ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

昭和元禄落語心中 第8話 成海璃子、かたく、竜星涼、中原丈雄、岡田将生… ドラマの原作・キャストなど…

『ドラマ10 昭和元禄落語心中(8)「誕生」』のテキストマイニング結果(キーワード出現数BEST10&ワードクラウド

  1. オイラ
  2. 小夏
  3. アネ
  4. 落語
  5. 師匠
  6. 与太
  7. 親分
  8. 与太郎
  9. アンタ
  10. ハンカチ

f:id:dramalog:20181130224607p:plain

『ドラマ10 昭和元禄落語心中(8)「誕生」』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)&EPG情報(出典)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

☆無料で民放各局の動画視聴ができるTVerティーバー)!まずはココから!
民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」

※その他、無料お試し期間のあるVODサービス各社との比較について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

dramalog.hatenablog.com 

 

 

ドラマ10 昭和元禄落語心中(8)「誕生」[解][字]

妊娠した小夏は、父親が誰なのか、頑(かたく)なに秘密を貫く。与太郎は、かつて自分が所属したヤクザの組長が父親であるらしいことを突き止め、対決することに。

詳細情報
番組内容
妊娠した小夏(成海璃子)は、お腹の子の父親が誰なのか、頑(かたく)なに秘密を貫く。有楽亭与太郎竜星涼)は、かつて自分が所属したヤクザの組長(中原丈雄)が父親であるらしいことを突き止め、組長と直接、対決することに。ずっと事態を静観していた八代目有楽亭八雲(岡田将生)は、小夏との関係に悩む与太郎に、ある落語を教える。その一席の落語がやがて、与太郎と小夏の運命を大きく動かしていくことになる。
出演者
【出演】岡田将生,山崎育三郎,竜星涼成海璃子大政絢中原丈雄
原作・脚本
【原作】雲田はるこ,【脚本】羽原大介
監督・演出
【落語監修】柳家喬太郎
音楽
【音楽】村松崇継

 


(前座)お客さん 来られますかね…。

(与太郎)まだ 半分も
埋まってねえなんて…。

オイラのせいだ…。

アネさん
オイラ その子の父親になれねえか?

助六の名を 継がせて下さい。

(八雲)名前なんかより 芸だよ。

お前さん そろそろ
手前の落語ってのを見つけねえと。

週刊誌?

(アキコ)与太郎さん
どうなっちゃうんでしょう…。

(萬月)分かったよ
小夏ちゃんの子供の父親。

オイラが昔いた組の… 組長?

(松田)いやぁ… ハハハッ
あっ おはようございます。

おはようございます。
松田さん。

今日は 師匠の
大事なお座敷なんじゃないですか?

それが 昨日から 立て続けに
キャンセルになってしまって。

もう 気にするの やめましょうよ。

もし 人が集まらなくても
それは この雨のせいですよ。

♬~(出囃子)

<余計なことは考えるな。 集中しろ…。

オイラの落語… オイラの落語…>

よっ!

(まばらな拍手)

(拍手)

本日は お足元の悪い中
誠に ありがとうございます。

え~ こんな日は アタシも
家で道楽をしていたいもんですが…。

ハハハハッ…。

え~ 男の道楽は三道楽

飲む 打つ 買う
なんてぇことを言いましてね。

「錦の褌? いいねぇ そらぁ。 えっ!

あんなもん 褌に締めてごらんよ
またぐらぁ 陽気でいいやねぇ」。

さあ 宵のうちは 芸者
太鼓持ちを上げて どんちゃん騒ぎ。

(小夏)与太郎が気になって。 どう?

まるでダメです…。
やっぱり…。

「かっぽれでも踊ろうじゃねえか!」。

<落ち着け
自分の落語をやりゃいいんだ…。

オイラの落語… オイラの落語…>

「あっ ねえさんがた!
三味線でも頼むぜ!」。

さあってえますと
連中が 裸になりやして~!

よ~! おいとな~ よいよい!

♬~(与太郎の歌声)

なんてことを…。

あのバカ…。

♬~

すいませんでした!

なんでぇ このバカは 来て いきなり。

師匠のお座敷のキャンセル
オイラのせいです。

落ち込んで 刺青が消えるわけでもなし
何を気にしてんだか。

背中の彫り物 見せてみな。

いや… みっともねえ古傷で…。

芸人なんて 見られてナンボだろ。
何を隠すことがあるんだい。

筋彫りだけど 見事な鯉金じゃねえか。

お前さんは

過去と しっかり向き合わねえとならねえ。

決別じゃなくて 抱えて生きろ。

罪を忘れるな。

それが 人間の業ってもんさ。

♬~

ありがとうございます…!

さあ 一杯 飲みましょうか。

いえ すいませんけど
失礼させて頂きます。 えっ?

飲むより 稽古がしたいんで!

サイナラ!

♬~

(戸の開閉音)

♬~

≪(与太郎が稽古をする声)
元気になったみたいだね。

かわいそうなぐらい落ち込んでたけど
よかった よかった。

「すこ~しばかり違うんでぇ」。

「何を 黙って聞いてりゃ
増長して ごたくが過ぎらぁ!

こちとら でけえ声ってのは
地声なもんで まだまだ せり上がらぁ。

蛸の頭 あんにゃもんにゃ」。
いよっ 大棟りょう!

兄さん! 「大工調べ」?
はい!

よいしょ!
あ~ スッキリした!

相変わらずの声のでかさだね。

なんだって そんな大声で
お稽古すんだい?

師匠に教わったんす! はじめは
とにかく 腹の底から声を出せって。

そうすりゃ 客席に
聞こえねえってこともなくなるし

驚いて 顔を覚えて下さる。

声の大小 落語の よしあしは
やってりゃ そのうち分かるってさ。

でも そんなの 前座のするこったろ。
いや はじめに教わったんで

うれしくって なかなか抜けねぇんで。

それが あの 今の落語の啖呵ってのかい?

どんな意味なんだい?
さあ?

知らないで やってんのかい?
教わったのを しゃべってるだけでぇ。

ハハッ あきれたねぇ。

あっ そういえば 調べてきたよ。
うん? 小夏ちゃんの子供の父親。

おぉ~!

小夏ちゃん
高校時代は不良でならしてて

一度 やっかいな もめ事が起きた時に

八雲師匠が乗り出していって
おさめたことがある。

その時に挨拶をした相手が その人さ。

親分ですか…?

オッサンは?
ああ… お出かけになりました。

晩ごはん いらないって。

もうすぐ出来ますからね。

☎(呼び出し音)

あっ 女将さん? 私。

やっぱり あの人には
ちゃんと話しておきたい。

(萬月)…で どうやら 親分さんが
よそと もめ事になりそうになった時に

八雲師匠が お座敷に出て 相手方が
大いに喜んでくれて 事なきを得た。

それ以来 八雲師匠のことも
小夏ちゃんのことも

親分さんは
ずいぶん気に入ったようなんだ。

それで いろいろ調べると ちょうど
小夏ちゃんが妊娠したはずの時期に

親分さんは箱根へ行ってて 小夏ちゃんも
その宿に顔を出している。

店の仲間もいたそうだが

小夏ちゃんと親分が できてるって
信じてるやつまでいる。

分かった。

お前! あの親分さんが どういう人か…。

兄さんは テレビに出る人間だ。
関わっちゃいけねえ。

あとは オイラの問題だ。
そもそも お前

どうして ヤクザやめて 噺家になった?
あの親分さんと 昔 何があったんだ?

昔話なんて こりごりなんだい。

おい… 待て!

表現者たるもの
隠し事なんかするんじゃない!

隠し事のねえ人間なんて 色気がねえ。

≪(小夏)失礼します。

(組長)久しぶりだな 小夏。

お客さん?

まあ 構うな。 今日は どうしたい?

お願いがあって来ました。
まあ 座れ。

♬~

≪(小夏)私のおなかの 子供のことです。

♬~

女将!

(お栄)なんだい?
聞きたいことがある。

親分とアネさんのことだ。
今はダメだよ。

来てんのかい?

ちょいと お待ちよ! 小夏も来てる…。

(兄貴)おう。
兄貴…。 久しぶりだな。

テレビじゃ ちょいちょい見てたけど
見ねえうちに なんだ この頭。

奥に いるんだね?

小夏ちゃんか?

ずいぶん見知った仲なんだな? えっ?

お前 何しに来た?
ちょいと挨拶さしてもらいてえな。

オイラ 大昔に 一回きりしか
会ったことねえんだ。

やめろ…!
与太ちゃん!

おめえみたいな下っ端が
会って話せるような人じゃねえぞ こら!

下っ端じゃねえ! じき 真打でぇ!

失礼します!

突然の ご無礼 ご容赦下さい。

師匠が いつも お世話になっております。
不肖 私も 少なからず

昔に お世話になりまして
多少のご縁がございますんでぇ。

ぶしつけながら 浴衣風情の
はしたねえ格好のまま

ご挨拶に上がらさせて頂きました。

何しに…。

アネさんこそ どうして
ここに いるんだい?

どうだっていいでしょ…。

泣いてたね?

≪(組長)いい挨拶だ。

会いたかったよ 与太ちゃん。

まあ いいや こっち来いよ。

何回か 落語を
聞きに行ったことあるんだよ。

八雲師匠との親子会だったか。

めちゃくちゃだったけど
古くさくて いい落語だったなぁ。

見て頂いてたなんて
お恥ずかしいかぎりで。

オイラが話をさせて頂くのは
10年以上ぶりです。

顔も知らねえ幹部の代わりに

オツトメ行ってこいって言いつけられた
あの日以来で。

兄貴 勘弁してくれ…!

親分っつうのは 親も同然。
おめえ 親が どうなってもいいのか?

兄貴… 頼むよ!
がたがた言ってんじゃねえ!

いいかげん聞きわけろ!

怖くって ブルブル震えながら
引き受けたんす。

あのころは 今以上にバカでした。

そしたらね 刑務所にいるうちに

たった一人の おやじが
病気で死んじまったんです。

ガキのころに捨てられて

親らしいことは 何一つ
してもらっちゃいませんでしたけど。

刑務所に入ろうが入るまいが

どっちにしろ
後悔まみれの人生になりました。

10代のころは 居場所がなくて
誘われるまま チンピラやって

だけど…

背中の彫りもんが

今の人生に
邪魔でしょうがねえっていうのをね

そんなの どうってことねえ

そのまま生きりゃいいじゃねえかって
思わせてくれたのが

落語です。

≪あん時は ボコボコにされて
怖くて ブルブル震えてたのに

今や こうやって
サシで しゃべらしてもらえてる。

生きてりゃあ
こんな変なことも起こります。

どうも おめえに
ケンカ売られてる気がしてならねえ。

オツトメ行ってくれたことにゃ
感謝してる。

八雲師匠にも ずいぶん世話んなってる。

だから 無傷で
足抜けさせてやったんじゃねえか。

それで トントンじゃねえのか?

アネさん!
ちょっと!

こうなったら はっきりさせとこうぜ。

俺たちは 結婚します!

なに言ってんの…!
だから おなかの子のこと

はっきりさせてもらわねえと
どうにも気が済まねえんですよ。

与太 やめな!
い~や 言わせてもらう。

いいから やめて!
嫌だ!

頭 冷やせ クソガキ!
小夏が嫌がってんだろうが!

てめえの正義で突っ走るんじゃねえ!

お願いです 与太を許して…。

ごめんなさい 迷惑かけて…。
私のせいです。

ごめん… ごめんなさい。

小夏…。
(小夏)ごめんなさい。

やい やい やい やい やい!
てめえら 勝手に解決すんな!

オイラが納得いかねえんだよ!

おい! すいません 失礼します。

汚ねえナリで近寄るな。
こんなとこで死にてえか?

死ぬわけにゃいかねえ。
師匠と約束したんだ。

≪(組長)なに ごちゃごちゃ言ってんだ。
(兄貴)すいません。

この際だ なんでも言ってみろ。
どうするかは それから考えてやる。

よし 言ってやらぁ!
てめえなんざ丸太ン棒でぇ!

目も鼻もねえ 血も涙もねえ
義理人情を知らねえ

のっぺらぼうな野郎だから
丸太ン棒ってんでぇっ。

保助藤十郎 ちんけえとう
株っかじり 芋っぽりめ

てめえっちになんか言われてなぁ
頭ぁ下げるような

お兄いさんと お兄いさんの出来が
すこ~しばかり違うんでぇっ。

何を! 黙って聞いてりゃ増長して
ごたくが過ぎらぁ!

こちとら でけえ声ってのは
地声なもんでぇ

まだまだ せり上がらぁ!

この蛸の頭 あんにゃもんにゃあめえ!

誰が なんと言おうと アネさんの
おなかの子は オイラの子でぇ!

正真正銘 天地くるり
入れかわっても 譲らねぇ!

いいか あとから くれっつったって
ぜってぇあげねえど!

な~んも疑うことはねえ。

だから このハナシは 今日かぎり
これっきりで おしめえだ!

…てぇのが
アタクシの言い分でございます。

どうも お粗末さまでございました。

啖呵売りか…。

でけえ声で つるつる出やがるから
全く聞きほれちまった。

商売道具 出されちゃなぁ。

♬~

精進してきたんだな。

いい噺家になった。

♬~

なんてこと してくれたの?
余計な詮索するなって言ったでしょ。

だけど… 黙ってられなかったんだ。

アンタ バカなの!?
親分さんの怖さは知ってるでしょ?

よ~く知ってるよ。 見ツくれよ これ。

♬~

オイラは やっぱり 与太郎だね。

親分さんには また
返しきれない恩義を作っちまいました。

しかし あの与太郎
さすが 師匠の一番弟子だ。

あのバカですか…。

うれしそうだね。

自分の落語ってぇのが
見えてきたのかもしれません。

弟子ってぇのは 勝手に育つもんで…。

♬~

あの人には… 私が
むちゃなお願い しただけなんだから。

アネさんが そうしたくって
してるんだね?

全部 覚悟して やってること。

なら もう話してくれなくていい。

世の中には
言葉にしねえ方がいいこともある。

それが 人の和ってやつさ。

人に なんて言われたって
自分で決めたことだし。

でも… ほんとは怖いの。

オイラといりゃあ 大丈夫!

ありがと。

アンタといたら 不幸だって思ってんのも
バカバカしくなるもんね。

一緒になってくれるね?

よ~し! ハハハハッ アネさん!

やっぱ やめる。
え~っ!

アンタとじゃ
あまりにも不安すぎんのよ。

まだるっこしいな アネさんは!
すぐ悪い方に考える!

オイラに任しときゃ大丈夫だって!

それは アンタの あわれみ。
同情なんて勘弁して。

あわれみなんかじゃねえよぉ。
なんの情だか よく分かんねえけどよ

とにかく アネさんは
オイラにとって大事な人だ。

♬~

元ヤクザのくせに。

よく言うよ 元不良のくせに。

刑務所帰りのくせに。

誰の子か分からねえ子供
生もうとしてるくせに!

あっ イッ…!
バカ!

アンタとなんか 絶対 結婚しない!

あんだよ それっ!
オイラの何がダメなんだよ!

それに アネさん 今 ありがとうって!

言ってないよ!
夢でも見てたんじゃないの?

ゆ… 夢って…。

≪(客の笑い声)

もうちょっとですねぇ。

与太郎って名前とも
もうすぐ お別れして

来週からは 助六ってことで。

どうも 自分でも なじみが ねえんですが
今日 ここにいる皆さんは

来週 オイラの真打披露興行
来てくれないと 化けて出るよっ!

(松田)手ぬぐいの発注は これで。

あっ それから これは
パーティーの段取りです。

見ておいて下さいね。

師匠とアネさんは 元気かい?

ええ もう おなかが こんなに。

そういえば 与太郎さん 最近
あまり来て下さらないんですねぇ…。

披露目の準備で バタバタしちまって。
くれぐれも ご無理ないように。

おう… じゃあ また。

♬~

春の雪だねぇ…。

(ため息)

だらしない… 風邪ひくよ。

四季のあくびというのがありますなぁ。

春のあくびなんてぇのは

これは一人旅でございますな。

田舎道なんか
歩いておりまして…。

[ 回想 ] これは一人旅でございますな。

田舎道かなんか歩いておりまして

麦畑が青々して
菜の花が黄色く咲き乱れている。

山は霞の帯を締め

雲の中では ヒバリが
さえずっていようというような。

陽炎の立ち上る田圃道か何かを
歩いておりますと

自然は 眠気も もよおして。

「あ~あ」。

なに!? お前さんが
はなさねえんだろ。

やだ!

子供の時分は

この噺をしたら
寝入っちまったもんだがねぇ。

なんで 昼から居んのよ。

与太の披露目の段取りで

すっかり くたびれちまってねぇ。

年寄りみたい。

お前さん さんざっぱら いきまいて

ついぞ アタシを殺しちゃくれねえなぁ。

殺したいわよ 今も…。

一生 許さない。

けど アンタを殺したら

この子に アンタの落語を
聞かせられなくなるでしょ。

それは嫌なの。

ずぅ~っと待ってるんだよ。

お前さんが アタシを殺してくれんのを。

お前がいたから 手前じゃできなかった。

今度は その腹のガキのために
死ねねえってぇのかい。

アタシ… 怖い… 生むのが。

もう ずっと 与太が来たら
部屋から出やしないね。

ケンカでも してんのかい。

プロポーズされたの 与太に。

うれしかった。

でも 断った…。

与太を巻き込んで… 私 母さんと
同じになってるんじゃないかって…。

私に流れる血が
そうさせるのかと思うと…。

(みよ吉)一緒に… 死んじゃおっか。

すまん 坊… 頼んだよ。

♬~

なんか言ってよ…。

♬~

与太の真打披露…。

初日は 必ず見に来なさいよ。

♬~

行けるもんかい…。

♬~

(ノック)
はい!

師匠! どうしたんすかぃ!?

ああ… ちょっ…!

あっ 今 お茶を…。

初めて来たけど…

なんだか懐かしいねぇ。

ずっと昔 こんな部屋で アタシは

「死神」を習った…。

アタシが まだ 菊比古ってぇた時分だ。

来週は真打披露。

真打になったら もう お前さんに
稽古なんざ つけないよ。

えっ…?
一つ 教え忘れてた。

最後の稽古だ。

一度っきゃあ やらねえよ。

(ぶつぶつ つぶやく声)

最後って…?
(ぶつぶつ つぶやく声)

師匠…。
今 思い出してんだよ。

東京は芝の浜に
まだ河岸がございました時分のお話で…。

「ちょいと お前さん 起きとくれよ。

お前さん」。

<師匠が 芝浜を…?>

「あいよ。

なんだよ ええ?
まだ夜も明けてねえじゃねえかよ」。

「河岸 行っておくれよ」。

「河岸?」。

「なに言ってんだい
ゆんべ約束したじゃないか。

明日は 必ず商いに出るから…」。

「ずっしりしてらぁ…。
砂でも へえってんのかなぁ…。

汚ねえ財布だなぁ…」。

「おっかぁ 開けろい。
おっかぁ 開けろい。 おっかぁ」。

「お財布かい?」。

「芝の浜で拾ったんだい」。

「あたし 怖くなって
そんなもの懐に入れたら

お前さんとこの亭主は
手 後ろに回っちまうって。

夢になっちまったんだよ…。
堪忍しておくれ…」。

♬~

あとは 助六

アンタの出番だ。

♬~

こちらの方に こんなハンカチ。
赤~いハンカチです。

この赤~いハンカチを
大体 ロープの真ん中へんに

ギューっと しっかりと
結んじゃいましょう。 ギュー!

1枚じゃ なんか寂しいですね。
黄色いハンカチ。

あっ いらっしゃいませ。 ハハッ。

どうぞ ごゆっくりと
お楽しみ頂きたいと思います。

さあ さあ 緑色のハンカチあります。
このハンカチも同じように

ロープの後ろですよ。
ほんとに絡め… ギュー!

ほんとに絡めてます。
これで 3枚のハンカチが…。

あっ でもね ハンカチ3枚
結んだだけじゃ 物足りないって

そういう方 いるんですね。
そういう方のために

ロープも絡めちゃいましょうか。

♬~(出囃子)
(拍手)

(イネ)与太ちゃんがトリで めくりだけで
沸かせる日が来るとはねぇ…。

♬~(出囃子)
(拍手と歓声)

(拍手)

え~ 東京は芝の浜に
まだ河岸がございました時分のお話で…。

芝浜…?

芝浜? 持ちネタだったか?
しかも まくらなし?

「大家さんに そう言われてね

夢なんだって そう言ったら お前さん…

どういう育ちしてんのか
馬鹿に素直で…

夢になっちまったんだよ」。

「堪忍しておくれ…。

よかれと思って 嘘をついたんだよ。

あの五十両

夢じゃなかったんだよ」。
「夢じゃなかったんだよ。

堪忍しておくれって…

すぐに お前さんに言おうと思ったんだよ。
でも怖くて…」。

お父ちゃんの落語が聞こえるよ…。

「もし 五十両 見せたら…。

昼過ぎになって やっと お前さん
起きてきて 湯 行ったんじゃないか」。

「何 言ってやんでぇ。 おらぁ おめえ
浜 行って 五十両 拾って…」。

「夢でも見たんじゃないかい」。

「ま… お手をお上げになって…。

俺が 甲斐性がねえばかりに

おめえに つれえ思いさしたなぁ…」。

「俺が馬鹿だった。

おめえは悪くねえよ。 俺が悪かった」。

「このとおりだ。 勘弁してくれ…」。

♬~

「お久しぶりです…」。

「よそう…」。

「呑まないのかい?」。

「また 夢になるといけねえ」。

(拍手と歓声)

ありがとう~ ございました!
ありがとう~!

よっ 日本一!
助六

♬~

小夏 父ちゃんと母ちゃん
どっちが好き?

えっ?
父ちゃんが好き…!

ちょっと… 母ちゃんが…
あっ! ちょっと!

どっちが好き?
あっ。

父ちゃん。

お嬢さん…?

お お… お嬢さん! あっ…。

救急車を!
はい!

(小夏の うめき声)

(助産師)頑張るのよ~。 もうちょっとよ
もうちょっと もうちょっと。 はい…。

≪(小夏の うめき声)

どうなんだい!

予定より早く… 逆子で

もしかしたら 母体も赤ちゃんも
危ないかもしれないって…。

八雲さんは? 私がいても
しようがないからって…。

(お栄)なんだい そりゃ…。

名前というのは大事なもんで

子供が生まれる。 名前をつける。

どういうふうに
名前をつけようかなんてぇのは

いつの時代になっても
頭を悩ますところでございまして。

「長屋でね お子さんが
お生まれになりました」。

(叫び声)

私はいい! お願い…! この子を…

この子だけは助けてっ…!

(叫び声)

アネさん…!

「うちの 寿限無 寿限無

五劫の擦り切れ 海砂利水魚
水行末 雲来末 風来末…。

パイポ パイポ パイポシューリンガン
グーリンダイ

ポンポコピーポンポコナー
長久命の長助の野郎が

頭をぶって 大きなコブをこしらえた。

おじさんがな 薬つけてやるから

こっちぃ おいで」。

(赤ん坊の泣き声)

おめでとうございま~す。

アネさん…。
与太…。

オイラの子だ…。

♬~

与太。

一緒になろう。

いいのかい…?

私 与太と この子を…

助六の孫を育てたい。

♬~

べらぼうめ… 合点承知だぃ…。

この子の名前。 信じるの 信をつけたい。

父ちゃんの名前から ひと文字もらいたい。

分かった… 分かったよ…。

信じるのが いちばんだって
父ちゃんの親が つけたんだと思う…。

信ちゃん…。

よぉ! 信坊!

オイラが 信坊の… 父ちゃんだぃ!

♬~

泣き虫な父ちゃんだね。

♬~

師匠… オイラ
アネさんと所帯を持ちたいです。

いつの間に…? なんで?

アタシに断ることじゃあないだろ。

あの子が どう生きようと自由。

けどね お前さんのことは

どこに出したって恥ずかしくない弟子に
育て上げた。

…ってぇ自負は ありますよ。

もうひとつ お願いがあります。

また このうちに ごやっかいになっても
よろしいでしょうか。

オイラ 家族になりてぇんだ。

ずっと一人で生きてきた
アネさんと 師匠の。

それにはさ… また
みんなで一緒に暮らさなくっちゃ。

助六を名乗ったからって
代わりになんか なれっこねぇ。

でも いつか 名前が なじみゃ

二人の中の助六を きっと変えられる。

♬~

好きにするさ…。

はい!

ああああ…! ああ…!

♬~

♬~

少しだけ 思い出した…。

25年前
父ちゃんと母ちゃんが死んだ夜のこと。

(松田)師匠。

助六さんと みよ吉さんが
亡くなった あの夜のこと…。

オッサンの話は
うそなんじゃないかって…。

(松田)このまま ずっと

本当のことを伏せたままで

いいんでしょうか…。

♬~

知りたいんだ… 本当のことを。