるんですか?

(富山の声)その時に付いた
指紋でしょう。

あっ… 何人か

トラブルを見ていた方が
いるはずです。

(ノック)
はい。

おい あっ…。

ちょっと いいか?

はい。

弁護士の先生が見えたよ。

弁護士?

由紀子!? お前…。

ラシックステージ顧問弁護士の
中川由紀子です。

久しぶりね お兄ちゃん。
あっ ああ…。

これは 任意の事情聴取だと
聞いています。

ええ。

でしたら これ以上の取り調べは
拒否致します。

今後の事情聴取は 弁護人である
私を通してください。

おい ちょっと…。

富山社長を帰して頂きます。

♬~

お荷物をお預かり致します。
ごゆっくり。

おかえりなさいませ…。

由紀子ちゃん?
お義姉さん!?

若おかみが何やってるの?

由紀子ちゃん
富山社長とは… 一緒?

ラシックステージの
顧問弁護士として呼ばれたの。

顧問弁護士?

私も驚きました。
まさか このホテルが

先生のご実家だなんて
思わなかった。

そういう事でしたか…。

先生 今日は いろいろと
ありがとうございました。

いえ… 弁護人として
当然の仕事をしただけです。

では 私は部屋に戻ります。

おやすみなさいませ。
おやすみなさい。

(政子)由紀子?

由紀子…!

(由紀子)お母さん。

そう… 里帰りじゃないの。

ええ あくまでも
顧問弁護士としての仕事で来たの。

富山社長の疑惑を晴らすために。

疑惑を晴らすねえ…。

ただいま。
おかえりなさい。

だって 社長には
アリバイがあるでしょう。

墓参りに杵築に行ったっていう
アリバイだろう。

証人は 弟の浩二郎だけ。

家族の証言は
アリバイにはならない。

アリバイの裏を取るのは
警察の仕事でしょう。

それに 社長の他にも

容疑がある人間がいるって
聞いたわ。

美奈の事を言ってるのか?

お義姉さん。

海地獄で被害者に会った理由を
黙秘しているそうね。

言えない理由は なんですか?

やめてちょうだい…。

せっかく
家族がそろったっていうのに

事件の話なんかしないでよ。
そうだよ。

家族なんだから わざわざ
相手側の味方する事ないだろう。

弁護士は どんな時でも
依頼人の味方なの。

それが 私の仕事なの。

由紀子 いつまでいられるの?

社長の無実が証明されるまで。

そう…。

まさか 由紀子が
向こうの弁護士とはな。

うん。

美奈。

話してくれないか。
一体 どういう事なんだ?

刑事として聞いてるんじゃない。
夫としてだ。

どうして 海地獄で
浜谷さんと会ってたんだ?

ごめんなさい…。

美奈!

今は まだ言えないの…。

♬~

(水野塔子)
重すぎたら 言ってくださいね。

(土井琢磨)鈴木さん。

はい。

(土井)お客さん。

若おかみ…。

(塔子)警察に呼ばれたんですか?
うん。

ごめんなさい 私のせいで…。

ううん。 私が 自分から
浜谷さんに会いに行ったんだから。

私 警察に言います。

どうして 若おかみが
浜谷と揉めていたのか。

駄目よ! そんな事したら

塔子ちゃん ここにいるって
わかっちゃうじゃない。

美奈!

新ちゃん!? えっ…?

新太郎さん…。

君… 塔子ちゃん?

ご無沙汰してます。

(三波)この人は?

昔 うちのホテルで
仲居さんだった人だ。

ああ…。

今の話 改めて
聞かせてもらえないかな?

どうして 美奈が
浜谷直樹と揉めていたのか。

浜谷は 私を追っていたんです。

塔子ちゃんを?

私 夫から逃げてきたんです。

あの人 変わってしまって…。

塔子ちゃんにね
手を上げるんだって。

あの水野くんがDV?

(従業員)こちらで
儀式を行って頂く形になります。

水野さん。 塔子ちゃんを
絶対 幸せにしてくださいね。

(水野信也)はい 約束します。

そんなふうに見えなかったけど。
うん。

お酒に酔って
ささいな事で怒るようになって…。

1カ月前ね
偶然 塔子ちゃんと街で会ったの。

塔子ちゃん!?

若おかみ…!

待って! 塔子ちゃん。

どうしたの?

なんか 事情がありそうだね。

今どうしてるかなんて
聞かないから

私に 何かできる事ある?

若おかみ…。

夫に見つからないように
別府に逃げてきて

偽名でホステスをしていました。

住む場所もなくて
ホテルを転々としていて…。

本当は うちのホテルに
来てもらいたかったの。

大おかみも
塔子ちゃんの事 わかってたしね。

ああ。

でも どうしても 旦那さんに
見つかりたくないからって。

今度 夫に見つかったら
私 どんな目に遭うか…。

そう… 幸せに暮らしてるとばかり
思ってた。

うん。
それで?

あっ… 浜谷さんはさ
塔子ちゃんを捜してたの。

えっ?
3週間ぐらい前だったかな…。

(浜谷)中川さん?

中川美奈さん?

はい さようでございますが
どちら様でしょうか?

あなた
水野塔子を匿っていますね。

彼女 今 どこにいますか?

でも どうして?

塔子ちゃんは 浜谷を知ってたの?

知りません。
会った事もない人です。

会った事もないのに
塔子ちゃんを捜してた?

きっと 旦那さんに頼まれたのよ。

ねっ だから
教えるわけにいかないでしょ?

うん。

(美奈の声)その浜谷が
一昨日のパーティーにいたの。

それで
海地獄まで追いかけていって

もう 付きまとわないでください!
って言ったの。

バレたら困る事してるのは
あんたのほうだからね!

離して! やめて!
(根付が落ちる音)

(浜谷)場所を言え! オラッ!

それで あの根付が…。

若おかみには
ご迷惑をおかけしました。

全部 私のせいなんです。

夫に捕まったら 私…。

確か ご主人 介護士してたよね?

はい。 半年前まで

ラシックステージ福岡で
働いていました。

(殿山の声)クラシックステージ?

はい。 クラシックステージが
一番最初につくったのが

福岡のホームで

夫は 介護士長をしていました。

塔子ちゃんの居場所を
誰にも知られたくなくて

砂湯の土井さんに頼んで
偽名で働かせてもらっていました。

それで黙っていたんだな。
新太郎に迷惑がかかると思って。

偽名で働いたり
部屋を借りたりするのは

法律に触れますから。

おい なんだ…
えっ そうだったのか…。

警察官の妻が
法律違反に手を貸したとなると

新ちゃんや皆さんにも
ご迷惑がかかるでしょ…。

ハハハハ…。
新太郎 いいカミさんだね。

事情は よくわかりました。

申し訳ありませんでした。

警部。 やっぱり 浜谷は

ラシックステージを
ずっと追ってたんですね。

水野塔子を追っていたのも

旦那が クラシックステージの
関係者だからか。

はい。

もう一度 富山浩介社長を
洗わせてください。

アリバイも

身内である弟の証言だけでは
成立しないしな。

はい。

事情は よくわかりました。

ただ 大事なパーティー
抜け出した事は事実です。

申し訳ありませんでした。

すぐに 若おかみに
戻すわけには参りません。

いい機会だから
一から修業し直しなさい。

着物は許します。

ありがとうございます!

ただし 控えめに。

はい。

失礼します。

(ふすまの開閉音)

そう…
塔子ちゃんをかばったの…。

♬~

♬~

おっ とり天!

はい これ。

ねえ 美奈は?

うん? お風呂掃除してる。

風呂掃除?

一から修業し直しだって。

お母さんも厳しすぎるわよね。

いくらなんでも

そこまでしなくたって
いいと思わない?

はい。
う~ん!

ねえ お兄ちゃん。
うん?

もしかして
まだ 社長の事 疑ってる?

美奈の疑いは晴れた。

今のところの容疑者は
富山浩介社長だけ。

社長は 事件のあった時刻には
杵築にいたと証言したはずよ。

証人は弟だけだ。

仕方ないわね。

だったら 私が
社長の無実を証明するわ。

♬~

(富山)
これが 目玉になる泥湯です。

へえ~。

(富山)さあ こちらへ。

(由紀子)ここに

ラシックステージ別府が
建つんですね。

(富山)はい。
建物も 全部 建て替えます。

(富山)ふるさとの大分に
ラシックステージを建てるのが

私たちの夢でした。

(由紀子)
その夢が やっと かないますね。

(浩二郎)けど 大丈夫なんですか?

浜谷殺しの件で 警察が
兄貴の事 疑ってるでしょう。

事件のあった時刻には

浩二郎さんと
お墓参りをしていたんですよね?

杵築にある母の墓です。

けど 証人は俺しかいない。

身内の人間の証言は
アリバイにならないんですもんね。

はい。 第三者の証言や
客観的な証拠が必要になります。

あっ…。

一度 ガソリンスタンドに寄って
給油してます。

ただ
レシートを捨ててしまって…。

場所は わかりますか?

杵築城の近くのスタンドでした。

わかりました。

あっ… 心配しないでください。

私が 社長のアリバイを
証明しますから。

よろしくお願いします。

(由紀子)ええ。

3日の夜 黒のセダンが
出庫してるはずなんです。

ああ これね!

8時3分…。
パーティーが終わった直後ね。

もう一回 見せてもらえますか?

(由紀子)すみません。 あの…

3日前に この黒のセダンが
給油しに来てませんか?

ああ… ありがとうございます。

♬~

(富山)水野信也くんの事ですか?
はい。

ラシックステージ福岡で
介護士をされてましたよね?

(富山)はい。 優秀な介護士でした。

(富山の声)
入居者からの信頼も厚かった。

現場の中心人物でしたけれど…。

半年前に退職されてますね?

はい。 辞めてもらいました。

クビにしたという事ですか?

いいえ。
お互いに納得した上での退職です。

兄さんさあ
本当の事 言えばいいじゃん。

(富山)浩二郎…。

クビにしたんですよ。

入居者の方に取り入って 遺産を
受け取っちゃったんですよね。

1億円。
えっ 1億…!?

水野くんは
とても熱心な介護士でした。

ですから 入居者の方も信用した。

人生の最後に
優しくしてくれた人間に

財産を残したいって思うのは
人情でしょう。

立花さんも そうでした。

立花さんというのが
遺産を残そうとした方ですね?

はい。

(富山の声)介護は仕事です。

けれど 全くのビジネスではない。

介護士さんが 本当に

自分の事を大切に思ってくれてる
というのが

お年寄りには伝わるんです。

立花さんも
そうだったんだと思います。

(水野)立花さん。
(立花久雄)はい。

大宰府の梅が見事らしいんですよ。

今度 みんなで一緒に
見に行きましょうよ。

いいな~ 楽しみですね。

ですが 会社としては

職員が 入居者からの遺産を
受け取る事は見過ごせません。

うちの介護が 遺産目当てみたいに
思われちゃいますからね。

それで
退職する事になったんですね。

水野くんが 自ら選んだんです。

遺産を受け取るなら
退職してほしいと言った。

そして 彼は1億を選んで
ラシックステージを辞めた。

兄さんは
ショック受けてたみたいだけど

人間だったら仕方ないって。

1億だぜ?

ねえ?
ああ…。

(富山)もう よろしいでしょうか?

打ち合わせが
まだ残ってますので。

(ため息)

(せき払い)

うん?

あっ あの…。

おい 何やってんだよ! おい…。

まったく もう…。

若おかみが
立ち聞きなんかするなよ!

立ち聞きなんかしてない。

1億って聞いたら
動けなくなっちゃって…。

それ 立ち聞きって言うんだよ。
言うね…。

うん。
(携帯電話の着信音)

(携帯電話の着信音)

はい 中川です。

水野信也の…!?

半年前 福岡県警に
行方不明者届が出されている。

出したのは 妻の水野塔子だ。

行方不明者届か…。

水野信也の届けが
出されたんですか?

ああ 半年前。

しかもね 出したの塔子ちゃん。
えっ? いやいや… どういう事?

だって 塔子ちゃんは1カ月前に

DVが原因で
旦那さんから逃げてきたのよ?

嘘だったんだよ…
昨日 俺たちが聞いた事。

いや 塔子ちゃん そんな嘘を…。

はあ… 確かめてみよう。

半年前に 行方不明者届を
出したっていうのは

本当なんだね?

はい。

旦那さんのDVから
逃げてきたっていうのは…?

本当の事を言えなくて
とっさに…。

そうだったの…。

塔子ちゃん 本当の事って?

あの人 半年前に
突然 いなくなったんです。

会社も
勝手に辞めたと聞きました。

塔子ちゃんには
なんにも言わないで消えたの?

はい。 1億円もらった事も

失踪したあとに
社長さんから聞きました。

入居者のお年寄りの遺産ね?
はい。

警察の人は 大金を持って
いなくなったのなら

本人の意思だろうって
言うんですけど

でも 私は 何かの事件に
巻き込まれたんじゃないかって…。

私に黙って

いなくなるような人じゃ
ないんです。

優しい人だったもんね。

けど 1億なんてお金
人が変わってしまうかもしれない。

はい。

だから 若おかみにも
本当の事が言えなくて…。

別府に捜しに来たのは なぜ?

あの人 中学までは
別府で育ったんです。

それに クラシックステージで
一番仲が良かった人が

湯布院に住んでいるので

何か連絡があるかもしれないと
思って…。

湯布院?

♬~

だから
捜査は警察に任せてくれよ。

塔子ちゃんの事は
放っておけないの!

ご両親を早くに亡くして
旦那さんがいなくなった今

誰かが力にならなきゃ!

そういうのを
おせっかいって言うんだ。

そうよ おせっかいよ。

ひと様を思いやれず
おかみが務まりますか!

お前
母さんみたいな言い方するなよ。

あっ なんか似てきたよ。
そっくり!

えーっ 嘘!
ねえ ちょっと…。

すいません。

ラシックステージにいらした
赤塚さんでしょうか?

(赤塚静雄)私も驚いたんです。

半年前
突然 水野くんがいなくなって。

多分 立花さんの遺産の問題だと
思いました。

何かトラブルがあったんですね?

(赤塚)水野くんが辞める前

立花さんの甥と名乗る男が
乗り込んできた事がありました。

(立花 豊)おい 水野!
(警備員)やめてください!

おい 水野 ここにいるんだろ?

そいつが おじさん騙して
無理やり 遺言書 書かせたんだ!

(富山)静かにしてください!

休んでいらっしゃるお年寄りも
いますから。

お前 誰だよ?

ラシックステージ代表の
富山と申します。

お前のとこの介護士
入居者の財産 横取りするのか?

ああ? おい!

話は ちゃんと伺いますから。

おい 水野 出せよ。
水野 出せ!

立花さんは 別府で かなり大きな
花屋さんをやっていた方で

奥さんを亡くして
子供もいなかった。

だから その甥御さんは

自分が遺産を受け取れると
思っていたんです。

ああ…。 ですが 立花さんは

介護士の水野さんに遺産を渡すと
遺言を書いた。

ええ。 社長は 水野くんに

考え直すように
言ったらしいですけど

1億ですからね。
そりゃ 目もくらみますよ。

ああ…。 そして
その1億円を受け取ったあと

水野さんは姿を消した。

まさか 奥さんを残して
いなくなるとは思いませんでした。

早く見つかるといいですね
水野くん。

そうすれば
変な奴も嗅ぎ回らないし。

変な奴?

どっかの雑誌だか新聞だかの
記者ですよ。

水野くんの行方を知らないかって
俺にまで付きまとって…。

それ…。
それ この男ですね?

(赤塚)ああ この男です。

浜谷は 水野信也の事を
追ってたんだな。

うん。

介護士が 入居者から
1億円の遺産を受け取った!

まあ これが本当なら
週刊誌のネタになっちゃうか。

そして
その取材の最中に殺された。

まさか…。

えっ?
新ちゃん 水野さんを疑ってるの?

1億円持って 姿 消したんだぞ。

もしかしたら
塔子ちゃんを捨てて

別の女と新しい暮らしを
始めてるかもしれない。

はあ!?

ねえ! 新ちゃんも
そんな事 考えるわけ? ねえ。

俺を責めるなよ! 仮にの話だよ。

仮に 秘密の生活をしていて

その居場所を
浜谷に知られたとしたら…。

もう…。
あっ ねえ 時間 大丈夫なの?

うわっ! あっ…!
おい…。

あっ 夕食の配膳…。
ああ~っ 行く!

♬~

あっ…! ハア ハア…。

着物を着て走ってはいけません。

はい。

走らなきゃならないような
時間の使い方も

してはいけません。

あっ… はい。

はあ… まだまだね。

申し訳ありません!

(荒い息遣い)

えっ?
精密検査が必要なんですか?

(春日)はい 念のためです。

では お大事に。

ありがとうございました。
ありがとうございました。

じゃあ あとは よろしく。
(看護師)はい。

あっ お義母様…。

目 覚めた? 気分悪くない?

由紀子…。
おい 由紀子! 由紀子!

何? ここにいるわよ。

私の代わりに おかみ やって…。

ええっ?

しばらくの間…。

母さん
おかみなら 美奈がいるじゃない。

由紀子… 頼むわ。

(由紀子)わかったわ。

母さんが元気になるまで
ここにいる。 ねっ。

♬~

お母様のご容体は いかがですか?

今は休んでます。

先生は
すぐにどうって症状じゃないって。

それはよかった。

それで
しばらくは このホテルに?

いると約束しました。

母は 私に おかみを
継がせたかったのかもしれません。

でも そのつもりはなかった。

はい。

わがままを言って
弁護士やってます。

弱い人の味方になりたくて?

ええ まあ…。

先生 見てれば わかります。

困ってる人の力になりたくて
弁護士を目指したんだなって。

ただ 親は大切です。

亡くしてから
それが痛いほどわかります。

カスミソウは 社長ですよね?

はい?

お母様の墓前に
花束が2つ 供えられていました。

バラとカスミソウが。

すぐにわかりました。

カスミソウを供えたのが社長で
バラは浩二郎さん。

墓にバラはないだろうって
最初は言ったんです。

だけど あいつ
そんな決まりはないって反発して

いつも バラを供えるんです。

母が本当に好きだったのは
カスミソウなのに。

2つの花束を見て

アリバイは本当なんだって
信じました。

浩二郎さんと社長は

お二人で お母様のお墓に
手を合わせていたんですね。

実は 私と母は
血が繋がってないんです。

浩二郎にとっては 実の母ですが

私にとっては 継母でした。

私の実の母が 父と離婚して

そのあとに嫁いできて
浩二郎を産みました。

そうだったんですね。

それでも 分け隔てなく
私をかわいがってくれました。

いや 浩二郎以上に
かわいがってくれたかな…。

それでも 母さんって呼べなくて

ずっと 千代子さんって呼んでた。

父を病気で亡くしてから

女手ひとつで
私たち2人を育ててくれました。

血は繋がってなくても

私にとっては
世界にただ一人の母です。

はい。

♬~

はあ…。

♬~

ああ…。

やっぱり
実の娘には かなわないな。

美奈。
母さんも気弱になってるんだ。

普段の母さんじゃない。

うん そうだね。
私も謹慎中だしね。

俺から ちゃんと言うよ。
美奈の疑いは晴れたからって。

若おかみの仕事に戻してもらう。

ありがとう。
おう。

お義母さん
早く元気になってほしいね。

ああ。

ああ… 俺も
本気で考えなきゃいけないな。

えっ? 本気で考えてなかったの?
事件の事。

違う違う 違う違う。
事件の事じゃないよ。

ほら 今まで このホテルの事は

全部
美奈と母さんに任せてきただろ。

でも 今度みたいな事になると

いつかは警察を辞めて
後を継がなければって…。

そうなの?

お義母さんは
それで喜ぶかもしれないけどさ

新ちゃん それでいいの?
う~ん…。

おーい!
ストップ ストップ! ストップ!

今度は なんだよ?

(作業員)うん? なんだ? こりゃ。

(小巻)おかみ代理!?
(小百合)そうよ。

今日から 由紀子さんが
おかみの代理よ。

(智恵子)それは
大おかみが決められたんですね。

そう。
後継者は由紀子さんで決まりね。

(3人の笑い声)

では あちらのテーブルへ
お座りください。

(由紀子)バイバーイ。 バイバイ。
ウフフフ…。

(小百合)あ~ら 由紀子さん!

こんな所に糸くずが。

あっ 気がつかなかった。
ありがとう。

何をおっしゃる 由紀子さん。

私たちは
由紀子さんを支えるために

この杉乃井ホテル
いるのですから。

(小巻・智恵子)はい!

でも ホテルの仕事って素敵ね。

お客様が
みんな 笑顔になってくださる。

法廷じゃ 子供の笑顔なんて
見られないもの。

そうですわね。

私は 由紀子さんのお帰りを
ずっとずっと待っておりました!

よろしくね。
ええ。

あっ…。
あららら… 大丈夫ですか?

もう お着物って こういうところ
機能的じゃないわよね。

制服にしたほうが
いいんじゃないかしら?

私も 前々から
そう思っておりました。

ちょっと 時代と
ズレてしまってるのではと…。

確かに ちょっとね…。

大おかみとか 若おかみとか
っていう呼び方もね。

ええ 21世紀ですから。

お義姉さんも いつまでも
若おかみって呼ばれるのは

照れるんじゃないかしら?

そうですわね。

いくつまで 若おかみと
名乗るおつもりでしょう?

オホホホホホホホホ…
オホホホホホ…。

私も それ
ちょっとだけ気にしてる…。

例の白骨遺体の手掛かりが
出たんですって?

おお これだ。

裏に名前が彫られてます。

「SHINYA MIZUNO」

水野信也…。

(2人)せーの。

(殿山の声)消えた水野塔子の夫だ。

(鐘の音)

これは…。

ご主人のものですね?

私が 一昨年の誕生日に…。

介護士
腕時計が邪魔になる時があって。

相手を抱き起こす時に
こすれてしまうからって。

それで 懐中時計か…。

これは どこに?

白骨死体が掘り出された近くに
埋まってました。

死後 約半年と推定される
白骨です。

ご主人の可能性があります。

後頭部には
殴打された痕跡が残されてました。

…殺されたという事ですか?

♬~

塔子ちゃん…。

若おかみ…。

(泣き声)

(塔子の泣き声)

♬~

お金なんていらないって
言ってました。

そう。 1億円の遺産の事ね?

はい。

断ろうと思ってるんだ。

やっぱり
そんな遺産はもらえないよ。

うん。

ごめんな。

1億あれば 塔子にも
贅沢させてあげられるのに。

いいの。
あなたらしいって思ってる。

そういうところが好きだから。

(2人の笑い声)

じゃあ。
(塔子)うん。

夜勤 頑張ってね。

おう!

だから どうしていなくなったのか
わからなくて

社長に会いに行ったんです。

あなたには
そう言ったかもしれないけど

本心とは思えないわ。
浩二郎。

だって 水野はさ…

あなたの旦那さんは
1億円 受け取ったんだよ。

本当に あの人が?

立花さんの弁護士さんに
聞いてみな。

あなたの旦那さんは
喜んで1億円 受け取って

うち 辞めたんだから。

信じられません。

他に 女でも
いたんじゃないかな?

馬鹿な事 言うな!

(浩二郎)じゃあ なんで
彼女にも 居場所 言わないんだよ。

水野くんから連絡があったら
必ず お伝えします。

よろしくお願いします…。

殺されていたなんて…。

一体 誰が…?

♬~

水野信也は 遺産として譲り受けた
1億とともに

半年前に姿を消していた。

その直後に
殺されていた事になる。

その水野を
深く恨んでいた人間がいます。

それが この立花豊。

遺言さえなければ
ただ一人の親族として

叔父である立花久雄の遺産を
受け取っていた人間だ。

水野信也に
1億を奪われたと思っていた。

この立花は
ラシックステージ福岡に乗り込んで

暴力沙汰を起こしてます。

一方で
海地獄で殺害された浜谷も

水野への1億円のネタを
追っていた。

水野殺害と浜谷殺し

この2つの殺人事件は
深く繋がってます。

立花豊を重要参考人として
手配しよう。

(捜査員たち)はい。

♬~

おお? いいじゃん。

どこ行くの?
ねえねえ ねえねえ。

やめてください!
俺 金だけは持ってるからさ。

金だけは持ってるんだよ!

(三波)現在 立花豊は無職です。

叔父の遺産を目当てにして

借金をして
遊び回っていたみたいです。

どうします?
えっ 何が?

引っ張って 事情聴取しますか。

もう少し 泳がせてみよう。
高飛びの心配はないだろう。

(携帯電話の着信音)

はい 中川です。

立花豊は
かなり危ない所から借金している。

総額で2千万近くが残ったままだ。

♬~

お待たせしました。
冷麺です どうぞ。

借金が残ってるって事は

1億を手にしてない
って事ですかね?

妙な話だな。
ええ。

1億を持って消えた
水野信也は殺され

容疑者の立花豊は
金に困っている。

という事は
その1億円 どこに消えたかだ。

♬~

(富山)「私どもクラシックステージの
介護スタッフは

全員がトップクラスの技術を
持っています」

「それ以上に
介護という職業に誇りを持ち

熱意をもって取り組んでおります」

「24時間体制で
お客様の普段のご様子を把握し

一人一人の生活にあった…」

水野!

キャーッ!

許さねえぞ!

ぶっ殺してやる!
誰かー!

水野 てめえ!

(豊)どけよ!

おいおい おい…。

はあっ…!

立花! 警察だ。

下がって!

(豊)こっち 来んな!

邪魔すんな!

(豊)ううっ…!

殺人未遂と銃刀法違反で
現行犯逮捕。

おい!
(豊)うわーっ!

うっ ううっ…!

そいつが
叔父さんの遺産を奪ったんだよ!

絶対 許さねえからな!

騒ぐな。 行くぞ!

(豊)水野!

ねえ 水野って言った。
浩二郎さんの事を水野って…。

どういう事?

あいつは 水野じゃない?

富山浩二郎
ラシックステージの開発部長だ。

はあ?

お前 本当に あの男が
水野信也だと思ってたのか?

だって
1億を受け取ったのは あいつだ

なんだと?

(豊)叔父さんの弁護士から
遺言が執行されたって聞いて

銀行に確かめに行ったんだ。

どうも
ありがとうございました。

(豊)水野! お前が水野か?

お前が水野かって聞いてんだよ!
おい!

(豊の声)1億の入った鞄を持って
出てきたのは

間違いなく あいつだった。

一昨日 あいつを見かけて

説明会に来てるっていうのが
わかったから…。

殺すつもりだったんだな?

どういう事なんだよ!
(三波)落ち着け。

あいつが水野じゃないなら

どうやって 叔父さんの1億を
手に入れたんだよ!

水野くんの代理で
受け取っただけですよ。

水野くんから小切手を預かって
それを現金に換えた。

それだけです。

あの立花豊とかいう男に
狙われていて

おびえたんでしょうね。

受け取った1億円は
どうしました?

それは もちろん
水野くんに渡しましたよ。

僕 代理で
受け取っただけですから。

現金で水野くんに渡した。

そのあとに 彼 失踪したんです。

ちょっと お聞きしますがね

あなた 先物取引
損失を出してますね?

およそ8千万。

その借金を
4カ月前に 全額返済している。

それが 水野さんが受け取るはずの
1億だったのでは?

友人が融資してくれたお金です。
水野くんとは全く関係ない。

その友人っていうのは
どちらの方ですか?

それは話す必要ないでしょう。
プライベートな事なんだから。

海地獄で殺された
浜谷が追ってたのは

社長ではなく
あなたじゃないんですか?

水野さんが譲り受けるはずの
1億を

あなたが奪ったという
疑惑を追って。

俺が?
ええ。

俺が浜谷殺したとでも
言うつもりですか?

俺 言ったでしょ?

浜谷が殺された時
杵築に兄と墓参りに行ってたって。

ですが それを証言してくれるのは
実のお兄さんだけですよ?

(ノック)
(由紀子)弁護士の中川です。

浩二郎さんと社長のアリバイを
証明しに参りました。

先生。

(由紀子)社長が
うちのホテルから車を出したのが

8時3分。

次に 杵築のガソリンスタンドで
給油をしています。

時刻は 午後8時45分。

ホテルを出てから42分後です。

支払いは 本人所有の
クレジットカードでした。

そのあと 杵築駅近くで
浩二郎さんを拾って

お墓に向かった。 そうでしたね?
はい。

浩二郎さんは 杉乃井ホテル
開かれてるパーティーには

参加していません。

浩二郎さんは

別府発7時1分 杵築着7時29分の
日豊本線に乗っています。

ちょっと…。

杵築に着いて花を買って
兄を待っていました。

富山社長と合流したあとは
どちらへ?

墓地へ向かいましたよ。

あっ でも 確か
一度 コンビニ寄ったかな?

はい 八坂のコンビニ店です。

(由紀子)時刻は 午後8時57分。

浩二郎さんは
2人分のコーヒーを買って

車に戻っています。

防犯カメラ映像だけでも
富山社長には

8時3分から8時57分まで
アリバイがあります。

浩二郎さんにも
7時1分から8時57分までの

完璧なアリバイがあります。

海地獄で 浜谷直樹さんが
殺害された時刻は?

7時から9時の間。

殺害現場の海地獄と

杵築のガソリンスタンドや
コンビニには

どんなに急いでも
片道45分かかります。

これで
2人のアリバイは成立しています。

おい ちょっと…
ちょっと待ってくれよ。

この人は 7時29分に
杵築の駅を降りたあと

すぐ車に乗って
海地獄に行ったとも考えられる。

確かに 7時29分から
8時57分までの姿は

映っていません。

だけど その間は1時間28分。

海地獄までの往復
最短で1時間半。

殺害にかける時間
どこにあるんですか?

浩二郎さんを連れて帰ります。
よろしいですね?

結構です。

行きましょう。
先生 ありがとうございます。

では 失礼します。

♬~

浩二郎さんにも?
うん。 アリバイがあったらしいの。

浜谷さんを殺したのは

社長でも浩二郎さんでも
ないみたい。

そうですか。 でも…。

でも 何?

浜谷という人の事は
私には関係ありません。

私が知りたいのは あの人を…

夫を殺した相手だけです。

(政子)ありがとう。

私の好きなものばっかり
持ってきて頂いて。

さあ どうぞ。
ありがとうございます。

いや 参ったな。

お見舞いに来て
こんな気を使って頂いて。

病人扱いしないでくださいな。

実のところ
いつだって復帰できるんですから。

ああ それはよかった。

ところで 事件のほう
どうなりました?

いや それがですね
難航してましてね…。

そうですか。

実は この新太郎めが…

いやいや
あ… あ… あの新太郎くんが

どうも悩んでいるようでしてね。
新太郎が?

ええ。
何を?

いずれは 警察を辞めようと
思っているようです。

まあ このホテルを継ぐのが
自分の仕事ではないかと…。

叱ってくれましたか?

新太郎くんをですか?

叱ってやってください!

ホテルも警察も 悩みながら
する仕事ではないって。

それは おっしゃるとおりです。

私は 命懸けで

この杉乃井ホテル
守ってきました。

殿山さんも命懸けで
この街を守っています。

いや… わ… 私は そんな…。

うじうじ悩んでる人間に

私たち2人の代わりが
できると思われては 迷惑です。

まさに そのとおりです。

美奈さんのほうが
まだ ちゃんとしています。

今は その覚悟を確かめるために
謹慎させていますけれど。

獅子は 我が子を

千尋の谷に突き落とす
と言いますからね。

私は 獅子ではありません。

じゃあ 虎で?

失礼致しました…。

今の若い人は
まだまだ 鍛えが足りません。

私も まだまだ
第一線を退くわけにはいきません。

大おかみ そのお言葉を聞きたくて
参りました。

新太郎は
私が よく叱っておきます。

どうぞ よろしくお願い致します。

これ 頂いていいですか?
どうぞ。 私 お団子頂きますから。

ああ そうですか。

(携帯電話の着信音)

(携帯電話の着信音)

はい もしもし?

「私です 水野塔子です」

♬~

(浩二郎)うわっ…!

あっ あっ ああっ…!

うっ ううっ…。

(パトカーのサイレン)

♬~

富山浩二郎…。

♬~

転落死か…。

はい。 後頭部を打っています。

石段の上に
争った痕跡がありました。

ああ…
何者かに突き落とされたか。

その可能性が強いです。

警部 これ…。

髪の毛か?

争った時に ホシの髪の毛を
つかんだんでしょうか?

関係者です。

浩二郎…!
(由紀子)社長。

大変な事に…。

失礼ですが
あちらに止められている車は

富山浩二郎さんが
所有する車ですね?

はい。

車の中を調べさせてもらいます。

殺された
富山浩二郎さんの携帯に

あなたからの着信が
残ってました。

ゆうべの10時26分

富山さんに
電話をかけていますね?

(三波)署まで ご同行願います。

♬~

富山浩二郎所有の
スポーツカーのトランクから

血痕が採取されました。

(新太郎の声)その血痕のDNAと

塚原温泉の火口で発見された
水野さんの白骨遺体のDNAが

一致しまして…。

つまり…

水野さんを殺したのは
富山浩二郎だった。

えっ…?

頭蓋骨の状態からすると

水野さんは
後頭部を殴打されて殺された。

そのあと 浩二郎のスポーツカーの
トランクに押し込められて…。

(新太郎の声)
塚原温泉の火口に運ばれ

遺棄された。

♬~

なんで あの人を…。

立花久雄さんの遺産を
自分のものにするためです。

お金のために?

(新太郎の声)浩二郎は
水野さんを言いくるめて

立花さんの残した小切手を
手に入れていた。

だから 永久に
口を封じる必要があったんです。

復讐だったの?

えっ…?

君は その事に気づいて
浩二郎を…。

違います! 私じゃありません!

なぜ 夫が殺されたのか知りたくて
電話はかけました。

でも 会ってはいません!

昨日の夜11時頃は どこに?

アパートにいました。

あの これも任意なんですけど

髪の毛を
提出してもらえませんか?

はい…。

♬~

おい 三波。
はい。

ちょっと 彼女を張ってくれ。
はい。

(三波)木下。
はい。

水野くんの奥さんが 警察に?

事情聴取されたようです。

それは つまり
塔子さんが浩二郎を…。

まだ 何も判明していません。

今は 浩二郎さんのご冥福を
お祈りするだけです。

(富山)
私たち兄弟の最後の夢でした。

ふるさとの大分に

理想の介護施設
つくりたいと思った。

母をみとった時にです。

お母様を?

金銭的に苦しくて
満足な世話もできなかった。

小さな病院の雑居病棟で

隣のベッドの声が
いつも聞こえてた。

あいつは その頃 グレていて…。

いくら呼んでも
なかなか見舞いには来なかった。

血の繋がった本当の親子なのに…。

(富山千代子)浩介ちゃん…
一つだけ お願いがあるの…。

(富山)
わかってるって 千代子さん。

浩二郎の事だろう?

俺が ちゃんと面倒見るから。

あいつさ
ちょっとすねてるだけなんだって。

違うの…。

じゃあ 何?

なんなんだよ?

一度だけ…
母さんって呼んでくれる…?

最後に 一度だけ…。

あの時
浩二郎を頼むって言われたら

どこかで
見捨てていたかもしれない。

だけど 母さんは
そんな事は言わなかった。

ひと言も言わなかった。

母さん…。

♬~

(富山の声)あの時 誓ったんです。

浩二郎は俺が守るからって…。

警察の厄介にもなって
いろいろ迷惑かけられて

馬鹿な奴だけど
たった一人の弟だった。

もう 誰もいない…。

そんな事 言わないでください。

誰もいないなんて…

言わないでください。

♬~

♬~

じゃあ 何?

塔子ちゃんの事
本気で疑ってんの?

警察の捜査に口出すなよ。

ねえ 新ちゃんも
よく知ってるでしょ。

塔子ちゃんの事は。
どんな知り合いでも

ちゃんと捜査をするのが
警察の仕事。

あっ そう。 じゃあ

塔子ちゃんが浩二郎さんを殺す
動機はなんですか? 復讐?

復讐となると
水野さんを殺したのは

浩二郎さんって事?
そういう事?

捜査情報は教えられません。
う~ん もう…。

私はね 塔子ちゃんの事が
心配でしょうがないの。

(土井)えっ!? 辞める?

(塔子)突然 すいません。
こんなにお世話になったのに…。

(土井)いや… 俺は ともかく
若おかみは知ってんの?

あんたの事を一番心配してるのは
若おかみなんだから。

はい それは わかってます…。

わかった。 ご苦労さん。

科捜研からですか?

DNAが一致した。

浩二郎の指にあったのは
水野塔子の髪の毛だ。

すぐに身柄を拘束する。

はい。
はい。

♬~

(土井)あっ…。

水野塔子さんは どちらに?
(土井)えっ… ああ…。

しまった…!

♬~

参ったな… 間に合わなかった?

じゃあ 急いで手配かけよう。
悪いけど 署に戻っててくれ。

(土井)若おかみ!
土井さん!

ハア… ハア…
塔子ちゃん いなくなったって?

突然 辞めさせてくれって。
ええっ!?

若おかみには
ちゃんと話してるって。

ううん! そんなのひと言も…。

おい 美奈!
ああ 新ちゃん…。

(携帯電話の着信音)
参ったなあ…。

あっ 塔子ちゃん。
(土井・新太郎)えっ!?

もしもし? 塔子ちゃん。

(塔子)「若おかみ…」

「いろいろとご迷惑をおかけして
申し訳ありません」

ううん。
ねえ 塔子ちゃん 今 どこ?

まだ… 何も終わってません。

「えっ?」

何も終わってないんです。

♬~

(ため息)

浩二郎殺しは
塔子ちゃんの復讐だった…?

ああ。

浩二郎の指にあった髪の毛は
塔子ちゃんのものだった。

携帯にも
塔子ちゃんからの着信があった。

殺される直前に。
う~ん…。

でも 何か変。
何が?

だってさ 塔子ちゃんの目的が
旦那さんの復讐なら

もう 全部終わってるはずでしょ?

うん。 …あれ?

じゃあ これ以上
何をしようっていうんだ…?

♬~

(携帯電話の着信音)

はい。

♬~

ごめんね 母さん。

あいつを守れなくて…。

♬~

まだ 何も終わってません。

♬~

富山社長が帰ってきていない?

(由紀子)昨日の夕方
ホテルを出たっきり…。

塔子ちゃんの言っていた
「まだ終わっていない」って言葉

もしかしたら…。
えっ 社長を狙っている…?

浩二郎が水野さんを殺した裏には
浩介がいると思ってるんだ。

社長は そんな人じゃない。
えっ?

これ 顔が
わかんないんだけど…。

えっ 何?

浜谷殺しの
2人のアリバイが成立したのは

このガソリンスタンドと
コンビニの

防犯カメラ映像が
あるからでしょ?

ああ。
ええ…。

いや ほら…。

午後8時3分
ホテルの駐車場から車が出てる。

8時45分
杵築のガソリンスタンドで給油。

で 8時57分。

コンビニで缶コーヒーを買ってる。

ねえ このガソリンスタンドの映像
もう一度 見て。

この映像だけ
顔がはっきり映ってないでしょ?

(由紀子)いや… たまたまよ。

この防犯カメラだと 運転手の顔が
はっきり映らない角度なの。

だけど クレジットカードは
社長本人の物だったから…。

いえいえ…。

クレジットカードも車も
本人の物でも

その車を運転してるのは
本人とは限らない。

でしょ? でしょ?

おい まさか…

一人2役!?

ねえ! ねえねえ…。

このコンビニでも
浩介さん 映ってない。

うん… うん うん!
えっ…。

もし ガソリンスタンドの人物が

浩介さんじゃなくて
浩二郎さんだとしたら…。

午後8時3分以降の
浩介さんのアリバイは… ない。

浜谷殺しは 浩介が犯人だった。

だとしたら…。
そうよ!

ああっ…!

塔子ちゃんが危ない!

♬~

今の…。

♬~

(電話)
はい 刑事課です。

浜谷殺しでの
富山浩介のアリバイが崩れました。

富山浩介の!?

ええ。 ガソリンスタンドに
残されていたのは

浩二郎の指紋でした。

浜谷殺しの真犯人は
富山浩介なんです。

なんだと!?

あっ それから 水野塔子に
危険が迫ってる可能性があります。

緊急配備をお願いします!
…はい。

ねえ どこに行けばいいの?

とりあえず
ラシックステージの関係先だ。

由紀子 心当たりを。
うん 今 ちょっと調べてる。

先に 車 出して!
おう!

♬~

ううっ…!

うっ…!

♬~

うっ…!

うっ…。

♬~

富山浩介の
携帯電話の位置を確認した。

原尻の滝の近くだ。

こっちも すぐに向かう。

よし 原尻の滝だ。

間に合いますように…。

美奈 そのサンバイザー下ろして。
あっ うん…。

(パトカーのサイレン)

♬~

(パトカーのサイレン)

よし。

よし! 俺が行くから
お前たちは ここで…。

おっ… おい!

俺… 俺が行くって言ったろ!
あっ ちょっと…!

美奈! ちょっと…
待てって おい!

ちょっ…。

(戸の開く音)
塔子ちゃん!?

(由紀子)塔子さん?

あっ…!? 塔子ちゃん!

いやあ…!

うっ…!
ああっ…!

ああ…! 大丈夫!?
大丈夫?

剥がすよ 剥がすよ…。

ううっ!
若おかみ…!

犯人は富山社長です。
全部 あの人がやったんです!

あの人 死ぬつもりです…。

ええっ…!? えっ!?
ちょっ…。

あと頼んだ!
えっ おいおい ちょっと 美奈…!

(由紀子)お兄ちゃん 早く!

♬~

あっ…。

ああっ!

やめてー!
富山さん!

(荒い息遣い)

塔子ちゃんを
助けてくれたでしょ!?

それが 本当のあなたでしょ?

真実を… 話してもらえませんか?

全ては 浩二郎さんを
かばうためだったんですね。

水野さんに残された1億を
奪ったのは

弟の浩二郎だったんだな。

1億を奪って 水野さんを殺した。

浜谷は
その秘密を追ってたんですね。

(塔子)本当の事 言ってください!

どうして あの人は

死ななければ
ならなかったんですか?

私も信じられなかった。

浜谷から その話を聞くまでは…。

(富山)この白骨遺体が
水野くんだって!?

ええ。

あなたの弟が 1億の遺産欲しさに
水野信也を殺害した。

その結果ですよ。 フッ…。

これは間違いない事実ですよ。

馬鹿な事 言わないでください。
ヘヘヘッ…。

だったら
ご自分で確かめたら どうです?

本当だと わかったら
ちゃんと考えてください。

弟さんと
会社の将来のお値段を…。

仕方なかったんだって。

どうしても
1億円 必要だったの。

あのやばい借金
返せなかったらさ

俺が殺されてたかも
しれないんだって。

何 言ってる…!?

警察も気づいてないから
絶対 俺の所 捜査 来ないって。

あいつだけなんだよ。

あの… 浜谷だけなんだよ
気づいたの。

あいつさえ いなければさ
俺も安全だし…。

ねっ 兄さんの夢も壊れないから。
お前は 何 言ってんだ!

このままだったら
ラシックステージ壊れちゃうよ。

兄さんが今まで
つくってきた会社…。

そんなの どうでもいい!

水野くんが どれだけ

ラシックステージの力に
なってくれたと思ってるんだ!

会社ばかりじゃない。
入居している方の力にもだ!

彼は 何人もの人を支えて…。
仕方なかったんだって!

ふざけるな!

人を殺して 仕方なかった!?

助けてよ… 兄さん…。

お前は なんて事を…。

頼むよ…。

兄さんしか いないんだ…。

頼むよ…。

一度だけ…
母さんって呼んでくれる…?

♬~

(富山の声)
どうしようもない奴だったけど

たった一人の弟だった。

母さんが産んだ…。

だから あなたたち兄弟は

2人でアリバイを作って
浜谷を殺した?

はい…。

(美奈の声)あなたは
8時3分にホテルを出た。

けれど 向かったのは
杵築じゃなかった。

浩二郎さんは
一度 杵築駅で降り

花を買うと もう一度 駅に戻った。

午後7時44分発の
別府行きに乗るためです。

(美奈の声)落ち合うのは
別府と杵築の中間点。

豊後豊岡駅

浩二郎さんの乗った電車は

7時58分に
豊後豊岡駅に到着していた。

(美奈の声)浩二郎さんは
あなたの扮装をして

車の運転を入れ替わり

あなたはタクシーで別府に戻った。

(美奈の声)ガソリンスタンドの
防犯カメラの位置も

あらかじめ調べておいて

ここまでは
浩介さんが運転しているように

偽装した。

♬~

(美奈の声)最後のコンビニでは

浩二郎さん自身が
アリバイを作る必要があった。

だから 元の服に着替えて
コンビニの防犯カメラに映った。

つまり 浩二郎は一人2役で
兄弟2人分のアリバイを作った。

ガソリンスタンドの
クレジット支払書に残ってたのは

浩二郎の指紋だったよ。

その間に あなたは別府に戻って
海地獄で浜谷を殺害した。

私たちには
その道しか残っていなかった。

(富山)明日 私の泊まってる
ホテルまで来てください。

そこで…。
ハハハッ…。

仕事のできる人は 話が早いな。

わかりました。

では 明日…。

(殴る音)
(浜谷)うわっ…!

(富山)
それで終わったはずだった…。

警察は
私たちのアリバイを認めてくれた。

どうして 浩二郎さんまで?

あなたの
たった一人の家族でしょ?

邪魔だと言い出したんです。

塔子さんまで邪魔だと…。

あの女を
自殺に見せかけて殺せば

もう いなくなった水野の事とか
誰も調べなくなるから。

なんで 彼女まで…。

さっき
電話かかってきたんだよね。

本当の事を教えてくれってさ…。
あいつ危ないよ。

いつか俺たちの秘密も気づくよ。

水野を殺した事も
浜谷を殺した事も。

でさ これ…。

あの女の髪の毛ね。

これ 浜谷の家とか職場とか
関係先に置いてくればいいから。

この間も
ぐちゃぐちゃ言いに来てさ

その時 ちょっと…。

全部 この女のせいにすりゃ
いいんだって。

お前…。

水野塔子が浜谷を殺して
で 逃げきれずに自殺した。

警察 絶対そう思うから。
警察は そんな馬鹿じゃない。

いや アリバイの時 この間
うまくいったじゃん。 ねっ。

ああ… もういいよ。

兄貴に頼まないわ。
今度 俺一人でやるわ。

おい 浩二郎!

おい やめろ…!
(浩二郎)なんだよ うるせえな。

(富山)彼女に手を出すな!
(浩二郎)離せよ!

うっ! あっ…!

ああーっ!

浩二郎…!

全てを失ったと思った。

母との約束も守れなかった。

それでも塔子ちゃんを拉致した。

呼び出したのは私からです。

本当の事を聞きたかったから。

はい。

水野塔子です。
今から お会いできませんか?

浩二郎さんを殺したのは
私じゃない。

警察は間違ってる。

何があったのか
言ってください!

私には
それを知る権利があるはずです。

浩二郎が…

水野くんが受け取ろうとした
1億円を

自分のものにしようとした。

(富山)それで…
水野くんを殺した。

あなたは 何も知らなかったって
言うんですか!?

知らなかった。 本当です!

じゃあ
浩二郎さんを殺したのは…?

2人で揉み合ってるうちに
転落して…。

私が…

自分の手で殺したかった…!

(泣き声)

ラシックステージは
水野くんの夢でもあった。

お願いします!

せめて 完成を
見させてくれませんか?

馬鹿な事 言わないで。

絶対に許さない!

今すぐ 警察に…!

や… やめて! 離して!

その時 浩二郎の
最後の言葉がよみがえりました。

全てを彼女のせいにすればいい。

あなたに罪をなすりつければ

たった一つ残った夢は
失わなくて済む。

私は 自分の夢のために

あなたに罪を着せて
殺そうと思ってしまった。

申し訳なかった…。

あの人にも… 夢がありました。

年を取って歩けなくなった人の
足になりたいという夢です。

見えなくなった人の
目になりたいという夢です。

いつか 自分も
動けなくなる時が来るから

今は その人たちの
力になりたいって…。

それが あの人の夢だった…!

それを…

それを
あなたたちが奪ったんです!

(泣き声)

塔子ちゃん…。

(泣き声)

富山浩介。

殺人容疑で逮捕する。

♬~

償ってください。
弟さんの分まで。

あなたは
生きて罪を償う責任があります。

私 あなたの弁護をします。

私に そんな価値ありません…。

弁護は
真実を明らかにするためです。

あなたのためだけじゃない。

苦しんだ被害者のためにも

真実を明らかにする事が
必要なんです。

♬~

本当に お世話になりました。

ううん。

残念だなあ。

杉乃井ホテルに戻ってくれたら
みんなも喜ぶんだけどなあ。

応援しようよ。

塔子ちゃん
水野くんの後を継いで

介護士を目指そう
っていうんだから。

はい。 あの人の夢を
受け継ぎたいんです。

きっと 水野さんも
天国から応援してるね。

はい。

フフフフ…。

今日から 大おかみとして
復帰致します。

由紀子 事件解決して
よかったわね。

うん。

大丈夫なの? 体。

これ 見て。
えっ?

あっ。 「検査結果 異常なし」。

全部 正常。 お見事です。

じゃあ あの めまい
なんだったの?

ちょっとした過労ですって。

過労…。
フフフッ…。

だったら 私は
東京に戻るわね。

お母さん元気だったら
私は必要ないんだから。

それに やっぱり 若おかみは
お義姉さんじゃなきゃね。

そうね…。
しっかり支えてもらいましょうか。

若おかみ。
は… はい!

(小百合)大おかみ!

ご回復…。
(3人)おめでとうございます!

あら! 大おかみ。
こんな所に糸くずが。

馬鹿おっしゃい。

そんな身だしなみは
致しておりません。

駄目でしたね。 役者が一枚上。

上なのは年季。
(政子)なんですって? 新太郎。

なんですって? 新ちゃん。
お兄ちゃん。

いや あの…
まだまだ頑張って頂かないとね。

健康第一で。

アハハハハ…!
お母さん。

(政子)え~ 本日は

新しいカップルの誕生の
お席となりました。

おめでとうございます。

私ども従業員一同

心を込めて
サービスをさせて頂きます。

どうぞ ごゆっくり
お過ごしくださいませ。

ピース!

ああ~ いいですねえ!
きれい きれい。

若おかみさん 来てください!
えっ そう? じゃあ…。

あっ はい。 お邪魔します。

(従業員)こっち見てください。
(一同)は~い!

(従業員)ハッピーウェディング!
(一同)ハッピーウェディング!

(カメラのシャッター音)

(上総屋清右ヱ門)金があれば…
なんでもできるんです。

〈富を得た者が最後に見るのは

金のない地獄か?
金のある地獄か?〉

(渡辺小五郎)
世の中の仕組みってのが

よくわかってねえようだな。

〈法で裁けぬ悪たちを
闇から闇へと消していく〉

(渡辺)地獄に
金は持っていけねえからな。