ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

家康、江戸を建てる 後編 柄本佑、広瀬アリス、市村正親、吉田鋼太郎… ドラマの原作・キャストなど…

『正月時代劇 家康、江戸を建てる(後編)「金貨の町」』のテキストマイニング結果(キーワード出現数BEST10&ワードクラウド

  1. 江戸
  2. 後藤家
  3. 庄三郎
  4. 小判
  5. 兄ぃ
  6. 早紀様
  7. 早紀
  8. お主
  9. お前
  10. 太閤様

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『正月時代劇 家康、江戸を建てる(後編)「金貨の町」』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)&EPG情報(出典)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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正月時代劇 家康、江戸を建てる(後編)「金貨の町」[解][字]

京の職人・橋本庄三郎(柄本佑)は、夫婦約束をした早紀(広瀬アリス)を残し江戸に出向く。そこで庄三郎は、徳川家康市村正親)に全国に流通する小判作りを命じられる。

詳細情報
番組内容
見渡す限りの湿地が広がる寒村の江戸を、日本一の大都市にするという、途方もない夢を抱いた徳川家康と、その夢に人生を掛けた名もない男たちの「江戸作り」の物語。京の金細工職人・橋本庄三郎(柄本佑)は、後藤家当主・後藤徳乗(吉田鋼太郎)に虐げられながらも耐え忍んでいた。夫婦約束をした徳乗の娘・早紀(広瀬アリス)を残し、江戸に出向いた庄三郎は、家康(市村正親)に、全国に流通する小判作りを命じられる。
出演者
【出演】柄本佑広瀬アリス林遣都伊原六花中島ひろ子福田転球高嶋政伸高橋和也吹越満吉田鋼太郎市村正親石坂浩二
原作・脚本
【原作】門井慶喜,【脚本】八津弘幸
音楽
【音楽】林ゆうき

 


♬~

わしは いつの日か この江戸を

日ノ本一の都にしてみせる。

♬~

<1592年 京。

当時の京は 日本最大の都市で

繁栄の極みにあった>

どいて どいて!

おい!

うわ…!
おい 何て書いてあるん?

あっ? 「大判は
後藤家の許しなく作ったらあかん」。

おおっ!
…んで 「両替も全て

後藤家が取りしきる」って
書いてありますわ!

これで 後藤家は ますます盤石やな。

おお 太閤様の後ろ盾があるとなったら
お前 誰も逆らえへんな。

そういうこっちゃ!
うわうわうわ!

(金を打つ音)

あっ どいて! わ~!

兄ぃ!

兄ぃ! うわっ!

どいて どいて!

ああっ! はあ…。

遅いやないか。
どこ ほっつき歩いとったんや。

兄ぃ この後藤家の大判作りを
太閤殿下が庇護なさるって話

ほんまやったわ! 今 高札が立っとった。

…何や 驚かへんのか。

すんまへん。

うん。

あかん。 やり直しや。

またかいな!
今度は何が気に入らんねや?

ちょっとやけど いがんでる。

そんなことないやろ! なあ?

これぐらいは
誰も気にせえへんと違います?

(床をたたく音)

やり直しや。

どうや?

徳川殿に献上する大判は
仕上がったんか?

それが…。

何しとんのや!

徳川殿がお見えになるんは
明日やぞ。

間に合わんかったら

後藤家の面目丸潰れや!

すんまへん。

せやけど 不細工なもん出す方が
ご面目に関わるんやないかと。

もうええ。
できんのやったら わしがやる!

いえ… どうか あてに。

何や? 自分の方が わしより
ええもん こしらえるとでも言うんか?

いえ… めっそうもない。

ただ やりかけた仕事やさかい…。

奉公人風情が 差し出口たたくんやない!

まあまあ まあまあ まあまあまあ…

ええやろ お前は
ほんまに すぐ手が出る。

ハハハハハハ…。

庄三郎 やるんやったら
必ず間に合わしなはれ。

ええな。

へい! 旦那様。 おおきに。

<ここ 後藤家は
室町期以来 代々 彫金師を務め

太閤秀吉により
大判の金貨製造独占を許されていた

名家である。

しかし 大判は
主に 大名への褒美の品として使われ

大坂 堺 京での商いでは

依然 大量の銅銭か

重さがまちまちな銀塊が
通貨となっていた>

ほう… これが 太閤様の大判でござるか。

この色 形 細工 実に見事な…。

これは 徳乗殿がお作りに?

もちろん
私は 当主として見守りますけど

実際に手がけたんは
こちらに控えております

弟の長乗にござります。

徳川殿の関東転封を祝して献上する大判

格別なものをお作りせよと
太閤様より申しつかっておりますゆえ。

さすが 後藤の家に受け継がれた技は
大したものじゃ。

太閤様が羨ましいわな。

しかし 見れば見るほど 美しいものよ。

おそれながら 徳川様。

お気を付けくだされませ。
墨が まだ乾ききっておりません。

お手につかぬよう…。

ハハハハ… ハハハハハハハ!

よう気が利くのう 庄三郎。
ハハハハハ…。

じゃが… 少々 顔色が悪いようじゃ。

下がって休みなはれ。

♬~

♬~

娘の早紀でございます。

これはこれは まばゆきこと
まさに 黄金のごとしじゃな。

♬~

(宋恩)平蜘蛛になれ 庄三郎。

平蜘蛛?

平蜘蛛のように平伏して

とにかく 後藤家に滅私奉公せよと
申しておるのや。

しかし 兄者 あの大判作ったん あてや。

その大判作りを
太閤秀吉様から許されたんは 後藤家や。

お前は そこの使用人や。

そない立派な家に
奉公させてもらえるだけでも

ありがたいことやないか。

怒らせて追放なんぞされてみい。

それこそ 愚の骨頂や。

後藤家に尽くしておれば安泰や。
何が何でも しがみつけ。

それが お前のためや。

(物音)
≪宋恩! どこへ行きはった!

あかん 住職や! ほな行くわ。

兄ぃは これで ええんか?

口減らしのために仏門に入った
己がこと

満足してはるんか?

これが わしの運命や
ええも悪いもない。

兄ぃ!
うん?

兄ぃ どこ行ってたんや。
お客様が ずっとお待ちや。

ああ… ほな これ。

痛っ! 何や?

何や 何や? え~!
何や その顔。 ヘヘヘッ!

えっ お嬢様…!

あっ… ああ~!

あ~ いたたたた… あいた… あ~。

ほんまに すごいなあ
元どおりやわ。

おおきに。
いえ…。

あてにできることなら 何なりと。

徳川様への大判も
ほんまは庄三郎が作ったんやろ。

え…。

なあ 庄三郎。

父さんや叔父さんのこと 許してな。

後藤家を恨まんといてな。

あ… いや…

恨むも何も

あてが 今日まで生きてこられたんは
ここで働かしてもろたおかげですから。

そう。 ほんなら よかった。
はい。

(戸が開く音)
(徳乗)早紀!

こんなとこで 何をしておる。

ちょっと 髪飾りが壊れてしもて。

ここには近づくなと言うてはるやろう。
けがでもしたら どないするつもりや。

ああ あの 江州屋の旦那さんが
お前の顔が見たい言うて おいでや。

すぐに行きなはれ。
うち あの人 好かんわ。 話 長うて。

(徳乗)早紀。

早紀の髪飾りを
直してくれたみたいやなあ。

おおきに。
いえ…。

暇を持て余してるんやったら
また 大判をこしらえてもらおうかのう。

明日までに 10枚。

いや…!
お… お待ちください。

何が何でも
そりゃ急すぎでございます。

夜なべせな間に合いません。
ほな そうしなはれ!

しっかりと励むがええ。

後藤家の大判作りをな。

♬~

どないに腕磨いても

結局 あてら この家に
飼い殺しにされるしかないんか…。

…いや!

いつか 必ず見返したる…。

夫婦になれと?
そうや。

早紀お嬢さんと… あてがですか?

不満か?
あ… いえ いえ…。

め… めっそうもない。
ただ… 急なことで。

ハハハ… いや お前の金細工の腕は

後藤家に受け入れるに
決して恥ずかしゅうないもんじゃ。

この話 受けてくれるな 庄三郎。

へい! 喜んで。

ああ! ああ ハハハハ!

ただ… 一つだけ 頼みがあるんや。

へい。

この長乗と共に
1年だけ 江戸へ行ってくれんか。

はあ…。

江戸へ?

(鈴の音)
(かしわ手)

ほな ええか?

よっしゃ 言おう。

188!
187!

うそや 間違いない 188段や。

187です。

188や。
187です。

いくら お嬢さんかて そこは譲れまへん。

ほな もう一回 やり直しやな。

えっ!?

あ~… 188でええです。

ここからでも 江戸は見えへんなあ。

へい。

向こうは寒いらしいから
風邪 ひかんように。 へい。

あと 水飲み過ぎたらあかんで。
おなか 壊さんように。

へい。

文は 毎日書くこと。

…えっ? 毎日ですか?

嫌なんか?
あっ いえ…。

分かりました 書きます。

あとは…

とにかく 早う帰ってきいや。

へい。 しっかり お役目果たして
はよ戻ってまいります。

約束やで。

へい。

♬~

<江戸でも 大判を製造したいという
家康たっての願いを聞き入れた秀吉は

長乗に 江戸下向を命じた。

庄三郎と与一郎は
その補佐役として随行した>

遠路はるばる よう参られた。

♬~

「早紀様 江戸の町は京に比べ
思た以上に 人も物も少なく

まだまだ これからの様相にござります。

あてと与一郎は

家康様の御家人
志村伝衛門様のお屋敷に

ご厄介の身となりました」。

(早紀)
「庄三郎様 お元気そうで何よりです。

こちらは 祇園会も終わり

あれから
もう五月も たとうとしていることに

驚かされます。

どうか お体に気ぃ付けて
一日も早いお戻りを…」。

「早紀様 いよいよ 炉に火入れをし

仕事を始める日が
近づいてまいりました。

あとちょっとです。

早紀様 今 何をしてはりますか。

今すぐ 早紀様のもとに駆けつけたい。

待っててください。

お役目を全うして
早紀様のもとに帰ります。

必ず戻りますから
どうか 待っててください」。

「庄三郎様 うちは
いつまでも お帰りを待ってます。

こっちのことは気にせんと どうか立派に
お勤めを果たしてください」。

<しかし 1年後>

どういうことでございますか?
今 言うたとおりや。

お前には わしの代わりに
今しばらく ここに残ってもらう。

しばらくとは どれぐらいですか?

さあのう…。

それでは お約束が違います!

う~ん… ああ…
えらい すんまへんなあ。

わしが体調を崩してしもたばっかりに…。

まあ 早紀はんには 今頃
兄さんが訳を話してくれてはるやろし

家康様も そういうことやったら
しかたなしと言うてくれはった。

…えろう 手回しの早いことで。

何やと?

最初から こないするつもりやったんや
ないんですか。

せやから
あてとお嬢さんとの夫婦約束を…!

後藤の名が欲しいんやろ。
(雷鳴)

せやったら もうしばらく辛抱せえ。

なあ 橋本庄三郎。

(雷鳴)

♬~

ああっ!

ああ~!

ああっ!

うう…!

うわ~! ああっ! ああ…!

ああっ!

ああ~!

(雷鳴)

いや~ こうして
お主らと膳を共にするのも

あと僅かと思っておったから

うれしい限りじゃ。

そんな のんきなことを。

庄三郎さんは一日も早く

早紀さんに
お会いになりたかったんですよ。

わしは 励まそうとしておるのじゃ。

何じゃ? この白湯みたいな汁は。

これ おすましや… 京の味や!
おう…。

えっ?
(お松)お栗が いろいろと調べて

作ったんですよ。

お栗様… おおきに。

ええ励みになったな 兄ぃ!
おう…。

今日は いよいよ 家康様に
大判作りをご覧に入れる日やさかい!

おお…。
あ~…。

ほんなら これより 大判作りを始めます。

うむ。

まずは 地金を溶かして型へ流し込みます。

出来上がった棒状の棹金を打ち延ばし

延金を作ります。

ここで この試金石を使て
金の純度を確かめます。

もしも 品位が及ばぬようであれば

もっぺん溶かして やり直します。

支障がなければ

延金を
一定の大きさ 重さになるように切って

大判の形に打ち延ばします。

表面に槌目をつけ 極印を打ちます。

表に 黄金色を際立たせる薬を塗り

火であぶると 色が変わります。

それを
水で冷やして 荒塩で磨いてやると

出来上がりです。

♬~

やはり わしの思うたとおりじゃ。

この…

京で受け取った大判を作ったのは

お主であろう。

あの時 墨が手につくなどと
いらぬ声を上げたは

それを わしに分からせるためであろう。

庄三郎。

この江戸の金子作りは

長乗ではなく お主に任せたい。

恐れながら… あては まだ
正式には 後藤家の人間ではありません。

この大判作りかて
後藤家の見よう見まねでやっただけで…。

謙遜は 大嫌いじゃ!

何も生まん!

お主は
前から うぬぼれておったであろう。

「俺ならできる 俺にやらせろ」と。

本当は こうなることを
お主も望んでおったのではないか?

たとえ 試しのものとはいえ
やるからには

あての腕を 徳川様に
認めていただきとうございました。

それで よい。

へりくだる人間は 仕事もへりくだる。

お主は お主の名で
お主の仕事をすればよいのじゃ。

かしこまりました。

江戸での大判作りのお役目
謹んで お引き受けいたします!

いや 大判など作らんでよい。

はっ?
お主が作るのは

小判じゃ。

小判…?

額面は 十両ではなく 新たに一両とする。

金の質は より高め

花押と墨書きは 後藤ではなく

庄三郎に。

右肩には 武蔵と書き加え…。

お… お待ちくださいませ。

そのような使い勝手のよい小判が
この江戸から大量に出回ることを

太閤様は お許しになられますやろか?

もちろん その小判は
我が領国内でのみ使うものとする。

…が 持ち出すやつは
持ち出すであろうし

持ち込むやつは 持ち込むであろう。

商いは 常に使い勝手を尊ぶ。

利にかなったものが広まるのは
どうしようもないことじゃ。

その暁には
ここ江戸に 多くの商いが生まれ

人や物が集まることになるであろう。

もしや あなた様は…

小判で
天下を取ろうとしてはるんですか?

庄三郎。

やるか やらぬか どちらじゃ。

この江戸で 名をあげてみよ!

やります。

この庄三郎 己が腕を存分に

家康様のお役に立ててみせます。

兄ぃ…。

よう言うた。

まずは 小判2, 000枚。 幾日で出来る?

既に準備は整っておりますので

半年ほど。

急げ。

もしも 太閤が先に小判を出したら
それまでじゃ。

そのあとで
同じような小判を出そうものなら

間違いなく 謀反の疑いをかけられ

徳川は滅ぼされるであろう。

やるからには 一刻の猶予もならぬ!

これは

戦じゃ!

♬~

<数日の後 駿河で家康の御用達であった
金細工職人らも加わり

本格的な江戸小判作りが始められた>

兄ぃ 片づけ終わったで。

仕入れ分と出来上がりで
金の量が合わん。

僅かやけど 金が足りん。

まさか あいつらが…!

いや。

う~ん… まだ分からんが

与一郎 お前も目を光らせといてくれ。

分かりました。

与一郎。

お前がおってくれて助かったわ。

この江戸で 信用できる人間が
一人でもおるんは 心強い。

…遅っ!

うん?
やっと気付いたんか!

何年 一緒にいてると思うてんのや。

兄ぃと あては もう腐れ縁やないか。
ほんまやな。

ハハハ…。
ヘヘヘ…。

せやけど 京が懐かしいなあ。

(金を打つ音)

何しとる!

(雷鳴)
兄ぃ。

どないしたんや そない怖い顔して。

おい。

懐にしもうたもん… 出せ。

…何のことや?

(元蔵)とぼけるんじゃねえ!
見てたぜ。

悪いが 確かめさせてもらう。

何や… 何すんねん!
知らん言うとるやろ!

何の騒ぎじゃ!

大久保様…。

<この大久保長安

その財政能力を 家康に高く評価され

江戸ならびに東国の金の流通を
監督していた>

何で こないなとこに…。

いよいよ
小判作りを始めたと聞いたのでな

金山奉行の役儀上 検分も兼ね

不正など行われていないか
確かめさせてもらう。

何か 都合でも悪いのか?

い… いえ そのようなことは。

お主! 衣を脱げ。

早く脱がんか!

何じゃ? これは。

吹所においての盗みは重罪じゃ。
分かっておろうな。

お… お許しを… どうか…!

さて… どうしたものかのう。

ここの頭は お前だったな 庄三郎。

この不始末 どう収めるつもりじゃ?

後生や 助けてくれ 兄ぃ…。

別に どうするつもりもございません。

与一郎は やましいことなど
何一つしておりません。

何を言っておる!
こやつは この金をくすねようと…。

たまたま
懐の中に入ってしもたのでしょう。

そうやな 与一郎。

へ… へえ。

ばかを申すな!
そんなこと めったに起こるわけが…。

ご覧ください。

ここには 金が山ほどあります。

それが 誰かの荷の中に入ることも
起こりえます。

そないなこと いちいち気にしとったら
仕事になりません。

ふざけるでない!

まさか お主ら
示し合わせて 悪事を隠すつもりか?

なにが たまたまじゃ!
そのようなことは 決してありえん!

ほな…

長安様の笠についてる それ

何でございますか?

これは いつの間に…。

知らぬぞ… わ… わしは何もしておらぬ!

よう分かっとります。

たまたま 入ってしもたのでしょう。

長安様。

あてら 不正など決して働きません。

お役目 ご苦労さまに存じます。

次は見逃さぬぞ。

兄ぃ… おおきに… おおきに!

今すぐ ここを出ていけ。

あては もう
お前と一緒には仕事はできん。

そんな…

堪忍してえな…。

あかんのや。

たとえ いっぺんでも…

あては もう お前を
二度と信用できん。

何でや?

お前… 何で こないなこと…!

…決まっとるやろ。

銭が欲しかったんや。

こんな江戸まで来て

兄ぃ以外に 知り合いも誰もおらん。

酒と女子以外に何があるっちゅうねん!

もっと早う 京に帰りたかった…。

もう こんなとこにおるんは
うんざりやったんや!

そうか…。

ほな 京にでも どこにでも帰れ!

目障りや。

二度と あての前に現れるな。

♬~

<質を落とさず 色 形も妥協せず
遅々とした歩みながら

庄三郎たちの小判作りは
着実に進んでいった>

お帰りなさいませ。
今日は届きましたよ。

え?

あ… おおきに。

ああ… 季節の変わり目で
加減が悪なったらしい。

それで しばらく
お返事がなかったのですね。

けど もう大事ないそうや。

はあ… ああ よかったわ。

はい。
ああ よかった…。

あ… おおきに。

<更に 半年が過ぎた頃…>

これで 2, 000枚。

(千吉)大変だ!

やられた!

駿河で 先に小判が出された!

太閤様の口添えがあって
後藤の名で出されたものだそうじゃ。

なぜ 漏れた!
申し訳ございません!

なぜ 漏れたかと聞いておる!

わしの小判作りを知っている者は
ごく僅かじゃ。

誰が漏らした!?

分かりません…。
とぼけるでない!

お主が かばい見逃した
あの与一郎とか申す者に

決まっておろうが!
いえ!

あやつは あてらを売るようなまねは
いたしません。

なぜ そう言い切れる?

それは…

京の頃より 長年 職を共にしてきた
弟分でありまっさかい…。

愚か者!

そのような口先だけの きれい事で
気安く人を信ずるなどと申すな!

現に お前も
後藤家に仇なすことを承知で

己の欲のために生きる道を
選んだではないか!

笑止!

そのような なまぬるい覚悟で

わしの理想とする小判を
作ることなどできぬ!

ほんまに… 申し訳ございません!

(雷鳴)

自害いたせ。

一歩間違えば
徳川の存亡に関わる事態。

お主ごときの命では足りぬやもしれぬが
太閤様への多少の面目にはなろう。

お… お待ちください。

もういっぺん…

もういっぺん機会を頂きとうございます!

もう遅いわ!

太閤様は わしの旧領である駿河
小判を出したのじゃ。

これは 警告じゃ。

もう うかつに
同じような小判は作れなくなった。

この戦…

我らの負けじゃ。

恐れながら…

勝負は まだ ついておりません。

太閤様が 駿河でお出しになった
小判でございます。

何だ これは…。

早生か。
へえ。

早かろう悪かろうの
粗悪品でございます。

そのような代物
誰も使いたがりません。

そのようなものは
すぐに信用を失い 消え去ります。

勝てるか… 我らの小判は。

色形 装飾 品位… どれを取っても
あてらの方が上でございます。

しかし ものは どうあれ
先を越された以上

今のまま出しても
太閤様の怒りを買うは必定じゃ。

あてに策がございます。

申してみよ。

後藤の名でございます。

後藤の名を付けた上で 駿河の小判を
手本に作らせていただいたと申せば

太閤様かて 文句はつけられません。

堂々と
あてらの小判 出すことができます。

あてを京へ行かせてください!

分かっておるのか?

今のお主は 京へ行けば…

ただの裏切り者ぞ。

承知の上でございます。

うまく とりなして

そのまま上方へ
寝返るつもりではあるまいな。

そのようなこと…

神明に誓って いたしません!

分かった 行ってまいれ。

何としても
後藤の名をもらい受けてくるのじゃ!

はっ!

♬~

戻ってたんか…。

ほんまに久しぶりやなあ ハッハッハッ。

いや~ よう来た よう来た。

どうじゃ? その後 江戸では
楽しゅうやっておるのか?

おかげさまで。
(長乗)ほうかほうか そりゃ何よりやな。

この度は 長乗様のお作りにならはった
駿河小判 あれを見習うて

江戸でも小判を作りとうございます。

へえ~ 小判をな。

これから作るいうんやな?

さようでございます。

つきましては 後藤の名を
その小判にも刻みとうございます。

ほう~ 後藤の名を… のう。

ハハハハハッ。

せやけどな… あきまへんわ。

後藤家の身内でないもんに

後藤の名を使わせるわけには
いかんやないか。

ですが あては…。
あっ そや そや。

あの 早紀との夫婦約束の話やけどな。
はい。

あれ のうなった。

そ… それは
どういうことでございますか?

あては 何も…。
しゃあないやないか。

江戸で うつつ抜かして
戻ってけえへんかった お前が悪いのや。

そんな! あては長乗様の代わりに!

かわいそうにな~。

早紀も どれほど お前のことを
待っておったことか。

せやけどな
今は 大あきんどの江州屋はんに嫁いで

毎日 つつがのう暮らしておる。

お前のことなど もう忘れておるやろう。

せやから もうこれ以上
早紀には関わらんといてほしいんや。

やっぱり…

最初から あてを江戸に残すための
空約束やったんですね。

何やと!? 自分の不埒を棚に上げて

それは どういう言い分や!

それでは あの あての文は…。

文?

あ~… あれな。

何や ようは知らんが 奉公人が
かまどの種火に使うておったな。

ハハッ。
江戸の和紙は よう燃える言うてな。

(徳乗)そういうわけやから。

庄三郎 そろそろ ここも飽きたやろ?

十念寺の兄さんに
顔でも見せてきたら どうや?

いえ まだ帰れません。
ん?

それやったら
改めて 別のお願いを申し上げます。

あてを 後藤家の養子にしておくれやす。

養子やて?

アホも休み休みにせえ!

何で お前のような下働きを
後藤家の養子にせなあかんのや。

あんさんも ええ度胸してはるな。

そうまでして 小判なんぞという
ちっぽけなもののために

太閤さんを欺くいうんか?

いつ 打ち首になっても
おかしゅうないんちゃうか?

打ち首…? 欺く…?

はて 何のことでっしゃろか?

江戸には まだ一枚も
小判は出回っておりません。

それに ええ度胸してはるんは
お二人の方や。

確かに 今のあては ただの下働きや。

後藤家は その下働きを
江戸に残したことになります。

太閤様の お許しをいただき
後藤家を江戸に招いた家康様を

欺いたことになりますな。

あっ 太閤様の家康様への ご面目…

これも丸潰れや。

あ~… 後藤家が
おとがめを受けなければええですが。

あっ まあ ただの下働きのあてには
関わりのないことですけど。

もう一度 お願い申し上げます。

あてを養子にしておくれやす!

(徳乗)猶子や…。

養子は あかん!

猶子として 後藤家の名をくれてやる!

ああ そりゃあ ええ。

養子と違って 猶子でも後藤は名乗れるで。

ただし お主の一代限りやけどな。

それと 猶子の礼金として

毎年金子3枚
子々孫々に至るまで払い続けよ!

名は 一代しか使わせへん。

礼金は ずっと続くいうわけですか。

不満なんか!?
いえ。

分かりました。

あっ それと もう一つ お願いが…。
まだ あんのんかいな!

何や!
与一郎のことでございます。

(長乗)与一郎?
江戸で何かあったんか?

一人で戻ってきたから
妙やなとは思っておったが。

いいえ そうではありません。

江戸で 与一郎の腕は
めきめきと上達していました。

その腕は 後藤家にとってこそ
役立てるべきやと思い 帰しました。

どうか 末永う 面倒見てやってください。

まあ ええやろ…。

これよりは 後藤庄三郎光次と名乗られよ。

ありがとうございます。

くっ!

(戸が閉まる音)

♬~

何でや…。
ん?

もう察しはついてるやろ。

家康様が小判作ってることを
知らせたんは あてや。

それと引き換えに
ここに また置いてもろたんや。

ま そんなことやろうと思たわ。

せやったら 何で…。

肩身狭いんとちゃうか?

あてらを売った お前を
あいつらが心底信用すると思わへん。

いっぺん裏切ったもんは
いつか また裏切る。

そない思われて当然や。

けどな あての言うたことは うそやない。

お前 江戸で ほんま よう腕上げた。

せやから ここに しがみついてでも

いつか お前の名で
お前の仕事をしたらええ。

♬~

何か ご用ですか?
えっ?

ひっ!

すっかり江戸のお人やな。
あっ…。

お嬢さんも すっかり
ええおかみさんやないですか。

江州屋は太閤様の覚えも
めでたいよって

後藤家にとっても ええ話やったんや。

後藤の家に生まれたからには

後藤のために嫁ぐんは 当たり前のことや。

堪忍な 庄三郎。

叔父さんのために江戸に取り残されて

しかも うちとの 夫婦話も
反故となってしもうて…

怒ってるやろ。

♬~

しかたのないことやと分かっております。

ほんまに?

へい。

そうやない…。

どんな理由があっても

帰ってこよう思たら
来れたんとちゃうんか?

あんたは自分で
江戸に残ることを選んだんや。

あんたが…

うちを捨てたんや。

♬~

<後藤家の猶子となり
江戸に戻った庄三郎は

新たに 名に「光次」と加えた。

その2文字を墨書きした
江戸最初の武蔵小判が ここに完成した>

(お栗)行ってらっしゃいませ。

お栗様。
はい。

京で早紀様に会うての

どうやら あては
えらい前に捨てられておりました。

あの返事
お栗様が書いてくれてたんやな。

あての目を欺くとは… 大したもんや。

すみませんでした。

ああ いや! いやいやいやいや!

そのおかげで あては ここまで
やり続けてこられたんや。

お栗様のお心遣い 一生忘れません。
おおきに。

ほな 行ってくるわ。

<しかし…>

太閤秀吉が死んだ。

これより殿は 天下への道を進むであろう。

立ち止まっている暇などない。

お主は お主の戦をせい。

金を延べよ 小判を作り続けよ。

殿の仰せじゃ。

(吾助)
今度は かなりの大戦になるそうじゃ。

徳川様が負けたら
わしらの小判は どうなるんじゃ?

小判どころか
わしらも どうなるか分からんぞ。

ああ~ もう!

あかん ちょっと行ってくる。

行くって どこへ?

関ヶ原じゃ!

(いななき)

♬~

家康様!

(勝ち鬨)

勝ったのか…。

わしは勝ったのじゃな…!

家康様 庄三郎でございます!

殿!

庄三郎。

こたびの大勝利 おめでとうございます!

庄三郎。

次は お主の番じゃ。

京へ行け。

京へ?

今 京は 混乱の真っただ中にあろう。

そこに お主の旗を立てよ。

後藤家よりも先に
お主の旗を立てるのじゃ!

旗…?

旗…。

旗や。 旗!

旗… あっ!

旗! 旗や!

(いななき)

<家康の敵対勢力が 一挙についえ

混乱を極める京の町へと
庄三郎は急いだ>

兄ぃ! 兄ぃ!

お~ 庄三郎!
また会いに来てくれたんかいな。

兄ぃ 墨すれ!
はあ?

それとな 材木。 材木を集めるんや。

何や 何を始めるんや?

家康様の命により
あてらの旗 立てるんや!

旗?

あ~ もう 分からんのか!

高札や!

高札… ん?

♬~

間に合うた…。

(徳乗)庄三郎!

何をしておるのや…。

見てのとおりでございます。

戦に勝利した あてらの意向を
知らしめるのです。

何やて…?

「金銀銭についての政は
これを改めはせぬ。

皆 これまでどおり
案じて商いに励むべし」。

徳川家康」。

<それは庄三郎が
新たな天下人 家康の庇護を受けている

証しであった>

あかん!

そのようなまねは 断じて許さんぞ!

お前 後藤家の人間やろ。

猶子にしてやった恩を忘れたんかいな!

忘れてなどおりません。

後藤家に教えていただいたこと
受けた恩義は

生涯 忘れません。
せやったら…!

せやけど それ以上に受けた
何倍もの屈辱は

たとえ 何年 時が過ぎようとも

決して忘れることなどできん。

いつやったか お嬢さんには
お話ししたことがあります。

後藤家を恨んでなんかおらんと…。

ずっと昔から恨んでいるのは
自分自身の運命やった…。

けど 今は違います!

家康様に認められ あては あての名で
誇りを持って小判を作っております。

今のあては 何よりの果報者や。

この高札は その証しなんや!

何が何でも立てねばなりません。

待て。 どうか どうか…。

兄ぃ!
よっしゃ!

ちょっと待て… おい ちょ… 待て!

なんちゅうこっちゃ こりゃ…
なんということや これは…!

これで世は変わる。

ハハハハハッ。

ハハハッ ハッ ハハハッ!

こんなもん ただの私札や!

何の効力もあらへんわ! ハハハッ!

そない思うんやったら…

抜きなはれ。

♬~

抜け!

♬~

ああ~!

ああっ!

間もなく ここにも徳川勢が参ります。

あなた様は 敵方についた身。

早々に京を離れなはれ。

お前ごときに
この身を案じられようとは…

片腹痛いわ!

庄三郎
確かに わしは負けた三成に組した。

せやけどな 弟の長乗は…

徳川方につかしてる。

後藤家は… 滅びん。

(早紀)父さん!

何や 早紀。
お前 まだ逃げなんだのか。

父さんが まだ こちらにいると聞いて
心配で。

さあ 参りましょう。
いや 大事ない。

一人で行く。

後藤庄三郎光次。

せいぜい励むがいい。

♬~

あんたは 徳川家康という お人に
ほれたんやなあ。

庄三郎も 達者でな。

お嬢さん!

風邪 ひかんように。

おなか… 壊さんように!

はい。

おおきに。

(早紀)「夕べもまた
早紀様に会いに行きました。

皆が寝静まったのを見計ろうて
密かに床を抜け出し

遥か135里の道のりを
走って 走って 走って

あては早紀様の待つ京へと
舞い戻るのです」。

「早紀様は
あの裏山の石段の上で待ってて

笑て こういうのです。

『やっぱり 188段やな』と。

あては187やというのに
早紀様は譲りません。

あての願いは 早紀様と
正月には元日詣でをし

夏には祇園会と送り火を見て…。

そうやって
早紀様と共に生きていけたら…」。

(早紀)「もっともっと話したいのに

気い付いたら
早紀様の姿は どこにもなく

あては この遠い江戸の地で
一人 目を覚ますんです」。

(早紀)「早紀様 今 何をしてはりますか。

今すぐ 早紀様のもとに駆けつけたい。

待っててください。

お役目を全うして
早紀様のもとへ帰ります。

必ず戻りますから

どうか待っててください」。

(早紀)「早紀様のために

早紀様と共に生きていたいのです」。

何度も捨てよう思たのに

これだけは
どうしても捨てられへんかった…。

うちも アホやなあ。

待てなくて堪忍な。

これは お返しします。

♬~

庄三郎も…

どうか お達者でな。

お嬢さん!

あては…。

♬~

あんたの京言葉 変わらへんな。

♬~

185 186 187…。

188。

あ~。

すんまへん お嬢さん…。

あてが間違うてた…。

間違うてました~!

庄三郎。

こたびの働き 大義であった。

ありがたき お言葉。

もったいのうございます。

見よ。

お主は この江戸の町じゃ。

初めは 誰も見向きもせぬ
ただの荒々しい大地じゃった。

しかし だからこそ
そこには 大きな可能性がある。

だからこそ わしは
お主に小判作りを任せたのじゃ。

庄三郎よ

さあ 立て!

天下統一など
ただの越すべき峠の一つにすぎぬ。

そのあとの世を どうすべきか…。

それこそが わしらの
やらねばならぬことなのじゃ。

いつの日か お主の作る小判が

国の隅々まで行き渡り
商いが盛んになり

この江戸に 多くの民が集う…。

それを成し遂げるのは お主らじゃ。

この江戸の町は…

お主らの町なのじゃ。

♬~