ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

森村誠一ミステリースペシャル 荒野の証明 片岡鶴太郎、高島礼子… ドラマの原作・キャストなど…

森村誠一ミステリースペシャル「終着駅牛尾刑事50作記念作品~荒野の証明」』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

  1. 脇田
  2. 山名
  3. 由香
  4. 写真
  5. 会社
  6. 古川紡績
  7. 浅野
  8. 二課
  9. 社長
  10. 江頭克己
  11. 牛尾
  12. 警察
  13. 主人
  14. 克己
  15. ホテル
  16. 関係
  17. 仕事
  18. 竹内由香
  19. 恐喝
  20. 山路

f:id:dramalog:20190127230644p:plain

森村誠一ミステリースペシャル「終着駅牛尾刑事50作記念作品~荒野の証明」』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)&EPG情報(出典)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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森村誠一ミステリースペシャル「終着駅牛尾刑事50作記念作品~荒野の証明」[解][字]

終着駅の牛尾刑事50作記念!!森村誠一原作の人気シリーズ最新作!!
片岡鶴太郎演じる牛尾刑事と対峙する敏腕女性刑事を高島礼子が熱演!!

詳細情報
◇番組内容
大手企業の創業記念パーティーで男性の絞殺遺体が発見される。捜査を開始する新宿西署の刑事・牛尾正直(片岡鶴太郎)のもとに、本庁から経済事件を担当する捜査二課の関川響子(高島礼子)が乗り込んできて合同で捜査することに。秘密主義の二課に困惑しながらも捜査を進めると、企業を左遷された山名功(中村俊介)と失踪したホステスの存在が浮上し…。
◇出演者
片岡鶴太郎
高島礼子中村俊介原日出子、菅原大吉、徳井優秋野太作岡江久美子
◇スタッフ
【原作】森村誠一
【脚本】坂上かつえ
【監督】池広一夫
◇おしらせ
番組HP
 http://www.tv-asahi.co.jp/prime-sun/

 


(牛尾正直)
〈人は 弱い生き物です〉

〈だから集い 群れを作ります〉

〈家族 友人 社会…〉

〈助け合い 安心で幸福な人生を
送るために〉

〈しかし 一方で
人との関わりは

思いもつかない感情を
生み出します〉

〈蔑みや怒り 憎しみ

そして 時には殺意まで…〉

〈その夜も 新たな事件が ここで
幕を開けようとしていました〉

(江頭啓造)「我が古川紡績は

私の祖父が始めた
小さな繊維工場が前身で

この せがれの代で
4代目になります」

「今年で 創業以来88年

従業員50名足らずで始めた
小さな繊維工場は

今や 世界的企業に
成長しました」

「12年後の2030年には

我が社は100周年という
大きな節目を迎えます」

「それまで頑張って 長生きをして

創業100周年記念パーティー
開きたいと考えております」

「どうか 今後とも よろしくお願い
申し上げる次第でございます」

(シャッター音)

(拍手)

(克己)「ええ…
父は 体の事がございますので

いったん 控室に戻ります。
皆様は しばし ご歓談ください」

「本日は 大勢お越し頂き
ありがとうございます」

「社長の江頭克己です」

「これから 我が社が
ますます発展し

生き延びていくには…」

12年も 今の体制が続くと 本気で
思ってるのかね あの狸親父は。

まあ 自信が
おありなんでしょうね。

「我が古川紡績
宇宙産業への進出を…」

(平岡)問題は 後継者だよ。

そこが わかっとらん…。

(克己)「日本でも 新たな産業の
柱として成長させるべく

国を挙げた計画が
進められています」

(平岡)あれ…
開発部にいた山名じゃないか?

そうですね…。

今夜は来ないと思ってました。

(克己)
「世界に誇る地位を確立し…」

♬~

ピラフ食べましょう。
いいね。

じゃあ 行こう。
はい。

(小島)あの… 脇田さん?

いらっしゃいませんか?

(ノック)
脇田さん?

開けますよ?

失礼します…。

♬~

(パトカーのサイレン)

(大上刑事)死因は窒息死です。

両手で一気に絞められてますね。

場所も場所だし
衝動的な犯行でしょうね。

被害者は 今夜のパーティー
出席者なのか?

(大上)はい。 取引先の会社の
渉外部長だった人です。

「脇田典幸 57歳」

「現住所は 長野県千曲市

千曲?

会社は
半年前に辞めてるんですよ。

千曲は故郷だそうで。

辞めた会社の
取引先のパーティー

わざわざ
千曲から上京してきたのか?

いえ 発見者が
脇田さんの元部下なんですが

その彼の結婚式の仲人を
頼まれていて

その打ち合わせで来たそうです。

このパーティー
ついでみたいで…。

(海野鑑識係)すいません。
所持品は これで全部です。

残りは 宿泊先のホテルでしょう。

ホテルは わかってるのか?

南口のホテルです。
今 山路さんが行ってます。

♬~

今夜のパーティーの写真だな…。

これは… 昼間撮った写真か?

その人が
発見者の小島さんです。

女性は… 婚約者ですかね。

(山路刑事)ああ… モーさん。

脇田は ここで 誰かと会う約束を
していたらしいぞ。

えっ?
(西谷刑事)8時頃から1時間ほど

脇田の帰りをロビーで待ってた
男がいるんです。

どんな男だ?
名前は わからんが

フロントの話だと 40代ぐらいの
サラリーマン風の男だそうだ。

伝言なんかは残してないのか?

特には。 脇田のほうからも
電話一つなかったようだな。

♬~

(脇田琴江)
本当に 主人なんでしょうか?

(琴江)はい…。

今日は もう足がありませんので
明日の一番で…。

(電話を切る音)

♬~

(電話)

もしもし?

(パトカーのサイレン)

(山路)捜査二課…? 本庁の?

(坂本課長)うん。

こっちの殺しの帳場に
出張ってくるらしい。

協力して捜査に当たるようにと
署長からのお達しだ。

それにしても
なんで 二課が?

詳しい事は 私も…。

ただ 二課の第三知能犯らしいから
どうも 今度のヤマは

そっちの事件が
絡んどるんじゃないかな…。

詐欺とか汚職ですか?

なんにせよ
やりにくい話だよ。

二課というのは 徹底した
秘密主義を貫く集団ですからね。

まあ 協力し合って
やるしかないだろう。

頼むぞ!
(一同)はい!

(後藤修史)失礼します。

捜査二課の後藤といいます。
よろしくお願いします。

(野島 保)同じく野島です。

新宿西署 刑事課の…。

(関川響子)
捜査二課 第三知能犯捜査係

係長の関川です。

捜査に参加させて頂きます。
よろしく。

現場は 古川紡績本社ビル
8階のトイレです。

防犯カメラは
1階玄関と社員用通用口

また
各階エレベーターホールに設置。

確認したところ
通報から警察の到着まで

社屋を出た人間は
一人もおりません。

つまり 犯人は犯行後も

社屋内にいた可能性がある
という事だな。

はい。 配布したのは
パーティー出席者の名簿です。

(響子)被害者の脇田氏と
古川紡績との関係は

どの程度
把握できているんですか?

あっ… それは さっき
説明があったようにですね

古川紡績と取引のある
ピノキオという

事務機器レンタル会社の…。

いえ… それは
もちろん わかっているんです。

脇田氏個人と古川紡績の誰が
通じていたか わかりませんか?

「通じていた」というのは?

ピノキオを退職したあとも

古川紡績とは
パイプがあったはずなんです。

いや それは…。
脇田さんの元部下の話では

脇田さんが
古川紡績を担当していたのは

随分昔だという事ですから。

その元部下という人の名前を
教えてください。

あの… 関川係長。

質問の意図が
見えないんですけど。

恐らく 二課の案件に関連しての
ものだとは思うんですが

そこは一つ
我々にも きちんとわかるように

説明してもらわないと。

脇田殺しは 二課のどういうヤマと
関連してるんですか?

詐欺ですか?
それとも横領ですか?

申し訳ありません。
お教えできません。

いやいや いやいや…
殺人事件の帳場ですよ ここは。

我々の事件の性質上
守秘義務が原則なので

ご理解ください。
ほう! つまり それは

こっちの情報は欲しいが
そっちの情報は やらんと。

どう取って頂いても結構です。

ですが
我々二課が動いている事は

決して 外には漏らさぬよう
お願いします。

♬~

早速ですが
最近の脇田さんについて

何か気になる事がありましたら
どんな事でも結構ですので…。

はい…。

でも 特には…。

例えば 金銭のトラブルなどは
ありませんでしたか?

なかったと思います。

うちのお金の事は
私が管理しておりますが

変わった事は 何も…。

脇田さんは
千曲に越されてからも

度々 東京にいらしてたんですか?

いいえ。
越して4カ月になりますが

東京へ出たのは
昨日が初めてです。

じゃあ 逆に 東京のほうから
脇田さんを訪ねて来た人は?

小島さんが
仲人を頼みに来たきりです。

あの… ゆうべ 主人が

ホテルで会う約束を
していた方なんですが…。

ええ。

山名功さんと
おっしゃる方でした。

刑事さんからお電話を頂いた
すぐあとに

ご本人から連絡がありました。

もしもし?
(山名 功)「山名といいます」

ご主人とは どういう?

まだ東京におりました頃に
お付き合いがあった方だとか。

古川紡績の方だそうです。

古川紡績…。

(大上)浅野さん! ゆうべは
ありがとうございました。

ああ… どうも。
(大上)専務の浅野さんです。

ゆうべ 現場で。
新宿西署の牛尾です。

ああ どうも…。 人事課に
いらっしゃったんですか?

ええ。 山名功という
社員の方の事で ちょっと…。

山名?

事業開発部にいた
山名くんの事ですか?

ご存じですか?
もちろんですよ。

ええ… 彼が何か?

実は 殺された脇田さんと
お知り合いだったようで

少しお話を伺いたいと
思いまして。

山名くんが…?

ああ… どうぞ
おかけください。

失礼します。

殺された人と…。

ちょっと 参考までに
お聞きするだけなんで。

山名くんと殺された人は

一緒に
パーティーに来てたんですか?

私が見かけた時は
彼一人でしたが…。

山名さん
パーティーに出てたんですか?

ええ。 まあ 遠目でしたが…
うん 確かに彼でした。

そうですか…。

先ほど 山名さんは事業開発部に
いたとおっしゃいましたが

今は?

今はですね… まあ
関連企業に出向しております。

♬~

出向って ここですか…。

これ 左遷じゃないですかね?

(赤塚敏子)課長。

刑事さんが来てますよ。

(山名)ええ… パーティーには
一応 顔は出しました。

脇田さんとも会ってます。

(大上)じゃあ なんで わざわざ
宿泊先のホテルにまで行って

脇田さんの帰り
待たれたんですか?

(山名)2人だけで
飲みたかったんですよ。

脇田さんも
連れの人に挨拶をしたら

すぐにホテルに戻ると
おっしゃったんで

先に会場を出ました。

あなたと脇田さんとは どういう?
やはり お仕事の?

いえ 僕たちが出会ったのは

脇田さんが
会社を辞めたあとなんです。

(山名の声)その頃 僕は
ここに異動になったばかりで

毎朝 出勤前 コーヒーを飲むのが
日課になっていました。

その店に
やはり 毎朝通っていらしたのが

脇田さんなんです。

何か話すでもなく ただ毎朝
顔を見かけるだけでしたが

たまに姿が見えないと
妙に気になって…。

ある日
仕事の帰りに酒を飲んだんです。

その夜 無性に酒が欲しくて

2軒目の店に入ろうとした時…。

(山名の声)その晩
初めて自己紹介し合いました。

意外にも 仕事で繋がりが
あったと知って驚きましたが

それ以上に
一緒に飲めたのが嬉しかった。

(脇田典幸)
ファインダーをのぞいてると

仕事の事しか
頭になかった時とは

全く違った人生が
見えるんですよ。

でも その時 すでに脇田さんは

故郷の千曲へ帰る準備を
されていて

結局 それが
最初で最後になりました。

そうでしたか。

で そのあとは?

特に交流はなかったんです。

それが 昨日の昼間
突然 電話があって

古川紡績のパーティー
顔を出すので

そこで会わないかと
誘われたんです。

じゃあ 急な誘いだったんですか?

ええ。
もちろん 嬉しく思いましたが

僕には居心地のよくない
場所だったもので…。

それで先に会場を出ました。

(敏子)課長 お電話です。

(山名)すいません
ちょっと失礼します。

竹内さんの妹さん
やっぱり なんかあったんですか?

はい?

あら 違うんですか?
やだ ごめんなさい。

竹内さん
課長にも相談してたみたいだし

刑事さんって言うから
てっきり…。

竹内さんというのは?

販売の子。
愛ちゃんっていうんだけど

その妹さんがね
行方不明なんですよ。

(敏子)
あっ あの子。 あの子の妹さん。

(江頭)くだらんコマーシャルに
金をかけるくらいなら

どうしてセキュリティー
もっと金をかけんのだ!

(克己)セキュリティー
十分やってますよ。

(江頭)だったら
こんな事が なんで起こるんだ!

全く成長しとらんな お前も。

その年になって 嫁も取らんと。

お前 何かあったのか?

ここのところ落ち着きがないし
何があった?

何もないですよ。

どこへ行くんだ!

妹さんと
連絡が取れなくなったのは

いつからなんですか?

(竹内 愛)10日ぐらい前からです。

妹さんのマンションの
近くの警察には

1週間前に行方不明者届を
出したらしいんですが…。

どこの警察ですか?

高輪北署です。

妹さんの勤め先は?

銀座にあるアフロディーテ
っていうクラブですけど

そこでも
わからないって言われました。

妹さん クラブ勤めですか。

元々はモデル志望なんですけど…。

私とは生活時間も違うし

普段は
あんまり連絡しないんです。

あっ 妹さんの部屋には
行ってみたんですか?

あっ… 僕が一緒に行きました。

山名さんが?

はい。 怖くて
一人では無理だと言うんで…。

いや なんか よくない事が

起きてるんじゃないかって
怖くて…。

(愛の声)あっ でも
部屋は きちんとしてました。

争った跡とか
そんなのもなかったですし…。

♬~

(山名)これが妹さん?

そうです。

では 私たちは これで。
また伺うかもしれませんが。

旅行会社には電話したのか?

(牛尾澄枝)うん。

キャンセル料は?

大丈夫。 まだ2週間も先だもの。

悪かったなあ。
楽しみにしてたのに。

しょうがないわよ。
もう慣れちゃったし。

事件が終わったら
必ず埋め合わせはするよ。

いいのよ。
あなたのせいじゃないんだから。

♬~

それにさ 定年になったら
どこにでも行けるんでしょ?

連れてってね いっぱい。

ほら。
ん? あっ… ありがとう。

楽しみにしてるわよ。

昨日から
ずっと考えてたんだけど

やっぱり
警察に全部話してみよう。

ここで あれこれ想像してても
仕方ないし…。

無駄ですよ そんなの。

妹は もう
この世にいないと思います。

駄目だよ 悲観的になっちゃ。

悲観じゃないです。

別に私

妹に戻ってきてほしいなんて
思ってませんから。

(山名)
何かあったのか? 妹さんと。

(愛)フフッ…。

昔 彼氏を取られちゃったんです。

しかも 妹は3カ月で
その人を捨てちゃって。

ひどくないですか?

子供の頃から かわいくて
周囲に ちやほやされて。

母が早くに亡くなったせいで
父には溺愛されて育ったんです。

で 私は
お前は お姉さんなんだから

我慢しなさい! なんて
父から言われまくって…。

何? その扱いって感じ。
ハハハ…。

だから 中学に上がる頃には
私を馬鹿にするようになってて。

そんな妹が どうなろうと
本当は どうでもいいんです。

しかし…。

嫌な女ですよね 私は…。

でも 山名課長なら
わかってくださると思うんです。

存在を蔑ろにされた悔しさは
ご存じだと思うから。

(愛)知ってますよ。

人事異動の事情も
奥さんと別れた理由も。

エリートじゃなくなった途端に
別れてほしいって

馬鹿にしてますよね。 フフッ…。

♬~

本当は僕だって
言いたい事は山のようにある。

けど 所詮は負け犬。

遠吠えが むなしいばかりだ。

負け犬は
野犬になる事もありますよ。

いっそ…。

野犬になりません?

♬~

高輪北署か?

はい。
一応 問い合わせてみたんですが

今のところ
事件性は認めていないみたいです。

じゃあ こっちのヤマとの関連は
なさそうだな。

高輪北署じゃ 銀座のなんだっけ?
アフロディーテか。

聞き込みまでは
してないんだろうしな。

アフロディーテ
どうしたんですか?

その店で何があったんです?

アフロディーテ
ご存じなんですか?

どうやら 二課は
その店に注目していたようですね。

今の話 どういう事ですか?

ですから
こっちの情報を求めるなら

そっちの情報も
提供してもらわないと

不公平でしょ。

二課は どんな理由で
銀座のクラブに目をつけたんですか?

それは この前もお話ししたとおり
お答えできません。

この先 その店に
聞き込みに行かれる予定ですか?

行かざるを得ないでしょうね。

二課が目をつけたとなると

我々の事件にも関連がある
という事でしょうから。

なら あくまでも

殺人事件の捜査の一環だ
という事で

我々二課が動いている事は

間違っても気取られないように
お願いしたい。 よろしいですね。

ヘヘヘッ… まるで バレたら
殺しかねない勢いですね。

殺すかもしれませんよ。

なんだって!?
冗談のつもりかもしれませんがね

秘密保持も ここまでくると
笑えないんですよ!

ヤマさん!
おい やめんか 大人げない。

(山路)いや 大人げないのは
そっちですよ! ちょっと!

(真奈美)ありがとうございました。
ありがとうございました。

すいません。

のちほど お時間頂けませんか?

こんな場所で申し訳ないです。

フフフッ…。
銀座のホステスだからって

毎晩 お寿司ばかり
食べてるわけじゃないわよ。

で 何が聞きたいの?

ホステスの
竹内由香さんの事なんですが…。

んー… 由香ちゃん?

そういえば
彼女 ここしばらく来ないわね。

もしかすると
辞めちゃったのかもね。

辞めた?

気まぐれな子でね
ママも最近 匙投げてたのよ。

しょっちゅう休むし
連絡も来なかったりするし。

由香さんは いつ頃から
勤めてたんですか?

8カ月くらい前からかな。

(真奈美の声)それなのにさ

あっという間に
ナンバー1になっちゃって。

由香さんを ごひいきにしてたのは
どういう方たちですか?

(真奈美の声)そりゃもう大勢。

でも 一番ご執心だったのは
古川紡績の社長さんかな。

あの子には
だいぶ貢がされたんじゃない?

(山路)古川紡績の社長
江頭克己?

なるほど そういう事か。

まさか 二課が追っとるのは…。

♬~

二課のターゲットは
古川紡績社長の江頭克己ですか?

アフロディーテ
行かれたそうですね。

聞き込みの成果は
ありましたか?

我々にとっては わかりませんが

あなた方に対しては

多少の情報提供は
できると思います。

♬~

おはようございます。
どうなさいました?

失礼します。

♬~

江頭克己は

あの店のホステスで
現在 行方不明の竹内由香に

だいぶ入れ上げてました。

ブランドもののバッグや宝石…

中には
1000万近い指輪もあったそうです。

しかし 二課は

まさか その金の出どころを
追ってるわけじゃないでしょう。

たかが 女への貢ぎ物に

大企業の社長が
会社の金を流用するとは

考えにくい。

では
あなた方は何を追ってるのか?

私なりに考えてみましたが…
わからなかった。

関川さん。

あなた方が 二課の刑事として
徹底した秘密主義を貫く事に

異論はありません。

しかし
私たちも殺人捜査の刑事です。

捜査のために
あなた方を裏切る可能性もある。

下手をすると お互いに
邪魔をし合う事にもなりかねない。

あなたがおっしゃった
「殺すかもしれない」というのは

そういう事でしょう。

お互い 殺し合わないために

そろそろ 情報を共有し合っても
よいのではありませんか?

♬~

3週間ほど前 我々のところに

古川紡績の社長 江頭克己の
特別背任行為を密告する

匿名の文書が送られてきました。

不正に会社の資金を操作し

私的に流用している
というものです。

でも 具体的な内容は
書かれていなかった。

恐らく 密告者も 詳細な内容は
つかめていなかったのかと

思われます。

そこで 我々は
ひそかに内偵を始めました。

そんな矢先 古川紡績の本社で
今回の事件が起こったんです。

当然 我々は
密告文との繋がりを疑いました。

殺された脇田氏が
密告者ではなかったのかと。

二課では

江頭克己が 銀座のアフロディーテ
通い詰めている事は

知っていました。 ですが

竹内由香さんの失踪事件までは
知らなかった。

そういった意味では

牛尾さんの情報は
私には役に立ちました。

情報を共有し合えれば
それに越した事はありません。

ですが 我々が追うのは
見えない犯罪です。

こちらの動きを相手に知られ
証拠を隠滅され

捜査そのものが続行不可能になる
という事が よくあるんです。

せめて

江頭克己の尻尾をつかむまでは
慎重の上に慎重を期したかった。

いろいろ不快な思いを
させてしまったかとは思いますが

捜査の性質上
やむを得ない事だったと

ご理解ください。

では

江頭克己の背任行為というのは
まだ闇の中の話ですか?

私も
牛尾さんがおっしゃるとおり

古川紡績の社長が

ホステス一人のために
会社の金を流用したとは

考えていません。

しかし 密告文が本物なら

かなりの額の不正な金が
動いているはずです。

なるほど。

脇田の殺人事件が無関係とは
確かに思えんな。

(大上)ホステス失踪の件も

何かしら関わってるのかも
しれませんね。

(西谷)じゃあ 脇田を殺したのは
古川紡績の社長…。

実際に手を下したかどうか
わからんが

誰かを雇った可能性もあるからな。

♬~

(携帯電話の着信音)

もしもし。

(後藤)「係長 江頭家の様子が
どうもおかしいんですよ」

30分ほど前に
郵便物が届いた直後から

家の中が慌ただしいんです。

さっき
浅野専務が自分の車で来て…。

(後藤)「慌てた様子で
江頭家に入っていきました」

「そして
たった今 家政婦が出てきて

門扉に
水色のリボンを結んでいきました」

水色のリボン?

(後藤)今 江頭社長と浅野専務が
出てきました。

浅野の運転で
どこかに行くようです。

尾行して。
(後藤)了解しました。 追うぞ。

♬~

江頭社長が動き出したようです。

(後藤)「江頭家の口座から
5000万の大金が引き出されました」

5000万?

(後藤)「使い道は別荘の購入だと
銀行には言ったようですが

現金で5000万を支払うというのは
ちょっと解せません」

わかりました。 引き続き
張り込みを続けてください。

何か起こってますね 江頭家に。

行ってみましょう。

あくまでも
脇田さん殺しの捜査の過程で

失踪したホステスと
江頭克己の関係を知った…。

そういう体で探りを。

私を 牛尾さんの後輩という事で
同行させてください。

課長。
お願いします。

この間の殺人事件といい…
どうもおかしい。

お前は 本当に何もしとらんのか?
(克己)してませんよ!

しかし 会長

一度 金を払うと
際限がなくなりますよ。

それでも よろしいんですか?

他に方法があるのか?

(好子)あの… 警察の方が…。

牛尾さん…!

(響子)江頭社長は

失踪した銀座のホステスと
大変 懇意だったそうですね。

どういうご関係だったんですか?

どういうって…
ただのホステスと客としか…。

(響子)それにしては
随分ご執心だったようで。

ただの遊びですよ!

警察に とやかく言われる事じゃ
ないでしょ。

おっしゃるとおりです。
ですが これも仕事でして。

ところで
門に結わいてある水色のリボン

あれは
何かの おまじないですか?

あれは 別に…。

誰かが いたずらでもしたんじゃ
ないですか?

(響子)いたずらなら
どうして外されないんです?

だから 知らないんですよ!
(江頭)もういい!

おい あれを見せてやれ。
(浅野)えっ…?

どうせ 女との関係がバレとるなら
恐喝にはならんだろ。

乗る必要はない。 見せてやれ。

今朝 社長宛てに届いたものです。

♬~

「一緒に写っている女性は

行方不明になった
竹内由香というホステスだ」

「お前が失踪に関わっている事は
わかっている」

「警察に知られたくなかったら
五千万を用意しろ」

「同意なら
門に水色の布を結びつけろ」

「以後の事は 追って連絡する」

(江頭)息子は 確かに
その女と深い関係だったようだ。

しかし
失踪事件とは無関係だと言っとる。

そうだな?

嘘じゃないですよ。
本当に知らないんです。

(江頭)ただ…

女の失踪が 何か事件絡みなら
放っておくわけにはいかん。

警察に
痛くもない腹を探られても困るし

とりあえず 金を渡して
相手を黙らせるつもりだった。

写真は7カ月前の日付ですね。

ホテルは どこですか?

神戸のホテル・カメリアルです。

(江頭)ここまで警察に話した以上
もはや 金を出す理由はない。

今後 何を言ってきても
放っておけ。

乗って頂けませんか?

この送り主を押さえるためにも

あえて
恐喝に乗って頂きたいんです。

関川さん それは…。

私が責任を持ちます。

(浅野)いや 困ります!
会長がおっしゃったとおり

もはや
恐喝に乗る必要ありませんから。

そうだよな。

万が一 金を奪われたら
馬鹿馬鹿しい。

それは 私たちが必ず阻止し
犯人を逮捕します。

いや ですが
こんな事は…!

いや いいかもしれんぞ。

会長…!

我々を恐喝するような輩には
制裁を加えるべきだ。

それに
見えん敵をはっきりさせたい。

協力しましょう。

その代わり
必ず 敵を捕まえてくださいよ。

もちろんです。

いやあ…。

いや
今回 私は参りました。

古川紡績は
いわゆる同族会社ですね。

それなりの
ご苦労があるんでしょうね。

まあ…。

良くも悪くも
身内意識が強く出ますからね。

私のような叩き上げから見ると

どうしてって思うような人事でも
まかり通ったり…。

この前 話に出た山名くんが
いい例ですよ。

いやあ… 彼は 本来なら

もう とっくに
取締役になっててもいいのに…。

(浅野の声)彼が立ち上げて
成功へ導いた事業は

今や
我が社の主要産業になってます。

まさに 将来を嘱望された男
だったんですが…。

ある日 突然 グループの末端に
追いやられてしまった。

何があったんです?

(浅野の声)
メディアが 彼の事を ある種

会社のスポークスマン的扱いで
何度も取り上げました。

次の古川紡績を動かすのは彼だと

必要以上に持ち上げるメディアも
あったんです。

山名くんは 功名心からではなく

会社のためを思って
メディアに露出した。

しかし それが

会長たちの逆鱗に触れたわけです。

ただの使用人のくせに
いい気になるなってとこですかね。

(ため息)

そんな事があったんですか…。

(浅野)会社っていうのは
合理性の結晶のはずなんです。

ですが 実際は…。

フッ。

不条理の塊ですよ。

(チャイム)

(好子)「はーい!」

江頭克己様にお届け物です。

(携帯電話の操作音)

(シャッター音)

送り主は失踪したホステスですね。

由香が!?

(克己)
「明日九時に五千万を持って

井の頭公園のボート乗り場まで
来い」

「あとの事は
この携帯電話に連絡する」

すぐに準備にかかります。

今夜 もう一度お伺いしますが
いったん これで。

これは
ここで受け付けされたそうですが

荷物を持ち込んだ人物
わかりませんか?

ああ 中学生です。
中学生?

はい。
発送者の名前が女性だったのに

学校帰りみたいな男の子が
持ってきたから

覚えてるんですよ。

(浅野)牛尾さん!
ああ…!

どちらに行かれるんですか?
署に戻ります。

では お送りしましょう。

私も 会社参りますので。
そうですか。

どうぞ どうぞ。
恐れ入ります。

ご自分で運転されるんですか?

会長に呼ばれた時は
まだ自宅で…。

それに
今度の事は一切秘密ですから。

♬~

これで
この鞄が どこへ移動しようが

私たちは リアルタイムで
居場所がわかります。

本当に
こんな事で大丈夫なんですか?

犯人とのやりとりは

そのマイクを通して
全て把握できるので

ご安心ください。

♬~

A班 B班 それぞれ
井の頭公園に到着した模様です。

C班は 遊撃班として
吉祥寺通りにて待機中。

♬~

♬~

♬~

(着信音)

(ボイスチェンジャーの声)「車を止めろ。
車を止めるんだ」

ゆっくり追い越して。
(後藤)はい。

♬~

(ボイスチェンジャーの声)
「行き先は池袋に変更だ」

池袋…?

(ボイスチェンジャーの声)
「サンシャイン下の中央公園だ」

「車を捨てて
タクシーに乗り換えろ」

♬~

(携帯電話の着信音)

(野島)はい 野島です。
(響子)「指定場所が変わった」

「マルタイは タクシーで
池袋中央公園へ向かってる」

(野島)了解。
場所変更 池袋中央公園だ。

♬~

(物音)

(携帯電話の着信音)

はい。

(ボイスチェンジャーの声)
「JRで上野へ向かえ」

上野!?

不忍池
弁天堂前の天竜橋で待つ」

「長くは待たん。 急げ」

♬~

(パトカーのサイレン)

♬~

(携帯電話の着信音)

はい。
(ボイスチェンジャーの声)「到着したか?」

ああ…。 どこに行けばいい?

不忍通りの根津ホテルだ」

「406号室で待つ。 11時までだ」

「遅れた時は 次の手段を考える」

次の手段って…?

「お前の犯罪を裏づける
決定的な証拠を

警察に届けるという事だ」

あんた 誰なんだ? なあ…。
誰なんだよ!?

「急げ。 時間がないぞ」

(電話の切れる音)

♬~

後藤と野島は一緒に来て。

他は ホテルの出入り口を固めて。
(一同)はい!

(エレベーターの到着音)

♬~

(ノック)

♬~

♬~

あの… 突き当たりの右手が
406号室です。

お願いします。
(響子)大丈夫です。

あの部屋。
(野島)はい。

オッケーです。

(後藤)係長。

♬~

この時間は
チェックアウトの時間ね。

♬~

(響子)あれは?
(後藤)違います。

1つ手前の407号から
出てきました。

♬~

(後藤)なかなか現れませんね…。

なんで 金を取りに来ないんだ?

気づかれたのかな…。

♬~

くっ…!

♬~

金は取られるわ
犯人は逃がすわ…。

謝って済む問題か?

申し訳ありません。

大口を叩いた割には
とんだ茶番だったな。

警察ばかり責められませんよ
会長。

(江頭)なんだ?

(平岡)こんな事が世間に知れたら
どうするつもりです?

二課も だらしねえな。

こんな簡単なトリックに
まんまと だまされるとは。

ただのコネクティング・ルーム
じゃねえか。

まあ 廊下から見ただけでは

2つの部屋が中で繋がってるとは
わからない。

それにしても なんで
あんな強引な事をしたんだ?

あの係長は。

尻拭いさせられる こっちの身にも
なってもらいたいよ! まったく。

恐喝者が 江頭克己の
特別背任行為をつかんでると

にらんだんだろう。

単にホステスとの関係で
恐喝しただけではない。

何か大きな尻尾をつかんでると…。

二課に届いた告発文を
裏づける証拠か?

尻尾の先には やはり
脇田殺しがぶら下がってるな…。

いや…。

私は 告発文を送ったのは
脇田さんだったという見方には

少し抵抗があるんだ。
えっ…?

脇田さんが

古川紡績社長の背任行為を
訴えるとは思えないんだ。

かつて勤めていた会社の
取引先である古川紡績と

脇田さんに

それほど大きな因果関係が
あるとは思えない。

じゃあ 社長の克己の告発の線と
脇田の線は

全く別と見ているわけか
モーさんは。

いや 何かしらの関連は
あるんだろうけども…。

ただ
それが何か… まだわからない。

うーん…。
(大上)牛尾さん!

防犯カメラの録画データです。
それから

宿泊者の木村修二というのは
やはり 偽名でした。

手前の部屋から出てきたっていう
ばあさんは?

木村修二の叔母という
触れ込みだったそうです。

2人は
一緒にチェックインしたのか?

それが フロントが見たのは
年寄りのほうだけらしいんですよ。

(ため息)

まだ いらしたんですか?

あなたこそ
こんな時間まで。

たっぷり絞られました…。
ひたすら 平謝りです。

さすがに こたえました。

牛尾さんたちにも
大変ご迷惑をおかけしました。

申し訳ありません。
いいえ…。

仕事の失点は

仕事で
取り返すしかありませんね。

…はい。

♬~

どうぞ。

ありがとうございます…。

♬~

時々 人生の選択を
間違ったのかもしれないって

思う時があるんです。

私が刑事になった時は まだ

警察は
男社会で閉鎖的な組織でした。

長年 そんな中で働いていると

必要以上に
頑張りすぎてしまう癖が

ついてしまうのかもしれません。

「女に何ができるんだ」って

そんな視線の中で
囲まれているような…。

力が入ると 失敗してしまう。

失敗すると それを補おうと
また 余計に力が入ってしまう。

悪循環ですね。

だったら さっさと
辞めてしまえばいいのにって

友達にも言われます。

でも…

ここまで頑張ってきた自分が
それを許さないんです。

いえ… 違う。

怖いのかも。

怖い?

仕事から離れ
組織から離れた時

自分に何が残るんだろうって…。

自信がないのかもしれません。

あっ… ごめんなさい。
ただの愚痴ですね。

いいえ…。

(響子)あの おばあさんですね。

私たちは まんまと この人に
5000万を奪い取られました。

手掛かりは つかめそうですか?

何度も見直してみたんですが
なかなか…。

(マウスのクリック音)

牛尾さん… この人
脇田さんの奥さんかもしれません。

えっ?

私 この人が 初めて署に来た時
廊下ですれ違ったんです。

その時 彼女が持っていた鞄

この鞄と全く同じです。

この老婦人は 変装した
脇田さんの奥さんだと思われます。

明日 脇田さんの元の職場へ
行ってみましょう。

ちょっと
確かめたい事があります。

(小島)今朝 お電話頂いて
ちょっと調べましたら

確かに 7カ月前
脇田さんは神戸に行ってます。

ただし 仕事じゃなくて
挨拶でした。

というと?

退職の挨拶です。
向こうの取引先に。

その時 泊まったホテルは
わかりますか?

ホテル・カメリアルです。

(小島)でも これ 今回の事件に
何か関係あるんですか?

それは まだ…。

脇田さんは 写真が趣味だったと
おっしゃっていましたが

殺された日も
カメラを携帯していた?

(小島)ええ。
脳梗塞があってから

なんでも写真に残すように
してたみたいです。

人でも場所でも
大事な事はカメラで撮って

パソコンに
保存してたみたいですよ。

じゃあ 江頭克己から
5000万を奪い取ったのは

脇田の奥さんだったというのか?

江頭家に 脅迫文と一緒に
送りつけられた この写真…。

これは 脇田さんが7カ月前
神戸で写したものだと思います。

(大上)それを
奥さんが利用したんですか…。

(山路)モーさん やっぱり これは
二課への告発文も脇田だよ。

この写真をきっかけに
脇田は何かをつかんだんだ。

それで 告発に踏み切った。

ところが 克己がそれを知り
口を封じるために脇田を殺した。

これなら 脇田の奥さんが
5000万を奪ったのも

つじつまが合う。
つまりは 亭主への仇討ちだ!

しかしなあ…
あの奥さんが そんな事するか?

防犯カメラに映ったのは
本当に奥さんなのか?

それを確かめるためにも
千曲に行ってきます。

そうだな。 少なくとも

この写真が 脇田が撮ったものだ
という証拠が欲しい。

♬~

(琴江)この写真を使って

私が 主人の敵討ちをしたと
おっしゃるんですか?

失礼なお願いだとは思いますが

奥さんの鞄を
拝見させて頂けませんか?

(琴江)どうぞ。

これ 本当に奥さんの鞄ですか?
(琴江)ええ。

私が
新宿西署でお見かけした時

もうひと回り 小ぶりの鞄を
お持ちでした。

この写真の鞄と同じ。

色も少し薄めで。
これは完全なブラウン。

男物だと思われます。

もしかして ご主人とおそろいで
お買いになったのでは?

(琴江)いいえ。 うちには

この手の鞄は
これしかありません。

そもそも
その人は私ではありませんから。

でも…。
あなたのご記憶違いでしょ?

第一

あなたのおっしゃるような理由で
主人の敵を討つなら

お金ではなくて 命を頂きます。

奥さん。 脇田さんは

カメラを
常に携帯されてましたね。

そして 記録代わりの写真を

パソコンに保存してたと
伺いました。

我々は その中に

この写真が残されているのでは
ないかと考えています。

申し訳ありませんが

ご主人のパソコン
拝見させて頂けませんか?

パソコンは ございません。

奥さん…。

以前はありました。
ですが 主人が処分したようです。

どうして 処分なんか…。

仕事を辞めたからだと思います。

携帯も 退職と同時に
解約したくらいですから。

若い頃の主人は
仕事第一の人でした。

自分の人生は
会社に捧げて当然。

そういう考えの人だったんです。

子供ができなかった事もあって

余計に 仕事に
のめり込んだんでしょうが

無理がたたって 2年前
脳梗塞で倒れてしまいました。

一日も早く会社に復帰しなければ
迷惑がかかる。

あの人は その一心で
リハビリに努め 復職しました。

でも 会社は あの人に
閑職への左遷を命じたんです。

ショックだったと思います。

自分は
会社に全てを捧げてきたのに

会社にとって 自分は
いくらでも替えの利く

部品の一つでしかないと
思い知らされた。

そう言ってました。

だから そのあとは もう
会社に未練はなかったようです。

それが 早期退職の理由です。

そんな主人が どうして

かつての仕事先の不正に
関心を持つんですか?

警察に告発文を送ったなんて
あり得ない話です。

ご主人は 殺される直前

山名さんと ホテルで会う約束を
されてましたね。

何か 特別な話でも
あったんでしょうか?

さあ…。
それは 私にはわかりません。

でも 主人は 山名さんの近況を
知りたかったんだと思います。

山名さんに
とても同情的でしたから。

ご主人は 山名さんの境遇を
ご存じだったんですか?

悔しさが よくわかると
言っていました。

主人も 山名さんと同じ悔しさを
味わってますから…。

はあ… やっと ここでの暮らしに
慣れてきたところでした。

ああ…。

(琴江の声)「第二の人生だね」
そんな事 言い合って…。

手間暇をかければ
花も実もつけて応えてくれる。

それが こんなに嬉しい事とはね。
ハハハハ…。

♬~

はあ…
堂々と嘘をつきますね。

鞄の件にしても
パソコンの件にしても

顔色ひとつ変えなかった。

共犯者がいると思います。
東京に。

私も同じ意見です。

1人で
やれる事ではないでしょう。

悔しいですね…。

ここが東京なら

このまま 私は
彼女を見張りたいところですが…。

関川さんは

二課に告発文を送ったのは
脇田さんだという見方に

今も変わりはありませんか?

もちろんです! そうでなければ
脇田氏が殺された理由も

あの奥さんが 江頭克己から
5000万を奪った理由も

わからなくなります。

牛尾さんは
違うと思ってるんですか?

自信はありません。

ですが 少なくとも
脇田さんの殺害には

別の動機があるのではないか
という気がします。

別の? どういう?

それは まだ…。

ただ 長年
殺人事件に関わった経験から

脇田さんが告発文の送り主である
という見方には

何かしら 違和感があります。

今は それしか言えません。

そうですか…。

牛尾さんと私は
追う相手が違うのかもしれません。

お互いの立場で 最善を尽くして
仕事するしかありませんね。

(雷鳴)

(電話)

もしもし。

牛尾さん
竹内由香の死体が出ました。

いつ?

今朝早くです。
場所は どこだと思います?

千曲市飯倉の山林。

脇田氏の自宅から
たった3キロの距離です。

(大上)「牛尾さん?」

わかった。 すぐ現場に飛ぶ。

課長にも言っておいてくれ。

千曲に行く。
えっ? また?

(ドアの開閉音)
いってらっしゃい。

(パトカーのサイレン)

(浦部次郎)遺体は 死後2週間
というところでしたかな。

頸部を強い力で圧迫したようで
頸椎がずれてましたな。

所持品は?
財布も携帯もありませんでした。

犯人が処分したんでしょうが
1つだけね…。

コートのポケットに
これが入ってました。

何かの会員カードですか?

ネイルサロンだそうです。
ネイル?

ホトケさんの爪
きれいに塗られてましたよ。

土気色になった手に
それを見た時は

余計に哀れを感じましたな。
お姉さんの連れの人も

同じ事 言ってましたが…。
連れ?

(浦部の声)被害者の姉に
上司という人が付き添ってました。

2人は 今どこに?

刑事さん!

どうかされたんですか?

竹内さんの妹さんのご遺体に
会ってきました。

残念な結果になりました。
ええ…。

まあ でも
覚悟してましたから。

少し お時間を頂けませんか?

お聞きしたい事が
あるんですが。

それは構いませんが…。
じゃあ お昼でもご一緒しながら。

申し訳ありません。 山名さんと
2人きりで お話ししたいんです。

山名さん
少し 感じが変わりましたね。

そうですか?

以前 お会いした時より
お元気そうだ。

そうかな?

で お聞きになりたい事は?

山名さんは 脇田さんが
写真を趣味にされてたのは

ご存じですか?
ええ まあ…。

撮りためた写真を パソコンに
保存してたはずなんですが

奥さんは 脇田さんが
パソコンごと処分したと

おっしゃるんです。

あなたは
脇田さんの写真データについて

何か ご存じありませんか?

いえ 僕は知りませんが…。

脇田さんから
写真を見せられた事は?

ないですね。

脇田さんのご自宅に
いらっしゃった事は?

ありません。 千曲に来たのは
今日が初めてです。

では 奥さんとの面識は?

質問というより
尋問のようですね。

実は ある人物が

殺された由香さんと
親密な関係になり

それをもとに
5000万 脅し取られるという

事件がありました。

これに 先ほど話した
写真が関わっています。

不思議な事に
恐喝事件の犯人は

まだ
警察が本格的に動き出す前に

由香さんの行方不明を
つかんでいました。

恐喝者 あるいは その周辺に

竹内由香さんと非常に近しい
人物がいるとしか思えません。

山名さん
今 あなたを頼ってる女性は

恐喝の材料となった
由香さんのお姉さんです。

果たして
これは 偶然でしょうか?

(愛)偶然に
決まってるじゃないですか。

恐喝とかなんとか… そんなの
山名さんには関係ありませんよ。

刑事さん そんな事 言うために
千曲までいらしたんですか?

いえいえ…
そうではありませんが

あなたの妹さんの事で
恐喝事件が起きたのは

事実なんです。
気になりませんか?

申し訳ないけど
気になりません。

だって
その人は自業自得ですよね?

お金を出してでも隠したい
何かがあったんでしょ?

ですが 恐喝は犯罪です。

悪い人を制裁するための恐喝なら
仕方ないんじゃないんですか?

世の中には
表向きは きれいでも

裏では汚い事してる人
いっぱい いますから。

しかし お金を脅し取れば
同じ穴の狢になります。

彼女は 恐らく

正義のための恐喝者の話を
してるんでしょう。

ある種のヒーロー…
怪盗ルパンですよ。

残念ですが
僕は 写真の事は知りません。

お役に立てず
申し訳ありませんが…。

では。

山名さん。

古川紡績内で
ある不正が行われているようです。

何か ご存じありませんか?

不正…? なんの事です?

ご存じないなら結構です。

行きましょう。

じゃあ 何か? 脇田の奥さんは
5000万の恐喝を真っ向否定。

モーさんのにらんでいた
その山名って男も

関わりを認めんって事か。
ええ…。

今の段階では こちらにも
決定的な証拠はありません。

そこへ来て 失踪していた
竹内由香の死体とはなあ…。

一体 どうなっとるんだ!

戻りました。
ご苦労さん。 どうだった?

古川紡績の総務の女性社員から
聞いた話なんですが

あのパーティーの時

脇田と少し話をしたそうです。
脇田と?

ねえ あそこにいらっしゃる方
なんていう名前だっけ?

(脇田)顔はわかるんだけど…。

(久美子)
副社長の平岡と専務の浅野です。

ああ… そうかそうか。
どうもありがとう。

(山路の声)まあ
なんて事ない話なんですが

その社員が言うには 脇田は
彼らに話しかけるきっかけを

探していたように
感じられたらしいんです。

第二の男…。

♬~

どうした? モーさん。

一連の事件の流れを
確認したいと思いまして…。

これまで起きた事実を
時系列に並べ替えると

1が

3週間前に 二課に届いた…。

告発文。

2が

2週間前の…。

由香さん殺し。

3が

千曲から上京した脇田さんが

古川紡績のパーティー会場で
殺害される。

4が

竹内由香と深い関係にあった
江頭克己が

2人の関係を示す写真をもとに
5000万 奪われる。

この流れに
我々がつかんだ情報を重ねると

1の前に神戸で

由香と克己の密会写真が
撮られています。

これは 十中八九
脇田さんが撮った写真でしょう。

ただし 脇田さんは この写真を

恐喝に使う気は
なかったはずです。

1における告発については
二課が追っていますが

これは まだ 正確なところは
つかめていません。

ただ 4の恐喝。 これは

由香さんや脇田さん殺害とは
無関係だと思います。

確かに 一番の容疑者の
社長の克己が

自分を恐喝するわけがないもんな。

第二の男…。

第二の男?

ええ。 3の脇田さん殺しは

2の由香さん殺しから
繋がっているのではないかと…。

どういう事だ?

脇田さんは
由香さん殺しの犯人

あるいは 犯行を目撃した事により
殺害された。

そうか! 脇田さんの自宅と
由香さんが殺された場所は

同じ 千曲市内ですよね。

つまり 由香殺しの犯人は
パーティー会場にいた。

そして 同じ会場にいた脇田に

自分の犯行なりを指摘されて
殺害…。

じゃあ やっぱり
犯人は社長の克己じゃないのか?

しかし 犯人が克己という
確証や証拠は出てこない。

もし 由香さんには
克己以外の男がいたとしたら…。

それが 牛尾さんの言う
第二の男ですか?

ああ。

(山路)ええ?
じゃあ 脇田が 2人の男

副社長の平岡と
専務の浅野を気にしてたのは

由香殺しの犯人だったから
って事になるのか?

おい… 脇田は 平岡と浅野
どっちを気にしていたんだ?

(西谷)
いや それが どっちとも…。

わかった。
とにかく こうなったら

第二 第三の男の存在を
視野に入れて

竹内由香の周辺を洗い直しだ!
(一同)はい!

(カメラのシャッター音)

(カメラのシャッター音)

これ 全部
ホテル備え付けのものでしょ?

女の人は こういうものを
集めるんですよね。

どうだ?
(大上)まだ なんの反応も。

牛尾さん。 江頭克己との密会は

こういうホテルを利用していたと
思うんですが

他の男関係にしても
これでわかるんじゃないですか?

車 運転するのか…。

(大上)たまに レンタカーでも
乗ってたんですかね?

どうしたんですか?

いや どっかで
同じものを見たような気が…。

♬~

この近辺に もう1つあります。

♬~

(フロント係)
はい。 何度かご利用頂きました。

その時 一緒にいたのは
この男性ですか?

さあ… 記憶にございません。

では この男性では…。

(平岡)私のほうから
緊急動議があります。

(江頭)なんだ?

社長の解任 及び 会長の引退を
要求します。

平岡…
お前 何を言っとるんだ?

ハッ… お前が後釜にでも
座るつもりか?

私は… 浅野彰次くんを

次期社長に推薦したいと
思っております。

馬鹿な事を言うな!

江頭家が代々繋いできた椅子を
他人に座らせるつもりか?

お前も
江頭家の一族の者だろうが!

もう そんな時代じゃ
ありませんよ。

平岡… お前 どういうつもりだ?
浅野 お前も!

古川紡績も時代に倣って
変わらねばならんという事だ!

それでは 早速
採決を取らせて頂きます。

賛成!

認めんぞ!

どうか 会長

晩節を汚さぬまま
勇退なさってください!

平岡…!

浅野! き… 貴様も…!

あっ あっ… ああ…。

父さん!?
会長!

早く! 医務室に連絡しろ!

父さん…。

おめでとう 浅野社長。

ありがとうございます
平岡会長。

じゃあ
おじのフォローに行ってくるよ。

フフ… ハハハハ…。

ハハハハ…! ハハハ…。

♬~

(ため息)

よし。

♬~

竹内由香さんの部屋から
見つかったものです。

同じお守りを

あなたの車に乗せて頂いた時に…。

(ため息)

長い間 私は

会社の変革を
真剣に考えてきました。

しかし

かつての古川紡績ならともかく

今の会社は

ワンマンなまま
年老いた頑固な会長と

その息子の
社長に牛耳られている。

人事はもちろん あらゆる権限を。

しかし 会長は…。

♬~

(浅野)社長の克己は

ギャンブルに
はまっていたんです。

(浅野)「社長は ここ数年で

20億近くの金をギャンブルで
使い果たしています」

「その資金を

関連企業数社から かき集め

指定した銀行口座に
振り込ませています」

(浅野の声)会社を食い物にして
私物化してるんです。

会長がお元気な頃なら

ここまでひどい事は
なかったでしょう。

唯一 信頼できたのは
副社長の平岡さん。

平岡さんは
啓造会長の妹さんのご主人です。

私は あの人と相談して

江頭親子を追い出すべく
画策しました。

ところが… ちょうど その頃

私が面倒を見ていた由香が

退屈紛れに 銀座のクラブに
勤めだしたんです。

あなたと竹内由香さんとは
いつからの関係だったんですか?

3年前からです。

モデルになりたがっていた由香に

経済的支援をしておりました。

江頭社長が

由香さんが勤めたクラブの
常連客だった事は…。

もちろん知ってました。

社長が
由香に夢中になっていた事も。

だから 私は 店を辞めるように
由香に言いました。

私たちの関係が社長に知れると

私が会社でやろうとしていた
計画が

壊される恐れがありましたから。

ですが 由香は…。

(竹内由香)大丈夫よ。

浅野さんの事は
絶対に言わないから。

それに お店の中だけだし
いいでしょ?

おい 由香… 本当に店の外で
会ってないんだろうな?

もう 何 心配してんの~。

あなたが 二課に告発文を?
(浅野)はい。

(浅野)「警察が動いてくれれば

もし 私が失敗しても

社長を特別背任罪に問えると
考えました」

証言者が出ました。
江頭克己の特別背任罪。 はい。

「しかし そんな間に

由香は 自分の夢を叶えるために
準備していたようです」

(浅野の声)そんな由香に
夢中になった克己は

独身で 古川紡績の4代目。

一方 私は…
由香を愛してはいましたが

妻や子供を
捨てられなかった男です。

そんな男を見限った由香が
江頭克己に擦り寄ったのは

当然の成り行きだったんでしょう。

だから 彼女を殺害した。

千曲へ誘って。

いいえ。

私は
由香の本心に気づかなかった。

気づかぬまま

彼女が以前から行きたがっていた
温泉に誘いました。

だけど… 目的地に着く前に
由香の本心を知りました。

(携帯電話の着信音)

♬~

(浅野の声)由香は本気で
社長の妻の座を狙っていました。

何度も あなたの子供が欲しいと
誘いをかけていたんです。

克己のほうも 結婚したいとまで
伝えていました。

(浅野の声)潰されると思った。

私の計画は
いずれ 江頭親子に知られる。

何年もかけた計画が

愛したはずの女の手で潰される…。

(浅野の声)
だから 殺すしかなかった。

だが あなたは

脇田さんに
どこかで見られていた。

知らなかったんです。

あの人が誰なのか
本当に 私 知らなかったんです。

なのに あの人…。

(脇田)なかなか
盛大なパーティーですね。

あっ… 弊社のパーティーには
以前にも?

はい。 昔 一度。

あっ そうですか。
(脇田)ええ。

そういえば…
この間 千曲でお見かけしました。

(脇田)ご旅行だったんですか?

あっ…
どうも こんな所で失礼しました。

(浅野)ううーっ!

(脇田)あっ!
ちょっと… 何すんだよ!

やめなさい!
ああっ… やめろ!

ううーっ!
(脇田)あっ…!

私は本気で会社を変えたかった。

働く者が報われる…。

なんのために働くのか…

空しい思いに
とらわれる事ない。

そんな会社が作りたかった…!

♬~

脇田さんが

あなたに声をかけたのは

なんの悪気もなかった。

ただ見覚えのあるあなたを見かけ
思わず声をかけた。

久しぶりに 昔の取引先を訪れて

人恋しい気持ちに
なったんだろうと思います。

脇田さんは 新たな人生を
始めたばかりでした。

会社のためではない

奥さんと自分のための人生を
生き直そうとされていた。

その希望と未来を

あなたは… 奪ってしまった。

理想の組織作りのために

あなたは

そんな人の命を…
犠牲にしたんですよ。

♬~

私も 組織で働く者の一人です。

組織の中で生きる事の
楽しさも 難しさも…

知っているつもりです。

それだけに…

残念でなりません。

♬~

じゃあ 5000万は

誰の手に渡ったんだ?

やっぱり 脇田の奥さんか?

いや… さあ…。

誰か 答えてくれ!

どうした? それは。

牛尾さん宛てです。
(山路)うん?

(山路)「竹内由香」…。

殺された竹内由香からです。
なんだ? 一体。

(山路)なんだ? これは。
(大上)例の5000万ですよ。

(山路)わかってるよ そんな事は。

(山路)ははあ…。

天眼鏡。
はい。

(山路)やっぱり そうだ。

男の襟のバッジ。

神戸の暴力団組織 黒桜会ですよ。

ははあ… こいつらか。

江頭克己を
ギャンブルに誘い込んだのは。

課長。 二課の関川係長に。

わかった。

それにしても
なんで金を返してきたんだ?

多分 十分楽しんだんだろう。

♬~

(琴江)そう… お金は返したのね。

ええ それでいいのよ。

あなたも溜飲が下がったでしょ?

もう 過去は忘れて

新しい道を
しっかり歩いてちょうだい。

ええ 私も頑張るつもりよ。

どうか お元気で。

はい。 さよなら。

何も 返す事なかったのに。

欲しかったかい?

お金は邪魔になりません。

僕は今月いっぱいで仕事を辞めて
仙台へ行くつもりなんだ。

しばらく
友達の会社を手伝いながら

これからの事を考えようと
思ってね。

よかったら…
一緒に来てくれないかな?

ごめんなさい。

私も 故郷に戻るつもりなんです。

父のお墓もあるし
妹の供養もしてあげたいし。

山名さんは好きだけど

もうしばらくは
一人でいたいんです。

そうか。

あっ… そうだな。

愛は まだ若いし
これから いろんな事ができるな。

わかった。

これで お別れだ。

楽しかった。

私も。

♬~(音楽)

ここは 脇田さんとあなたが

毎朝 顔を合わせたお店。

(山名)はい。

僕は いつも ここ。

脇田さんは そこでした。

で お聞きになりたい事は?

2つあります。

1つ目は写真の事。

あれは どうやって
あなたの手に渡ったんです?

最初の一枚は

脇田さんが
間違って送ってきたんです。

(山名の声)脇田さんは
僕と飲んだ最初で最後の晩に

何枚か記念写真を撮ってくれた。

その時の写真を

後日 メール添付で
送ってもらったんですが

中に
あの写真が紛れ込んでたんです。

あとで電話で聞くと

脇田さんは 「間違えて
送ってしまった」とおっしゃった。

神戸で たまたま
古川紡績の社長を見かけたので

つい撮ってしまったものだと。

江頭社長が写っていたので
僕も驚きましたが

まあ 社長の女遊びの一枚だろう
ぐらいに思ってました。

(山名の声)ところが 愛から
行方不明の妹の事を相談されて

マンションまで同行した時

あの写真の女性が

行方不明の由香さんだと
わかったんです。

これが妹さん?

そうです。

♬~

(山名の声)パーティー
脇田さんに会った時

その事を話したんです。

実は もう一枚 同じ場所の写真で
ちょっと気になる事があって…。

すぐに出ませんか?
ゆっくり飲みながら お話を。

じゃあ 私のホテルに
先に行っておいてください。

私も 連れに挨拶をして
すぐに行きます。

(山名の声)しかし 脇田さんは

そのあとすぐ 殺されてしまった。

あなたは こう考えた。

もしかしたら 脇田さんは

その写真が原因で
殺されたのではないかと。

ええ。 それで 遺体の引き取りで
上京した奥さんに会って

話してみたんです。

あっ… この写真がなんなのか
私にはわかりません。

主人にも
聞いた事がありませんし。

では お手数をおかけしますが
千曲に戻られたら

脇田さんのパソコンから
写真データをそっくり

僕のパソコンに
転送してもらえませんか?

そして あなたは…

これを見つけたんですね。

この男が
桜会だとわかりましたか?

…はい。

江頭克己と どういう関係かも。

いや そこまでは…。

でも 何かあるなとは
感じました。

初めは 警察に話してみようかと
考えたんです。

でも 途中で気が変わった。

脇田さんが
僕に写真を送ってきたのは

間違いじゃなく 何かの
必然だったんじゃないかって。

それで
社長たちに一泡吹かせたい

復讐したいっていう気に
なったんですか?

いえ。

復讐したかった相手は

これまでの僕の人生です。

これまでの人生…。

古川紡績に入社して二十数年。

僕は ひたすら 会社のために
尽くしたつもりです。

真面目に働けば きっと報われる。

そう信じて疑わなかった。

でも 僕は会社にとって

ただの
パーツの一つでしかなかった。

しかも
いくらでも取り換えの利く…。

滑稽な話です。

突然 左遷されて

僕は 荒れ野に
放り出されたような気がして

途方に暮れていた。

でも… 復讐のつもりが

計画を立てるうちに
楽しくなった…。

行き先は池袋に変更だ。

サンシャイン下の中央公園。

♬~

アハハハ!
(琴江)ハハハハ…。

(愛)信じられない… アハハハ…。

あ~ やったわね。

(山名の声)
他の誰のためでもない

今は 自分のために
人生を生きてるんだって。

質問の2つ目です。

どうして 脇田さんの奥さんを
引き入れたんですか?

犯罪の手助けをさせたんですよ
あなたは。

わかってます。

相談した時
最初は反対されました。

でも… 最後は僕の思いを
理解してくださった。

しかし 大きな誤算もありました。

まさか 浅野専務が

由香さんや脇田さんを
殺害したとは

想像もできませんでしたから。

♬~

刑事さん。

僕のした事は やはり…
犯罪なんですね。

もちろんですよ。

あなたは
一度は5000万を奪った大悪党だ。

参りましょうか。

♬~

♬~

荒れ野… ですか。

ええ。

仕事も 家族も

生きる意味も失った時の気持ち

私には正直 思いも至りません。

ですが 荒れ野に立った者にしか
つかみ取れないもの…。

初めて見えた大切な何かが

山名にも 脇田さんにも
あったのだと思います。

そうですね。

今から 本庁に戻ります。

多少窮屈だけど 自分の居場所に。

一匹狼にはなれませんか。

無理ですね。
ちょっと憧れはあるけど。

牛尾さんは?

荒れ野に
一人 放り出されると

たちまち
我が家が恋しくなりそうです。

奥さんが待つ
我が家ですか?

いろいろ
お世話になりました。

いつか また。

いつか また。

♬~

〈人は集い 群れを作ります〉

〈家族 友人… そして社会〉

〈願わくば 全ての集いが

個としての一人一人を
大切にしてほしい〉

〈そう思うのです〉

〈それが

私たちが生きる社会全体の幸福に
繋がるのだと〉

(佐原卓子)
殺しましたか?

(白河球磨子)女は
みんな悪いでしょ。

(秋谷茂一)最低の女弁護士と
タッグを組むという事ですか。

(球磨子)死ね! 死んじまえ!

(小田秀子)
魔物だからね あの女は。

(卓子)どうして
嘘ばっかりつくんだ? 死刑だぞ!

(原山正雄)劣勢だな。
(卓子の笑い声)

(球磨子)
13億5000万の半分ゲット!

馬鹿! ふざけんな!

(卓子)私 負けるの
絶対に嫌なの。