ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

昭和元禄落語心中 第2話 岡田将生、山崎育三郎、大政絢、平田満、篠井英介… ドラマの原作・キャストなど…

『ドラマ10 昭和元禄落語心中(2)「助六」』のテキストマイニング結果(キーワード出現数BEST10&ワードクラウド

  1. 落語
  2. アタシ
  3. 師匠
  4. 七代目
  5. 初太郎
  6. 寄席
  7. お前さん
  8. 俺ぁ
  9. 前座
  10. 今日

f:id:dramalog:20181020021340p:plain

『ドラマ10 昭和元禄落語心中(2)「助六」』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)&EPG情報(出典)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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dramalog.hatenablog.com 

 

 

ドラマ10 昭和元禄落語心中(2)「助六」[解][字]

八雲と助六が、落語の世界に入門したのは昭和10年代。寄席に出る頃には、日本は戦争の真っ最中。昭和20年の夏、終戦。落語を思いっきり演じられる時代がやってきた。

詳細情報
番組内容
有楽亭八雲(岡田将生)と有楽亭助六(山崎育三郎)が、落語の世界に入門したのは昭和10年代。前座として寄席に出る頃には、日本は戦争の真っ最中。世相を慮っていくつかの演目が「禁演落語」とされたり、徴兵に怯(おび)えたり。不安と葛藤に満ちた日々を経て、昭和20年の夏、突然の終戦。好きな落語を思いっきり演じられる時代がやってきた。そして、やがて彼らの運命を変える、孤独な芸者・みよ吉(大政絢)が現れた。
出演者
【出演】岡田将生,山崎育三郎,大政絢平田満篠井英介
原作・脚本
【原作】雲田はるこ,【脚本】羽原大介
監督・演出
【落語監修】柳家喬太郎
音楽
【音楽】村松崇継

 


(松田)戦後まもなく 黄金期と呼ばれた
落語界を支えてらした。

(小夏)父ちゃんは… 有楽亭助六
お前が殺したんだ!

(八雲)助六は 今も
アタシん中で生きてる。

(女中)坊ちゃん こちらです。

今日から ここが あなたのおうち。

ゆうらくてい…。

お師匠さんの言いつけには 必ず従うこと。

きっと よくしてくださいますからね。

(助六)待て~! 待て 待て 待て 待て!
待ちやがれいっ!

お前さん さては 七代目に入門か?

だったら?

今日から 俺は おめえの兄貴分だい!

あにきぶん…?
先に入門した方が 兄弟子んなんだよ!

まあいいや こっちに来なよ 兄弟!

♬~

おいてっ…。

<これが あたくしと
後に助六となる あの人との

しょっぱなの出会いでございました>

♬~

(七代目)坊 よく来なすった。

お前の おっかさんには
昔 たいそう世話んなってな。

おい 師匠!
弟子ったって 身内にもなるんだから

手前のうちだと思ってくれていいんだよ。
やいや~い!

ケガで踊れなくなっちまったんだって?
やい!

だけど まあ 早めに噺家稼業にこれて
よかったじゃねえか。

踊りってのは 結局 女が強ぇからねぇ。

おい 師匠! オイラをほっとくな~!

うるせえ クソガキが! とっとと帰れ!

なんで ソイツが入門できて
俺が入れねえんだ! 邪魔するぜい!

こら!
どけ どけ どけ…! こら こら こら!

おとなしくしろ!
いいか 坊主!

物事には 筋道ってもんがあらぁ。
こちらの坊は 縁あって

ウチで引き受けてくれってぇ
口添えがあってから ここへ来なすった。

縁なら あるぜ。
俺ぁ 落語やるために生まれてきたんだ。

七代目 俺に任せりゃ 行く末は明るいよ!

あぁ?

明烏」 「よかちょろ」 「船徳」 「芝浜」
「らくだ」 「文七元結」 「野ざらし

なんだって 演ってやらぁ。
さあ 入門 許しやがれ!

ヘッ 大根多ばかり並べやがって。
そんなに言うなら ちょいと やってみな。

よっ さすがは七代目!

え~ よく この趣味道楽なんてことを
申しますが。

「おお~う!
開けてくれ 開けてくれ~!

先生! わ~!」。

「ああ その声は 隣家の八っつぁんだな。

待ちな 待ちな そう ドンドン
たたいちゃいかん。 ご近所に迷惑だ」。

「わ~!」。

「おお? ちょっと お待ちよ。

うちの戸は やわに出来てんだから
ドンドンドンドンたたいて…」。

「お 痛っ。 お~ 痛い! お前さん」。

もういいよ。 なんのこたねぇ猿まね芸だ。

でも 仏頂面の坊が笑った。

てえしたもんだ。

お前さん なんで また
アタシんとこに来たんだい。

八代目八雲になりてえからだ。
おもしれえこと言うな。

お前さん 親は?
いねえよ。

世話んなったジジイが落語好きで
毎日 やってやってた。

でも こないだ死んじまって
そんで ここに来たんだ。

ちょいと…。

湯 入れてやっておくれ。

子供の浴衣あったろ。 2枚 出してやんな。
へいっ。

まずは その汚えナリ
なんとかしてこい。

やった~!
静かにしなさい!

やった! やった!
こら こら こら! 静かに…。

坊 お前さんも行ってきなよ。

なんだか妙なことに なっちまったけど
あらぁ きっと おもしれえぞ。

はい 師匠。

♬~

あの汚い方も 内弟子に?

面倒見るのは どうせ アタシですけどね!

いい心持ちだ~。

♬~

なに気取ってやがんだい。
男同士で隠すもんもねえだろが。

踊りやってたんだろ?

なら どどいつとか できんのかい?
やってみておくれよ。

嫌だ。
ケチケチすんなぃ。

風呂なんてなぁ 唄うとこだぞ。
気持ちいいだろ?

♬「鐘がゴンとなりゃさ 上げ潮 南さあ」

そういうのは どこで覚えるんだい?

寄席だよ。 しょっちゅう通ってたら
木戸に 顔 覚えてもらって

ロハで入れてもらえんだ。 はぁ~。

本当に 親は いないの?

あ~ おふくろは お女郎さんだったけど
すぐ死んじまった。

お前さんも捨てられたんだろ?

何があったか知らねえけど つれえよなぁ
この年で 一人 放り出されるなんて。

うえっ!? うえっ… ちょっ… おい!

<詮ないことと 頭では分かっていても

他人に
事実を告げられると つらいもので…。

父は 踊りの家元でしたが

母は その妾で早くに亡くなり

義理の母に疎まれながら
稽古に励みました。

ようやく褒められるようになったころ
ケガをして踊れなくなりました。

アタシの居場所は まるで なくなり

縁あって 七代目に
預けられることになりました。

今まで 誰にも言えずに
抱え込んでいたことを

なぜか この人には
洗いざらい しゃべっておりました>

それで
ここへ来たんだ。

つまらねえ話だろ。 お前さんは
もっと つらい思いをしてきたんだろ?

つれえことなんか あるか。

これからは
思いっきり落語ができるんだ。

坊 この扇子をごらん。

こいつは オイラの お守りだ。

この扇子に誓って
俺は 必ず 八代目八雲になる。

八雲に?

坊 俺ぁ お前さんが気に入った!

オイラと お前さんと 二人で
日本中に落語を聞かせてやろうぜ。

お前さんは アタシを捨てないかい?

捨てる?

♬~

分かった。
オイラは お前さんを捨てない。

♬~

うん…。

いいから 笑え。
噺家になろうってぇのに

高座で そんなシケた面してたら
客だって笑うに笑えねえだろ。

うん…。
だから 笑えって。

何も おもしろくねえのに 笑えるかい。

おもしれえだろ?
おもしろくない!

なんにも おもしろくない!

<こうして
私の入門の日は 暮れてゆきました>

お国のために 一命をささげ
戦って参ります!

<家事手伝いをしながら
行儀や振る舞いを習い

時折 落語を教わって
何年かが過ぎました。

待ちに待った前座になったのは
大陸での戦争が長引いて

世間には 暗い話題が
増えてきた時分でした>

よし うまく書けた。

今日から これが おめえたちの名前だ。

頂戴致します。

両方 前座には もったいねえ名前だ。
精進しなさい。

これ やだよぉ。
文句 言うんじゃねえ。

じきに 寄席にも出してやる。
教えた根多は仕上がってんのかい?

はい! 「自らことの姓名は
父は もと京都の産にして」。

あ~ お前は もういいよ。
菊は どうだい?

はい…。

なんでもかんでも正反対だな。

一人が晴れりゃあ 一人が くもり
お天気みてえだ。

初 おめえの落語は走りすぎる。
もちっと落ち着いてやれ。

それから そのナリも
なんとかしておけよ。

寄席 出たら すぐ目ぇつけられちまうぞ。

へい。

菊 おめえの落語は
なんだか辛気くせえ。

もっと 腹から 声 出せ。

それと 楽屋では もちっと
愛きょう振りまいてやれ。

はい。

それと 預かる時の約束だから

お前には ちゃ~んと
学校は続けてもらうよ。

えっ? アタシだけ… ですか?

え~ ほ… 本日は

足を お運び頂きまして
ありがとうございます…。

「こんちは。 和尚さん いますか?
和尚さん こんちは」。

<初高座は 実は
あまり覚えておりません。

アタシは 緊張して緊張して

最後まで話し終えるだけで
精いっぱいでした>

「コブが引っ込んじゃった」。

(まばらな拍手)

よくやったよ!

なんだよ 笑えよ。

え~ 今日は アタシの初高座のために
満員御礼!

(客の笑い)

(拍手)

え~ 盛大な拍手を
ありがとうございます。

え~ 将来は名人になる
八代目八雲を名乗る男の初高座。

皆さんね よ~く この顔
覚えといてくださいね。

まあね あんまり枕が長いとね
前座なのに何やってんだって

怒られちゃいますからね。
あんの野郎 あとで小言だ。

でも 大したもんだねぇ。 大物だよ。

千代女と申し…。

<初太郎の初高座は 今でも忘れません。

とにかく楽しそうで
お客さんも楽しそうで

アタシには とても まぶしく見えました>

カラスカーで夜が明ける。
おまんま炊こうと思ったんですが

お米の在りかが分かりません。
だんなさんに…。

やっぱり嫌だな こんな名前。

「いかにも前座です」みてえで。
しかたねえだろう。

「いかにも前座」なんだから。
菊比古ってのは いい名じゃねえか。

しとやかで おめえさんに
ぴったりだ。 そうかい?

師匠は おめえに
腹から 声 出せっつったけど

俺ぁ そういうのより もっと向いてる噺が
あると思うんだ。 ちょっと待ってろ。

声 張れなくて つれえなら
張らねえ噺を稽古すりゃいい。

廓噺とか いわゆる色っぽい噺だ。 ほら。

落語には 三味とか踊りの所作 使う噺も
いっぱいある。

俺にゃ 逆立ちしても できねえけど
おめえさんなら なぁ?

前座噺も おぼつかねえのに
そんなの まだ…。

俺ぁ 前座噺なんざ
み~んな覚えちまったよ。

でも 女も知らねえのに
廓噺なんか できっこねえよなぁ。

はぁ~ 女 抱いてみてえなぁ。

でも
こんな暮らししてたら まず無理だなぁ。

なあ 寄席の給金 チマチマためて
一緒に 吉原 行こうな。

おい… 行きてえだろ?
おい! やめ…。

行きてえだろ? よせって!
行こう 行こう 行こう…!

やめろって!
絶対… 絶対 行く!

これ! なまけるんじゃないよ!
へい… へ~い。

すいません。

分かった… 分かったから!

あっちぃね…。 そういえば 今日よ
気の置けない お座敷があって

そこで 小噺やらせてもらえんだ。
一緒に行こうぜ。

無理だ… 試験があるんだ。
そうか じゃあ 夜に寄席でな。

<昼は学校 夜は寄席という生活。

一日中 落語づけの初太郎との差は
歴然とついてゆき

どんどん先に行ってしまう初太郎に

私は 正直 焦りを感じておりました>

(落語家)「おとっつぁん
みんな みつなめちゃったじゃねえか。

あ~あ こんなことなら おとっつぁん
連れてくるんじゃなかった」。

<けれど 芸事の世界に居られることは
素直に うれしかった。

やはり アタシは こういうものが
好きだったのでしょう。

寄席に来て
三味線の音色を聞いていると

心が スウッと穏やかになりました>

♬~

どうしたの?
(千代)指が つれちゃって…。

ちょいと貸してごらん。
えっ?

おあと 彦兵衛師匠ですよね。
お前さん 弾けんのかい?

おっ 八雲んとこの坊が?
こいつは いいや。 頼むよ。

≪(拍手)

♬~

今日の臨監席
ちょいと厳しいらしいぜ。

上野で こないだ りんたろう
大目玉 くらったらしい。

あれかい? 色っぽい噺をすると
怒られるってことかい?

ああ 新作が無難だよ 兵隊の噺とか。

嫌だ 嫌だ やってらんねえよ。

師匠 なんでしたら
アタシが いつでも かわりますぜ!

初 おめえ 前座のくせに
あんまりウケるんじゃねえぞ!

すみません どうも。
すみませんじゃねえよ このやろう!

噺家ですから ふだん 扇子 手ぬぐいしか
持ったことのないやからが

鉄砲 持って ドンパチ
やってるってんですよ。 ねえ。

逃げ帰ってこなきゃいいなぁと
思ってるところじゃございますがね。

それにしても 近頃の戦局ってものは…。

中止だ! 中止 中止!

申し訳ございません!
彦兵衛には きつく言っときます。

♬~

<戦時中の寄席には
「臨監席」ってぇのがありました。

落語のことなんか何にも知らない
お巡りさんが陣取って

時局柄 よろしくないと判断したら
「中止!」ってんで 止めちまう。

まあ 大抵は 噺家は ヨイショ
つまり ご機嫌取りのプロでしたから

大ごとには
なりませんでしたけれども。

つまらねえ連中が威張っていた
嫌な時代でございました>

え~ 世間には よく この慌て者

そそっかしいなんてぇ方が
いらっしゃいますが…。

ありがとう。

下座見習いの 千代です。
ま… まだ始めたばかりで…。

今度 教えてあげようか。
お願いします。

♬~

≪(出征兵士を送る行進曲)

<女ってぇもんが何なのか知りたくて
つきあい始めたようなもんでした。

初太郎に負けたくねえ。
色っぽい落語をものにしたい。

そのために… その一心で…>

≪(出征兵士を送る行進曲)

<もちろん 前座の身ですから
師匠に知れたら怒られます。

隠れて コソコソ
逢瀬を重ねておりました>

何があった。
何って 別に。

おめえは 俺に
うそも隠し事もできねえよ。

すぐに顔に出ちまうからな。

ほんとに 別に何も。
正直に言え。 なんだよ。

おめえ とぼけられると思ってんのか!

あ~ ちょっと よせって! よせって!
言え! 分かった 分かった!

言うって! 言うよ!
言え 言え! 言うはずねえだろ。

あ~ ちょ… 分かった 分かった…
言います! 言うよ! 言う! 分かった!

うちの都合で 田舎に帰ることになったの。

<けれども お千代ちゃんとは
すぐに お別れすることになりました>

私のこと 忘れないでね。

「五十両」。
「えっ 五十両? そりゃあ大金だ」。

「ほら ご覧よ。 だからさ お前さんに
こしらえてとは言わないよ。

だけどねぇ 移り替えができないんじゃ
みっともないから

あたしゃ 死んじゃおうと思ってんの。
だけど」。

色っぽい女を演るのが うめえなぁ。

坊の落語で 一杯やりてえな。

また 台所から ちょいと失敬してくるか。

よし! じゃんけん…!

(幹部)はぁ… こんなご時世だから
しかたがねえ。

(七代目)じゃ やっちゃいけねえ落語を
決めるってぇのかい。

国家総動員からこっち どうにもならねえ。

会長は はっきり言わねえけれど

放送局からも 役所からも
言われてるそうだ。

だからって てめえたちで
禁止にしなくても…。

明烏」も「五人廻し」も「品川心中」も
できなくなるってのか?

(幹部)お上に言われてからするんじゃ
かえって損になる。

目ぇつけられたら おまんま食い上げだ。
なっ 分かってくれ。

戦が終わるまでは 色っぽい噺は封じ手
勇ましい新作で やっていくしかねえ。

落語を… 落語を殺そうってのかい!

♬~

まさか 師匠に見つかっちまったか?

「品川心中」 「明烏」も「五人廻し」も…

アタシのやりてえ落語は
ご法度になるらしいんだ。

え~? …んなバカな話があるか
なんかの間違いだろ?

落語は 戦の邪魔なんだとさ…。

♬~

<戦争は ひどくなる一方で

落語どころではない
という空気が満ちていました>

♬~

<昭和16年の秋
不道徳 不謹慎であるとして

落語界が自粛する形で 浅草本法寺に
はなし塚が建てられ

全53種の名作古典が葬られました>

<除幕式は 新聞にも載りました>

動かないでくださ~い。

<それから すぐ 真珠湾攻撃

日本は ついに
アメリカとも戦争を始めました>

手足もがれたみてぇだ。 なあ 菊。

このまんま 自粛なんざ広まりゃあ
それが当たりめえになっちまう。

冗談じゃねえやな。

<艶話をやりたかった私にとっては
道を断たれたような思いでした。

もう どうあがいても
初太郎には かないっこない。

なんにも やる気が出ない心持ちでした>

よう。

あ~あ こんなに ためやがって。
どうしたんだぇ。

今日は 文好兄さんの出征の見送りに
行くんじゃなかったのかい?

手伝いに来てやったんだ。
おめさん このところ

ぼ~っとしちまってるからよ。 どけ。

前座も足らねえし 稽古どころじゃないよ。

新しいやつが 全然 入ってこねえから
俺たち いつまでたっても下っ端だ。

この分じゃ いつまでたっても
二ツ目にもなれねえ。

このまま 落語は なくなっちまうのかね。

冗談じゃねえよ。 こんな時代だからこそ
落語をやらなきゃいけねんだ!

俺ぁ 落語のためだったら
死んだっていいよ。

でもな お国のために
命をささげるなんざ 俺ぁ…。

おい 初太! 声が…。

坊 おめさんは 何があっても
落語を捨てちゃダメだ。

今は 誰も見向きもしなくたって

戦が終わって 腹いっぱいになりゃ
また寄席に戻ってきてくれる。

俺ぁ そう信じてる。

そうかぇ。
おう!

おっ。 あっ 「黄金餅」が かかってら!

これ 好きなんだよなぁ。

そのころ 堀様と鳥居様という
お屋敷の前をまっすぐに

筋違御門から大通りへ出まして

神田の須田町へ出てまいりまして
新石町から鍛冶町へ出まして…。

今川橋から本銀町へ出まして。
(七代目)今川橋から本銀町へ出まして。

石町から室町へ出まして。
(七代目)石町から室町へ出て

日本橋を渡りまして。
日本橋を渡りまして

通四丁目から中橋へ出まして。
(七代目)通四丁目から中橋へ出まして。

(松田)長い間… お世話になり
ありがとうございました。

くれぐれも 体には…。

<初太郎の言葉とは裏腹に

東京で空襲が始まると
落語界は どんどん寂しくなり

住み込みで働いていた松田さんも
疎開することになりました>

(七代目)とうとう
おめえたちだけに なっちまった。

実はな 満州
皇軍慰問に行こうと思ってる。

満州へ?

頼まれた期間は 三月。

こっちじゃ 落語どころじゃねえが
あっちに行きゃ 毎日 落語ができる。

でだ… 東京も危ねえし
カカアは 実家に帰そうと思う。

田舎に行きゃ メシだけは食える。

菊比古も 一緒に
カカアの実家に行ってくれねえかい。

じゃ 初太郎も?

こいつは 満州へ連れてく。

なら アタシも…。
おめえは 足も悪い。

危険なとこへ連れてけねえ。

(七代目)時代が悪すぎらぁ。

この猫も もう飼いきれねぇ。

放してやらなきゃな。

ほらよ。

♬~

アタシは…

その猫と おんなしなんですか?

アタシは… また捨てられるんですか?

坊…。 初太は 師匠のおそばで
修業できる。

アタシだけ のんきに
田舎で暮らすなんて嫌です。

アタシには そんなに
見込みが ないんですかい?

そんなこたぁ ひと言も…。
これ以上 差がついちまうのは 嫌だ。

せっかく好きになってきたのに。

(七代目)菊比古。

♬~

(七代目)菊比古。

初太郎は じきに兵隊に行く身だ。

せめて それまでは
落語をやらせてやりてえじゃねえか。

♬~

坊… 起きてんのかい。

ああ。

ずっと一緒にやってきたけど
ついに別れ別れだなぁ。

なんでぇ その顔は。

これ 大事に持っといてくんねえか。

俺に 落語を教えてくれた
じいさんの形見。

俺の お守りだ。

満州で なくすのも 怖ぇし
そいつを持って田舎に行って

稽古だけは きちんと しとくんだぜ。

俺ぁ 絶対 生きて帰ってくる。

♬~

指切り。

なんの?

必ず生きて帰ってくる。
アタシを一人にしない。

約束したじゃないか。

俺ぁ おめえさんの
恋人じゃねえんだよ。 いいから!

分かったよ。 まだ 吉原も行ってねえしな。

♬~

アレやっておくれよ 「あくび指南」。

お前さんのアレ聞いてると
眠たくなってくるんだ。

失礼極まりねえな。
さあ。

♬~

四季のあくびというのが
ありますな。 (いびき)

早ぇよ。

え~ 四季のあくびというのがありますな。

春のあくびなんてえのは
これは一人旅でございますな。

田舎道かなんか歩いておりまして

麦畑が青々して
菜の花が黄色く咲き乱れている。

山は霞の帯を締め

雲の中では ヒバリが
さえずっていようというような

陽炎が立ち上る田圃道か何かを
歩いておりますと

自然は眠気ももよおして。

♬~

<それから 私は
おかみさんの田舎に疎開

落語とは全く縁のない工場勤めをして

戦時中とは思えないほど
穏やかに暮らしておりました>

郵便は?

今日は まだ来ませんよ。

<初めは こまめに届いた便りも
次第に来なくなり

三月を過ぎても 二人の行方は
全く分かりませんでした>

やっぱり… 死んじまったのかね…。

(女性たち)や~!

抜け! よし! 次!

構え! 突っ込め!

(3人)や~!

女みたいな声 出しおって!
貴様のようなものは いらん!

出てけ! 出てけ! 邪魔だ 邪魔だ!

あの人 東京の落語家さんなんです。
だから なんだ?

そんなもの 戦では
なんの役にも立たん! 次!

ひどいよねぇ。
握り飯 よかったら食べて。

ありがとう。

あとで 落語 聞かせてください。

しっ! 私たちまで叱られちゃうよ。

「こっちだよ 早くおいで」。

「ちょっと まってくれよ
ちょっと まってくれよ。

暗いんだよ 提灯 借りてきて」。

「早くおいで 桟橋は長いよ」。

「命は みじかいよ」。

生きてんのかい…?

生きてんだよな?

≪(おかみさん)菊比古! 菊比古!

ラジオで 大事な話があるんだってさ!

<それは 本当に突然のことでした>

「耐へ難キヲ耐へ 忍ヒ難キヲ忍ヒ…。

…期スヘシ
爾臣民其レ克ク朕カ意ヲ体セヨ」。

…で 結局 なんて おっしゃったんだい?

負けたそうです。

戦争が終わった…。

終わったんですよ!
じゃあ あの人 帰ってくるんだね?

そうです! もう 空襲も ないんです!
東京に戻れます!

あの人 生きてんだよね?
帰ってくんだね!

はい!

♬~

初太郎!

落語が できる!

落語が できるんだ!

帰ってこい…。 生きて帰ってこい!

帰ってこい…。

この唐変木

落語が…。

落語が できるんだぁ~!

え~ 品川の新宿に…
白木屋という女郎屋がございまして

ここの板頭を務めておりました お染さん
まあ 昔は 大変 売れたんですが

だんだんトシをとってきて
シワが目立つようになった。

そうなると お客は正直ですから
お染さんから離れていく。

移り替えという時期になりますと…。

<一刻も早く もう空襲のない東京へ。

おかみさんと私の願いは 一つでした。

そして 師匠と初太郎を
迎えてやりたかった>

♬~

(松田)おかみさん! 菊比古さん!

松田さん!
お帰りなさい!

ご覧のとおり 師匠のお宅は
ご無事でした。

松田さん ありがとね…。

私にも この家は特別ですから。

あとは 家主を
待つばかりですね。 はい。

<けれど 師匠と初太郎からは
なんの便りも ありませんでした>

あっ 中橋から通ってくる 本屋の…。

<それでも 私は
二人が帰ってくることを信じて

仮の大黒柱として働き続けました>

<世の中が変わっても
金持ちは 変わらず金持ちで

先輩の師匠たちが 下っ端の私にも
お座敷の仕事を回してくれました>

「おうおう ちょっと お染よう
おめえが相談があるってぇから

俺は来たんだよ。 それ 黙ってたんじゃ
しょうがねえじゃねえか」。

<アタシは ただただ
落語ができることが うれしかった>

「百両かい? 二百両かい?」。
「あら 頼もしい」。

<そして 寄席が そろそろ再開するという
噂が聞こえてきたころ…>

≪おぉ~い!

♬~

坊!

♬~

初太 くさっ…!

坊は ええ匂いじゃ!

♬~

(拍手と歓声)

(拍手)

え~ 皆さん よく生きてましたね?

(笑い)
生きてた? 生きてた?

生きてない? いや 生きてた。
生きてた。

え~ よく 趣味道楽なんてぇことを
言いますが。

「わ~ 開けてくれ 開けてくれ!」。

♬~

満州で 地獄 見て
また 腕 上げやがった。

♬~

鼻血が出てきちゃった。

バカバカちくって
はなぢにならないってやつだな。

こんな針で 骨が釣れるかよってんだ。

あら この人 針 捨てちゃったよ。

ざらしで。

(拍手と歓声)

俺が言ったとおりになったろ!

見ろよ この客! 食うものも着るものも
なんにもねえ時だからこそ

舌三寸の落語の腕の見せどころ!
俺たちの時代が もう来てんだよ!

<この人の見つめる先は いつも明るい。
そして 正しい。

私は この時 心底 そう思いました>

♬~

<初太郎と同じ方を見ていれば
おのずと自分の行く道も見える。

そう確信したのでございます>

♬~

<そして 私たちは
前座から二ツ目に上がりました>

やって これ。
なんでだよ。 やって これ。

なんでだよ。 やってよ。
覚える気ないだろ。

分かったよ。

♬~(出囃子)

(拍手)

え~ 一席 おつきあい願います。

世の中には 物を習おう
稽古をしようなんてことがあるもんで。

気を付けて…。

<師匠の家を出ることになり

私たちは 汚いアパートを借りて

貧乏落語家の二人暮らしが始まりました>

ゆっくり。 ゆっくり ゆっくり ゆっくり。
よいしょ!

<そんなころです

私たちの前に あの人が現れたのは…>

あら 頼もしいねぇ。

あら 頼もしいね…。

あ~ら 頼も…。
(イネ)精が出るね。

すみません もう帰りますんで。

(アキコ)表に 人が来てますよ。
七代目に会わせてくれって。

師匠に?

♬~

(みよ吉)あんたが お弟子さん?

かわいいわねぇ。
八雲先生に お会いしたいの。

みよ吉が来たって伝えて頂ければ
すぐ分かりますわ。

<こうして いよいよ

波乱万丈二ツ目時代の
幕開きとなるんですが

あいにく お時間ということで
続きは また次回に>