ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

新・浅見光彦シリーズ 天城峠殺人事件 平岡祐太、堀内正美、谷村美月… ドラマの原作・キャストなど…

『月曜名作劇場 内田康夫ミステリー 新・浅見光彦シリーズ「天城峠殺人事件」[』のテキストマイニング結果(キーワード出現数BEST10&ワードクラウド

  1. 朝美
  2. 光彦
  3. 小林
  4. お父さん
  5. 女将
  6. 武上
  7. 浅見
  8. 千社札
  9. 香菜
  10. 秩父

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『月曜名作劇場 内田康夫ミステリー 新・浅見光彦シリーズ「天城峠殺人事件」[』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)&EPG情報(出典)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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月曜名作劇場 内田康夫ミステリー 新・浅見光彦シリーズ「天城峠殺人事件」[解][字][デ]

お正月第一弾!伊豆の踊り子をモチーフに、天城トンネル・ワサビ田等、旅情感満載のミステリー。市毛良枝谷村美月鈴木梨央の他、「温泉へ行こう」のキャストが再集結!

詳細情報
番組内容
光彦(平岡祐太)が「伊豆の踊り子」の取材旅行中、伊豆修善寺の温泉旅館で小林親子に出会う。父娘二人でずっと生きてきた、仲のいい親子。しかし数日後、父・章夫(堀内正美)が天城トンネルの崖下で礫死体になって発見。毎年一回、父は「下司」と書かれた千社札を貼って回る巡礼の旅に出ていたという。なぜ「下司」なんていう千社札を貼っていたのか。光彦は、小林の娘・朝美(谷村美月)と共に父の思いを辿る旅に出る。
出演者
<レギュラー>浅見光彦・・・平岡祐太、浅見雪江・・・竹下景子、浅見陽一郎・・・石丸幹二、浅見和子・・・魏涼子、吉田須美子・・・浦まゆ
<ゲスト>市毛良枝谷村美月尾美としのり須藤理彩鈴木梨央遠藤章造藤吉久美子神保悟志ふせえり山下裕子・万善香織・堀内正美音無美紀子金田明夫 ほか
スタッフ
原作・・・内田康夫、脚本・・・荒井修子、プロデューサー・・・矢口久雄、近見哲平、ディレクター・・・鈴木浩介
公式ページ
◇番組HP
http://www.tbs.co.jp/getsuyou-meisaku/

 


<ほとんどなくなっていました>

<(光彦)僕は 伊豆・天城峠
取材の旅に来ている>

(雪江)思い切って来て 良かったわ

お母さんが 僕の取材に
ついていくなんておっしゃるから

驚きましたよ
あら いつものことじゃないの

まあ そうなんですけど

お父さんは 川端康成が大好きでね

一緒に 「伊豆の踊子」の道程を
たどってみよう って

そうだったんですか
うん

結婚してから初めての
二人旅だったわ

もう一度来たいって

ずっと思っていたの

浄蓮の滝

ね…

はい

<ノーベル文学賞を受賞した作家
川端康成の著作>

<「伊豆の踊子」>

(雪江)天城山隧道ね

(水が滴る音)

(鈴の音)

<主人公である旧制高校の学生は>

<この天城峠を旅する>

<そして 旅の途中>

<旅芸人の一行と出会い>

<踊り子に恋をする>

♬~

よっ

♬~三島女郎衆はノーエ

♬~三島女郎衆はノーエ

♬~三島サイサイ

♬~女郎衆は

♬~御化粧が長い

♬~富士の白雪ノーエ

♬~富士の白雪ノーエ

♬~富士のサイサイ

♬~白雪…

<生きるため 苦しみを笑顔で隠し>

<耐え忍ぶしかない 彼らの宿命>

<学生と踊り子は>

<下田に着いたら
一緒に活動写真を見に行こうと>

<約束をする>

<しかし
それは許されない恋だった>

≪行きましょう

<学生に恋をしても
かなうことはないと>

<踊り子の母は知っていた>

(鈴の音)

<あらがうことのできない
娘の運命も>

(雪江)光彦

どうかしたの?

何でもありません

そう 行きましょう

はい

はあ…

随分たくさん貼ってあるのね
千社札

はい あっ

え~っとですね
うん

千社札は 江戸中期頃から

江戸の町を中心に
流行したそうです

神社仏閣をお参りして
参拝の証しとして

主に氏名を書いた紙の札を
社殿や仏堂に貼りつけ

神仏から
加護功徳をいただくそうです

一夜漬けのお勉強ね

あ… おっしゃるとおりです

ねえ あなたも千社札を作って

貼って回ったらどうかしら?

何のためにですか?

良縁祈願に決まってるでしょ

もうこうなったら 神様のご加護に
おすがりするより他ないわ

お願いします

すみません

はあ…

そうそう ここよ
お父さんと泊まった旅館

ああ 懐かしいわ

歴史を感じる
いいたたずまいですね

ええ ねえ

オホホ

(悠里子)ようこそ
(一同)いらっしゃいました

(慶子)本日は
お越しいただきまして

ありがとうございます 浅見様

こんにちは
こんにちは

武上旅館の女将
武上慶子でございます

浅見様には 亡くなった父の時代に

ご主人様と お越しいただいた
ことがあったかと

ええ 随分前ですけれど

是非また もう一度
うかがいたいと思って

息子の光彦です
お世話になります

まあ 息子さんとご旅行だなんて
お幸せですわねえ

ええ でも この人は
仕事のついでなの

あらっ お仕事で伊豆に?

ルポライターの仕事をしてまして

「旅と歴史」という雑誌に
伊豆の踊子」の世界を巡る記事を

書こうかと思いまして
(慶子)まあそうですか

何か ご入り用なものが
ございましたら

何なりと
お申し付けくださいませね 先生

先生だなんて
そんな大したものでは…

ございませんの

うちでは ただの居候で

ひどいなあ まあそうなんですけど

ハハハハ 光彦

さあ ご案内して どうぞ

ありがとうございます

(伸江)浅見先生 どうぞこちらへ
お世話になります

(芳美)はい お尻を
お押しいたしましょう

お尻は…
お尻を お押しいたしましょう

ありがとうございました

宿帳なんて 懐かしいわね

昔ながらで
やらせていただいてますので

(伸江)お茶をどうぞ
(雪江)ありがとうございます

(伸江)お茶をどうぞ
ありがとうございます

(武上)失礼いたします
(雪江)はい

(武上)おくつろぎのところ
申し訳ございません 武上です

もしかして 先代の跡を継がれた?

女将さんのご主人です
まあ

それじゃ この旅館の
経営者ってことですか?

はい こう見えてもね
社長さんなんですよ

伸江さんっ
あっ ごめんなさい

どうぞ どうぞお入りください

失礼させていただきます

あの お仕事の参考になればと

伊豆の文学の資料を
少しお持ちしたんですが

あっ すみません

どうぞ

ああ すごい

役に立ちそうです

すいません 差し出がましいことを
いえ 助かります

素敵なお庭ですね

(小林)ええ

ご旅行ですか?
はい 娘と

そうですか

僕は母と一緒に

お母様と?

それはいいですねえ

(朝美)お父さん
まだお風呂に入ってなかったの?

ああ ごめん
今行こうと思ってたんだ

今お風呂に入らないと 食事のあと
マッサージも呼べないよ

せっかくなんだから満喫しないと

分かってるよ 朝美

はい… えっ?

あっ あの…

お名前 アサミさんと
おっしゃるんですか?

はい

僕は 浅見光彦といいます

浅見さん
はい

深い浅いの「浅」に「見る」で
浅見です

私は 「美しい朝」で朝美なんです

同じ「アサミ」なんて奇遇ですね

ええ 結婚したら
「浅見朝美」になっちゃいますね

結婚? あ…

朝美 何言ってんだよ

(雪江)光彦

お母さん

あら

母です
光彦の母でございます

小林です
娘の朝美です

あらっ 朝美さんとおっしゃるの?

まあ 奇遇ねえ
はい

娘さんとご旅行だそうです
ああ

お父様と 温泉?

父が運送会社を定年した
お祝いなんです

まあ 親孝行でいらっしゃいますね

全然 うちは両親が離婚して

男手一つで私を育ててくれたのに

今まで
全く親孝行していなかったので

今回は奮発したんです

私達には こんな立派な旅館
贅沢すぎるんですけど

何言ってるの お父さんには
ここでしっかり骨休めして

ずっと長生きしてもらわなくちゃ
いけないんだからね

朝美

ありがとう

(雪江)いいお嬢さんね

ホントに

お仕事は 何を?

食品メーカーに勤めてます

そう しっかりしてらっしゃる

うちの光彦は
ルポライターだって言って

フラフラしてばっかり

すみません

確かに 光彦さんは
ちょっとナヨナヨしてますよね

ナヨナヨ?
朝美

でも私は好きです
優しいのが顔に出てます

ああ…
プッ

ハハハ
ありがとうございます

良かったわね ハハハハ

あっ すいません
もう私達 お風呂に入らないと

失礼します お父さん早く
いや 朝美…

失礼します
おい そんなに急がすなよ…

パワフルですね 朝美さん

あんなふうに

グイグイ引っ張っていってくれる
タイプがいいのよねえ

えっ?
うんっ?

はあ~

ああ

小林さん?
うんっ?

ああ 光彦さん

いいお湯ですねえ
ええ

面白いですね 朝美さん

がさつで お恥ずかしいです

でも 妻と離婚してから
娘には苦労をかけっぱなしで

一人っ子ですから

強くならざるを得なかったんだと
思います

でも 優しい子です

それは分かります

お父さんのことを
とても大切にしてらっしゃる

私なんかが
こんなに幸せでいいんでしょうか

えっ?

あっ いや…

光彦さん これからも
朝美と仲良くしてやってください

こちらこそ

私に何かあれば
あの子は一人っきりです

光彦さんみたいな方が
そばにいてくれたら

どれだけ心強いか

もちろん 僕でよければ
いつでもお力になります

ありがとう ありがとうございます

いや ちょっと のぼせましたねえ

はい あがりますか?

うん そうしましょう

お父さん いつまで入ってるの?
もうご飯だよ!

あっ

小林さん
ああ 光彦さん

おはようございます
おはようございます

今 武上さんと
お会いになってましたよね?

えっ? ああ 偶然

朝食に遅れると
また朝美に叱られますんで

お先に

<最愛の娘との
幸せに満ちた温泉旅行>

<これが 僕が見た小林さんの
最後の姿だった>

<親が子を思う心は 海よりも深く>

<時に悲しい>

<その 親から子への
揺るぎない愛情が>

<恐るべき殺人事件に
つながっていこうとは>

<この時 僕は>

<まだ知る由もなかった>

おはようございます
おはよう

(陽一郎)光彦
また修善寺に行くんだって?

はい 「伊豆の踊子」の記事を書いた
「旅と歴史」が出来上がったんです

(和子)へえ~
(雪江)うんうん

なかなか面白そうだなあ
はい

武上さんにお借りした資料が
とても参考になったので お返しに

それじゃ
またあの武上旅館に行くの?

はい 是非 読んでいただきたくて

そう それはいいわね

でも 思い返しても残念だったわ

その旅館で

朝美さんといってね
朝美さん?

そう 小林朝美さん

光彦を
引っ張っていってくれそうな

素敵なお嬢さんに出会ったのよ

(和子)ええ~っ
そんな出会いがあったんですか?

(須美子)あの 連絡先とかは?
いえ それは…

やっぱり
さすがですね 坊ちゃま

ねえ
(和子・須美子)フフフフ

もったいないことを

女性に 連絡先なんて
気軽に聞けませんよ

光彦さん ご縁があれば
きっと再会できますよ

運命の人とは再会できるって
言いますからね

そうですね
まあ

そんなに
世の中 都合よくは いかんだろう

そうねえ

期待しないで 待ってるわ

はい

(一同の笑い)

朝美さん?

光彦さん

まさか 朝美さんに会えるなんて
思っていませんでした

何でまた修善寺に?

ええ ちょっと…

お父さん お元気ですか?

父は

あれから亡くなっちゃったんです

《(小林)私に何かあれば
あの子は一人っきりです》

《光彦さんみたいな方が
そばにいてくれたら》

天城峠で…

事故で

ひき逃げだ って
警察が

ご愁傷さまです

ありがとうございます

ごめん!

何か 私 暗かったよね
せっかくまた会えたのに

あの…

無理しなくてもいいです

ありがとう

でも 大丈夫

ホントすいません

父が亡くなって
もう1カ月にもなるのに

まだ 1カ月ですよね

あっ 私を泣かせる気なんでしょ?

もうやめてよ

朝美さん

ないかな
何かお探しですか?

父は 年に一度
千社札を貼る旅をしてたんです

千社札

どこに行くのか聞いても

「決めてない 気の向くままだ」って
はぐらかされて

天城にいたって聞いて 驚きました

この前 来たばかりだったから

私は 父のことを

何も知らなかったのかも
しれません

あった
えっ?

お父さんの貼られた
千社札ですか?

ええ

「しも… つかさ」?

そう読めますか?
あっ いえ

千社札は普通 名前を入れるので

そのまま読んだら下司ですよね

下司

心根が卑しく
下劣であるという意味です

どうして父は

こんな下司なんて札を
貼っていたんだろう?

それが知りたくて
天城に来たんです

父の貼った千社札
探して歩いたら

少しでも父の気持ちが
分かるかもしれないって

僕も一緒に行きます

でも 用事があって
来られたんじゃないですか?

それはまた日を改めて

それはダメです

この前 旅館の露天風呂で
お父さんと…

《お父さん いつまで入ってるの?
もうご飯だよ!》

《あっ》

あの時 あの あれは
のぞくつもりじゃ…

分かってます

すみません

あの時 お父さんは

もし自分に何かあったら

朝美さんのことを
助けてやってほしいと

おっしゃいました

父が そんなことを?

だから 僕も一緒に行きます

これは
僕とお父さんの約束なんです

ありがとう

《お父さんには ここで しっかり》

《骨休めして ずっとずっと》

《長生きしてもらわなくちゃ
いけないんだからね》

《(小林)光彦さんみたいな方が
そばにいてくれたら》

《どれだけ心強いか》

光彦さん あった!

次 行きましょう
はい

あった
えっ?

修善寺

ここにあって…

あっ

ありがとう
かわいいですね

しおり人形 私のお守りです

お守り?

子供の頃 習ってたピアノの先生が

毎年 誕生日に送ってくれるんです

頑張れって

私ね

子供の頃 お母さんが
出ていっちゃったでしょ

だから ず~っと
お父さんと二人暮らし

お父さんの帰りが遅い時

これを見ていると

私は一人じゃない

大丈夫だって思えたんです

よしっ 次行くか!

行きましょう

朝美さん ありました

ここです

ホントだ

次 行きましょう
はい

今の方 お知り合いですか?

朝美さん?

母だった人かもしれない

あの!

朝美さんのお母さんですか?

光彦さん

行ってしまいました

いいんです

話すことなんか ありませんから

去年の成人の日に晴れ着が着られ
なくなるなどの

トラブルを起こした貸衣装会社、は
れのひの元社長、

篠崎洋一郎被告が懲役2年6カ月

実刑判決を不服として

控訴していたことがわかった。

貸衣装会社のはれのひの元社長、

篠崎洋一郎被告は粉飾した決算書
類を使って

2つの銀行から融資金およそ65
00万円を

だまし取った詐欺の罪で、

先月19日、横浜地裁

懲役2年6カ月の実刑判決を受け
た。

篠崎被告が判決を不服として、

今月1日付で控訴していたことが
わかった。

はれのひは、去年の成人の日に突然
営業を停止し、

およそ2000人の新成人が

晴れ着を着られなくなるトラブル
となったが、

このトラブル自体は立件されなか
った。

スポーツカーの連続窃盗に関与し
たと見られる

夫婦らが逮捕された。

逮捕されたのは、神奈川県平塚市
住む夫婦ら3人。

3人は去年11月、

神奈川県秦野市の駐車場から

およそ132万円相当の車を

盗んだ疑いなどが持たれている。

妻は事件当時、臨月だった。

周辺では旧型のスポーツカーが

盗まれる被害が相次いでいて、

これから どうしますか?

東京へ帰るなら
駅まで お送りしますけど

いえ お父さんの千社札
もっと捜します

でも もう時間が…

光彦さんは どうするんですか?

僕は ちょっと
旅館に用があって

じゃ その旅館に泊まりましょう

えっ?

いや あの~ それは…

行きましょう

ここですか?
はい

武上旅館

はい…

浅見様?
あっ 浅見様!

先日は ご利用いただきまして
ありがとうございました

あの 今日は?
あの それが…

今日は
お部屋 空いてますか?

朝美さん

あっ
(唯)あっ

少々 お待ちくださいませ 悠里子

あの あの ちょっと…

(唯)羨ましいです お似合いで
(広美)ホントに

光彦様は私の
運命の男だって思ってたんですよ

でも 諦めます~
諦めます~

ありがとうございます
えっ?

(悠里子)お待たせしました

さすが浅見様 幸運の持ち主

先ほど キャンセルが出まして
一部屋だけ ご用意できました

一部屋だけですか
二部屋 空いてませんでしたっけ?

あれは今 急に埋まっちゃったの

そこを何とか
もう一部屋 お借りできませんか

物置でも どこでも
本日は 満室でございます

ございます
それでは また今度に

それで結構です
よろしくお願いします

朝美さん…
かしこまりました

どうぞ どうぞ
じゃ 私がお尻をお押しいたします

お尻は…
どうぞどうぞ

ありがとうございます
ありがとうございます

間接照明にすると
とってもムードが出ますので

唯さん! 失礼いたします

失礼します

ちょっ 何
何してんのよ あんた達 ちょっと

ムードを出しましょうか
いえ このままで

ねえ 光彦さん

はい

聞かないんですか? あの人のこと

朝美さんのお母さんのことですか

話したくないことは

話さなくても
いいんじゃないですか

あっ おいしい

あの人は 父と私を捨てたんです

父は何も言わなかったけど

男の人をつくって出ていったって

親戚は話してました

光彦さん ありがとうございました

何がですか?

急に あの人に会って

光彦さんが いてくれてよかった

(武上)浅見さん

あっ 武上さん

お父さん 亡くなられたそうですね

ご存じでしたか

この辺りのことですから

ひき逃げの犯人は
まだ捕まっていないようです

朝美さんの気持ちを考えると…

あっ そういえば武上さん

僕が
泊まらせていただいた日の翌朝

小林さんと
会ってらっしゃいませんでしたか

えっ?
散歩に出たら

武上さんが いらっしゃるのが
見えて その時 小林さんと

ああ~ そうでしたかね

あっ すいません
食事の支度がありますんで

あの…

そろそろ
ね… 寝ますか

は はい…

おやすみなさい

おやすみなさい

光彦さん

はい

私…

明日 朝一番で帰る

仕事もあるし

はい

光彦さんは ゆっくりしてってね

いえ

僕も一緒に帰ります

一人で帰る

これから
ずっと一人で生きていくんだし

光彦さん

はい

ありがとう

(紗季)次は香菜ね

(香菜)私はいい 欲しいものないし

(薫)万引ぐらいでビビるか 普通

(紗希)
ほら 香菜のパパ 警察だから

(薫)ああ~ 万引はマズいか

警察の娘は

別に あんな親父 関係ないし

警察とかマジ ウザいから

ちょっと待って

(大垣)おい 君!
(美月)早く逃げよう

待て 来い!

ちょっと待ってください

彼女は何も盗んでいません

(保田)あっ すみません

保田香菜の父です

このたびは 娘が
本当に申し訳ございませんでした

いえ 娘さんは万引していません

えっ…

もう
本当に ありがとうございました

いえ 僕は何も

香菜 ほら
お前もお礼を言いなさい

浅見さんが
いてくださらなかったら

どうなってたか

香菜!
いいんです

すみません もう

刑事の娘だってのに
しつけが悪くて

いいえ 香菜さんは
いい娘さんだと思います

香菜さんは 周りから
「お父さんが 警察だから」

「万引できないんだろう」って
からかわれても

一生懸命
踏みとどまろうとしていました

そのことは
分かってあげてください

あっ あの 浅見さん

はい

よろしければ
うちに寄っていただけませんか

お宅に?

はい お願いします

娘を助けてくれた恩人に

お礼もしなかったなんていったら

女房にドヤされますから

ここです
立派なおうちですね

うちは
代々 わさびを作ってるんですよ

わさび

ただいま~

(美菜)お帰りなさい
(春菜)お帰り

おっ ただいま
おっしょ~ あっ 浅見さん

(円香)
香菜 あんた 何てことしたの!

あの 香菜さんは…
ちょっと待ちなさい!

円香! せっかく
浅見さんが来てくださったんだぞ

その話は あとで
ああ もう すいません 浅見さん

うちの娘が ご迷惑をおかけして
ホント恥ずかしい限りで

いや とんでもありません

(孝志)浅見さん
孫がありがとうございました

あっ 父です 母です

(弥生)何の
お構いもできませんけど どうぞ

ありがとうございます
これが香菜のすぐ下の妹で美菜

こっちが末っ子の春菜です

二人とも ご挨拶は?

こんにちは~

こんにちは 浅見光彦です

光彦? じゃあ みっちゃん?

それじゃ 女子っぽいじゃん

あっ ミッツは?

ミッツ~!
じゃあ ミッツで

すいません
どうぞ どうぞ

どうぞ どうぞ
早く

早く早く!

(円香)コラ 座んなさい!

ホコリが立つだろ もう

そうなんです…
ああ 浅見さん

(弥生)どうぞ
(孝志)コラコラ…

すごいお料理ですね
(弥生)お座り!

ああ おいしそうですね

香菜も座んなさい

ご飯いらない
また お前は!

香菜 みんなで食べようや

ほら 座れ座れ座れ

ほら
ほら

せ~の
よっ

さあ どうぞ
浅見さん

こんなもんですが
召し上がってください

ありがとうございます

いただきます

あっ うちと同じだ

ご飯に ご挨拶

じゃ みんなも いただきます

いただきます

う~ん おいしいです

よかった~ お口に合って

う~ん おいしい

ミッツって結婚してる?

彼女とかいる?
美菜!

残念ながら 結婚もしてないし

彼女もいないんだ

え~っ
優しそうなのに おかしいね

おかしくないよ
男は優しいだけじゃダメだから

コラ 香菜
生意気 言うな!

浅見さんの前だからって

急に一家の
家長でございって顔しちゃって

別に そんなんじゃないよ

あなたはね 結局 嫌われ役は
私に押しつけて 自分は娘達に

嫌われたくないってのが
見え見えだからダメなのよ

何だと!
何よ!

あの ちょっと…
お気になさらず

ひと節 歌えば仲直りです
ひと節?

♬~

おお~

よっ 待ってました!

日本一っ

円香ちゃん いい女っ

円香 円香 円香 円香 円香~!

♬~

♬~隠しきれない 移り香が

♬~いつしかあなたに 浸みついた

♬~誰かに盗られる くらいなら

♬~あなたを 殺していいですか

♬~寝乱れて 隠れ宿

♬~九十九折り 浄蓮の滝

♬~舞い上がり

♬~揺れ墜ちる 肩のむこうに

♬~あなた……

♬~山が燃える

♬~何があっても もういいの

♬~くらくら燃える 火をくぐり

♬~あなたと越えたい

(春菜)ミッツ!

♬~天城越え

(歓声)

よっ いいぞ 浅見さん!

はい じゃあ 次 次

じゃ いっちゃおうかな
おっ じゃ パパ

タッチ交代~
マイクもらったからね

何歌おうかな 何歌おうか…

イエーイ 浅見さん!
おお~

無理です 無理です…
どうぞどうぞ 大丈夫です…

(ミッツコール)

えっ? いや 無理…

(ノック)

はい
浅見さん お風呂 どうぞ

すみません 泊めてまでいただいて

あっ いえいえいえ

浅見さん 今日は香菜のこと

本当に ありがとうございました

そんな 保田さん
顔を上げてください

いえいえ 刑事の娘が万引なんて

もうホントに お恥ずかしい話で

親として 刑事として
何やってんだって話です

いやいや

娘が悪い仲間と
つるむようになったのは

私のせいなんです

どうしてですか?

刑事課に行ってからというもの
忙しさにかまけて

子供達に目が届かなくて

香菜が万引しようとしたのも

私への反発もあるんだと思います

実は私

警察を
辞めようかと思ってるんです

娘達のことだけじゃないんです

両親は 自分達の代で

農家を終わりにすると
言ってはくれてますが

二人が大事に守ってきた田んぼを
見るたび それでいいのかと

おはよう

香菜ちゃんちの家族は
すっごく面白いね

ウザいよ
えっ?

浅見さん…

東京まで お帰りになるんですよね
お送りします

いえ ちょっと
寄って帰りたいところがあるので

《これから》

《ずっと一人で生きていくんだし》

浅見さん!

あっ…

小林さんは この下で…

はい ここをハイキングで
大学生達が歩いている時に

小林さんの遺体を発見しました

大学生達が
トンネルの中を歩いていると

後ろから猛スピードで

白のセダンが
追い抜いていったそうです

それから
すぐ急ブレーキの音が聞こえて

彼らが慌ててトンネルを抜けると

車は去ったあとで

その大学生達が

この崖下で

小林さんの遺体を発見したんです

小林さん…

保田さん

事故のあと この周辺に千社札
見つかりませんでしたか?

千社札

はい 小林さんは

この辺りの神社に千社札
貼って歩く旅をされていたんです

ああ 千社札
遺留品はありませんでしたね

「小林」とか「章夫」とか

そんな札が
落ちていれば 目立ちますし

それが 小林さんの千社札には

下司」と書かれていたんです

ゲス? ゲス野郎とか
ゲス不倫のゲスですか?

はい

でも なぜ小林さんは

そんな千社札
貼っていたんですか?

僕も それが知りたいんです

ご存じかもしれませんが

小林さんの経歴は
少し変わっていまして

宅配便の配送ドライバーをする前は

峰岡電機に勤務していたそうです

えっ?
峰岡電機といえば

日本を代表する電機メーカー

そこで最年少で
本部長になるほど

優秀な社員だったようです

それが どうして
辞められたんでしょう?

離婚が原因だったのかも
しれませんね

離婚が?
ええ

奥さんが娘を置いて
出て行ったので

子育てに理解のある
地元の運送会社に

転職したようです

《朝美さんのお母さんですか?》

今 奥さんは
どうなさっているんでしょう?

ああ… すいません

そこまでは ちょっと…

(携帯着信)

あのあと 刑事さんと知り合って

お父さんのことを
少し伺いました

峰岡電機に
勤めていらしたんですね

そうみたいです

でも 私は小さかったので

当時のことは覚えてないんです

父も その頃の話は
したがらなかったし

父には…

私の知らない過去が
あるのかもしれない

でも これだけは言えます

私の知っている父は

下司なんて言葉とは
正反対の人だって

はい

朝美さん

はい

ずっと一人で生きていくなんて
ことはありません

えっ?

きっと朝美さんは

素敵な人と出会って

子供も産んで

いい家族をつくって

だから…

だから朝美さん

ずっと一人なんてことは
ありません

光彦さん…

ありがとうございます

ただいま

お帰りなさいませ
お帰り 光彦

伊豆で泊まってきたんだって?

はい 色々
調べたいことができてしまって

調べたいことって?

えっと…

まさか また事件に首を突っ込んで
いるわけじゃないだろうな

警察庁刑事局長の

陽一郎さんの
ご迷惑になるようなことは

絶対に許しませんよ

よーく 分かっております

小林さんのこと

残念だったわね

はい

朝美さん

さぞ
気落ちしてらっしゃるでしょう

でも 僕の前だと

明るく振る舞ってくれてます

えっ 坊ちゃま 朝美さんと
お会いになったんですか?

それも 天城で?

あっ それはあの… 偶然で

偶然…
本当か?

ホントに偶然です
怪しい

でも… 光彦が
朝美さんと再会したのは

小林さんの
おぼし召しかもしれないな

家族の中で起きた問題というのは

その家族にしか分からない
つらさがあるわ

うちでいえば
お父さんが亡くなった時

それから…

祐子が亡くなった時

光彦

できるかぎり

朝美さんの力になって
差し上げなさい

はい

しかし 羨ましいな

私も伊豆に行きたいな

だって… 時間がないでしょう
陽一郎さんは 忙しいんだから

いやあ来週なら
大丈夫かもしれないな

ちょっとスケジュール見てきます

いや… ええっ?

まあ…

陽一郎さん みんなで
家族旅行がしたいって

いつも言ってるんですよ
兄さんが?

ええ

お義母様には 仕事が忙しくって

親孝行できてないって

ううん 十分 親孝行ですよ

主人が亡くなった時

まだ若かった陽一郎さんが

浅見家の当主として しっかり
この家を守ってくれたから

私達 家族は 安心して
暮らしてこられたんですもの

何だか 入りにくい雰囲気ですね

あらまっ あなた いたの!

いましたよ

来週は 何とかなりそうです

みんなで伊豆に行きましょう!

えっ 兄さん!
お前 教えてくれよ

行けるんですか?
本当?

いよいよ いよいよ 久しぶりだな
伊豆です お義母様

(陽一郎)須美ちゃんに
服買ってあげないと 何着たいかな

(携帯着信)

はい
☎もしもし 下田中央署の保田です

保田さん 色々
お世話になりました

ああいえ こちらこそ
あれから小林章夫さんの元奥さん

笠原清美のことを調べました

(昌子)はい 日替わり
お待たせしました

どうも ありがとう
いつも ありがとうございます

ありがとうございます

(寺内)おーい 筑前煮まだか!

(清美)はーい 今持っていきます

あの…
いらっしゃいませ

突然 すみません

笠原清美さんですね?

先日 天城で…

浅見光彦といいます

小林さんのことについて
お伺いしたいのですが

お仕事が終わったら 少しお時間を
いただけないでしょうか?

お話しすることは何もありません

えっ…

ねえ 清美ちゃん
あの子 まだいるよ?

何か話があるんだろう
行ってやれよ

すみません お忙しいところ

さっき お弁当いただきました

筑前煮 とてもおいしかったです

すいません
手短にお願いできますか?

小林章夫さんが 天城峠
亡くなられたのはご存じで?

ええ

小林さんは毎年
神社に千社札を貼って歩く

巡礼の旅をされていました

その千社札には
名前ではなく

下司」という文字が
書かれていました

なぜ小林さんは下司という
千社札を貼っていたのでしょうか

私には分かりません

それじゃあ

朝美さんが

娘さんが苦しんでいます

家族のことは
他人には分かりません

失礼します

光彦 早く 早く

もう ねえ?

わさびソフトッ
それいく?

いきたいです

(和子)
ここだあ 伊豆最古の湯なんですね

皆さんで写真撮りませんか?
いいですね

独鈷の湯も入れてちょうだいな

はい 分かりました
ちょっと待って

頑張ってください
撮りまーす

はーい チーズ

はあ…
うわ~ 素敵ですね

修善寺はね
伊豆の小京都と言われているのよ

風情がありますね

(悠里子)お帰りなさいませ
(一同)お帰りなさいませ

浅見様

またのお越し
ありがとうございます

とても素晴らしいお宿でしたので
家族と一緒にまた まいりました

お出迎えから
素晴らしいおもてなしですね

感激しました
ありがとうございます

ありがとうございます

武上さん 先日は
ありがとうございました

光彦がお世話になりまして

こちらこそ わざわざ
お越しくださいまして

皆様
お疲れでいらっしゃいましょう?

どうぞ お部屋のほうで
おくつろぎくださいませ

さっ お荷物 お持ちして

どうぞ
あっ…

重い荷物は伸江にお任せください

私が伸江ですよ~
すみません ありがとうございます

陽一郎さんも来られたら
よかったのにねえ

(和子)
急なお仕事が入ってしまって…

こちらもご確認
お願いいたします

行きたかったな~

似合うわ須美ちゃん 浴衣
ありがとうございます

夕方も風情があっていいですね
そうねえ

あなた大丈夫? 浴衣
少し小さい…

兄さんにお土産ですか?
ええ

何が喜ぶかしら

和子さん 陽一郎さんに
こんなのどうかしら?

わあ~ 素敵ですねえ

わさび色?
ああ はい

奥様 こちらは?

ああ それもかわいい
えー どっちにしようかな?

うーん どっちも!

母さん…

そうですね
はい はい

頑張れっ
頑張ってください

ああ…
あ~あ

どいて

当たったー!

(鐘が鳴る)

すごい…

お食事も楽しみです
そうねえ

おなかすいてきたわ

お帰りなさいませ
(雪江)ただいま戻りました

楽しかったわ 射的

そうですか
あっ お母さん

先に行っててください

そう?
じゃあ あとでね

もう 病みつきです
ねえ すごいわよ

女性陣のお供ですか?
はい

みんな 楽しませてもらってます

何かありましたら
何でもおっしゃってください

あの 武上さんに

ちょっと お聞きしたいことが
あるんですけど

何でしょう? じゃあ中で どうぞ

聞こえない 亀の…
失礼しました

♬~エンヤードット エンヤードット

♬~松島の

♬~エンヤードット エンヤードット

宴会なんです これから
ああ…

(悠里子)ちょっと何歌ってるの
もう急いでよ

(芳美)もう また怒る
(悠里子)怒ってないでしょ!

♬~エンヤードット エンヤードット

皆さんの働きぶりは
見ていて気持ちがいいですね

旅館は人が財産です

みんな 私達の家族です

(悠里子)お手伝い お願いしますね
もし盛り上がらなかったら

私達がガンガン盛り上げますから

たこ踊りは お任せください
ちょっと ちょっと

調子に乗りすぎないでね
はーい

唯さんと広美さんは
お子さんのお相手をお願いね

お父様とお母様に ゆっくり
くつろいでいただくために

(唯・広美)はいっ
唯さんは子供が大好きですもんね

はい 頑張ります!

(悠里子)準備にかかって
準備に取りかかって

浅見様 どうしてこちらに?

皆さんの働きぶりが素晴らしくて

つい 見学させて
いただいていました

お恥ずかしゅうございます
いいえ

僕は ますます武上旅館が
好きになりました

そのお言葉 励みになります
ありがとうございます

どうぞ
ああ すみません

旅館を愛してらっしゃるんですね
武上さんは

私の人生そのものです

で お聞きになりたいこととは?

あっ いえ…

何で武上さんは
旅館の仕事を愛して

一生懸命 仕事をなさるのか

そんなことを
伺いたかったのですが

もう十分です

何だか お恥ずかしい

この旅館のためなら

私は命がけで何でもします

私はもともと ここの従業員でした

女将の慶子は
この旅館の一人娘で

跡取りとして 私を選んでくれて

そうでしたか…
はい

他に いい縁談が
いくつもあったのに

こんな私を…

だから私には 何があっても

女将と老舗の看板を守る
責任があるんです

(一同)うわあ~

(伸江)こちら 天城で育った
あまごでございます

おいしそう~!

大きいですね
珍しいわね

来てよかったわねえ
はい 幸せですね

さっ いただきましょうか

はい
(和子・須美子)はい

(一同)いただきます

わあ~ これ

うーん おいしいですね

やっぱり とれたては格別ね

(武上)失礼いたします
はい

失礼いたします どうも

いかがですか? お料理

とっても おいしいです

そうですか そう言っていただいて
安心いたしました

昔 主人と泊まった時の雰囲気は
そのままで

新しくすべきところは
新しくされて

これぞ老舗のあるべき姿だと
思いましたわ

ありがとうございます
その辺のところは

主人が色々と考えてくれまして
武上さんが

いえ 私は何も…

お二人で
支え合ってらっしゃるのね

普段は尻に敷かれております

はい 座布団代わりに

まあっ

お上手 女将さん
どうぞ 召し上がってください

浅見様 どうなさったんですか?

悠里子さん こちらのお人形は?

ああ…

愛らしくて いいお顔ですね

女将さんの息子さんの
五月人形なんです

息子さん?

女将さんと武上さんに
息子さんがいらしたんですか?

亡くなったんです ずっと前に
(悠里子)これ

すいません…
ご存じなかったんですね

20年ほど前に
息子さんを亡くされてるんです

和真さんとおっしゃって
一人息子で跡取りでした

ご病気か何かで?

自殺… しちゃったんだよね?

私達 和真さんが小さい頃から
こちらにお世話になって

ですから東京の大きな会社に
就職なさった時には

みんなでお祝いさせていただいて

立派に育って
これからって時にね~

仕事がうまくいかず
思い詰めて…

薬を飲んで…

そうだったんですか

すいません こんなお話

でも 社長も女将さんも
私達 従業員の前では

気丈に振る舞われて…
ですから

私達 お二人のこと
心から尊敬してるんです

はい
失礼いたします

失礼します

お風呂ですか?
はい

(武上)どうぞ ごゆっくり

(慶子)ありがとうございました
(仲居達)ありがとうございました

こちらこそ 最高のおもてなしを
ありがとうございました

これから どちらへ?

下田まで 足を延ばしてみようかと
思っています

(伸江)じゃあ おにぎりを
持って行かれます?

いえ そんなとんでもない

おにぎり お持ちしました

絶妙なタイミングですね
若い人はフットワークが勝負ですから

はい
ありがとうございます

フットワークで勝負しました

あんたは若くないでしょ
ああ 誰かに押されてる

芳美さん! 伸江さん!

どうも すみません
ホント言っときますね

ホントごめんなさい
光彦

あなたは別行動でしょ
えっ はい あっ…

じゃあ 和子さん 須美ちゃん
私達は行きましょうか

はい

さようなら
ありがとうございました

行ってらっしゃいませ!
ありがとうございました

よかったわね

(芳美)気をつけて

ああ 浅見さん
わざわざすみません

いいえ この前は笠原清美さんの
ことを教えていただいて

ありがとうございました
いえいえ

お役に立ちましたか?
はい

で お話とは?

あの… ちょっと
お願いがありまして…

香菜ちゃん

何でいんの?

ちょっと お父さんに用事があって

だから

香菜ちゃんにも
会いたいなと思ったから

お父さんに何か頼まれた?

バレたか…

お父さんに 香菜ちゃんの相談に
乗ってやってくれって

相談したら そのこと
お父さんに言うんでしょ

言わないよ
絶対言う

僕 昔 妹がいたんだよ

何で過去形なの?

亡くなったんだ…

昔 妹も
よく僕に相談してくれたんだ

《(祐子)どんなに偉い人だって》

《どうにもならない悩みや苦しみを
抱えて生きてるんだって》

《お兄ちゃんが
教えてくれたんでしょ》

《あれ? えっ…
そうだったっけ?》

《そうだよ!》
《えっ?》

香菜ちゃんが
僕に相談があるって聞いて

妹のことを思い出して嬉しかった

だから 秘密は守るよ

妹に誓って

これ この前の?

恥ずかしいな

香菜ちゃんちは
ホントにいい家族だよね

他の家族の写真も見ていい?

いいけど

あのさ
うん?

お父さん 刑事辞めるの?

お父さんから そう言われたの?

違うけど

夜中 話してるのが聞こえた

香菜ちゃんは 辞めてほしい?

別に どっちでもいい

親が警察とか面倒くさいし

だから ちゃんとしろとか
ホント ウザい

内緒にしておいてほしいんだけど

実は僕も

兄が警察関係の仕事なんだ

そうなの?
うん…

それで
いつも迷惑ばかりかけてる

自分では迷惑かけないようにって
思ってるんだけど

私と同じじゃん

同じだね

でも 僕は

使命感を持って
仕事をしている兄を

誇りに思ってる

香菜ちゃんも本当は
僕と同じ気持ちだったら

そのことを
お父さんに言ってあげて

私は別に そんなんじゃないし…

そっか

残念だな

女将さん

ああ まあ 浅見様

もう ご用事は
お済みになったんですか?

はい これから家に帰ります

ああ そうですか

武上旅館は

大家族の中にいるような
あたたかい

本当に素晴らしいお宿でした

ありがとうございます

ここまでになさるには
色々 ご苦労もあったんでしょうね

いやいや いやいや
私なんか少しも

ただ 主人には随分
苦労をかけてしまいました

私なんかと結婚しなければ

主人は もっと幸せな人生を
送れたかもしれません

いいえ ご主人は

女将さんが自分を選んでくれたと

嬉しそうに
話してくださいましたよ

主人はね 私と結婚する前
好きな人がいたんですよ

でも 私が
主人のことを好きになって

だから 主人は好きな人を諦めて
武上旅館を継いでくれたんです

主人は 責任感が強い人ですから

責任感じゃないと思います

ご主人は

女将さんのことを
愛しておられます

ありがとうございます

あっ じゃあ お気をつけて

(携帯着信)

はい

☎小林朝美です

光彦さん

今晩 お時間ありますか?

あっ はい

伺います

(電話を切る)

光彦さん!

こんばんは
どうぞ 上がって

えっ あっ いや…

どこか喫茶店でも

光彦さん 私に何かする気ですか?

しませんよ!

じゃあ どうぞ

失礼します

すみません あの ご飯まで

いいえ

こんなにたくさん
どうぞ

あっ ありがとうございます

う~ん はあ~っ

いただきます
いただきます

おいしいです

いいね

えっ?

誰かと家で食べる ご飯

朝美さん お料理 上手ですね

一通りは できるけど

私の料理には
何か足りない気がする

そんなことないですよ

私 おふくろの味を知らないからな

でも 料理 とっても上手です

ありがとうございます
この お魚は何ですか?

ご面会は できませんが

すいません わざわざ

女将さんの ご容体は?

一命は取り留めたんですが

まだ 意識が戻らなくて…

慶子は

旅館を守るために
寝る間も惜しんで働いて

身も心も疲れ果ててました

全て 私の責任です

そんなこと…

(清美)武上君

清美 来てくれたんだ

大丈夫?
清美さん?

あっ…

お二人は
お知り合いだったんですか?

ええ あの 中学の同級生で

お二人は?

僕は小林さんの件で
少し お話を

葉子も加藤君達も
あとから来てくれるって

悪いな

奥さん大丈夫よ 頑張って

ありがとう

女将のことでは みんなに
心配をかけてすまなかった

女将の穴を埋めるには
みんなに負担が…

水くさいこと
言わないでくださいよ 社長

私達がしっかり
お客様をお迎えしますから

女将さんは
いつもおっしゃってました

お客様にとって
今日は特別な一日なの

その一日を
最高の日にしましょうって

そのために私達は
いつもの何倍も頑張ります ねっ

はい
(悠里子)みんな 笑顔で

笑顔で お客様を
お迎えしましょう

はい

ありがとう ありがとう みんな

《私に何かあれば
あの子は一人っきりです》

《どうして父は「下司」なんて札を
貼っていたんだろう?》

《(悠里子)20年ほど前に
息子さんを亡くされてるんです》

《(芳美)
自殺 しちゃったんだよね?》

《私と結婚する前
好きな人がいたんですよ》

《中学の同級生で》

どちらへ?

武上旅館の女将さんの件で

刑事課の保田刑事に
お目にかかりにまいりました

(神谷)あなた お名前は?

浅見光彦といいます
ご職業は?

ルポライターです

ルポライター

あの 保田さんは…

まずは こちらで
お話 聞かせてもらいます

えっ えっ…
お前 いいから来いよ ちょっと

えっ?
来いって お前!

(長谷部)じゃあ 女将とは
修善寺川で話をして

そのまま別れたっていうのか
はい

僕は保田さんの知人で
決して怪しい者では…

お前が女将を
殺そうとしたんじゃないのか?

殺す? 女将さんは自殺なんじゃ…

自殺と見せかけて
お前が殺したんだろ?

そんな まさか…
おい 鈴井!

この怪しい男の身元は?
(鈴井)確認中です

あれっ 浅見さん

どうしたんですか?

僕が女将さんを
殺したんじゃないかと

え~っ そんな

課長 浅見さんは私の娘の恩人で
そんなことをするような…

お前 黙ってろ! お前は

こういう 虫も殺せなそうなやつが
一番危ねえんだよな

はい 虫 来た 殺せ

(鈴井)課長 課長!
無理だろ?

(鈴井)長谷部課長!
うん?

浅見光彦の兄という人に
電話がつながったんですが…

兄? いや あの あの
それはちょっと…

おい 兄貴が出たら
都合でも悪いのか

はっは~ん 兄貴も仲間だろ

えっ?
おい 電話まわせ

(鈴井)いや その…
まわせ おら!

もしもし
下田中央署 刑事課の長谷部だが

あんたか
浅見光彦っていう男の兄貴は

はい 光彦の兄ですが
弟が何か?

あんたの弟にね
殺人の容疑かかってんのよ

何かの間違いではありませんか?

私の弟は断じて そのようなことを
する人間ではありません

はあ~っ
また あんた偉そうに もの言うね

あんたさ
仕事 何やってんの? 仕事

私は

警察庁の刑事局長ですが

警察庁の刑事局長?

あのさ
警察庁の刑事局長っていうのは

国会で
警察を代表して答弁するような

とっても お偉い人なの ねっ

今は 浅見陽一郎という方が…

浅見?

お相手は浅見刑事局長です

弟さんです

早く謝ったほうがいいですよ!

そうだな

早く早く

≪だから!
≪何やってんの!

大変申し訳ございません
あの 私どもの部下が

とんでもなく
失礼な勘違いをしていたみたいで

はい はい あっ 私 あの

刑事課 長谷部はですね
弟君のご尊顔を拝し

このような お方が
決して犯罪者ではないと

何度も何度も
申しておったのですが

はい そうなんです はい

あの
私が部下の教育 指導のほうを

きっちりやっていきますので はい

長谷部が きっちり
やっていきますので はい

何とぞ 何とぞ
今回は ご容赦いただきたく

☎はい 失礼いたします

(電話が切れる)

浅見大先生 もう お人が悪い!

大先生…

浅見刑事局長の弟君で
あられるならば

最初から そうおっしゃって
いただければよかったのに

兄は兄 僕は僕ですから

立派でございます
ご立派でございます!

いや ホントに大変ですね
でもね 浅見大先生も

あっ いや…
大変でいらっしゃるでしょ

いえいえ 僕は はい 旅をしてる
いやいや 私も旅したいですよ

私もね 離婚さえなければ…

あの 私 あの 10年前に あの
一回離婚しておりましてですね

何とか 何とか
養育費のほうもありますし

子供も また二人
生まれましたんで 何とかひとつ

浅見さん よろしくお願いします

あっ 本当に申し訳ありません

もう 浅見さんを疑うなんて もう

いえ それより 女将さんは…

あっ 女将は空き地に車を止めて
薬を飲んでいました

それを
夫の武上さんが発見して病院へ

武上さんが
ええ

発見が もう少し遅れていたら
危なかったです

女将が自殺を図った場所は

20年前に
息子さんが自殺した場所で

息子さんの和真さんは
武上夫婦にとって

自慢の息子さんだったようですね

名門大学を出て
東京の大企業に入って

いずれは旅館を
継がせるつもりだったんでしょう

先ほど 病院で
笠原清美さんに お会いしました

彼女は 武上さんの中学時代からの
同級生だったんです

はあ~っ たまたまといえば
そうなのかもしれませんが

気になりますね

小林章夫さんの
ひき逃げ事件の捜査も

遅々として進んでいません

どんなことでも
気になることは調べましょう

ありがとうございます
いえいえ

いらっしゃいませ

笠原さん

すみません お店のご主人から
こちらで休憩されていると

かわいい しおりですね

えっ そうですか?

見せていただけますか?

あっ どうぞ

《かわいいですね》
《しおり人形》

《私のお守りです》

いとしいですね

私が作ったんです

そうなんですか
ええ

朝美さんも持っていました

毎年 送っていたんですね
ピアノの先生に頼んで

朝美さん これを見ると

元気が出るって言っていました

朝美が?
はい

願いは届いていると思います

朝美さんに
過去について弁解をしないことが

あなたが自分自身に与えた

罰なんですか?

母親が

子供を捨てたんです

許されることじゃありません

朝美さんは
ご両親が離婚した時には

まだ小さくて お二人の間に
何があったのかを知りません

小林さんも 何も語らなかった

朝美さんは

お母さんには好きな人がいて
それで 自分とお父さんは

捨てられたと
思ってらっしゃるようです

本当に そうなんでしょうか?

僕は 小林さんが

下司」という千社札に込めた

その思いの中に
真実があると思っています

お先に失礼します

子を思わない親なんて
いませんよね

浅見さん

(携帯着信)

保田さん?

☎いたいた 浅見さんに

どうしても
話したいことがありまして

あっ 保田さん

ハハッ 来ちゃいました ハハハッ

武上さんに容疑が?

ええ 女将さんは
自殺未遂ということで

まあ 決まりかけたんですが

武上旅館の親族から
妙な噂が浮上しまして

妙な噂?
はい

武上社長と笠原清美との噂です

笠原清美は中学生の頃

両親が事故死して
叔母の家に預けられていました

でも その家で冷遇されて

そんな清美を支えたのが
武上を中心とした同級生達でした

武上は
恋愛関係は否定していますが

まあ 周囲で
二人が男女の仲だったと疑う者は

少なくありません

それと もう一つ
武上を疑う要素がありまして

何ですか?
女将が亡くなれば

あの武上旅館の財産は
全て武上社長のものになります

でも

僕には武上さんが そんなことを
するようには思えなくて

分かります

僕も 何でもかんでも
疑ってかかる自分の仕事を

それこそ ゲスだって感じますから

あっ そうだ

浅見さん
今週末 うちに来ませんか?

えっ?
あの 実は あの

浅見さんに
また来ていただきたいと

家族がうるさくて…

ありがとうございます

あの よろしければ
一人誘っても…

あっ 小林さんの娘さんも是非

すごい これが全部 わさび

すごい

あっ 浅見さ~ん!

あっ ミッツー!
ミッツー!

あっ どうも

指を入れて
(孝志)そう パイプごとね パイプごと

はいはい はいはい
お~っ 取れました

ああ 上手 上手
これ抜いてね

はい これで はい
この湧き水でシャバシャバ シャバシャバして

は~い

わさびはね
この伊豆の気候と

豊富な湧き水で作られる
自然の恵みなんです

私らは
山の恵みを使わせてもらって

生かしてもらってます

こんな幸せありません

あっ いい香り
あっ

(春菜)お~っ すごい!
おお 気をつけろよ

あっ 冷たい冷たい

子育てと同じ 目を離さず
じっくり手をかければ

わさびは
おいしく育ってくれますから

ハハハハ… は~い 頑張れ頑張れ
(円香)みんな~!

ご飯だよ!

向こうで待ってるね

あの こっちから…
転ばないのよ!

すごいですね

たっぷり

(円香)はい どうぞ

えっ わさびご飯ですか?

いただきます

いただきます
はい

いただきます

はい じゃがいも食べるね
ウインナーは?

うん おいしい
おいしい

ハハハハ… よかった
これは息がピッタリだ

よかった
いいな~ ほら

もう どんどん食えよ
(円香)ちゃんと お茶わん持って

ほらほらほら ほら にんじんも

ヤダじゃないの
ヤダ!

また また ここ ピッてなってる
顔がピッてなってる

ちょっと うちのわさび
やっぱ きくわ

わさびご飯 おいしいです
でしょ?

これがね ホントたまんないの
(円香)うちはね 煮物でも何でも

わさび つけてんの
えっ ホントですか?

これにね しらすをかけても
うまいんですよ

外でお鍋なんて
すごいですね

朝美ちゃん どうしたの?

おなか痛いの?

違うよ
嬉しくて あたたかくってさ

ごめんなさい
さあ いっぱい食べよう

香菜ちゃん

私さ

家族がいるって
当たり前だって思ってた

でも
当たり前なんかじゃないんだよね

あの富士山ね 夕方になったら
すっごい明るくなるの

えっ 明るくなるの?

でも 今 雲がかかってないから
よく見えるけど

きれいでしょ

うん きれい

ああ 楽しかった

ホントですか? よかった

保田さんと二人で企んで 私を
引っ張り出してくれたんでしょ

いえ そんなわけでは…

バレてるよ 光彦君

そうですか バレてますか

でも ありがとう 光彦さん

いえ

光彦さんには
言えなかったんだけど

私 思い出したことがあるんです

父と母は よくケンカしてた

えっ

私 ちっちゃかったから
あいまいな記憶なんだけど

私が寝たあと

ふすまの向こうで
父が母に怒鳴る声がしたり

お父さんが お母さんに
暴力をふるっていたとか

朝美さん

でも お父さんは

私には いつも やさしかった

お父さんのことは
悪く思いたくないな

僕も そう思います

朝美さん

明日 行ってみようと
思ってるところがあるんです

父のことですね?

ええ

私も行きます

でも…

行きます

いらっしゃいませ お約束ですか?

すみません

前に ここに勤めていた
小林章夫さんのことについて

お伺いしたいのですが

小林章夫さん…

あの 結構 前に
お辞めになってるんですが

≪そうしますと ちょっと…

小林章夫の娘の朝美です

どうしても
父のことで聞きたいことが

(林田)朝美ちゃん?

朝美ちゃん
こんな大きくなったんだ

そりゃそうだよな

俺が こんな年取ったんだから

あの…
あっ 失礼 覚えてないよね

朝美ちゃん まだ
こんな ちっちゃかったから

改めまして

かつて 小林章夫さんの部下だった
林田です

(林田)そうですか

小林本部長 亡くなられたんですか

はい

本部長には
大変かわいがっていただきました

あっ どうぞ

当時 峰岡電機は
創立以来の経営危機でしてね

大リストラが断行されたんですよ

たしか ニュースになったことも
ありますよね

ええ

小林本部長も 自分の部だけで
600人の首を切るようにって

上から命令がきて

リストラされる 一人一人に
家族がいる

幸せだった人生が
どん底ですからね

僕は たまたま
リストラ対象者から外れていたけど

運がよかったとしか
言いようがない

切られるほうも つらいけど

切るほうも
つらかったと思いますよ

会社の方針とはいえ

そういえば あの頃

小林本部長が かわいがっていた
若手がいたんですけど

僕の後輩で

そいつも 小林本部長を慕ってて

いや あれは
尊敬していたと言ってもいい

そいつが リストラ対象者リストに
入っちゃって

結局 そいつ 病んじゃって

送別会も拒んで
いなくなっちゃったんですよ

あっ 今度
お線香あげさせてください

じゃ

ああ

ありがとうございました

だから お父さん
下司なんて千社札

朝美さん
ちょっと待っててください

光彦さん

林田さん

その小林さんにリストラされた
後輩の方のお名前は

武上… 武上和真だったかな

浅見様?

こんばんは

悠里子さん

武上さんは いらっしゃいますか?

社長は 今日は ずっと病院に

そうですか

あの ちょっと いいですか

思い返してみると

女将さん 何か おつらいことが
あったんじゃないかしら

どうしてですか?

ちょうど 浅見さんが お母様と
お二人で お泊まりになった日の夜

女将さんが帳場で

宿帳を見て泣いてらしたんです

《(泣いている)》

宿帳… ですか

はい

理由は何か分かりませんけど

それから しばらくして

女将さんと社長が 秩父
ドライブへ いらしたんです

秩父

女将さんは
車を運転するのが お好きで

ですから 気分転換に ときどき

社長が 秩父のお友達の家に
ドライブに連れ出すんです

女将さんは
秩父山神社が お気に入りみたいで

秩父山神社

でも あの日は

秩父から帰られた時
女将さんの顔が真っ青で

秩父で 何か あったんですか?

聞いたんですけど
何でもないって おっしゃって

お父さんの千社札

(携帯着信)

光彦さん

お父さんの千社札
秩父で見つかりました

えっ?

朝美さん?

私も 秩父に行きたいです

はい はい

じゃあ 明日
よろしくお願いします

行ってきます

お母さん 行ってきます

どうしたんだ そんなに急いで
どこへ行くの?

ちょっと秩父まで
(須美子)秩父

秩父には
何しに いらっしゃるの?

それは あの ちょっと…

ふーん

「ふーん」って お母さん

どうしたんですか 母さん?

頑張りすぎなくてもいいのよ

つらい時には つらいと言って

泣きたい時には
思いっきり泣いて

そう 朝美さんに伝えてちょうだい

お母さん

(陽一郎)なんだ そういうことか

必ず朝美さんに伝えます

ありがとうございます

よろしくね

光彦 時間は大丈夫か?

あっ では 行ってきます

(和子)行ってらっしゃい 頑張って

朝美さん

光彦さん

昨日 回ってみたんですが

千社札があったのは
この五カ所です

この神社の中にも
お父さんの千社札があったんです

どこですか?

こっちです

ここです

お父さん

でも 天城のほうとは
貼ってる場所が違うような

そうなんです

天城では
上のほうに貼ってありましたよね

はい

でも 秩父で見つけた千社札

すべて 木や建物の下のほう

目立たないところに
貼られていました

まるで人目を避けるように

天城とは 全然 貼る場所が違う

天城と秩父では
まるで 別人が貼ったみたいに

もし どちらかを
別人が貼ったんだとしたら

父が貼ったのは
この秩父のほうだと思う

僕も そう思います

お父さんなら きっと

控えめに
目立たないところに貼るでしょう

いいお母さんですね

そんなこと
おっしゃってくださるなんて

こんなことを言ったら

いやな気持ちに
させてしまうかもしれませんけど

僕は 朝美さんのお母さん…
笠原清美さんは

本当は いいお母さん
なんじゃないかって思っています

どうしてですか?

筑前煮…

えっ?

お母さんが働いている
弁当屋さんで作っている筑前

とても やさしい味がするんです

食べたの?
すみません 黙ってて

もう

筑前煮の味なんて

いいお母さんの根拠には
なりませんね

ごめんなさい

でも

いやな気持ちには なってませんよ

朝美さん

お父さんの足跡は

この秩父トンネルで
途絶えているんです

途絶えてるって…

この先の神社やお寺には 一枚も
お父さんの千社札は ないんです

秩父千社札
このトンネルの前まで

天城の千社札
トンネルを出たあと

まるで

秩父のトンネルから 天城のトンネルに
飛んでいってしまったみたいに

ワープしたってこと?

まさか…

この場所で

お父さんが
その先に進めない理由ができた

それは何だったのか…

(クラクション)

危ない 光彦さん

《(悠里子)女将さんは
車を運転するのが お好きで》

《でも あの日は》

秩父から帰られた時
女将さんの顔が真っ青で》

どうしたの? 光彦さん

そうか

秩父のトンネルを抜けたら

そこは天城だった

武上さん

(武上)浅見さん

こんにちは

女将さんのご様子は
いかがですか?

意識は まだ戻りませんが

命に別条はないそうです

それより

今日は どうなさったんですか

武上さんと あの日 小林さんに
何があったのか

お話をさせていただきたくて
伺いました

僕と朝美さんは
昨日まで秩父に行っていました

小林さんの貼った
千社札をたどって

秩父トンネルに行き着きました

秩父で あの人の千社札

どういうことですか?

武上さん

僕は この旅館が大好きです

だからこそ

あなたから真実を伺いたいんです

あなたが お考えになってるとおり

秩父
小林さんをはねたのは私です

武上君が?

武上さん

女将さんは運転が大好きで

よく秩父まで ドライブに
いらしていたそうですよね

小林さんをはねたのは 私です

申し訳ありませんでした

いいえ

車を運転していたのは
女将さんですよね

父は

自分の犯した罪を

罪と思い込んだ思いを背負って

自分を 下司と おとしめて

贖罪の旅を続けて 亡くなりました

朝美

私達夫婦が
息子の異変に気づいたのは

和真の容体が

もう引き返せないところまで
悪化していた時でした

《武上 プレゼンよかったぞ》
《(和真)ありがとうございます》

《小林本部長のおかげですよ》
《たいしたもんだよ おまえ》

(武上)和真は 毎日遅くまで

休むことなく
働いていましたけど

楽しそうで いきいきしてました

でも 会社に追い詰められ

《ごめん》

(武上)首を切られました

和真さんに退職勧告をしたのは

直接の上司である
小林さんだったんですね

はい

武上君 本当なの?

あなた 違うって…

本当のこと言って
清美を苦しめたくなかったんだ

慶子は
懸命に和真の看病をしました

でも 和真は
身も心もボロボロだった

(武上)首を切られて
一年もたたないうちに

自ら 命を絶ちました

会社を恨んでも しかたがない

小林さんだって 苦しんで苦しんで

会社から押しつけられた
その役目を果たしていたはずだと

私は自分に そう言い聞かせて

怒りを鎮めようとしました

ですが 慶子は母親です

妻は

私がずっと清美に 思いを
寄せていたことを知ってました

でもそれは 結婚前のことです

結婚後は 妻だけを思ってきました

でも妻は 気にしていたようで

慶子は
怒りのぶつけどころがなくて

毎晩のように 小林さんを
殺してやりたいと泣きました

そんなことをしたら
この武上旅館は どうなるんだと

妻を説得しました

妻は生まれながらに
この旅館を守ることを

宿命づけられて
育ってきましたから

この旅館のために

自分の憎しみに ふたをしたんです

私達は それから20年

この宿のためだけに
生きてきました

そんな時

あなたとお父さんが現れた

僕が母と泊まって

朝美さんと お父さんに
出会った日ですね

はい

でも もう20年たってます

慶子が小林さんに気づいたのは

宿帳の名前を見た時でした

妻から その事実を聞いた私は

翌朝 小林さんに会いました

《まさか このお宿が》

《武上君のご実家とは
思ってもいませんでした》

《すいませんでした》

《どんなに謝っても
許されるもんではありません》

《過ぎたことは仕方ありません》

《ですが もう二度と》

《私どもの宿には
お越しにならないでください》

《本当に 申し訳ありませんでした》

本当に それで
全てを終わらせるつもりでした

でも 秩父であの事故が
起きてしまったんですね

本当に
父を殺したんじゃないんですか?

これは事故です

そうですね 武上さん

ドライブでもして
気を紛らわそうと言ったのは

私です

《はあ… 運転してると
気分がよくなるわ》

《よかった》

《しっかりしなくちゃね》

《お前が頼りだ》

《慶子 ブレーキ!》

《(衝突する)》

《≪(慶子)はっ…》

《慶子》

《ば… 罰が当たったのよ》

《慶子》

≪(武上)慶子の顔を見て

これは事故じゃなく

殺人なのだと思いました

妻は 小林さんが旅館に来てからも

平静を装おうとしました

だけど無理でした

それで

和真と同じように

奥さんの罪を隠そうとして

小林さんを天城に運んだんですね

はい

清美

朝美さん

申し訳ありませんでした

千社札には

一人一人の思いが
込められているんですね

僕は 小林さんの下司千社札には

自分が退職させた
人達だけではなく

ご自身の家族への償いが
込められているのだと感じました

家族へのって

20年前

あなたと小林さんに
何があったのか

朝美さんのためにも
教えていただけませんか?

当時 最年少で本部長に抜てきされ

会社からの期待を
背負っていた小林さんは

600人近くの社員をリストラすることを
命じられていました

小林さんのことです

一人一人の痛みを
まるで自分のことのように感じ

罪悪感にさいなまれていたのでは
ないでしょうか

人の首を切って
その功績で出世する卑怯者だと

ののしられたことも
あったかもしれない

人間は そんなに強くはありません

そんな重荷を
一人で背負い続けていたら

誰だって つぶれてしまう

本部長になる前

あの人は 本当に優しくて

家族思いの人でした

《よし 高い 高い 高ーい》

《ママも滑るかな~》

《ママも滑って~ 呼んで 呼んで》

≪(清美)でも
峰岡電機の人員削減が始まって

《(玄関が開く)》

《≪(清美)お帰りなさい》

《大丈夫?》

《うるさいな》

あの頃 私は

あの人の本当の苦しみに
寄り添えてなかった

ただ

変わっていく あの人を
見ているのがつらくて

自分が 何もできないことが
情けなくて

夫婦の会話もなくなって

《(玄関が開く)》

《(小林の泣き声)》

《どうしたの?》

《ねえ 何があったの?》

《あなた》
《うるさい!》

《お前といると…
お前といると 俺は》

《≪(小林)おいおい
ほら ダメだって》

《ほら 遅刻しちゃう遅刻しちゃう》

《≪(小林)かわいい子になったね》

《(はいはい)》

≪(清美)でも あの人は
朝美にだけは

変わらず
優しく接してくれていたので

それで…

それで十分だと思ってたんです

でも

《ちゃんと話をしてください》

《お前に分かるか》

《お前に 俺の気持ちが》

《そうやって… あなた
何も話してくれないじゃない》

《これじゃ 私
もう どうしていいか分からない》

《耐えられません》

《じゃあ 出てけ》

《出てってくれ》

《朝美》

《ママと一緒に行こう》

《行こう》

《朝美?》
《行かない おうちにいる》

《パパ 泣いてるもん》

《(小林の泣き声)》

《朝美を お願いします》

私がそんなことを

あなたは何も悪くない

何も悪くないのよ

私の我慢が足りなかったんです

どんなことがあっても

朝美と離れるべきじゃ
なかったのに

違う 全部 私のせいじゃない

朝美

思い出した

あの時

私が お母さんの手を
振り払ったこと

ずっと捨てられたと思ってた

でも

お母さんを捨てたのは
私だったんだ

あなたは悪くない

私が間違ってたの

私は知らなかった

下司の札の意味

お父さんが お母さんにしたこと

お父さんは

お母さんを傷つけて

本当に下司だったんだ

いいえ

お父さんは素晴らしい人よ

朝美のことを こんなに立派に
育ててくれたじゃない

お父さんは

人生をかけて
あなたを愛しぬいてくれたのよ

ねえ

筑前

えっ?

作りに来てよ

お父さんがいなくなって
部屋が広くてしょうがないの

朝美さん

ねえ

うん

やった

朝美

ありがとう

私は罪を償います

後継ぎもいません

私は この旅館を
守ることができなかった

≪(悠里子)社長

社長 社長

みんな この旅館はもう…

社長が戻ってらっしゃるまで

私達が この旅館を守ります

簡単じゃないけど
みんなで力を合わせれば

やってやれないことはないですよ

従業員は みんな家族

私達にとっても
ここは大切な場所なんです

守らせてください
お願いします

≪(広美)女将さん 女将さんが

病院から電話
女将さんの意識が戻ったそうです

(仲居達)わあ やった~ やった~

ありがとう
社長 もう

よかった
ありがとう

≪社長
≪よかった

あなた

また ぜひ
うちのほうにも来てください

ありがとうございました
ああ いえ

事件が解決できたのは
浅見さんのおかげです

私はもう迷走するばかりで

いいえ 保田さんがいなければ
真相には たどり着けませんでした

私なんて 何の役にも

やはり
刑事は辞めようかと思います

保田さん

≪(香菜)お父さん

香菜

今日も泊まりでしょ?
着替え持ってけって お母さんが

ありがとな

香菜ちゃん

お父さん 警察辞めるんだって

ちょ… 浅見さん

香菜ちゃんは どう思う?
別にいい?

香菜

警察官たるもの
弱音を吐くんじゃない

私も ちゃんとやるからさ

了解しました

ありがとな

何だよ

よし じゃあ久しぶりに二人で
飯でも食うか

わっ… アッハハ

いい眺めですね

来たかったから

恋人岬

どうしてですか?

父は昔

母と ここに
来たことがあるんだと思う

お母さんと

光彦さん

はい

光彦さんが大好き

でも 今は一人で頑張る

私は 守ってもらうより

今は強くなりたい

強くなって

いつかは 強くて優しい
お母さんになりたい

なれます 朝美さんなら

ただいま

坊ちゃま おめでとうございます

おめでとう 光彦さん

何が おめでたいんですか?

この期に及んで
照れなくてもいいじゃないか

そうよ 光彦
人生初の大金星じゃないの

待ってください 何がですか?

お前 今日 朝美さんと
恋人岬に行ってから帰ると

須美ちゃんに電話したじゃないか
はい

ということは そういうことでしょ

ああ~ あっ いや

僕も 一緒に恋人岬に
行きたいと言われた時は

ひょっとして
そうなのかなとも思ったのですが

ですが?

違ったみたいです

ああ…
ああ ちょっと

いつものことよね

坊ちゃま 伊豆の保田さんから
お荷物が届いてますよ

ありがとう

≪(須美子)うわ~
立派な わさびですね

これは うまそうだ

保田さんのご両親が
我が子のように育てたわさびです

手をかければ おいしく育つって

子育ての場合は

同じように手をかけて育てても

仕上がりに
かなりバラつきが出るんだけど

何がいけなかったんでしょう

それぞれが それぞれの個性で育つ

だから家族は面白いんですよ

そうなのね

わあ~ いい香り

まあ 立派
立派だな

≪(雪江)まあ
何で食べましょうか