ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

小吉の女房 第8話 最終回 沢口靖子、古田新太、鈴木福、江波杏子、升毅… ドラマの原作・キャストなど…

『BS時代劇 小吉の女房(8)[終]「小吉、隠居して夢酔となる」』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

  1. 旦那様
  2. 麟太郎
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  8. 贅沢品
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  10. 兄上
  11. 公儀
  12. 道具市
  13. 喜八
  14. 銀煙管
  15. 旦那
  16. 長兵衛
  17. 本物
  18. 隠居
  19. 結構
  20. 女房

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『BS時代劇 小吉の女房(8)[終]「小吉、隠居して夢酔となる」』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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BS時代劇 小吉の女房(8)[終]「小吉、隠居して夢酔となる」[字]

改革の名の下に悪い役人たちの庶民いじめが横行、小吉が後見する市場も閉鎖の憂き目に。腹に据えかねた小吉はお信の助力も得て、悪い役人たちに大恥をかかす計画を企てる。

詳細情報
番組内容
後年「天保の改革」と呼ばれる粛正の時代が始まっていた。改革の名の下にたちの悪い役人たちの庶民いじめも横行、小吉(古田新太)が後見していた市場も閉鎖の憂き目に。腹に据えかねた小吉はお信(沢口靖子)たちの助力も得て、悪い役人たちに大恥をかかす計画を企てる。
出演者
【出演】沢口靖子古田新太鈴木福江波杏子升毅高橋和也高橋ひとみ里見浩太朗,【語り】春風亭昇太
原作・脚本
【作】山本むつみ
音楽
【音楽】荻野清子

 

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(かしわ手)

家内円満 無病息災。

勝家先祖代々一家一門の諸精霊
追善供養。

南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経
南無妙法蓮華経…。

うっ… よいしょ!

ああ… 嫌だわ もう…。

よっこらしょっと!

<天保9年。

前年には
長く将軍の座に就いていた家斉が隠居し

大御所政治が始まるという

幕府の一大イベントがありましたが…>

(おならの音)
うっ…。

今日も いい調子だ。

なあ 麟。
はい 父上。

(蚊の羽音)

ヤブ蚊のやつ もう出てきやがったか。

<勝家は相変わらず。

当主の小吉は 依然として無役のままで

小普請組の貧乏暮らしです>

今朝は お隣の普請の音が聞こえませんね。

隠居所の増築
取りやめることにしたそうですよ。

あら。
もう骨組みも出来上がっていたのに?

触書を はばかったのかねえ。

触書というのは?

旗本一同 贅沢は慎めというお達しだ。

「着物や道具は新調せずに
古い物を使え。

家の普請はするな。
贈答品は半分にしろ」

口やかましいこった。

あれもこれも いけないんですね。

なにも
普請の途中でやめるこたぁねえのにな。

その点 勝家は お触れに背く心配がなくて
結構なことです。

着物や道具を新調する余裕が
ありませんから。

ならば おばば殿には
まだまだ働いてもらわねばなりませんな。

何しろ 古~い物を後生大事に
長~く使い続けろというお達しですから。

何です! 人を古道具のように。

それで よいのでしょうか…。

皆が 新しいものを買わなくなったら

商いが立ち行かなくなる人が
大勢 出ますよ。

そうですねえ。

味噌でも納豆でも 売る人と買う人がいて
世の中は回っているのですもの。

武士は 質素倹約が第一。

近頃は 何事も華美に走り過ぎなのです。

でも 町方では もっと厳しい
贅沢禁止のお触れが出ているそうですよ。

料理やお菓子まで
取り締まるというのですから

少し やり過ぎなのでは…。

石原おこしが買えなくなったら
どうしましょう?

ヘヘッ あんな安い菓子まで禁じられたら
菓子屋は 軒並み討ち死にだ。

どうせ いつもの三日法度だ。
案ずることはねえよ。

<この年 奢侈禁止の触書が

旗本にも町人にも
相次いで出されました。

後に 天保の改革と呼ばれる
厳しい粛清の時代が

刻々と近づいていたのです>

♬~

「詩にいう。 楽只しき君子は民の父母。

民の好むところ 之を好み
民の悪むところ 之を悪む」。

うむ。 人の上に立つ者は
このように 民の心を思いやり

父母のような慈愛の心を持たねばならぬ。

伯父上
それでは 今のご公儀のなさり方は

「大学」の教えに
背いているのではありませんか?

何を言うのだ。 口を慎め!

贅沢を厳しく禁ずるという お触れは
民の好むところではありません。

時には 厳しく
民を教え導くこともある。

勝手放題にさせていては
世情は遊惰に流れるばかりだ。

そうでしょうか…。

よいか。
高価な品の売り買いを禁ずるのは

物価の高騰を抑え
民の暮らしを楽にするためだ。

…はい。

また 江戸の暮らしが派手になれば

農民たちが田畑を捨てて江戸に流れ込み

2年前のような米不足が起きる。

それを防ぐための綱紀粛正なんだぞ。

なれど…

世の中は 物を売り買いし
金銀が動くことで 回っています。

引き締めが過ぎると 金の流れが止まり
暮らしは ますます苦しくなるのでは?

むむ…。

ご政道のことは
そなたには まだ分からぬ!

<実は 幕府の中でも

贅沢禁止や 風俗の引き締めは

景気対策に逆効果だと
主張する声がありました。

しかし 時の老中 水野忠邦の引き立てで
お目付の上席に君臨する鳥居耀蔵

綱紀粛正の旗振り役でした。

そして この男は
賄賂とごますりが功を奏し

出世街道をばく進中です>

(せきばらい)

かねてより 触書をもって
奢侈禁令を申し渡しているが

いまだに改まらぬ。

一層の引き締めを 各所に申しつけよ。
(一同)はっ。

また 旗本でありながら 徒に町人と交わり
風紀を乱す者があれば

これも 厳しく取り締まるよう申しおく。

(一同)ははっ。

町人と交わる者か…。

あいつだ

まだ 奥にヘタが残ってますよ。
すいません。

(小声で)旦那。

おう 銀次 入んな。

ヘヘヘ… ごめんなすって。

大変です…。
長兵衛さんが お縄になりやした!

えっ!
何やったんだ?

それが…
古道具屋で贅沢品を売ったってんでさ。

贅沢品? あの長兵衛さんが?

今し方
青木と喜八が 道具市にやって来て

世話役が罪人となったからには
道具市は取り潰しだとか言いやがって…。

何?

道具市がなくなる…!?

くそっ ひでえことしやがる…。

手鎖三十日を申しつけられました。

表戸も開けるべからずと。

三十日も… お気の毒に。

やもめ暮らしだってのに
そんなもん つけられて

飯の支度は どうすんです?

私が通って 世話をしましょうか?

めっそうもない。 奥様に そんなこと…。

茶屋のお清さんにでも
来てもらおうかね。

そうさなあ。

贅沢品を売ったってのは
どういうことだい?

それが 妙な話でして…。

銀煙管を買いたいという客が
来たんですが

町触が出たばかりで

銀の物はお売りすることができないと
断ったんです。

ところが…。

ほかの店でも断られて
もう こちらしか…。

お金は いくらでも払いますから
どうぞ お願い申します。

でもねえ…。

父が… 明日をも知れぬ命なのです。

死ぬ前に銀煙管で一服したいと
申しまして…。

(長兵衛)あまりに お気の毒ですから

奥にしまってあった
うちで一番上等の銀煙管を

お売りしたんです。

それから しばらくして

喜八親分が その女を連れて
店に来たんですよ。

この銀煙管を売ったのは てめえだな。

町触に背く者は
厳しく取り締まれとの お達しだ。

(喜八)自身番まで来てもらおうか。
そ… そんな…。

ところが 女が にやりと笑ったんですよ。

喜八に雇われ 客を装って
私を ワナにはめたのではないかと…。

十手を預かる者が そんな ひどいことを?

手柄欲しさに 汚えまねを…。

(銀次)それだけじゃねえんで。

湯屋だの 髪結い床だのに
喜八の手下 潜り込ませて

贅沢品を見つけ出しては
お縄にすると脅すんです。

目こぼしする代わりに
金をせびり取るってわけで。

それでは 強請も同然ではありませんか!
う~む…。

何より気がかりなのは
道具市でございますよ。

皆 市の商いで
細々と暮らしを立てている者ばかり。

たちまち
干上がってしまうんじゃないかと…。

許せねえ…。

青木の野郎に掛け合ってくる!

いけません。 向こうは
お上の御法度を振りかざしているんです。

いくら 勝様でも うかつに手を出すと
ただでは済みませんよ。

だと言って お前 このままじゃ…。

今は 嵐が過ぎ去るのを
待つしかございませんよ。

≪なあ 妙だとは思わねえか?

ちっぽけな道具屋を ひっくくるのに
手の込んだ仕掛けまでするとは…。

旦那様がカッとなって
喧嘩を仕掛けてくるのを

待っているのかもしれません。

そうなったら 騒ぎ立てて
俺を罪に落とす魂胆だな。

ええ。

くっだらねえ町触なんぞ出しやがって…。

贅沢とは無縁な人たちを
締め上げるなんて…。

つい何年か前 向島
ぜいたく屋という店があったんです。

下駄が一両もしたんですよ。

それに比べたら 古道具の銀煙管が
何だっていうんでしょう。

ふ~ん…。 ぜいたく屋ねえ。

ええ。 何から何まで
ばかばかしいほど高いんです。

それだ!

ばかばかしい取り締まりには

ばかばかしい やり方で 仕返ししてやる。

何をなさるのです?

一泡吹かせてやるぜ。

お信 おめえも手伝え。

はい!

行くぞ。
へえ。

う~ん… うん これは 上物だ。

目が高いねえ。
紀州の銀でこしらえた煙管だ。

おう では頂こう。
ありがとうございやす。

(青木)待て!

勝殿。
奢侈禁止のお触れは ご承知でしょうな?

ああ 知ってるよ。
(青木)これは 何のまねです!

ご直参の身で 御法度を破るとは
ご公儀に対する謀反も同然!

≪何だよ!
(騒ぐ声)

ひっくくれ!
勘弁してくだせえよ ちょっと!

おとなしくしやがれ!
おい ちょっと 待ちな。

何のとがで 銀次をひっくくるんだい?

知れたことです。
贅沢品の売り買いに手を貸した。

関わったやつは みんな同罪だ!

へえ~。
でも どこに贅沢品があるんだい?

それ そこに!

ああ! これのことかい?

ハハハハハ!

簪も煙管も 銀流しのまがい物だ。

櫛は ほれ

飴細工
何っ?

これは 五十文の安下駄に色を塗ったもの。

欠け茶碗は 猫の餌入れ。

軸は ほれ 俺の女房の手すさびだ。

元手が かかってねえから

どれでも 好きな物があったら
ただで持っていっていいぞ。

ラクタを一両で売りつけたのですな!
ますますもって 不届き!

一両とは これのことかな?

これは…。

酉の市の熊手に飾る 縁起物でござるよ。

まさか
これを本物と間違える人がいるとは!

(笑い声)

では 「ぜいたく市」と書いた
あの立て札は何です!

へえ? 何だ そりゃ?

旦那 これのことですかい?

「ぜいろく」!?

(銀次)「つまらねえ物」って意味ですよ。

あ~ ひょっとして
読み違えたんじゃありやせんか?

贅沢品とガラクタを見分けられねえで
よく取り締まりができるな!

(銀次)あら? 喜八親分。

結構な物をお持ちですな。

あっ… えっ!

い… いつの間に!?

岡っ引き風情にゃ過ぎた品だ。

長兵衛が手鎖なら てめえも同罪だ!

く~っ!

初めから 我らを愚弄する気で…!
行くぞ!

どけ! くそっ!

けど 旦那…!

このままでは済まさぬ!
くっ…!

ざまあみろ!

わ~!
(笑い声)

よかった。 うまくいったようです。

見破られやしないかと ハラハラしました。

(お清)本物に見えますよ。
奥様が上手にお作りなすったから。

いいえ どれも急ごしらえで…。

近くで見たら
噴き出すような出来なんですよ。

フフッ…。
ウフフフフ!

あいつら まんまと引っ掛かりましたね。

麟太郎… 来ていたのですか?

面白そうな市が立っていると聞いたので
見に来たら

父上が 大芝居を打っておいででした。

まあ…。

ああ 胸が すっとしたぜ。

その言い方 旦那様そっくり!

(笑い声)

「ますますもって 不届き」!
(笑い声)

父上 お見事でした。
ええ。

でも これで引き下がるかしら…。

<お信の不安は すぐに的中。

小普請組支配から
小吉に 呼び出し状が届いたのです>

明日
ご支配の屋敷に出頭しろとのお指図だ。

青木のやつ
上の方に 手ぇ回しやがったな。

お叱りを受けるのでしょうか…。

まあ 褒められやしねえだろう。

銀次さんや 市の人たちは
どうなります?

あいつらは巻き込めねえ。
必ず 俺一人で片をつける。

はい。

だがな お信。 覚悟だけはしておけ。
え…。

近頃は ご公儀も
何かと やかましいから

重い処分になるかもしれない。

はい…。

そうなったら
勝の家が潰れねえように手を打つ。

何をなさるのですか?

万が一の時は 俺は腹を切るから

ご公儀には病死したと届け出て
麟太郎を跡継ぎに立てろ。

旦那様…!

なに
ご支配も その辺は飲み込んでくれるさ。

お前は騒ぎ立てずに 人に聞かれたら

「小吉は 急な病で死にました」って
言うんだぜ。 いいな。

早まったことは なさらないでください!

武士の女房が こけ未練なこと言うな。

いいえ。 まだ ほかにも
打つ手はあると思うんです。

♬~

これが お役に立つかもしれません。

これは…。

その証文を 私に。

お救い米買い付けの折に

奉行所に不正があったことの証しとなる
書き付けです。

けどな
これは おめえが書いた写しだろう。

偽物なんか使ったら
罪は もっと重くなるぜ。

違うんです。

あの… 実は

こっちが本物なんです。

へ?

申し訳ありません!
旦那様をだましていました!

あの時 お渡しした方が
私の作った写しだったんです。

え?

書き付けを返したあとで
また訴えられてはいけないと

用心のために
本物の方を残しておきました。

旦那様は 嘘が下手なので

偽物と すり替えたことは
私一人の胸に納めていたんです。

申し訳ありません!

おめえってやつは…

大した策士だぜ。

ハハッ 俺ぁ すっかり だまされたよ。
ハハハハハハ!

すいません…。

これで どうにかできないでしょうか?

一か八か 一勝負してみるか。

はい。

やっぱり 女は怖えなあ。 ハハハハハ!

その方が ぜいたく市なるものを開き

ご公儀を愚弄したとの訴状が届いている。

(石川)勝め 言い逃れはできぬぞ。

それがし ぜいたく市なるもの
全くもって身に覚えがございません。

町方の青木某という者から
訴えがあったと聞くが。

その青木某 かねてより奇行があり

その ぜいたく市なるものも
その者の思い込みではと拝察いたします。

うん?

以前も
かような書き付けを所持しており…。

深川の米問屋が 青木に渡した証文。

飢饉の折 お救い米の買い付けに
不正があったとも読めます。

これは間違いなく
青木がこしらえた偽証文。

なれど 世に出ては一大事と存じ
取り上げて 秘匿しておりました。

勝 よくぞ この品 奪い取った。

それでは ぜいたく市の件は?

ああ 乱心者の訴えなど 詮議に及ばぬ。
不問に付す。

ははっ。 ありがたき幸せ…。

いまひとつ 申し上げれば

青木め お触れを悪用し
罪なき者を罪に落とし

貧しい者のつましき市まで
取り潰させたとのこと。

相分かった。
しかるべきところに申し伝える!

ははっ!
(襖が開く音)

無罪放免とは 何故にござる!

石川… どうして ここに?

罪状は明らか。 このような無法者を
野放しにしてはなりませぬ!

お控え召されい!
ああっ!

痛…。
石川様…。

お怪我はありませんか?

<小普請組支配の内々の指示で

2年前の米買い付けの不正が
公になることはありませんでした。

しかし…>

米問屋より 二百両の賄を取ったというは
まことか。

それは… あ… その…。

な… 何と申しますか…。

ええい! まことか どうかと
聞いておるのじゃ!

<南町奉行の筒井によって
ひそかに全容解明が進められ

青木は 定町廻りから外され

奉行所の名簿を管理する
姓名掛同心の閑職に回されました>

沢水困。

八方塞がりの卦ですな。

ああ… ふう…。

あっ ちょ… ちょっと あなた 見料は?

<喜八は 十手を召し上げられ
目下のところ 失業中。

長兵衛は 手鎖を解かれ

再開した道具市にも活気が戻って
万事 解決したかに見えましたが…>

あれ? 勝の旦那は?

ああ… 今日は顔を見ませんなあ。

(彦四郎)この ばか者が!

ぜいたく市などという茶番で
ご公儀を愚弄したうえに

怪しい書き付けを持って
ご支配を脅したそうだな!

いや それは…。

もう勘弁できぬ…。

放っておけば
いずれは 男谷家まで巻き込まれて

一家一門の大事となる!

庭に 檻を作った。

性根が改まるまで入っておれ!

父上が甘やかしたのが いかんのだ。

お前のような大たわけに
座敷牢など なまぬるい!

さあ 檻に入れ!

お断り申します!

虎じゃあるめえし 誰が檻なんかに。

兄の言うことが聞けぬのか!

本所の勝と ちったあ
人に知られた顔になったんだい!

今更 叱られて 檻に入ったとなりゃ
恥の恥だ!

お主のようなゴロツキを
弟に持ったことこそ 家の恥辱だわ!

従わぬなら
以後 勝家とは一切 縁を切る!

そうですか。
そこまで おっしゃるなら 入りましょう。

だがね 一度 入ったら
出ろと言われても 死ぬまで出ねえぞ!

何!?

したいこともせずに
身を縮めて生きるなんざ 真っ平だ!

檻に入ったら最後

食を絶って死にますんで
その おつもりで!

ああ そうしろ。 骨は拾ってやる!

(お遊)お待ちなさい お信殿!

(足音)

旦那様!
おう お信。 いいところに来た。

俺は 今から
庭の檻に入って 食を絶って死ぬ。

後のことは よろしく頼むぞ。

何で 檻なんかに?

兄上のご命令だ。 是非もなしさ。

麟太郎から
兄上が激怒しておいでと伺いました。

でも これには いろいろ訳が…。

そなたは 控えておれ。

でも 旦那様は
こうと決めたら曲げないたちです。

檻に入ったら最後
本当に食を絶って死んでしまいます!

どうとも勝手にするがいい!
これまでも 好き放題に生きてきたのだ!

兄上…。

♬~

(鍵をかける音)
おい お信。 お前 何やってんだ?

この檻に 旦那様は入れません。

兄上のお怒りが解けるまで
私が ここに入っております。

おめえが入って どうすんだ。

おい 鍵 渡しな。
嫌です。

檻に入れだの 食を絶つだの

つまらぬ争いをやめてくださるまで
ここから出ません。

ばか! 俺が自分の命惜しさに
女房を身代わりにしたみたいで

みっともねえじゃねえか!
みっともないから何だっていうんです!

そんなことより 私は
旦那様の命が惜しいですから。

お信…。

だって 旦那様がいない世界なんて…

そんなの つまらないじゃありませんか!

母上? こちらですか?

あれっ?
どうなさったのです! そんな所に…。

父上が
食を絶って死ぬとおっしゃるので

母も ここで共に
食を絶つことにしました。

お順のことを頼みましたよ。

ええっ!?
伯父上 伯母上 とめてください!

夫婦そろって 兄に盾つきおって…。

どうなろうと知らぬわ!

麟太郎。
そなたは お順を連れて 家に戻りなさい。

でも…。

…分かりました。

父上と母上が 食を絶つと仰せなら
私も ご一緒します。

はあ?

親が命を捨てるのを見過ごしては

日頃 学んでいる 四書の教えに反します。

伯母上。 順のこと よろしく頼みます。

麟太郎…。

皆で集まって 何を騒いでいるのです!

おばば様…。

このありさまは… なんとしたこと!

よいところに来られた。

小吉が おとなしく檻に入ればよいものを
お信や麟太郎まで つきあうなどと…。

おばば殿からも
よく言って聞かせてくだされ。

彦四郎殿…。

浅慮にも程があります!
えっ?

お信と麟太郎までが
共に命を捨てたら

勝家は どうなるのです。

そなたは 勝家を潰すつもりですか?

あ… いや…。

旦那様 もう よいではありませんか。

勝家を潰しては
亡くなった父上に叱られますよ。

お前までが そのように…。

ならず者の弟に振り回されるのは
俺は もう たくさんだ!

兄上…。

よし 決めた。

お信。
はい。

俺は 隠居するぜ。

勝家のことは 麟に任せた。
え…?

麟は 俺に似ず 出来がいいから

勝家のためにも
兄上のお心を静めるためにも

今が いい潮時だ。

そうですね…。

それが よろしゅうございます。

父上! そのお年で隠居は早すぎます。

第一
私は まだ 心構えができておりません。

麟太郎。

案ずるには及ばぬ。

婿殿が当主となった時は

何一つ 心構えなどなく

私が 厳しく仕込んだのですよ。

はい…。

兄上。 それで よろしゅうございますか?

旦那様。

…勝手にせい!

お信 早く 檻から出よ!

はい。

あれ? ない。

ここに挟んだはずなんですが…。

何やってんだよ 早く 鍵よこせ。

急かさないでください。

やだ どこかしら?

まあ… 帯の後ろに
回ったのではありませんか?

これだものなあ。
まったく しょうがねえなあ。

財布に入れたんじゃねえのか?

やっぱり ない。

ご貴殿とは 一度 腹を割って
話してみたいと思っておりましてな。

ま… まずは 一服。

頂戴つかまつる。

奢侈禁止令の折から
質素な茶碗で失礼をいたす。

結構な品ですな。
はい。

実は 青井戸の名品でござる。

井戸の茶碗…。

お気に召したのならば
進呈いたしましょうか。

売りに出せば
まずは 五百両の値はつきましょう。

五百両…!?
ハハハ…。

いや もとはな
町の古道具屋で見つけたもの。

その時の買値は 五百文でした。

…それがしを お嬲りなさるのか。

ああ いやいや。

ラクタ同然に求めたものだが

私の目利きによれば
まこと 青井戸の逸品。

五百文の この茶碗

ご貴殿は 贅沢品と見ますかな?

フフ…。

物の値を見極めるのは
難しいものでござる。

奢侈禁止令など
ほどほどになされるがよかろう。

(ししおどしの音)
はっ…。

結構なお点前でございました。

お粗末でござった。

<…と まあ
いろいろあった数日後のこと>

麟太郎殿には 無事に家督を継がれ

おめでとうございます。
ありがとうございます。

祝いに 赤飯を炊きましたので

お届けに参りました。

それと これは…

いつもの石原おこし。

おこしとは
堅く勤めるという判じ物ですか?

いいえ。
高いお菓子には手が届かないだけで…。

(笑い声)

旦那様は 隠居名を

「夢酔」と決めました。

「酔生夢死」から思いついたそうです。

「酔生夢死」?

何も成し遂げず うかうかと
一生を過ごすという意味ですか?

はい。
「俺にふさわしい名だ」と申しまして。

フフフ… 小吉殿らしい。

うちの旦那様は
そういうところが羨ましいのでしょうね。

羨ましい?

ガミガミと 口やかましく言うのも
半分は妬ましいからなのですよ。

え?

小吉殿は 子どもの頃から無鉄砲で
周りを困らせてばかりいたのに

亡くなった父上のお気に入りでした。

うちの人は 昔から
四角四面にしか生きられないたちで。

コツコツと真面目に勤めてる兄としては
面白くないこともあったのでしょう。

あのように好き放題に生きたくとも
大抵の人は そうはいきませんものねえ。

旦那様のせいで つらい思いを…。

申し訳ありません。

私も お信さんを
羨ましく思うことがありますよ。

まさか!

私は ぼんやりですし もめ事が絶えなくて
家内円満とは 程遠くて…。

でも お信さんは
いつも楽しそうに笑ってるでしょ。

私の方こそ 姉上のようになりたいと
思っておりましたのに。

フフフ… さあ 頂きましょうか
石原おこし。

♬~

甘い…。

(笑い声)

<麟太郎が家督を継ぎ
肩の荷が下りたのか

登勢は 体調を崩し
床に就く日が多くなりました>

(せきこみ)

早く よくなっていただかないと…。

はあ… すぐに治りますよ。

まだ半人前の そなたに
家を預けて

うかうか死んでられませんからね。

そうだ 牡丹餅の小豆 水につけましたか?

あ… いけない。 すぐに やります。

まったく これだから…。

ああ… はあ…。

すいません… ぼんやりで。

フフフ… 困ったものです。

んん…。

(せきこみ)

なれど… はあ…。
(せきこみ)

なれど… 半人前のそなたの方が
私より優れてることが

一つ ありましたね。

え?

人を見る目。

そなたが惚れ込んだ小吉は

筋金入りの武士。

本物の…

男でした。

お信。

麟太郎を

立派な跡継ぎに育ててくれて…

ありがとう…。

おばば様…。

♬~

<お信たちに見守られ
登勢が 静かに息を引き取ったのは

それから 間もなくのことでした>

おばば様…。

おばば殿…。

鬼ばばあ!

おばば…。

おふくろ様~!

(小吉の泣き声)

<登勢は
小吉の長年の好敵手 意地悪ばあさん

そして 幼い頃から共に暮らした
育ての母でした>

(小吉の泣き声)

七七忌 滞りなくつかまつり候」。

<登勢の四十九日も過ぎて…>

おい 麟。 ちょっと こっち来い。

はい。

いいか。 俺ほどのばかは いねえからな

おめえは 決して
俺のまねをしちゃあいけねえよ。

はい。
そこで 歌を作った。

「気は長く 心は広く 色薄く
勤めは堅く 身をば持つべし」。

どうだ? いい歌だろう。
おめえは これで いけ。

ウフフ… 旦那様とは正反対。

では 行ってまいります。

しっかり修行しろ。

「気は長く 心は広く」だぞ。
忘れるな。

はい。

行ってらっしゃい。

なあ お信。
今の歌 紙に書いて貼っておけ。

あいつは 俺に似て かんしゃく持ちだから
カッとなった時の戒めだ。

はい。 でも…。

何だよ?

私は 麟太郎に 旦那様のような男に
なってもらいたいのですが。

ばか言え。

俺なんざ 最も悪い手本だ。

こんな亭主を持って おめえも苦労だな。
ええ。

でも 旦那様といると楽しい。

(銀次)旦那!
(走り寄る足音)

道具市で また変なのが暴れてやす!

おう 分かった!
じゃあ お信 行ってくるぜ!

(走り去る足音)

隠居しても ちっとも変わらない。

<麟太郎こと

後の 勝 海舟は

父 小吉のことを
こう書き残しています。

「父は 人となりが大まかで
物事に こだわらず

いったん 引き受けたことは
必ず やり遂げる人だった」。

そして 母 お信のことは

「書をよくし
国家動乱の折にも 慌てず騒がず

私のすることを
黙って見守っていてくれた」>

「小吉の女房」。

うん これでいい。

(鳶の鳴き声)

(鳶の鳴き声)

<幕末の英傑 勝 海舟。

彼を育んだのは

名もなく 貧しく けれど いつも朗らかで
一本 筋の通った生き方を貫いた

勝家の家族でした>

♬~