ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

昭和元禄落語心中 第7話 山崎育三郎、大政絢、岡田将生、竜星涼、成海璃子… ドラマの原作・キャストなど…

『ドラマ10 昭和元禄落語心中(7)「昇進」』のテキストマイニング結果(キーワード出現数BEST10&ワードクラウド

  1. オイラ
  2. 松田
  3. 小夏
  4. 師匠
  5. 与太
  6. 落語
  7. アネ
  8. 真打
  9. 父親
  10. 与太郎

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『ドラマ10 昭和元禄落語心中(7)「昇進」』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)&EPG情報(出典)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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dramalog.hatenablog.com 

 

 

ドラマ10 昭和元禄落語心中(7)「昇進」[解][字]

助六とみよ吉の事故死から長い歳月がたった。八雲は老いてなおその芸は美しく、落語界で孤高の地位を保っていた。弟子・与太郎二ツ目になり独立、真打昇進の話が始まる。

詳細情報
番組内容
助六(山崎育三郎)とみよ吉(大政絢)の事故死から長い歳月がたった。60代に入ったかつての菊比古、今の八代目有楽亭八雲(岡田将生)は老いてなおその芸は美しく、落語界で孤高の地位を保っていた。そして八雲の唯一の弟子・与太郎竜星涼)は二ツ目になり独立。養女である小夏(成海璃子)も八雲の家を出てひとり暮らしをしていた。そして与太郎に真打昇進の話が持ち上がってきた頃、小夏が一同の前で衝撃的な報告をする。
出演者
【出演】岡田将生,山崎育三郎,竜星涼成海璃子大政絢
原作・脚本
【原作】雲田はるこ,【脚本】羽原大介
監督・演出
【落語監修】柳家喬太郎
音楽
【音楽】村松崇継

 


お元気でいてください。

♬~
(拍手)

(与太郎)大先生!

(松田)ちょっと…!
やっと会えた~!

刑務所 出たら 今までに見た
一番偉ぇ人に付いていこうって決めてた。

俺には 他に居場所も
生きる道も ねえんだ!

(小夏)殺してやる! 仇討ちだよ!

父ちゃんは… 有楽亭助六
お前が殺したんだ!

(八雲)ひとつ お前さん方に
話して聞かしてやろうか。

あの人とアタシの約束の噺をさ。

(助六)今日から 俺は
おめえの兄貴分でい!

二人で 落語が生き延びていく道を作る。
そいだけは約束しようぜ。

(みよ吉)今度 会う時は… 地獄ね。

おめえの代わりに 俺が付いてってやる。

コイツひとり 地獄にゃ落とせねえ!

なら アタシも
連れてけ! ダメだ!

すまん 坊…。 頼んだよ。

(みよ吉)この子 お願い…!

♬~

師匠 すいません!

どうしたい 急に起きて。

53億円もらう夢でも
見たかい? 53億円?

知らないの? ゴッホの「ひまわり」
日本の企業が落札したんだってさ。

ふ~ん ひまわりは
夏に咲くから いいんだ。

年中 咲いてる ひまわりなんて
味気ねえだろ。

ハハハッ はい 終わったよ。

サンキュー。
さっぱりしたね~。

あ~ 今日は 師匠に
わびなきゃいけねえことが あるんだ。

あっ そういやさ 来年 真打
ほぼ決まりなんだって?

それだよ! それで
わびなきゃなんねえことが あるんだ!

(松田)協会からの電話は
なんだったんですか?

会長をやってくれって…。

あら~ それは おめでたい。

ああ… 先代に
良いご報告ができますねぇ。

年寄りになったってことさ。

アタシは ちいとも変わらねえのに
立場ばっかり変わっちまって。

あの与太郎さんが
いよいよ真打ですもんねぇ。

入門から10年 あっという間でしたねぇ。

あれが真打の時代が来るんだから
世も末です。

二ツ目になって
1人暮らし始めてからも

マメに 顔 出してくれるんで 助かります。

はぁ~ それに ひきかえ お嬢さんは
なかなか顔を出してくれませんねぇ。

好きにするさ。

♬~(与太郎の歌声)

(萬月)なんだい その頭は。
おっ?

おっ… 兄さん! 聞きに来てくれたの?

テレビのレポーターの仕事が 浅草で。
ちょっと寄っただけ。

あっ 兄さんも
もっと 寄席に出て下さいよ。

協会に籍は残ってるけど 僕は もう
噺家は ほとんど やめてるようなものだ。

入りは どうだい?

今日は 満員にしてやります。

ここら辺りじゃ
ここ一軒だけになっちまったからなぁ。

オイラが前座のころは
まだ 何軒か あったのに…。

(萬月)おやじが生きてたころは
もっと良かった。

まっ 今どきのお客は
30分一席の落語で なんべんか笑うより

10組の漫才を見て
ひゃっぺん笑いたいんだ。

君だって テレビ
ちょいちょい出てるじゃないか。

いっそ 本格的に テレビに来ちゃったら?

オイラ 師匠と約束しちまったんでぇ。

落語は 絶対 なくならねえ。

兄さんこそ いつでも
落語に戻ってきて下さい。

(拍手)

よっ 日本一!

真打昇進 おめでとう!

やめて下さいよ~!
先走って 言いふらしちまったのが

師匠にバレたら…
あ~ 怖い 怖い 怖い 怖い 怖い!

先手打って このあと
わび入れに行くんですわ。

だから この頭にしたんすよ。
今さっき 床屋 行ってね。

(イネ)与太郎ちゃんが いつの間にか

寄席に客を呼んでくれる
芸人になったねぇ。

(アキコ)テレビでも人気が出て
二ツ目で客が呼べるの

与太郎さんぐらいですよね。

(席亭)ここんとこ
噺より 漫談でウケてるがな。

(2人)確かに。

ねっ そうだろ?

与太! 名前は どうすんだい?
九代目八雲かい?

やめて下さいって!

あれ? でも オイラ そんなに
言いふらしちゃいないんだけどねぇ…。

ここいら みんな知ってんだから
やんなっちゃうよ~。

そうだよ オイラ たった一人にしか
言っちゃいないんですよ。

誰にだって? そりゃあ…

世話になった人に。

名前というのは大事なもんで
子供が生まれる 名前を付ける。

どういうふうに
名前を付けようかなんてぇのは

いつの時代になっても
頭を悩ますというところでございまして。

(松田)はい 八雲でございます。

師匠 外出は午後からにしませんか。

今 お嬢さんから お電話で
近くまで来ているそうです。

何か… お話がある様子で。

おりゃ!
行け 行け!

真打!
おっ!

若ぇのに すげえなぁ。
おめでとうよ!

御隠居さんたち ありがとよ!

ただいま!
与太ちゃん お帰り。 お昼は食べたかい?

いつも ありがとよ。 今日は いらねえ!

♬~

よし! 師匠のとこ行ってくらぁ!
あら もう?

悪ぃ! いつもの包んでおくれ。
はいよ。 つけでな!

ちょっと待っとくれや。

こぎれいな格好して。

真打だしね
小夏ちゃんに プロポーズかい?

だ~っ! ばあちゃん
そんなこっちゃねえ!

もう… 何度 言えば 分かんの?

オイラとアネさんは
そういうんじゃないの!

まったく…。

大体 アネさんは オイラのことなんか
なんとも思っちゃいねえんだから。

お栄さんに聞いてますよ。
ますます三味線の腕が上がってるって。

うん…。

…で どういう用件だい。

急ぎじゃなきゃ
ちょいと出かける用事が。

長居はしない。 すぐに済ますよ。

♬~

あのさ… 一応 身内みたいなもんだから
報告しとくけど。

師匠! お邪魔します!

≪(松田)なんですって!?

私ね… 子供 産む。

妊娠3か月。

♬~

与太 なんだい その頭は。

えっ? あっ… あっ いや その…。

子供って…?
お前さんにゃ関係ない。

一人で生んで 一人で育てるんだ。
でも アネさん…。

大丈夫。
相手の人は? 父親って…。

言わない。
なんで?

一緒になれねえ訳でも…。
教えない。

結婚なんて 私の性格じゃ向いてないし。

でも どうしても 子供だけは欲しかった。

助六の血を絶やしたくない。

だから 一人で生んで 一人で育てる。

許しません!
一人で育てるなんて 絶対に許しません!

松田さん?
(松田)結婚せずに子供を生む。

まあ それは それで いいでしょう
いや よくない!

よくないけれども
それは それで しかたがないとして

一人で子供を育てるなんてのは
このアタシが絶対に許しません!

でも…。

今すぐ この家に 戻ってきて下さい。

嫌だ! 息が詰まる。

戻ってきて下さいっ!

(松田)八代目とアタシが
お嬢さんが こんな小さいころから

どんな思いで育ててきたか…。

子供を育てるってことが
どれほど大変なことか…。

一人じゃ 心細いことも
手が回らないことも 必ず出てきます。

お願いですから…
お嬢さん お願いですから…!

松田さん 落ち着いて!

戻ってきて下さいよ…!
もう分かったから。

えっ? ほんとですか?

戻ってきてくれるんですね!

あの… 今すぐにですよ!
大事な時なんですからね。

分かった。 分かりました。

でも…。

好きにするさ。

えっ…? それだけ?

松田さん 行こう。

日が暮れちまわぁ。

♬~

ああ… ちょっと待って下さいよ。

♬~

(小夏)アンタは何しに来たんだい?

ああ…。

大体 なんだい この頭。

アネさん! なんで オイラの
真打昇進のこと みんなに言っちゃうの!

みんなじゃないよ お栄さんにだけ。
そうやって 一人だけ一人だけって

結局 みんなに広まっちまうんだろ!
まだ内定だって言ったのに!

(松田)思えば 小さい時分から
ハラハラさせられっぱなしでしたねぇ。

小学校の時ぁ
落語ばっかり ぶつぶつ話して

先生に心配されて。
(笑い声)

中学校で荒れて
高校 行ったら もっと荒れて

家出したり
警察の ごやっかいになったり

何度も退学させられそうになって…。

あの はねっかえりは
言いだしたら 動かねえ。

それより アタシぁ 松田さんの
けんまくの方に びっくりしたよ。

当たり前です。 アタシにとっても
大事な娘さんですから。

だけど どういう訳で
相手の名前を出さないんだか…。

まあ 本人が それを望んでんだ。

女の人も 男と おんなしだけ自由。

今は そういう時代なんだよ。

七代目のころとは
時代が違うんですかねぇ…。

もう何年になりますか。

24年になるよ。

小夏の ふた親と 同じ年だったからね。

そうでしたねぇ。

アタシたちも よく年を取った…。

そうですね。

死んだ者は

もう年を取らねえんだよなぁ…。

♬~

へい お待ち。

♬~

アンタ お茶いれ うまくなったね。

あ~ 松田さんのスパルタのおかげで。

10年か。

お茶いれ 掃除 着物たたみ
踊りに 小唄 三味線。

それから 落語百席 覚えたもんね。

うん…。

あのオッサン 閻魔みたいに厳しいし
情けのカケラもないし。

うん うん。
酒も遊びも止められて。

二ツ目んなったって
自由なんて 一切なかったもんね。

うん うん うん。

おっと いけねえ… 泣くのは まだ早ぇや。

何やっても ハンパだった 元ヤクザが
よくここまで頑張ったよ。

♬~

ねえ なんか落語やってよ。

えっ… 今ですか?
いいから。

じゃあ 何にしましょう?

ざらし
はい。

え~ よく この趣味道楽なんてぇことを
申しますが。

中でこの 釣りが趣味だという方
こりゃあ 大勢いらっしゃいます。

「おお~う!
開けてくれ 開けてくれ~!

先生! 開けてくれ~!

いいんだよ 心得てんだ。 えっ
俺 今 こうやって糸を垂らしてんだろ。

そのうちな 浅草弁天山で打ちいだす
鐘の音が

陰にこもって ものすごく
ごぉ~ん と鳴るんだなぁ。

方への葦が ガサガサガサー
カラスが す~っと出てくりゃ

こっちのもんなんだよ」。

♬「鐘が ゴンとなりゃさ」

♬「上げ潮 南さあ」

♬「カラスが ぱっと出て こらさのさあ」

♬「骨があると さいさいさい」

♬「ほら すちゃらかちゃん
ほら すちゃらかちゃん」

「何があったか知りませんけど
気をしっかり持たなくちゃいけません。

お魚 逃げちゃいますんでね。
あまり この大きな声を出さないように」。

「大きな声を出すな?」。

「何か? 魚に耳があんのか?
魚に耳が!」。

いい声だなぁ。

じゃあ 魚に耳が…。

与太は 大事な真打昇進が控えてんだから
それに集中しな。

アネさん。 オイラ…。

オイラ その子の父親になれねえか?

あっ… もちろん
思いつきで しゃべってるよ。

アネさんにとって
オイラなんて虫けら以下だし

二ツ目の分際で ほざく資格もねえ。
正直 先は なんも見えねえ。

けど 今 この足りねえ頭で考えられる
最善の策だ。

そっからだって 案外
夫婦なんてものは

なってみりゃあ
なれるもんなんじゃねえの?

あっ… あっ いや あの…。


あっ オイラが出ます!

へい! 八雲でございます。

あ~ 松田さん?
おう… おう おう まだ いるよ。

戸締まり よろしく!
あっ ちょっと アネさん!

考えといてね! オイラ 本気だよ!
(戸が閉まる音)

何をって? あっ いや
松田さんは考えなくていいんですよ。

うん。 へい!

♬~

ひょっとして オイラ…

プロポーズしちまった!?

♬~

お前さんも来てたかぇ。

♬~

墓場に出るなんざ 律儀だねぇ。

聞いてたろ?

ついに お前さんも じいさんだ。

♬~

あの子 お前さん方の
どっちにも似てない。

誰の血なんだか 強い子だよ。

♬~

何か しゃべりやがれ! 噺家だろ!

その顔は なんだい…。

老いぼれを笑ってるのかぇ…。

それとも… 怒ってるってぇのかい?

小夏を あんなふうに…

落語を こんなふうに
しちまったことを…。

師匠!

なんだい 与太かい。

師匠 すいやせん…。

真打のこと
ここの坊さんまで知ってやんの。

ああ… 遅かれ早かれだよ。

あと 師匠 もうひとっつ ずっと ずっと
言いたかったことが あるんです。

真打になったら…

助六の名を 継がせて下さい!

お前さん知ってるだろ?
小夏ちゃんのこと。

兄さんこそ どうして?

僕は もう何年も 小夏ちゃんに
お見合いの口を紹介してるんだ。

八代目に聞いたら
勝手にしてくれって言われてるから。

で こないだ また持ってったら
八代目んとこに戻ってるって聞いて

何かあったのかなぁと思って。

私 子供 産むので
もう こういうお話は やめて下さい。

あの… そのことは ひとさまには
なるたけ…。 私は気にしない。

父親は誰? …なんです?

言いません。

びっくりして 心臓 止まるかと思った。
兄さん 気持ちは分かる!

はぁ~ 畜生!
一体 相手は誰なんだ!

与太。

なにしやがった…。
てめえ つかむんじゃねえ。

つかむんじゃねえ…。

♬~(出囃子)

(拍手)

待ってました!
待ってました!

よっ 八代目!

♬~(出囃子)
(拍手)

(拍手)

え~ もう一席の間 おつきあい願います。

寄席の空気が まるごと変わった。

「やだ やだ
弱っちゃったなぁ どうも。

仕事はねえ 銭はねえから

借金まみれでもって
にっちもさっちもいかねえや。

また 嬶が やいのやいの
うるせえからなぁ。

いっそのこと死んじまおうかな」。

動いて しゃべるだけで
こんなに人を満足させる。

噺家の夢だ。

みんな こんな存在になりたくて
日々 精進してんだ。

(萬月)噺家は老いてからが花だと
言うけれど

間違いなく
八代目は 今が 一番お美しい。

「おせえてやろうか」。

「なんだい てめえは」。

「死神だよ」。

相手は アネさんの妊娠を
知ってんですかね?

一体 誰なんだ!
死ぬほど… 妬ましい…。

兄さん おかみさん いるじゃないですか。

それと これは 別! 小夏ちゃんは
落語界のプリンセスなんだ。

どこの誰だか知らないけど 探し出して
きっちり 責任 取らしてやる!

このままじゃ
小夏ちゃんが かわいそうだ。

そうです 私も同感です。

でも まあ… ひょっとしたら
父親じゃない誰かと

これから巡り合って 結ばれて
幸せになれるかも。

そんなこと なかなか ないぞ。

そうですよ。
そんな 自分の子でもない

誰の子かも分からない子を
引き受ける男なんてぇのは…。

(萬月)よっぽど人間のできた
大物じゃないと

そんなことで 幸せになれるわけがない。

(お栄)与太ちゃんに プロポーズされた?

うん…。
どうすんの?

ありえないよ 与太となんか。

そうだよねぇ…。

でも もうすぐ真打だし 優しい子だし。

そういうやつだから 思いつきで
そう言ってくれたんだろうけど。

それから何も言ってこないし。

私の わがまま勝手に
与太を巻き込んだりできないよ。

嫌いじゃないんだろ? 与太ちゃんのこと。

どっちかって言や 好きなんじゃないの?

まあ… どっちかって言や。

真剣に考えてみたら?

とにかく…
私は お父ちゃんが好きで 落語が好き。

それしか ないんだ。

大人になるにつけ
夫婦ってのが どういうもんなのか

母親ってのが どういうもんなのか
さっぱり分かんない。

ただ 父ちゃんの血を…
助六の血を絶やしたくないだけなんだ。

そんなイカれた女を
背負わせるわけに いかないもん。

誰なの? その子の父親は。

正直 ほれたはれたじゃなかった。

子供が欲しかったんだ。

何度 聞いても
父親の名は言わないんだねぇ。

分かった もういい。

♬~

アンタ ひょっとして…。

助六の名を継ぎたいって言ったのか?
へい。

で 八雲師は なんて?
僕も詳しくは知らんけど

亡くなった兄弟弟子の名前で
おつらいんじゃ…。

オイラも すぐに許可を頂けるとは
思ってなかったんすが。

助六の名を 継がせて下さい。

好きにしな。
えっ… いいんですか?

名前なんかより 芸だよ。

お前さん そろそろ 手前の落語ってのを
見つけねえと。

てめえの全てで 落語と向き合うんだ。

向き合ってんなら
歯 食いしばって 続けるこった。

眉一つ動かさねえで 「好きにしろ」って。

有楽亭助六といったら
昔は 熱烈なファンもいたけど

知ってる人も
もう少なくなってるしなぁ。

少しの写真と 少しのレコード
それが全て。

死んじまったら
もう しゃべれないからな。

正直 言うと オイラ
チンピラあがりだし…。

前は ヤクザの使いっ走りで
街のゴミですからね。

与太郎で ずっと よかったんすけど。

与太郎で真打は まずいだろっていう
意見もあるらしくて。

他に いい名前も ねえし。

昔のことなんか気にしなくていいよ。
噺家なんだから。

まあ 誰かと結婚しようってんなら
話は別だけどな。

うん?

いや… やっぱり 結婚とかってなると
よくないんすか?

まあ そら 一般的には…
えっ? 君 結婚 考えてんの?

あ~ いや いや いや…。

でも… まだまだ駆け出しで
元はヤクザで 入れ墨 背負ってるって

ろくな男じゃないですよね。

あっ いや 例えば… 例えば

お見合いするんだったらとか。
そらぁ 無理だなぁ。

えっ お見合い? すんの?
いや いや いや いや!

兄さん 今夜は飲みましょう!

おう! 僕も 小夏ちゃんのことで
むしゃくしゃしてんだ!

よ~し 今夜は
兄さんの おごりだ! おい!

いよっ! テレビ大明神!
兄さんは どうせ すぐ潰れるし。

こら! 君だって
酒は めっぽう弱いくせに!

へい!

いよっ!
へい!

さて よいとこらせ~。

♬~

あぁ~!

♬~

さっさっさ~!

(ばあちゃん)与太ちゃん!
与太ちゃん 起きなよ。 お客さんだよ。

相変わらず汚いねぇ。
掃除してくれる娘もいないのかい?

お栄さん…?

ごめんね 真打の件
つい 床屋のじいさんに しゃべったら

みんなに知れ渡っちゃって。

師匠に わび入れたんだって?

頼むよ~ 噺家も床屋も しゃべるのが
仕事みてえなもんなんだから。

えっ?

ところで 小夏は どう?

もう休みなって言ってんだけど
動いてる方がいいって聞かなくて。

ちょいちょい 師匠んとこで
小夏と会ってんだろ?

えっ? あっ いや…
ちょっと ここんとこ…。

(ため息)
やっぱりダメか…。

なに?

なんでもない。

そりゃそうと アネさんの
おなかの子の父親って…。

さあ… あの子が言わないんだから
私から言えるわきゃないだろう。

…ってことは 知ってんですか?

いや… 知らない。

あっ…! 知らないねぇ。
知ってんすね!

知らないよ!
…かもしれないって思うだけで。

誰っすか!? その「かもしれない男」
オイラの知ってるやつですか!?

年上ですか? 年下ですか!?

まあ どちらかといえば… 年上?

年上… どのぐらい?

かなり?
どこのどいつっす?

けっこう身近にいる。
オイラの? けっこう身近に?

まさかだと思うだろうね。

まさか?
オイラが まさかだと思う相手?

かなり年上で けっこう身近にいて
まさかだと思う…。

もうよしな。
アンタだけは知らない方がいい。

なんで?

<年上… 身近… まさか…>

♬~

<年上… 身近… まさか…>

(松田)あ~ 与太郎さん いらっしゃい。

そんな所で何を?
あっ いや…。

お嬢さんも いらっしゃいますよ。

与太郎さんが いらっしゃいました。

♬~

ありがと。

<かなり年上で けっこう身近にいて

まさかと思う…>

なにボーッと突っ立ってんの?

松田さん! 松田さんなんでしょう?

そうなんでしょう!?
えっ なんの話です?

アネさんの おなかの子の父親

松田さんなんでしょう!?

大丈夫ですか?
えっ…?

えっ? 違うの?
違うよ バカ野郎!

どうも すいません…。

…ったく とんだ与太郎だよ ほんとに。

じゃあな!

アネさん!
あっ?

アネさん オイラ 本気だから。

本気だから さっきみたいに
みっともなく空回りしちまうんだ。

こないだ言ったこと 考えといて下さい。

ダメだったら ダメって
今 言って下さい。

♬~

与太…。
あっ いや…!

こ ここ… 心の準備がっ…。

やっぱり 今は言わないで!

そんなことより 今は稽古だろ!

オイラ… オイラ 絶対 真打になるし

必ず 父親に ふさわしい男になるんで!

サイナラ!

♬~

何 言ってんだい この丸太ン棒めぇ!
丸太ン棒めぇ!

何 言ってんだい この丸太ン棒めぇ!
あっ…。

≪☎

≪(ばあちゃん)与太ちゃん 電話だよ。

は~い!

はい 有楽亭与太郎です。

えっ…? 週刊誌?

アタシら 前座のころから
み~んな知ってたけどねぇ。

(アキコ)有名になると
こういうことも あるんですね。

(イネ)別に なんにも
悪いことなんざ してないのに…。

(アキコ)与太郎さん
どうなっちゃうんでしょう…。

(漫才師たち)おはようございま~す。

この度は お騒がせしちまって…。

気にすることはねえよ。
そうだ そうだ いい勲章だよ。

ありがとうございます。

八雲師まで 仕事のキャンセルが
出てるらしいよ。

イメージダウンには違いないですからね。
そういう時代だからなぁ。

(アマケン)見たよ これ。
やめてくれよ!

寄席じゃ みんな知ってんのに
なんで 今頃…。

テレビでも売れ始めているし
まっ 有名税というやつでしょ。

芸も無いのに 妙に 悪目立ちが
過ぎるからですよ。

なんだと…!
おっと… 八つ当たりは やめたまえ。

いらだちの原因は これだけではないはず。

君は 今 落語でも行き詰まっている。

八雲師 そして 助六の影響が強すぎる。

ところが 中途半端で
どちらの本質にも迫っていない。

あまたの落語を聞いた者として
断言しよう。

君は まだ 自分の落語が無い。

(アマケン)名人の弟子の 永遠の宿命だね。

いや 二ツ目までは それで許されるが
真打になるなら

それ以上のものを
見せてくれなくてはねぇ。

こんな記事で 落語自体が侮辱されるのは
僕も記者の端くれとして不愉快だ。

それに 君の昔のことについて
とやかく言うつもりはない。

ただ 一点。 八雲の名前に泥は塗るな。

お話しすることは 何もありませんよ。

全部 昔っから知ってることです。

ええ 何も変えませんよ。

芸のこたぁ別の話ですが

協会も席亭の皆さんも
納得して決めてることですから。

好きなように書いて下さって
けっこうです。

アタシぁ 何も困りませんから。

父親に ふさわしい男ねぇ…。

♬~

出かけるよ。

変な電話や記者が来るといけねえから
家にいてくれるかい。

はい。 あの でも… どちらに?

お疲れさまでした。

本当に申し訳ございませんでした!

♬~

君 大変な時に なんだけどね。

兄さん…。

分かったよ 小夏ちゃんの子供の父親。

えぇっ!? 誰なんですか?

小夏ちゃんの 昔の女友達と

お栄さんの店のやつにも
聞いたんだけれど

恐らく…。

もしもし。

来てるよ あの人。

今夜 八雲さんと会うんだって。
アンタ 知ってた?

ううん 知らない…。

♬~

≪失礼します。

今 いらっしゃいます。

♬~

(組長)師匠 待たせたね。 ハッハッハッ…。

ご無沙汰しちまって… お元気そうで。

師匠も 元気そうで何よりだ。

あっ…。

小夏は どうしてんですか?

オイラが昔いた組の… 組長?

間違いないだろうって。

親分 小夏が妊娠してんですよ。