ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

昭和元禄落語心中 第6話 岡田将生、山崎育三郎、大政絢、かたく… ドラマの原作・キャスト・音楽など…

『ドラマ10 昭和元禄落語心中(6)「心中」』のテキストマイニング結果(キーワード出現数BEST10&ワードクラウド

  1. 落語
  2. 小夏
  3. アタシ
  4. お前さん
  5. 助六
  6. 父ちゃん
  7. 東京
  8. 前さん
  9. 全部
  10. 一人

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『ドラマ10 昭和元禄落語心中(6)「心中」』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)&EPG情報(出典)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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dramalog.hatenablog.com 

 

 

ドラマ10 昭和元禄落語心中(6)「心中」[解][字]

菊比古は助六と四国で再会。助六とみよ吉との間にできた娘・小夏とともに、助六に東京に戻って落語界に戻るよう説得する。だが助六は頑(かたく)なに断り続ける。

詳細情報
番組内容
有楽亭菊比古(岡田将生)は助六(山崎育三郎)と四国で再会した。菊比古は、助六と芸者みよ吉(大政絢)との間にできた娘・小夏とともに助六に東京に戻って落語界に復活するように懸命に説得する。だが助六は頑(かたく)なに菊比古の誘いを断り続ける。粘る菊比古は四国で落語会を行い、助六をまずは落語の高座に復帰させようとする。助六は落語をやりたい気持ちもあり葛藤する。その落語会の夜、菊比古の前に、みよ吉が現れる。
出演者
【出演】岡田将生,山崎育三郎,大政絢
原作・脚本
【原作】雲田はるこ,【脚本】羽原大介
監督・演出
【落語監修】柳家喬太郎
音楽
【音楽】村松崇継

 


(助六)坊… 坊!

お前さん 変わらねえなぁ。

(菊比古)お前さんは… 相変わらず臭いよ。

♬~

なんも ねえとこだけど くつろいでくれ。

なかぁねえだろ。 よくもまあ こんなに…。

アレが出てったら このありさまで。
ひでえ時 来たな おめえさんも。

どこ行ってんだい あの人は。

仕事だよ。 もう3日も帰ってこねえ。

言いてえことは 山ほどある。

けど 全部 飲み込んで こいだけ言うよ。

東京へ戻って 落語をやりなさい。

忘れた あんなもん…。

落語ってやつには 愛想を尽かした。

客も みんな忘れてらぁ。

嫌だ やりたくねえ。

八雲と助六ってぇのは
相当 因縁深い名前だ。

助六が 八雲の名を継げば
何よりの供養になる。

なあ 兄弟 ずっと夢だったんだろ。

うるせえ! 帰れ 帰れ 帰れ!

俺は 全部 捨ててきたんだ!
どうして まだ構うんだ!

必要だからだ。 お前さんの落語が。

子供の時分から
ずっと そばで聞かされて

まねして
目指して できなくて 諦めて…

羨ましくて 羨ましくて
嫉妬で焦がれたこともあった。

大っ嫌いになって 否定したこともあった。

いいのも悪いのも あらゆる情を
お前さんの落語から もらった。

アタシは…

お前さんを取り戻したいんだ。

アタシの落語のために。

落語界のためでも お客のためでもねえ。

アタシのために やれって言ってんだ。

≪小夏さん 話がある。 こっちへ おいで。

お前さんが東京に戻るって言うまで
ここに居座るよ。

その前に 徹底的に掃除だ。
小夏さん お前さんも手伝いな。

助六 今 借金は?

おい お前 そんなふうに
決めつけてもらっちゃ…。

あるのか ないのか。
あります。

これで 全部 払っちまいな。
身ぎれいになったら職探し。

よかったなぁ
借金 全部 返してくれるってよ。

働いて 全部 返してもらうよ。
東京行きの電車賃も ためないと。

その辺で働いて 稼ぎな。
えぇ~?

さあ そうと決まったら 掃除 掃除!

私も手伝う! 私も東京へ連れてって!

寄席で 父ちゃんの落語 見るんだ!

小夏…。

利害一致だね。

ほら 行け 行け 行け!

助六。 なんだ 邪魔か?
邪魔だよ。

邪魔だっつってんだよ。

「やだよ お前と つきあうのは」。

「そんなこと言わねえで
つきあってくれよ」。

伸びをしながら あくびをする。

それを見て 思わず つられて… あ~あ。

おめえさんのせいで
また散財しちまったよ。

悪ぃな。 おう どうだい
父ちゃん 似合うか? 似合う!

似合うってよ。
アタシの見立てが いいんだろ。

父ちゃんが似合うんだよな。
うん!

アタシだよね?
父ちゃんだ。

♬~

(2人の鼻歌)

食べることに集中しなさいよ。

(鼻歌)

うるさいなぁ。

♬~

気持ち良さそうに…。
こっちまで眠っちまいそうだ。

ちゃんと働いてるから
ちゃんと眠くなるんだよ。

アイツにも さんざん
働けって言われてたのに。

いつ帰るんだい?
もう1週間たつじゃないか。

さあな。

坊 お前さん 所帯 持ったのか?

いや… アタシは 誰とも所帯は持たない。

そんなの アイツが聞いたら 大ごとだよ。

どういう意味だい。

アイツには やっぱり
お前さんしか見えてねえんだよ。

間違えちゃいけねえぜ。

小夏が生まれて
俺たちは 楽しく暮らしてる。

全部 俺が悪ぃんだ。

小夏に落語を聞かせてやるようになって
小夏は喜んでくれるんだが

アイツは とんでもなく怒りやがって。

なぜ?
知らねえや…。

帰ってきたら
アタシからも話してみるよ。

親子三人で東京に行こうって。

もう寝るよ。 お休み。

どうも お呼び立てしてしもて。
亀屋の主人です。

いい座敷ですね。

どうやろ ここで
落語会やって頂きたいんやけど。

落語会…?

どうですやろ?

やらせて下さい。

よう。

(みよ吉)少し こぎれいになったじゃない。
何かあった?

このところ 真面目に働いてんだ。
宿屋の風呂掃除したりしてよ。

どういう風の吹き回し?

落語をやりゃあ
もっと稼げるはずなんだけどなぁ…。

冗談でぇ。

とにかく ちゃんと働いて
金も ためるから

また 三人で 一から やり直そうぜ。

アイツは こんな田舎にまでは
来やしねえよ。

坊 おめえさんも入っちまえよ。

アタシたちは 客じゃないんだよ。
かてえこと言うなよ。

おっ。
なんだよ。

(助六が口笛を吹く音)
やめろよ。

♬~

初めて会った日 覚えてるか?

お前さん 風呂で
ビィビィ ビィビィ 泣きだしてよ。

忘れたよ。

なあ 坊。 たまにゃ
泣き言ぐらい言ったらどうだい。

♬~

小さい席で落語やるってのは
楽しいもんだねぇ。

今まで こんなふうに思ったことなかった。

そりゃ 客が よく見えるからだ。

おめえは
ずっと一人でいいなんて言うけど

落語なんてもんは
一人じゃ 絶対できねえ。

客が ちゃんと欲しがってくれて

それに キッカリちょうどの 多すぎない
少なすぎもないワリをくれて

それに ちょうどよく見合う形の
とびっきりいい芸を返して

お互い気持ちよく取り引きをする。

そんな落語やるためにぁ
客の姿が しっかり見えてねえと。

そこまで分かってて
どうして やらねえんだ?

あの人のためかい?

間があいて 怖くなっちまってるだけだ。

亀屋の大旦那に頼まれて
大広間で落語会をやるんだ。

へぇ~ そりゃ稼げるね。

お前さんも出る 二人会だ。

俺ぁ 聞いてねえぞ。
俺ぁ 絶対やんねえからな!

借金も返してもらわないと。 お先。

ちょっ… 待てって!
おめえ ずりぃぞ おい! ちょっ…!

♬~

早いね。

ずいぶん髪が伸びたね。

切ってくれる人が いないんだもん。

昔は おとっつぁんの髪も
よく切ってやったもんだ。

お母ちゃんのこと さがすの?
どうしてだい?

あんなやつ いない方が
幸せなんだ…。

ひでえ言いようだなぁ。
大っ嫌い!

父ちゃんがダメになったのは
あの人のせいなんだ。

落語をやらせないのかい?

落語を聞くと
嫌なこと思い出すんだって。

それに 母ちゃん
人生を間違えたって いつも言う。

きっと 私を生まなきゃよかったって
思ってんだ。

憎まれ口ばかり たたいてると
美人も台なしだよ。

♬~

おっかさんのように きれいな女の人が
聞いててくれるからこそ

落語やってる方だって
張り合いが出るんだ。

寄席なんてぇのは 浴衣一枚 羽織りゃ
気軽に入れるとこだけど

そいでも 帯は お太鼓にして
髪も しどけなく結って

寄席にいてくれりゃ
なんとなく華やぐんだ。

その辺の芸人は みんな舞い上がって
いつもより いい芸ができる。

はい 出来上がり。

きれい?
うん。

じゃあ やってよ。
うん?

きれいな女の人のために。

どこに そんな人がいるんだい?
そうだ 「野ざらし」やって!

なんだって また そんな根多を。

苦手なんだよ…。

え~ どうも 一席 古いところを
おつきあい願いまして…。

まくらは いいよ 早くやってよ。

思い出してんだよ。

「わ~ 開けてくれ 開けてくれ!

先生! わ~!」。

「ちょいと お待ちよ。 ああ… え~
うちの戸は やわに出来てんだから」。

浅草弁天山が打ちいだす鐘の音が

え~ 陰にこもって ものすごく
ごぉ~んと鳴るんだなぁ。

方への葦が ガサガサガサー。

カラスが す~っと出てくりゃ… あ~。

こっちのもんなんだよ。
待ってました!

♬「鐘が ゴンとなりゃさ 上げ潮 南さあ」

(助六 小夏)
♬「カラスが ぱっと出て こらさのさあ」

(助六 小夏)♬「骨があると さいさいさい」

でも むやみに上がるってぇと
角のはえる人なんか座ってんじゃない?

なに言ってやがんだ おめえって女が
来てくれたんだ そんなもの いやしねえ。

じゃ あたし お前さんのそばに行っても
かまわないかい?

いいとも。
そうかい うれしいねぇ。

…ってんで 骨が ツゥーっと来て
俺の脇へ ぺちゃっと座って。

ええ ご覧よ この人
水ったまりに座っちゃったぁ。

でも お前さん あたしゃ 本当に
一緒に暮らしても かまわないかい。

いいとも。
…って お前さんなんだろ。

あたしなんて すぐに飽きてきちゃって

脇に若いのなんか
こしらえるんじゃない?

なに言ってやがんだ
おめえって女が来てくれたんだ。

そんなもの こしらえやしねえ。
うそだ。

そうやって 今まで 何人の女を
だましたんだよ。

俺ぁ 女なんか だましはしねえ。

うそだ 何人目だよ 悔しいねぇ。

コチョコチョ。
ダメだ やめなさい。

コチョコチョ。
バカだね お前 やめなさい。

コチョコチョコチョコチョ。
あら! あっ!

ご覧よ この人… えっ!
魚 釣らねえで 自分の鼻 釣っちゃった。

ちょっと 取ってこれ。
ちょっと 取って…。

なんだ おめえ 笑ってやがんな。
いいよ てめえで取るからよ。

あ 痛… あ 痛っ! あら! あら!
鼻血が出てきちゃった。

ばかばかしくって
話にならないってやつだなぁ。

こんな針で 骨が釣れるかよってんだ。

この人 針 取っちゃった。
ざらしで…。

父ちゃん 日本一!

(小夏)♬「父ちゃんは すごい
父ちゃんは すごい」

助六さん 後生です。

八雲を継いで 落語をなさい。

みよ吉さん 聞きました?
亀屋さんで落語会やるんですって。

これ 旦那さんじゃないですか?

え~?
≪梅春!

はい。 姉さん お先に。

あの唐変木…。

菊さん…。

やっと来てくれた…。

♬~

やらねえって どういう意味だい?

もう チラシも配っちまったし
みんな楽しみに…。 知らねえよ。

俺は もう 落語は
やらねえって決めたんだ。

やったじゃねえか 今日だって。
小夏の前だけだ。

俺ぁ 落語が嫌いなんだよ。
うそだ!

お前さんは 落語なしじゃ生きていけねえ。

アタシが お前さんの落語なしじゃ
生きていけねえのと 同じにね。

お前さんは 落語をやるために
生まれてきたんだ。

違う!

今の俺は… この田舎で 親子三人で…。

(戸が開く音)

やって。
小夏 起きてたのか。

やってよ。 見たいんだ 父ちゃんが
大勢の人の前で落語するとこ。

絶対 見たい!

≪(小夏)ねえ やって。 お願い 父ちゃん!
≪うるせえ もう寝ろ!

≪(小夏)やだ 父ちゃんが
落語やるって言うまで 寝ない!

≪子供は黙ってろぃ!
≪(小夏)寝ない!

≪寝ろ!
≪(小夏)寝ない!

≪寝ろって!
≪(小夏)寝ない!

≪寝ろ!
≪(小夏)寝ない!

≪寝ろ!
≪(小夏)寝ない!

約束だからね。
分かったから もう寝ろ。

絶対だよ。
分かった 分かった。

♬~

助六さん そろそろ始め…。

温泉に遊びに来てるようなやつらに
落語が分かるわけねえだろうが。

いいから 一番太鼓 入れといで。

(松田)助六師匠。

松田さん!?
どうして…。

どうもこうも。 お栄さんに聞いて やっと。

久しぶりだな! 元気だったか?

アタシも 妻をみとりましてね…。

周り見回したら 誰もいなくて
なんだか寂しくなっちまいましてねぇ。

そうか…。
寄席の方々 みんな

助六師匠を待ち焦がれてますよ!
なんべん聞かれたことか!

もう いないとね
灯がパッと消えたみたいで。

おべっかは いいよ。 もぎりでも
なんでも お手伝いしますからね。

さあ もう 逃げも隠れも できねえぜ。
小夏さんも楽しみにしてるんだ。

どんどん どんとこい
どんどん どんとこい。

「ひと間に閉じこもって
本ばかり読んでたんじゃ

かえって こっちは…。
帰ってきた? ああ こりゃよかった。

時次郎かい? こっちへ お入り」。

「おとっつぁん
ただいま帰りましてございます」。

「うん どちらへ行ってなすった。
とうべえン所の稲荷祭に?」。

「ここは
お稲荷さまじゃございませんね?」。

「そうですかねぇ」。

「そうですかねぇじゃございません!
本で読んだことがございます。

ここは 吉原というところじゃ
ございませんか…!

なんで あなた方 アタシを
こういうところに

連れて来るんでございます…」。

≪「アタシの手を ギュウっと握って

離さない…」。

「うだっちゃったよ もう…。

お前 そこでもって
甘納豆 食ってる場合じゃないんだよ」。

「しょうがねえな …ったく
あんなに大騒ぎしたのに」。

「何してんだ しょうがねえな まったく。

じゃあ いいよ 若旦那

あなた モテてんだから
しばらく ここに いらっしゃい。

あっしらは先に帰りますから」。

「あなた方 帰れるもんなら
帰ってごらんなさい。

大門で止められますから」。
(客の笑い)

お先。

いい客だなぁ。
あったけぇけど 悪ウケしない。

旅館の旦那が ごひいき筋に

どういう会かって
よく説明してくだすったんだ。

気負わず気楽に聞いてくださる。
ありがてえなぁ。

おっ。

落語は客が語らすってのは
こういうこった。

坊。

お前さん いい噺家になったなぁ。

俺なんかより ず~っと いいや。

冗談 言っちゃいけねえ。 兄弟子と思って
せっかく トリを譲ったのに。

おっ 今 兄弟子って言ったな?
おめえ ついに認めやがったな!

さあ シャンとして!
この黒紋付 着てりゃあ

誰だって 真打に見えらぁ。

師匠の紋付…
こりゃ 「八雲」だけの替え紋だろう。

師匠の形見に… と思ってね。

持ってきてよかった。 よく似合う。

♬~

(拍手)

(小夏)父ちゃん 頑張れ~!

(拍手)

え~ たくさんの お運びで。

まあ こんなシャンとした格好すんのも
久しぶりでね

中には こちらを ニヤニヤ ニヤニヤ
眺めてんのも ひとり ふた~り?

え~ こう見えてね あたしゃ
東京で落語家をやってまして。

あら 見える? 見えない?

え~ どちらにしても 気分は悪ぃもんで。

東京は芝の浜に
まだ河岸がございました時分のお話で…。

<芝浜… 人情噺か 珍しい>

「あいよ。 なんだよ おい?
まだ夜も明けてねえじゃねえかよぉ」。

「おっどろいた…。

お前さん 堪忍しておくれ。
いっとき早く起こしちまったなぁ」。

「そんなことは どうでもいいんだよ
おい これ見てみろ」。

「財布かい?」。

「浜で拾ったんだい。 中 見てみねえか」。

「お前さん これ 二分金ばかりだよ」。

<酒浸りの日々だった魚屋の勝五郎が
芝の浜で財布を拾って 浮かれていく。

笑わさなくっても
客を引き込みやがる…>

「夢でも見たんじゃないかい」。

「夢? 馬鹿なこと言ってんじゃねえ。

おら おめえ 浜 行って
財布 拾ってよ…」。

「夢かい…」。
(客の笑い)

「おい 夢か!」。

さあ それからは まるで
人が変わったように 一生懸命 働きます。

<今晩の助六は すごくいい。 実感がある>

「俺は つくづく
魚屋になって良かったって…

それ聞いてね… あたし
もう この人 大丈夫…

もう この人 大丈夫だって
そう思ってね

今 お金 出したんだよ…」。

「お前さん ごめんなさい。

堪忍しておくれ」。

「まあ お手をお上げになって。

俺が 甲斐性がねえばかりに

おめえに つれえ思いさしたなぁ。

俺が馬鹿だった。 おめえは悪くねえよ。

俺が悪かった。

勘弁してくれ…」。

「こういう うれしいときにゃ
酒 呑まないといけねえなぁ。

おう ありがとよ。

どうも お久しぶりです」。

(客の笑い)

「本当に いいんだな?」。

「よそう」。

「呑まないのかい?」。

「また 夢になるといけねえ」。

♬~ (拍手)

父ちゃん 日本一!

♬~ (拍手)

♬~

おい そろそろ起きな。

うん?

もう遅いから宿へ泊まってけって

大旦那さんが
あっちぃ 布団 敷いてくだすったよ。

何から何まで世話んなっちまった。

今日は なんだか
日がな夢でも見てるみてえだ。

あんな落語を また できたなんて

神様の ご褒美なんだろうなぁ。

見たか? コイツの顔。

あんなに楽しそうにしてよ。

小夏って いい名前だろ。

春なら 小春 秋なら 千秋

冬なら 小雪だ。

夏の暑い盛りに生まれたから 小夏。

季節は 落語に なくちゃならねえからな。

東京へ戻ったら
みんなで 師匠のお宅で暮らそうよ。

アタシ一人で暮らすにゃ 持て余すんだ。

おめえさん 一人になりてえって
言ってたじゃねえか。

ああ 言ったねぇ…。

確かに 一人で黙々と稽古すりゃあ
それなりに 落語は うまくなるよ。

ただ落語ができりゃいい
ずっと そう思ってきたからね。

けど… ここへ来て
少し 料簡が変わったんだ。

さっきの芝浜を聞いても思った。

人ってぇのは
全て分かり合えるわけがない。

それでも 人は共に暮らす。

取るに足らねえ 詮ないことを
ただ分け合うことが好きな生き物なんだ。

だから 人は
一人にならないんじゃないか。

やっと お前さんと 料簡が合ったな。
そうかぇ?

人生初だ。

よしとくれよ。

助六師匠 お嬢さんも あちらのお部屋へ。

おう 悪いね。

(仲居)菊さん… ですか?
はい。

(仲居)ちょっと
ええでしょうか? 先 行くぜ。

他に お泊まりのお客様に
どうしてもいうて言づかりまして。

(みよ吉)やっと来てくれたのね。
ずいぶん遅いから待ちくたびれちゃった。

(みよ吉)こっち見て。

♬~

会いたかった…。

♬~

迎えに来たんだ。
みんなで東京に帰ろう。

嫌。 私は 菊さんと二人がいい。

なんで…。

あの人は 菊さんじゃないもの…。

♬~

すまねぇ…。

お前さんが
こんなことをしちまったのも

あの人が
あんなふうに なっちまったのも…

全部 全部 アタシのせいだ…。

♬~

(みよ吉)そうよ。

あの人と私 似てるの。

あなたのせいで 人生が狂った人間同士。

♬~

ねえ どうして来たの?

来なけりゃ 何も変わらなかったのに

わざわざ来たのは
何か変えたかったからなんでしょ?

♬~

<ひとりで生きると
あんなに固く心に決めたのに…

なぜ 人の性分は
こうも愚かなのでしょうか…>

♬~

すごく きれい…。

落ちたら大変ね。

一緒に 死んじゃおっか。

待て!

あんまり遅ぇから胸騒ぎがしたんだ…。

死のうなんざ 冗談でも言うんじゃねえ。

来ないで! 何よ いまさら…。

菊さんが来てたの 隠してたんでしょ!

すまねぇ…。

今ので 俺 腹 決めた。

落語は やめて まっとうに働く。

お前と小夏は…

俺の宝だ。

落語をやることで
お前が不安になるってんなら…

あんな浮き草稼業は
捨てたって かまわねえ。

俺ぁ お前らの方が大事だ。

やり直させてくれ!

今日やった 芝浜…。

あれは おめえが いなかったら
できなかった。

もう あれで十分だ。

ありがとう…。

<初めて見る 助六の涙でした>

何よ いまさら…。

なんで そんなこと言うの…。

ユリエ!

♬~

坊 はなせ! おめえまで落っこっちまう!

はなせるわけねえだろ!
待ってろ 今 引き上げる!

うっ…!

ケガして落語できなくなっちまったら
どうすんだ!

知るかぃ!

見ろよ こんなに震えてる。

アンタ… ごめん… ごめんよ…。

おめえの代わりに 俺が付いてってやる。

こいつひとり地獄にゃ落とせねえ!

嫌だ… なら アタシも連れてけ!

ダメだ!

すまん 坊…。

頼んだよ。

やめろ… やめろ…。

やめろ…!

<アタシは また 捨てられました。

甘い夢を見すぎた罰だったのでしょうか>

♬~

♬~

(会長)そうか…

そりゃ 残念なこった。

きかねえ野郎だったが いねえとなると
ぽっかり穴があいたみてえだ。

…で 娘さんは?

アタシが引き取ります。

松田さんが居てくれるので
しばらくは師匠の家で。

そうかい…。

♬~

さておきだ。 今いる人間で
落語界を なんとかしなくちゃならねえ。

八雲 襲名だ。

(会長)今 しねえで いつする。

[ 回想 ] 東京は芝の浜に まだ 河岸が
ございました時分のお話で。

「ちょいと お前さん 起きとくれよ。
お前さん」。

「お嬢さん ぽっくりでございますか。
それは いけませんね。

危ねえから
足元 気を付けてくださいね」。

[ 回想 ] ♬「鐘が ゴンとなりゃさ
上げ潮 南さあ」

[ 回想 ] 「でもよ 雪が積もるってぇと
花が咲いたように見えらぁ。

明るくなったらねぇ
こりゃあ どうも いいもんだねぇ」。

「先生! わ~ 開けてくれい!」。

カラスカーで夜が明ける。

おまんま炊こうと思ったんですが
お米のありかが分かりません。

「居残りを商売にしてるんですよ」。

将来は 名人になる
八代目八雲を名乗る男の初高座。

皆さんね よ~く この顔 覚えといて…。

「また 夢になるといけねえ」。

<落語を 葬り去ろう…

助六に捨てられた今

その助六が恋い焦がれた
八雲の名と共に

落語と心中しよう…。

その時 心底 そう思いました>

上げ潮… 南さあ…。

カラス ぱっと出て…。

骨があると さいさいさい…。

小夏さん 落語は よしなさい。

東京なんて
父ちゃんがいなきゃ意味ない…。

聞きわけなさい。

いいかい これからは
アタシが お前さんの保護者だ。

子供と暮らすなんて 考えただけでも
ゾッとするけど しかたない。

学校までは出してやらぁ。
あとは好きにしな。

アンタが来たから こうなったんだろ!
べらぼうめ!

そんな悪態 どこで覚えた。
父ちゃんだよ。

落語やりたいんなら 出ておいき。

身になるわけじゃなし
騒々しいのは ごめんだよ。

なんでぇ 言いたいことがあるんなら

はっきり言ってみな。

出ていかない。

いつか アンタを殺してやるから。

そんな言葉… どこで覚えた。

母さんだよ。

殺してくれよ…。

せいせいすらぁ…。

<結局 アタシは たった独り

こうして生きていくほかはないのだと

この時分 腹の底から実感したのです>

「命の火を こっちに
つなぐことが できりゃ

今度 これが おめえの寿命だ。

ただ… 消えると死ぬよ」。

<アタシの名は 有楽亭八雲…。

本当の名など とうに忘れました>