ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

過保護のカホコ 2018~ラブ&ドリーム~ 高畑充希、黒木瞳、竹内涼真… ドラマの原作・キャスト・主題歌など…

過保護のカホコ 2018~ラブ&ドリーム~』のテキストマイニング結果(キーワード出現数BEST10&ワードクラウド

  1. 加穂子
  2. ママ
  3. パパ
  4. 子供
  5. 初君
  6. 大丈夫
  7. 保くん
  8. ハァ
  9. 何だよ
  10. 結婚

f:id:dramalog:20180919231904p:plain

過保護のカホコ 2018~ラブ&ドリーム~』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)&EPG情報(出典)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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dramalog.hatenablog.com 

 

 

一年前に、大好きな初君と結婚して、すっばらしい新婚生活のハズが…、保育園は経営難、パパとママは離婚するとか言い出すし、初くんとも大けんかして家出しちゃった!

詳細情報
出演者
高畑充希黒木瞳竹内涼真三田佳子佐藤二朗中島ひろ子、梅沢昌代、濱田マリ夙川アトム西尾まり、西岡德馬、時任三郎映美くらら、横山歩
番組内容
超純粋培養の箱入り娘・カホコが帰ってくる。
過保護から卒業し、家族という王国に君臨!・・・しているはずのカホコだったが、保育園の経営難、親族のゴタゴタ、両親の離婚問題と、トラブル続出!しかも、問題を全て一人で解決しようとするのが、全てカラ回り。ついに最愛の夫・初との関係も微妙にズレ始め・・・。家族崩壊の危機にカホコは亡き祖母との「家族を守る」という約束を守れるのか?
監督・演出 

日暮謙

原作・脚本
遊川和彦
音楽
【主題歌】星野源
【音楽】平井真美子
制作
5年D組

 


(根本正高)
<皆さん 覚えてますか?>

<この小さな王国

大事に大事に育てられた
お姫様のこと>

<1年前に このお城を
引き継いだ お姫様は

今や 一家を率いる女王として
見違えるほど成長した

…と言えるかどうか>
(目覚まし時計のアラーム)

(麦野 初) えっ?

おい おい
お前 まだ寝てんのかよ。

(麦野加穂子)
う~ん… ごめん あと5分だけ。

ってか お前さぁ

俺より1時間早く起きるって
言ってなかったっけ?

えっ?

あぁ~~! やっちまった~!

ねぇねぇ… 初君 やっぱり
こっちのほうがいいかな?

うん 別に 今 着てる服でいいよ。

ちゃんと聞いてよ
ママみたいにさ。

お前は何を着ても かわいいよ
ねっ?

何だよ その結婚詐欺師を見つけた
女性警察官みたいな顔は。

だって
適当なことばっか言うから。

そんなこと言ってる場合かよ
仕事に遅れるぞ 仕事に! なっ。

あっ そう…!
あ~ あっ ごはん作らなきゃ!

あれ? じぃじは? じぃじ~?

(並木福士) ≪お~い 加穂子!
こっちだ こっち こっち!≫

あっ はいはい…!

(福士) あ痛っ…。
どうしたの? じぃじ。

(福士)
庭の手入れしてなかったからさ

草 抜いてたらさ
腰まで一緒に抜けちゃったみたい。

痛たたた…。
大丈夫?

あっ 忘れてた え~と…。

なぁ~ 加穂子~!
何?

新しいパンツないんだけど。

ウソ?

あぁ こっちも忘れてた。

あ~ もういい… いいから もう。

今 はいてるやつ
裏返して はくよ。

あっ ごめん。

お待たせしました~
はい じぃじ。

初君 どうぞ!

はい じゃあ いただきま~す。
いただきます。

ん…。
じぃじ どう?

ばぁばのと比べて。
あ いやいや… もう…。

もうちょっとだな ハハハ。
あぁ…。

やっぱり
ばぁばに おみそ汁の作り方

もうちょっと
ちゃんと聞いとけばよかったな。

落ち込むなって。
ん?

毎日コツコツやるしかないって
ばぁばに言われたんだろ?

そうだよ 初代だって最初は
まずいって言われたんだぞ。

姑や小姑から。

そうだよね…。

えっ?
もうこんな時間!

ばぁば いってきます。

♬~


(子供の泣き声)
どうしたの? おじいちゃん。

(根本正興) この子が
ゲームばっかりやってるから

本を読めって言っただけだ。

ごめんね おじいちゃん
ちょっと言い方 怖いんだけど

でも すっごく優しいんだよ。

ヤダ ヤダ!

(根本多枝) ダメよ
全部食べるまで 遊んじゃ。

あ~ おばあちゃん
そんな無理に食べさせなくても。

でも このままじゃ
好き嫌いが直らないし。

あ~ じゃ そうだそうだ…!

じゃあ じゃあ 今日は
半分だけ食べてみよっか ねっ。

半分に… 半分にして
はい あ~ん。

≪わぁ~!≫

あっ ごめん おばあちゃん。

どうしたの? 教子おばさん
ハァ ハァ…。

(根本教子) 今月も赤字なのよ。

保育料 何か月も滞納したり
時間より早く預けに来て

お迎えの時間に遅れる
おかあさんが多いから。

一体どうなってるんだ?
今どきの親は。

親と一緒にいられない
子供たちのために

養護施設 兼 託児所 兼 学習塾
みたいな場所をつくりたいって

カホちゃんが言うから
始めたけど…。

(教子) このままじゃ
ただの慈善事業っていうか

こっちがヘトヘトになるだけ。

加穂子に
お給料だって払えないしさ。

加穂子なら大丈夫だよ
いいこと いっぱいあるし。

例えば?
例えば 例えば あの…

ほら みんなの笑顔 見てたら
元気になるし

あと それから
あれよ! あれ あれ あれ…。

あれ~~!

(正興) おぉ! 初めて立った!

あ~ おかあさんにも
見せてあげたかったな。

(保) へぇ~
まだ つぶれてないんだ ここ。

悪かったわね。
保くん いらっしゃい。

今ね この子 初めて立ったんだよ
よしよし…。

それより
あの2人 ケンカしてるけど。

えっ?

あいつは
変なもの 食べようとしてるし。

あっ ホントだ!

(保) それから 外 見て来たほうが
いいと思うけど。

えっ 何で?
(保) 怪しいヤツ いたから。

最近 この辺に変質者が出るって
うわさだし。

ウソ?

誰もいないじゃん。

♬~

お待たせしました
カフェラテです。

今日は モナ・リザと

フェルメールです。
(客) えっ すご~い!

ありがとうございます。
(客) ありがとうございます。

(マネジャー) 麦野君 助かる~!

おかげで売り上げも伸びてるし。

ねぇ 何なら正社員にならない?

本社には私から推薦しとくから。
あの すいません。

俺 いつか
ピカソ超えるつもりなんで。

でも いつまでもバイトじゃ
奥さんも不安なんじゃ…。

そこは問題ないです。

うちのかみさん
俺の絵の大ファンなんで。

あ~! また明日ね~。
また明日。

ハグしよう ハグ。

ごはん ちゃんと食べるんだよ
よしよし…。

(母親) ありがとうございました。
バイバ~イ また明日。

また明日~!
(正興) はい また明日 バイバイ!

加穂子 俺も帰る。

じゃあ 保くんもハグしよう。

いいよ 俺は。
何で? いいじゃん。

ガキじゃないから。

(正興) ハッハッハッ…!

気を付けて帰ってね~!
(正興) バイバ~イ。

保くん! 園長先生によろしくね。

あっ 靴 ちゃんと履くんだよ~。

保 この前 養子縁組になる話が
あったのに 断ったらしいよ。

えっ 何で?
多分 信じてるんだよ。

自分 置いて行った母親が
今も帰って来るって。

ただいま~。

あれ?

加穂子~!

じぃじ いますか~?

(福士) ≪お~い 初君
ここ ここ こっち こっち≫

あぁ じぃじ どうしたんすか?

洗濯しようと思ったんだけどさ

この機械の使い方が分かんないで
そしたら また腰が…。

あ~ もう あの 俺やりますんで。

(洗濯機の始動音)
おぉ…!

ただいま~。

あ~ おかえり。

もう 加穂子。
あ~ 加穂子がやるから。

そんなことよりさ
メシ作ってくんないかな。

もう 腹ペコなんだよ。
あ~ ごめんね。

おい 何ならピザ取ろうか ピザ。

大丈夫だよ
加穂子 ちゃんと頑張るからさ。

え~っと…。
何を作るんですか?

う~ お~!
おいおい… メシは?

あの ちょっと 先 トイレ!

忙しくって 時間なくて
もう 限界!

大丈夫かよ。

えっ?

おい
また同じの買って来たのかよ。

≪あぁ~!≫
あ~ 何だよ びっくりすんな!

どうした どうした どうした?

どうした? どうした?
どうしよう。

トイレットペーパーが ない。

(福士) ごめ~ん!
何度も行ったから今日 俺が。

あ~ 大丈夫だよ。

切れそうだから買わなきゃって…。
おい おい!

それで どうしたんだよ?
トイレットペーパーなくて…。

ごはん作るね。

それの答えは なしかよ
ハァ…。

ダァ~!
あぁ~!

今度は何だよ?

ラップが ない。

いいよ 温めなくて そのままで。
あぁ ごめんね。

あっ… 今 おみそ汁は作るから。
はい。

お~! 寝るな! おい!

寝るな!
危っぶねぇ。

お前… こっちが危ねぇ。

お前さ こんなところ
ママに見られたら大変だぞ。

また 「ママがいないと 何にも
できないんだから」とか言われて。

(根本 泉)
そんなこと言わないわよ。

オッホホ… びっくりした~。
どうしたの? ママ。

こんなことだろうと思って
夕飯 作って来たの。 え?

加穂子の好きなオムライスと
フライドポテトもあるよ~!

あ~ ありがとう ママ。

トイレットペーパーと
ラップも買っといたから。

そろそろ なくなる頃だと思って。
どうして分かったの? ママ。

ほら いいから 早く食べなさい。

ママ その間に
洗濯と お風呂掃除やっとくから。

あっ いいよ 加穂子がやるから。

ママ やっぱり 加穂子…。
もう ごはん食べてらっしゃい。

ママ
もうホントに加穂子がやるから。

あんたには
やるべきことがあるでしょ?

あっ うん 今日の日誌
書いたりしなきゃいけないけど。

違う! 赤ちゃん。

赤ちゃん?
結婚して もう1年よ。

いつになったら
おめでたい報告 聞けるのかしら?

あの~ それならね
俺たち まだ若いし

しばらくはいいかなって…
ねぇ 加穂子。

うん 加穂子も忙しいし

子供育てる余裕は
ちょっと ないかな…。

じゃあ いつだったらいいの?
1年後? 2年後?

5年? 10年?

初君 あなた ピカソ超えるとか
言ってたけど

コンクールに
1回も入選してないでしょ?

それはまぁ 時代が
俺に ついて来てないっていうか。

私は 一家の長として

ちゃんと家族を養って行けるか
どうか聞いてるの。

それは 僕だって いろいろ
バイトとかしてますし…。

じゃあ 月いくら? それで。

5万? 10万? 20万?

初君 あなた 大学の奨学金だって
返さなきゃ…。

はい はい そうですけど!

あ~ でも… ママ ほら!
初君は世界中の人を

幸せにできる絵を
描いてくれるだけで十分だから。

ママは

あなたが こんな生活続けてたら

体こわすんじゃないかって
心配なの。

叶いもしない夢のために
加穂子が犠牲になって

結局 赤ちゃんが
できなくてもいいの?

よくないよね?

まぁまぁ… いいじゃないか 泉
2人も頑張ってんだし。

あっ せっかくだから
写真撮ろう 写真 なっ。

もう パパはいいよ
余計なことしなくて いいの。

また 腰痛めるし。
何だよ 俺がせっかく… 痛い…。

あ~あ~ 草もボ~ボ~だし
今日は 泊まって行こうかな~!

(電子レンジのアラーム)

(正高) 熱~っち 熱っち!
ふぅ~ ふぅ~。

(正高) うぅ~ ハァ…。

(正高) やっぱり
結婚反対すればよかったかなぁ。

熱い。

♬~

♬~ ふぅ~。

♬~

お~ びっくりした
もう ちょっと!

おい 何やってんだよ
おい!

ん?
もう寝たら?

う~ん…
でも忙しくて 子供の名前

付けられない
おかあさんがいるからさ。

何で お前が代わりに
やんなきゃいけないんだよ?

また明日 起きらんねえぞ。
大丈夫だよ

今度の日曜日に寝だめするから。
そうか。

あぁ~!
あぁ~!

今度は何だよ 何忘れた?

次の日曜日 糸ちゃんの誕生日だ。

あぁ 誕生会しなきゃ。

いいんじゃないの?
えっ?

今年は ばぁばも いないし
お前だって忙しいだろ。

ダメだよ
ばぁばが やって来たことを

全部続けるって決めたんだから。

そんなこと言って 家のことだって
ろくにできてないくせに。

ねぇ お願い ばぁばと約束したの
家族のこと ちゃんと守るって。

また そうやって
捨てられた子犬みたいな顔する。

あぁ…。

分かった 俺も手伝うから。

ありがとう… あっ でも

初君は絵のことだけ 考えてね。

また それかよ。

ねぇ 最近
新しい絵とか描いてないの?

えっ?

あぁ~ じゃあ 何なら 見る?

見たい 見たい。

これなんか どう?

ダメ。
何でだよ!

じゃあ これは?

ダメ~。
何だよ!

お前 最近
ダメばっかりじゃねえかよ!

じゃあ こんなのは?

ノー。
今度は英語かよ。

じゃあ…。

これは?

ド~ント!
「ド~ント!」って何だよ!

もう見せるなってことか?

あ~ じゃあ…。

これ。

あの これ
俺の自信作なんだけど…。

ん?

おい おい 寝るなよ!
寝るな おい 寝るな… もう!

ド~ント‼

(加穂子:子供たち)
♪~ ぞうさん ぞうさん

♪~ おはなが ながいのね

♪~ そうよ かあさんも
ながいのよ

あ~ できた~!
(拍手)

加穂子。
ん?

(保) また外に変なヤツいるけど。
えっ?

♬~

ふぅ…。

あっ!
(真美) ちょっと 大丈夫?

あっ 全然 大丈夫です。

あっ あの もしかして 昨日も
ここ いらっしゃいました?

は? 何の話?

あぁ~ だったらいいんです
あの… 入園のご希望ですか?

違うわよ! 保いる?

あ…?

保~! 元気だった~?
びっくりしたよ。

アパート帰ったら いないし
施設に入ったって聞いたからさ!

おかあさんと帰ろう。

また 一緒に暮らせるんだよ!
うれしくな~い?

こ~ら こらこらこら…!
ほら! 早く支度して!

(岩崎) 若い時 保を産んだけど

結婚する前に
相手の人に捨てられて

それ以来 恋人ができるたびに
保のこと ほったらかして

フラれたら また戻って来る生活を
繰り返してたみたいで。

じゃあ
また同じことするんじゃ…。

ええ。

児童相談所には 「もう二度と
今までのようなまねはしない」

…って
泣いて頭を下げたそうなの。

(子供) わぁ~!
(子供) パンダだ パンダだ…!

(岩崎) 保のこと
よろしくお願いしますね。

保くん いつでも遊びに来てね。

カホコハウスに~!

つぶれてなかったらね。

フフ… ほら 行くよ 保。

(真美)
何か おいしいもんでも食べよっか
それとも遊園地 行く?

ねぇ 保! 保!

保~! ほら 行くよ!
イェ~イ!


せ~の… よしっ。

ここら辺か? もうちょい行く?
まだ?

痛っ…。
あっ… あぁ 大丈夫?

あっ ごめん ごめん ごめん…。
痛いな…。

もう 何だよ
さっきからボ~っとして!

あぁ ごめん… 何か 保くん

おかあさんと どうしてるかな
とか考えちゃってさ。

あ~ それは いずれ
ヤバいことになるな 多分。

え? 何で?

ネグレクトする母親っていうのはさ
大抵 同じこと繰り返すんだよ。

どうしよう
また捨てられちゃったら…。

そんなこと言ったって 俺たちには
何にも できないんだから。

そんなことより
準備しないと みんな来ちゃうぞ。

あ うん…。
ほら!

何! まだ
全然 準備できてないじゃない。

はい出た~。
あっ ママ!

もう来てくれたんだ。
加穂子 料理作るから手伝って。

あっ 加穂子 ちょっと
いろいろ買って来たんだけど。

何!
これだけで作ろうと思ったの?

あっ ちょっと経済的事情が…。
あ~ はいはいはい。

こっちは じゃあママやるから
座布団並べて。

あっ うん…。
それから 中途半端な飾り付けは

やるなら やる!
やめるなら やめる!

あ… やります!
よし やろうか やろう。

(国村 環) ≪こんにちは≫

俺 それやるわ。
あっ はいはいはい…!

あっ 環ちゃん 早かったね
あっ あれ? 衛おじちゃんは?

(環) あぁ… ごめん
仕事が どうしてもあって

来れなくて。

(せき込み)
どうしたの? 何か 体調悪い?

ううん 全然 大したことない。

(振動音)
あっ。

(振動音)
あっ 衛おじちゃんだ! 出る?

(振動音)
いい。

(振動音)
泉ちゃ~ん! 私 何したらいい?

(振動音)
あぁ…。

もしもし 衛おじちゃん?

(国村 衛) ごめんね 加穂子ちゃん
今日 行けなくて。

ううん 大丈夫
あっ ねぇ それより

タマちゃんと 何かあったの?

実はさ タマちゃん
この頃 いろいろ無理しててさ。

えっ 何で?

話すと長くなるからさ
また後でメールするわ ごめんね。

あ… 分かった。

(環) うわ~ おいしそう!

すごい 泉ちゃん!
すごいねぇ~!

おぉ~!
(富田厚司) 加穂子ちゃん。

飲み物と野菜
買って来ましたです。

あっ ありがとう 厚司おじさん。

あれ? 糸ちゃんは?

あ… ちょっと あの… 出掛けに
こいつとケンカしちゃって。

おぉ…。

あぁ でも すぐ来ると思います。

せっちゃん どうしちゃったの?

(富田 節)
ちょっと聞いてくれる? 加穂子!
糸ったらさ…!

あ~ 厚司君 いつものように
バーベキューの用意してくれる?

節は 糸の好きな
チョコチップクッキー作って これ。 うん。

加穂子 何にもやってないから。
加穂子 やるから…。

加穂子
それよりバースデーケーキは?

ぬあぁぁぁ…!

そんなことだろうと思って
ケーキ屋さんに頼んどいたの。

これで払っといて。

(店員) ありがとうございました。
ご苦労さまです。

ママ! うん?
ケーキ来たよ!

だったら冷蔵庫 入れて。
あっ うん。

あぁ ありがとう。
はいはい…。

ごめんなさい。

あっ… 加穂子 何すればいいかな。
う~ん じゃあ

グラスとお箸 並べて。
ラジャ。

あっ ごめんね。

あの~ 俺は
何か手伝うことありますかね?

あなたはいいのよ~
どうぞ 絵を描いててください。

はい…。
はい。

カッチ~ン。

なぁ いいのかよ?
ん?

結局 ママが全部
やっちゃってんじゃねえかよ。

あぁ うん…。

あっ でも ママも
厚意で やってくれてることだし。

(富田 糸) 加穂子ちゃん 元気?

糸ちゃん! 誕生日おめでとう!

ねぇねぇねぇ 何で せっちゃんと
ケンカしちゃったの?

いくら言っても反対するからさ
私が決めたことに。

どういうこと?

後で ゆっくり話す。
あぁ…。

お義姉さん 肉まだですか?

あ~ もう来るはずなんだけど
ごめん。

(正高) こんにちは~。
あ~ やっと来た! お肉。

お肉! お肉こっち。
あっ ごめん。

パパ! 遅かったね。

お~ 加穂子! 会いたかった~。

ん? 何か パパ 顔色悪い?
大丈夫?

相変わらず優しいなぁ 加穂子は。
ううん…。

あっ そうだ カード
ちゃんとチャージしてるか?

あっ あぁ 忘れてた。
じゃ これですれば?

あっ でも大丈夫だよ
加穂子 もう結婚したし。

あぁ そうか。
うん。

あっ! そういえば パパ
ママと何かあった?

え? 何で?

いや 何か あの…

ママ よく最近 来るんだけど
でも パパの話 全然しないから。

加穂子 実は…。
うん。

おぉ! みんな そろったか?
じゃあ 写真撮ろう! 写真 なっ。

(3人) パパ 写真は後!

おぉ~!
(拍手)

糸ちゃん 誕生日おめでとう!
おめでとう!

じゃあ カンパ~イ!
カンパ~イ!

ありがとうございます。

そうか
糸も もう19歳になったか。

で どうだい? 大学のほうは?

それなんですけど
実は みんなに報告があります。

ちょっと 糸
今 そんなこと言わなくても。

みんなには
早く言ったほうがいいでしょ。

私は まだ認めてないからね。
(糸) 私は決めたから。

どうしたの? 2人とも。

まさか お前… 結婚すんのか?

バカなこと言わないでよ パパ!

私 来月から ウィーンの
音楽学校に行くことにしました。

えぇ~!
本当なの? 糸ちゃん!

すご~い!
すごい!

チェロは もう弾けないけど

1年前から コンダクタ-の勉強 始めて
担当教授が

才能があるから 向こうに行って
勉強したほうがいいって

推薦状を書いてくれて。
へぇ~。

コンダクターって何?
指揮者だよ。

あ~! みんなの前で こう
棒だけ振って

あの いてもいなくても
同じみたいな人?

指揮者は とっても大切なんです。

いないと みんなバラバラに
好き勝手な演奏をして

絶対 いい音楽なんて できないし。
へぇ~。

でも 向こうの学校 行ったって
なれる保証なんか ないんでしょ?

そんなの やってみなきゃ
分かんないじゃない。

チャレンジしないと
夢なんて つかめないし。

(環) 私は心配してるんでしょ
言葉の問題もあるし

向こうで 一人暮らししたら
生活費だって かかるし。

それなら おじいちゃんと
おばあちゃんが

「何か やりたいことが
見つかったら使いなさい」

…って言ってくれた
お金だって あるし。

住む所だって どうするの?
知り合いもいないのに!

言ったでしょ? SNS
友達になった人がいるって。

≪わぁ≫
あんた 何考えてんの!? これ!

金髪の 青い目の男じゃないの!
もう 変な想像しないでよ!

ルームシェアするだけでしょ!
ちょっと… まぁまぁ。

2人とも 落ち着いて。
ちょっと!

あんたこそ 父親のくせに
何 落ち着いちゃってんの?

いやいや
俺は糸の気持ちも分かるし

お前の気持ちも分かるから…。

そうやって はっきりしないから
いけないんでしょ!

父親らしいこと 何にもしないで
全部 私に任せっきりで!

おい… お前こそ 何で いつも俺が
悪いみたいな言い方するかな!

もう~…
2人ともケンカしないでよ!

あの 加穂子は いいと思うけどな
糸ちゃんの決心。

ねっ 初君。
おぉ… うん。

あの… 成功した人って 大体 こう
つらい状況に

あえて飛び込んで行った人
多いしね。 うんうん…。

それに ほら 私たち
糸ちゃんの作る音楽 大好きだし。

ありがとう 2人とも。

ちょっと
無責任なこと言うの やめてよ!

ねぇ 泉ちゃん!
何とか言ってよ~。

別に いいじゃない
好きにさせれば。 えっ?

ただ そんな甘いもんじゃ
ないと思うよ。

よく聞くじゃない? 留学したけど
結局うまく行かなくて

ドラッグに手 出すとか
芸術家崩れにだまされて

子供つくって
日本に帰って来るとか。

いやいや それは
飛躍し過ぎなんじゃないですか?

あなたは… 芸術家崩れだから
そう思うんじゃ?

ハハハ… そういう言い方は
どうでしょうか。

ハァ…。

1年以上 黙ってたけど
いまだに バイト生活だし

加穂子のこと幸せにするとか
言って 口先だけだし。

それは…。

あっ… ママ!
加穂子は 幸せだよ?

加穂子も 加穂子よ
あんな つぶれそうな施設で

他人の子供の
面倒見てる暇あったら

自分の子供のことを考えたら?

あぁ だから
それは この前も言ったように…。

(環) 加穂子 私も 早く赤ちゃん
産んだほうがいいと思うなぁ。

うん ねぇ?
(環) うん。

私みたいに 欲しくても
できなかったら大変だし。

そんなこと言わないでよ
環ちゃんも…。

ついでだから
言わしてもらうけど

私 子供 産むことにしました。

えっ!?

(福士) 環! お前 妊娠したのか?

違うわよ 代理母出産 考えてるの。

代理母出産?

ホントは 自分で産みたいんだけど
体弱いし 今からじゃ無理だから。

えっ でも 結構かかるんでしょ?

環ちゃん
よく そんなお金あるわね。

それは…。

そのお金をためるために

最近 スーパーでパートを始めたんですよ
朝早くから 夜遅くまで。

えっ?
えっ? あっ。

…って 衛おじちゃんが メールで。
あぁ。

もう 心配し過ぎなのよ
私 そんなに弱くないから。

それに僕だって 他の人に

産んでもらうのって
やっぱり 抵抗あるし。

…って 衛おじちゃんが。

私は マー君の子供が欲しいの!

マー君だって 一人っ子だし

このままだと跡継ぎが
いなくなっちゃうんだから。

環 気持ちは分かるけどさ 子供は
産んで終わりじゃないのよ?

育てるほうが
もう 何倍も大変なんだから。

そうそう そうそう それを
心配してるんですよ 僕だって。

…って 衛おじちゃんが。
うん それに よく聞くじゃない?

生まれた後 代理母

子供を渡さないって
ごねたりするの。

あっ あとさ
子供が大きくなってから

ホントの母親に会いたいとか言って
家庭内暴力に はしったりさ。

ちょっと やめてよ 2人とも!

2人はさ 子供がいて幸せだから
そんなこと言えんのよ!

何言ってんのよ! はぁ~?
子供いたって苦労するんだから!

親が反対するような男と

結婚したり…。
ホホ それは俺のことでしょうか?

いくら親が心配したって
言うこと聞かずに

家を出て行っちゃったり
するんだから。

子供だって
親 選べないの つらいわよ。

もっと物分かりのいい母親
だったら よかったのに。

(節) どういう意味よ? それ。

お母さんにだけは賛成して
ほしかった! でも もうやめた!

私 勘当されても
ウィーンに行くから!

だから もう
2人とも落ち着けって もう!

(クラッカーの音)
キャ~!

ちょっと び… びっくり
させないでよ パパ。

いや ほら あの まだ
写真撮ってなかったじゃないか。

だから 写真撮ろう! 写真。

(節)今こっち 大事な話 してんの。
(環)そうよ 毎年毎年

こんなもんばっかり用意して~!
「写真撮ろう」以外 言えないの?

家族が こんな大変な時。
よ~し 分かった。

じゃあ 久しぶりにね
俺の詩吟を…。

(3人) 聞かない!

もう 何だよ みんな!

せっかく みんなを喜ばせようと
思って やってんのに。

初代だってな
天国で泣いてるよ~。

あぁ ちょ… ちょっと待ってよ
じぃじ。

(振動音)
(糸) あっ ウィーンからだ

ちょうどいいから行くって伝えよ。
ちょっと! ちょっと 糸!

はい ウィリアム。
糸 待ちなさいよ ねぇ!

糸!
(環) もしもし マー君

私 何があっても 子供つくるから。

マー君
どうしても反対するなら

他の男の人の精子を買ってもいい。
えっ えっ? ちょっと待ってよ!

落ち着いて…。
ほっときなさい!

加穂子が どうこうできる問題じゃ
ないんだから。

あ~あ もったいない。

冷凍できるのは やっとくから
あんたたち 後で食べなさいね。

ねぇ パパ どうしよう?

えっ?
えっ?

あ ごめん パパ 今 自分のことで
いっぱいいっぱいで。

あぁ… あっ ねぇ やっぱり
ママと何かあったの?

パパ 会社辞めようかと思って。

えっ!
実は この前 異動があって

リストラ担当になってさ。

同僚に
退職を言い渡すぐらいなら

自分が辞めたほうが
マシだと思って。

う~ん パパ 優しいんだから…。

加穂子も結婚したことだし

立山にロッジでも買って

静かに余生を過ごすのもあるかな
って思ったんだけど どう思う?

う~ん 加穂子はいいと思うけど
でも ママ 何て?

いや まだ言ってない
どうせ 行くって言うわけないし。

そんなことないよ ねっ? 初君。

そんなことあると思うよ?

それでなくても 最近
夫婦の会話なんて全然ないし

俺たち夫婦には 加穂子のこと以外
話すことはないんだって。

完全に加穂子ロス。

そんなこと言わないでよ
ママだって

話せば分かってくれると思うし
ねっ? 初君。

それは どうでしょう?

せめて 孫でもできればなぁ。

加穂子が生まれた時みたいに
仲良くなれるんだけど。

いや~ それは…。

まぁ いざとなったら1人で
立山に行くよ じゃあな 加穂子。

えっ ちょっと パパまで
そんなこと言わないで。

パパが どうかした?
えっ? あっ いやいや… 何も。

(玄関の戸が閉まる音)

≪あ~…≫

あぁ…! 違う。

うぅ…。

ん~! う~ん… んっ!

ちょっとさぁ! そういう
甲子園でボロ負けした

高校球児みたいなこと
されてると

もう 気になっちゃって
絵が描けないんだけど!

だって このままだと 糸ちゃんが
勘当されちゃうかもしれないし

環ちゃんだって
衛おじちゃんのこと無視して

子供つくっちゃうかもしれないし。

ママも言ってたろ ほっとけって。

それぞれの家族の問題なんだから。

でも ママとパパだって
離婚しちゃうかもしれないし。

あ~… 加穂子に 何か
できることないかな。

せめて 孫でもできればなぁ

ちょ… 何だよ。

その カメラマンに こび売る
セクシーアイドルみたいな まなざしは。

初君 最近
絵で悩んでるみたいだし

久々に 加穂子がモデルになって
あげようかな~って。

そんなこと言って また変なこと
考えてんじゃないだろうな?

ねぇ どんなポーズにする?
やっぱり テーマは

大人の魅力?
やだなぁ そんなに言うなら

ヌードになってあげてもいい…。
ちょちょ…! お前さ

完全に
子供つくろうとしてんだろ。

だって パパとママの離婚は
取りあえず阻止できるし。

ばぁばが病気になった時も
同じようなことしてたけど

全然 成長してねえじゃねぇかよ!

子供はな
仲直りの道具じゃないんだよ。

う~ん でも
最近 ご無沙汰なのは事実だし…。

それは お前が
忙し過ぎるせいだろ。

あっ… ごめんね 初君。

でも…。

ちょ。
ちょ。

…っとだっけ!

ん~!

もぉ~ しょうがねえなぁ。

ちょっとだけね?

おいで。

(物音)

何だ? 今の音。
ネズミか何かじゃない?

えぇ?

チュ~~~。
ちょちょ…!

ここら辺に現れる
変質者かもしれないだろ。

ウソ。

あの… 誰かいるんですか?

変質者なら 間に合ってますんで。

うわぁ…!
ちょっ…!

え~…! 誰?

保くん?

(岩崎の声) それで 保は?

(加穂子の声) 取りあえず
うちで預かってます。

熱があるみたいだし。

(岩崎) やっぱり
心配した通りになったわね。

(チャイム)

こんにちは いらっしゃいますか?

失礼しま~す…。

何これ…。

(足音)

うわ うわ!

ちょっと何やってんの!?

私 カホコハウスの…。

あ~ 加穂子ね 何か用?

あ… あの…。
(真美) あれ? 保は?

あの うちで寝てます。

保くん 熱出しちゃって。

そう。

ちょうどよかった!
しばらく預かってくれる?

迎えに来てくれないんですか?

ちょっと 旅行に行かなきゃ
いけないからさ~。

あの… 保くんのこと
心配じゃないんですか?

(真美)
こっちは約束すっぽかしたら
フラれるかもしれないの!

ハァ 帰ったら引き取るからさ。

でも…。
(真美) いいじゃない!

保 あんたのこと好きみたいだし。

「加穂子なら
そんなこと言わない」。

「加穂子なら そんなことしない」。

「加穂子 加穂子」って。

いちいち うるさいっつうの!

いいんですか? 母親なのに
子供のこと ほっといて。

私は母親である前に女でいたいの。

まず!
女として幸せになりたいの!

それのどこが いけないの!?

保がいると邪魔なの!

あの子のこと知ったら

今までの男
み~んな私からいなくなったし。

(車のクラクション)
(男) おい 真美!

ごめん! 今行く!

待って 待って待って待って…
待って待って…。

おぉ~…!

大丈夫ですか!?

おっ… 大丈夫? OK!

あっ! あっ!

あっ ちょちょちょ…!
ちょっと待って!

あ…。

保くん 大丈夫?

おかあさんのことなら
心配しなくていいからね。

加穂子が 何とかするから。

(振動音)

パパ。
(振動音)

(振動音)

もしもし パパ? どうしたの?

(正高)
パパ 今 会社 辞めて来た。

えっ!?

えっ で ママに言ったの?

いいや まだ 今から。

だから 一緒にいてくれないか?
加穂子。

え~?


あ…。

学生の頃 立山 行った時

こういう所に 一緒に暮らせたら
いいなって話したの覚えてるか?

退職金も今なら多めに出るしさ。

意味分かんない。

ちょ… ちょっとママ
ちゃんと聞いてあげてよ。

そんな遠くに行っちゃったら

加穂子に赤ちゃん生まれた時
そばにいてあげらんないじゃない。

そうじゃなくても
あのダメ保育園とダメ夫に

苦労してんだから。
ママ そんな言い方は…。

大体 あなたは 寂しくないの?
加穂子と離れて。

いや… 寂しいよ 寂しいけどさ
そこは ぐっと我慢して

加穂子だって初君がいるんだし。
無理。

あ… じゃあ…。

うすうす そうだろうとは
思ってたけど

お前は 俺より加穂子のほうが
大事なのか?

もちろん。
ちょっとママ。

2人乗りのボートがあって

俺と加穂子 どっちを助けるって
聞かれたら…。

加穂子。

最後のチャンスだぞ。

新婚の時を思い出して。

俺と一緒に静かに
余生を暮らすっていう…。

あり得ない。
ちょっとママ。

そうか 分かったよ。

もう頼まないよ。

俺だってそうだもん!

加穂子のほうが大事だもん。

お前と一緒にいたって
全然楽しくないし。

もう別れよう 別れよう。

こうなるんじゃないかと思って

離婚届 書いて来たから。

は… は… はんこを押して
出しといてくれ!

ちょちょ… ちょっと!
パ… パパまでキレないでよ!

俺は 立山で小鳥やリスと一緒に
仲良く暮らすから。

マンションは お前にくれてやる。

心配するな
ローンは先月 完済したから。

あ~ もう嫌だ! こんな生活!

今度こそ ホントに疲れた~‼

ちょちょ… パパ パパ パパ!
パパ ちょっと! 待ってよ!

加穂子 ごめんな
パパは もう限界だ。

あっ ちょっとパパ パパ…。

ママ… ママ ママ ママ…!

ちょっとママも止めてよ!

ちょっとママ… ド~ント!

仕方ないでしょ? パパが
離婚したいって言うんだから。

あぁ…。
ハァ。

ついでだから
今から出して来ようかな。

え… ド ド ド… ド~ント!
あ~! ちょっと。

こ こ こ… これは加穂子が
あの いったん 預かるから!

預かるから ママ
だからパパと ちゃんと あの

一回 話し合って お願い。

(ドアが閉まる音)

ふぅ~…。

みんな ごめんね。

ちょっとパパとママが
いろいろあっちゃって。

いいわよ 別に 暇だし。

え? えっ どういうこと?

あれ? 子供たちは?

(教子) 近くに認可保育園が出来て
み~んな そっち移るって。

え?
いい機会だし

もうやめて このビル 丸ごと
売っちゃおうかななんて思ってさ。

えっ…。

おじいちゃん 何とか言ってよ
ねぇ。

子供たちの明日のために
始めたが

現実は甘くなかったんだよ
加穂子。

(多枝) せっかく料理作っても
みんな食べてくれないし。

おばあちゃん
そんなこと言わないで ねっ?

(教子) もうどうにもなんないのよ
加穂子。

借金だって こ~んなにあるしさ。

えっ ま… ど… どこに
電話してるの? 教子おばさん。

不動産屋
早いほうがいいかなと思って。

もしもし 根本ですけど…。
ド~ント‼

おぉ おぉ…!

ちょっと あっ ちょっと加穂子
何すんのよ!

これは 加穂子が こう…
いったん預かるから だから

結論出すのは
ちょっと待ってくれないかな?

お… お願い!


それで 離婚届と権利書が
ここにあるわけね。

う~ん…。

どうすんだよ? これから。

う~ん… 何とかする。

前にも言ったけど
何とかするっていうのは

具体的な解決策が見つかってない
人間の言うセリフなんだって。

あぁ そうだった…。

お前 保にも
同じこと言ったらしいけど

ホントに あの母親
説得する自信あんのかよ?

あぁ… それもあった~。

あれ? 保くんは?
施設に帰ったよ。

えっ 何で?

(初の声) 決まってんだろ。

これ以上 お前に
迷惑 掛けたくなかったんだよ。

あぁ~…。

もう… お前より保のほうが
よっぽど大人じゃねえかよ。

う~ん…。

お前さ ばぁばに この家や家族を
守ってくれって言われて

頑張りたいのは分かるよ?

でも お前がやってんのは
あれだよ。

雪道で車がスリップしてんのに
アクセル全開にして

タイヤ 空回りにしてるのと
一緒じゃねえかよ。

じゃあ どうすればいいの?
加穂子。

まぁ
抜本的な解決にはならないけど

今の状況を改善する方法が
1つだけある。

えっ? 何? それ。

俺が就職する。

はぁ?

バイトしてた店で
正社員募集してるから

受けてみないですか?
って言われてさ。

俺が定職に就けば
ママからも文句言われないし。

お前だって安心して

家族や子供たちの面倒だって
見られるだろ。

何だよ?
そのキレイ事ばっか言って

公約を守らない
政治家を見るような顔は!

じゃあ 絵はどうするの?

人が必死に生きる姿とか
大切な人を愛する姿を

描きたいって
ばぁばに宣言したくせに。

しょうがねえだろ
夢じゃメシは食えねえんだから。

そうやって逃げる気?
いい作品 作る自信がないから。

違ぇよ!
俺は お前のためを思って…。

加穂子のせいにしないでよ。

加穂子 そんなことしてもらっても
全然うれしくないから。

じゃあ どうすんだよ!
今のまんまじゃ

睡眠時間だって 生活費だって
ろくにないし

子供なんて
永遠につくれないからな!

そっちのほうが
いいんじゃないの?

そっちも… ホントは
父親になる自信なんてないから。

はぁ? 何で そんなこと
言われなきゃなんないんだよ!

(福士) ただいま~!
今日は勝ったぞ おい…。

あ~! パチンコ屋に
忘れ物しちゃったかな?

お前だってホントは
過保護に戻りてぇんじゃねえか?

結局 うちのことだって
ママに頼ってるし。

それは ママが勝手に来るから。

…とか言って 前みたいに
ママに何でもかんでも

やってもらったほうが
楽だと思ってるくせに!

しょせん お前が
ばぁばのマネして

家族を守ろうなんて
無理なんだよ そんなの!

ふぅ…。

私…。

何だよ。

こんなの初めて。

ほぉ~ 久々に出た
何が初めてなんだよ?

今までの人生で 一度も
後悔したことなんてないけど

こっちは… そっちの夢叶えたくて
毎日 頑張ってるのに

何で そんなこと
言われなきゃいけないの?

あ~あ~ こんなことなら
結婚なんてしなきゃよかった!

だったら別れようか。

えっ?

お互い 結婚してダメなら
そっちのほうがいいんじゃないの。

本気で言ってるの?

だって そっちのほうがお前だって
またママと暮らせるし

俺だって誰にも気を使わずに
思う存分 絵が描けるし。

お互い
いいことばっかりじゃない?

そ… そうだね。

俺 強がって自分の母親に

すっばらしい家族つくってみせる
とか言ったけど…。

やっぱ向いてねえわ 俺 結婚とか。

(玄関の戸の開閉音)

ほらね 言った通りでしょ?

ママ いつからいたの?

加穂子…。

夢を追う男なんて しょせん
家族より自分のほうが大切なの。

愛と夢は両立しないの。

ん~ フフ…。

あ~ こうなったらさ ねっ?

家に帰って
ママと2人で暮らそう? ねっ?

どうせ
カホコハウスも やめるんだし。

保って子のことも
もう ほっときなさい。

あんな母親に関わっても
ろくなことないんだから。

ねっ?

何でママ知ってるの? みんな。

ん? いや… え…。

もしかして 全部 見てたの?

♬~

保! 保~!

♬~

ハァ…

大丈夫ですか!?

おっ… 大丈夫?

ハァ… 危っぶねぇ

ちょっと加穂子 何すんのよ!

結論出すのは ちょっとだけ
待っててくれないかな?

お願い!

ドアの開閉音

だったら別れようか

えっ?

いや… いや ママは

加穂子のことが心配だったのよ。

お… おっかしいよ! ママ。

ストーカーだよ 変質者以上だよ。

ちょっと!
失礼なこと言わないでよ!

あなたが結婚して 大変なこと
一番 分かってんの

ママなんだから!

何で相談してくれなかったのよ。

それは… ばぁばが

加穂子は自分で思ってるより
強い人だって言ってくれたから。

もう ばぁばも余計なこと
言わなきゃいいのよ。

加穂子のことだから 全部
背負い込むの分かってんだから。

ばぁばの悪口 言わないでよ。

悪いのは 全部 加穂子なんだから。

そろそろケンカも
終わったかな~?

回覧板 回すの 忘れてた~!

フッ! とにかく

今からでも遅くないから
やり直したら?

もっと いい男
見つけてあげるから。

ママ 間違ったこと言ってる?
言ってないよね~。

だ… 黙れ 黙れ 黙れ~。

黙らないから。

うるさい うるさい うるさい!
うるさくないでしょ?

あ~。
「あ」?

あ~…。

あ~ もう
あきれて 何も言えないよ。

ねぇ? ばぁば。

何 言ってるの?

この人 「加穂子のため」とか

「加穂子が心配で」とか
言ってるけど

結局 自分が子離れ
できてないだけだよ ねぇ?

ちょっと 加穂子!

私たち夫婦のこと
ダメダメだとか言ってるけど

自分はどうなのさ?
加穂子のせいにして

パパとの問題から逃げるの
やめてほしいよね?

いいかげんにしなさい!

それは こっちのセリフだよ。

もう 加穂子たちの夫婦の問題に
首 突っ込まないで。

もう二度と ここにも来ないで。

もう顔も見たくない!
ママなんか!

本気で言ってるの!?
本気で言ってる… よ。

ねぇ? ばぁば。

ハァ ハァ…。

ハァ~。

どうしよう? ばぁば。

誰も いなくなっちゃったよ…。

やっぱ無理だよ もう…。

ばぁばは 加穂子に

「誰よりも
ひとを幸せにできる力がある」

…って言ってくれたけど

何にも できてないし。

ねぇ… どうしよう?

「いつも見てるよ」
って言ってくれたのに

あれ ウソ?

あ~ もう
加穂子 グレちゃおっかなぁ。

ん~…。

(並木初代) ≪あ~ あ~

予想以上にダメダメね 加穂子≫

ば… ばぁば。

(初代) 加穂子。

大丈夫?

ウフ… そっちのほうが
死んだような顔してるけど。

ばぁばは 何か
生き生きしちゃってるけど。

ウフっ 死んだら もう
家族の心配しなくてもいいから

何か スッキリしちゃったの。

ほら 加穂子も笑ったら?

ん? ウフっ。
ん~…。

もう 笑う力も残ってないよ…。

ばぁばみたいに したいのに
何にも できてないし。

そういう時はね

自分の一番いいところを
忘れてるのよ。

加穂子の一番いいところって何?

それは…。

過保護に決まってるでしょ。

えっ?
それの どこが いいところなの?

だって
過保護に育てられたおかげで

後悔したこともないし

愛と夢を100%
信じられるようになったのよ。

そういう加穂子がいるから

みんなも元気が出て

頑張ろうって思うんだから。

そうかな? そんなことないよ。

じゃあ 加穂子が もしグレたら

どうなるか教えてあげようか~?

えっ?

(糸)ハハハ…

(男) It's so good?
(糸) It's nice!

ちょ… ちょっと何してるの?
糸ちゃん

糸ちゃ~ん…

心電計の音

(厚司)
糸が あんなになったのは…

厚司 :せき込み

お前のせいだからな!

(節)うるさいわね!

早く死んでよ!
保険金 入って来ないから!

ちょ… ちょっとやめてよ
2人とも

ねぇ せっちゃん…

赤ん坊の泣き声

タマちゃん!? タ… タ…
赤ん坊の泣き声

赤ん坊の泣き声

(衛)やめな タマちゃん
(環)ハッ…

ほっといてよ

メスが刺さる音
赤ん坊の泣き声

大丈夫!? 衛おじちゃん

赤ん坊の泣き声

えっ?

えっ?

ハッ!

ちょちょちょ… パパ!
ちょっとパパ! 何してんの?

パパ! パパ!
うぅ…

ママは? えっ…
うぅ…

ハァ ハァ ハァ…

ねぇってば 捨てないでよ!
ねぇ お願い

ママまで何してんの? ママ?

(女)初~!

えっ?

♬~

ちょ… ちょっと…

何やらかしてるの? 初君
結婚したら 必ず返す

初君!?
(刑事)麦野 初!

結婚詐欺の容疑で逮捕する
は?

パトカーのサイレン
触んな おい! 触んなよ!

パトカーのサイレン
離せよ! おい!

言っとくけどな! 俺は
ピカソより才能あんだから

こんな金 一瞬で稼げんだよ!

ド~ント!

どうだった? 加穂子。

ダメ 絶対ダメ。

じゃあ
いつも通りの加穂子でいないと。

あとは ちゃんと食べて
ちゃんと寝て

好きな人の手を離さないこと。

ねぇ ばぁばは じぃじと
ケンカしたことある?

うん あるわよ。

でも それ以上に
いっぱい助けてもらったから。

どんなふうに?

加穂子 じぃじが いつも
一緒に写真撮ろうって言うのは

どうしてだか分かる?

ん~…
写真が好きだからじゃない?

まぁ 考えてみて。

そんなこと言わないで
教えてよ ばぁば。

ごめん 時間切れ。

じゃあね 加穂子。

ばぁば… ばぁば!?

ばぁば~!

ばぁば…。

(福士) おいおい 加穂子。

どうしたんだ?
こんなとこで寝ちゃって。

じぃじ…?
(福士) ん?

えっ?
ん?

ばぁば…。

ありがとう。


どう? じぃじ。

ん~…。

もうちょっとかな。
だよね。

フフっ。
アハハ…。

♬~

何だよ。

結局 親とケンカしたままかよ。

別にいいわよ あんな人たち。
ふ~ん。

それにしちゃあ 何か こうね
寂しそうだけど。

そっちこそ
どうしたの? その格好。

これ? まぁ ちょっとね…。

よし!
じゃあ 俺の分まで頑張って!

ちょ… どういう意味?
別に!

それよりさ 加穂子のヤツ
見送り 来ねえのかよ?

ハッ 冷てぇな。

糸ちゃ~ん!

俺はさ いなかったということで
な? よろしく!

(糸) ちょっと どういうこと?
頑張れよ! なっ。

(糸) みんな… 来てくれたんだ。

当たり前でしょ
大切な家族の旅立ちなんだから。

俺たちは 加穂子ちゃんに
引っ張って来られたんだけどね。

糸 頑張ってね
これ 飛行機で食べて。

ありがとう 環おばさん。

糸ちゃん 向こうでさ
襲われたりしたらさ

いい? あの…。

こうね こうね。
あ痛っ!

こう…。

ありがとう 衛おじさん
後で動画にして送って。

これ 少ないけど餞別。

糸ちゃんが作った音楽
聴けるの楽しみにしてるから。

すいません 正高おじさん。

糸… お前 ホントに1人で
行くつもりだったのか?

バカだな お前。
ごめんね おじいちゃん。

(福士) 元気でな。
うん。

体に気を付けてな 糸。

うん。

節にも 一緒に行こうって
言ったんだけど…。

別にいいよ もう。

そんなことない!
来てるよ せっちゃん。

(節) 離してよ! 加穂子。

ねぇ このまま 糸ちゃんと
お別れになっちゃってもいいの?

あんな親不孝者の顔なんか
見たくないから!

お… お願いだから ちゃんと
自分の気持ち 伝えてあげて。

もういいよ 加穂子ちゃん
私も喋りたくないし その人と。

ド~ント!

2人とも素直になって!

甘えながら脅かしてないか?
あいつ。

糸ちゃんのこと
世界中の誰より心配してるのは

せっちゃんでしょ。

糸ちゃんだって
本当は せっちゃんに

世界で一番
応援してほしいんでしょ?

私は…

悔しくて 情けなかったの。

母親なのに
何もしてやれないのが。

えっ?

(節) だって あんた
私なんか頼らないで

何でもかんでも
1人で やっちゃうんだもん。

それも完璧にさ。

それは… そっちに
迷惑 掛けたくなかったから。

糸は 私なんかより

ずっとキレイで 才能もあるし

いつか広い世界に旅立つって
分かってたけど

まさか こんなに早く来るとは
思わなかったし…。

このまま 私なんか

必要なくなっちゃうんじゃ
ないかと思ったら

不安で仕方なかったの。

節。

俺も同じだよ。

でもさ

糸のこと信じてやろうよ。

この子は 決して
間違いとか犯す子じゃ ない。

だって お前の娘なんだから。

あんたの娘でもあるもんね。

私ね…

ずっと思ってた。

何で2人が
私の親なんだろうって。

もっと他にステキな親が
いるんじゃないかって。

せめて 正高おじさんと

泉おばさんみたいだったら
よかったのにって

加穂子ちゃんが
うらやましかった。

他には 全然うらやましいと
思わなかったけど。

あ~ そうなんだ…。

(糸) でもね

今は…

お父さんとお母さんが
私の親で

本当によかったと思ってる。

小さい頃

初めて チェロ弾いた時

まだヘタクソなのに

「糸の演奏は世界一だよ」って

涙 流して
喜んでくれたでしょ?

あの時 2人の顔を見て

将来 たくさんの人が

こんなふうになったら
ステキなことだなって

思ってたんだから。

だから

その時の夢を捨てたくないの。

こんな わがまま娘だけど

これからも
応援してくれるかな?

(糸) 私…

2人に
音楽 聴いてもらえないと

頑張れる自信ないからさ。

糸!

よし じゃあ 写真撮ろう 写真。

あっ ちょっと待って じぃじ。

何で?

あの 環ちゃんも
ちゃんと自分の気持ち伝えて

衛おじちゃんに。

そうだね…。

マー君

私ね

何で 子供が欲しかったか
っていうと

私も 誰かを守りたかったの。

えっ?

子供の頃から 体 弱かったから

家族に大切にされてて

結婚しても マー君
ずっと守られてて…。

私から 何かしたことなんか
一度もなくて。

もっと強くなりたいと
ずっと思ってた。

誰かを守れる
人間になりたいって。

そうだったの。
(環) それだけじゃ ない。

マー君が 仕事で

優しく子供たちに
接してるの見てたら…。

あなたを

お父さんにしてあげたくて…。

分かった。

もう タマちゃんを守らなきゃ
って考えるの やめる。

俺が守ってもらう。

代理母出産のことも
もう一回 2人で

ちゃんと考えよう。

ありがとう。

(福士) よし じゃあ 今度こそ
みんなで写真撮ろう 写真。

うん そうだね。

よし じゃあ みんな行くぞ。

あれ? 泉ちゃん いないけど。

あっ ママならいるよ どっかに。
えっ どういう意味だ? 加穂子。

え~っと…。

ハッ…。

じぃじ
あの看板も入れてくれる?

ん?

あっ あぁ… OK OK OK。

じゃあ 行くよ はい。

あっ! でも 初君は?

あっ それも大丈夫。
えっ?

きっと どっかで見てるから。

(環:節) ふ~ん…。

おぉ OK OK OK。

はい チーズ!

あれ? おかしいな。
(環) どうしたの?

シャッターが落ちないんだ あれ?
え~。

もう 何やってんのよ?
(環) 何で こんな大事な時に。

いろいろ ありがとね。
えっ?

あっ ううん。

糸ちゃんも 世界一の
コンダクターになってね。

加穂子ちゃんに
負けないようにしないとね。

どういうこと?
加穂子ちゃんは

うちの家族の
コンダクターだから。

いないと
みんな バラバラになっちゃうし。

そうかなぁ…。
(福士) あ~!

スイッチ 入ってなかったよ。
も~う。

何よ もう。
(環) しっかりしてよ パパ。

名人も たまにはね ヘヘヘっ。

それじゃあ 行くぞ。

はい チーズ!
(カメラのシャッター音)

あっ! 分かった。

何が?

じぃじが
何で いつも写真ばっか撮るか。

ん? 何で?

じぃじは 家族みんなに
いつも笑っててほしいんだよね?

どんな時も 笑顔を
忘れないでほしいんだよね?

いや 俺 ただ好きだから
撮ってるだけだけど?

えっ?

もう そういうことにしとけば?
パパ。

そうよ 久しぶりに
カッコよく見えてるし 今。

そうか? アハハ そう。

じゃあ まぁ
そういうことにしようか。

はい じゃあ皆さん
はい すんばらしい笑顔で。

はい チー…。

(振動音)
ん?

(福士) ん?

あっ ごめん じぃじ
加穂子 行かなきゃ。

あの… パパ
送ってってくれないかな?

お願い。
いいけど…。

じゃあ あの あの
糸ちゃん グッドラ~ック!

(節:環) えっ ちょっと 加穂子!

おいおい… どこ行くんだよ?

(真美)
保 ほら帰ろうよ! 早く!

教子おばさん どういうこと?

あの人
また男にフラれたみたいでさ。

(真美) どうしたの!? 保。

また一緒に暮らせるんだよ?
早く!

行くよ もう!

あっ あの…。

お… お願いですから

もうちょっと 保くんの気持ちを
考えてあげてもらえませんか?

男の人と 付き合ったり
別れたりするたびに

保くんを
預けたり 引き取ったりするの

やめてほしいんです。

ペットじゃないんだから。

(真美) あのね

あんたみたいな
母親にもなったことない人に

説教されたくないの!

じゃあ…
じゃあ 約束してくれませんか?

もう二度と 保くんのことを
ほったらかしにしないって。

誰と付き合っても
絶対 保くんの手を

離したりしないって。

あんたに関係ないでしょ!

何で そんな約束しなきゃ
いけないのよ!

だったら…。

私が 保くんを引き取ります。

は?

お願いします。

保くんを うちの養子にください!

えっ ちょっと加穂子!

保くんは いつも
憎まれ口ばっかり たたくけど

でも ホントは
誰よりも子供の気持ちが分かる

すっごく優しい子なんです。

そんな保くんのことが
大好きだから

だから これからも
ずっと愛し続けます。

甘やかされて
過保護にされた私には

そんなことしかできないけど
でも

逆に それだけは
自信があるんです。

だから…。
(真美) いいかげんにして!

頭おかしいんじゃないの‼

おかしいのは そっちよ。

ママ…。

何で 子供と
1秒でも離れて暮らせるわけ?

意味 分かんない。

子供は 今しかない 奇跡や幸せを
いっぱい くれるんだよ。

何で そんな宝物みたいな瞬間を
見逃しても平気なわけ?

ちょっと 何? あんた!

加穂子が生まれた時だって
そうよ。

つらい不妊治療して

陣痛が来ても
何時間も生まれなかったから

「あぁ こんな
痛い思いするんだったら

死んだほうがマシだ」
って思ったんだけど

でも
初めて 加穂子の顔を見た時

私の人生に

こんな素晴らしいことが
起きるなんてって

信じられなかった。

体中が震えて
涙が止まらなかった。

どんなことがあっても
この子だけは守ろうと思った。

あの時のママは 本当に頑張った。

すごくキレイだった。

小学校の徒競走では
ずっとビリだったけど

でも 順番なんか関係なかった。

だって 加穂子が

誰よりも 一生懸命 走ってるの
知ってたから。

(正高) 俺たちにとっては いつも
加穂子が一番だったよな。

母の日にくれたカードは
今も大切に取ってある。

「加穂子には 毎日が母の日だよ」
って書いてあったから。

たまには
父の日も欲しかったけど。

あっ ごめんね パパ。

加穂子!

何で結婚しちゃったの?
ずっと一緒に いたかったのに!

ママ ママ
ちょっと… 落ち着いて。

結婚しても 加穂子とママは

ずっと変わらないと
思ってたのに

加穂子にまで
もう会いたくないとか

何で 言われなきゃいけないの!

ごめんね ママ
あの その件に関しましては

ちょっと後で ちゃんと相談…。
そうだよ 途中まで よかったのに。

加穂子と離れたくない!
お~ ママ ママ…。

ヤダ~! ヤダ~!
よし よし よし…。

ママ 落ち着いて 落ち着いて。

親子そろって
頭おかしいんじゃないの?

行こう 保。

ちょっと待って ちょっと待って
ちょ… ちょっと!

保くん ちょっと…。
(ドアが閉まる音)

待って!

早く来て! 言うこと聞いて!

(保) 離せよ!

(真美) 保!
保くん!

いいかげんにしてよ! あんたが
母親になれるわけないでしょ!

行くよ!

(真美) ちょっと邪魔しないでよ!
母親なら気付いてます?

保が
靴のかかと つぶして履いてんの。

えっ?

もう 小さくて履けないのに

買ってくれって
言えないんすよ こいつは。

まぁ 俺も施設で育ったから
分かるけど

俺たちみたいのはね

自分の気持ちを 正直に
言えなくなっちゃうんすよ。

だから 1回でいいから

保の気持ちを ちゃんと
聞いてもらえませんか?

保 どうなんだよ?

自分が どうしたいのか
遠慮なく言ってみたら どうだ?

おかあさんと加穂子 どっちと
一緒に暮らしたいんだよ?


ウソ…。

加穂子。
ん?

2つ お願いがあるんだけど。

うん 何?

1つ目は

ハグしてくれないかな?

いいよ。

フフっ。

やっと ハグさせてくれたね。

ごめん 加穂子。
ん?

俺 やっぱり
あいつと別れたくない。

また 捨てられるかもしれないけど
一緒に暮らしたい。

分かった。

やっぱり すごいね 保くんは。

2つ目のお願いは?

泣いてもいいかな?

いいよ。

加穂子~!

よし よし よし よし。

加穂子~。

いい子だね。

大好きだよ。

(泣き声)

フッ…
何よ ベタベタしちゃって!

あっ ちょ…。

ちょっと待ってください!
(真美) ほっといてよ!

これ以上 恥かかせる気!?

どうしよう? 加穂子。

ん~と だから その…。

今 心の中に浮かんでる言葉を
言えばいいんだよ。

お前が 今 一番 言いたい言葉を。

お母さん…。

お母さん!

お母さん!

お母さん!

お母さん お母さん!

お母さん!

俺 加穂子と結婚して
初めて知ったんですよ。

今まで言えなかったことが
言えるのが

こんなにも幸せなことなんだって。

それって
「好き」とか「愛してる」とか?

あ~ まぁ そういうのもあるけど。
じゃあ 「加穂子~」とか?

うん 悪いけど
ちょっと黙っててくれる?

あっ ごめん。
うん。

ハァ… その言葉は

「いってきます」
「いってらっしゃい」

「ただいま」 「おかえり」
その4つです。

保にも
そう言ってやってくれませんか?

こいつが一番

「いってきます」 「ただいま」って
言いたいのは あなただし

「いってらっしゃい」
「おかえり」って言われたいのも

あなたなんですよ。

♬~

♬~

保 ごめんね。

ただいま。

おかえり。

(真美) 靴 買いに行かなきゃね。

(保) 靴だけかよ。

(真美) フフ… 生意気~。

何だよ。
ん?

来てくれて
うれしかったなと思ってさ。

別に お前のためじゃねえよ。

あの 私たちのこと…。

悪いけど 俺 やることあるからさ。
えっ?

じゃ!
ちょ… ちょっと…。

(振動音)
あっ。

(振動音)
あ…。

もしもし 教子おばさん?
ちょっと あの…

後で 折り返してもいいかな?
(教子) じゃあ

うちの権利書 返してもらうよ?

もうすぐ 不動産屋 来るから。

(ドアが開く音)

お~… ハァハァ…。

みんな お願い!
何とか考え直してくれないかな?

(教子) そんなこと言っても
もう誰も来てくんないしさ…。

しょせん 無理だったんだよ。

俺たちだけで
子供の面倒 見るのは。

(多枝) ハァ~。

(チャイム)

来た 不動産屋 よしっ。

(教子) ごめん。

お待ちしてました。

あっ。
すみません あの…

うちの子 また
預かってもらえないでしょうか?

あっ ごめんなさい うち
もう閉めることになったんです。

(母親) お願いします!

こちらに預けてた間は 好き嫌いが
なくなったんですけど…。

うちの子も
ここの本が読みたいって

ここで遊びたいって言って
聞かないんですよ!

あぁ そうなんだ…。

ねぇ みんな お願い!

おじいちゃんは
本屋さんだったから

いい本 いっぱい
選んでくれてたんだよ。

おばあちゃんは

栄養バランスのいいごはん
いっぱい作ってくれてたんだよ。

じゃあ 私は?
教子おばさんは…。

え~と…。

ちょっと今 思い付かないんだけど
でも あの…

ほら! ベースとして ここのこと
一番 よく考えてくれてたし。

ハハ… 何か うれしいような
うれしくないような。

えっと あの…。

あの~… 横山不動産ですが。

あ~ えっと あの…

帰ってもらって結構です
ここは売らないんで。

(不動産屋) えっ?
いいよね? 2人とも。

子供たちに
素晴らしい明日が来るように

もう少し頑張ってみるか!

(多枝) 寂しい時や つらい時も

いつでも帰って来ていいよって
場所なんだからね ここは。

フフっ! ありがとう みんな!

(教子) ということで…。

皆さん 手続きがあるんで
どうぞ 中へ。

じゃあ 私も手伝います。

そんなことしてていいの?
カホちゃん。

えっ 何で?

(正高) これ お願いします。

はい 承ります。

ド~ント!

あっ! ちょっと 加穂子!

な… 何するの?
そっちこそ! 何で?

さっきまで 加穂子の昔話に
2人仲良く 涙してたのに。

あれは過去のことで もう未来は
ないんだよ パパとママには。

そう もう決めたことなの
私たち夫婦で。

あぁ~。
えっ? えっ?

あ~ あ~ そうっすか!

うん じゃあ もう 勝手にすれば!?

あっ じゃあ いいのか? これ。

うん でも その代わり

それ出したら
勘当だから 2人とも。

えっ!?

それは わ~ すごい!
っていうほうの「感動」じゃ…?

違っげぇ~よ! 親子の縁 切る
もう 二度と会わない!

ちょっと 何 言ってるの?
加穂子 ねぇ!

だってママだって 加穂子と初君が
結婚したいって言った時に

勘当だって言ったじゃん
それと同じだよ。

離婚したママとパパの顔なんて
もう見たくない。

同じ空気も吸いたくない!

じゃあ もう あれだよ
お2人とも お達者で!

さ・よ・う・な・ら! フン!

ぬぉ~っと!

ハァ~ お前さぁ
あれじゃ インパクトあるけど

何の解決策にもなってねえぞ。

だって どうしたらいいか
分かんないんだもん。

ちょっと来い! 行くぞ!
あっ ちょっと…。

あの ちょっと これを
見ていただきたいんですけど。

あの… お義母さんが
加穂子を産んだ時のことを

想像して描きました。

こ… これは…。

すっばらしい!

まるで 生まれたばかりの加穂子が
俺たちを見てるみたいだな。

さっき お2人の話 聞いてて

加穂子のことを
どれだけ愛しているのか

あらためて分かりました
それと…

お2人が
どれだけ愛し合ってたのかも。

そんな加穂子と結婚できたのが
あらためて幸せというか

責任も重大だなと
思い知らされました。

でも 今 この世界で一番
加穂子のことを愛してるのは

お2人ではなくて 俺です!

っていうか
俺じゃなきゃダメなんです!

加穂子を
幸せにしなきゃいけないのは

俺じゃなきゃダメなんだよ!

ママ パパ ごめんね。

加穂子も そうだよ。

初君が一番。

だから
お義父さんも お義母さんも

やっぱり お互いのことを一番に
思ってほしいんですよ。

加穂子のせいで
離婚するなんてことは

絶対 やめてほしいです。

うんうん うん。

加穂子も そう言いたかったの。

泉… 聞かせてくれないか?

1年前
離婚しましょうって言ったのは

あれは本気だったのか?

俺のことは もう愛してないのか?

怖かったのよ。

えっ?

加穂子がいなくなって パパから
離婚しようって言われるのが。

だったら自分のほうが
先に言ったほうが マシかなって。

何で そんなふうに考えるんだよ。
だって…!

だって もう何年も 愛してるとか
言ってくれないじゃない。

それは言わなくったって…!
ダメ!

えっ?
あっ…。

思ったことは ちゃんと
言葉にして伝えないと

ダメ。

あぁ… うん そうだな。

えっと…。

大好きだよ 泉。

フフ…
思ったほど感激しないけど

フフフ ありがとう。

何だ? それ。

私も大好きよ 正高さん。

アハ…。
フフ…。

あっ あっ じゃあ これは

こうの こうの…

こうでいいってことだよね?

じゃあ 久しぶりに
4人で ごはん食べに行こっか。

あっ 加穂子 まだ ちょっと
やらなきゃいけないことが。

えっ 何だよ?

行くよ 初君。 何だよ?
行こう! 何だよ?

どこ行くんだよ?
ちょっと待て待て…!

待て 加穂子…。

お邪魔します!
お前… 何する気だよ?

あっ あの…。
おい なぁ。

お忙しいところ すみません!
聞いてるか? 俺の話 なぁ!

麦野 初を この会社に
誘ってくださった方は

いらっしゃいますでしょうか?

あの… 私 麦野 初の妻の

加穂子と申します。
俺の話を聞いてくれないかな?

(マネジャー) はい 私ですけど。

待て 待て 待て…
すいません すいません…。

待て 待て 待て…!
あの すみません

主人の就職 辞退させてください!

おいおい… 違う違う…
何 言ってんだよ!? お前!

あの…
この人 本当に優しいから

だから 私が家とか仕事とかで
テンパってるの見て

ずっと頑張って来た 絵 諦めて
この会社に入ろうとしてるんです。

でも そんなの
絶対にダメなんです。

だって この人は
ホントに すっばらしい絵で

世界中の人を幸せにできる力を
持ってるから。

ありがとう うん まぁ…。
残念ながら 今は ちょっと

まだ その才能は
開花してないんですけれど。

でも いつか必ず
ピカソさんを超える

すっばらしい画家になるだろう
いや なるに違いない!

もういい もういい…! はいっ!

いいかげんにしろよ なっ?

あの ホント
すいません すいません。

私のせいで パパとママが
別れるのと同じぐらい

いや… それ以上に

初君が 夢 諦めるなんて嫌なの。
そうか…。

プロポーズの時
言ってくれたでしょ?

「病める時も 健やかなる時も
まいた種に

いつか花が開くと信じて
頑張って行こう」って。

言った言った 俺が言った。
これからも もしかしたら

病める時ばっかかも
しんないけどさ でも

1cmでも 1mmでもいいから

夫婦として
一緒に成長して行こうよ。

そして いつか
2人で子供を産んで育てよう?

初君は不安かもしれないけどさ
でも 絶対 大丈夫だよ。

だって さっき
保くんに話してるの見て

加穂子 思ったもん
この人は将来

すっばらしい父親になるだろう
なるに違いないって!

加穂子も これからは
1人で 何でも 自分でする

…って言わないで
みんなに助けてもらうからさ。

だって 私たちには
すっばらしい家族がいるんだもん。

そして みんなで これからは
絶対 苦しくても つらくても

私たち夫婦は
愛と夢を忘れちゃいけないよね。

そう思わない? 思うよね?

思う思う 分かったから
一回 落ち着け。

よし 深呼吸。

ハァ~ フゥ~ ハァ~ フゥ~。

ハァ~…。

あっ…!

あの… こいつね

興奮すると 息継ぎしない
悪い癖あって。

大丈夫なんで すいませんね。

よし 帰るぞ よいしょ。

あぁ…。

何か
出会った頃のこと思い出すな。

なっ おい。

フッ…。

大好きだよ 加穂子。

♬~


ハァ…。
あぁ もう…。

≪ドワワワワ… ワァ~!≫

(産声)
わっ!

(産声)
わぁ~ あぁ!

(戸が開く音)
あぁ…。

生まれた? 生まれた?
はい 生まれました。

あ~!

で どっちだ? 男か? 女か?

それが…。

えっ?
いや…。

あ~ 加穂子 よく頑張ったね~。

ありがとう ママ。

2人とも
加穂子ちゃんに そっくりです。

早く 糸に知らせなきゃ~。

私も マー君に知らせよう。

今 責任感 ズシっと来てるだろ?

はい そうっすね。

俺も そうだった。

苦しめ 苦しめ。

えっ アハ… いや…。

初君 お願いが2つあります。
うん どうした?

1つ目は…。

赤ちゃんたちに
名前 付けてくれないかな?

えっ いいのかよ? だって

ママとパパだって
考えてくれるかもしれないだろ。

い… いいのよ。

あなたがパパなんだから ねっ?

そ… そうだよ フフフ。

分かりました はい。

2つ目は?

2つ目は 加穂子…。

もう 子供 産むの無理~。

えっ?
(正興) ハッハッハッ…。

私も正高 産んだ時 そう思った。

でも 私を産んだじゃない。

だから しばらくしたら
また欲しくなるわよ カホちゃん。

え~ そうかな~?

よし じゃあ みんなで
写真撮ろう なっ!

じゃあ パパ パパ。
俺?

(福士) はい 行くぞ 行くぞ~。

お~!
あっち あっち あっち…。

パパ! どうしたの?

いや… 初代も

ここに いたかっただろうな
って思ってさ。

もう…
もうパパ 何 言ってんのよ~。

そうよ おめでたい日なんだから!

あぁ… そうだな。

じぃじ いつまでも元気で

みんなを笑顔にしてね。

よしっ 分かった うん。

それじゃ 行くぞ~!

はい チーズ!

(カメラのシャッター音)

♬~

(加穂子の声)
「保くん お元気ですか?

おかあさんと
仲良く やっていますか?

初君と加穂子は
なんとパパとママになりました」。

(子供の泣き声)

(加穂子の声) 「カホコハウスは
子供たちが戻って来てから

クチコミで評判になり
てんやわんやの大忙し。

でも 大丈夫
強力な助っ人が加わったから」。

ド~ント!

ケンカはしない お口に入れない。

あ~! パパ 撮って撮って…。

はい はい。

よ~いしょ よ~いしょ。
よ~いしょ よ~いしょ。

(加穂子の声)
「環ちゃんと衛おじちゃんは
代理母出産をやめて

養子をもらうことにし
里親研修を頑張っています」。

シェーンブルンでのコンサートで
指揮やることになりそうなんだ!

(節) えっ すごいじゃない!

(加穂子の声) 「糸ちゃんも
ウィーンで頑張っているみたいで

毎日 せっちゃんと厚司おじさんと
話しています。

そして ママとパパは
マンションを売って

家に引っ越して来ました」。

お待たせしました~。
お待たせしました~。

はい じぃじ。
(福士) はい それじゃあ

いただきま~す!
(加穂子:初) いただきま~す!

うん?

どう?
うん…。

うまい。
うまい。

やったぁ。
うん うまいよ。

(福士) ホントうまいよ。
パパとママは どう?

(正高) あ~ おむつヤバいかも…。
あ~ パパ パパ ベッド ベッド。

はいはい…。
ヤバい ヤバい…。

今 ばぁばが
おむつ替えてくれるからね~。

「ばぁば」って誰?

「大ママ」って呼びなさい。
はいはい。

(加穂子の声)
「2人とも 加穂子のことなんて
視界にも入らないみたいで

このままだと
過保護の双子になりそうです。

なるだろう なるに違いない。

困ったな…。

あぁ そうだ! 言い忘れました。

双子の名前は 愛と夢って
初君が付けました。

この家に ずっと ず~っと

愛と夢が
あり続けますようにって」。

♬~

♬~