ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

新・浅見光彦シリーズ「華の下にて」 平岡祐太、恒松祐里、高橋和也、渡辺梓… ドラマの原作・キャストなど…

『月曜名作劇場 内田康夫ミステリー 新・浅見光彦シリーズ「華の下にて」』のテキストマイニング結果(キーワード出現数BEST10&ワードクラウド

  1. 奈緒
  2. 博之
  3. 家元
  4. 浅見
  5. 登喜枝
  6. 高田
  7. 女将
  8. 鎌倉
  9. 丹正流
  10. お母さん

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『月曜名作劇場 内田康夫ミステリー 新・浅見光彦シリーズ「華の下にて」』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)&EPG情報(出典)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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月曜名作劇場 内田康夫ミステリー 新・浅見光彦シリーズ「華の下にて」[解][字][デ]

年末の3時間スペシャルドラマ!古都・鎌倉を舞台に、光彦が華道名家の秘められた謎に迫る!高橋惠子・恒松祐里藤田朋子益岡徹等、豪華ゲスト出演!

詳細情報
番組内容
北条氏の繁栄と滅亡を辿る取材のため、鎌倉に出かけた光彦(平岡祐太)は、湘南の海で、華道名家の孫娘・丹野奈緒恒松祐里)に出会う。父であり次期家元・丹野博之(高橋和也)が旅館の女将(渡辺梓)と不倫しているところを目撃してしまう二人。その後、女将が死体となって発見されて、奈緒は父が殺したのではないかと疑う。光彦は何か違うと感じていて、丹野家の大いなる「秘め事」に近づいていく。
出演者
<レギュラー>
浅見光彦・・・平岡祐太、浅見雪江・・・竹下景子、浅見陽一郎・・・石丸幹二、浅見和子・・・魏涼子、吉田須美子・・・浦まゆ、
<ゲスト>
高橋惠子・恒松祐里藤田朋子福澤朗高橋和也・高橋香織・立石凉子・清水〓治・益岡徹、ほか
スタッフ
原作・・・内田康夫、脚本・・・田辺満、プロデューサー・・・矢口久雄・近見哲平、ディレクター・・・村上牧人
公式ページ
◇番組HP
https://www.tbs.co.jp/getsuyou-meisaku/

 


<(光彦)湘南>

<そこには
いくつもの思い出のかけらがある>

<過ぎ去った恋を波間に探す人>

<かなわなかった夢を
砂浜に 指で すくう人>

<この砂の一粒一粒が>

<輝いた季節の
思い出なのかもしれない>

<そして 若者たちは>

<今という瞬間を楽しみ>

<生きた証しを
この砂浜に残していく>

<こうして 湘南は
何代にもわたって>

<人の心の中に
生き続けていくのだ>

奈緒 今日の波 どうだった?

(奈緒)いい感じ 風も最高

こんにちは

こんにちは

何?

あっ すみません

かっこいいなと思って

僕は サーフィンができないんで
うらやましいです

ナンパ?

いえ 違います

東京から 取材で来ました

取材?
はい

「旅と歴史」という雑誌に
記事を書いてます

鎌倉幕府を開いた 源頼朝から
三代将軍を経て

北条氏へと 権力が
移っていった時代の栄枯盛衰を…

興味ないですよね

ねえ

沖に出れば
もっと気持ちいい風が吹いてるよ

いつもと同じように ただ
息を吸って吐いてるだけなのに

なんで
こんなに気分が違うんだろうって

じゃ

<浜から少し先へ足を延ばすと>

<そこには 歴史と文化を感じる
鎌倉の町並みがある>

<源頼朝が 初めて幕府を開いた
この町は>

<東西と北を山に
南を海に囲まれていて>

<古くからの日本文化が 今も
生活の中に息づいているようだ>

すみません
写真撮ってもらえますか?

はい 喜んで

(シャッターを切る)

見てみてください

ありがとうございました

≪私も 一枚撮ってくださる?

はい 喜んで…

お母さん!

(雪江)楽しそうな取材だこと

えっ いや あの…

それより なんで
お母さんが鎌倉にいるんですか?

生け花の発表会があるから
ぜひ ご一緒にって

和子さんが誘ってくだすったのよ

(和子)光彦さん?
(須美子)坊ちゃま

あれ?

お義姉さん 須美ちゃんまで

奥様 この先に

とっても おいしい
鎌倉野菜のお店があるそうですよ

鎌倉野菜 いいわね

光彦 あなた お昼まだでしょ

はい
行きましょう

わあ 鎌倉野菜って
どれも おいしいわね

みずみずしくって 濃厚

カラフルで きれい

そうそう この裏の通りにね
おいしい おそば屋さんがあるのよ

それから その坂を下ると
老舗の和菓子屋さんがあってね

へえ お義母様

鎌倉には本当にお詳しいですよね

お母さん 鎌倉に何か
いい思い出でもあるんですか?

昔 どなたかと
いらっしゃったとか

あはは うーん それはねえ

秘密

えっ?

あら どうかして?

誰だって 秘め事の一つや二つ
あるでしょう

もう…

秘め事…

(和子)お義母様

(雪江)ああ まあ きれいねえ

優雅で品があって
和子さんらしくて とてもいいわ

(和子)ありがとうございます

どうなの 光彦は

えっと 花全体に力強さを感じます

そんなに褒めても
何にも出ませんよ

先生 このたびは
おめでとうございます

すっかり
ご無沙汰してしまいまして

(博之)浅見さん
わざわざ ありがとうございます

いいえ 和子さんが
いつもお世話になっております

いえ こちらこそ 恐縮です

先生 今日は 義弟たちも一緒に
見にきてくれたんです

義弟の光彦です

遠くまで ご足労いただき
ありがとうございます

先生 私の作品 どうでしょうか

いいじゃないですか

丹正流の型が
しっかりと身についている

日頃のお稽古の成果が
出ていますね

これからも精進を続けてください
はい

では 失礼いたします

(雪江)ありがとう存じます

あっ どうも

(須美子)風格があって
感じのいい先生ですね

(和子)そりゃ
丹正流家元の ご子息ですもの

ゆくゆくは
家元をお継ぎになる方ですからね

≪お嬢様

(博之)奈緒

来てくれたのか

お父様
遅くなって申し訳ありません

うん

皆さん 娘の奈緒です

本日は 私も勉強させていただきに
まいりました

(雪江)あんなに かわいらしい
お嬢様がいらしたのね

お父様より才能は上だって
噂もあるんですよ

(雪江)美人で才能もあって
すばらしい お嬢様ね

楽しみです これからも

≪すばらしいわ

≪ご立派に お育ちになられて

(博之)ありがとうございます

(ドアが開く)

こんなところにいるとは
思わなかった

こちらこそ
一瞬 誰だか分かりませんでした

似合わないでしょ
いいえ

立派な丹正流のお嬢さんです

申し遅れました

浅見光彦です

丹野奈緒です

いい風 吹いてました?

えっ?

さっき 風に吹かれてましたよね

あっ

やっぱり海のほうがいいですよね

そりゃあね

取材 終わったの?

それが まだなんです

へえ じゃあ まだ鎌倉にいるんだ

はい 今夜は「鷹の屋」さんに
宿をとらせていただきました

鷹の屋さんなら よく知ってる
そうなんですか?

(雪江)光彦

やっぱり お知り合いだったのね

いえ けさ
ちょっと浜でお見かけしただけで

紹介してちょうだい

はい

母です

初めまして
光彦の母の浅見雪江でございます

初めまして 丹野奈緒です

光彦をよろしくお願いいたします

えっ?

お母さん 何言ってるんですか

(博之)奈緒
(奈緒)はい

では 失礼します

あなたにも あったんじゃないの?
秘め事が

いえ べつに
秘め事なんかじゃないですよ

そう

私たち そろそろ失礼しますから
頑張るのよ

お母さん…

(貴子)お着替え
こちらへ置いておきますね

ああ ありがとう

貴子
はい

今日 奈緒が発表会に来てくれたよ

あら そうですか

奈緒ったら あんなに
行かないって言ってたのに

奈緒にも 丹野家の一員としての
自覚が出てきたんだろう

少し遅いですけどね

この丹正流を継いでいくのは
あなたの次は あの子なんですから

それは
世間が そう言ってるだけだ

次が私だとは
家元は一言も おっしゃっていない

何をおっしゃってるんですか

あなたのほかに
誰がいるっていうんです?

(登喜枝)失礼いたします

(登喜枝)博之様 家元がお呼びです

失礼いたします

家元 お呼びでしょうか

(忠慶)博之

年明けの初生け式は

おまえに任せようと思う

ありがとうございます

私の代わりだ しっかり頼むぞ

承知いたしました

それから もう一つ

そのとき 次の家元を指名する

(忠慶)誰が私の後継者になるか
あれこれ噂しているようだからな

この際 はっきりしておいたほうが
いいだろう

はい

博之 精進しなさい

はい

ありがとうございます

(忠慶)登喜… 登喜枝さん
はい

登喜枝さん
はい

水をください 水を
はい

(登喜枝)はい どうぞ

(忠慶)ありがとう

おばあ様 手伝おうか

(真実子)いいのよ これは私の仕事

ずっと昔からね

この水のおかげで
うちの花は息が長いんだね

花も人もね

ねえ おばあ様は
二十歳のとき 何してたの?

何よ 急に

もう将来のことは決まってた?

二十歳ねえ

もう その頃は
家元に嫁ぐことが決まっていたわ

不満じゃなかった?

不満も何も
親が決めたことには逆らえない

そういうものなの

つまんないね

あなたも いずれ
そうなる運命にあるの

今のうちよ
好きなこと していられるのは

今のうちか

(冬江)失礼いたします

(冬江)浅見様 本日は
ようこそ お越しくださいました

鷹の屋の女将 冬江でございます

わざわざ すみません

こちらこそ お世話になります

まあ
お若いのに礼儀正しいんですね

お客様なんですから もっと
おくつろぎになってください

僕には こうしか できなくて

ご夕食は いかがいたしましょうか

すみません これから夜の鎌倉を
散策してみようかと思ってまして

そうですか
それは失礼いたしました

きれいなお花ですね

あれは 丹正流のお弟子さんが
生けてくれたものなんです

実は 僕の義姉も
丹正流の生け花を習っていて

今日も 発表会に
行ってきたところなんです

丹正流の皆さんには 昔から
ごひいきにしていただいていて

丹野家の皆さんも よく
うちをご利用してくださるんです

家元の息子さんにも
お会いできたんですが

立派な方ですね

何か?

ああ いいえ

ああ見えて あちらのお宅も
いろいろと大変なようですから

鎌倉の歴史と文化を
取材されるなんて

お若いのに すごいですね

ただ歴史が好きなだけですから

まっ ご謙遜を

女将さん こんにちは

こんにちは
奈緒さん

あら お知り合い?

ちょっとね

浅見さん いいお店があるんだけど
つきあって

今からですか?
そう 今から

女将さん 行ってきます

行ってらっしゃいませ

どうぞ ごゆっくり

マスター こんにちは

(牧原)
ああ いらっしゃい 奈緒ちゃん

マスターの牧原さん

初めまして 浅見です

珍しいな
奈緒ちゃんが男連れで来るなんて

そんなんじゃないって

はい そんなんじゃありませんから

そんなんじゃないか
お好きなとこ どうぞ

やっぱり そこ座ったか

このガーベラの赤が すてき
(牧原)だろ?

ご近所の庭に咲いてんのを
もらってきたんだよ

命の色は赤い色

そう そして地中深く流れる

真っ赤な灼熱のマグマ

この不思議な赤い色のお話

何ですか それは

ああ 近くのお寺の赤地蔵様が
おっしゃったの

赤地蔵様
そうだよ

ああ 命の色を教えてください
赤地蔵様ってね

なんか新鮮だった

それまで命に色があるなんて
考えもしなかったから

ねえ このお店 どう?

味も雰囲気も最高です

ああ それからマスターも

でしょ?

ここは
私のサーフィンの前線基地なの

それと 波の上の次に
私が気に入ってる場所

なんか 分かる気がします

私ってさ 「花」って簡単な漢字さえ
書けない頃から

いろんな花に囲まれて
育ってきちゃったから

その辺に咲いてる花のことなんて
なんとも思わなかったの

でも マスターに出会って
教えてもらったの

人の手で生けた花も
きれいだけど

自然の中で咲いている花のほうが
もっとすてきなんじゃないかって

一輪の花がもつ力強さに
救われる命もあるって

それも 赤地蔵さんの言葉ですか?

これは マスターの名言

そんな それほどのもんじゃないよ

でも そうですよね

何気ない日常のなかで
生きる命こそ

美しくて 尊いですよね

そうなの
伝統とか格式なんて関係ないのに

命の色は みんな赤いんだから

そうだ マスター チーズケーキ 二つね
はい

えっ まだ食べるんですか?

じゃあ テイクアウトで

ここのチーズケーキね
意外と いけるんだよ

「意外と」か

「意外と」か…

湘南の海って いいですよね

どんなとこが?

なんというか

いろんな世代の人たちの
思い出みたいなものが

あちこちで生き続けているような

思い出か

私には ないな

えっ?

僕の母も 鎌倉には
いい思い出があるそうなんです

今 お母さんの話する?

すみません

ねえ 泳ごうか

えっ 今からですか?

そうだよ

でも 水着持ってないですし

じゃあ ドライブは?

ドライブ…

どこまで?

じゃあ

チーズケーキ
部屋で一緒に食べない?

部屋で?
そう

お部屋で
えっ ちょ… 奈緒さん

やっぱり まずいですよ

なんで?
チーズケーキ食べるだけでしょ

それは そうですけど…
大丈夫

≪これで最後にしてくれるよな

≪今が大事なときなんだ

おまえには感謝してる

本当に救われたよ

分かってくれるよな

分かってる

お父さん…

奈緒さん

驚くようなことじゃないか

今どき よくある話だよね

やっぱり
慣れないこと するもんじゃないね

はい

帰るわ

奈緒さん

大丈夫ですか?

平気だって

無理してませんか?

だから平気だって

浅見さん やさしいね

でも

あなたには分からないでしょうね

さようなら

<思い出は 決して キラキラと
輝くものばかりではない>

<誰にも言えない
言いたくない思い出は>

<秘め事として
覆い隠されていくのかもしれない>

<彼女が目撃してしまった
残酷なまでの事実が>

<やがて恐ろしい連続殺人事件に
つながっていこうとは>

<このときの僕は まだ
知るよしもなかった>

ああーっ!

ありがとうございました

お世話になりました

(光彦が出ていく)

高田さん?

(高田)おお 浅見君か

ご無沙汰しております

鎌倉へは取材ですか?

うん まあ そんなところかな

鷹の屋さんに何か?

いや べつに

浅見君こそ
鷹の屋に何か用だったのか?

一泊させてもらっただけですから

さすがは
浅見家のお坊ちゃんだ

俺なんか駅前の
安いホテルだよ ハハハ

浅見君は
まだ歴史専門か?

はい ほかに取り柄がなくて

ハハハ まっ 頑張って

失礼します

臨時直売所…

鎌倉野菜か

白なす

珍しい

バナナピーマン?

あっ すみません
(一子)あっ ごめんなさい

いえ あっ
よかったらどうぞ

ああ こういうのはね
ダメです 早いもん勝ちですから

剛史 今日のカレーは
バナナピーマンなしだから いいわね?

(剛史)分かったよ ママ

ママじゃないでしょ
お母さんでしょ

息子さんですか?
ええ

この子 ピーマンは嫌いなんですけど

バナナピーマンなら食べてくれるんですよ

残念だったね
じゃあまた明日にしよう ねっ

あの!

やっぱりどうぞ

あら すみません いいんですか?

何か催促しちゃったみたいで

いえ おいしいカレーを
作ってあげてください

すみません

鎌倉へは
観光でいらしたんですか?

いえ 取材で来ました

取材で? じゃあ

どちらかに お泊まりですか?
はい

鷹の屋さんにお世話に
なりましたが 今日帰ります

今日 帰る?

やっぱり悪いわ
えっ 大丈夫ですよ

いや それじゃ
私の気が収まりませんから

じゃあ どうすれば?

どうしましょうか

前会長のカルロス・ゴーン容疑者が
逮捕されてから

間もなく1カ月となる今日、

日産自動車が取締役会を開き、

ゴーン容疑者の後任となる

会長人事について決定を見送った。

日産自動車の西川広人社長は、

今日開催された取締役会の議論に
いて、

先ほど会見を行い、

当初は今日にも決定する予定だっ

ゴーン容疑者の後任となる会長人
事について、

選定を見送った上で、

今後も社外取締役による委員会で

協議を続けることを明らかにした。

またゴーン容疑者のように会長職

CEO=最高経営責任者を兼務す
ることの是非については、

当然考えないといけないとの認識
を示した。

また外部の弁護士らを入れた

ガバナンス改善の委員会を設置し、

取締役に対する報酬の決め方や、

会長選任の前提となる企業統治
あり方などを議論した上で

来年3月をメドに提言を受けると
している。

一方、提携する三菱自動車も取締役
会を開き、

益子会長CEOは取締役などの報
酬を決める

(玄関が開く)

奈緒

お帰りなさい

ただいま

(博之)また波乗りか?

うん
いいな おまえは自由で

今夜の食事会は
おまえに任せた 頼んだぞ

かしこまりました

今日も遅くなるんですか?

ああ そうだな

行ってらっしゃいませ

奈緒

今夜の藤沢支部
方たちとの お食事会

あなたも一緒に来るのよ

お父さんは?

お父さんは家元の代わりで
何かと お忙しいのよ

あなたにも
丹野家の一員として

しっかりして
もらわないとね

ただいま
(須美子)坊ちゃま

(雪江・和子・須美子)お帰りなさい
(陽一郎)お帰り 光彦

取材 どうだった?
はい 無事に終わりました

そうか また おかしな事件に

首でも突っ込んでるんじゃ
ないかと心配してたんだぞ

心配おかけして すみません

光彦 それで例のお嬢さんとは
どうだったの?

えっ?
光彦さん うまくいったの?

どうだったんですか?

それが…

振られちゃいました
あら やっぱり

また次がありますよ

おいおい 誰なんだよ
その例のお嬢さんって人は

それがね
丹正流の家元のお孫さんなの

えっ?
将来の家元と噂されてる

才女なのよ

そりゃ残念だったな 光彦

いえ…
(須美子)丹正流といえば

日本を代表する
華道の一つですもんね

でも 家元が お体を壊されたから

いよいよ ご子息の博之さんが

お継ぎになるんじゃないかって

博之さんって 坊ちゃまの
お相手のお父様ですよね?

お相手って…

博之さんは
丹正流の家元を継ぐために

婿養子に
入られたんでしょうからね

博之さんって
婿養子だったんですか?

そうそう
家元には娘さんしか いなかったの

昔は家を継ぐのは
男子というのが常識だったから

でも今は時代が違うから

博之さんの次は 奈緒さんが

家元を継がれるんじゃないかしら

とっても才能豊かだって評判だし

女将さん

(谷村)おい 平山

はい

鷹の屋の女将さんに
間違いないんだな?

鎌倉じゃ 結構有名人ですよ

鷹の屋なんて
俺には縁がないんだよ

あそこにいる女性 誰ですか?

(谷村)
第一発見者の丹野奈緒さんだ

丹正流のお嬢さん?
ああ

それじゃあ女将さんとは
よくお会いになってたんですね?

まあ…
最後にお会いになったのは

いつですか?
おとといかな

そのとき女将さんに何か変わった
様子はありませんでしたか?

いいえ

じゃあ 女将さんに

恨みを抱いてるような人は

心当たり ありませんか?

ほんのささいなことでも
構わないんですよ

ありません

鷹の屋の女将さんが?

私が見つけたの

それは お気の毒ね

そうだな

奈緒

おまえ 何で
鷹の屋さんに行ったんだ?

海に行く前に ちょっと寄っただけ

いつものことでしょ

そうか

そうだったな

何で そんなこと聞くの?

ちょっと気になっただけだ

行ってくる
はい

坊ちゃま お荷物届いてますけど

まあ 鎌倉野菜じゃない

こんなにたくさん
うわ~

おいしそう

うわ~ フフフ…

浅見光彦様」

「バナナピーマンのお礼です」

「どうぞお召し上がりください」

「平山一子」

あのときの…

どなたなんですか?
平山一子さんって

鎌倉で ちょっと知り合ったんです

振られちゃったあとに もうほかの
女性と知り合ったんですか?

そんなんじゃないですって

彼女は お子さんもいる
ちゃんとしたお母さんですから

お母さん?
ええ

(バイブレーター着信)

はい 平山

☎こんにちは 浅見です

あ~

こんなにたくさん
いただいちゃって いいんですか?

どうぞどうぞ お安い御用ですよ

ありがとうございます

今度また鎌倉へ伺ったときは
何か お礼をさせていただきます

あっ そういえば浅見さんって
鷹の屋さんにお泊まりでしたよね

ええ そうですけど…

坊ちゃま
どうなさったんです?

ちょっと鎌倉へ行ってきます
鎌倉!?

事件のことは また
あとで話しますから

事件!?

光彦ったら…

こんにちは

あの~
丹野奈緒さん ご在宅でしょうか?

(登喜枝)
お嬢様は出かけておられます

ではまた改めて伺うと
お伝えください

承知いたしました

失礼します

あら

浅見さん

一子さんって
刑事さんだったんですね

そうは見えないって
よく言われるけど

あの どうして丹野家に?

捜査に決まってるでしょ

奈緒さんが事件と
何か関係があるんですか?

遺体の第一発見者なのよ 彼女

えっ?

お嬢さんのこと知ってるの?

詳しい事情
聴こうと思ったんだけど

お留守らしくてね

そういえば あなたさ

取材って言ってたけど

新聞記者か何か?

すみません
ありがとうございました

ちょ ちょ… おい!

(小声で)おい お… お~い

マスター
おお いらっしゃい

あの 奈緒さんは
こちらに来ていませんか?

あれから顔見てないな
そうですか

どうしたの? この間は
いい雰囲気だったじゃないか

鷹の屋の女将さんが
亡くなられたのは ご存じですか?

ああ さっきテレビで見たよ

殺されたんだってね お気の毒に

大丈夫でしょうか 奈緒さん

奈緒ちゃん どうかしたの?

遺体を発見したのは

奈緒さんなんだそうです

あ~ それ きついな

そうか

あの子 ああ見えて
結構ナイーブなとこあるからな

そう~

平気な顔して

今までだって
ずーっと息苦しかったんだよ

奈緒ちゃんが
うちの店に初めて来たときだって

どこにでもいる
明るい女の子だと思ったら

時々 ひょっと暗い顔するんだよ

だから サーフィンでもやってみたら?

もっといい風
吹いてるかもしれないぞって

マスターが?
(牧原)そう

で 現在に至る

まっ 俺も 若い頃
いい加減な暮らししてたから

偉そうなこと言えないんだけどな

マスターにも
そんな時代があったんですね

フッ

流れ流れて
この鎌倉にたどり着いて

今じゃ ここでしか
生きていけないな

そんなに鎌倉が
気に入ったんですか?

気に入ったっつうか まっ

離れられないんだな

おお いらっしゃい
噂してたんだよ

奈緒さん…

僕の父は

僕が13歳のときに亡くなりました

でも 明るくて優しい母と

優秀で しっかり家を
守ってくれる兄がいて

僕は特に困ったこともなく

自由にさせてもらってました

ですから
僕には奈緒さんのことがまだ…

浅見さん

女将さんを殺したのは
父かもしれない

次の家元を継ぐ父が

女将さんと別れられなくなって

それで…
奈緒さん

何か もう
そうとしか考えられなくて

どんな顔して
父に会えばいいんだろう

戻りました
お疲れさまです

まずいな~
どうかしました?

ああ?
被害者は殺される前日から

携帯電話で何度も同じ番号に
電話をかけていた

同じ番号って誰なんです?

それが丹正流の家元のご子息
博之さんなんだよ

それは まずいですね

ああ 次期家元と噂される
お方だからな~

うちの署長や市長とも
つながってる名士ですからね

あ~ こりゃ相当 性根を据えて
かからないといけないぞ

ここでいいよ

ありがとう

奈緒さん

高田さん…

あっ

(せきばらい)

知り合い?

昔 同じ出版社で
記事を書いていた先輩なんです

じゃあ あの人もルポライター

はい

高田さん!

驚いたな

浅見君が丹野家のお嬢さんと
知り合いだとはね

高田さんこそ 何で丹野家に?

さて 何でかな

鷹の屋さんにも いましたよね?

今は どんなネタ
追いかけてるんです?

浅見君

それは言えないな

あっ
でも 一つだけ教えてやろうか

近いうちに
面白いことになるかもしれないぞ

面白いこと?

フフフフフ じゃあな

ハハハハハ…

カエル? 何色のカエル作った?

青とかグリーンとか
うん

浅見さん?

あっ バナナピーマンのお兄ちゃん

剛史君 こんにちは
こんにちは

先ほどは失礼しました
あっ いえ

一子さんの家
豆腐屋さんなんですか?

あっ この店の二階
間借りしてんの

そうなんですか

あっ これ
剛史君にお土産です

ありがとう

そんなこと
してくれなくていいのに

剛史君には何がいいのか
よく分からなくて

あ…

いつの時代の人?

すみません

うわ~ でも どうもありがとう

そう ルポライターだったんだ

とはいっても 旅や歴史
伝統文化の記事が専門なんですが

それで丹野家のお嬢さんと
知り合ったの?

いえ 取材とは
直接関係ないんですけど

あっ なるほどね

あのお嬢さん かわいいから

心配で駆けつけたってわけ?

分かります?

分かるよ それくらい 誰だって

でも一つだけ
分かんないことがあるんだよね

何がです?

何で丹野家のお嬢さんが

鷹の屋の女将さんの遺体を
見つけたのか

朝早く 若い女の子が

普通 あんな道 通る?

あなた 何か知ってる?

いえ別に

怪しいな

(剛史)マ~マ

おなか減った

わっ もうこんな時間だ
ごめんね 剛史君

あっ 浅見さんも よかったら
ご飯食べていかない?

えっ?

ごちそうさまでした

とてもおいしかったです
あっ

赤大根の甘酢漬けだったら
まだあるよ

いえ もう
おなかいっぱいですから

(剛史)マ~マ

はいはい 大丈夫

ママ ここにいるよ

ほらほら はい もう一回 寝よっか

ほらほら よしよし…

大丈夫だよ うん

♬~シャボンだま とんだ

♬~やねまで とんだ

♬~やねまで とんで…

いまだに甘えん坊で
しょうがないの

父親が いないせいかな

あの ご主人は?

それ聞く?

すみません

消えちゃったのよ
シャボン玉みたいに

子供ができたって私が言ったらね

あのバカ

いつの間にか
いなくなっちゃったのよ

おまけに私の貯金通帳と
印鑑まで持ち逃げ

元々
ストリートミュージシャンでね

いい年してプロになるなんて
いきまいてたんだけど

いつまでたってもプロになった
なんていう話 全然聞かないし

今頃 どこで何をしてるんだか

壊れて消えちゃったのかな~

これ食べちゃうね

(高田)
博之さん ちょっと待ってください

どうしても お聞かせしたいことが
あるんですけどねえ

結構です お帰りください

あなたも これを聞いたら

きっと驚くだろうな~

聞いてみたいでしょ?

結構だと言ってるでしょ
帰ってください!

(奈緒)誰と話してたの?

奈緒

話し声が聞こえたから

おまえが
気にするようなことじゃないよ

キャー!

(バイブレーター着信)

奈緒さん

どうしました?

えっ? 高田さんに襲われた?

奈緒さん

浅見さん

私が
悲鳴を上げたら

すぐ逃げて
いきました

その高田って
男は何者なの?

僕の先輩の
ルポライターなんです

ルポライター
はい

でも面識がある程度ですが

どんな男なの?

あまりいい評判は
聞いたことがありません

その男が何で
奈緒さんを襲ったりしたの?

父と話しているのを見てしまって

気になって後をつけたんです

父って博之さん?

えっ どういうこと?

浅見さん
何か知ってんでしょ?

いえ

ホントに?

浅見さん ありがとう

いいよ もう

(奈緒)父は

きっと高田さんから
脅されてたんです

鷹の屋の女将さんのことで

なるほど そういうことだったんだ

奈緒さん

高田さんは博之さんに

何か言っていませんでしたか?

最初のほうは

よく聞こえなかったんだけど…

《あなたも これを聞いたら》

《きっと驚くだろうな~》

博之さんも驚く?

いずれにしても その高田っていう
男が何かカギを握ってるみたいね

はあ~

死人に口なしだな

すみません すみません

知り合いか?
いえ 全然

高田が殺されたとなると
いよいよ

博之さんからも話
聞かないといけないか

ああ… でも
相手が相手だけに

うちも相当 慎重にならざるを
得ないんだよね

(奈緒)高田さんが殺された!?

はい
そう…

浅見さん

あっ はい

私… 父に聞いてみる

奈緒さん…

もう はっきりさせたいの

お願いがあるんだけど…

はい ご一緒します

あっ お嬢様

お帰りなさいませ
ただいま

登喜枝さん
友達の浅見さん

いらっしゃいませ

どうぞ

今の方は?
ああ 登喜枝さん

家元のお世話と

家事まわりのお手伝いを
してもらってるの

そうですか

父の実のお母さんでも
あるんだけどね

えっ 博之さんの!?

あら… お友達?

お母さん

浅見光彦です

突然 お邪魔してしまって
申し訳ありません

奈緒の母の貴子です

お父さんは?

さっき
お出かけになったわよ

えっ… どこに?

理事会の会合だから

遅くなるんじゃ
ないかしら

そう…

浅見さん せっかくですから

ごゆっくりしていって
くださいね

ありがとうございます

お母さん
知ってるのかな?

あっ… おばあ様

初めまして
浅見光彦と申します

奈緒の祖母の真実子です

浅見さん
お茶でもいかがです?

はい

おばあ様は
いつも こうするの

お茶をもてなして

その人のことを
観察するのよ

えっ!?

どうぞ

お点前
ちょうだいいたします

お先に いただきます

とっても おいしいです

大変 結構でございました

浅見さんと おっしゃいましたね?
はい

いい ご家庭で
お育ちになったんですね

ありがとうございます

お茶の作法だけ見て
言っているわけではないんですよ

初めて お顔を拝見したときから
そう思ってました

(真実子)で…

どういった ご用件で
いらっしゃったんです?

実は…

その…

おばあ様

私… 見ちゃったの

お父さんと
女将さんの関係

浅見さんも
私と一緒に見たんだから

あっ… そういうことだったの

おばあ様は知ってたの?

奈緒

男の方とは
そういうものなのよ

そういうことじゃないの
私が聞きたいのは

奈緒さん

お父さんじゃないよね?

女将さんを殺したの

奈緒さんは そのことで
ずっと悩んでいたんです

おばあ様!

ごめんなさい
笑ったりして

博之さんが
何をしてたかなんて

私にだって分かるわけ
ないでしょう

外に女性をつくるくらい
普通の方だって

やってらっしゃる
ことだから

そのことを
奈緒さんのお母様は

ご存じなんですか?

さあ どうでしょう

でも 貴子も
丹野家で育った人間ですから

ずっと隠してたんだ…

(真実子)奈緒

何かを守るには

秘密を持つことも
必要なのよ

「何かを守るため」って
何を守ってるんだろう?

おばあ様だけは
何でも話してくれる人だと

思ってたのに…

あの方が お家元?

そう 去年
脳梗塞で倒れちゃって…

あっ…

さあ 大丈夫ですか?
起きますよ

行こう

じゃ 博之さんと女将の
不倫関係は

家元夫人も
知ってたってこと!?

はい
そう…

ですから それをネタに

高田さんが博之さんを
恐喝していたとは

考えにくいんです
でも…

丹正流次期家元の
不倫話なら

そこそこのネタに
なるんじゃないの?

でも… 僕には
そんな話だとは思えなくて

何で?
高田さんが亡くなる前に

僕に こう話して
くれたんです

《近いうちに 面白いことに
なるかもしれないぞ》

「面白いこと」?
はい

それに 奈緒さんが聞いた

高田さんの言葉も
気になるんです

《あなたも
これを聞いたら》

《きっと驚くだろうな~》

博之さんも
知らないようなこと?

丹野家には 何かもっと

深い事情があるんだ
と思います

深い事情…

(博之)失礼いたします

家元 お呼びでしょうか?

この… 恥っさらしが

私の耳にも入っているぞ

軽率なことをしてくれたもんだな

申し訳ありません!

博之

家元とは
どうあるべきだ?

丹正流の上に立ち

門弟を統率して

伝統を
継承していくことでございます

今のおまえに…
それはできるのか?

次期家元の件は…

白紙に戻す

(貴子)お母様

博之さんは?

家元と
お話ししてるところよ

そう…

家元は いつになったら

襲名の話をして
くださるんでしょうか?

それは 家元が
お決めになることだから

(博之)♬~七里ヶ浜

♬~いそ伝い

♬~稲村ヶ崎 名将の

♬~剣投ぜし古戦場

♬~極楽寺坂越え行けば

♬~長谷観音の堂近く

♬~露座の大仏おわします

(物音)

浅見さん 浅見さん!

あっ…
おはようございます

丹正流の家元が
自宅で亡くなられたそうよ

えっ!?
病死だけど 一応

検視に立ち会ってくるから
あっ… 剛史は

もう 預けてあるから
心配しないで

家元が亡くなった?

博之さん
ちゃんとしなさい

はい

(奈緒)浅見さん

奈緒さん

来てくれたの?

この度は…
ご愁傷さまです

浅見さん…

何で こんなことばっかり
起こるんだろ

家元は 病死だったんですよね?

死因は 急性心不全
事件性はないみたいよ

あっ お帰りなさい

あんた 確か前にも見たな

ルポライターが殺された現場で
はい

浅見光彦と申します
失礼ですが お仕事は?

ルポライターです
ルポライター!?

あっ あっ…
あんた 殺された高田の仲間だな?

仲間?
そういうわけでは…

谷村さん 浅見さんは
そういう人じゃないです

話は中で聞かしてもらおうか
平山 おまえも来い!

えっ…

じゃ 何か
高田とは面識はあるが

親しくはないってことか?
はい

(新田)谷村!
署長!

(新田)オイ そのルポライターとかいう
男の身元は確認できたのか?

(長沢)ただ今 確認中です
署長…

なるほど~

おまえか 殺された
ルポライターの仲間は

仲間? いえ…

そういうわけでは
ありませんが

丹野家のことを
調べまわってたそうだな?

スキャンダルでも
見つけて

恐喝するつもり
だったのか?

署長 浅見さんは
そういう人ではありません

君は黙ってなさい

こういう
善人ぶった顔した男が

一番 タチが悪い!

そうか
高田と仲間割れでもして

殺したか!?
違いますよ

署長 浅見光彦の兄という人と
電話がつながりました

兄!? いや あっ あの…

それは ちょっと…
何だ

兄貴が出たら
都合でも悪いのか?

さては 兄弟で丹野家を
ゆするつもりだったか!

だから 違いますよ
私が出る

署長 この方は
いいから貸しなさい

ああ~ もしもし 私が
鎌倉南署 署長の新田だが

光彦が何か
ご迷惑をおかけしたでしょうか?

迷惑?
何を しらじらしいことを

お兄さん あんたも
グルなんじゃないのか?

失礼ですが おっしゃってる
意味が分かりませんが

じゃ 教えてやろうか

あんたらは 丹正流の
スキャンダルを見つけて

金にしようとしてるんだろ?

私の弟は断じて
そのような人間ではありません

はあ!? あんた 仕事は
何をやってるんだ?

警察庁の刑事局長ですが

警察庁の刑事局長!?

何を寝ぼけたことを!
署長

いいか 警察庁
刑事局長というのは

国会で警察を代表して
答弁するような

偉~い お方なんだ

今は 浅見陽一郎という
お方…

浅見!?

浅見刑事局長です

弟さんです
(新田)ああ…

オイ この状況は…
どうすればいい?

とりあえず
謝っちゃいましょう

あっ もしもし もしもし
先ほどは

大変 失礼なことを
申しました

うちの部下がですね
とんでもない

思い違いをして
おりましたようで

誠に申し訳ございません
え~ 私 新田が

きつく きつく
注意をいたしますので

何とぞ ご容赦ください
はい! はい!

失礼いたしました!
はい は~い!

浅見先生~

「先生」
先生も お人が悪い

浅見刑事局長の弟君で
あらせられるなら

早く そう
おっしゃってくだされば

よろしかったですのに

兄は兄 僕は僕ですから

兄には迷惑をかけたく
ないんです

さすが!
人間ができている!

浅見先生 このあと
どうですか?

しらすで一杯
フフフ…

何か ごめんなさいね
変なことになっちゃって

何で 一子さんが謝るんですか?
うちの上の連中

頭 固くて
一度こうだって決めると

なかなか
考えが変えられないのよね

一度 病死だと判断されたら

なかなか 切り替えられない

ですよね?

やっぱり 家元は
病死じゃないって思ってる?

殺されたってこと?

その可能性も考えられます
確かに

鷹の屋の女将さんでしょ

次期家元の
不倫関係を調べてた高田

そして 家元

み~んな
丹野家のまわりで起きてる

まさか 連続殺人!?

あれ? 牧原さん

誰?
奈緒さん 行きつけの

カフェのマスターです

牧原さん
ああ… 浅見さん

どうしたんです?

いや… 家元が
亡くなったって聞いて

奈緒ちゃん
どうしてるかなって

奈緒さん 呼んでもらいましょうか
いやいや それはいいんだ

ご焼香 させてもらったら…
いいんだよ

俺みたいな人間には
縁遠い方なんだから

浅見さん

この度は
ご愁傷さまです

よろしかったら
お線香でも

あげてやってください

ありがとうございます

私は葬儀の打ち合わせが
ありますので

ここで 失礼します

牧原さん?

どうかしましたか?
ああ…

やっぱり 場違いな場所だった
帰るよ

何か変だったね あのマスター
ええ…

坊ちゃま 坊ちゃま!

い… いらっしゃってます

須美ちゃん 何?
そんな大声出して

奈緒さん…

あっ 奈緒さん
お嬢さん!

こんにちは

(雪江)
丹野家のお葬式ともなると

色々と大変だったでしょ

私は何もしていませんから

お父様とお母様は
いかがです?

父は家元の代行として
忙しくしております

奈緒さん あの…

何で うちまで?

ちょっと 気分転換かな

じゃ 奈緒さんのために

みんなで ごちそう作りましょう
えっ…

そうですね! お義母様

須美ちゃん 手伝って!
はい!

あの~
私も手伝わせてください

えっ…
そう?

じゃ 手伝ってもらおうかしら
はい

こっちこっち キッチンね
はい

奈緒さんは
あなたに助けを求めて来たのよ

はい…

あなたが元気づけてあげなくて
どうするの!

はい

(和子)は~い

この おいなりさんは
奈緒さんが作りました

えっ!?

では 心して

いただきます
はい

おいしい

浅見家の味です

よかった~

奈緒さんは何をやっても
やっぱりセンスがいいのね

いえいえ そんな
お母様のおかげです

あの花は?

ああ あれは さっき

奈緒さんがお庭のお花を
生けてくれたの

へえ~
「海と花」っていうカフェの

マスターに
教えてもらったんです

野に咲く花が持つ
命の力強さを

「一輪の花に救われる
命もある」って

いい言葉
そうですね

何だか…
青春のかおりがするわ

お義母様の秘め事にも
そういう言葉あるんですか?

もう その話はおしまい

奈緒さん さあさあ
どんどん召し上がれ

はい
はい どうぞ

すいません
ありがとうございます

さあ いただきましょう

たくさん 召し上がれ

皆さんに
気を使わせちゃったみたいで

ごめんなさい
大丈夫ですよ

うちの家族は いつも
あんな感じですから

奈緒さん
何があったんです?

ただの気分転換だけじゃ
ないですよね?

浅見さん…

これを ご存じですか?
いえ…

夾竹桃といいます

生け花でも ときどき使われる
お花ですよね?

丈夫で長持ちするけれど
毒性が強い…

今度の展示会のために

用意していた
らしいんですけど

何本か なくなっていて…

浅見さん…

おじい様は
病死じゃないのかも…

兄さん

迷惑かけてしまって
すみませんでした

いつものことだろ

はい… すみません

やっぱり どっぷりと
ハマったみたいだな

はい でも…

このまま引き下がるわけには
いかないんです

覚悟はできてんのか?
はい

だったら
何も言うことはないよ

兄さんには これ以上
迷惑はかけません

その言葉
何度 聞いたことか

あっ… すみません

分かった

しかし 無理はするなよ

ありがとうございます!

おやすみなさい

しょうがないわね~

相変わらずで

光彦が うらやましい

えっ…

俺は あいつのようには
生きられないから

失礼します

浅見さん

お疲れのところ すみません

奈緒さんから
こちらだと うかがったもので

何か ご用でしょうか?

先ほどのお花
拝見させていただきました

いかがでしたか?

すばらしい作品だと思いました

それは どうも

でも…

ご自身では
納得されていないような…

分かりましたか?

奈緒が見たら
何て言うかと思いましてね

えっ?
型どおりで つまんない

奈緒の才能は ホントにすごい

あの子には
到底かないません

で ご用件は?

その… 奈緒さんのことなんですが

実は

あることで
ずっと悩んでいるんです

私と 鷹の屋の女将のことですか?

はい

奈緒は 私が殺したと
思ってるのではないですか?

奈緒に そう思わせてしまったのは

私の責任です

申し訳ないことをしてしまった

浅見さん

私は 今の生活に満足しています

尽くしてくれる妻と

才能あふれる娘がいて

昔と比べたら 夢のようです

父親を早くに亡くし

母の手 一つで育てられ

ずっと貧しい母子家庭でした

高校生の終わり頃

母から 急に 生け花を
習わないかと言われましてね

それで
丹正流を母に紹介されたんです

お母様の登喜枝さんは

元々 丹正流の
お弟子さんだったそうですね?

ええ

母には 苦労ばかりかけました

丹野家では 家政婦のように働き

家元の面倒まで ずっと見てきた

私は そんな母を
ずっと間近に見てきたんです

(博之)私は 奈緒と比べれば
スタートが ずっと遅い

それでも 母は 毎日のように

「あなたには才能がある」

「だから 大丈夫だ」

「丹正流家元にだって
なれるかもしれない」

…なんて 夢みたいなことを言って
私を励ましてくれました

おかげで私は 貴子の婿に選ばれ

母の夢がかなう
あと一歩のところまで来たんです

だからこそ

家元にならなければ
いけないんです

お母様のご苦労

無駄にできませんよね

分かっていただけましたか?

はい

でも 一つだけ

気になることがあるんです

何です?

ルポライターの高田さんのことは
ご存じですか?

知ってますよ

高田は 鷹の屋の女将のことで

私を脅してきたんです

高田さんが つかんでいたものは

それだけだったんでしょうか?

僕には もっと…

もっと深い事情があるような
気がしてならないんです

さあ…

私には 分かりかねますが

(貴子)あなた

お弟子さんたちが お待ちですよ
うん

では これで失礼します

私…

知っていました
えっ?

主人と 鷹の屋の女将さんのこと

博之さんはね

私のところへ
婿に入ってくださったんです

それだけで 私は十分だったんです

当時は

女性が 家元を継ぐなんてこと
ありえませんでしたからね

丹正流の伝統を守るためには

家元が お決めになった人を
婿に取って

跡取りを産む

それが

私の人生なんです

私の母も そうしてきたんですよ

家元夫人も?

親が決めた縁談を受け入れて

家元に嫁ぎ

丹正流に身を捧げ
守ってきたんです

私は ずっと 母の背中を見て
育ってきましたから

父と母が そんなことを?

はい

お二人とも

相当の覚悟と苦労を背負いながら

生きてこられたんですね

私も そうなれるのかな?

僕には そんなお二人が

今回の事件を起こしたとは

思えません

浅見さんに そう言ってもらえると
少しホッとした

でも…

じゃあ 一体 誰が?

何かを守るには…

秘密を持つことも必要

えっ?

今度は 何のご用です?

博之さんや

貴子さんから
色々とお話をうかがいました

そう

お二人とも

丹正流と丹野家を守るために

懸命に生きてこられたんですね

そして 真実子さんは

誰よりも それを実践してこられた

何が おっしゃりたいのかしら?

あなたは おっしゃいましたよね?

何かを守るためには

秘密を持つことも必要だと

言ったかしらね? そんなこと

鷹の屋の女将さんと

ルポライターの高田さんは

その秘密を知ったために
殺されたのではないですか?

そして 家元が亡くなったことも

その…

秘密が関係しているんじゃ
ないでしょうか?

真実子さん

あなたは それをご存じですよね?

丹正流と丹野家を守るために

隠さなければならなかった秘密を

浅見さん

あなた おいくつ?

33です

それじゃあ…

お分かりにならないかも
しれないわねえ

花って いいわよねえ

きれいで 力強く生きてて

花が咲いて その種を土に落として

その種から 芽が出て

そして その種がまた大きく育って
花を咲かせて

種を落とす

自然の雨や風の中で その繰り返し

そんな一輪の花に

救われる命もあるのよ

浅見さん

ちょうどよかった ちょっと来て
えっ?

あれから
牧原さんのこと 調べてみたの

牧原さんを?
若い頃は

結構すさんだ生活してたみたいよ

出身は長野なんだけど
何度も家出を繰り返しててね

それで 17のときに
一度 傷害で逮捕されてんの

でも 微罪だった
っていうこともあって 少年院には

送られなかったんだけど
それからは うちにも帰らないで

色んな所を転々としてて

流浪の末に 鎌倉にたどりついた
ってわけみたい

でも… 何で 鎌倉なんだろう?

えっ?
牧原さんは

この鎌倉を離れられないって
おっしゃってました

ああ…
一体 何があったんだろう?

マスター こんにちは

ああ いらっしゃい

お母さん!?
光彦

ウフッ…
どうして 鎌倉にいるんですか?

この前
奈緒さんのお話を聞いていたら

ちょっと来てみたくなったのよ
あっ…

お母さんの若い頃の秘め事ですか

聞いちゃいましたよ
いい話じゃないっすか

やめてくださいな マスター
息子の前で

この辺にも
来られたんですか? よく

そうねえ この辺りは
よくドライブしたわね

ああ いいですねえ

私は助手席に チョコンと座ってね

主人は まだ 運転がヘタっぴで

それでも 一生懸命
海岸沿いの道を運転してくれたわ

えっ? あっ…
ちょっと待ってください

お母さんの秘め事の相手って…

お父さんよ
当たり前じゃないの

結婚前には よく来たの 鎌倉に

だったら べつに秘密にしなくて
いいじゃないですか

秘め事は

秘めているから
美しいんじゃないの?

いつまでも色あせずに

当時の思いを
心の中に しまっておける

それが人生を
彩り豊かにしてくれるのよ

確かに

そういうもんかな

それより マスターの秘め事は?

聞かせてくださいな
え~っ…

マスターにもあるんですか?
そりゃあ ちょっとはな

聞かせてください
いや ダメダメ 俺のは暗いから

いいじゃありませんか ねえ?

ちょっとだけ
お願いします

仕方ないなあ

あの頃の俺は
もう どうしようもなくて

将来のことも
何にも決まってなくて

自分の居場所もなくて

毎日 毎日をただ…

ダラダラ生きてた

寝る場所もなくてね

漁師さんの小屋を
勝手に使わせてもらってたんだ

《おいっ! やめろ!》

《やめて… やだ…》

(牧原)放っておくわけにも
いかないからさ

とりあえず 中に入れて

その辺にあった服に
着替えてもらってね

《どうぞ》

《この花… あなたが?》

《ああ…》

《その辺に咲いてた花を》

《さしてみただけだけど》

《でも すてき》

《すてき?》

《ええ》

それが 何だか妙に嬉しくてね

俺が きれいだと思う花を

同じように
すてきだと思う人がいる

ただ それだけのことなんだけどね

それで どうなったんですか?

《(牧原)
生しらすを分けてもらって》

《食べてみると》

《それが
笑っちまうぐらい うまい》

《空を見上げると 月が出てる》

真昼の月は 見えてるんだけど》

《ふだんは気づかない》

《でも 確かに
そこにあるんだなあって…》

《日常は》

《更新されていく》

《今日
こうして出会ったのだって…》

《コーヒー…》

《おかわり いかがですか?》

《はい いただきます》

でも 翌朝 目を覚ましたとき

彼女は もう いなくなってた

キツネにでも…

化かされたような気がした

彼女は なぜ 海へ?

それは
お聞きにならなかったんですか?

最後に こう言ってたな

親が決めた結婚に

どうしても 従うことができなくて

で 東京から逃げてきたって

ホントに 夢みたいな話だった

その女性は… 最後まで
名乗らなかったんですよね?

生きてるのか…

死んでるのか

やっぱり つまんないか
こんな話

いいえ

とてもすてきなお話でしたわ

お母さん
うん?

ホントに そうなんでしょうか?

さっきの牧原さんの話?

いえ その前に
お母さんが言っていたことです

うん?

秘め事は

秘めたままでいるから美しい

ああ…

そうねえ

秘め事を抱えたまま
生きてゆくって…

それはそれで すてきだと思うけど

僕は 今…

それを暴こうとしているんです

本当に… それが…

いいのかどうか

光彦

あなたの好きなように
やってごらんなさい

あなたは…

あなたなんだから

お母さん

じゃあ
お母さんの秘め事の相手って

浅見さんの
お父さんのことだったんだ?

はい
いい話じゃない

うちの秘め事なんて
秘めたままでも美しくないからね

剛史君のお父さんのことですか?

ほかにないわよ 私に秘め事なんか

バナナピーマンのお兄ちゃん!

こんにちは
こんにちは

剛史 お母さんたち 大事なお話
してるから みんなと遊んできて

え~っ…
ごめんね 剛史君

今度また いっぱい遊ぼう
うん!

いつか聞かれるんだろうなあ

僕のお父さんは誰?
どんな人だったの? って

そんなとき どんなふうに
答えたらいいんだろ?

やっぱり正直に言うしか
ないのかなあ…

何かの拍子に戸籍でも見てさ

父親の欄が空欄だったら
きついもんね

剛史君の戸籍の父親の欄は

空欄なんですか?
そう

シングルマザーで 父親に
認知されてない子は 空欄なのよ

父親は早く死んだ なんて

ありがちな嘘
つくんじゃなかったなあ

そういえば…

博之さんも
同じようなことを言っていました

《父親を早くに亡くし》

《母の手一つで育てられ》

えっ?

実のお父さんは
早くに亡くなったって

聞かされているそうなんです
それって うちと同じで

嘘っていうこともありえるよね
もし 嘘だったら

博之さんのお父さんは 今
どこで何をしてるんだろ?

一子さん 博之さんの戸籍
調べてもらえませんか?

分かった
浅見さんは?

浅見さん

牧原さん

昨日 聞かせていただいた話ですが

その 漁師小屋があったのって
もしかして…

あの辺りだったんだ

ああ… ここで出会ったんですね

牧原さんが救った女性と

浅見さん

救われたのは
俺のほうだったんだよ

えっ?
その頃の俺は ホントに

ろくでもない人間だったから

それが まがりなりにも
マスターなんて呼ばれちゃって

こうやって普通に
暮らしていけるようになったのも

その人のおかげなんだ

そうでしたか

それで 離れられないんですね
鎌倉を

そのお相手の女性が

鎌倉に いらっしゃるから

あなたは ずっと そばで

見守ってきた

牧原さん その女性は…

浅見さん

秘め事は…

秘めたままだから美しいって

君のお母さんも そう言ってたろ

そっとしといてもらえないかな

奈緒ちゃんのためにも

奈緒さんのため?

牧原さん…

もしかして 奈緒さんは…

(真実子)本日は

おめでとうございます

襲名披露
よろしくお願いいたします

では 行ってまいります

(真実子)登喜枝さん

はい

お見送りしてさしあげなさい

あなたにとっても

今日は 晴れの日でしょ?

ありがとうございます

行ってらっしゃいませ

行ってきます

丹正流家元御襲名

おめでとうございます

ありがとうございます

登喜枝さんのご苦労が
やっと花開きましたね

博之さんを家元にまでなさるには

相当なご苦労があったと思います

女手一つで

ずっと博之さんを…

浅見さん

お祝いに
いらしてくれたんですか?

真実子さん

あなたが
ずっと守ってきた秘密について

お話をさせていただきに
まいりました

登喜枝さん

失礼します

浅見さん どうぞ

一輪の花に救われる命もある

すてきな言葉ですね

人の命と

人生を思います

真実子さん

あなたのお話ですね

親が決めた相手に
嫁がなければならない

そのあらがえない運命を
受け入れなければならない

そのお気持ち

さぞかし
おつらかったと思います

海に身を委ねようとするくらいに

そんな あなたを
救ってくれた方が今

この鎌倉にいらっしゃることを
ご存じですか?

あなたのことを
ずっと見守りながら

この鎌倉を
離れられずにいるんです

あなたのことを忘れられず

そして あなたも

その方のことを
ずっと忘れられず

ずっと胸に秘めて…

あなたの一人娘の貴子さんは

その方との間にできた
子供じゃないでしょうか?

あなたのおっしゃる秘密って

そんなことでしたか

いえ それだけではありません

博之さんについて
調べさせてもらいました

博之さんの戸籍の父親の欄には
誰の名前もなく

空欄になっていました

博之さんの実の父親は

一体 誰なんでしょう?

そう ご推察のとおり

博之の実の父親は

亡くなった家元です

娘婿だと思っていた博之さんが

そうではなく

家元の実の子供だった

それは一体

どういう意味を
持っているんでしょう?

最初にその意味を知ったのは

ルポライター
高田さんという人です

はじめは 博之さんと鷹の屋の女将

冬江さんの不倫を暴くために
調べていたんでしょう

でも
博之さんの素性を調べるうちに

もっと大きな事実を
探り当ててしまった

そして それをネタに博之さんを
恐喝しようとしていたんです

鷹の屋の女将さんも

高田さんから
聞いていたんでしょう

博之さんが 家元の
実の子供であるということを

でも女将さんの目的は
お金だけじゃなかった

博之さんと別れたくなかったの
かもしれません

それらは すべて

博之さんを
次の家元にするためには

都合の悪いことだった

浅見さん

そんなことを暴きたてて

どうしようっていうんです?

僕は

どうしても事件の真相が
知りたいんです

奈緒さんのためにも

今回の連続殺人事件は

博之さんを次の家元にする

それを守るために起きた
事件ではないかと考えられます

鷹の屋の女将さん

そして高田さんを殺害したのは

博之さんの母

登喜枝さんですね

♬~七里ヶ浜

♬~いそ伝い

♬~稲村ヶ崎

♬~名将の

♬~剣 投ぜし

展示会のために用意していた
夾竹桃だけが

何本か なくなっていた

夾竹桃は毒性のある
植物だそうですね

家元は ホントに
病死だったんでしょうか

家元は

博之さんを後継者にするつもり
だったんですよ?

家元が 博之さんと鷹の屋の
女将さんとの一件を知って

心変わりされたとは
考えられませんか?

《博之》

《家元とは どうあるべきだ?》

《丹正流の上に立ち》

《門弟を統率して》

《伝統を
継承していくことでございます》

《(忠慶)今のおまえに》

《それができるのか?》

《次期家元の件は》

《白紙に戻す》

《まったく博之は
何をやってるんだ》

《恥知らずが》

《申し訳ございませんでした》

《どうぞ》

《ありがとう
あんたには感謝してるよ》

《とんでもございません》

《家元》

《最後に一つ
よろしいでしょうか》

《最後に?》

《博之は》

《あなたの子供です》

《何を言ってるんだ!?》

《あなたが最初に》

《私を無理矢理に奪ったときに》

《できた子です》

《バカなっ》

《それじゃ…》

《貴子と博之は》

《異母兄弟ってことか》

《いいえ それだけはございません》

《安心して》

《お眠りください》

《(嗚咽する)》

ここからは 僕の勝手な想像に
なるかもしれません

家元の子供を宿した登喜枝さんは

誰にも言えず

一人でその子を産み

女手一つで育てた

そして本来
家元を継ぐべき博之さんを

貴子さんの婿として

家元にしたいと
考えたのではないですか?

自分の人生のすべてを

博之さんを
次の家元にすることだけにかけて

そのためなら

何も恐れなかった

自分の手を汚すことさえも

♬~建長

♬~円覚

♬~古寺の

浅見さん

はい

確かに 登喜枝さんの苦労には
頭が下がりました

家事まわりから何から
すべて引き受けて

文句一つ言わず
何でもやってくれた

もちろん
家元のお世話も含めてね

でもね あなたの想像は
少し違ってるわ

博之さんを
貴子の婿にと頼んだのは

私なの

私がお願いしたのよ

登喜枝さんは二十歳のときに

うちの門弟になったの

そして あなたが言うように

家元が登喜枝さんに手をつけた

登喜枝さんから相談を受けたわ

家元の子供を妊娠してしまった
って…

そりゃあ 私だって

妻としてのプライドがありますから

許せない気持ちでいっぱいだった

だけど その頃にはもう

子供をおろせない時期に
なっていて

だから それ相応のお金を包んで

田舎へ帰ってもらったの

でも私には

ずっと男の子が授からなかった

家元の血を受け継ぐ男の子は

登喜枝さんの息子さんしか
いなかったのよ

だから手を尽くして
登喜枝さんを捜したわ

そしたら 登喜枝さんの男の子は

りっぱに成長していた

だから私から頼んだの

博之さんを婿にくださいって

そして登喜枝さんは

それを受け入れた

浅見さん 私はね

この丹野家に嫁ぐときに

すべてを受け入れることに
決めたの

これから先 起きる
すべてのことを

私一人の胸の中に
納めていこうって

貴子さんを産んだことも

登喜枝さんが 家元の子
博之さんを産んだことも

博之さんを

貴子さんの婿にと頼んだことも

その秘密を

登喜枝さんと一緒にね

そして

私と登喜枝さんの望みは
一つになった

何があっても博之さんを
次の家元にする

そのためには すべてを飲み込んで

誰にも明かさず

そんな…

そんな人生って

本当に それでよかったんですか?

あなたには
お分かりにならないでしょうねえ

私達の覚悟が

おばあ様

奈緒さん
どうしたの?

登喜枝さんの姿が
見えないんだけど

お父さんから電話があって

登喜枝さんにも
襲名披露 見に来てほしいって

まさか…

浅見さん

登喜枝さんは

今日の この日のために

すべてを覚悟して生きてきたの

今日は晴れの日よ

博之さんにとっても

登喜枝さんにとっても

博之

おめでとう

わあ…

すてき…
すばらしいです

(博之)浅見さん

母のことでは

色々とご迷惑をおかけして

申し訳ありません

いえ…

それに 奈緒が本当に
お世話になりました

とんでもありません

家元に一つ

お聞きしたかったことがあります

何でしょう?

本当はお気づきに
なっていたんじゃないですか?

お母様の 覚悟を

いいえ まったく

守っていかれるんですね

丹正流と 丹野家を

家元 お願いします

浅見さん

では 失礼します

一子さんには
ホントにお世話になりました

いいえ 私は何も

こっちのほうが
お世話になったぐらいで

いえ…
お兄ちゃん

今度は一緒に
シャボン玉 飛ばそうよ

そうだね 大きくて
なかなか壊れないやつをね

うん!

浅見さん
はい

世の中には 秘めておくべきことと

はっきりさせなきゃいけないこと

両方あるんじゃないかな

そうかもしれませんね

僕が未熟だったんです

何言ってんのよ

浅見さんは すてきな人ですよ

はあ…

あっ 奈緒さん

あー 私があと10歳
若かったらな~

えっ?

冗談に決まってるでしょ

私はね どうしようもない
ダメ男が好きなの

奈緒さん

僕にも少しだけ
分かったような気がします

私だって

丹野家や丹正流を
守っていくことが どんなことか

ホントは
よく分かってなかったのかも

奈緒さん…

でも今は

少し分かる気がする

おばあ様や

父や母や

登喜枝さんの思いが

奈緒さん

これから どうするんです?

私は

父のようにはなれない

でも

これだけは言える

これからも

私は花と生きたい

奈緒さん

浅見さん ありがとう

今よりもっと

いい風が吹いてればいいですね

お久しぶりね

はい

牧原さん
はい

これからも奈緒のこと

今までどおり
よろしくお願いしますね

はい 今までどおり

またご迷惑をかけてしまって
すみませんでした

いちいち謝るな

おまえは 覚悟を持って

自分の信念を持って
行動したんだろ?

はい

だったら それでいいじゃないか
光彦

えっ?
おまえは 俺とは違うんだ

兄さん…

ホントね 全然違うわね

まるで兄弟とは思えないくらい

お母さん…

(須美子)坊ちゃま

坊ちゃま またお荷物届いてますよ

(和子)はい
(須美子)はい どうぞ

奈緒さん

丹正流のお嬢様!

振られたのに また復活ですか?

そんなんじゃないって

案外
頼りにされてたんじゃないのか?

ええっ そうなの?

それは…

秘密にしておきます

何だよ それは

秘め事は 秘めたままだから
美しいんです

もうっ 光彦ったら

ねえ これ何かしら?

何ですかね

(須美子)わあー! 鎌倉野菜!

うまそうだなあ!

でも こんなにたくさん
どうやって食べるんです?

いいじゃない
鎌倉野菜づくしってことで

いいですねえ
よーし いっぱい作るか!

さあ須美ちゃーん 作るよー
はーい

何作りましょう
何する?

田楽焼きは?
いいですねえ

(陽一郎)揚げなす
天ぷらもいいじゃないですか