ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

遺留捜査 スペシャル 上川隆也、栗山千明、永井大、宮﨑香蓮、益岡徹、梶原善… ドラマの原作・キャスト・主題歌など…

『遺留捜査 スペシャル』のテキストマイニング結果(キーワード出現数BEST10&ワードクラウド

  1. 青山
  2. 天狗
  3. 羽根
  4. 糸村
  5. 青山隆一
  6. トンビ
  7. 市瀬
  8. 仮想通貨
  9. 皆さん
  10. レイア

f:id:dramalog:20181111230802p:plain

『遺留捜査 スペシャル』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)&EPG情報(出典)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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dramalog.hatenablog.com 

 

 

遺留捜査 スペシャル[解][字]

糸村vs天狗vs天才ハッカー!?謎の修験道者が殺害された。遺留品の鳥の羽から、糸村は天狗伝説が生きる山村に辿り着くが、そこでさらなる悲劇が!?難事件の衝撃の真相とは…!?

詳細情報
◇番組内容
滝壺から修験道者の他殺遺体が発見された。背負っていた葛籠の中に1本の鳥の羽が…。被害者は“道慶”こと青山隆一(林泰文)と判明。だが、戸籍を調べると偽名であることが分かる。一体、殺された青山は何者なのか!?一方、遺留品の鳥の羽は40年以上前のトンビのものだと分かる。糸村(上川隆也)は滝壺の上流に“鳶が谷”という地名を発見し、手がかりを求め現地へと向かう。だが、想像以上の山奥で危うく遭難しかけ…
◇番組内容2
そんな糸村を民俗学者・杉田義明(えなりかずき)が救い、周辺唯一の村・つぐは村に案内する。限界集落であるつぐは村には“死者の魂を天狗がさらう”という伝説が残っており、病床の村長・久保田道明(麿赤兒)も天狗の訪れを待っていた。そんな矢先、京都府警のコンピューター内にある青山の捜査資料がハッキングされる!そして新たな犠牲者も発生して…!?複雑に絡み合う難事件-糸村が1枚の羽から解いた衝撃の真相とは!?
◇出演者
上川隆也栗山千明永井大、宮﨑香蓮・益岡徹梶原善甲本雅裕戸田恵子
【ゲスト】えなりかずき麿赤兒山本未來林泰文、やべきょうすけ、山口果林、青山勝、牧田哲也
花王おさむ、今藤洋子、廣田行生一双麻希、ドヰタイジ、西村頼子、田根楽子、池田道枝、北口ユースケ、森口幸音、石田龍昇、潮田由香里、石田大和、木下景翔 ほか
◇脚本
森下直
◇演出
長谷川康
◇音楽
吉川清之

【主題歌】小田和正『やさしい風が吹いたら』(アリオラジャパン
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】三輪祐見子テレビ朝日
【チーフプロデューサー】佐藤凉一(テレビ朝日
【プロデューサー】藤崎絵三(テレビ朝日)、丸山真哉(東映
◇おしらせ
☆番組HP
 https://www.tv-asahi.co.jp/prime-sun/
☆Twitter
 https://twitter.com/iryusousa_tva

 


♬~

♬~

(歓声)

♬~

(読経)

(佐倉路花)遅いわねえ。
いつまで待たせるのよ!

(早川)熊田さん!
もういいでしょう?

(熊田)あとちょっと!
何かが見えかけてるんで!

一人3分までって パンフレットに
書いてあるでしょう!

早く出てくださいよ!

(早川)佐倉さん。

やだ…。 私ったら もう
煩悩 丸出し~! フフフッ。

(物音)

(悲鳴)

ああっ…!

(路花)落ち着いて!

警察が来るまで 皆さん
この場を離れないでください!

早川さん。 ねえ 早川さん。
はい。

緊急連絡用の携帯
お持ちでしたよね?

通報をお願いします。
(早川)はい!

えっ? あなたは…?

京都府警捜査一課 佐倉路花です。

(パトカーのサイレン)

(雨宮 宏)死後2週間前後って
感じですかね。

(路花)もし 水中に
ずーっといたとしたら

腐敗速度は 空気中より遅いわよ。

(路花)「道慶」…。

佐倉さん!

滝行ツアーの参加者さんも
スタッフの皆さんも

遺体と面識はないとの事です。

山伏って 今でもいるんだな。

何よ?

(岩田)佐倉さん。
有給使って

なんで滝行なの?

頭部に打撲痕がある。

殴られたか
どこからか転落した時についたか

あるいは 自殺か…。

自殺はないでしょう。

悟りを開くために
山に入ったんでしょ?

まあ 滝行に来て
死体 見つける刑事は

ここにいるけど。
ハハハハ…。

私が見つけたかったのは
癒 や し!

糸村さん! 現着してたなら
一言 言ってください。

あっ 神崎さん。
ご苦労さまです。

何を熱心に見てるんです?

これ
被害者が背負っていたカゴ…

「背負い」って
いうらしいんですけれども。

その中に入っていたものなんです。

だから?

この背負いの中には 羽根一つしか
入っていなかったんです。

この羽根
一体 なんなんでしょう?

♬~

道慶というのは こちらの
青山隆一さんの事ですよね?

(原口康夫)ええ。
(雨宮)なぜ ここを「本拠地」と?

はい。 道慶上人と私たちは
宗教法人格を持ってませんのでね。

寺でも神社でもなく
本拠地と呼んでます。

この本拠地で 私たちは

道慶上人の奇跡を
目の当たりにしてきました。

道慶上人は
火の上を歩き 水中にこもり

信者の難病平癒や悩みの解決に
ご尽力されたんです。

青山さんには神通力があると
評判だったようですね。

評判ではない。 事実です。

原口さん。 青山隆一さんの…

道慶上人の信者のリストなど
ありませんか?

人は信仰の自由がある。

何人も
それに立ち入る事はできない。

あったとしても
お見せするわけにはいきません。

殺人事件なんです。 ご協力を。

断る!

あんた
手品の種でも探してるのかい?

こちらに
鳥の羽根はありますか?

ないよ。

♬~

(路花)「死後 およそ1カ月」

「死因は
首を絞められた事による窒息死」

(岩田)殺しで決まりか…。

「青山さんの遺体は

滝つぼにある いくつかの川の
どこか上流で遺棄された」

「遺体は下流へ流れ
滝つぼ近くの岩に引っ掛かり

しばらく誰にも気づかれず
水中にあったと考えられる」

ふーん…。

で 青山さんの身辺捜査のほうは?

それが どうも胡散臭いです。

近親者を探すべく
戸籍を調べたところ

青山隆一という人間は
存在していません。

青山隆一は偽名です。

偽名? じゃあ 本名は?
わかりません。

ただ 修験道者として
活動していたのは事実のようです。

1年の半分は
単独で山奥にこもり 修行。

残り半分は
信者たちと 町の本拠地で

病気平癒の祈祷や
悩み相談にのっていました。

寺社には所属していません。

むしろ 寺社からは
敵視されていたようです。

本拠地は 京都府下に2カ所。

それと 青山さんは
私的な住まいとして

分譲マンションを中京区に所有。
一人暮らし。

内縁関係等 家族の存在等は
確認できていません。

(路花)じゃあ まずは
青山さんの身元の確認。

あとは 本拠地の周辺の聞き込み。
(岩田・莉緒・雨宮)はい。

あっ…。

(岩田・雨宮)あっ…。

糸村くんは!?

(村木 繁)糸村さん。
ん?

この羽根は トンビの羽根です!
以上。

トンビ! 山あいや浜辺で
よく鳴いてますね。

ピー ポロポロポロポロ…。

あのね それじゃあね
電話のファクスでしょう!

トンビっていうのはね…。

ピー ヒョロロロロ…。

「鳶に油揚げをさらわれた」の
トンビ!

そんでもって この羽根は
とっても古いものです。

40年くらい前のものです!
以上。

えっ? トンビの羽根って
40年も持つものなんですか?

防腐処理されてたの!

普通だったら あなた
ボロッボロでしょ ボロッボロ!

いいですか?
ここは 科捜研です!

鑑識課でも鑑定できない
凶器や指紋を鑑定する

科学捜査の最後の砦です!

そこに なんですか? あなた!
ピー ポロポロポロポロ… って。

ピーヒョロロ ピーヒョロロ。

防腐処理されていたという事は

この羽根は 被害者である
青山隆一さんにとって

それだけ大事なものだった
という事ですね?

ピー ヒョロロロロロ…。

村木さん? 大丈夫ですか?

最近 キャパ超えすると
瞑想に入っちゃうんです。

えっ…。
これが現場の周辺地図です。

あっ… ありがとうございます
滝沢さん。

ええ… 現場である滝つぼに
流れ込んでる川は

これと これと…。

ん? トンビだ…。
えっ? どこに?

これです。

(綾子)「鳶が谷」…。

ここ ものすっごい山奥ですねえ。
電車もバスも道もない。

ふーん…。 わかりました。
ちょっと見てきます。

…ん? どうやって?

糸村さん 道がないんですよ。
遭難しちゃいますよ!

ありがとうございました。

あの人は そもそも道を 外してる。

(キーボードを打つ音)

♬~

(雨宮)おい!

(雨宮)おい! コラッ…!

コラッ!

(佐々木)やってねえ!
俺は なんも知らねえ!

まだ何も聞いてねえだろ!
いやいや いやいや…。

まだまだ 残暑厳しいねえ。

暑いから 茶ぁしばこう。
冷コー飲もう 冷コー。

来い オラッ!

青山隆一…。

30年近く前だ。

うちの組の傘下の半グレを
仕切ってた男。

二十歳そこそこでな。

へえ~。 二十歳そこそこで。
そりゃ相当なワルだなあ。

ただのワルじゃねえ。

ここが良かった。
ものすごく切れた。

まともな世界にいりゃ
一廉の大人物に大出世した男さ。

青山隆一さんっていうのは
そんなに すごかったんだ?

なあ デカさん。 馬 好きか?

えっ?

野生の馬は群れを作る。

1頭が走り出すと
残りも走り出す。 競争だ。

先頭に立つ馬は いつも同じ。

必ず先頭に躍り出て
群れを率いて突っ走る。

それが 青山隆一って男だ。

お前さんにとって
青山隆一っていうのは

憧れの的だったわけか。

(雨宮)ほーら ほらほらほら…。
悪い 悪い 悪い!

人の心に土足で入るとこ
あるからさ この人。

なっ? オラッ!

で 半グレの頭を張ったあと
青山さんは どうした?

抜けたよ! そのあとは知らねえ。

(りさこ)元々 青山くんは

東京だか千葉だか埼玉で
父親と二人暮らしだったそうよ。

それが 中学生の時

父親が 勤めていた倉庫の火事で
焼け死んで

流れ流れて京都に来たの。

東京か千葉か埼玉…。

管轄外か。 でも なんで
京都へ来たんだろうな。

こっちに親戚がいたとか?

知らないわ。

ママ。 青山さんの本名
ご存じありませんか?

昔の半グレ連中も組関係も
知ってる人間 一人もいなくて。

裏社会に本名いる?

戸籍だって売買できる世界よ。

倉庫の火事…。

岩田さん
俺 東京に出張してきますわ。

それが近道かもな。

道慶上人の信者の数ですか?

さあ…。

では お布施の額とか
決まりはありますか?

お願いですから
静かに喪に服させてください。

道慶上人を失った
私たちの悲しみを

わかってください。

すいません。
捜査ですので どうかご協力を…。

(ため息)

♬~

♬~

ああ 抜けた。 はあ…。

えーっと…。

ありゃ?

(鳥の鳴き声)

(物音)

クマじゃありませんように…。

(足音)

あの…。
(杉田義明)うわっ! あっ あっ…。

(2人)どなたですか?

あっ… 糸村です。

杉田と申します。

いやあ…
想像以上に山深い場所でした。

まるで隠れ里ですね。

(杉田)つぐは村といいます。

鳶が谷で唯一残っている村で
限界集落なんです。

限界集落って お年寄りの…?

(杉田)少子化 過疎化 高齢化で

あと数年で
確実に消える集落の事です。

民族学者でしてね
限界集落を研究対象にしていて

2年前から ここで
フィールドワークしています。

つぐは村の平均年齢は 82歳。
世帯数は 15を切りました。

杉田先生。 この辺りに
トンビっているでしょうか?

トンビ? 糸村さん
トンビの研究者ですか?

えっ? あっ…
すみません 申し遅れました。

京都府警の特別捜査対策室に
所属しています 警部補です。

刑事さん…。

ほぼ遭難してましたんで
助かりました。

そうなんですか。

違いますよ。 今のは
シャレでもなんでもなくて…。

「遭難」に
かけたわけじゃないんです。

「そうですか」という意味の
普通の意味…。

行きましょうか。

ここが つぐは村村長
久保田さんの家です。

久保田さん!
京都学院大学の杉田です。

また しばらくお世話になります。

糸村さん どうぞ。
あっ…。

(久保田道明)村長の久保田です。

(久保田ツカ)お客さんなんて
何年ぶりじゃろ。

刑事さん
困った時は お互いさまじゃ。

自分の家じゃ思うて
ゆっくりしてください。

恐れ入ります。

(久保田のせき込み)

何かお手伝いしましょうか?

なんのなんの。
あともう少しじゃ。

じきに
天狗がさらいに来るからのう。

天狗?

つぐは村では 人が亡くなる事を
「天狗にさらわれる」と言うんじゃ。

つぐは村には
天狗伝説がありましてね。

村の北側の山の奥に
天狗がすんでいて

人の死が近づくと
天狗が山から下りてきて

その魂を さらっていく。

(ツカ)天狗は 魂を

あの北の山の頂の 一番大きな木の
てっぺんに置いてのう。

100年経ったら 魂は また

この村の女の
誰かの腹に宿るんじゃ。

(久保田のせき込み)
ああ…。

大丈夫ですか? お医者様の往診を
お願いしたらいかがでしょう?

余計な事はせんでくれ。
天狗が怒る。

すみません…。

(トンビの鳴き声)

青山隆一さんこと
道慶上人という修験道者です。

この羽根は 青山さんが
大事に持っていたものなんです。

(タエ)山伏なあ…。

山伏が村へ下りてきた事はねえが

これは トンビの羽根じゃねえ。

トンビ よく見かけますか?

(塚田)
鳶が谷っちゅうぐらいやから

そこらじゅうで飛んどるけのう。

(タエ)ピーヒョロロ!
(塚田)そうじゃ そうじゃ。

ありがとうございました。

このトンビの羽根に

何かお心当たりは
ありませんでしょうか?

どんな些細な事でも構いません。

(井口)さーて… オスじゃかのう?
メスじゃかのう?

(森)さすがのつぐは村も
トンビは食わんわ 刑事さん。

(2人の笑い声)

じゃあ。

ありがとうございました。

♬~

♬~

こんにちは。

わあ~! これは すごい!

天然の展望台ですね。

(杉田)あれが北の山。

あの山頂の大きな木が ゆうべ
久保田村長の奥さんが言ってた

天狗が魂を置く木だそうです。

この景色を見てると
人間なんて ちっぽけで

自然の一部に過ぎないんだなと
思い知らされます。

天狗が魂をさらうと その魂は
100年後にかえってくる。

命に対する思いは
昔も今も変わらないんですねえ。

同感です。 限界集落
フィールドワークしていると

消えていく集落にこそ
真実の姿があるように思います。

(トンビの鳴き声)

あっ… トンビだ!

そっちは危ないですよ。

うわっ 危ない! ああ…。

ありがとうございます。

ん? 川だ…。

♬~

(読経)

♬~

糸村は行方不明。 雨宮は東京出張。

報告書はたまる一方!

もう その上
パソコンがフリーズって…。

お願い 動いて!

何? これ。 ええっ…。

♬~

(村木)間違いありません。

何者かが 京都府警の
ホストコンピューターに侵入し

捜査資料や報告書を
かなりの回数 閲覧していますね。

村木さん。
ん?

ハッカー
特対のどんなファイルに

アクセスしてますか?

(村木)修験道者 青山隆一さんの
殺害事件に関するものばかりです。

これは 想像以上に
危惧される事態ですよ 皆さん!

ねえ? 滝沢さん。
はい。

特対のパソコンは
特別にセキュリティーが高く

アクセスするには
特対共通のパスワードの他に

皆さんが各自で設定している
第二パスワードが必要です。

(路花)つまり?

ハッカーの常套手段として

皆さんの誰かと親しくなり
個人情報を収集。

ペットの名前とか
ご両親の生年月日

あるいは
さらにプライベートな事などなど

そこからパスワードを探ったと
考えられます。

んん~。

ここ2~3カ月の間に 皆さんが

個人的に親しくなった
お友達はいますか?

佐倉さん。
何よ?

あなた 滝行ツアーの若い責任者に
科 作ってたな。

やだ…。 私ったら もう
煩悩 丸出し~! フフフッ。

早川くんとは
まだメアド交換しただけで…。

あたしゃねえ あんたたちみたいに
自分勝手でバラッバラの部下

まとめてんのよ! たまには
誰かに癒やされたいじゃない。

それのどこがいけないの!?

逆ギレすんなよ 室長代理。

そういう岩田さんは
どうなんです?

岩田? ないない!
この人ね 恐妻家だから!

うちは夫婦円満なの。 だから
新しい出会いは必要ないわけ!

雨宮! 雨宮 どうなんだよ?

確かにね…。

好青年だし 友達多そうだし
来るもの拒まずって感じよねえ。

(くしゃみ)

神崎 お前は?

いや… 新しい出会いなんて
ありません!

残念ながら 仕事が忙しすぎて。

あっ… 糸村さんは?

むしろ 糸村さんに
友達がいてほしいですけど。

ずばり 500パーセント
人間の友達はいないでしょう!

(綾子)ですね。 村木さん以外
友達はいなさそう。

1千パーセント 友達ではにゃあ!

(トンビの鳴き声)

(キーボードを打つ音)

(村木)待ってろ ハッカー

あなたは
村木を本気にさせました。

お前は もう 逃げられない!

村木さん
今日は もう そのくらいで。

これ どうぞ。

ありがとう。

滝沢さん。

お先真っ暗と言うけれど

お先のお先に
何かが待っているかもしれないよ。

諦めたら
そこで ゲームセットだ!

…って 誰かが言ってました。

お先に失礼しまーす。

えっ? 青山隆一さんの捜査資料が
ハッキングされた!?

このヤマ 普通の殺人事件よりも
深い何かがありそうよ。

で 青山隆一さんの身辺捜査
何か見つかった?

いや… それが まだ何も。

明日 静岡に回ってみます。

こまめに報告 よろしくね。

♬~

(携帯電話の着信音)

はい 佐倉。

おお… 神崎。

青山隆一さんの信者の数は
およそ100人前後のようです。

また 信者とのトラブルは
今のところ なさそうです。

引き続き 聞き込み お願いね。

はい。

♬~

ハッカーを見つけました!

特対への侵入経路を
追跡したところ

見覚えのあるIPアドレス
ぶつかりました。

あっ…。

私が警視庁時代に

サイバー事件関連で
協力を要請した事がある

ホワイトハッカー
IPアドレスでした!

ホワイトハッカー
なんだ それ。

聞いた事あります。
ハッキングによって

悪事の証拠をつかみ
ネットにさらす

正義を自負するハッカー

そのとおり!

このIPアドレス

ホワイトハッカーの北条昇さんが
使っているものでした。

北条昇!?

神崎…。 北条昇の名前に
心当たりでもあるの?

近所のケーキショップの
バイトの男の子です。

(北条 昇)すいません!

僕 北条といいます。

あの…
店で何度か見かけてるうちに

あなたの事が好きになっちゃって。
はい?

付き合ってください!
ちょっと… ちょっと…。

そんな事 突然 言われても…。

僕 絶対 変な奴じゃないんで。

友達から… なら。

告白されたの…。
ちょうど1カ月くらい前です。

神崎。 なんで
その事 昨日 言わなかった?

ド久しぶりに告白されて
我を忘れてたな?

岩田!

神崎。
北条昇の住所 教えて。

はい…。

(チャイム)

北条さーん。 警察の者ですが。

サイバー事件の事で
プロの意見が伺いたいんですけど。

(解錠音)

レイアに何か進展が?

ん? レイア?

北条昇!

(岩田)おーい! おい!

神崎 下だ!
はい!

(路花)開けなさい!
開けなさーい!

北条! 待ちなさい!

♬~

待て!

あっ…。

ちくしょう…。 人手不足だ。
北条を手配します。

(岩田)ちくしょう…。
(路花)ちょっと… ええっ?

(路花)ええ~?

えっ!?

(路花)あっ…。

うわっ… キモッ…。

あーあ…。

佐倉さん。
ん?

(路花)「レイア」…。

(岩田)
なんだ? 「700億円流出事件」?

レイアに何か進展が?

レイアは仮想通貨の名前…。

そういえば
半年前 大騒ぎに…。

(岩田)青山さんの殺人事件と
700億円流出事件

関係があるのか?

♬~

700億円…。

青山さんの本拠地に飾られていた
天狗の掛け軸。

この落款から 黒田先生の
作品ではないかと思いまして。

(黒田)ああ… ハハハハッ。 ええ。

私が 道慶上人…
いや 青山隆一さんでしたか。

青山さんから依頼を受けて
描きました。

妙な事をおっしゃるので
苦労しましたが。

羽うちわの件ですか?
えっ?

美術品 工芸品 彫像まで

本来 天狗の羽うちわの羽根の数は
奇数と決まっています。

5本 7本 11本…。
多いものでは13本とか。

そのとおりです。
しかし 青山さんは

羽うちわの羽根は8本でと
おっしゃるんですよ。

偶数は伝統に反しますから
いったんは断ったんだが

青山さんは
「私は 実際に天狗と会った」

「羽うちわは8本だ」と譲らない。

で 結局 私が折れて
羽根は8本にしました。

僕も 昨日 羽根の数が8本の
羽うちわを見ました。

えっ? どこで?
京都の山奥です。

鳶が谷の限界集落 つぐは村で。

つぐは村の神社の
絵馬に描かれていた天狗の絵

羽うちわの羽根の数が
8本だったんです。

♬~

(ドアの開く音)
ただ今 戻りました。 あれ?

糸村くん!
今まで どこに行ってたの?

鳶が谷の つぐは村という所に。
そのあとは市内に戻って

日本画家の先生のお宅へ
伺ってきました。

佐倉さん。

天狗の羽うちわの羽根の数は
基本 奇数なんですね。

ところが 青山さんの本拠地に
祭られていた天狗の羽うちわも

つぐは村に伝わっている
天狗の羽うちわも

羽根の数が 8本だったんです。

ちょっと 何言ってるか
よくわかんない。

それどころじゃないのよ!

いい? 青山さんの殺害事件には

仮想通貨レイアの盗難事件が
絡んでるの!

仮想通貨レイア?

そう。 その流出した
仮想通貨レイアは

日本円にして
なんと… 700億円。

ふーん…。
確か ありましたね そんな事件。

よいしょ…。
なんですか? その薄い反応。

700億円ですよ!

今から ちょうど半年前よ。
仮想通貨の取引所から

レイアコインが 何者かに
ハッキングされて盗まれた。

(路花)警察は
直ちに この事件を追った。

被害額は 日本円で700億円相当。

ハッキングされた取引所社長
市瀬しずか。

「いちのせ」じゃない。
市瀬しずか 43歳。

その流出騒ぎの1週間後
謝罪会見が開かれたんだが…。

(市瀬しずか)今回の事件は
私どものセキュリティー

もろかったと
言わざるを得ません。

しかし
流出した仮想通貨につきましては

顧客様それぞれの自己責任で

取引所に
預けておられたものなので

弊社からの補填は
一切 考えておりません。

(記者)法律上の問題は
どうなるんですか?

ですから
法律上は問題ございません。

(記者)そういう問題じゃない…。
(しずか)仮想通貨の預け入れは

自己責任です。

(岩田)まあ 実際は
去年 やっと 金融庁

取引所の登録制度を
始めたばかりらしいけどな。

でも 市瀬社長には
道義上の責任があるはずです。

そんな言い方されたら
被害を受けた人たちは…。

だから ネット上に

「市瀬しずかを殺す」と
殺害予告が ずらずら ずらずら。

それで 取引所は閉鎖。

ご本人は 雲隠れ中と。

これがニュースになるや否や

世界中のITのプロたちも
犯人Xを追い始めた。

格好の腕試しよ。

犯人Xを特定できれば
世界中に名を売るチャンス。

中にはね
犯人Xの仮想通貨口座から

その700億円相当のレイアを

今度は自分が盗み出そうと
たくらむ人間もいたの。

北条昇も その一人だったんです。

さっきから
気になっていたんですけど

誰なんですか? 北条って。

あっ… 糸村さんは
いらっしゃいませんでしたっけ?

いい所でしたよ つぐは村。

北条を含む
ホワイトハッカーたちは

ネット上で
犯人Xが流出させたレイアの

その後の取引を監視している。

まあ 今のところ そのレイアに
動きは全然ないらしいけどな。

つまり 700億円は 今も どこかで
眠っているという事ですね?

わざわざ そんな
ロマンチックな言い方やめろ。

はいはい 集中 集中!
いい? 重要なのは

北条昇が 青山隆一さんを
犯人Xだと疑っていたって事よ。

押収した彼のパソコンにも
その痕跡は残っていた。

青山さんの死体が発見されて

北条は 今度は
捜査ファイルをハッキング。

そして 逃走。 それは なぜか?

じゃあ 北条は
700億円を手に入れるために

青山さんをつけ狙い 殺害し
遺体を川に遺棄した。

…が 1カ月後 遺体が出てきて
慌てて 捜査状況をハッキング。

警察が来て逃走と そういう推理も
ないわけじゃないよな?

だったら
取引所の社長 市瀬しずかにも

青山さんを
殺害する動機はあります。

そうね。

市瀬しずかも また
青山さんを犯人Xと疑い

700億円を奪おうとして 殺し

雲隠れ…。

どちらも 決め手には欠けますね。

うーん…。 でもね
青山さん殺害の動機は絞れてきた。

700億円よ。

よし! 全員で
市瀬しずかと取引所を洗って。

もちろん
逃走中の北条昇の足取りもね。

はい。
では 僕は行く所がありますので。

糸村! 当然 お前も
一緒にやるんだよ。

はい。 「六馬和せざれば
造父も以て遠きを致す能わず」。

…って 誰かが言ってました。
お前 一体 何言ってんだ?

いえ… 一致団結しなければ
事は なせないという意味です。

ちょっと 糸村くん。
その前にいい?

一致団結って した事ある?

いつでも。

本当に神崎さんも行くんですか?

行きます。

そもそも
犯人が青山さんの遺体を

鳶が谷の川に
遺棄したんだとしたら

地形から見て つぐは村に
立ち寄ってる可能性が高いんです。

何か 手掛かりが残ってるかも。

♬~

(錫杖の音)

あっ 糸村さん。

先生。

紹介します。 限界集落
フィールドワークをしている

民俗学者の杉田義明先生。

先生。 彼女は…。
神崎と申します。

巡査部長です。
あっ どうも。

杉田先生。 この天狗たちは?
(杉田)ええ…。

昨日 村長の久保田さんが
息を引き取られたんです。

私も さっき駆けつけたところで。

人が亡くなる事を
「天狗にさらわれる」と言うんじゃ。

久保田さんが…。

♬~

これは
つぐは村伝統の葬列らしいです。

天狗が
久保田さんの魂をさらって

北の山の頂の木に置く様子を
再現してるそうで。

実際は 下の祠に向かい
お経をあげて また村に戻ります。

失礼。

羽根は…
1 2 3 4 5…。

糸村さんが言ってたように
本当に8本ですね。

はい。

あっ… もし
1本足りない天狗がいたら?

はい?
だって この羽うちわ

トンビの羽根っぽくないですか?

糸村さんがこだわってる
トンビの羽根。

鋭いですね 神崎さん。
確かに 天狗の羽うちわは

トンビの羽根でできている
という説もあります。

皆さんが持っている
羽うちわは…。

トンビの羽根っぽいですね。

(大久保)取引所は閉鎖中ですが

サーバーの
メンテナンスがあるので

社員は交代で出てきています。

(路花)市瀬社長は
雲隠れのあと こちらには?

(大久保)一度も見えてません。

社長は
自分はビジネスの天才で

自分以外は みんな馬鹿だと
思ってるんですよ。

きっと もう

次の新しいビジネスに
夢中になってるんでしょうよ。

何か気になる事があれば
教えて頂けませんか?

市瀬社長は お客様から
預かっていた仮想通貨と

自分の資金をごっちゃにして
管理してたんです。

だから セキュリティーを破られて
その上…。

どうぞ。 秘密は守ります。

レイアが盗まれた時
社員の間で噂になったんです。

これって 市瀬社長の
自作自演なんじゃないのって。

流出した700億円相当のレイアは
実は社長個人の口座にあって

次のビジネスのために
プールされてるんじゃないのって。

(岩田)市瀬しずかって
独身だったよな?

なんで
こんな豪邸に住めるんだよ?

(チャイム)
(ノック)

市瀬さーん!
(チャイム)

ほら やっぱり 雲隠れ中だ。

岩田。
えっ?

あれ。

(岩田)8本の羽うちわ。

市瀬しずかは
青山隆一さんの信者?

(ツカ)ありがとうございました。

(タエ)どうも。

まあ~ 久々に にぎやかで
いいお見送りになったね

ツカさん。
本当に。

村長さんも
お喜びじゃろう。

(ツカ)まれびとが
2人も来られてのう。

(タエ)座っといて 座っといて。

そしたら…。
ありがとね タエさん。

(森)つぐは村はのう

古くは林業と狩猟を
なりわいにしてた村じゃった。

冬は雪に閉ざされて
夏でも天然の氷室があってのう。

平安時代には 朝廷に
かき氷を献上した事もある

由緒ある村なんじゃ。
ふーん…。

そんなに古い村なんですね。
ああ。

(塚田)森さん。 べっぴんさんを
独り占めしたらいかんで。

大昔は 鳶が谷にも
いくつかの村があったんじゃが

今は つぐは村しか
残っとらんでのう。

ほんにのう。
100年前ぐらいまでは

もう 鳶が谷は
にぎやかじゃったがのう。

(森)100年前じゃに 井口さん
見てたような口ぶりじゃのう。

み… 見てたわい!

知らんのか? わしゃ 天狗じゃ!

(一同の笑い声)

天狗?

(森)井口さんは
お酒を飲むと陽気になるから。

ハハハハ…。

あっ… それで 40年ほど前じゃ。

鳶が谷に 防災ダムの建設計画が
持ち上がってのう。

森さん!
その話は やめましょうよ。

なんの。 構わんわ 塚田さん。
昔の話じゃ。

(森)防災ダムの建設計画で
村は二つに割れてしもうてのう。

割れたとおっしゃいますと?

ダムができると
鳶が谷の治水ができる。

けど わしらのつぐは村は

ダムの底に沈む場所に
あったんじゃよ。

天狗じゃ! 天狗じゃ!
アハハハ…!

(森の声)立ち退き料をもらって
里側に移住したい賛成派と

つぐは村を守りたい反対派に
真っ二つに割れた。

村のあっちこっちで

ひどい喧嘩が
起きるようになって…。

(塚田の声)
ところが ダム計画そのものが

建設会社が

国の補助金目当てだった事が
バレて

立ち消えになってのう。

(森の声)ダム計画は消えたが

村の人間の間には
深い溝が残ってしもうた。

村の世帯の半数が
見切りをつけて出ていって

過疎化が一気に進んでしもうた。

わしゃ 天狗じゃ! 天狗じゃ!
ああっと…!

ああっ!

お葬式あるあるですね。

親戚に 必ず一人
ああいうおじさんがいました。

ハハハ…。 限界集落も 人の営みは
僕らと変わりませんから。

(風鈴の音)

ああ~ 浴衣ですか。
お似合いですね。

えっ? いや… 糸村さんが

そんな普通の事 言うなんて
びっくりです。

あっ… 久保田さんが

お孫さん用に
仕立てていたものだそうで。

辞退したんですけど…。
なるほど。

木のにおいって いいですね…
木造家屋の。

そうですね。

♬~

深い山と静かな夜。

寂しいかと思ったけど
安らぎます。

コンクリートに覆われて

光と音と情報があふれてる
都会のほうが

孤独って深まるのかも…。

そこに…。

すいません!

あなたの事が好きになっちゃって。
はい?

付き合ってください!

北条昇が つけ込んできたんです。

また その話ですか?

はあ?
乙女心が傷ついたんですよ。

何度だって聞いてくれても
いいじゃないですか。

はい…。

刑事のプライドもボロボロです。

あのイケメン 優男…。

ホワイトハッカー
気取ってんじゃねえよ!

絶対 見つけて
ワッパかけてやる。

安心しました。
中身は いつもの神崎さんなんで。

浴衣が あんまり
お似合いだったものですから。

どうも…。
あっ それで

羽根に関しては
何か わかりましたか?

いいえ。 天狗の装束の羽うちわ

皆さんのを
確認させてもらいましたけど

どれも 羽根は8本
全部そろってました。

そうですか…。

(杉田)大変だ~!

あっ…。
下の神社で 人が死んで…。

殺されてます!

♬~

あれです。

北条昇!?
えっ?

神崎さんの…
ホワイトハッカー

なんで 彼が 鳶が谷に…。

死斑と硬直から見て 死後 まだ
2~3時間しか経っていません。

ちょうど 僕らが
精進落としをしていた頃ですね。

杉田先生は なぜ
こんな時間に こんな場所に?

えっ? あっ 今日は 貴重な話を
たくさん聞けたので… その…

酒が進んでしまって
酔いざましに散歩を…。

そしたら…。

皆さんの中で 北条くん…
この男性をご存じの方

あるいは 見かけた方はいますか?
いや…。

凶器は この鎌ですね。

(森)鎌も鋤も鍬も
そこらじゅうにあるぞ。

この村には
空き家も結構ありますし…。

まさか 糸村さん
犯人が…。

村に潜伏してる可能性があります。

糸村さん 手分けして
空き家を捜索しましょう。

(一同)うわっ!

(羽ばたく音)

天狗?

♬~

糸村さん。 向こう お願いします。
わかりました。

♬~

(物音)

♬~

糸村さん!

大丈夫ですか?
はい。 なんとか。

原口康夫!?

原口さんが
どうして つぐは村に?

公務執行妨害 及び
不法侵入罪で逮捕します!

うっ…。

なぜ つぐは村に?

あなた カタギじゃないですよね?

青山さんは
暴力団とも繋がっている?

フッ… まさか。

もう一度 聞きます。
なぜ つぐは村に?

青山さんは 1年の半分
修行で山にこもる。

それは毎年の事だ。

けど 今回は いくら経っても
山から帰ってこない。

心配した矢先に

いつも入る山の反対側の滝つぼで
見つかったって ニュースで…。

殺されたって…。

いつも入る反対側の山…。

それで?

だから
警察の動きを張ったのさ。

誰が青山さんを殺したのか
知りたかった。

知って 敵でも討とうと?

フッ…。

では 僕らのあとを追って
つぐは村に来たんですか?

とんでもねえ山奥だな ここは。

警察は なんで ここに来たんだ?

質問するのは 私たちのほうです。

原口さん。

青山さんが殺されたのは

仮想通貨レイアの
700億円流出に絡んでの事では?

黙秘させて頂きます。

さっき 連絡がありました。

仮想通貨取引所の社長
市瀬しずかさんは

青山さんの信者ですか?

黙秘させて頂きます。

では 北条昇という名前に
心当たりは?

黙秘だ。

ついさっき
神社で 他殺体で発見されました。

黙秘だって言ってんだろ
デカさん。

原口さん トンビの羽根に
心当たりはありませんか?

トンビ?

はい。 これです。

これ
青山さんが遺体で発見された時

背負いの中に
唯一 入っていたものなんです。

(自転車のブレーキ音)

ご苦労さまです。
隣村の駐在 佐川英雄巡査です。

特対の神崎です。
糸村です。

府警の一課の方々は
あと3時間はかかると思われます。

佐川さん あとはお願いします。
あっ…。

一課が到着したら
原口康夫を引き渡して

特対に回すよう伝えてください。
はっ!

糸村さん 私たちは
一足早く山を下りましょう。

はい。

ただ今 戻りました。

青山隆一さんの周辺の手掛かり
なんか見つかった?

(雨宮)はい。 倉庫火災は

東京でも千葉でも埼玉でもなく
静岡。

焼死したのは羽生田茂。

当時 一人息子と
二人暮らしをしていました。

息子の名前は 正樹。
年齢は 生きていれば 47歳。

青山隆一は羽生田正樹と見て
間違いありません。

(路花)面影あるわ。

科捜研で鑑定してもらって。
はい。

あの… 羽生田親子の出身地って
どこなんですか?

それが京都だったんですよ。
だから 青山さんは

父親が焼死したあと
京都に戻っていたんです。

出生地は
京都府鞍岡郡鳶が谷つぐは村。

繋がりました。

ピースがそろってきたわね。
続けて。

青山さんは…

いや 羽生田正樹さんは
つぐは村に生まれ

祖父母と両親の
5人家族で暮らしていました。

しかし 今から40年前
彼が7歳の時に…。

(雨宮)
父親が隣人と喧嘩騒ぎを起こし

隣人は
その弾みで頭を強打して死亡。

父親は傷害致死で逮捕 服役。

(羽生田正樹)お父ちゃん!

その喧嘩って ダム建設に対する
意見の相違が原因ですか?

どうして それを?

(雨宮)事件後は
村八分にされたんでしょう。

村にいられなくなった母親は

正樹を連れて
静岡の遠い親戚を頼ったんですが

招かれざる客として

親子は親戚から
ひどいいじめを受けたそうです。

程なく母親は病死。

親戚は 正樹の養育を拒否し
正樹は児童養護施設に入所。

数年後 父親の茂が出所し

やっと身内と一緒に暮らす事が
できるようになったんですが

その半年後に…。

14歳で天涯孤独になり

京都にまで流れてきて
裏社会で頭角を現した。

あとは調べのとおりです。

青山さんの度胸と胆力は
不遇の少年時代に培われたのね…。

(電話)

はい 特対。

了解です。

原口康夫の身柄が到着した。

(路花)「原口さん」

「半年前 700億円相当の
仮想通貨レイアコインが

市瀬しずかの取引所から
盗まれたのは ご存じですよね?」

その容疑者として 今

青山隆一さんの名前が
挙がってるの。

青山さんの名前が?

ハッカーの北条昇だ。
レイア盗難事件を追いかけていた。

そして つぐは村に向かい
何者かに殺害された。

北条を殺害したのは

あなたじゃないんですか?
原口さん。

もしかして
青山さんを殺したのも あなた?

なんだと…?

青山さんの右腕のあなたなら

青山さんが
700億円を盗んだ犯人Xだって

知ってたはずよ。

700億円欲しさに
修行中の青山さんを殺害して

死体を川に遺棄した。

俺が青山さんを
殺すわけねえだろうが!

オラッ 原口!

それにな 青山さんは

盗みをするような
そんなちっぽけな人間じゃねえ!

だったら教えてちょうだい。

あなたから見て
青山さんは どういう人?

本気で惚れた女がいたんだよ。

佐倉さんのカマ掛けに
見事に引っ掛かりましたね。

いつもながら お見事です。

組を抜けて
カタギになろうとしたが

抜けれるもんじゃねえ。

4年前だ。
道慶上人の奇跡の噂を聞いた。

本拠地に行って
青山さんにすがってみた。

青山さんは俺のために…。

(原口)よせ! やめろ!
その人はカタギだ。 死んじまう!

(青山隆一)原口さんを…
抜けさせてほしい。

オラッ! まだしゃべれんのか。
なめんな クソ坊主!

もういい! 諦めるよ 青山さん。

原口さんを… 抜けさせてほしい。

(組員)てめえ この野郎!

(組員)オラッ!
そこまで言うなら…。

おめえが代わりに指詰めろ。

(原口)よせーっ!
(組員)うるせえ コラーッ!

原口さんを… 抜けさせてほしい。

てめえ!

(組員)組長。

原口には破門状をやれ。

こいつには医者を呼んでやれ。

(組員)はい。

青山さん!

(原口の声)
あの人は… 青山さんは

俺たちとは まるで違う人間だ。

天狗に選ばれた人だから。

天狗?

それは どういう意味ですか?

俺ごときが わかるかよ。

けど あの人は
いつも言ってた。

天狗に天命を背負わされた。

けど その天命が
なんなのか悟れない。 苦しい。

青山さんは
いつも祈りを捧げてた。

♬~

青山さんの殺害事件
原口康夫はシロだね。

うん。 俺も そう思う。
となると…。

(雨宮)雲隠れしている
市瀬しずかですかね。

市瀬しずか 大至急 捜して。

重要参考人として同行をかけて。
はい。

(ドアの開閉音)

天狗に天命を背負わされた。

天命ねえ…。

天命って なんなんでしょうね?

天に定められた人の宿命
って意味ですよ。

言葉の意味を
聞いてるんじゃなくて。

青山さんは 700億円を盗んだ
希代の詐欺師なんでしょうか?

それとも 周囲の人が
人生まで捧げて応援する

ストイックな修験道
なんでしょうか?

ある一面でしか語れないのなら
その人には厚みがない。

…って 誰かが言ってました。

一度紹介してください その人。

で どこ行くんです?

『てんぐのやくそく』。

ちょっと…!
『てんぐのやくそく』?

(チャイム)

どなた?

「フロントの者でございますが」

やっと見つけた。 失礼しますよ~。
(雨宮)失礼しますよ。

いやあ お金持ってる人は
雲隠れ先も豪勢ですね。

誰?

市瀬しずかさんですよね。

こういう者です。

青山隆一さん殺害事件と

仮想通貨レイアコイン
盗難事件について

お尋ねしたい事があります。

いやあ 苦労しましたよ。
本部までご同行をお願いします。

ぶしつけに何?
誰に物を言ってるつもり?

いや あの… だからね…。
(携帯電話の着信音)

ちょっと すいません。
(携帯電話の着信音)

はい もしもし 雨宮です。

はい。 今 ちょうど市瀬社長と…。

えっ? 手を引けって
どういう意味ですか?

佐倉さん!

まったく どういう事だ。
本当ですよねえ。

お世話になっております。
市瀬です。

ええ。 おかげさまで。

今からお伺いしますわ。

(二宮敏郎)そうか。

警察が ついに 君の所まで来たか。

(しずか)警察発表では
殺人だそうですけれど…。

私が思いますに

道慶上人は 恐らく 修行の最中に
川に流され 滝つぼまで…。

はあ…。

痛ましい事故だ。

(しずか)ええ。 痛ましい事故。

では そういう事で。

次期財務大臣
二宮先生をおいて他はなし。

フフフフ…。
それを言うなよ 市瀬くん。

言霊は現実になりますわよ
二宮先生。

(路花)納得できません。

いったん 殺人事件と
断定した案件を

やはり事故だとして
捜査は終了だなんて。

私は やりますよ。

どんな処分でも
甘んじて受ける覚悟です。

今年 一番嫌いな熟語は忖度だ。

はあ?

魚と組織は頭から腐る。

尾っぽが踏ん張って
押し返さないと

体全体が腐って
死ぬのは目に見えてる。

おっしゃるとおりです!

フフフフ…。

財務省には
仮想通貨の発行計画がある

という噂があった。

はい? 財務省ですか?
ああ。

国の借金は1千兆円を超えた。

例えば ハイパーインフレ
あえて起こす。

円の価値が
紙くず同然に下がれば

1千兆円の借金を返済するのは
簡単だ。

もちろん その前に
政治家や役人 資本家の預貯金は

その発行された仮想通貨に
換えておく。

その試金石として
2年前から財務省の肝煎りで

大規模マイニング施設の

極秘プロジェクトが
動いていたようだ。

マイニング?

あの… 極秘プロジェクトって…?

はあ…。
あとは そっちで調べてくれ。

(路花)「財務省 二宮敏郎」…。

本部長を通じて

特対に圧力かけてきたのは
その代議士だ。

2年前から
市瀬しずかと頻繁に会ってる。

京都7区選出だ。

二宮代議士が 市瀬しずかと

どうやって知り合ったのかは
定かじゃないが

いずれにしても この2人が

極秘プロジェクトの推進役と見て
間違いない。

ただし…。
ただし?

プロジェクトは
もうすぐ終了する。

施設は近々閉鎖され
土地ごと二束三文で

外国企業に売り払われるようだ。

そして その閉鎖決定直後に

700億円相当の
仮想通貨レイアコインが

市瀬しずかの取引所から盗まれ

青山隆一が殺され
北条昇が殺された。

その 財務省肝煎りの
極秘プロジェクトが

一連の殺人に関係あると?

構わん。 捜査を続けてくれ。

はい。

先生がお書きになった
『てんぐのやくそく』

読ませて頂きました。

転校先で なじめず
引きこもっていた少年の元に

夜な夜な
天狗が訪れるようになります。

天狗は 少年を励まし
成長させていく。

少年は
少しずつ強くなっていきます。

ところが ある日 天狗は
突然 少年に別れを告げます。

別れを拒む少年に 天狗は

自分の羽うちわの羽根を引き抜き
渡しながら こう言います。

この羽根を天に放り投げれば
もう一度 私と会う事ができる。

ただ 引き換えに
お前は全てを失うだろう。

少年は その羽根を心の支えに
寂しさと闘います。

ところが ある日
とうとう寂しさに耐えきれず

羽根を天に放り投げてしまいます。

すると 少年の体は
一羽のトンビとなって

どこへともなく
飛び去っていってしまいます。

トンビ…。

(榎戸千尋)これは 同級生の事を
アレンジして書いたものです。

どういうわけか トンビの羽根を
いつも大事に持っていた

寂しそうな子がいましてね。

随分 昔の事ですが。

もしかして その同級生って…。

作者紹介の欄に書いてありますね。

先生は 小学生の頃
静岡にいらっしゃったとか。

その同級生
羽生田正樹さんと言いませんか?

ええ そうです。
どうして それを?

羽生田正樹さん
最近 お亡くなりになったんです。

今は 青山隆一さんと
名乗っていたのですが

亡くなった時に
この羽根を持っていたんです。

羽生田くんが亡くなった…。

トンビの羽根を持って…。

青山さんの情報が知りたいんです。

小学校の同級生名簿など
お貸し願えませんか?

あっ… はい。

青山さんは
ご両親のお骨を持ったまま

京都まで流れてきたんですね。

お金を稼いで最初にしたのが

お墓を建てる事だったなんて…。

お墓ができたから裏社会を抜けた
って事なんですかね。

でも どうして
京都に帰ってきたんでしょう?

どこにも
いい思い出なんてないのに…。

あの… どちら様でしょうか?

「大規模マイニング施設の
極秘プロジェクト」…。

あの… マイニングって
なんですか?

複雑なので
要点だけお教えしますね。

マイニングは 日本語で

うんしょ! うんしゃ!
採掘。

仮想通貨には
なくてはならない作業です。

具体的には
どういった作業なんですか?

例えば
インターネット上のどこかで

仮想通貨の取引や換金が
行われたとします。

その取引や換金に
不正がないかをチェックして

ネットの公開記録に
記録する作業の事です。

チェックには高性能スパコン

つまり スーパーコンピューター
必要です。

ブロックチェーンという
技術を使って

その仮想通貨の過去の取引履歴を
全部 計算し直すんですよ。

これを
ITに強い人々が一斉に始める。

そして 一番早く計算し直し
チェックできた人たちに対して

報酬として
新たに仮想通貨が発行されます。

その報酬って
どのぐらいなんですか?

(村木)はい。
レイアコインの場合 報酬は

12レイアコインです。

ん? ちょちょちょ…
ちょっと待って。

1レイア 今 200万円だから…。

えっ… 2400万円!?

世界中で取引や換金がある度に
それだけの報酬が…。

もしかして
700億円も小さい話ですか?

そうなんですよ 神崎さん!

なので 今
世界中のITや金融の大企業が

マイニングに参入しているんです。

そこに 市瀬しずかも
財務省肝煎りで参入した。

でも それだけ大規模な施設を
日本の一体どこに?

糸村くん!
はい。

これは場所の問題じゃなくて。

ところが どんがらどっこい!

そこが問題。
いや 難問なんですよ。

(指を鳴らす音)
マイニングは

多くのスパコンを 24時間
フル稼働させる必要があります。

なので 発生する熱量は
相当なもので

マシンが壊れるのを防ぐための
冷房費用が莫大にかかります。

(雨宮)冷房…。 だったら
電気代の高い日本では

そもそも
無理な話じゃないですか?

しかも 極秘プロジェクトだろ?

秘密の漏れる危険性が少なく

ある程度の広さも確保できる
寒い場所…。

むら…。

(路花)ん? 今 なんて?

あれは… タブレット…?

冬は雪に閉ざされ
夏でも天然の氷室がある村…。

(森の声)冬は雪に閉ざされて
夏でも天然の氷室があってのう。

土地はタダ同然。

山奥の陸の孤島

プロジェクトの秘密も守られる
限界集落

♬~

糸村さん!

はい。

つぐは村には そろっています。

大規模マイニング施設を
極秘に作れる条件が。

つぐは村…。

青山隆一さんが
追い出された村に…。

(岩田)北条昇が殺された村…。

神崎!

はい。 確かめてきます。
僕も行きます。

できる男 さすがです。

つぐは村に極秘マイニング施設…。

(二宮)マイニング施設の
極秘プロジェクト…。

残念だが 初耳だな。

で 君は
どこから それを聞いた?

まあ… とあるところからとしか。

二宮先生は 市瀬しずか社長とは
お知り合いですよね?

記憶にないな。

選挙が近くて
出入りする人間が多い。

いちいち覚えちゃいないよ。

他に質問がないなら
お引き取り願おうか。

ハハハ…。

そうそう。 お邪魔した時から
気になっていたんですけど

この天狗が持っている
羽うちわの羽根は

なんで8本なんですか?

(二宮)知らんよ。
そんな細かい事 いちいち。

通常 天狗の羽うちわの
羽根の数は奇数なんですよ。

青山隆一さんの崇拝していた
天狗を除いては。

(路花)「仮想通貨取引所社長の
市瀬しずか

財務政務官の二宮敏郎

2人とも
青山隆一さんの信者だった」

「つまり 青山さんが
市瀬と二宮を引き合わせて

大規模マイニング施設の
青写真を描いた」

施設の場所は つぐは村。

あの村に?

青山さんは つぐは村の出身で

7歳の時
つぐは村を追い出されたの。

マイニング施設のプロジェクトは
青山さんにとって

追い出した連中を
自分に ひざまずかせ

見返してやる
絶好のビッグチャンスだった。

見返す…。

マイニング施設は
極秘裏に稼働を始めた。

けど 二宮代議士より
もっと上の気が変わったのか

施設は近々閉鎖する事になった。

顔を潰された青山さんは

腹いせに 市瀬の取引所から

700億円相当の
仮想通貨レイアを盗んだ。

そして 換金する前に
何者かに殺害された。

青山さんは 他人を見返したり
腹いせに盗んだり

そんな卑劣なまねはしない!

だとしたら
一連の事件は お金絡みじゃなく

青山さんの天命と
関係があるのかもしれないわね。

天命と関係があるなら

青山さんが
700億円相当の仮想通貨レイアを

盗む可能性はあるかしらね?

何か知ってたら教えてちょうだい。

青山隆一さんが
取引所にハッキングをして

700億円相当の仮想通貨を
盗む事は

現実的にあるのか?
ないのか?

取引所に 青山さんの信者がいる。

彼女なら 取引所のパスワードを
盗む事は可能だ。

彼女?

レイアが盗まれた時
社員の間で噂になったんです。

取引所の あの女社員か。

雨宮 行くぞ。
はい。

教えてくれ。

なんで 青山さんは殺された?

さあね。

あなた もしかしたら
神崎と糸村に確保されて

命拾いしたのかもよ。

大久保さん。

一連の盗難事件

青山さんにパスワードを渡し
手引きをしたのは あなたですね。

ご同行願えますか?

(トンビの鳴き声)

どうしました?

つぐは村の天狗は
死んだ人の魂をさらうと

あの北の山の頂にある

一番大きな木の上に
置くんだそうです。

つぐは村では 人が亡くなる事を
「天狗にさらわれる」と言うんじゃ。

♬~

こんにちは。
こんにちは。

あっ 糸村さん
今度はどうされました?

はい。 こちらの天然の氷室を
見せて頂きたいと思いまして。

だったら 私が案内しますよ。

ちょうど 今 インタビューが
終わったところなので。

あっ すみません。
ありがとうございました。

どうぞ。
はい。

♬~

この奥が氷室です。

温暖化の影響で 昔より
規模は小さくなったそうですが。

ガスが充満してるので

ここから先は
立ち入り禁止だそうです。

糸村さん
私の話 聞いてました?

奥は危険なんです。

なんですか? それ。
ガス抜きのパイプ?

いいえ 氷室の冷気を送る
パイプだと思います。

この先は 確か…。

糸村さん!

♬~

♬~

♬~

(杉田)なんだ? これ。

ここが仮想通貨の
大規模マイニング施設です。

マイニング…?
なんですか? それ。

もう 小芝居はよしましょう
杉田先生。

あなたが つぐは村の

フィールドワークを始めたのは
2年前。

このプロジェクトのスタートも
2年前だった。

失礼ですが
先生の事を調べさせて頂きました。

確かに 先生は

京都学院大学の民俗学
准教授でいらっしゃいます。

でも もう一つの肩書を
お持ちですよね?

京都工学研究所の
電子工学プログラマー

あなたが
この村に通っていたのは

村民への聞き取り調査の他に
市瀬しずかさんに依頼され

この高性能スパコン
ケアのためだった。

その事は
村の皆さんもご存じでした。

だから 今まで 杉田先生は
殺害されずに済んだんです。

どういう意味です? 今までって。

つまり 青山隆一さんと
北条昇さんを殺害したのは…。

(杉田)皆さん…。

えっ!? えっ…。

(杉田)えっ…
いや あの… まさか…。

青山隆一さんと北条昇さんを
殺害したのは…。

(杉田)皆さん…。

えっ!? えっ…。

まさか… 皆さんが?

(井口)先生 わしらは
ここの他にも

秘密を抱えてしもうたんじゃ。

(森)その秘密も 絶対に
外に漏らされてはならんのじゃ。

青山さんを殺害したのは
誰ですか?

あの男は
天狗にさらわれたんじゃ。

青山さんを
前から知ってましたよね?

知らん。
あの時 初めて見た男じゃ。

あの時とは
青山さんを殺害した時ですよね?

でも 皆さん
この方はご存じですよね?

(ツカ)市瀬社長じゃ。

わしらに ここを作ってくれた
お人じゃ。

もう見られてしもうたんじゃ。

隠しても詮ない事じゃ。

(大久保)
以上がマイニングの説明です。

ご理解頂けましたでしょうか?

(ツカの声)これには
役所と有力な政治家がついとると

説得されたんじゃ。

絶対に外に漏らしてはならん。

漏らしたら たちまち
計画は白紙じゃと。

(塚田)だが 村が生き残る
唯一のチャンスじゃった。

ダムの時と違って
反対する者はおらんかった。

(ツカ)わしらの村は
その日から潤った。

パソコンもスマホタブレット
タダで使える。

お金さえあれば
きっと 人も帰ってくる。

つぐは村は
限界集落から抜け出せる。

みんな 久しぶりに希望を持った。

なのに あの日…。

(キヌ)タエさん 山伏じゃ。
山から下りてきなさった!

(タエ)ああ…
ありがたや ありがたや…。

(キヌ・タエ)ああ…。
はあ… はあ…。

水を… 頂けませんか?

(タエ)あっ あっ…。 ありがたや…。

(ツカの声)わしらは
村のしきたりどおり

まれびとを もてなした。

この村には 仮想通貨の
マイニング施設がありますね?

そんなものはありません。

ご覧のとおり 人もめったに訪れん
限界集落じゃからのう。

市瀬は もうすぐ手を引きます。

政治家も皆 手のひらを返します。

施設は土地ごと売り払われ
あとには何も残りません。

皆さんの家も 田畑も

このままでは
村ごと全てが消えます!

時代と金に のみ込まれる。

市瀬と関係を絶ちなさい。

施設の存在と
政治家の名前を公表し

彼らに損害賠償を訴えて

つぐは村の存在を
世間にアピールし

彼らが ここを潰しにくいように
しなくてはいけません。

そして もう一度 最初から
皆さんの手で

この村の再生をやり直すのです。

そのための金はあります。

なんで…
なんで あなたに そんな事が…?

私には… わかります。

この山伏は食わせもんじゃ!

ううっ…!

(久保田)ううっ… ううっ…!
(ツカ)あんた! あんた…。

この村に そんなものはないわ!

(森)帰れ! 山に帰れ!
この天狗めが!

(久保田)黙れ!

(井口)誰をさらいに来た?
この天狗めが!

(青山)市瀬と手を切りなさい!

(久保田)黙れ 黙れ 黙れ…!

(頭をぶつける音)

あっ… ああっ…!

あの山伏は
天狗にさらわれたんじゃ。

そうやって殺して
秘密を守ったんですね。

北条昇は?

あの男も
ここを見つけてしもうたからのう。

あの…

一つだけ確認させて頂いても
よろしいですか?

糸村さん! 何をのんきな…。

青山隆一さん… その修験道者は

本当に 最後まで皆さんに

本名を告げる事は
なかったんでしょうか?

本名…?

なるほど…。

皆さんが 青山さんの本名を
聞いた事がなかったと伺って

このトンビの羽根の意味が
ようやく わかりました。

最初にお伝えします。

青山さんは この村の味方でした。

ところが そこに 悲しい誤解が
生まれてしまったんです。

それを説明するためにも

3分でいいんです。
僕に時間を頂けませんか?

これは 青山さんが小学生の時に
同級生だった

絵本作家の方から伺った話です。

青山さんは
ふるさとが大好きでした。

ところが 彼が7歳になった時

父親が殺人事件を起こし
村にいられなくなってしまった。

でも もし
その相手が生き返ってくれたら

父親は許され 村に居続ける事が
できるのではないか?

そう思った青山少年は

北の山の頂にある
一番大きな木を目指して

山に分け入ったんです。

この羽根は
その時に手に入れたものです。

(杉田)天狗がさらった魂を
持って帰って

生き返らせる…?

青山隆一さん…
本名 羽生田正樹さん。

彼は このつぐは村で
生まれた人だったんです。

つぐは村で…!?
(キヌ)つぐは村…!?

(井口)羽生田…?

はい。

40年前 ダム建設の是非を巡って

隣人と諍いとなり
死なせてしまった

羽生田茂さんの息子さんです。

(タエ)ああっ…!

村を出なければならなかった
その前日

正樹くんは誰にも告げず
内緒で 一人 山に入りました。

北の山は
天狗がすむと伝えられるほど

深い山です。

7歳の少年に
到底 登れるはずもありません。

道に迷い 帰り道を失い
日も暮れて

それでも 正樹くんは

頂にある一番大きな木を目指して
登り続けました。

登って 歩いて 登って…。

うわあ~!

とうとう
動く事ができなくなった。

その時です。

(天狗)いったん さらった魂を
かえす事はできない。

それが掟だ。

掟を破るつもりなら
お前の魂もさらうが… いいか?

いや… まだ その時ではない。

山を下り お前の天命を果たせ。

お前の天命を果たせ!

♬~

(正樹)「てんめい」って なんだ!

なんだーっ!

♬~

(トンビの鳴き声)

(糸村の声)正樹くんは
天狗がくれた羽根だと信じました。

そして その羽根を胸に 山を下り

村を離れる事を受け入れたんです。

もちろん
現実には あり得ない話です。

真っ当に考えれば

遭難した7歳の少年が見た夢か
幻想と捉えるのが妥当でしょう。

しかし この羽根は

正樹くんの
心の支えになったんです。

この羽根があったから

母親の死も 父親の焼死も
耐える事ができたんです。

しかし いつしか正樹くんは

裏社会で
知られるようになっていきます。

名前も青山隆一と変え

力を蓄え 頭角を現していきます。

そんなある日の事でした。

信者の二宮代議士が

財務省肝煎りの
極秘プロジェクトを

青山さんに相談した。

その条件に合う土地が
日本に一つだけあるようです。

(二宮)ある!?

それは どこですか? 道慶上人。

京都府鞍岡郡鳶が谷つぐは村。

そのマイニングのプロジェクトを
あなた自身の天命と心得なさい。

(二宮)はい!

(莉緒の声)そして 青山さんは

取引所の市瀬しずか社長を
二宮代議士に引き合わせた。

でも 二宮代議士と市瀬社長には

青山さんほど
つぐは村への思いはなかった。

財務省は方向転換して手を引き

市瀬社長も近々
青山さんが言ったとおり

このマイニング施設を
土地ごと売り払う予定なんです。

(どよめき)

嘘ではありません。

ですから 青山さんは

手を切られる前に 先手を打って
こちらから手を切り

村民の力だけで村を再生しよう。
そのための資金はあると

皆さんに告げていたんです。

(塚田)そんな金 どこにあるんだ!

仮想通貨の取引所に

青山さんの信者が一人
勤めていたんです。

青山さんは
その彼女からパスワードを聞き

市瀬社長の取引所に
ハッキングを行い

約700億相当の仮想通貨レイアを
盗んだものと思われます。

(村民たち)700億…!

それだけあれば
村の再生は可能かも。

そうですね。

しかし 皆さんは
その説明を聞く前に

青山さんを殺害してしまいました。

そして その700億の謎のあとを
追うように

今度は 北条昇さんが村に現れた。

大したもんですね。

北条昇が現れたのは いつですか?

主人の葬式を出す前の日じゃ。

(森)久保田さん!

(ツカ)その日は まれびとじゃ言うて
家に泊めた。

黙れ ツカさん!

証拠はどこじゃ?
わしらが殺した証拠は…!

(村民たち)そうじゃ! 証拠は!

確かに
北条昇さんが殺害された時刻

皆さんは 久保田さんのお葬式の
精進落としをなさっていました。

久保田さんのお宅から
事件の現場となった神社までは

どんなに急いでも
往復40分はかかります。

杉田先生を含めて…。
えっ…。

わ… 私も疑われてたんですか?
すみません。

杉田先生も含めて

あの精進落としの席を
40分以上離れた方は

一人もいらっしゃいませんでした。

つまり 全員のアリバイが
成立する事になります。

(塚田)ほら見ろ! うん。

という事は
北条昇さんを殺害した犯人は

あの場にいなかった
ただ一人の村民…。

久保田村長という事になります。

(森)村長! 出てきちゃいかん!

わしには
村長としての責任がある。

(北条)祭りは終わりましたか?
村長さん。

まれびとには見せられない
天狗の行列って

アニミズム感満載ですね。

そろそろ教えてくださいよ。

青山隆一が 何しに この村に来て
700億円をどこに隠したのか。

あのマイニング施設は
なんなのか…。

(刺す音)
ああっ…! ううっ…!

(杉田)久保田村長が… 殺した…?

杉田先生と
偶然やって来た私たち刑事を

村民全員の
アリバイの証人に利用したんです。

もしかして 青山さんに
とどめを刺したのも…。

(久保田)まだ息がある。

誰も触るな!

ええっ!?
えっ!?

村のためじゃ。

ああっ…!
ああっ… 村長!

♬~

♬~

あの山伏が
羽生田さんの息子じゃと!?

信じられん!

糸村さん…。

40年前
この村を追い出された男の息子が

なぜ そこまで この村の事を
親身に考える…?

わしらは 羽生田さん一家を
追い出したんじゃ!

憎まれこそすれ
なんで そこまで…。

それこそが
悲しい誤解だったんです 村長。

それは つぐは村が 青山さん…
いえ 羽生田正樹さんにとって

ふるさとだからです。

つらいばかりの生涯の中で
たった一つだけ

楽しい あたたかい思い出のある
ふるさとだからです。

ふるさとを懐かしく
大事に思う気持ちに

理由は いらないはずです。

皆さんも そうではありませんか?

しかし 皆さんは
正樹さんのその思いを

誤って受け止めてしまったんです。

青山さんは とある女性との間に
娘さんがいました。

お父さんが
何で生計を立てているのか

話してくれた事は
なかったそうですが

彼女にとって
おじいさん おばあさん

そして お父さんが7歳までいた
美しい村の話は

よく してくれたそうです。

彼女の名前は

松田つぐはさんでした。

つぐは…。

娘に つぐはと…!?

なんで 一言 羽生田だと
名乗ってくれんかったんじゃ…!

そしたら 私らも
話を信じたかもしれんのにのう…。

ああ…。

羽生田正樹さんは
望んでいたのかもしれません。

皆さんのうちの誰かが

ふと 自分の事に気がついてくれる
奇跡を…。

その奇跡は 赦しと言っても
いいかもしれません。

同胞を殺してしまった父親を…。

その魂を 連れて帰ってくる事が
できなかった

自分の無力さを

ふるさとが赦すかどうか。

羽生田正樹さんは 40年ぶりに
このつぐは村に戻ってきました。

天狗からもらった この羽根を
心の支えに…。

人は死ぬ時を選ぶ事ができません。

ですが…

死に場所を選ぶ事はできるんです。

♬~

奇跡と赦しを村からもらって
ここに戻ってくる事。

それが かなわなければ
ここで死んで

魂を天狗に委ね
100年ののちに 再び

つぐは村の子供として
生まれてくる事。

それが
羽生田正樹さんが求め続けた

天命だったのかもしれないと

僕は思います。

ああ…。

(塚田)あれは
正樹じゃったのか…。

おった…。 確かに おった。

40年前 この村に
ガキ大将の正樹がおった…!

(泣き声)

これは 娘のつぐはさんに
残された手紙です。

お預かりしてきました。

「つぐはへ」

「つぐはに頼みたいことがある」

(正樹の声)「お父さんに
もしものことがあった時は

つぐはに残す財産を

お父さんの故郷のつぐは村の
発展にも役立ててほしい」

「お父さんが大好きだった
あの村に

美しかった あの村に

また 昔のような活気が戻るように
使ってほしい」

「最後に つぐは」

「お父さんは つぐはの幸せを

ずっとずっと祈っています」

そんなに帰りたかったんか…。

正樹よお…!

(久保田の泣き声)

♬~

♬~

♬~

♬~

(トンビの鳴き声)

(岩田)帰りました。
(路花)ああ お疲れさん。

お疲れさまです。

700億円相当のレイアコインは?

内縁の奥さんと娘さん…
つぐはさんの協力を得て

奥さんの家の
家宅捜索を行いました。

そしたら 仮想通貨の口座の
パスワードが見つかった。

その口座の中には 700億円相当の
レイアが入ってました。

あれ? 糸村は?

(岩田)糸村は?

えっ? あっ いや… 私

糸村さんのお守りじゃ
ありませんから。

(3人)えーっ!?

♬~

♬~

(トンビの鳴き声)

(トンビの鳴き声)

(二宮早紀)もう一度
最期の声を聞かせて。 お願い。

(早紀)これは
落雷による事故死じゃないわ。

事故死に見せかけた他殺よ。

(二宮一馬)
死因は感電じゃないのか?

(花田)打撲痕に圧迫痕に
熱傷に切創に凍傷。

解剖では断定できなかったの。
(笹岡裕一郎)全然知らない人です。

(大石貴一)あなたが ご主人を
殺したんじゃないですか?

(綾部千尋)もう帰ってください!
(一馬)裏の顔があるみたいだな。

(一馬・早紀)離婚届…。