ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

昭和元禄落語心中 第9話 竜星涼、成海璃子、岡田将生、山崎育三郎… ドラマの原作・キャストなど…

『ドラマ10 昭和元禄落語心中(9)「秘密」』のテキストマイニング結果(キーワード出現数BEST10&ワードクラウド

  1. 落語
  2. 師匠
  3. 若旦那
  4. 出囃子
  5. 小夏
  6. 三味線
  7. アネ
  8. 寄席
  9. 拍手
  10. 与太

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『ドラマ10 昭和元禄落語心中(9)「秘密」』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)&EPG情報(出典)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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ドラマ10 昭和元禄落語心中(9)「秘密」[解][字]

与太郎と小夏が結婚してから歳月が流れた。与太郎は堂々たる真打、一方で八雲は70代に入り、至高の芸は健在ながら、人知れずある悩みを抱えることになっていた。

詳細情報
番組内容
有楽亭与太郎竜星涼)と小夏(成海璃子)が結婚してから歳月が流れた。与太郎助六の名を襲名して、堂々たる真打。一方で有楽亭八雲(岡田将生)は70代に入り、至高の芸は健在ながら、人知れずある悩みを抱えることになっていた。そして一方で、小夏はある疑惑を抱き始める。「父・有楽亭助六(山崎育三郎)と、母・みよ吉(大政絢)の事故死には、なにかまだ、八雲が隠している秘密があるのでは…」。
出演者
【出演】岡田将生,山崎育三郎,竜星涼成海璃子大政絢
原作・脚本
【原作】雲田はるこ,【脚本】羽原大介
監督・演出
【落語監修】柳家喬太郎
音楽
【音楽】村松崇継

 


(セミの鳴き声)

[ 回想 ] (七代目)もうダメだ。

お前には分からねえだろうが

俺ぁよ… 毎回 高座に上がる前に

こうやって 震える手を握ってんだ。

肝心なところで 噺が飛んじまったら…

思い出せなかったら… 怖ぇ。

怖さとの戦いだ。

毎回 毎回… もう疲れちまったよ。

こうなったら もう
お前さんに 八雲 譲って

さっさと引退したいって思うことも…。

(菊比古)師匠 噺家
年を取ってからが花だって…。

そんな恐れに負けないで下さいよ。

まだまだ 落語を
枯れるまで やっていくのが

今 居る者 生きてる者の
つとめってやつじゃねえんですか?

♬~

お前なんかには分かるめえ。

落語ってのはよ…
こんなに気持ちよくて

こんなに残酷な芸はねえ。

♬~

師匠… あん時のアタシの言葉が

今のアタシに突き刺さりますよ。

(信之助)じいじ まだ?

もう帰ろうよ~!

分かった 分かった。

♬~

(与太郎)ずいぶん長ぇお祈りだったな。

(小夏)当たり前だろ。
とうとう下座の初日。

あ~ 緊張する。

大丈夫だって。 もう2年も
修業に修業を重ねてきたじゃねえか。

修業と本番は違うだろ。
腹くくんなよ。

いつも落語のそばにいたい もっともっと
落語と共に暮らしたいって

決心して 修業 始めて
その夢が やっと かなう。

あっ そうだ あとで信之助も見に来るぜ。

なんで? えっ?
相変わらず デリカシーがないね!

え~?

(イネ)寄席の音楽は 全部 生演奏です。

(アキコ)三味線は 下座さんが弾くんです。
げざ?

下に座ると書いて 下座。

(客)てっきり 録音してる音を
流してるのかと思ったよ。

落ち着いてやれば 大丈夫だよ。

はい…。

小夏ちゃん 期待してますよ。

(イネ)下座も厳しい世界なんですよ。

ちなみに 今日は 新しい下座さんの
デビューの日なんですよ。

(萬月)小夏ちゃん! いよいよだね。

話しかけないでっ!
すいません。

(お栄)さあ お母さんの三味線が
聞こえてくるよ。

お母さん 頑張れ~!

(前座)では お願いします。

♬~(出囃子)

なかなか いい音じゃねえか。

「あっしも これからは
料簡を入れ替えまして

一生懸命 悪事に励みますから」。

「やい 八公!
なんで そんな嘘をついた」。

「え~ 大家さん
これも出来心でございます」。

(拍手)

♬~

ダメだぁ。 テレビの仕事
続けてた方がよかった。

10年サボったツケは 大きい…。

いいねぇ その落ち込みっぷり!
噺家ってなぁ そうじゃねえとな。

「忘れちゃやだよ 死ぬんだよ」。

「うん さあ 殺せ」。

「何が さあ 殺せだよ…」。

≪「そうだ 金さん 海に飛び込もう」。

「だめなんだ 俺 今 風邪ひいてんだ」。

(笑い声)
≪さあ お染の方は 一生懸命

雨戸を外すと…。

≪雨戸を外すと…。

さあ お染の方は 一生懸命
雨戸を外すと…。

♬~

松田さん そろそろ行こうかぇ。

(松田)あっ はい。

♬~

(席亭)はい どうぞ。

(信之助)これ 父ちゃんのワリから
引いといて!

はいよ。
また そんなに甘やかして。

なんだろうね 不思議と華のある子で
大人は みんな参っちまう。

♬~(出囃子)
さあ おとっつぁんの出番だぞ。

本日も満員 与太ちゃんさまさまだ!

さまさまだぁ~!

♬~(出囃子)

♬~(出囃子)
(拍手)

待ってました 助六ちゃん!

与太! しくじるなよっ!

(拍手)
しっかりやれぇっ!

分かった 分かった! もういいよ!

今日こそは 絶対 かまねえ!

今日やったらねぇ 舌かみ切って
明日から 化けて 高座 上がってやらぁ!

え~ 男の道楽は三道楽

飲む 打つ 買う
なんてぇことを言いましてねぇ。

昔から 愛きょうだけはあるやつだったが
ある時 ガラッと変わったんだよ。

(アキコ)今じゃ テレビで見ない日が
ないくらいの 売れっ子だもんねぇ。

(席亭)それでも寄席に出てくれる。

こういうやつが出てくるから
寄席は おもしれえんだよ。

「え~ でも 一番ボォーっとしてたわよぉ
ボォーっと」。

「身分の高い方ってぇのはねぇ
ご苦労がないから

どうしても
ボォーっとしちまうんですよ」。

はい。

なんでぇ 与太さん
真打が 茶いれてくれんのかい。

ヘヘ 人手がねえってんで。
ありがとう。

小夏ちゃんは ありがてえなぁ。

ああいう若ぇ人が
寄席で働いてくれるのは 頼もしいよ。

しかし 八雲師が よく許しましたね。
う~ん。

好きにしろって。 ほんとは アネさん
落語をやった方がいいと思うんですが

それだけは
なぜだか嫌だって言うんでねぇ。

パーイポ パイポパイポの…。

こら! 楽屋に来ちゃダメって言ったろ!

まあ まあ この子は特別。
この寄席み~んなの子供だよ。

僕 じゅげむ できるんだ!
おっ やってみな。

うん!

寿限無 寿限無 五劫の擦り切れ

海砂利水魚の水行末 雲来末 風来末」。

おぉ~!
いつの間に覚えたの?

アネさん やべえっ! うちの子 天才だ!

女子供の声が
こんなに響く楽屋がありますか。

小夏さん こういうことを持ち込むんなら
この仕事は およしなさい。

ここは アタクシどもの
大事な場所なんです。

すいません…。

じいじ お母さん悪くない。
僕が勝手に入ってきちゃったんだ。

ごめんなさい…。

こうやって 礼儀を覚えていきなさい。

うん。

♬~(出囃子)

お先 ありがとうございました。

♬~(出囃子)

[ 回想 ] (七代目)肝心なところで
噺が飛んじまったら… 怖ぇ。

♬~(出囃子)

♬~(出囃子)
(拍手)

(拍手)

品川の新宿に
白木屋という女郎屋がございまして

ここの板頭を務めておりました
お染さん

まあ 昔は 大変 売れたんですが

だんだんトシをとってきて
シワが目立つようになった。

そうなると お客は正直ですから…。

これぞ まさに 名人芸。

師匠は ほんとに年を取っても
ちっとも衰えねえ。

「くやしいっ
もう こんな みっともないこと

移り替えが
出来ないくらいなら 死んじゃう。

何言ってんだよ
じゃあ どうすんのよ。

そうだ 金さん 海に飛び込もう」。

「だめなんだ 俺 今 風邪ひいてんだよ」。

(客の笑い)

さあ お染の方は一生懸命。

雨戸を外すと 柵矢来になっている。

真ん中に木戸がございまして
表へ出るってぇと…。

じいじ!

師匠! すみません お栄さんが
信ちゃんを乗せてってくれって。

こらぁ どうも。
それと この度 思うところありまして

生き恥をさらして また
落語に戻って参りました。

協会から聞いてますよ。 好きにするさね。

もう一つ… 実は 昭和の落語を
記録に残していく仕事もやってまして。

落語の記録?
戦前 戦中 戦後のこと

先代の七代目八雲師のこと
知りたいことが 山ほどあります。

そうかぇ…。

(萬月)ちなみに 師匠は 四国の亀屋旅館で
落語をやられたことがありますか?

どうしてだい?
それが ちょっと よく分からない話で

一度 会ってみなきゃって
思ってるんですが。

みよ吉って芸者さんのことも
ご存じでしょうか?

なぜ その名を?

(与太郎 信之助)いただきま~す!
はい 召し上がれ~。

うん! 松田さん 米 うめえ!
これも おいしい!

よかった~。
口にモノ入れて しゃべんなさんな。

すんません!

坊ちゃんと与太さんの食いっぷり見てたら
こっちまで 腹いっぱいになっちまう。

あっ いけない
与太さんじゃなくて 助六師匠!

襲名して何年たっても
やっぱり与太郎が似合うんだね。

ちがいねえや。
よたろう!

アネさんが落語家になって
助六 継げばいいのにさ。

うるさいね!
誰が落語家になりたいって言った?

顔に書いてあるぜ。

唐変木! 私なりに
腹ぁくくって 下座やってんだい。

アンタにだきゃ
四の五の言われたかないね。

なんでぇ 強情もん!
よたろうと ごうじょうも~ん。

信之助!
強情も~ん。

どうしたい 松田さん。
あっ いや…。

なんだか もう うれしくってね…。

お嬢さんが こうやって
こんなに落語が好きで

みんなで この家で
にぎやかに暮らせて…。

ほんとに よかったなって…。

まあ あの…
いろいろと ありましたけどねぇ。

お代わり!
お代わり!

お~ はい はい はい。

うん! うめえ!

松田さん スイカ切るから…。
あ~ はい。

何してるの? あ いや あの… こないだ
萬月さんに頼まれて。

昔の落語界の写真やなんかあったら
見たいって おっしゃって。

あっ ねえ お嬢さん ここにあった写真
ご存じありませんかね?

待ってて。

♬「ゴンとなりゃさ」

♬「上げ潮 南さあ カラス」

[ 回想 ] (助六)♬「鐘がゴンとなりゃさ」

♬「上げ潮 南さあ」

♬「カラスぱっと出て こらさのさあ」

じいじ!

うん?

これでしょ?

あっ これ… お嬢さんが?

むしゃくしゃしてね…。

昔の話だよ。

切ったのに… 捨てなかったんですね。

養子とはいえ 親子です。

生みの親より 育ての親…。

本当に嫌いになれるわけがありませんよ。

好きとか嫌いとか
もう そういうのは置いてきたの。

ただ…。

ねえ 松田さんも
あの夜 あの場所にいたよね?

はい…。

私 なんでだか あの夜のことが
ずっと思い出せなかった。

それが 最近
寄席で三味線を弾くようになって

時々 ふわっと思い出すことがあるんだよ。

思い出すって 何を?

どうも あの人から聞いた話とは
違うような…。

大昔の話です。

今 皆さん 幸せに暮らしてるんですから
もう いいじゃありませんか。

やっぱり 何か知ってるね?

知ってるんでしょ?

いやぁ… 私は 何も。

今日は これで。

お休みなさい。

♬~

次は どれにしよっかなぁ?

♬「鐘がゴンとなりゃさ 上げ潮 南さあ」

ざらしも できるのかい?

ここしか知らない。
じいじは? やったことある?

お前の おじい様と
二人で やったこともあったねぇ。

けど もう 二度とやらない。

もうひとり じいじが いるの?

♬~

このレコード…。

♬~

お母さんの 本当のお父さん…。

この人は 野ざらしが うまかったよ。

会いたい!

もういねえんだ。 死んじゃって。

♬~

師匠 しばらく 独演会やってませんね。

体調でも悪いんですか?

そんなこたぁない。 面倒なだけだよ。

席亭から聞いたんですけど 今度 余一会で
独演会を ぜひって話があるんでしょ?

できることなら 死ぬ時ぁ
落語をしながら コロッと逝きたい。

寄席で死ねたら
こんな本望はないんだけどねぇ。

不吉なこと言わないで下さい。

師匠には ずっと元気で
落語をやってもらわないと。

じいじの落語 も~っと聞きたい!

聞きたいかぇ。
聞きたい 聞きたい!

子供ってぇのは
とんでもねえ生き物だねぇ。

この子が生まれて
うちん中 まるっきり変わっちまった。

よいしょ! なあ 坊!
(信之助)なあ よたろう!

分かったよ。
じゃあ 与太と二人で 親子会にしよう。

本当ですかい?
本当ですかい?

ああ。
(2人)やった~!

やった! やった やった!
イカ切ったよ。

楽しそうだねぇ なんの話?

ないしょ!
ないしょ!

え~? なんで? 教えておくれよ。

(2人)やだ~!
(小夏)いじわる~!

や~だ! や~だ! や~だ!

はい 撮るよ~。

おう!
(カメラのシャッター音)

もう1枚いくからね。

いまさら 入学式の写真 撮りたいって
言うから つきあってやったのに

なんで紋付?
私だけスーツじゃ おかしいだろ。

だってよぉ スーツ着ると ドサ回りの
歌手みたいに なっちまうんだもん。

アネさんこそ
着物 着てくりゃよかったのに。

着物 貸衣装でよかったら あるよ。

さあ どうぞ。

あ~ おぉ~。

うわ~ 白むくまで!

オイラらも せめて 結婚の記念写真くらい
撮っときゃよかった。

アネさんの白むく 見てみたかった~。

着てあげよっか。

えっ… いいのぉ!?

(席亭)20年前に 今の場所に移転して

この建物も なんとか リフォームして

また 寄席やりたかったんだけどねぇ。

関西で大きな地震もあって

耐震基準ってのが
どうにもならねえんでしょ?

金もねえし しかたねえ。 もう限界だ。

いつ取り壊すんです?
来月。

なくなっちまうんですね…。

目を閉じりゃ そこらから

七代目やら 助六やらが
出てきそうな気がしないかい?

どんどん忘れ去られて

そうやって
前に進んでいくんだろうなぁ。

人も落語も 幸せなら
それで いいんだけど。

 

(席亭)もしもし?

もしもし? まったく
この携帯電話ってやつは…。

♬~

落語を 聞きに来たのかい?

それとも やりに来たのかい?

♬~

さあ できた! 与太ちゃん呼んでくるね。

♬~

♬「鐘がゴンとなりゃさ 上げ潮」

また出たね。

いつまで出たら気が済むの?

どうしたいの? 何がしたいの?

母親らしいことなんか
何一つ してくれなかったくせに

私のことなんか
どうでもいいと思ってたくせに

いつまで 私を縛りつけるの?

黙ってないで なんか言ってよ!

≪アネさ~ん!

アネさん!

うっひょ~!

きれいだ~。

早く撮ろう。 信坊が待ってるぜ。

泣いてたのか? なんで?

泣いてなんかいないよ。

分かった! 白むく着れて
うれしかったんだね!

はいはい そうだよ。
あ~ うれしかったんだぁ。

撮りますよ~。

(カメラのシャッター音)
ああ… 与太ちゃん 泣いちゃダメ。

もう1枚。

はい!
(カメラのシャッター音)

♬~(三味線)

よござんしょ。 今日は ここまで。

肩の力 なるたけ抜いてね。

どうしたぃ?

聞いたんだろ 萬月さんに。

四国の旅館に
父ちゃんと母さんが死んだ日の

記録が残ってたって。

なんだか言ってたねぇ。

時々 思い出すんだ。

何を?

三味線を弾くたびに

思い出すじゃなくて
思い出しそうになるっていうか…。

あの子を生む前から
ずっと気になってた。

私は 母さんに嫌われてた。

だから 私も 母さんが嫌いだった。
憎んでた。

そんな私が 母親になれんのかなって。

あの夜 本当は何があったの?

もう話したじゃないか。

あの話には うそがある。
何が どう うそかは 分かんない。

だけど うそがあることだけは分かる。

(みよ吉)一緒に… 死んじゃおっか。

すまん 坊… 頼んだよ。

ちょっと…。

いつか話してやるよ。

ただね これだけは言っといてやる。

お前さんの思い込みは間違ってる。

どういうこと?

ねえ!

「若旦那 おかえんなさい」。
定吉 ちょっと こっちおいで」。

あの子が あんなふうに
長い間 苦しんできたなんて

知らなかったよ。

ダメだね 噺家なんてぇなあ。

てめえのことばっかりでさ…。

♬~

どうしたい なんか言っておくれよ。

お前さんが羨ましいよ。

いつまでも若々しくってさぁ。

♬~

[ 回想 ] お前さんの思い込みは
間違ってる。

(小夏)<間違ってるって どういう意味?>

アネさん ちょっと。

8ミリフィルム

四国でやった 菊比古 助六の 落語会が
フィルムで残ってるそうなんだ。

それを 見られるってこと?

ああ。
アネさん…。

見たい。 絶対 見たい!

分かった。 じゃあ 早速 手配してみるよ。

お願いします。

多分…

オッサンは 私に うそをついてる。
うそ?

あの日に何があったのか
どうしても知りたい。

どうも… ヘヘッ
おなじみ 与太郎こと助六でございます。

待ってたよ!

今日は 師匠との親子会
光栄の極みってやつでして。

(アマケン)最近じゃ 江戸前の落語が
失われつつあります。

八雲師匠一人によって ギリギリ
その精神が保たれていると言っても

過言ではありません。

弟子の助六は 勢いはいいが まだまだ…。

久しぶりに じっくり 師匠の落語を
聞かせて頂けるということで

このアマケン… 感謝感激!

まあ まあ まあ そのくらいで。
師匠は集中してらっしゃるんですから。

楽しみにしております!
さっ こちらへ… こちらへ どうぞ。

楽しみにしております!
ああ… はい こちらへ。

ありがとうございます。

「若旦那 おかえんなさい」。
「あ 定吉 ちょっと こっちおいで」。

「へへ それが駄目なんですよ」。
「なんで」。

「若旦那のそば行っちゃいけないって」。

「いいかげんにしろ! こんちくしょう!」。

「えっ なんだい え~
床下から 変な野郎が出てきやがった。

なんだ お前は。 あ! 泥棒だな」。

「あっ いけねえ…。

長い事 失業致しておりまして。
七十を頭に 四人の子供がございます。

八つになるお袋が長の患いで」。

そんなに肩肘張って どうすんだい。

余計に しくじっちまう。

まず 大きく息をする。

それから 客に アンタの三味線の音を

聞かせてやるくらいの料簡で
おやんなさい。

昔 お前さんの おっかさんから

そう教わったんだよ…。

♬~(出囃子)

♬~(出囃子)
(拍手)

(拍手)

「あ 若旦那! おかえんなさい!」。

「あ 定吉 ちょっと こっちおいで」。

「へへ それが駄目なんですよ」。

「なんで」。

「番頭さんが 若旦那のそば
行っちゃいけないって」。

「なんで そんなこと言ってんの」。

「あの 若旦那が そうやって外で遊んで
お帰りになって

番頭さんが 小言
言おうかなぁと思うと お前から…」。

さすが八代目だね。
そうですね。

「そのかわり お前には
お小遣いやるからって」。

「あ そのお小遣い いくら?」。

(小夏)<たちきり。 今は 東京じゃ
八代目八雲しかやらない

やれないという大ネタ。

芸者小糸と恋仲になった若旦那が
親に反対されて

蔵に閉じ込められる。

会えないうちに 小糸は
恋い焦がれて死んでしまう。

それを知った若旦那…>

「知らなかった… 知りませんでした…。

もし そうと分かっていたら

あたしぁ 蔵の戸なんぞ
蹴破ってでも出てきたんだ」。

「一杯 飲んでってください」。

(小夏)<終盤 小糸の幽霊が弾くのか
三味線が聞こえてくる。

そのタイミング きっかけは
てめえで感じるしかない…>

「さあ 若旦那…」。

(せきこみ)

♬~(三味線)

「母さん… 三味線が…」。

♬~

「あの子が 若旦那のお好きな
黒髪 弾いてますね…」。

♬~(三味線)

「小糸… 自分の命を詰めてまで

あたしを想ってくれて ありがとう…。

あたしぁ 生涯
妻と名のつく者は持たないから

それで許しておくれよ…」。

「小糸 今の若旦那のお言葉 聞こえた?」。

♬~(三味線)

「綺麗なところに お参りしてね…」。

「小糸? あたしが聴いてるんだ…」。

(小夏)<母さん?
あの人にも見えてんの?>

「その先も聴かせておくれよ!」。

「若旦那 もう駄目」。

「えっ?」。

うっ…。

♬~

「ごらんなさい。

仏壇のお線香が 今

たちきりました…」。

♬~

♬~ (拍手)

師匠!
八代目!

オッサン!
とりあえず 楽屋へ!

しっかりしろ!
大丈夫ですか?

早く!

オイラ 残る…。
えっ?

落語やんなきゃ。 お客が待ってる。

そうだね…。

♬~

終わったら すぐ行く。 師匠のこと頼む。

アネさんしかいねえ。
分かった。

ここで落語できるのも
アンタしかいないよ。

おう…。
頼んだよ。

♬~(出囃子)

えっ? なに?

♬~(出囃子)

救急車は?
すぐ来ると思うんだけど。

う… う…。
おい しっかりしろ!

(みよ吉)菊さん…。 菊さん。

こっちへ来なよ 兄弟!

アタシを一人にしない
約束したじゃないか。

(みよ吉)やっと来てくれたのね。
ずいぶん遅いから待ちくたびれちゃった。

また 夢になるといけねえ。

おめえの代わりに 俺が ついてってやる。

コイツ一人 地獄にゃ落とせねえ!

なら アタシも連れてけ!
ダメだ!

いつか アンタを殺してやるから。

父ちゃんは… 有楽亭助六

お前が殺したんだ!

(松田)このまま ずっと 本当のことを
ふせたままで いいんでしょうか。

今度 会う時は… 地獄ね。

(小夏)おい! 起きやがれ!

寝てる場合かい!

♬~

よかった…。

小夏さん…。

なに?

なんにも言わずに
死んじまったら

怒るかい?

あの夜の… 本当のことを。

そんなこと
どうでもいい。

生きて!
死ぬんじゃないよ!

♬~

未練だねぇ…。

まだ生きてらぁ…。