ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

家康、江戸を建てる 前編 佐々木蔵之介、市村正親、生瀬勝久、千葉雄大… ドラマの原作・キャストなど…

『正月時代劇 家康、江戸を建てる(前編)「水を制す」』のテキストマイニング結果(キーワード出現数BEST10&ワードクラウド

  1. 江戸
  2. 六次郎
  3. 普請
  4. 菓子
  5. お主
  6. 藤五郎
  7. 長安殿
  8. お役目
  9. 伊奈殿
  10. 何じゃ

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『正月時代劇 家康、江戸を建てる(前編)「水を制す」』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)&EPG情報(出典)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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正月時代劇 家康、江戸を建てる(前編)「水を制す」[解][字]

菓子職人・大久保藤五郎(佐々木蔵之介)は、徳川家康市村正親)に、江戸の民のために市中までの上水工事を命じられる。それは途方もない壮大なプロジェクトだった。

詳細情報
番組内容
見渡す限りの湿地が広がる寒村の江戸を、日本一の大都市にするという、途方もない夢を抱いた徳川家康と、その夢に人生を掛けた名もない男たちの「江戸作り」の物語。大久保藤五郎(佐々木蔵之介)は、徳川家康市村正親)のために長年、菓子を作る男。ある日、藤五郎は家康に、江戸の民のために市中までの上水工事を命じられる。名主・六次郎(生瀬勝久)や技術者・清兵衛(千葉雄大)も加わり、壮大なプロジェクトが始まる。
出演者
【出演】佐々木蔵之介生瀬勝久,優香,千葉雄大,マギー,藤野涼子高嶋政伸勝野洋,上杉祥三,今井朋彦松重豊市村正親,【語り】石坂浩二
原作・脚本
【原作】門井慶喜,【脚本】八津弘幸
音楽
【音楽】林ゆうき

 


♬~

<日本の首都 東京。

かつて 江戸と呼ばれていた この地は

ほんの400年前まで
過酷な自然に覆われた荒野でした>

(家康)これが 江戸か。

♬~

(忠勝)おのれ 秀吉め。

我らを このような地へ追いやるとは。

(直政)
ここは 人の住む場所ではござらぬ。

殿 せめて 小田原になさっては。

気に入った。

わしは 決めたぞ。

この江戸を いずれ 大坂と並ぶ

いや 日ノ本一の城下にしてみせる。

この荒れ野をでござりまするか?

そうじゃ。

そのためには まず

水を制さねばならぬ。

♬~

(藤五郎)うん。

水を制すとは
どのようなことにござりまするか。

まず第1に

この地に水害をもたらす
川の流れを変えることじゃ。

その役目…。

伊奈忠次に命じる。

伊奈殿に?

(伊奈)はっ。

そして 第2に

最大の難題は 飲み水じゃ。

人が生きていく上で 欠くことのできぬ
清き水を

いかに得るか。

それができて初めて
人々の暮らしは潤い

町は大きくなるのじゃ。

♬~

(長安)殿 江戸の町づくりに欠かせぬ

飲み水探しのお役目

是非 この私めに お任せくださいませ。

長安
補佐役の分際で出しゃばるでない!

ろくな戦働きもできぬ お主に
何ができる。

殿 ご安心くだされ。

この平八郎が 必ずや

お望みに応えてごらんに入れましょうぞ。

いや それならば 私が。

失礼つかまつりまする。

菓子をお持ちいたしました。

今は そのようなものを…。

よいよい わしが所望したのじゃ。

これへ。

相変わらず うまいのう そちの菓子は。
ん?

毎日食うても一向に飽きぬ。
絶品じゃ。

ありがたき お言葉
もったいのうございまする。

大久保藤五郎。

そなたに
江戸の飲み水探しを申しつける。

うまい菓子を作るには いい水がいる。

その水の味を知る お主こそ

この役目に ふさわしい。

私のような者に そのような大役を…。

あああ あああ… ありがたきや!

殿 藤五郎殿には
少々 荷が重すぎまする。

無理なさるな 辞退されよ。

わしを みくびるでない!

この大久保藤五郎忠行。

足は きかずとも 心は武士じゃ。

殿のお申しつけとあらば

この命なげうってでも
やり遂げてみせまする。

殿 どうか この大役

拙者一人に お任せくだされ。

決して 余人には お命じにならぬよう。

相分かった。

頼むぞ 藤五郎。

はっ!

まさか
このような重要なお役目を頂けるとはの。

驚いたか? 驚いたであろう。

わしが一番驚いたわ。
ワハハハハハ…。

何じゃ うれしくないのか?

うれしゅうございますよ。

でも それ以上に 心配で。

あのような思いは
二度としとうありませぬ。

♬~

殿!

藤五郎!

誰か 藤五郎を陣へ!

殿 拙者のことなど お構いなく。

ほんの かすり傷でござる。

死ぬでないぞ。

そなたには
まだまだ働いてもらわねばならぬ。

よいな これは 主命であるぞ!

ありがたや。

こんな役立たずとなった わしを

殿は 今日まで
おそばに仕わしてくださった。

もう十分
お役に立たれているではありませんか。

お殿様が大好きな菓子を

毒味もさせずに
安心して召し上がるのは

あなた様がお作りになっているからこそで
ございましょう。

すまぬ。

そなたとお絹に心配をかけることは
重々 承知じゃ。

だが ここは 殿への忠義を貫かせてくれ。

安兵衛 よろしく頼みましたよ。

ご安心ください。
旦那様のことは

この安兵衛が
しっかりと お守りいたします。

おお 何じゃ これは?

お絹と2人で
町で買い求めました。

こたびのお役目が
うまくいきますように。

これはよい。 ありがとう。

家のことは ご心配なさらずに。

悔いの残らぬよう
ご忠義を全うなさってください。

ありがたし。

(絹)父上 早く帰ってきてくださりませ。

無論じゃ。 フフフフフ…。

よし。

今日から これが わしの刀代わりじゃ。

(笑い声)

<天正18年7月 大久保藤五郎は

家康から
江戸の上水工事の任を受け

駿府を後にした>

♬~

うわっ! あ~!

大丈夫でござりますか!
えいっ えいっ。

ヤス。

江戸まで あと どのぐらいだ?

何言ってるんですよ 旦那様。

ここが 江戸でございます。

はあ…。

あっ これ。

すまんが 水を1杯 所望したい。

へい お待ちを。

あ~ 一時は どうなることかと思うたが
ちゃんと村があるではないか。

村があるということは
水があるということじゃ。

このお役目
存外 すぐに果たせるやもしれんな。

さあさあ どうぞ。
あ~ かたじけない。

もう 喉がカラカラで…。

何じゃ これは! 馬の小便か!

わしは飲み水を所望したのじゃ!

わしらは いつも それを飲んでおります。

武家様のお口には合わなんだですか。

これを…。

井戸は どこじゃ?

そんなもんは ございません。

そりゃあ 平川の水でございます。

<当時 江戸の地では

井戸を掘っても 出る水には塩分が多く

到底 飲み水として
口にできるものではなかった>

<それから3か月

藤五郎が よしとする水は
一向に見つからなかった>

あれは?

あれは お社ですね。

♬~

あれだ。

♬~

いかがで?

うまい!

ハハハハハ…。
これじゃ。 この水じゃ~!

やりましたな 旦那様!

あったぞ!
(笑い声)

♬~

見事!

ははあ!

<藤五郎は
神田明神辺りの湧き水と

赤坂溜池の水を

飲み水として 家康に献上した。

その水は 江戸で初めての水道設備
小石川上水として

江戸城周辺の人々の喉を潤した>

お主に この名を授ける。

「もんど」。

いや 水は濁りを嫌う。

故に 「もんと」と読む。

これからも この江戸に
澄んだ水を送り続けるのじゃ。

ははあ!

伊奈。 そなたの方は どうなっておる。

はい。 水害の元凶となる川が
利根川であると突き止めました。

今は その流れを東に変えるべく
支度を整えております。

一刻も早く頼む。
はっ。

はあ~ さすがは藤五郎様 いや 主水様。

大したものですな。

かくも短き間に
殿のお望みに応えるとは。

長安殿も
勘定方の仕事を任されたと聞き申した。

これからも 殿の御ため
お互い 力を尽くしましょうぞ。

無論 そのつもりです。

それにしても 伊奈殿の方は
だいぶ てこずっている ご様子。

大丈夫ですかな?

川を相手にするのは
一歩 間違えれば 人の命にも関わること。

早ければよいというものではござらぬ。

しかし 期日が延びれば延びるほど
費用は かさむ一方ですからな。

できるのなら
早めに身を引いていただきたい。

それが 徳川のおためでござる。

なかなか 厳しいことをおっしゃるのう
長安殿も。

藤五郎殿。

分かっておられるとは思いますが

これで 事足りたわけではございませぬぞ。

殿は この江戸を
大坂以上の町にするとおっしゃった。

あれっぽっちの源では
すぐに足りなくなりますぞ。

<そして 14年がたった>

江戸が ここまでになったのも

そなたが
利根川の流れを変えてくれたおかげだ。

ようやってくれた。

いえ まだまだ途中でござります。

いずれは 利根川
常陸川へと合流させまする。

さすれば この江戸は
今より はるかに

水難の心配は少なくなりましょう。

先は長いのう。

はい。

<関ヶ原の戦いに勝利し
真の天下人となった家康は

本格的に江戸の開発に力を注ぎ始める。

しかし それに相反して
人口が急激に増加した江戸では

飲み水の不足が徐々に深刻化し

かつての伊奈忠次の言葉が
まさに現実のものとなりつつあった>

どうなっておるのですか!
もう丸一日 水が出ませぬ!

これじゃあ 顔も洗えなければ
飯の支度もできませぬよ!

水を飲まなきゃ かかあたちの乳も
出ないんでございますよ!

ええ 今 水路の詰まりを直させておるゆえ
もう少し待ってくれ。

もう少しって!

出たぞ~!

(町人たちの喜ぶ声)

ああっ ご苦労じゃったな。

ふう~ 樋に落ち葉が詰まっておりやした。

やはり 水の送り先を広げたせいで
勢いが弱くなったようです。

一刻も早く
もっと豊富な源を見いださねば。

ほんとに あるんですかねえ…。
探すしかあるまい。

わしは 殿と約束したのじゃ。

必ずや この江戸に 澄んだ水を引くと。

その腕 どうしたのじゃ!?

大したことございません。

お医者様が大げさなんですよ。

母上は 薪を運ぼうとして崩してしまい
手を挟んだんです。

薪を! 大事ないか!?

父上のせいですよ。

お絹 おやめなさい。

父上が いつも 安兵衛を連れ歩いて
水のことばかり なさっているから

男手が足りずに
母上は いつも無理なさっているのです。

お絹。
当たり前じゃ。

お前は小さくて
覚えておらんかもしれぬが

将軍様は わしを信じて

わしだけに
このお役目を与えてくださったのじゃ。

わしがやらねば
ほかに代わりはおらんのじゃ。

でしたら 私は 叔父様に
婿殿をお世話していただきます。

何じゃ いきなり!

(絹)よき婿殿と一緒になって

父上の代わりに
母上と私を守ってもらいまする。

父上とは似ても似つかぬような

身内思いの優しい殿方と
一緒になりまする!

な… 何じゃと!

おっ ちょっと…。

お絹!

ウフフフ…。

すまなかったの 無理をさせて。

私より あなたこそ
お体きつくはございませぬか。

まずは ご自分のお体を
大切にしていただかないと

将軍様へのご忠義を
全うしようにもできませぬ。

そうじゃの。
(安兵衛)旦那様!

遅くに すいません。

<このころ 大久保長安
その財務能力を高く家康に買われ

徳川幕府の金庫番として

天下の総代官と呼ばれるほどの
異例の出世を果たしていた>

主水殿 お待たせいたした。

殿に お目通りを願ったはずだが。

上様は
所用で お会いすることができぬ。

私が代わりに
用向きをお聞きせよとのこと。

長安殿が?

では 申し上げる。

武蔵野において

殿の命を仰せつかったなどと申す
やからが

人足を集め 上水路を掘り始めたと
耳にいたしたゆえ

その真偽を確かめに参った。

ああ そのことなら
紛れもない事実じゃ。

先日の鷹狩りの際に
殿が その源を見つけられたらしい。

大層 甘い水で

それを
何としても 江戸城下に引き入れよと

地元の名主に命じたそうじゃ。

バカな!

殿は わし一人に 江戸の上水を任せると
そうおっしゃってくださったはずじゃ。

ハハハハハ…。

何年前の話にござりまするか。

これほど 時と金銀を費やして
いまだ めどが立たぬとあっては

上様でなくても
ほかの者を選びたくなりましょう。

同じ水を相手にするでも
伊奈殿とは大違いじゃな。

伊奈殿?

(長安)あやつは 見事
利根川の流れを東に移すことに成功し

今や 殿より 絶大なご信用を得ておる。

このわしの次にな。

おのれ 長安め 偉そうに!

殿も殿じゃ。 何故 私以外の人間に
上水の普請を任せたのじゃ!

まさか これも長安の仕組んだことか?

いや やはり 殿が
私を見限ったということか。

いや いや いや…
そのようなことがあるはずがない。

とすれば…。

あ~ もう どいつも こいつも
信用ならん! 腹が立つ!

それっ! それっ!

おい そこ!
もっと しっかり腰を入れんか!

さような調子では
100年かかっても水は流せんぞ!

え~い…。

それっ! それっ!

こら そこの山猿。

誰が山猿じゃ!

我こそは 将軍様より じきじきに
上水普請のお役を言いつかった

内田六次郎であるぞ!

何が普請のお役じゃ。

先ほどから見ておれば
お主の指図は でたらめばかりではないか。

足を引っ張っておるのは お主じゃ!

黙って聞いていれば 失礼極まりない!
誰じゃい お主は!

拙者は 家康公直参 大久保…。

大久保!? ははあ!

あの天下の総代官様といわれた
大久保長安様であられまするか!

ご無礼 お許しくだされ!

長安? いや そうではない。

では 小田原城主 大久保忠隣様!

それも違う。 遠縁ではあるが。

えっ では どちらの大久保様で?

長年 殿のもとで 菓子司を務めておった
大久保藤五郎忠行じゃ。

大久保藤五郎様!

知らんな。
侮るな。

今は 江戸の上水普請も任されておる。

大体
何で 菓子司に そのような お役目を!

そういう お主とて
百姓上がりではないか。

百姓をバカにするな!
菓子司を見くびるな!

わしはな
この村をまとめ上げる名主じゃぞ。

一声かければ 人は集まるし
水路を通す場所も 何の障りもなく…。

(勘六)おい 六次郎!

(庄左衛門)わしらは水を引くことに
同意した覚えなどないぞ!

まだ そんなことを言っておるのか。

(勘六)
江戸市内にまで水を引いてしまったら

七井の池の水が
干上がってしまうかもしれんじゃないか。

(庄左衛門)そんなことになったら
わしら もう 米も作れねえ。

ここで 生きていけなくなっちまうだ!

(六次郎)心配ない。

わしの家は名主として
先祖代々 あの池を見てきたんじゃ。

あの湧き水は
もう何百年と かれることはなかった。

これさえ うまくいけば お上から
たんまりと恩賞がもらえるんじゃ。

そうすりゃあ 村だって潤うじゃねえか。

お侍の言うことなんぞ
当てになるもんかい!

(源兵衛)わしらの水を奪われてたまるか!

旦那様
七井の池の湧き水をくんでまいりやした。

<この七井の池とは
後の世の 井の頭池のことである>

混じりけが一切ない。

これほどとは…。
(勘六)おい 六次郎!

普請をやめるまで
わしは ここを動かんぞ!

わしもじゃ!

じい様まで 勘弁してくれよ。

わしは この村のためを思えばこそ
やっておるんだぞ。

(勘六)お前も 役人になったんじゃろ。
わしらの敵じゃ!

(六次郎)敵って何じゃ!

何だよ あんたが口を挟むこと…。

どけ!
わわわ…。

拙者は 家康公にお仕えする
大久保藤五郎と申す。

そなたたちが
我ら武士を嫌う気持ちは よう分かった。

じゃが
今の江戸城下には 武士以外にも

多くの町人たちが住み始めておるのじゃ。

井戸の周りには
いつも 人が集まっておってな

その水で
一日働いた汗と汚れを落とす者

湯を沸かして 夕餉の支度をする者

喉を鳴らして 水を飲む童たちも
大勢おる。

その水が 足らなくなっておるのじゃ。

わしは そういう者たちに

ここの清らかな水を
飲ませてやりたいのじゃ。

そなたらの大事な水を奪うようなことは
決して せぬ。

わしは 将軍様を信じておる。

その将軍様が認めた この六次郎を
信じることにする。

六次郎が ここの水は かれないと言うなら
かれないのじゃ。

だから…。

頼む 皆の衆。
どうか 力を貸してくれ。

江戸の町に暮らす人々に
安心して飲める水を届けてやってくれ。

このとおりじゃ!

♬~

よし! いいぞ! さあ 掘れ!

もっと ゆっくり 丁寧に振らんか!

やっとるだろうが!

この普請の頭は わしじゃ!
口を挟むな。

誰のおかげで
また仕事にかかれたと思うておるのじゃ。

(六次郎)
あんたがいなくとも もう一息で

俺も あやつらを説き伏せられた。

手柄を横取りするようなまねしやがって。

どの口が申しておる。
大体 今まで 大目に見ておったが

百姓の分際で
武士に何という口のきき方じゃ。

そっちこそ その百姓に
あっさり頭を下げるなんて

武士が聞いてあきれらあ!
それで 水が引けるなら

こんな頭 いくらでも下げるわい。
安いものよ。

わしのつまらん意地など
誰の喉も潤さぬ!

何じゃ?

大バカ者じゃな あんたは。

だから
その物言いに気を付けろと言うておる!

意地は張らんのだろ!
それとこれとは 話が別じゃ。

大体 お主のようなやつには
死んでも頭は下げん!

(勘吉)あの。

そろそろ
先に掘り進んでいいですかいのう?

<藤五郎たちが 七井の池から
江戸の町を目指した この上水路は

神田上水と名付けられる。

水は 高い所から低い所へと流れる。

御茶の水の懸樋までの
22キロに及ぶ工事は

10メートルで
僅か2センチの勾配を

維持し続ける戦いであった>

あ~ 駄目じゃ!

掘り過ぎるな!
傾斜を一定に保つのじゃ!

低くなり過ぎると
取り返しがつかんぞ!

おい あとは若いやつらに任せて
少し休んだら どうだい。

わしを年寄り扱いするな。

お主こそ 手を抜いてないで
しっかり仕事せんか!

あ~ そうかい
なら 勝手にしな!

うわっ!

早く上がれ!
(2人)あ~!

いってえ…。

このバカ者が!
(せきこみ)

ああ…。

2人とも けがをしたら
誰が この普請を進めるのじゃ!

わしのことなど 放っておかぬか!

何!?
はあ はあ はあ…。

まったく。
お互い 大事なくて 幸いだった。

まあ じゃが かたじけない。

次は 助けぬからな!

二度と落ちぬわ!

(笑い声)

<神田上水は 3年以上を費やし

江戸の町へ
あと一歩のところまで作られていた>

この水を通す橋さえ出来れば
江戸の町は もう目と鼻の先じゃ。

ああ やっと ここまで来たな!

こら 勘吉!
そんな へっぴり腰じゃ

もらったばっかりの嫁さんに
逃げられっぞ!

うるさいわ!

(笑い声)

みんな あと ひとふんばりじゃ!

よし いくぞ!
(人足たち)へい!

せ~の!

あああっ!

勘吉!
勘吉!

勘吉!

<江戸の町まで あと少し。

苦楽を共にした勘吉は 帰らぬ人となった>

(六次郎)もくろみより
ひとつきも遅れちまったな。

あんなことがあったんじゃ
致し方あるまい。

よっしゃ
ここからは いよいよ 市中となる。

気を取り直して
一気に仕事を進めねえとな。

いや 本当に難しいのは ここからじゃ。

暗渠?
そうじゃ 暗渠じゃ。

これまでの素掘りの上水路ではなく
樋を地中に埋めて 水を流すのじゃ。

さすれば 水が汚れず

流れに勢いをつけて

低い方から高い方へと押し上げることも

より広く上水を送り届けることもできる。

けどな 地中に水路を作るには
石を どこから運んでくるんだ?

分かっておる。
だから 難しいと言ったんじゃ。

一旦 ここは 今までどおり
開渠にした方がいいんじゃないか?

それでは 水を流せる場所に限りがある。

せっかく
皆が 水を待っておるというのに。

なら なおさら
ゴチャゴチャ抜かしてても 水は通らぬ!

上様から この普請を命じられたのは
俺だぞ!

ここは 俺に従え。
図に乗るな。

わしは
お主より10年以上前に命じられておる。

大先達じゃ。
わしの言うことを聞け!

俺の方が…。
(掛け声)

(掛け声)

(六次郎)何だ お主たちは!
ここで 何を始める気じゃ!

(春日)
大久保藤五郎様とお見受けいたしますが。

いかにも。

私は 春日清兵衛と申す者でござる。

家康様より 江戸の上水役を
仰せつかってまいりました。

(2人)お前もか!

早速ですが 暗渠の普請を
進めていきたいと思いまする。

私が この場を預かっても
よろしゅうございますか。

いやいや
お主のような若年には 到底無理じゃ。

それに 石材もなしに どうするってんだ。

そんなものは いりませぬ。

代わりに…

これを使うのです。

木? 木を使うと申すか?

はい。

そんなものを地面に埋めて
水なんか流したら

すぐに腐ってしまうではないか!
いいえ 腐りません!

何度も試し 確かめました。

木の樋を地中に埋めて土で覆い
日の光や風に さらさなければ

腐るものではありません!

しかも 木であれば
軽くて細工もしやすい。

ここに持参したものは
印と印を合わせて つなげれば

一本の長い樋が出来上がるように
作ってありますので

大きく手間が省けます。

そういうわけですから
今後は私が采配を取ります。

よろしいですね。

<春日のもたらした
画期的な技術革新によって

上水路の工事は 飛躍的に速さを増した。

…かに思えたが>

そこは もっと丁寧に つないでください!

ちょっとの隙間も
水漏れのもとになります!

あ~ そっちも違います!

印を よく見てください。

(春日)印!

印をよく見てくださいって
言ってるんです!

≪(絹)失礼いたします。

そこに置いておけ。

(六次郎)おい えらい器量よしじゃねえか。

あんたの娘にしておくのは
もったいねえな。

大きな お世話じゃ。

お前さんも そう思うだろう。 あっ?

おい。 おい 聞いてんのか。

返事しろよ お前よ!
あっ どうどうどう…。

そう いきりたつでない。

そなたも こっち来て 酒飲まれよ。

考えが まとまらなくなるゆえ
話しかけないでいただきたい。

この~!

人足を取り替えろじゃと?

はい。 私が見る限り 皆 素人。

これまでは
それでも よかったかもしれませぬが

市中での水道普請は
殊更 念入りにやらねばなりませぬ。

ただ 頭数をそろえれば
どうにかなるようなものではござらん。

おい ちょ 待てよ。

あの連中は 七井の池から
ずっと一緒にやってきた連中だ。

やっと ここまで来て あと少しって時に
もう用なしだなんて言えるかよ!

言えます。 新しい技のためです。

我々だけで ここまで
やってこれたわけではないのじゃ。

彼らに受けた恩をあだで返すようなまねは
侍として できかねる。

なるほど。

何年かかっても 上水が完成しないわけだ。

恩義だの忠義だのとばかり
おっしゃっているから

いつまでも 事はなされぬのです。

万全な成果を目指すなら

足を引っ張る者は
振り捨てねばなりませぬ。

わしは そのような考えには 賛同できぬ。

そなたの知恵や技は
すばらしいものだと認めよう。

腕のいい職人や 人足頭を雇うのも
とめだてはせぬ。 が…

共に戦ってきた者たちを
使い捨てるようなまねだけは できぬ。

断じて できぬ。 なあ。

お待ちくだされ。

表門前の普請を行うことは
承諾を頂いておりましたはず。

何故 急な お心変わりを。

あれほどの普請だとは聞いておらぬ。

あれでは 殿のおかごの出入りが
はばかられるではないか。

ほんの… ほんのいっときでござりまする。

はあ…。

主君の意向も伺い
重臣一同 相談の上でなければ

即答は いたしかねる。

それでは お約束が違いまする!

上様は またご不在なのか!
どこで何をしておられる!

わきまえよ。

そなたのような者が
やすやすと お目通りできること自体が

普通ではないのだ。

殿のお命を救ったからというて
家臣としては当然の行い。

にもかかわらず
これ見よがしに足を引きずり

恩着せがましい振る舞いをしおって。

そんなつもりは毛頭ござらん!

私は ただ殿のおそばに お仕えし

お役に立ちたいだけでござりまする。

だったら急がれよ。

主水は いかがいたした?

先ほど帰りましてございます。

そうか…。

いまだ上水が完成せぬのに
上様に会わす顔がないと。

あやつの菓子が懐かしいのう…。

もし近々に完成できなければ

お役目を返上し 私めに譲るなどと。

藤五郎がのう…。

長安殿が 全部…。

長安殿が手を回したことだというのか?

はい…。

殿のご真意は別にあるなどと たばかり

更には さまざまなお役を軽減することを
ちらつかせ

我々を拒むよう言い含めたようです。

何で そんなことするんだよ?

藤五郎様に代わって

江戸の上水を 己が意のままにしようと
しているのでしょう。

チッ。 これだから武士ってやつは
信用できねえんだ。

いや… 長安殿から見れば

わしは無能な銭食い虫であることも
事実じゃ。

振り捨てたくなるのも道理。

ならば どうするんじゃ?

ここまで来て 諦めるのか!?

ここを通らずに
遠回りして水を引くしかありますまい。

だが当然 余計な手間が増すばかり。

(春日)一刻も早く仕事にかかるとして

今はっきりと言えることは

やはり あの者たちでは
手に余るということです。

もっと年季を積んだ腕利きの職人や
仕事師を集めねば。

だけどよ そんな連中 集めようにも
すぐには集められねえだろ。

私に ツテがあります。

あなた方は まず今いる人足たちに
辞めるよう話してください。

俺たちは お払い箱ってわけですかい!

誰も そうは言ってねえだろ。
江戸を よくするために

俺たちの力がいるんだって
言ったじゃねえか!

息子や孫が ずっと自慢できる
そういう仕事だって!

もっと腕のいいやつを入れるっていうなら
それでも構わねえ!

でも 俺たちも
最後まで やらせてくだせえ!

大久保様は どうなんで?

あんな若造の言いなりになって
いいんですかい!

確かに 春日は出過ぎたやつじゃが

普請についての知恵技量にかけては
わしらは足元にも及ばぬ。

今は あやつの言うとおりに
するしかないのじゃ。

もう時がないんじゃ…!

分かってくれ…。

誠に すまぬ…。

何度来ても 答えは同じじゃ。
帰られよ。

今から普請を見直すとなると
また時がかかってしまいます。

神田上水の水を
心待ちにしている民たちに

苦しい思いを強いることになってしまう。

わしの知ったことではない。

お主の務めであろう。

ご当家は

大久保長安様とも
お親しいようで。

ですが ここは

太平の世の暮らしを
確かなものとするために

どうか… どうか賢明な ご判断を!

ふんっ!

お待ちくだされ!

どうか… どうか お力添えを!

無礼でござろう!
旦那様!

ああっ!

(絹)父上のせいです。

昔っから そう。

水のことになると
何も見えなくなってしまう。

でも 何のために
そのお役目をなさってるのですか?

ご忠義のため? 町の人々のため?

新しい上水が なくてはならぬことは
分かります。

でも そのために 一番近くにいる
母上や安兵衛に つらい思いをさせて!

所詮 父上は 自分の手柄が
欲しいだけなんじゃないんですか?

(絹)二度と戦で上げることのできない
手柄を

水を引くことで
代わりに手にしようとされてるのでは?

(足音)

藤五郎様。

申し訳ござりませぬ!

いかがしたのじゃ?

当てにしていた職人たちを
集められなくなりました。

さようか…。

急なことじゃ 致し方あるまい。

私のせいなのです!

頼ろうとしていた職人衆の中に

以前 私が暇を出した者の
身内がおりました。

仲間内でも顔が利くらしく

私が関わっているかぎり
この江戸で力を貸す職人はいないと!

この私が
誰よりも足を引っ張ってしまった!

これ以上
このお役目を続けるわけにはいきませぬ。

待て。

この普請は
そなたの力がなくてはならぬ!

普請の成就を… 祈っております。

御免。

おい…。

よう 待ってたぜ。

普請のやり方… 教えてください!

俺にも お願いします!

あんたが こいつらを
振り捨てようとしても

こいつらは あんたを振り捨てねえってよ。

♬~

何じゃ 見せたいものとは?

(伊可)行けば分かります。

その ひしゃくも
随分と年季が入りましたこと。

ああ。 今思えば

あの時が 最初で最後であったな。

お絹が わしの仕事を喜んでくれたのは。

口では何と言っても
あの子は ちゃんと分かってくれてますよ。

ならば よいが…。

あれでございます。

♬~

そこは違います! そちらの中へ!

あっ これですか?
ああ そこです そこです。

よし 上げるぞ! よいしょ~!
よいしょ~!

あ~ 六次郎殿!

ああ?

もっと丁寧に。
やってるよ。

いや もっと もっと。

そこが うまくいかないと
全てが駄目になります。

脅かすなよ。

大丈夫です。 必ず出来ますから。

随分と諦めの悪そうな人たちだこと。

あなたに そっくり。

伊可。

明日 握り飯を用意してくれ。

少し遠出をしてくる。

お断りいたす。

20人 いや10人でも構わぬ…。

伊奈殿の育てられた職人衆を
貸してくだされ。

こちらとしても
人手を割くわけにはいかぬのだ。

聞けぬ相談だ お引き取り願おう。

長安殿に…
そうせよと言い含められたのですか?

そうだと言ったら どうする?

どうもいたしませぬ。

たとえ 長安殿が何を言おうと

伊奈殿は その言葉に
惑わされるような お方ではない。

私は そう信じまする。

なぜ そう言い切れる?

貴殿とは これまで
2~3度 顔を合わせたのみ。

一方 長安殿とは 同じ代官頭という間柄

上様の前で何度も会っておるのだぞ。

人が人を信じられるかどうかは
会った数で決まるものではございませぬ。

では 何によって決まるのじゃ?

共に同じ志を持ち
同じ苦難を乗り越えてきたかどうかです。

まだ荒野そのものだった江戸を

いつの日か 日ノ本一にすると誓って

今も戦い続けている。

私は あなたを同志だと思っておりまする。

もし どうあっても
人を お貸しいただけないというなら…。

この私を 配下に お加えください。

江戸の上水普請を あなた様に託しまする。

さすれば 伊奈様ご自身のお役目として

誰はばかることなく
人を割くこともできましょう。

本気で申しておるのか…。

それでは これまでの幾年月を

江戸の水のためにささげてきた
お主は どうなる?

それで 江戸の民が
清き水で潤うのであれば

わしのことなど小さきこと。

まあ どうせ
上様にも見限られておる身じゃ。

上様から?
はい。

既に代わりの普請役を
2人も よこされました。

ですから 私に気兼ねなどいりませぬ。

このような身ではありますが
伊奈様の下 精いっぱい尽くす所存!

本当に それでよいのか?

飲んでみてくだされ。

これは うまい。

この水を 江戸の人々にも
飲ませてやりたいのです。

どうか 力をお貸しください。

伊奈殿!

次の川普請は ひとつき後じゃ。

それまででよいなら
うちで最も腕の立つ職人衆100人

ことごとく連れていくがよい。

それは…。

そなたのような面倒くさいやつを
配下になどしとうない。

さっさと戻って 務めに励まれよ。

ありがとうございます!

主水殿。

水もいいが…

次は酒が飲みたいものだな。

はい。

いつの日か 必ず。

すみません
奥様に こんなことをさせちまって。

何を言いますか。
夫のせいで こんな目に遭ったのです。

私が看病せねば バチが当たる。

本当に すまぬことをしました。

でも 夫のことは
どうか恨まずにいておくれ。

ああ 恨むだなんて とんでもない。

その逆です。

以前 お話し申しましたよね。

私は 子どもの頃に
身内を みんな はやり病で亡くしたこと。

ええ。

その はやり病は
汚い水を飲んだせいです。

でも 旦那様のお供をして

上水の仕事を
お手伝いするようになって

ある時 町の人に言われたんです。

旦那様が水を引いたおかげで
疫病が はやらなくなったって。

やっと 身内の無念を
晴らせた気がしました。

旦那様と一緒に ゆっくりと歩めた私は

果報者でございました。

ありがとう 安兵衛。

<数日後 伊奈の大勢の普請方が加わり

上水工事は 急速に進んでいった>

皆さん お握り作ってきましたから
遠慮なく どうぞ。

う~ん!

うまっ。

ホホホッ うまい。

お役目 頑張ってください。

ありがとう。

♬~

まさか 伊奈殿ともあろう お人が

あのような者に力添えするとは
落胆いたしました。

あなたは私の同志だと思っていたが。

まあ いくら人を集めたところで
所詮は急場しのぎ。

うまくいくと よろしいが。

<工事は 5年の歳月を経て
完成のめどが立ち

はるか七井の池から
25キロメートルの水路に

水を流す試験を行うこととなった>

いよいよじゃな。
はい。

まことに出るのか…。
出ます。

どうか うまくいきますように。

誰も けがなどしませんように。

やった… ついに…

ついに やった!
(六次郎)出おった!

(歓声)

おらが村から はるばる
よう来た! よう来た!

早く くみましょう!

♬~

間違いない! この味じゃ!
七井の池の水じゃ!

うまい…。

やりましたね とうとう。

2人のおかげじゃ。
2人とも 本当に…。

(大きな物音)

(六次郎)何じゃ これは!

しっかりせえ!

何が起きたか考えるんじゃ!

すぐに 目白の堰を止めろ!
(3人)はい!

急げ!

水流が強すぎたんだ。

これは… しくじった。

(六次郎)なんてこった…。

うっ… うっ…。

クククク…。

(笑い声)

こいつは 派手に しくじったもんじゃ!

ハハハ!

大しくじりじゃ!

元気を出さんか!
誰もしたことのない大仕事なのだ。

しくじりは 許される。

これは よい しくじりじゃ。

そうじゃの。

そうですよね。
次こそは 必ず成功させましょう。

ねえ 藤五郎様。

これを お主に受け取ってもらいたい。

わしは 無理じゃ。

この問題を片づけるには
明日 あさってというわけにはいかない。

相応の年月を要するだろう。

わしは ここで討ち死にじゃ!

ハハハハハ!

♬~

あとは お主たちに託す。

何言ってるんだ。
そうですよ。

藤五郎様がいなければ
誰が職人たちをまとめるんですか。

今のお主なら大丈夫じゃ。
もう何も心配しとらん。

六次郎 お主には さんざん
腹の立つことばかりであったが

おかげで 気張ることができたわ。

楽しかったの。

お主で よかった。

ああ… 今日の水は格別であった。

江戸中の人々に
いつか必ず飲ませてやってくれ。

♬~

これじゃ これじゃ。

久々よのう そなたの菓子も。

申し訳ございませぬ!

拙者 ふらちにも
ご心中を疑っておりました!

何じゃ いきなり。

六次郎と春日を
この仕事へ遣わされた時

もはや拙者は 見限られたのだと思い
殿のことを恨みました。

しかし
そうではないと 今なら 分かり申す。

殿は ずっと先の江戸を見ておられた。

だからこそ あの2人を 私に…。

人一人が 一生のうちにできることなど
たかが知れておる。

それは 征夷大将軍とて同じことじゃ。

志は 受け継いでゆかねばならぬ。

それが正しいかどうかなど
わしにも分からぬ。

100年先 200年先の者に
聞くしかあるまい。

戦のない世であればいいがのう。

わしは そう信じて
この江戸を建てるのじゃ。

上様の思い描く江戸の一片を
作ることができたのだとしたら

この藤五郎
これほどの幸せはござりません。

♬~

うまい。

菓子を食うたのは久々じゃ。

お前らにだけ つらい思いを
させるわけにはいかんからの。

あの時以来
菓子は食わぬと決めておった。

まあ 願かけのようなものじゃ。

いつかまた お主と こうして

菓子を食える日が来ることを
待ち望んでいた。

殿…。
わしは生涯 お主の菓子しか食わぬぞ。

藤五郎よ。

わしが 命を救ってもらった負い目で

お主に大役を与えたと
思うておるのかもしれぬが

それは大きな間違いじゃ。

お主には 新しい道を切り開く力がある。

この菓子が そうじゃ。

お主ならば 必ずや

江戸の扉を開いてくれると信じておった。

大久保藤五郎。

いや 主水。

長きにわたる役目 大儀であった。

♬~

さんざん時と銭をかけたあげく
しくじった由。

伊奈殿も分かっておらんなあ。
力を貸す相手を間違えたようじゃ。

心配せずとも あとは私が引き受けた。

そなたは のんびりと
菓子でも作っておれ。

分かってないのは 長安殿の方じゃ。

あなたには 我々には見えている景色は
見えますまい。

わしの後を継ぐ者は
既に決まっております。

もしも今後
力で脅かすようなことがあらば…

わしは あなた様と刺し違える所存。

隠居寸前の菓子司に
怖いものなどありませぬぞ。

♬~

<この後 藤五郎が
水道事業に関わることはなかった>

お帰りなさいませ。

お勤め
まことに ご苦労さまでございました。

<徳川幕府菓子司として
常に家康に付き従い

生涯 菓子を作り続けた>

♬~

(六次郎)藤五郎殿。

藤五郎様。

ついに完成しましたよ。

この水を 今や 多くの江戸の人々が

口にしております。

♬~

♬~

この江戸の金子作りは お主に任せたい。

しっかりと励むがええ。
後藤家の大判作りをな。

もういっぺん 機会を頂きとうございます。

もしも 太閤が先に小判を出したら
それまでじゃ。

やるからには 一刻の猶予もならぬ。

これは 戦じゃ。

それは 見たいわ!