ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

小吉の女房 第1話 沢口靖子、古田新太、福冨慶士郎、江波杏子、升毅… ドラマの原作・キャスト・音楽など…

『BS時代劇 小吉の女房(1)<全8回>「旦那様は就活中」』のテキストマイニング結果(キーワード出現数BEST10&ワードクラウド

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『BS時代劇 小吉の女房(1)<全8回>「旦那様は就活中」』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)&EPG情報(出典)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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BS時代劇 小吉の女房(1)[新]<全8回>「旦那様は就活中」[字]

貧乏旗本・勝家の女房・お信は、毎日お金の苦労をしながらも、無邪気な笑顔も絶やさない。夫の小吉は就職活動に精を出し、お信は無邪気に夫の成功を願っていたが…。

詳細情報
番組内容
貧乏旗本・勝家の女房・お信(沢口靖子)は、毎日お金の苦労をしながらも、無邪気な笑顔も絶やさない。夫は、勝小吉(古田新太)。生来の無鉄砲。そして両親を冷静に見守るのが、やがて「勝海舟」となる息子の麟太郎。小吉は就職活動に精を出し親の付け届けのお陰で、ようやくチャンスをつかむが、嫌みな連中の接待を務めるという大きな関門が待っていた。女房のお信は無邪気に夫の成功を願っていたが…。
出演者
【出演】沢口靖子古田新太,福冨慶士郎,江波杏子升毅高橋和也高橋ひとみ石倉三郎平泉成里見浩太朗,【語り】春風亭昇太
原作・脚本
【作】山本むつみ
音楽
【音楽】荻野清子

 


<ここは 江戸の東の外れ 本所割下水。

小さな武家屋敷と町家が
こまこまと軒を連ねる町です>

家内円満 無病息災。

(鈴の音)

勝家先祖代々一家一門の諸精霊 追善供養。

南無妙法蓮華経…。

<勝家は
代々 徳川家に仕える ご直参で

天正3年 長篠の合戦の折には
功名手柄を挙げたとも伝わる

武門の家柄。

しかし それから250年…>

<ただいまの当主は 婿養子の勝 小吉。

家督を継いでから長らく
小普請組で くすぶっています>

ヤブ蚊のやつ もう出てきやがった。

<小普請組とは 戦のない この時代

お役目に就けない幕臣たちの
編入先です。

家禄はあれど お役料は頂けません>

(おならの音)

今朝も いい調子だ。 なあ 麟太郎。

はい 父上。

<この少年 後の日本の転換期に

その名をとどろかす
大人物となるのですが

それは まだ ずっと先の話>

あら まあ。

<小吉の女房は
勝家の家付き娘で 名は お信。

ただいま 貧乏所帯をやりくり中>

♬~

あれ? 味噌汁だ。

すまし汁かと思いました。

ごめんなさい。
味噌を切らしていること

うっかり忘れていて。

麟太郎 侍の子は

食べ物に 文句を言ってはなりませぬ。

はい。

勝家は やりくりが苦しいのです。

婿殿が いつまで たっても
小普請組から抜けられず

お役料が頂けないのですから。

おばば様。

味噌の香りが かすかにするだけでも
ありがたいと思わねばなりませぬよ。

おい お信。
今朝の飯は やけに やわいな。

そうですか?

あっ 水加減 しくじったかしら。

まあ いいわさ。

歯の土手がぐらついてる年寄りの口にゃ
硬い飯は 口に合わねえだろうからな。

歯が 何ですって?

まだまだ丈夫ですよ。 そなたには負けぬ。

(咀嚼音)

いやいや 音が違います。

丈夫な歯は こうです。

どこが違うのです。

違いが聞き分けられぬとは
お耳も遠くなられましたか。

フフフ… お二人とも よい音ですよ。

お代わり。
はい。

(小声で)今日の勝負は引き分け。

旦那様 そろそろ お支度を。

まあ もう六ツ半?

(利平次)はい。
いかん!

行ってらっしゃいませ。
行ってらっしゃいませ。

今日こそは よい知らせがありますように。

負けるか~!

<次々と現れた侍たちは 小吉と同様
ただいま就活中の「あぶれ者」。

向かう先は 赤坂喰違外にある
小普請組支配 大久保上野介のお屋敷です>

(大久保)止まれ。
はっ!

(大久保)勝か?
ははっ!

近頃の出精 大儀である。

辛抱の木に花が咲くというぞ。

もう一押しじゃ。 な。

は?

(大久保)出せ。
はっ!

しめた。 とうとう運が向いてきた。

(登勢)お信 塩を持っておいで。

は~い ただいま。

フフ… どこに出ましたか?

それ そこ。 手水鉢。

早く 塩をおかけなさい。

こんな小さいものの
どこが怖いのでしょう。

ナメクジとヤブ蚊は 本所の名物ですよ。

怖いのではない。 気味が悪いだけです。

あ… 虫の知らせ。

はい?
虫が知らせるというではありませんか。

今日は 見逃してやりましょう。

何か よいことの前触れのような気が…。

ばかなことを。

「虫の知らせ」の虫とは
三尸といって 人の体内にいるものです。

しかも
災難に遭うとか 人が亡くなるとか

よくない時に使う言葉ですよ。

でも 朝蜘蛛は福が来るといいますし

よい虫の知らせもあるのではないですか?

もう よい。

利平次。

まっ もう来た。
一大事にございます!

大久保様… ご支配様が

旦那様に
お声をかけられたそうにございます。

(お信 登勢)お声を?

「辛抱の木に花が咲く」と。

これは 御番入りがかなう
前触れではありますまいか。

まさしく。

当たった…。

よい虫の知らせ。

<小吉の実家 男谷家から
呼び出しがあったのは

それから間もなくのこと>

(せきばらい)

申し伝えることがある。

小普請組支配 大久保様のご推挙で

そなたをお役目に取り立てる話が
進んでおる。

やっぱり!
これ。 神妙に承れ。

2, 000人余りの小普請組の者が

皆 御番入りを願う中

お取り立てとなるのは
まことに ありがたいことだぞ。

ははっ。

いやぁ 2年このかた

ご支配や お歴々の屋敷に
日参したかいがあったのう。

はっ。

お信にも 長々と苦労をかけた。

いいえ 私は何も…。

こたびは 御徒士へのご推挙と相なる。

お役料は少ないが
まずは 小普請組を抜け出すことが肝要。

徒士… ですか。

(彦四郎)近々 大久保様と
徒士御徒士組頭を招いて

顔合わせの酒宴を開く。

そこで もう一押しすれば
御番入りは まず間違いない。

徒士頭というのは
石川太郎左衛門ですか?

(彦四郎)そうだ。

兄上 お役目を替えていただくわけには
いかないでしょうか?

何を言うのだ!

旦那様?

石川とは ガキの時分からの因縁でな。

えい!

卑怯者の弱虫め!

分かった!

謝る。 このとおり…。

てめえの家が格上なのを鼻にかけて

貧乏勝だの 四十俵取りの微禄者だのと

しつこく笑い者にしやがった。

腹が煮えてならねえから
ぶちのめしてやったのよ。

腐った了見のケチな野郎さ。

(彦四郎)ばか者!

お前を御番入りさせるために 父上が
どれほど お心を砕かれたと思う!

お心ばかりではない。

金をいかほど使ったか
分かっておるのか!

春は花見の付け届け
夏は暑気払い 秋は月見

事あるごとに重役の方々に進物を贈られ
ご機嫌を伺ったればこそ

お声がかかるところまで こぎ着けたのだ。

もう一押しじゃ。

そういうことか…。

失礼いたします。

幼少の頃の喧嘩など
先様は とうに忘れておるわ。

お前にも 思うところはあろう。

なれどな 長年 ご公儀のお扶持を頂く身が
生涯一度も ご奉公に出ぬのでは

武士の面目が立たぬぞ。

お信殿。

(平蔵)お前一人のことではないのだ。

親が生涯無役では
麟太郎の行く末は どうなる?

暇と貧乏を持て余す暮らしを
麟太郎にもさせるつもりか?

それは…。

御番入りがなるか ならぬかは
あなたに かかっているのですよ。

えっ 私に?

軍資金です。

ご支配様の奥様と
徒士頭 石川様の奥様には

越後屋の反物に菓子を添えて。

組頭の奥様方には
五十嵐兵庫の白粉などがよいでしょう。

一軒一軒 お届けにあがるのですよ。
はあ…。

勝の家は 心遣いが行き届いていると
奥方の口から お耳に入れば

小吉殿の後押しとなりましょう。

大奥のご意向が ご政道を動かすのと
同じ理屈です。

そういうものですか?

そういうものです。

小吉殿は あのご気性ですから
酒の席で 粗相がありはしないかと

旦那様は 大層 案じておいでなのですよ。

うちの人は まるっきりの下戸ですから
酔って暴れたりはいたしません。

酔わなくても暴れるではありませぬか。

そうでした…。

かんしゃくを起こして
こんなことなどなさっては

これまでの苦労が水の泡です。

私… どうすればよいのでしょうか?

まずは 家内を円満に。

小吉殿が
日々を穏やかな気持ちで過ごせるよう

心がけることです。

はい。 家内円満…。

<…とはいえ
勝家では それが一番 難しい>

ようございましたねえ。
男谷の父上も おうれしそうで。

ああ…。

義姉上から
いろいろ教えていただきました。

お世話になる方々の奥様に
ご挨拶をしておくようにと。

石川のとこにも行くのかい?
ええ もちろんです。

(舌打ち)
いまいましい!

ガキの時分の腐った性根が
そう簡単に直るもんか。

あいつが上役なら
ろくなことはあるめえな。

旦那様。

けどよ
麟の行く末 考えろって言われちゃあ

今回ばかりは 奈良の観音 駿河の観音で
いくしかねえや。

なあ。

はい。

(男)何を釣ってるんだね?

鮒です。 ここは よく釣れますよ。

ほお どれどれ。

おお これは これは よく肥えた鮒だな。

これは 塩焼きにしたら うまかろう。

私は 母の作る甘露煮が好きです。

甘露煮。
ハハハ ああ それは またよいな。

ハハハ!

では またな。

今のお方は どちらのご隠居ですか?

さあ 誰だろう。

<この老人 名は 中野碩翁。

気楽な ご隠居のように見えて

実は ただ者ではないのです>

(登勢)勝家先祖代々一家一門の皆様

外れくじの婿に やっと
御番入りの話が巡ってまいりました。

おばば様 外れくじは あんまりです。

外れくじで悪ければ ナメクジです。

タツムリのように家一つ背負うでもなく
空身で のらくら暮らして。

まあ ひどい!

昔の呼び名は もっとひどいものでしたよ。

柄のない肥柄杓で…。

どうにも手の付けようがない。
そのとおり。

はあ…。

お前が5つの時に
娘夫婦が流行病で死ななければ

男谷家の出来損ないの三男坊など
慌てて婿に決めることはなかったのです。

また その話ですか。

小吉を養子にやろうと
男谷様からお申し出があった時には

天の助けと思ったものですが…。

やあ! えい!

うわっ!

弱えやつらだ! 参ったか!

(登勢)毎日毎日 暴れ放題の喧嘩三昧…。

勝家の名に
泥を塗るようなまねばかりして…。

でも 弱い者いじめはなさいませんし…。

婿の素行が悪いせいで
どれだけ肝を冷やしたか…。

14の時には 家を飛び出し…。

♬「お陰でさ するりとな」

(登勢)卑しい者たちに交じって
伊勢参りなどして…。

武士の子の所業とも思えませぬ。

おばば様が 意地悪ばかりなさるから
嫌気がさして出ていかれたのです。

まあ!

では 二十歳を過ぎて また家出したのも
私のせいだというのですか?

いえ それは…。
あの時は

もはや 勝家もこれまでと
覚悟したものです。

(登勢)お咎めを受けるより早く
平蔵殿が座敷牢に押し込めたから

命拾いしたようなものの…。

座敷牢の中で 我が身を振り返り
学問をなさって

旦那様は
立派に立ち直ったではありませんか。

(登勢)ようやく 人様の半分ほどまで
たどりついただけです。

それまでは 自分の名さえ
ろくに書けなかったのですから。

次は 横に「一」。

もう一つ 長めに「一」。

左に 大きく払って

最後 右に払う。

うまく書けたではありませんか。

(登勢)どうした はずみか
座敷牢の中で子が出来て…。

麟太郎という
跡取りをこしらえたことだけが

婿殿の ただ一つの手柄です。

家内円満 家内円満…。

(利平次)何でございます?

おばば様にも困ったものです。

いつまでも 旦那様を目の敵になさって…。

よほど
馬が合わんのでございましょうな。

旦那様も あのご気性ですから…。

私は 好きでございますよ。
竹を割ったような あのご気性。

利平次は
昔から 旦那様びいきですものね。

はい。 お小さい頃から
お世話申しておりますが

あんな ご気性のよい方は
めったにおられるものではございません。

ええ そうですとも。

旦那様のような方が
お役目に就けないのなら

それは 世の中の方がおかしいのです。

それから これは
ほんの おしるしばかりでございますが

お納めいただければ うれしゅう存じます。

まあ! おてつの牡丹餅。

私の好物を よくご存じでしたね。

えっ… はい それは もう…。

ですが…

このごろ 控えておりましたのよ。

ついつい
食べ過ぎてしまいますでしょう?

ホホホホ!

それは 気の利かないことで
失礼いたしました。

あ… では 別の品に変えてまいります。

いえ せっかくですから
これは こちらで。

はあ…。

あ~あ。 しくじりました。

かえって ご機嫌を損じたかもしれない。

なに 案ずるには及びません。

好物に祟りなしといいますよ。

そうですね。
(利平次)はい。

はっ。

♬~

勝の家の者が訪ねてきたのか。

はい。 これから世話になるからといって。

ふ~む…。

では あれが 小吉の妻女か…。

♬~

ハハハハ!
では もうひとつ。

ほれ 大久保様に酌をせい。

はっ。

どうぞ ひとつ。
かたじけない。

(彦四郎)弟は
役目の作法も知らぬ未熟者にござる。

徒士の皆様には
よろしく お引き回しを願います。

(矢田)何も難しいことはござりませぬ。

ただ 身命を賭して
ご奉公に励むばかりです。

おじい様の将監様が
小普請組支配をお勤めの折には

倅が ただならぬご恩を受けましてな。

家出をされた時のことですな。
はい。

いやぁ 小吉めが あまりに不行跡ゆえ
隠居をさせると申し出たのですが

将監様は いずれ改心すれば お役に立つ
隠居には及ばぬと

お許しをくだされましてな。

(小声で)じじ様が余計なこと…。

いや よいことをいたしました。

そなたからも お頼み申し上げよ。

…よろしく お引き回しくだされ。

承知した。

おお そうそう 藤の花が ちょうど見頃。

大久保様
庭で 藤見酒としゃれ込みませぬか。

ふむ それは ようござるな。

(彦四郎)そなたも お供せよ。
はい。

いや 小吉殿は
いずれ組中の仲間となる矢田たちと

こちらで 親交を深めるがよかろう。

(平蔵)
ああ では お供の役は この年寄りが。

それは かたじけない。

ささ 大久保様。

(女中)こちらへ。

♬~

さあ こうなれば無礼講だ。
ああ。

勝 お主も飲め。

あいにく それがし 不調法者にて…。

まあ 一杯ぐらい よいではないか。
酒は まるで いけません。

俺の酌では飲めぬというのか?

では 頂戴いたします。

(矢田)どうした? さあ ぐっとやれ。

(谷原)そう 責めるな。
無理に飲ませるほど うまい酒ではないわ。

そうよなあ。 かような席では
灘の生一本とおごるところだが

これは そこらの安酒だ。 ああ。
ハハハ! ハハハハ!

(谷原)水無瀬は
この辺りで指折りの料理屋と聞いたが

さほどの味ではないのう。

まあ 両国の屋台店よりは ましよ。
ああ。

ハハハハハ!
フハハハ!

おう 見ろ。 器も安手だ。
ハハハハハ!

おっと! いけない。

お召し物は汚れませんでしたか。

土産の菓子が これだ。

当世名代は 鈴木越後と決まったものだが
一つ格落ちの金澤丹後と来た。

とんだ しみったれよ。
ああ。

(矢田と谷原の笑い声)

(鈴の音)

(包丁の音)

いけない… 切り過ぎ。

どうか 首尾よく運びますように…。

ちょうど 見頃でしたな。
さようでございましたな。 見事であった。

だ~!
何事だ!?

きゃ~!
うわっ!

小吉… どういうことだ!?

いっけねえ… やっちまった…。

♬~

(登勢)
なんということをしてくれたのです!

皆様 大層 ご立腹で

もう 御番入りどころではありませんよ!

また 勝家の名に泥を塗って!

ああ もう うるせえ うるせえ!
旦那様!

もう… そなたは
勝家を潰しに来たのですね!

もう…!

どうして 暴れたりなさったのです?

無礼を言ったから 殴った!

そんな…。 ほんの一夜の辛抱が
なぜ おできにならないのですか!

男谷の父上に お詫びに上がりましょう。

親父殿に合わせる顔がねえ!

はあ…。

(平蔵)うまい。

ハハハ… 鮒は甘露煮に限るな。

父上のご苦心を ふいにしてしまい
申し訳ありません。

小吉は どうしておる?

ふて寝をしております。

ふて寝か。 困ったやつよのう。

私が至らなかったのです。

心遣いが足りないばかりに
家の中が治まらず

旦那様も 大事の席で辛抱ができずに…。

お信 そなた 小吉を見くびっておるぞ。

え?
あれは 確かに乱暴者だが

辛抱のできぬ男ではない。

でも…。

暴れた訳を聞いたか?

はい。 無礼を言うから殴ったと…。

その無礼というのは わしの悪口よ。

父上の?

勝。 平蔵殿の父御は
座頭の金貸しだったそうだな。

はあ…。

高利を取って稼いだ金で 旗本株を買い
倅を 俄武士に仕立てたわけか。

(矢田)フッ 当節 よくある話だが

我らと違って 代々の武士ではないゆえ
こうした席での作法に暗いのであろうよ。

いや 彦四郎殿という 代官にまで出世した
利口者がついているのだ。

作法を知らぬわけはない。

銭金を惜しんでいるのだろう。

元が 吝嗇な金貸しゆえな。

(矢田)お里が知れるというやつか。

(矢田と谷原の笑い声)

うわっ! な… 何をする!

べらぼうめ! 口に関所がねえからって
勝手放題 ぬかしゃあがって!

何!?
強い者には 尻尾振り

下の者には 吠えかかって 威張りまくる。

てめえらみたいな卑怯なやつを
何というか 教えてやらあ!

犬侍ってんだ!

おのれ 謝れ! 手をついて詫びろ!
御番入りが ふいになってもいいのか!

こっちから願い下げだ!
腰巾着のへっぽこ野郎が!

ええい 黙れ!
きゃっ!

ああっ!

もう我慢ならねえ!

てめえ!

いたたた! あいた!

うっ! あいたたたた!

おやめくださいませ! おやめ…。

きゃ~!
うわっ!

堪忍袋の緒を切ったのは…。

金貸しの家だの 吝嗇家だの
男谷の悪口を言われたゆえだ。

ああ… それならそうと
打ち明けてくださればよいのに…。

言い訳一つなさらないのですから…。

そういうやつよ。

まあ これで
御番入りの望みは消えたが…

実を言うとのう
わしは うれしかったのだよ。

え?

小吉が 出世のためなら
親の悪口も平気で聞くような

そんな卑しいやつでなくて
よかったと思うてな。

申し訳ありません。

私は 酒宴を台なしにしたことばかりを
気にかけ

旦那様が どんなお気持ちで
そうなさったのか

そこに思いが至りませんでした…。

もう よい。

お信 そなたも 一つ食え。

ハハハハ… うまいぞ。

♬~

(走り寄る足音)

奥様! 亀沢町のご隠居様が!

(襖が開く音)
親父様が どうかしたのか!?

お倒れになられました!
ご容体は?

卒中の発作だそうで。

利平次 おばば様と麟太郎を頼みます!

♬~

お部屋で倒れていらして…

お医者様を呼んだ時には もう…。

そんな…。

昼間は あんなに…。

♬~

ここに 3年も閉じ込められていたっけな。

ええ。

親父様の作った牢は
最初っから 柵が外れるようになってた。

逃げ出そうと思ったが やめた。

考えてみりゃ
俺を思ってしてくれたことだ。

はい。

なのに 俺は
最後まで 親父様をがっかりさせちまった。

そうではないのです。

父上は 喜んでおいででした。

旦那様が

親の悪口を黙って聞くような男でなくて
よかったと おっしゃって…。

こざかしく立ち回る者が
出世する世の中だ。

小吉の気性では
志を得るのは難しかろうよ。

なれどな
小吉は 小吉のようにしか生きられぬ。

たとえ 生涯無役で終わるとしても

あの まっすぐな気性を貫けば
それで よいわ。

はい。

ハハハハハ…。

おばば殿は

こうなるだろうがな。

ハハハハハ!
フフフフ!

親父様が そんなことを…。

何で 早く言わねえんだ。

あなたが ふて寝していたからですよ。

あ そうか…。

なあ お信。
はい。

おめえは いいのかい
俺が 一生無役でも。

「勝家を潰す気か」

おばば殿が また やかましく言うぜ。

しかたありません。

子どもの頃 あの木に
縛られたことがあったでしょう?

ああ。

傘屋の万吉という子に 怪我をさせたと
ひどく叱られておいででした。

(平蔵)己より弱い者に怪我をさせるとは
貴様 それでも 侍の子か!

強情者め。 なぜ謝らぬ!

えい!

性根の腐ったやつだ。

貴様のような ならず者を
生かしておいては

世のためにならぬ!

旦那様! お許しください!

坊ちゃまに代わって
利平次が お詫び申します!

旦那様!
邪魔だ! 放せ!

やめて! 小吉ちゃんを斬らないで!

やったのは 私です!

傘屋の子に怪我をさせたのは

まことは 謙吉という別の子どもで…。

なぜ 本当のことを言わなかったのだ。

約束したからです。

叱られるから 黙っておいてくれと
謙吉が頼むので

ならば 俺の口からは決して言わぬと
約束しました。

お前というやつは…。

私 その時
そりゃあ うれしかったんですよ。

私は この人のお嫁様になれるんだって…。

意地っ張りだけど
強くて まっすぐで 優しい この人が

私の旦那様なんだって…。

何 言ってやがんでえ。
フフフ…。

あ… 蛍。

♬~

<平蔵の四十九日の法要も済み

夏の盛りを迎えた頃…>

旦那様 いいかげん月代をあたりましょう。

山賊のようで見苦しいと
おばば様が怒っておいでですよ。

ナメクジってのは えれえもんだなあ。

え? 何ですか?

鎧う殻もなしに 角 つっぱらかして
生きてやがる。

俺は ナメクジでいい。

お役目という殻は
一生 背負わねえと決めたから

おめえも その覚悟でいろ。

思うとおりになさりませ。

麟のことだけは 気がかりだがな。

あいつは 俺に似ねえ優れ者だから
くすぶらせちゃあ かわいそうだ。

まあ いいじゃありませんか。

人の役に立つ子に育てば
いつかは世に出る折もありますよ。

うん。

おい 何だ? それ。

色紙を頼まれたんです。
軸にするからと。

へえ~ 何て書くんだい?

「雲外に」…。

大変です!
すぐそこの角で 酔った侍が暴れて…。

よし きた 俺に任せろ!

フフッ また始まった。

♬~

「雲外に蒼天あり」。

(登勢)お信 来ておくれ。

は~い。

♬~

<分厚い雲を突き抜けりゃ
そこには いつも 青い空。

お信 小吉の行く先は

晴れやら 雨やら 曇りやら>

麟太郎が
お城に召し出されることになったのだ!

ええっ!

金が ご入り用なんでござんしょう?
巾着切りの掏った金なんぞ使えるか!

おや あれは…。

一体 どうなさったのです!
そなたは 勝家を潰す気か!

誰が何と言おうと

麟太郎は 城にはやらねえ!
旦那様の分からず屋!

もう!

♬~