ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

警部補・碓氷弘一 ~マインド~ ユースケ・サンタマリア、志田未来、小雪、滝藤賢一… ドラマのキャストなど…

『ドラマスペシャル 警部補・碓氷弘一 ~マインド~』のテキストマイニング結果(キーワード出現数BEST10&ワードクラウド

  1. 自殺
  2. クライエント
  3. 碓氷
  4. 津本
  5. 奈緒
  6. 梨田
  7. 高木
  8. 本当
  9. 鈴木
  10. クリニック

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『ドラマスペシャル 警部補・碓氷弘一 ~マインド~』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)&EPG情報(出典)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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dramalog.hatenablog.com 

 

 

ドラマスペシャル 警部補・碓氷弘一 ~マインド~[解][字]

同日同時刻に4人の人間が死んだ。偶然か?それとも…?日本一不運な刑事・碓氷弘一が天才心理捜査官・篠宮梓とタッグを組み、謎の女医・水沢瞳との心理戦に挑む!

詳細情報
◇番組内容
同日の同時刻に二件の自殺と二件の殺人事件が発生。捜査一課長の特命を受けた碓氷らは4人が同時に命を落とした事件の関連性について捜査を開始。さらに同日の同時刻に都内で盗撮・強姦未遂など合わせて三件の事件が発生していたことが判明。碓氷らは科警研からやってきた心理捜査を担当する梓とともに捜査を続け、被疑者が犯行について一切の記憶を失うという奇妙な共通点を見出す。
◇出演者
ユースケ・サンタマリア志田未来小雪滝藤賢一三浦貴大紺野まひる相武紗季佐野史郎
◇スタッフ
【脚本】香坂隆史
【監督】波多野貴文
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.tv-asahi.co.jp/prime-sun/

 


♬~

(衝撃音)

♬~

(泣き声)

♬~

(銃声)

♬~

(リポーター)「昨夜 午後11時頃
こちら 渋谷東署に勤務する

27歳の男性巡査が署内のトイレで
拳銃自殺しているのを

同僚の警察官が発見しました」

「その後
病院に搬送されましたが

まもなく 死亡が確認されました」

「自殺したのは 渋谷東署 地域課の
瀬川一巳巡査」

(碓氷春菜)おはよう。
(碓氷弘一)おはよう!

いたんだ。

「いたんだ」は ないだろう…。
いるよ!

確かに まともに会うの
久しぶりだけどな。

(春菜)ありがとう。
(碓氷喜子)春菜 パン焼く?

いい。 お腹すいてない。
うん。

おい… せっかく作ってるのに
何も食べないのか?

お父さんが
用意したわけじゃないでしょ。

いいのよ…。

ちゃんと栄養とらないと
勉強もピアノも集中できないぞ。

わかった!

じゃあ 今日の晩飯
春菜の大好物

お父さん風オムライス作ってやる。
えっ?

春菜といえば オムライスだろ?

いいよ 作れるんなら。

(春菜)ありがとう。

作れるよ。

(春菜)いってきまーす。
(喜子)いってらっしゃい。

絶対 作るからな。 約束な!

(ドアの閉まる音)

…って事で 俺は
今日 早く帰ってくる。

できもしない約束しないでよ。

できるよ。
帰ろうと思えば 帰れるんだから。

そう。
じゃあ 期待しないで待ってます。

(振動音)
早く帰るって。

(携帯電話の振動音)

はい 碓氷です。

(鈴木 滋)「碓氷ちゃん
今日は 新宿西署に来てくれ」

えっ?

期待してるんで。

…はい。

(梨田洋太郎)おはようございます。
おう。

新宿西署に集合って
なんですかね?

昨夜 新宿区で
殺人がありましたけど

その件ですかね?
捜査本部の増員か?

そんなとこでしょうねえ。

あーあ
また しばらく泊まり込みか…。

あっ 聞きました? 自殺の件。

所轄の巡査だろ?
ニュースで見たよ。

何か問題
抱えていたんですかね。

しかし 署内で
拳銃自殺しなくても…。

上は大騒ぎでしょうね。

おはようございます。
おはようございまーす。

高木さん ここに呼ばれた理由
聞いてます?

(高木隆一)さあな。
ただ 一課長が来てるらしい。

一課長が?
捜査本部にな。

昨夜は 殺しが2件重なってる。

俺たちにも
何か指示があるんだろう。

(嶋田健治)殺人が2件に
警察官まで自殺して

忙しい夜だったんですねえ。

そういえば 他にも もう一件
都内で自殺があったんですよね。

(神尾 誠)ああ らしいな。
もう一件?

偶然でしょうけど

谷東署の巡査と同じような
時間だったみたいです。

(高木)大した事じゃねえよ。

都内だけで
年に2000人以上 自殺してるんだ。

(梨田)って事は
一日平均で えっと…。

5人は死んでる計算だな。

なるほど。
そう考えると 確かに…。

(ノック)
失礼します。

(梨田)ああ すいません。

(女性警察官)失礼しました。
(ドアの閉まる音)

その もう一人の自殺者
っていうのは何者なんだ?

えっ?
えーっと… 中学生でしたね。

場所は どこだっけ?
(神尾)吉祥寺です。

自宅マンションからの
飛び降りだったみたいですよ。

渋谷と吉祥寺じゃ
関連はないんだろうな…。

何か 気になります?

ああ…。

(鈴木)ああ 揃ってるな。
来てくれ。 一課長がお呼びだ。

(梨田)はい~。

(田端守雄)
昨夜 2件の殺人が起きた。

新宿西署管内で殺されたのは

不動産会社の管理職の男で
刃物による刺殺だ。

西麻布署管内では 高校の教員が
金属バットで撲殺された。

あの お話というのは
捜査本部の増員ですか?

いや 殺人の事案自体は それほど
込み入った話ではないんだ。

すでに被疑者も絞られている。

ただ… ちょっと
気になる事があってな。

昨夜 自殺が2件あったのは
知ってるか?

谷東署の巡査と
吉祥寺の中学生ですよね。

2人とも 夜の11時頃に
自殺したと見られている。

実は 2件の殺人も

通報時刻や死亡推定時刻が
やはり 11時過ぎなんだ。

殺人2件 自殺2件
4人が ほぼ同時刻に死んだ。

それが どうも
俺は気になるんだ…。

つまり 4つの事案に

共通点があるかどうかを調べる
って事ですね?

わかりました。 すぐに着手します。

悪いが そうしてくれ。
はい!

各所轄には話を通しておく。

(ドアの開閉音)

何か共通点って…

偶然に
決まってるじゃないですか!

偶然じゃなかったら
なんなんですか?

一課長に そのまま言ってみろよ。

いや…。
(鈴木)フフッ…。

関連がない事を確認する仕事も
あるって事だ。

俺は ここの事件を当たる。
梨田は 西麻布署に行け。

嶋田は渋谷 神尾は吉祥寺だ。
それぞれの詳細を聞いてこい。

(梨田・嶋田・神尾)はい。
碓氷は予備班で待機しててくれ。

どうしたの? 碓氷ちゃん
難しい顔して。

なんか ある?
いえ…。

ただ 2件の自殺の話を
聞いた時から

少し引っかかってるんです。

どうも 「偶然」って言葉が
嫌いでして。

はあ… 好き嫌いの問題かよ。

行くぞ。
はい。

♬~

よし…。

うん?

(高木)被疑者の身柄が
確保されました。

(鈴木)えっ!? 西新宿の被疑者は
絞られてるとは言ってたが

早かったな。
名前は佐原順一 28歳。

現在は無職ですが

かつては 被害者と同じ会社に
勤めていたそうです。

会社を辞めた理由は?

まだ わからん。
これから取り調べだ。

…といっても 捜査本部が聞くのは
殺しに関してだけだけどな。

送検される前に うちも
被疑者に話を聞けませんかね?

他の事案との繋がりを
調べないと。

早めに時間もらおう。

起訴されたら 俺たちは
恐らく 近づけなくなる。

起訴されたら困るって事件も
珍しいっすね…。

なんだ? お前…
また 恵比寿の姉ちゃんか。

お前 いっつも それ言うな。
(高木)フフフッ…。

(梨田)戻りました。

(鈴木)ああ ご苦労さん。
西麻布署のほうは どうだった?

殺されたのは
増本力也さん 38歳。

私立高校の教員です。

凶器の金属バットが遺体と共に
公園で発見されてます。

ホシの目星は?

まだです。

でも 11時半頃に
現場付近の住人が

誰かの泣き叫ぶ声を
聞いたそうです。

殺された被害者の声か?

そうかもしれませんが
まだ わかりません。

(鈴木)11時半ね…。

(春菜)お父さんって いつまで

私がオムライス好きだと
思ってるんだろう?

でも 好きでしょ?

まあね。

(嶋田)渋谷東署の落ち込みは
想像以上でした。

まあ そうだろうな…。

若い警察官の自殺なんて聞くと
やるせなくなるよ。

(嶋田)亡くなったのは
地域課の瀬川一巳巡査 27歳。

死亡推定時刻は
確かに 11時頃です。

ただ 自殺の理由が
はっきりわからないんです。

勤務態度も真面目で
変わった事はなかったらしいので。

遺書は なかったのか?

ええ 見つかっていません。

遅くなって すいません…。
おう ご苦労さん。

吉祥寺の中学生の自殺に関しては
何か わかったのか?

はい。 転落死したのは
原田悟くん 中学3年生です。

自宅マンションの屋上から
飛び降りました。

1階の住人が
転落した時の音を聞いたそうで

外の様子を見に行って
遺体を発見しています。

その住人が119番に電話した時刻が
11時7分です。

やはり 11時だな…。

遺書は?
残されていなかったようです。

(神尾)ただ 屋上に
本人の靴が置いてあり

防犯カメラに不審な人物も
映っていなかった事から

吉祥寺署では
自殺と断定しています。

(刑事)高木さん!
すいません ちょっと…。

(高木)…ああ。

自殺の理由は?

両親と学校に
事情を聞いているところで

まだ判明していません。

遺書が残ってなかったのか…。

ん?

2件の自殺です。
2件とも遺書が残っていません。

自殺する人間が みんな
遺書を残すとは限りませんよ。

でも それも共通点の一つだ。

最近は SNSなどに遺書を
残しておくケースもあるからな。

自殺した2人のパソコンの解析を
頼んでおくか。 なあ。

おい どうした?
佐原が自供でもしたのか?

いえ 家宅捜索の結果を
知らせてきたんです。

被疑者のアパートで 血の付いた
衣類と包丁が見つかりました。

えっ?

じゃあ 自供が取れなくても
起訴に持ち込めそうだな。

それが ちょっと 妙な話でな

凶器の包丁が
台所にあったらしい。

血が付いたまま 水切りラックに。

(鈴木)…って事は
人を刺した包丁を

いつも使ってる場所に戻した
って事か?

本人は なんて言ってるんだ?

曖昧な供述を
繰り返しているそうだ。

係長…。

(ドアの開く音)

佐原順一だな?
(佐原順一)そうです。

平成新宿エステートの
峰村竜彦さんを知ってるな?

(佐原)はい 知っています。

どうして
峰村さんを殺害した?

(佐原)あの…

本当に 僕が殺したんでしょうか?

♬~

(高木)凶器の包丁と
血の付いた衣類が

お前の自宅で見つかった。

駐車場の防犯カメラには
犯行の様子が映っている。

疑いようがない。

そうなんですね…。

他の刑事さんにも そう言われて。

でも 僕は…

なんで こんな…。

峰村さんを恨んでいたのか?

(佐原)会社で

あの人から ひどいパワハラ
受けていたんです。

それで 辞めるしかなくなって…。

その恨みが
殺人の動機って事だな?

(佐原)それが…
わからないんです。

(高木)わからない?

こういう事を言うと
不利になるかもしれないけど

確かに 恨んでいました。

でも 実際に殺すなんて
考えた事ありません。

(高木)殺意はなかったって事か?

(佐原)殺意は…。

(佐原)いや… 殺してやりたいって
思った事はありますよ。

いやあ でも… それぐらい
誰だってあるでしょう?

本当に殺すなんて…。

想像上の殺意って事か?

何がなんだか
わからないんです。

♬~

事件当夜の覚えている事を
話してみろ。

(佐原)6時くらいに
バイトから帰って

飯食ったあとは ゲームとか

ベッドでダラダラしているうちに
寝てしまったと思います。

それで 気がついたら…。

♬~

(チャイム)

佐原さん 警察です。

警視庁の設楽です。

♬~

増本力也さん 知らないか?
えっ?

いえ…。

瀬川一巳さん。

原田悟くん。

知りませんよ。
誰なんですか? この人たち。

妙な感じだな…。
どう思った?

言い逃れをしているようには
見えなかった。

同感だ。 どうして捕まったのかも
理解できていない様子だった。

しかし 奴の犯行である事は
ほぼ間違いない。

写真を見せた時も

何かを隠しているような反応は
なかったな。

ああ。
4つの事案の共通点か…。

想像上の殺意ねえ…。

ただいま。
おかえり。

すまん。 春菜は?
寝たよ。

そっかあ…。

ご飯は?
食った。

じゃあ お風呂 入ってきたら?

うん…。

コンクール 来月だったよな?

俺も行けるようにするから。
それがね…

ピアノ やめるかもしれないって。

どうして?

教室で ずっと一緒だった
2つ年下の子が

急に伸びて
抜かされちゃったんだって。

嫌みな事も言われたみたいで…。
それで 最近 元気がないの。

そっか…。
(喜子)うん。

♬~

おはようございます。
おはようございまーす。

どうした?
おはようございます。

会議室を借りる事になって
移動です。

西麻布署で
被疑者が確保されたって?

ええ。

白井稔 17歳。 殺された増本さんの
教え子だそうです。

教え子…。

(梨田)担任だった増本さんに
タバコを見つかって

停学になった過去があるらしく

それを恨んでの犯行と
見られています。

未成年で
確保に踏み切ったって事は

証拠が揃ったんだな?

(梨田)現場で見つかった
凶器の金属バットが

白井のものと判明したんです。
指紋も一致しました。

(梨田)公園付近の防犯カメラでも

バットを持って歩く白井が
確認されています。

自供が取れれば 即送検だ。

それまでに 他の事案との関連を
調べないとな。

(篠宮 梓)現在までの 佐原順一の
供述調書は これだけですか?

…ああ そうです。

誰?
(梨田)さっき 聞いたんですけど

あとにしてくださいって
言われちゃって…。

それで
引き下がってんじゃないよ。

だって 怖いんですもん。

♬~

ちょっと…

それ
勝手に見ないでもらえるかな?

許可はもらってます。

君… 誰?

科警研で心理捜査を担当している
篠宮です。

藤森さんから鈴木係長に
話が通っているはずなんですが。

(藤森紗英)
碓氷さん お久しぶりです。

「おお 久しぶり」

なんかさ 君のところに所属する
妙な子が来てるんだけど。

すみません
先に行っていてください。

はい。

篠宮は もう そちらに
合流したんですね。

よろしくお願いします 碓氷さん。

「合流って どういう事?」

篠宮が別件のレポートのために
データベースを検索していて

10月3日の午後11時
都内で強制性交未遂が2件と

盗撮が1件 起きていた事が
わかったんです。

10月3日 11時…。

その被疑者3人なんですけど

揃って 犯行時の記憶が曖昧だと
供述しているんです。

なんで あんな事をしたのか
わからないって。

えっ?

(紗英)「碓氷さんたちが取り調べた
被疑者と同じですよね?」

「ちょうど 鈴木係長から
相談を受けていたんです」

記憶障害の被疑者について
意見を聞かせてほしいって。

それで また うちらと共同で
捜査するって事か。

そういう事です。

「それは わかったけど
なんで あの子なの?」

私は 別の事件に入ってまして…。

どうですか?

性犯罪の3件と合わせると
全部で7件ですよね。

何か繋がりは ありそうですか?

それは まだ わからないよ。

君は この件 どう思う?

「こういった繋がりを見つける時の
パターンは 2つあります」

7件の事案に何か共通点があるか

もしくは 7件に
何かが介在している場合です。

介在…。 具体的には?

それは…

わかりません。

なんだよ また笑ってんだろ。
相変わらずだな。 ハハッ…。

「すみません」

というわけで 今回の捜査に
参加してくれる事になった

篠宮くんです。

よろしくお願いします。

(高木)性犯罪3件も繋がってる
ってのは どういう事なんだ?

興味深いのは
この3件の被疑者全員が

犯行の記憶が曖昧だと
供述している事です。

記憶喪失の要因として
考えられるのは

アルコールや薬物

または 物理的衝撃を受けて
意識が朦朧となる場合などです。

ボクサーが
半ば意識を失ったような状態で

戦い続けるのは その一例です。

佐原は 逮捕時の検査で

アルコールや薬物の使用は
ない事が確認されている。

性犯罪の被疑者3名も同様です。

この複数人が記憶喪失という
レアケースに興味を持ち

今回の合同捜査の話を
お受けしました。

お受けしました?
なんか上からっすね…。

3件の性犯罪には
さらに共通点があります。

3人全員が初犯であり

しかも 加害者と被害者が
知り合いだったという事です。

そんなに珍しい事?

常習性がある
性犯罪の特性を考えた時

3件全てが初犯だったという事は
注目に値します。

そして
過去の性犯罪データによると

顔見知りによる犯行は
およそ3割程度です。

大した知識で結構ですけど

データどおりにいかないのが
現場なんだよ。

警察庁でも 時代遅れの人が
よく そういう事を言います。

何~?

ハハハッ… 洋梨

♬~

そういう事か…。

ん? 何?
どうした? 碓氷ちゃん。

もし その3件が
バラバラの日時で起きていれば

それほど気にかける事は
なかったのかもしれない。

でも この3件…

いや 7件が
ほぼ同時刻に起きているのは

やはり 偶然とは思えません。

(鈴木)篠宮くん。

もし これらの事案に
全て関連があるとしたら

どんな事が考えられる?

それは まだ わかりません。

しかし 調べを進めれば
必ず わかってくると思います。

私に 直接
被疑者と話をさせてください。

すごい自信だな。

僕らを押しのけて
取り調べを志願ですよ。

碓氷 お前が連れてってやれよ。

なんで 俺が?

(高木)お前ら
偶然とは思えない派だろ?

しっかり面倒見てやれ。

(鈴木)そうだね。 じゃあ
碓氷ちゃんに頼んじゃおう。

いや ちょっと…。

おい。
ほら 行った 行った。

場所 知ってるのか? あいつ。

私が ここに来たのは

事件について
質問するためではありません。

あなたは 犯行を覚えていないと
供述しているそうですね。

覚えてないというか…。

やっていないと
考えているんですか?

わかりません。

証拠が見つかったので

やったのは 自分に間違いないと
言われました。

凶器の包丁が台所で発見された
という事ですが

そこに置いたのは あなたですか?

わからないんです。

いつも置いてある台所のラックで
見つかったって言われました。

あなたは
それを知っていましたか?

し… 知っていたか…?

つまり 包丁が そこにある事を
知っていましたか?

包丁が そこにあるとは
思ってましたよ。

いつも置いてある場所だから。

でも それが血まみれだなんて
思ってもいませんでした。

あなたは
血が付いた衣類を片付けもせずに

捜査員に発見されました。

どうして 隠そうとか処分しようと
思わなかったんですか?

訳が わからなかったからです。

どうして 血が付いているのか…。

最初は
自分が怪我をしたのかと思って

鏡を見て 体を確かめました。

10月3日の夜11時という日時に

何か特別な意味があると
思いますか?

夜11時 犯行時刻です。

あなた自身にとって

何か特別な意味が
あるのではないですか?

いえ 何も…。

これまでに 交通事故などで

脳にダメージを受けた事は
ありますか?

(佐原)ありません。

今までに
記憶障害を起こした事は?

いえ 一度も…。

どう思った?

本当に 犯行の記憶が
曖昧になっていると思います。

その根拠は?

衣類の血を見て

自分が怪我をしているのでは
ないかと思ったという供述は

リアリティーがあります。

確かにな。

あまりのショックで

自分自身で 記憶に
ふたをしてしまう事があります。

自己防衛のため 記憶を
シャットアウトしている状態です。

自分で殺害した佐原に
それが当てはまるのか?

記憶障害が起こり得る
要因について

述べているだけです。

やはり 興味深いのは包丁です。

通常 人は
周囲の状況を意識した上で

自分が どう行動すべきかを
考えます。

でも そうした意識が
なんらかの理由で失われた時

人は 無意識のうちに
パターン化された行動を取るんです。

それは いつも置いてある場所に
包丁を戻すような行動か?

はい。

犯行後に帰宅した佐原は

無意識に 凶器の包丁を
いつもの場所に戻した。

それが 血まみれだろうが
関係なく。

問題は なぜ 記憶を
失っているのかという事です。

君は
増本先生に タバコを見つかって

停学になった事があった。

(白井 稔)
もう 何度も話しましたけど

恨んでたけど 本当に殺すなんて
考えてなかったです。

犯行時の記憶が曖昧というのは
本当ですか?

信じてくれるんですか?

信じるかどうかは
話を聞いてみないとわかりません。

よくわからないんです。

僕が増本先生を殺したって
言われて…。

10月3日の夜は
何をしていましたか?

もう 何回も
刑事さんに聞かれましたよ。

私が質問するのは初めてです。
答えてください。

学校が終わって 帰ったあと
ずっと家にいました。

友達とメールとかして

それから
勉強してるうちに寝ちゃいました。

寝たのは何時頃ですか?

多分… 11時前だと思います。

そのあとに覚えている事は
ありますか?

気がついたら 公園にいて

目の前で増本先生が…。

(白井の泣き声)

(泣き声)

そのあとの事は?

怖くなって
走って家に帰りました。

なぜ
警察に知らせなかったんですか?

だから 怖くなって…。

自分がやった気しなかったし
どうしていいか わからなくて…。

本当に僕が殺したんですか?
何かの間違いですよ!

落ち着いて。

最後に一つ。

佐原順一という名前に
聞き覚えはないかな?

いえ… ないです。

♬~

白井も犯行時の記憶が
曖昧なのは わかったが

殺害したのは
間違いないんだろう。

(梨田)覚えてないなんて
犯人の常套句ですよ。

いえ 本当に
記憶が曖昧なのだと思います。

その根拠は?

私の見解です。
…だそうです。

俺も…

嘘は言っていないと思う。

性犯罪で逮捕された3人を含め

5人とも同じような供述をしてる
って事になるな。

自殺した2人も
そうだったんじゃないか?

えっ? 自殺した記憶が
曖昧だって事ですか?

佐原が持っていたのは

実際の殺意ではなく
想像上の殺意だったんだ。

自殺した2人も

想像上の自殺願望
だったのかもしれない。

悩んでいる時に
死にたいと思う事があっても

実際に死ぬ奴は少ない。

だが あの2人は
想像が現実になってしまった。

(梨田)なってしまったって…
オカルトすぎますよ。

確かめようのない仮説ですが
可能性はあると思います。

自殺した中学生は 学校で
いじめに遭っていたと言ってたな。

はい。 自殺願望があっても
不思議ではないですね。

瀬川さんも 最近

落ち込んでいる事が
多かったらしいです。

心療内科にも
通っていたみたいで…。

心療内科? どこの病院だ?

♬~

(ドアの開く音)

おお 斑目
(斑目悠希)あら!

碓氷主任 久しぶり。
おう。

捜査一課に戻って また家族
ほっぽり出してるんでしょ?

大丈夫? ねえ。

ちょっ… あっ あら!
この子が例の新しい相棒さん?

例のって 俺 何も話してないけど。
(斑目)フフフフッ…。

前も若くて
きれいな子だったけど

今回も 系統は違うけど
若くて きれいな子ね。

ちょっと ちょっと
ちょっと ちょっと どいて。

ちょっと あっち あっち…。
なんで あっち行かなきゃ…。

あなたも気をつけなさいよ。

この人 飄々としてるくせに
意外と頑固なとこあるから。

私も
いつも むちゃな注文されて…。

いいから。 どうなんだよ?
自殺した2人のパソコンの解析。

ああ ああ… それね。

SNS掲示板にも
遺書らしきものはないわね。

自殺サイトへのアクセスもないし
自殺方法の検索履歴もない。

自殺する人にしちゃ珍しいわ。

やはり 2人に 自殺の意思は
なかったのかもしれません。

瀬川さんのほうなんだけど

心療内科のホームページとか
見てない?

心療内科

ああ! あった あった!
これでしょ? これ これ。

そうよ ほら。

もう一人のほうも
これを見ていないか?

アクセス履歴はないんだけど

もう一人の地図の検索結果を
見てみたらね…。

(斑目)これ…。

(斑目)同じ場所でしょ?

介在していたのは これか…。

私 性犯罪の被疑者たちを
確認します。

ああ。

♬~

おお 高木。

各所轄に
確認してもらいたい事があるんだ。

自殺した2人
殺人の容疑者である佐原 白井

それと 性犯罪で逮捕された3人

7人全員が このラメールメンタルクリニック
通っていた事がわかった。

ラメールメンタルクリニック

カウンセリングを中心に行っている
心療内科です。

院長は 水沢瞳
臨床心理士の資格も持っていて

アメリカで
心理療法を学んでいました。

クリニックは
いわゆる 一人医師医療法人

1年前に開業しています。

理事長は
院長が兼任していますが

理事に
津本常典という男がいます。

(梨田)
津本は シンガポール在住で

IT系企業
カレントアクティブコーポレーションの社長です。

1年ほど前に
シンガポールに進出して成功し

一気に有名になった企業です。

この男が クリニック開業資金を
提供したらしく

実質上のオーナーだと思います。

IT社長が なんで
メンタルクリニックに金を出したんだ?

まあ 調べていけば
いろいろと わかってくるだろう。

碓氷ちゃん
クリニックに当たってくれ。

はい。

行こう。

(水沢奈緒子)こんにちは。
本日は どうなさいましたか?

ああ… 患者ではないんです。

警視庁の碓氷といいます。

(奈緒子)ああ… 警察の方。
どういった ご用件でしょうか?

院長先生は いらっしゃいますか?

現在 捜査している件で
お聞きしたい事があって。

院長は 今 クライエントの
カウンセリング中でして

お待ち頂く事になりますが
よろしいでしょうか?

クライエント…?

心理療法
カウンセリングを受ける人の事を

そう呼ぶんです。
クライアントではなくて?

なぜか 心理療法の世界では
そう言うんです。

待たせて頂いてもいいですか?

どうぞ
おかけになって お待ちください。

こちらで
カウンセリングをしているのは

院長先生だけですか?

はい
院長一人で担当しております。

最近 臨時で どなたか
他の先生が入ったりとかは…?

いえ 一度もありませんが…。

♬~

(奈緒子)お待たせしました。
ご案内しますね。

♬~

(ノック)

(奈緒子)どうぞ お入りください。

警視庁の碓氷といいます。

警察庁の心理捜査研究員
篠宮です。

警視庁の碓氷といいます。

警察庁の心理捜査研究員
篠宮です。

水沢瞳さんですね?
(水沢 瞳)はい。

早速ですが

谷東署に所属していた
瀬川一巳さんを知っていますか?

(瞳)知っています。

ここで
治療を受けていたんですか?

では 原田悟くんは?

(瞳)知っています。

彼もクライエントですね?

瀬川さんと原田くんが
自殺した事は ご存じですか?

知っています。

佐原順一も ご存じですね?
はい。

白井稔も?
はい。

この2人が 殺人容疑で
逮捕された事は ご存じですか?

はい ニュースで知りました。

瀬川さんと原田くんの自殺
佐原と白井の殺人

この4つの事件が

10月3日の午後11時台に連続して
起きている事は ご存じですか?

さらに
同じ日の同じような時刻に

2件の強制性交未遂と
1件の盗撮事件が起きました。

その犯人たちも
このクリニックに通っていた事が

確認されているんです。

それは 知りませんでした。

そんな奇妙な偶然が
起こり得るんですね。

我々は 偶然とは思っていません。

何か理由があるはずなんです。

それを 先生が
ご存じではないかと思いまして。

いえ 何も知りません。

私は こちらが
心理療法のクリニックである事と

関わりがあるのではないかと
考えています。

心理的に クライエントを
コントロールする事も

可能なのではないですか?

マインドコントロールですか。

(瞳)私の仕事は
クライエントの深層心理をのぞき

なぜ 問題を抱えているのか
見定める事です。

ですが それは

私の好きに 人の心を操れる
という事ではありません。

カウンセリングでは
催眠療法は使われますか?

おっしゃりたい事は
わかりますが

いくら催眠術を使っても

相手の意思に反して
自殺をさせたり

殺人をさせたりする事は
できないんです。

そうなんですか?

♬~

そうなのか?

どんな暗示よりも
自分を守る本能のほうが勝るので

無理やり自殺させたりするのは
難しいです。

心理的に強い抵抗がある
殺人も同様に…。

(瞳)すみませんが
次の予約がありますので。

どうぞ お引き取りください。

マインドコントロールとか
催眠術で

本当に そんな事できるんですか?

マインドコントロールという
言葉が 一般に浸透したのは

日本では
例の新興宗教のテロ事件からです。

あれほどの人数が洗脳されて
犯行に及んだ姿

そして
洗脳が解けたあとの彼らの姿を

皆さんも見たはずです。

でも マインドコントロール
催眠をかけても

自殺や殺人を強要する事は
できないんだろ?

確かに したくもない行為を
無理やりさせる事は難しいです。

ですが クライエント自身が
気づかないでいる欲求を

顕在化させる事は
可能だと思います。

(高木)わかるように話せ。

持ってはいけない欲求を
持っている人がいます。

強制性交や盗撮の願望

殺人 自殺の願望。

通常は
それらを行動には移しません。

罪の意識や保身という理性が
働くからです。

ですが もし その理性を取り除き

欲求を解放できる人物が
いたとしたら…。

(鈴木)つまり

当人たちに その行為に対する
強い欲求があれば

そう行動に移すよう誘導する事は
可能だと言いたいんだな?

そのとおりです。

催眠術や暗示は それをかける者と
かけられる者の関係性によって

効果は大きく違ってくるのです。

(嶋田)相性が良ければって事か?

相性もありますが…

催眠術やマインドコントロール
効果を増大させるのは

信頼関係です。

クライエントたちが院長に対して
どのような感情を抱いていたのか

調べる必要があると思います。

(鈴木)もし そういう事になれば

被疑者もまた被害者
という事になるな。

明日 朝イチで
被疑者の話 聞いてきますよ。

(鈴木)ああ。

(店員)はい 親子のお客様
お待たせしました。

うーん…。

カツ丼か親子丼か いつも迷う。

珍しいですね。

普通のカツ丼と
みそカツ丼があります。

おいしそう。

そうだなあ…。

すいません。
はい。

みそカツ丼。
みそカツ丼。 はい。

あと 豚のしょうが焼き
ご飯大盛りで。

ざるそば1枚つけてください。
はい。

(店員)大将 みそカツ…。
食べるね。

栄養とらないと
脳が働きませんから。

うん…。

しかし 奇妙な事件だ。

いまだに 人の心を操れるなんて
信じがたい。

碓氷さんも
すでに私に操作されています。

えっ…?

カツ丼と親子丼で
迷っていましたよね?

私がカツ丼にする前提で
話を進めた事によって

碓氷さんの中から
親子丼という選択肢が消えました。

これは ダブルバインドと呼ばれる
手法の応用です。

「宿題をしなさい」ではなく

「国語と算数 どっちやろうか?」
と聞けば

宿題をしないという選択肢は
消えます。

とはいえ 自分を
しっかり持っている人なら

こんなの
引っかかりませんけどね。

悪かったね
しっかり持ってなくて。

(ドアの開く音)

おう。
おかえり。

どうかしたの?

いや…。

前はさ…。
うん。

仕事から帰ると
春菜がピアノの練習してて…。

あの感じ
すごい好きだったんだよなあ。

うん…。

遅くなって ごめん。
もう寝てていいよ。

明日早いから そうさせてもらう。

えっ 本当に寝んの?

いいって言ったよね?

お風呂温めて入って。

ちょっと!

あのさ…。
ん?

1杯だけでいいから付き合ってよ。

ビールとワイン
どっちにしようか?

えっ?

ビールとワイン どっちがいい?

寝たいんだけど
その選択肢 私にはないの?

そこに戻っちゃうの?
おかしいな…。

えっ? じゃあ おやすみ。

(ため息)

しっかりしてんなあ。

♬~

♬~

なんだ? うわっ!?

キャ~!
(男性)やめろ!

(男性)何やってんだ! おい!

ああっ!
おい やめろ!

♬~

(高木)なぜ
あのクリニックに通い始めた?

クビになったあとに
不安定になって

一度 試しに行ってみたら
院長が いい人だったから…。

いい人っていうのは
どういう意味だ?

院長に惚れてたのか?

いや 惚れてたっていうか…。

あの先生といると
心が落ち着いたんです。

相談に乗ってくれて
優しくしてくれて…。

先生がいなかったら
どうなってたか。

どんなカウンセリングをされた?

普通に話を聞いてくれただけです。

何か変な事はされてない?
変な事…?

洗脳とか…

マインドコントロール的な?

フッ… ないですよ そんなの。

だよね。

あの先生は
僕の話を聞いてくれて。

親と違って こうしろ ああしろ
とか言わないし

僕と一緒に考えてくれました。

先生だけが 本当に
僕の事を理解してくれるんです。

♬~

藤森くん。

碓氷さん。

篠宮が お世話になっています。

別にお世話してないけど…。
話って?

今 私が
捜査協力に入っている事件で

ある関係者の男性が

3カ月前に自殺していた事が
わかったんです。

自殺?

この男性 事件に
直接関係はなかったんですけど

調べてみると 心療内科
通っていた事が わかったんです。

ラメールメンタルクリニックに。

えっ…?
3カ月前に自殺した人がですか?

それで 少し調べてみました。

スーパーマーケットにおける
窃盗罪… 万引きか。

こっちは傷害事件です。
知人男性に暴行を加え 逮捕。

こっちは強制性交未遂…。
まさか これらも…?

ラメールメンタルクリニック
クライエント。

♬~

このクリニックは

意図的に
犯罪者を作り上げています。

今まで何度も起きていたんだ。

重犯罪が一度に重なって
ようやく 明るみに出た。

これからも
起こる可能性があるって事か…。

ここ何日かで起きている事件も

クリニックの患者が
起こしたものがあるかもしれない。

(高木)佐原は
院長に好意を持ってた。

なんか 普通じゃねえ感じだ。
(梨田)白井もですよ。

院長の言う事は
なんでも信用しちゃう感じで。

性犯罪の3人の被疑者も

おおむね
同じような供述をしていました。

(神尾)信じられないけど
こりゃ普通の犯罪じゃないですね。

(梨田)オカルト~! ハハハハ…。

(梨田)すいません。

(ドアの開く音)

あっ 碓氷さん こんにちは。

こんにちは。
すいません また お邪魔して。

あっ 院長ですよね。
少々 お待ちください。

(ドアの閉まる音)

♬~

(ドアの開く音)

どうぞ。 次のクライエントが
来るまでの間でしたら

大丈夫だそうです。

じゃあ…。

自殺した瀬川さんや
逮捕された佐原は

頻繁に
こちらに通っていたそうですね。

一般論で結構です。

頻繁に来られるクライエントは
どのような理由からなんですか?

多くの場合
強い不安感をお持ちだからです。

先生に好意を持って

頻繁に通ってこられる
クライエントも

いるんじゃないですか?

確かに 本人が
家族にも話せないような事を

私たちは聞く事になりますから

そこには他人が入り込めない
特別な関係は生まれます。

もし 先生に恋愛感情を持つ
クライエントがいた場合

どのように対処されるんですか?

クライエントとは
私的なお付き合いはできない。

それを理解して頂きます。

まるで
水商売のホステスみたいですね。

そうかもしれません。

そこまで親密な関係になれば

先生のためなら なんでもしたい
という心理に陥る人も

いるんじゃないですか?

どうしても 私が
クライエントの心を操ったと

おっしゃりたいんですね。

本能による抵抗が優先されるので

殺人や自殺をさせる事は
確かに難しいです。

でも 本人が殺人や自殺に対して
強い衝動を抱いている場合は

話が
違ってくるんじゃないですか?

なるほど。
欲求の顕在化ですね。

どうでしょう?
可能性は否定しませんが。

先生。

過去にも
このクリニックのクライエントが

罪を犯していた事が
わかったんです。

今 わかっているだけでも 3人。
他にもいるかもしれません。

これでも
まだ潔白を主張しますか?

♬~

身に覚えがないものを
あるとは言えません。

あなたしか
この犯罪はできません。

臨床心理士である あなた以外に
考えられないんです。

そろそろ よろしいでしょうか?

あなたのカウンセリングを経て

大量の犯罪者が
生まれているんですよ!

答えてください!

この部屋で本当は クライエントに
何をしているんですか!?

よせ。

♬~

失礼しました。

最後に
一つ お聞きしたいんですが

こちらで
理事を務めていらっしゃる

津本常典さんの事です。

津本さんから 開業する際に
資金援助を受けたと聞きました。

個人的なお付き合いが
あるんですか?

ありますが

私の異性関係が
何か関係あるんでしょうか?

津本さんに 直接
お話をお聞きしたいんですが

今後の予定は おわかりですか?

妹に聞いてください。

妹?

♬~

(奈緒子)1番の方
お待たせ致しました。

あっ…。

すいません。
あっ… はい。

津本さんの事について
お聞きしたいんですが…。

はい。

クリニックの会計報告など 全て
あなたがやっているそうですね。

津本さんのスケジュールも
把握していると聞きました。

津本さんは
今 日本にいらっしゃいます。

滞在予定は
来週末までだと聞いてます。

どこに行けば
津本さんにお会いできますか?

ああ…。

私も 細かに把握してるわけでは
ないんですけど

滞在しているホテルは
ベルティストン台場です。

ありがとうございます。
いえいえ。

妹さんなんですよね?

あっ… はい。

お姉さんに 最近
何か変わった事はありませんか?

いや… 特にないと思いますけど。

クライエントたちの様子で
何か気づいた事は?

ええっと…。

がっつきすぎ。

すいません。
いえいえ。

津本さんとお姉さんは
今回 お会いになりますかね?

どうでしょう?
2人とも多忙なので。

院長を取り調べるべきです。

一刻も早く解決するために
自供を取らないと。

院長が
嘘をついてるように見えたか?

いいえ。

でも
恋人である津本の話をしたあと

感情の変化を感じました。

あの院長には
支配的な傾向があります。

クリニックの開業に
男を利用したのも その一例です。

この犯行のために
クライエントとも

主従関係を
意図的に作り上げているはずです。

おい…。

先入観で決めつけて捜査すんな。

えっ…?

そういうの 一番よくない。

人物分析からの推測も
大事だと思います。

(ドアの開く音)

(津本常典)お待たせしました。
どうぞ こちらへ。

お忙しいところ すいません。

(津本)いえいえ。
ただ あまり時間がなくて。

次からは アポイントメントを
取ってもらえると

ありがたいです。

警察は アポを取らないんです。

事前に 質問に対する答えを
用意されたり

証拠を隠滅される恐れがあるので。

なるほど。 ごもっともです。

津本さんが
ラメールメンタルクリニック

資金援助されたというのは
事実ですか?

はい。

メンタルクリニック
興味を持たれた きっかけは?

ああ… 元々 水沢とは

異業種間で情報交換をする
パーティーで出会いましてね。

まあ その時
非常に興味を持ったんです。

彼女は アメリカで
臨床心理学を学んでて

可能性に満ちてました。

それで 開業をすると聞いて

ぜひともサポートしたいと
思ったんです。

水沢院長とは

お付き合いされているという事で
よろしいですか?

(津本)ええ。 ただ 私が
シンガポールで起業してからは

寝る間もない日々で
あまり会えていませんがね。

今回も
お会いにならないんですか?

(津本)ええ。 数日の滞在で
予定が埋まっていまして。

シンガポールに進出されたのが
1年ほど前ですよね。

そこから 急速に
業績を伸ばしていると聞きました。

おかげさまで。

水沢院長との出会いが
きっかけだったんですか?

いや 特に そういうわけでは…。

まあ 少し視野を広げて

チャレンジしようかなと
思っただけです。

ああ…。

クリニックに関して
というお話でしたが

その… 患者の何人かが
事件を起こした件ですか?

すでに ご存じだったんですね。

いや まあ 詳しくは…。

水沢とは
仕事の話はしないもので。

患者2人が人を殺し

2人が自殺をしました。

他にも 性犯罪や軽犯罪に
手を染めた者もいます。

水沢院長に 最近
何か変わった事はありませんか?

いや 特に何も…。

クライエントたちは その行為に
願望を持っていました。

私たちは
水沢院長が その欲求を解放して

犯罪を誘導させたと考えています。

えっ…?

本気で それ言ってるんですか?

まだ 可能性の一つです。

水沢院長が
催眠術を使えるかどうか

ご存じありませんか?

いえ 知りませんし 私は
そういう事に関与してないもので。

関与しない?

クリニックのクライエントから
これだけの犯罪者が出たんです。

理事として 責任があるはずです。
おい…。

何かを知っていて隠しているなら
罪に問われる場合もありますよ。

ちょっと… 待ってくださいよ。
なんなんですか?

申し訳ありません。
(津本)失礼でしょ!

私は
なんの心当たりもありません。

次の予定があるんで
もうよろしいですか?

ええ…。

何かを隠しているようにも
見えました。

ひょっとして 水沢瞳の犯行を
知ってるんじゃないですか。

少し頭冷やせ。
えっ?

俺たちは 資料やデータと
向き合ってるんじゃない。

人と向き合ってるんだ。

心理の専門家なら
もう少し 人を見ろ。

見てます。

水風呂にでも つかってこい。

よくわかりませんが…
わかりました。 失礼します。

本当に帰んの?

ゆとり?

♬~

頭冷やせって言っただろ。

フローズンヨーグルト
食べました。

フフッ…。

私 元々はカウンセラーになろうと
思っていたんです。

♬~

君が?

はい。

ですから 軌道修正をして
この仕事に就きました。

でも… カウンセリングが

人の心をケアできる
素晴らしいものだという事は

よく知っているつもりです。

だから… それを利用した
今回のような犯罪は

許せないんです。

すでに5人が亡くなっています。

そして
まだ増えるかもしれない…。

その人たちの人生や
遺族の悲しみについては

警察の資料には書いてない。
データにも記録されない。

だから 俺たちが
精いっぱいやるしかない。

♬~

資料を片付けろ。

行くぞ。
えっ?

(斑目)
あら あら…! 碓氷主任 やだ!

何? どうしたの? 怖い 怖い!
斑目 頼みがあるんだよ。

えっ?
この女性を検索してほしい。

「水沢奈緒子」…?

妹ですか?
うん。

こんなの自分でやってよ!

俺がやるより手っ取り早いだろ。
時間がないんだよ 早く!

ちょっと ちょっと ちょっと…
サイバーのプロなんですけど。

これ ただの検索でしょ?
やだ~!

わかった!
おごる。 フカヒレ

恵比寿。

(指を鳴らす音)
やらしてもらいまひょ。

フカヒレ
行かさしてもらいまひょ。

ええっと…。

水沢奈緒子…。

(斑目)
ええ… 年齢 職業 結婚歴は?

三十前後。
今はメンタルクリニックの受付。

独身だと思う。

(斑目)「茶道の会」
「PTA」 「料理研究家」…。

違うわよね?
違う。

(斑目)ん? 「水沢奈緒子先生」…。
これ 病院ね。

病院?

どこかの患者さんの家族が書いた
ブログみたい。

「東都医科大学病院の先生方には
入院中 大変お世話になり

特に母が仲良くしていた
臨床心理士の水沢奈緒子先生」…。

臨床心理士…?

(斑目)おっ この人?

フフフ…。 ビンゴな顔。

あのクリニックには もう一人
疑うべき人間がいたって事だ。

♬~

♬~

すみませんでした。

ん?

私が間違っていました。

すみません。

うん…。

まだ 院長の疑いが
完全に晴れたわけでもない。

これからも
心理の専門家である君が必要だ。

行くぞ。

頼りにしてるんだからな。

♬~

(石田葉子)水沢奈緒子さんなら
覚えてますよ。

どうぞ。

とっても熱心で 有能な方でした。

ここでは どれぐらい
働いてらっしゃったんですか?

1年間ですね。

もっと
働いてほしかったんですけど

本人の都合で
契約を更新しなかったので。

その都合について
何か言っていませんでしたか?

他にいいお話があったとかで。

まあ そう言われたら こちらも
強くは引き留められませんから。

ここは 報酬も
決して高くありませんし。

臨床心理士として 具体的に
どう有能だったんですか?

(葉子)ここには 重病を告知された
患者さんがいらっしゃいます。

絶望されてる方も
少なくありません。

(葉子)水沢さんは
まるで魔法のように

そういう患者さんの心を
軽くしてあげる事ができたんです。

魔法… ですか。

確か 彼女 学生時代に

催眠療法のスクールにも通ってた
って言ってたので

その効果もあったのかも
しれません。

♬~

あっ… 碓氷さん。

どうも。
1時に予約した碓氷ですが。

お待ちしておりました。

院長は
今 近くの定食屋にいますが

ご案内しましょうか?

ノリいいね。
今度 飲みに行こうよ。

フフフ…。 姉に そういう冗談は
通用しませんよ。

じゃあ 待たせてもらいますね。

娘がさ…

ピアノを続けるかどうか
悩んでて。

話を ちゃんと
聞いてやりたいんだけど

娘は 父親に
悩みなんか話さないものかな?

それは
関係性によると思いますけど

他人相手のほうが 思う存分
話せる人は多いみたいですよ。

家族と距離を感じるんだ。

仕事の事は
理解してもらってるけど

自分が家族のために
何もできてないって思うと

どう接していいのか
わからなくなる。

♬~

あまり無理しなくていいと
思いますよ。

娘さんにも
無理させなくていいと思います。

悩んでる人にとって
一番つらいのは

一緒に立ち止まってくれる人が
いない事ですから。

立ち止まってくれる人?

(奈緒子)悩んでる人を見ると

先に進ませようとする人が
多いんです。

でも 手を引っ張るばかりじゃ
駄目なんです。

フフッ。

…っていうのが 姉の口癖です。

姉は 本当に

クライエントに寄り添って
親身になる人なので

いつも 一緒に立ち止まって…。

いいお姉さんだ。

みんな そう言います。
「いいお姉さんでいいね」って。

子供の頃から ずっと。

♬~

君なら どう助言する?

えっ?

臨床心理士として。

ああ…。

どうぞ こちらへ。

♬~

(奈緒子)
私は もう少し自由な発想で

悩んでる人の背中を
押してあげたいって思います。

ただ
やりたい事をすればいいんです。

自分の欲求に従って。

人は 本来
自分の欲求に従って行動するのが

一番幸せですから。

君も そうしてるのかな?

どうですかね? わかりません。

カウンセラーは
人の事ばかり気にして

自分の事には無頓着な人が
多いですから。

少し目を閉じて
リラックスするといいですよ。

♬~

♬~

(鈴木)しかし 美人姉妹だなあ…。

理事もいい男だし
モテるだろうな これな。

(梨田)係長 戻りました。
(鈴木)おお… どうだったんだ?

やはり 昨夜も起きてました。
北品川署の強制性交致傷事件。

加害者の所持品から

ラメールメンタルクリニック
診察券が見つかったんです。

(高木)クソが…!
これで何人目だ?

(嶋田)最初の7人を合わせて
わかってるだけで 13人です。

(梨田)また 今夜も
増えるかもしれませんよ。

(鈴木)これ以上 クリニックの
犠牲者を出すわけにはいかんな。

碓氷ちゃん
妹とは会ったんだろ?

どうだったんだよ?

(高木)おい 碓氷!
結局 どっちなんだ?

姉か? 妹か? それとも
姉妹が共謀してるのか?

(鈴木)えっ?

(携帯電話の着信音)

もしもし?

「俺だ」

どうしたの? 何かあった?

春菜が帰る頃だと思って。
どうしてる?

えっ?

「気になったんだよ。
春菜は元気か?」

元気よ。 何? 急に。

家の事 任せきりで
すまないと思ってる。

(喜子)「どうしたの? 気持ち悪い」

謝りたいんだ。 ごめん。

今の仕事が落ち着いたら
少しは父親らしい事するよ。

(喜子)「本当に変よ。 冗談なの?」

今まで言えなかったから…。

「本当にごめん。 じゃあな」

ちょっと待って!

「ん?」

あっ…
ねえ ちゃんと帰ってきてよ?

当たり前だよ。 どうして?

だって 突然 電話かけてきて
変な事 言われたら

心配するでしょ。
仕事が仕事なんだから。

俺の仕事の事で
ストレスかけてばっかりだな…。

そんなの今さらよ。

本当に大丈夫なの?

俺は大丈夫だ。 じゃあな。

(不通音)

♬~

俺は 何を話してた?

…いい。 予想はつく。

電話以外 何もしてないのか?

碓氷さんが
普段 閉じ込めている欲求は

家族に関する事だけなんですね。

幸い無事でしたけど

こんな危険なまね
もう二度としないでください。

君を信用してるから
安心だったよ。

監視 ご苦労さん。

怖かったですよ。
人は理性がなくなると

どういう行動に出るか
わからないんです。

私じゃ止められないかも
しれないし。

ハハッ…。

でも とにかく 水沢奈緒子に
犯行が可能な事はわかった。

俺 今 催眠解けてる?

魔法じゃないんです。

あの人と話す以外に
クリニックで何かしましたか?

短い間だったが 眠った。

やはり そうですか…。

クライエントたちに
行動を起こさせた引き金…

トリガーは 睡眠です。
睡眠?

人間は 入眠した時に

心が無防備な状態になると
いわれています。

理性や抵抗という本能も
薄まります。

カウンセリングでは

11時前に眠るよう
指導されているそうです。

だから
11時台の犯行が多かったのか。

でも どうして 彼女は 碓氷さんに
こんな事をしたんでしょうか?

自分の犯行を
自供するようなものなのに…。

臨床心理士の本能なんだろうな…。

えっ?

係長たちに報告だ。

(瞳)先 出るね。
(奈緒子)うん。 お疲れさま。

あっ… 津本さん
次 年末に日本に戻るんだって。

その時 3人で食事でもしない?

ええ~? 私もいいの?

うん。 なんで?

もし 津本さんが
私に惚れちゃったら

お姉ちゃんに
申し訳ないかなと思って。

フフッ…。 何言ってるの。

じゃあ お疲れ。
お疲れ。

♬~

先生!

一緒に来て頂けますか?
お話ししたい事があります。

先日は お二人に失礼な事を言って
申し訳ありませんでした。

いや まあ…。

それで お話というのは
なんですか?

クライエントが罪を犯した
一連の事件に

妹さんが関わっている疑いが
あります。

えっ… 何言ってるんですか?

なんで 妹が そんな事を?

妹さんを
今のクリニックに誘ったのは

先生ですよね?

(瞳)そうですけど…。

なぜ 受付の仕事を?

妹は 以前 終末期の医療に携わり
精神的に参っていたんです。

それで いったん
クライエントと接する仕事から

離れたほうがいいって
思ったんです。

奈緒子さんも 最初は
それで満足していたと思います。

でも 恐らく クライエントたちを
見ているうちに

心のケアをしたいという気持ちが
再び芽生えたんでしょう。

ただ 彼女のやり方は
ゆがんだ 自分本位のケアだった。

いい加減にしてください!

津本さん。

奈緒子さんと 先日
ここで会っていましたね?

最初は 奈緒子さんとの関係を
疑いました。

でも ひょっとして

あなたは 奈緒子さんの
クライエントなんじゃありませんか?

どういう事?

津本さんを知る人に
話を聞いたんです。

以前は 寡黙で 高望みをせず
現状に満足していた津本さんが

1年ほど前から

人が変わったように
積極的になって

海外進出した事に
驚いたそうです。

それは 奈緒子さんの暗示が
きっかけだったんですね。

本当なの?

ああ…。

1年ぐらい前に

日本で事業に失敗して
破産寸前になったんだ。

クリニックへの資金援助も
できなくなりそうで

君を失うのが怖くて
話せなかった。

そんな時に
奈緒子さんと会う機会があって…。

そしたら

「心配しなくていい。
私なら救える」って

そう言ってくれて…。

あなたの心の底に潜んでいた
出世欲や支配欲を

奈緒子さんが解放した。

そのあとも 会うたびに

奈緒子さんのカウンセリングを
受けていたんですね?

黙っていて すまない…。

奈緒子さんは クライエントたちに
同じ事をしたんです。

そのクライエントたちが…。

(瞳)信じません。

あの子は そんな子じゃない。

あの子は
本当に優しい子なんです!

♬~

(携帯電話の振動音)

失礼。 すいません。

碓氷 またやられたぞ。
クリニックの患者だ。

(高木)「同僚を撲殺した。
時間がねえぞ」

早くしろ。

先生 お願いがあります。

クライエントの情報を
教えてください。

今 また 人が一人 死にました。

他にも 行動に移してしまう
クライエントが

いるかもしれません。

また新たな犠牲者が出ます。

先生!

♬~

(呼び出し音)
出ろ… 出ろ!

(携帯電話の着信音)

斑目です。

斑目 今すぐ本庁 戻れ!」
えっ!?

いいから早く戻れって!

はあ… 今 何時だと思ってんの?

お肌のゴールデンタイムが
とっくに過ぎてんの!

クライエントのデータは
送ってある。 あとは係長に聞け!

ちょっと ちょっと… 聞いてる?

ダッシュしろ ダッシュ

(不通音)
もう~…!

もう… なんなのよ~ もう!

いやあ~っ!

いつも こうだよ~!

ストーカーされてる女の店は
銀座ですね。

とにかく向かいますよ。

店の住所は送った。 男の写真も
入手次第 送る。 頼むぞ!

(鈴木)「梨田たちは
水沢奈緒子に任意同行を求めろ」

はい。

♬~

水沢さん!

♬~

水沢さん?

嶋田さん 救急車!
(嶋田)ああ。

(梨田)水沢さん しっかりして。

♬~

(荒い息)

水沢奈緒子が自殺を図った。
えっ!?

病院に搬送されて
命に別条はない。

今は こっちが優先だ。 急ぐぞ!

♬~

♬~

(キーボードを打つ音)

(息を吐く音)

♬~

(息を吐く音)

♬~

(神尾)高木さん!

男の写真 来ました。
よし。

♬~

(梨田)保護する女性の画像
来ました!

急ぐぞ!

(チャイム)

♬~

(チャイム)

♬~

(チャイム)

碓氷さん…。
水沢奈緒子なんですけど

本当に
自殺を図ったんでしょうか?

ん?
ひょっとしたら 自殺は

警察から逃れるための
偽装かもしれません。

(高木)ちょっと… ごめんね。
(神尾)あっ すいません。

♬~(店内の音楽)

(ノック)
(梨田)加藤さん。

♬~(店内の音楽)

(梨田)加藤さん。

♬~

あっ 高木さん!

♬~

♬~

(ぶつかる音)

(男性)おい!

(女性たちの悲鳴)

♬~

(女性の悲鳴)
(高木)待て オラッ!

♬~

(チャイム)

夜分すいません。 警察ですが。

♬~

優ちゃん…?

(父親)お前…! 優人!
(母親)何してるの 優ちゃん!

(父親)優人… やめろ!

(母親)優ちゃん…! ああ…!

♬~

(母親)優ちゃん…!
(飯村優人)ああっ…!

下がってろ。

(母親)優ちゃん もうやめて…。

(母親の泣き声)

(優人)ああっ…!
(母親)優ちゃん!

♬~

(携帯電話の着信音)

はい 鈴木。

そうか! 確保したか。
よくやった!

係長。 水沢奈緒子の所在を
確認してください。

(鈴木)「どういう事だ?」

♬~

水沢奈緒子が消えた。

やっぱり…。
どこに行ったんだ?

あの人は
碓氷さんが訪ねてきた事で

自分が捕まるのが近いと
覚悟したんです。

悔いを残さないよう 恐らく…。

自分自身の欲求を解放したんです。

♬~

(津本)僕も一緒に行こうか?

(瞳)大丈夫。
病院に着いたら電話するから。

(瞳)あっ… 奈緒子…。

大丈夫なの?

(瞳)さっき
警察から連絡あって…。

(津本)
あっ ちょっ… ちょっと…。

(瞳)奈緒子?

最後に もう一度

津本さんのカウンセリングを
してあげないといけないと思って。

だから 会いに来ました。

ちょっと 何…。

(奈緒子)来ないで!

(奈緒子)出ていって!

それを下ろすんだ。

津本さんとの時間は
私にとって大切なの。

だから 出ていって!

さあ 始めましょう 津本さん。

奈緒子さん…。

もう やめてくれ。

やめる…?

今の君は 僕には もう必要ない。

(奈緒子)
何言ってるの? 津本さん。

あなたは お姉ちゃんより
私を認めてくれたじゃない…。

(奈緒子)それが嬉しかった…。

♬~

ケアしても ケアしても
みんな死んでいく…。

悩んで… 我慢して 苦しんで
死んでいくの。

だったら 心の向くがままに
生きればいいのよ!

♬~

それに気づかせてくれたのが
津本さんだった。

(奈緒子)私のカウンセリングを
受けたあとの津本さんは

生き生きしてたから。

だから 他の人にも
そうなってほしくて

私は みんなを解放した。

私の力で!

♬~

(瞳)もうやめて!

(奈緒子)離して!

(奈緒子)ああっ… うっ…!

(奈緒子)イタッ…。

♬~

今夜は もう
帰って頂いても大丈夫です。

♬~

先生?

(瞳)多くのクライエントたちの
心を治療してきたつもりなのに

好きな人の悩みにも気づけず

30年一緒にいた妹の事も
何もわかっていませんでした。

先生は 今まで
大勢の人を救ってきたはずです。

これからも 先生の力を
必要としている人がいます。

今は 自分自身を救ってください。

先生が人の力になってきたように

津本さんも
先生の力になってくれるはずです。

♬~

私は 救ってあげたかったんです。

碓氷さん…。

私がした事は犯罪なんですか?

♬~

♬~

あなたの行為によって
命を奪われた人たちです。

犯罪者となった人たちも
あなたが何もしなければ

自分自身の心の闇と向き合って
生きていたはずです。

♬~

多くの人の人生が狂わされた…。

その人を
大切に思っている人たちの人生も。

カウンセラーでありながら

自分自身のコントロールを失った
あなたのせいで…。

あなたは 多くの人を
助けられたはずなのに…。

それが 私は残念でなりません。

私は人を救った。
誰も救ってない。

救った!
違う!

救って私も救われた!
あなたは向き合う事から逃げた!

弱い自分を肯定するために

多くの人の人生を破滅させただけ。

自分の人生も含めて…。

♬~

欲求を解放されても
人間は救われない。

理性を持って 時に我慢もするから
人間なんだ。

♬~

どのクライエントよりも
助けを必要としていたのは…。

君だよ。

♬~

はあ…。

(鈴木)おう。
(高木)自供は?

取れた。

そうか! ご苦労さん。

(嶋田)罪状は どうなるんですか?
(鈴木)ああ…。

まあ 殺人の間接正犯って事に
なるだろうな。

それで起訴できるかどうかは
検察次第だ。

送検されたクリニックの患者たちは
どうなるんですかね。

罪に問えるんですか?

実行犯は実行犯だからな。

でも
水沢奈緒子の誘導がなければ

犯罪の衝動は理性によって
抑えられていたはずだ。

…となると 情状酌量の余地は
あるかもしれんな。

はい。 ですが
前例がないだけに どうなるか…。

(梨田)長い夜でしたね…。

♬~

まったく… 奇妙な事件だった。

篠宮… 碓氷さんに
暗示でもかけられたみたいに

成長して戻ってきました。

フフン…。
まあ それは結構だけど

遅くない? あいつ。

なんで 先輩を待たせるかね?
あいつは。

本当に ごちそうしてもらって
いいんですか? 申し訳ないです。

まあ 捜査協力のお礼って事で。
うん…。

俺 おごるの好きなのよ。
えっ?

本当ですか?
遅れて すいません。

すまなそうに
見えないんだけど。

すいません。
ネットのグルメデータベースで

5.0を獲得したお店は 向こうです。

ハハッ…。

あいつにさ 言っておいて。

たまには 愛想良く 笑顔作れって。

まあ 君とは逆だけど。

はい。

碓氷さんは
本当に不思議な方ですね。

俺が? 別に何もしてないけど。

それが不思議なんです。

意味わかんねえ。

(ドアの開閉音)

♬~

(瞳)ごめんなさい。

(瞳)お姉ちゃんね

これからも 奈緒ちゃんと
生きていきたいって思ってる。

あのさ この間
急に電話した件なんだけど…。

ああ…。 あなたって不思議ね。

こっちが考えてもいない事を
一人で悩んでる。

また不思議かよ。 意味わかんねえ。

また?

いや…。
フフッ…。

ニュースで見たけど
変わった事件だったみたいね。

結局 なんだったの?

君の口が堅いなら

差し障りのない範囲で
話してもいいよ。

口は堅いわよ。 刑事の妻だから。

じゃあ 夕飯のあと
飲みながら ゆっくり。

フフッ…。
フフッ…。

♬~(ピアノ)

♬~(ピアノ)

♬~(ピアノ)

フフッ…。
フフッ…。

よし…。

(喜子)走っちゃって。
ついつい 小走りになっちゃうよ。

(喜子)フフフフ…。

♬~