ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

夕凪(なぎ)の街 桜の国2018 常盤貴子、川栄李奈、橋爪功… ドラマの原作・キャストは?

『特集ドラマ「夕凪(なぎ)の街 桜の国2018」』のテキストマイニング結果(キーワード出現数BEST10&ワードクラウド)

  1. 皆実
  2. 七波
  3. 打越
  4. 平野
  5. 広島
  6. 京花
  7. 風子
  8. 原爆
  9. 母さん
  10. お父さん

f:id:dramalog:20180806223227p:plain

『特集ドラマ「夕凪(なぎ)の街 桜の国2018」』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)&EPG情報の引用

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像がなければ味わえませんので、以下各社のVOD(ビデオオンデマンド)サービス利用をオススメします。

☆無料で民放各局の動画視聴ができるTVer(ティーバー)!まずはココから!
民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」

☆無料トライアルあり!NHKオンデマンドも見れるU-NEXT(ユーネクスト)!
U-NEXT

☆無料トライアルあり!海外ドラマに強いHulu(フールー)!
huluで見放題!

☆無料お試しあり!VODも宅配レンタルもTSUTAYA TV(ツタヤTV)!
宅配レンタルと動画配信ならTSUTAYA!

 


(踏切の音)

(大門)編集部を
縮小する事となった。

正社員として残りたいものは
営業部への異動届を

来週中に出したまえ。

 

人気漫画家こうの史代の原作をドラマ化/広島と東京/原爆に翻弄された女性、その家族の感動の物語/出演:常盤貴子・川栄李奈・橋爪功/NHK広島放送局開局90年ドラマ

詳細情報
番組内容
「この世界の片隅に」で知られる漫画家・こうの史代のベストセラーをドラマ化/原爆に人生を翻弄されながらも、ひたむきに生きる女性、そして現代に生きる一人の女性/60年のときを経て、二人をつなぐ糸とは?/原爆とは、家族とは?/静かに胸にせまる感動の物語/主演:常盤貴子・出演:川栄李奈、橋爪功/核と平和に向き合ってきたNHK広島放送局が開局90年の節目におくる特集ドラマ/この夏、何かを感じたいあなたへ!!
出演者
【出演】常盤貴子,川栄李奈,小芝風花,平祐奈,工藤阿須加,浅利陽介,谷原章介,柏原収史,佐川満男,キムラ緑子,橋爪功
原作・脚本
【原作】こうの史代,【脚本】森下直

 

(七波)ふざけんな。

売れない本を出す体力は
もはや 我が社にはない。

はっきり言って 君たち編集部は
お荷物だ。

(鈴の音)

我に力を与えたまえ。

お父さん 今日
何月何日か言える?

(旭)お次は
生年月日を言ってみろか。

昭和14年7月7日生まれ 79歳

石川 旭。
俺は まだボケちゃいない。

だったら 先週の火曜日は
どこに行ってた? 木曜日は?

ご近所 警察 お父さんを捜して
大騒ぎになったよね。

お次は 認知症外来を受診しろだ。
なあ うん。

七波 いくら親子でも
言っていい事と悪い事があるぞ。

先月の電話代 なんと3万超え。

知らん。
うちで固定電話を使うのは

お父さんだけよ。

今は 薬で 進行を遅らせる事が
できるんだって。

受診するなら 早ければ早い方ほど
子どもみたいなまねしない!

はっきりしないと 私だって
身の振り方を決めらんないでしょ。

うん?

あっ! あっ そういえば
桃があったんだっけ。

お父さん 桃好きでしょ。

ない。 お父さん
冷蔵庫の桃 食べちゃった?

う~ん 覚えてない。

ボケちゃったかな。

まあ そこまで言うんだったら
俺が 買い物行ってきてやろう。

散歩のついでに。

こんな時間に?

(シャッター音)

♬~

桃だよ。 桃は?

♬~

急激な感情の変化や 徘徊など

認知症の症状は さまざまです。

まず 行動を記録して下さい。

(風子)七波ちゃん?

風子。
何 どうしたの こんな時間に。

あれ おじいちゃんだよね。
何してんの?

例の認知症疑惑よ。

桃を買いに どこまで行く気…。

あ~ 切符買った。 お父さん。

ねえ 確かめようよ。
おじいちゃん どこに行くのか。

もう十分よ。
私 お金持ってきてないし。

お金ならあるよ。
私 家出してきた。 えっ!?

行こ 行こ!
ちょっ…。

<なんて夜だ。

リストラを通告され 父は徘徊。

姪っ子まで家出してきた。

サタデーナイトフィーバー?
我ながら古い>

何で?

七波ちゃん!

はい。 これ七波ちゃんの分。

風子 これは遊びじゃ…。

<追い詰められると 昔から
よく こういう顔をする>

腹決めた。
何か 変装するもの持ってる?

ある ある!
だから 七波ちゃん大好き。

知ってる。
はい。

行こう。

<こんなふうにして
私たち家族の旅は始まったのだ>

(シャッター音)

うちら 不審者だね。
だね。

てか 冒険。
てか そろそろ家に電話しなさい。

しない。 七波ちゃんがして。

おや 昨日より ちょっと
柔らかくなったね お嬢さん。

もしもし 七波ですけど 凪生?

(凪生)やっぱりな。 姉貴んとこ
じゃないかなと思ってたんだよ。

どうぞ。

昨日は宿直。 東子も宿直。

いやいや しかたないだろ。

小児科は 手が足りないし
東子も看護師長だしな。

原因? まぁ 大した事じゃないよ。

もっと心配していいわよ。

私たち 今 広島にいるの。

へえ~
おやじについてったら広島に。

すごいじゃん ハハハ…。

え? 妙だな。

おやじの実家 茨城だろ。
何で広島に。

まっ いい気分転換だな。
風子も姉貴も。

ごめん 今から
カンファレンスなんだ。 切るよ。

ちょ ちょちょちょ…。

お父さん 何て?
「いい気分転換しろ」って。

バッカじゃねえの あいつ。

あっ!

行かなきゃ!

ああ…。

(鐘の音)

風子。

平野… 平野?

平野フジミ おばあちゃんだ。
おばあちゃん?

私のおばあちゃん。
風子にとってはひいおばあちゃん。

一緒に 東京で住んでたんだけど
私が 小学生の時亡くなって。

おばあちゃんの遺言で
東京のお墓と広島のお墓

2か所に分骨したんだっけ。

ふ~ん。

七波ちゃんのおばあちゃん
広島の人だったんだ。

だね。

お墓参りか。

よかったね。 まだボケてないよ。

何で
桃を買いに行くなんてうそを。

七波ちゃんが
反対すると思ったんじゃない?

年寄り1人で 広島に旅行なんて
絶対ダメだって。

皆実…。

皆実。

[ 回想 ]
(フジミ)あんた 皆実のお友達ね。

何であんたぁ 死なんかったん。

この辺りのお墓

昭和20年8月6日に
亡くなった人がたくさん。

七波ちゃん 8月6日って…。

「原爆ドーム前です」。

♬~

(古田)63年前 これを縫いました。

皆実さん 本当に器用で
明るい人でした。

明るい人ですか。

ええ。 いつも笑顔で
朗らかで優しゅうて。

古田…。

風子?

本当にあった事なんだね 原爆。

それよか 家出の原因

そろそろ
話してもらいましょうかね。

心優しいお嬢さん。

学校で三者面談があったの。

お父さん 私の将来を
勝手に医者だって決めつけて。

そっか。 原因は凪生か。

あれ?
カエルさんと同じ事するよ?

自分の将来は
自分で決めたいじゃん。

だからって
具体的な夢はまだないけど。

でも 自分の将来は
自分で決めるって

すごいぜいたくな事なんだなって。

8月6日に 夢も命も

何もかも断ち切られた人たちが
あんなにたくさん…。

だから 風子も
自分の夢しっかり見つけて。

頑張らなきゃ… ね。

きっと 皆実さんも
喜んでおられますよ。

どうも ありがとうございました。

皆実…。

(打越)わしです。
(旭)ああ。

で これが
平野さんの後輩の古田さんで。

ワンピースを
一緒に縫われた方ですね。

ほうじゃ ほうじゃ。

ほいで 隣が 平野皆実さんじゃ。

はい。

打越…。

また知らない家だ。

 

同僚。

はい もしもし。
営業部への異動願

まだ出してないって聞いたけど。

ごめん 今 話してる時間なくて。

明日 すぐに出せよ。
早けりゃ早いほど

正社員として残れる確率が
高くなるらしい。

リストラするならしてみろ
っていうのよ。

会社辞める気か?

で もう一つの返事の方は?

もう一つの返事?

ごめん 忘れてた…
忘れてた訳じゃないんだけど

ごめん 今 ちょっと…
後で かけ直す。

リストラって?
あっ… そんな事言ってた?

もう一つの返事って?

アハ… ハハハ…。

(戸が開く音)

いろいろと
ありがとうございました。

どうも失礼します。
ご苦労さまでした。

風子 おじいちゃんの方は頼んだ。
えっ 七波ちゃんは?

あの人が誰だか確かめてくる。

(2人)出来た!

(皆実)古田さん
よう似合うてじゃ。

(2人)あっ!

皆実さんのご指導のおかげで
安う上がりました。

なんのなんの。 うちは 母に聞いて
お手伝いしただけじゃ。

あっ! 皆実さんも
おそろいで作りましょうよ。

型紙を もうちいっと細うして。

うちはええよ。
何で?

ほら 皆実さんも
よう似合うてじゃ。

ねっ 打越さん。

さあ… わしゃ そういうの
よう分からんけ。

打越さんに聞くんが間違いじゃ
古田さん。 うん?

おい そりゃ どういう意味じゃ
平野さん。

ハハ… あっ 古田さん。

この竹の皮もろうてええ?
うん ええけど。

はい。
ありがと。

お疲れさま。
お疲れさま。

♬「死んだはずだよ お富さん」

♬「生きていたとは お釈迦様でも」

♬「知らぬ仏の お富さん」

あ~!

なんしょんなら!
知らん 知らん わしゃ知らんで!

これ! 返しんさい!
危ないじゃろが。

ああ お帰り 皆実ちゃん。

ただいま おばちゃん。

ただいま。
お帰り。 ご苦労さま 皆実。

はあ~ おなかすいた。

(京花)お帰りなさい
皆実ねえちゃん。

ただいま 京花ちゃん。

ありゃ また 髪の毛が
ぼさぼさじゃ。

おいで。

あっ 古田さん
ワンピース出来て喜んどったよ。

ほうね。

ありゃ 京花ちゃん
また あせもができとる。

暑いけん 我慢しろいうて
兄ちゃんが言うてじゃ。

ほうね。

夕凪は ぴたっと風の止まるけえ。

ほれ 美人さんの出来上がりじゃ。

ありがとうございました。

あっ!
(2人)うん?

水くみ 忘れとった!

さようなら。

あっ!
あ~!

またかいね~。

ええ子じゃが ちいとトロいのぉ。

お風呂 入っとるんじゃろうか。

おいしいねぇ。
ほう?

(雨音)

ありゃ。

…っとっとっと。

平野さ~ん!

平野さん!
は~い。

打越さん?

こんにちは。

こんにちは。

すいません。
家ん中は 母が寝とるもんで。

いつも元気な平野さんが
休んだけえ

ちょっと気になっての。

わしが代表で見に来たんじゃ。

母の具合が悪うて
病院に連れてったんです。

あっ 心配はいりません。

休んだんは
フルヤノモリ退治じゃけえ。

ハハ…
フルヤノモリは強敵じゃけえの。

平野さんは
何で 竹の皮集めとるん?

草履を編もう思うて。

会社への行き帰りで 靴が減るんが
もったいないけえね。

ほうね。

倹約して お金をためて
茨城におる弟に

お母さんと一緒に
会いに行くんじゃ。

へえ~ 弟さんがおってんか
平野さん。

旭君っていうんじゃ。

まだ赤ん坊の時に
茨城の親戚に疎開させたんじゃ。

今は 向こうの養子。

今年 高等学校に入ってじゃ。

できるだけ倹約して 旭君の学費
叔母さんに返さんといけんしね。

うちのたった一人の
大事な大事な弟じゃ。

おいしい?

ああ。

うん ほんまにうまい。

それは ここの特産じゃ。

ハハッ…
打越さんとこは農家じゃし

そんなん食べてんないでしょう。
フフフ…。

いや うまいのお。

平野さんは料理上手じゃ。

結婚したら ええ奥さんになる。

往ね!

えっ?

さっさと往ね!
ご… ごめん! 邪魔したのう。

ほいじゃぁ 明日会社で。

(フジミ)こがな所にわざわざ。

親切な人じゃねえ。

危機一髪じゃ。
何もかんも洗濯してしもうて

お母さんが 裸で寝とんが
バレるとこじゃった。

ハハハ… マリリン・モンローと
間違われるとこじゃった。

ハハハ…。

あ~ 極楽 極楽。

ふう~。

<この街の人は 不自然だ。

誰も あの事を言わない。

いまだに 訳が分からないから。

分かっているのは あの時
死ねばいいと思われた事。

思われたのに
生き延びているという事。

そして 一番怖いのは

そう思われても
しかたのない人間に

自分がなってしまった事>

打越さん?
うわっ!

平野さん 見立ててくれるか?

何をですか?

好きな人に
プレゼントしたいんじゃ。

きれ~い!

何じゃ ここ 初めてか?

で ご予算はどんくらいですか。

方針変更じゃ。 金に糸目はつけん。

打越さん これなんかどう?

あ~。

いや もうちいと高うてもええが。

フラれて 突っ返されたら
これで涙を拭きゃええが。

いらんお世話じゃ。

すいませ~ん。
ほいじゃ。

ちょい待って。 すいませ~ん!

♬「月がとっても 青いから」

♬「遠廻りして 帰ろ」

カラスが鳴くけえ か~えろ!

待ってえや 平野さん!

打越さん まだ 何か?

これじゃ これ。

田舎のばあちゃんに
編んでもろうてきた。

うちに?

うれしい! ありがとう。

あと これも。

こないだ ごちそうになった
お礼じゃけえ。

返さんよの?

そのハンカチ 返さんよの?

ありがとう。 うれしい。

水…。

水を… ください…。

平野さん?

ごめん。

何が?

ごめんなさい。

<あの日 8月6日。

原爆が 広島に落とされた。

私は 勤労奉仕の最中に
被爆した>

<何人 見殺しにしたか
分からない。

塀の下に埋まった友達に
助けを呼んでくると言って

それきり戻らなかった。

川には たくさんの死体が浮いて

あっちこっちに
真っ黒焦げの死体が転がって

救護所には
顔も体も腫れ上がった人間が

床に並べられていた。

その中の一人が 母だった>

<左腕に やけどをしていた>

霞姉ちゃん! 翠!

<姉や妹 父を捜した>

<剥がれた皮膚を
両腕から垂らした人たちが

「水をください」と
こっちに来た。

怖くて また逃げた>

<7日目に 霞姉ちゃんと会えた。

父は 職場で被爆し
亡くなっていたと知った。

妹も あの日
原爆の熱線で焼かれ

骨すら残らず 消えていた。

水と食べ物 薬を探し

死体を 平気で
またぐようになっていた。

時々踏んづけて

焼けた皮膚が
ずるっとむけて嫌だった。

まだ腐ってない死体を冷静に選び
下駄を盗んで履いた>

<あれから10年>

<幸せを感じる時
美しいと思う時

いとしかった日々の全てを
思い出し

全てを失った日に
引きずり戻される。

お前の住む世界は
ここではないと

誰かが 私を責め続けている>

<ここにも死体があった。

ここ。

私のいるべき場所は ここです>

(ミシンの音)

(戸が開く音)

お帰り…。

ただいま。

どうしたんじゃ 皆実。

泥だらけで。

こけた。

寝んさい。

♬~

ごめん もうしないから。

打越さん。

うちは この世におっても
ええんじゃろか。

うちは…。

うちは被爆者なんじゃ。

ピカが落ちてから 今までの事
打越さんに 話してもええですか。

ずっと内緒にしてきた。

忘れた事にしてきた。

じゃけど
なかった事にはできんけえ。

話してもええですか。

話せば もしかして
うちが死なずに

こっちに残された意味
分かるかもしれんけえ。

そうじゃろうと思うとった。

うちも
こっちに住んどった伯母さんが

原爆で亡くなっとってのお。

平野さん?

何じゃぁ~…。

平野さん 生きとってくれて
ありがとうな。

<それきり 力は抜けっ放しで
翌日 会社を休んだ>

(戸をたたく音)
≪平野さん。

は~い。

具合は どがいな?

何じゃあ お前 ほんまは
不器用じゃったんじゃなあ。

<打越さんに「お前」と呼ばれた>

これ難しいんよ。

どうぞ ごゆっくり。
すいません。

見送りはええけえ
おとなしゅう寝とれよ。

来てくれてありがとう。

うん。

♬「月がとっても 青いから」

♬「遠廻りして 帰ろ」

♬「もう今日かぎり」

♬「えぬとも」

<それきり 足が立たなくなった>

昨日の人は
おとうさんの若い頃に似とったよ。

じゃあ やっぱり ハゲるんかね?

フフフ…。
フフフ…。

<朝は おかゆを食べた。

午後には
何も飲み込めなくなった>

先生

うち 原爆病ですか?

栄養剤を うちますけえ。

<霞姉ちゃんが倒れたのは

ピカから2か月後だった。

紫のシミだらけになって>

<ひどいなぁ。

10年たって うちはもう
大丈夫じゃと思うとったのになぁ>

<その夜 真っ黒な血を吐いて
しゃべれなくなった>

(戸をたたく音)

≪古田です。

どうも。
ありがとう。

<みんなが
お見舞いに来てくれた。

何で こんなに薄暗いん?

お母さん 今は昼? 夜?>

<黙って手を握る人がいた。

ありがとう 打越さん>

旭か。 早う。

♬~

<旭君? 来てくれたん?

ごめんね。
お姉ちゃん 目が見えんで>

♬~

<うれしい?>

<10年たったけど
原爆を落とした人は

「やった! また一人殺せた」って

ちゃんと思うてくれとる?>

(フジミ)皆実! 皆実!
(打越)平野さん!

(フジミ)皆実!
(打越)皆実! 逝ったらいけん!

(フジミ)皆実!
(打越)戻ってこい!

皆実さんの葬式の時
形見にもらいました。

初めて聞きました。
皆実さんの事。

わしも今日 初めて話した。

フッ… 一日で2回もじゃ。

祖母が亡くなる直前
私に言ったんです。

「あんた 何で死なんかったん?」。

結構 心に刺さって。

私って そんなに
いけない子だったのかなって。

原爆じゃ。
そりゃあ 原爆の事じゃ。

七波さん 平野のおばさんを…

どうか許してやってつかあさい。

よして下さい 打越さん。
そんな 私…。

私…。

(すすり泣き)

はい。

ごめんなさい。 大切な形見…。

姪っ子さんの涙を拭えて

皆実さんも喜んでじゃ。

♬~

 

こちら七波。 そっちは どう?

あのあとも何軒か訪ねてた。

予約も入れてたみたい。

おじいちゃん 段取り よすぎ。

ねえ 風子。
広島名物といえば何でしょう?

そうなんだ。 おじいちゃん
戦争があって 養子に出て

それで名字が石川になって
親戚も茨城なんだ。

打越さんのところに
電話が来たのは先月だって。

63年前に亡くなった姉の事を
尋ねて回っています。

よろしければ お話を
聞かせてくれませんかって。

ふ~ん。 でも 何で今頃になって。

ねえ 七波ちゃん
明日は どうする?

私は もう一日 広島にいる。
風子は東京に帰りなさい。

やだよ。 私も一緒に。

ダメ。 学校でしょ。

休むよ。
お父さんもオッケーくれたし。

えっ 凪生が? いつ?

さっき 電話で謝ったんだ。

生意気言って ごめんなさいって。

へえ~ 大人になったじゃん。

お父さん 言ってた。

お父さんのお母さんが
早く亡くなって

まだ小学生だった七波ちゃんが
ずっと 炊事 洗濯

ちっちゃかった
お父さんの面倒まで

全部見てくれたんだって。

凪生が そんな事を。

いっつも周りを優先して
自分の事は後回し。

私 ずっと七波ちゃんの
お世話になってきたから。

だから 七波ちゃんを
一人で置いていけない。

風子も凪生も
大人になったもんだ。

おいしいね。
うん。

♬~

寝よっ。

♬~

本を作るのが夢だった。

念願の編集部で
本作りに打ち込んだ。

でも こないだ
編集部縮小の通告があって

営業部に移るか
リストラか迫られた。

40過ぎてフリーランスもねえ。

保険 年金 老後の備えも不十分。

おまけに お父さんの認知症疑惑。

姪の私まで家出して。
まだあるの。

こないだ 風子に聞かれた
もう一つの返事…

同僚からプロポーズされたの。

バツイチの子持ち。

悪い人じゃないし
その時は うれしかった。

でも 正直 迷ってて。
どうして?

私が7歳の時
お母さんが亡くなったの。

[ 回想 ] ただいま。

お母さん?

お母さん! ねえ お母さん。

お母さん。 ねえ お母さん。

<11歳の時に
おばあちゃんも亡くなった>

あんたぁ 誰ね…。

皆実のお友達ね。

皆実って誰だよ。 七波だよ。

何で あんたぁ…

死なんかったん。

茨城の親戚が お葬式の時に

原爆のせいじゃないかって
話してるのを聞いたの。

原爆。

よく分からなかったけど

私も長くは
生きられないのかなって。

だったら私は
人の幸せを応援して

それを眺めて満足しようって。

幸せっていうのは
どこか遠くにあるもので

自分がなるもんじゃないって。

この辺りらしいよ。
皆実さんと おばあちゃんの家。

何にも残ってないね。

桃?

ボケたのか?
桃が食べたいって言ってただろ。

あっ。

(ため息)
バレバレだったぞ。

いつから バレてた?
フン。

最初っからだ。

多分 この木だ。

という事は ここから…

ああ あっちだな。

63年前に おふくろと
皆実姉ちゃんが暮らしたバラックが

ここにあった。

ここに…。

京花と初めて会ったのも

ここだった。

♬~

すみません。

お久しぶりです 母さん。

ああ。

思うたより
はよ着いたんじゃね 旭。

京花ちゃんが
連れてきてくれたん?

はい。
迷子になっておりんさったの。

ほうか。 まあ 上がりんさい。

大学は何日からね?

あっ… あさって…
あさってが入学式。

リンゴは3つで45円… じゃ。

ミカンは3つで24円。 では…。

高級じゃ。
どんなお味がするんじゃろ。

味より値段を解くじゃ。

じゃあ リンゴじゃ やめてじゃ
メロンじゃ どうじゃ。

旭 いなげな広島弁
使いなさんな。

母さん おかしゅうて たまらん。

そうかな 母さん ヘヘヘ…。

♬~

京花ちゃん。

京花ちゃん。

旭さん。 こんにちは。

(京花)
お兄ちゃんが結婚してじゃけえ

うちも独立しよう思うて。

じゃけど 京花ちゃんは
ちいっと おっとりじゃけえ

1人暮らしじゃ事の
おばちゃん 心配じゃわ。

僕もだよ。

そうだ。 いっそのこと…

うちに来るかい?

うちにはミシンだってあるし
母さんだって助かるし

僕だって その…。

うち… よう分からん。

おやすみなさい。

おやすみ。

あんた 被爆者と結婚する気ね。

母さん… 母さん
そういう考え方はよくないよ。

何で あんたは
広島の大学を選んだ。

何で いつまでも ここにおる。

何で うちは死ねん。

母さん。

旭 うちはもう

知った人が原爆で死ぬんは
見とうない。

≪(騒ぐ声)

息子は どこにおる!
どこにおる!

(フジミ)
い… 今 会社の年始回りに…。

どうしんさったん?
酔うとっての?

あんたん息子の勤めとる
大瀬良建設がのう

行政の手先になって
わしらの家を…

この辺のバラックを撤去するいう
うわさじゃ。

おお どういう事だ おい!

ここを原爆スラムとか
言うとるらしいの。

どこまで わしらを見下したら
気ぃ済むんじゃ コラ!

ほうじゃ ほうじゃ。

知らん 知らん。
そりゃ何かの間違いじゃ。

(悲鳴)

大学出のインテリが

「何でも原爆のせいにするのは
いけない」じゃと?

あんたん息子はスパイじゃ。

ほれじゃけ
こげな所へ帰ってきたんじゃ!

違う 違う。
スパイは出ていけ!

(男たち)スパイは出ていけ!

立ち退き反対!
絶対反対!

(男たちが騒ぐ声)

旭さんが…!

旭さんが帰ってきんさったのは

広島の復興のためじゃ!

何を偉そうに。
お前は丸め込まれとるんけ!

うちには分かる。

旭さんは

広島のために 何かできんかいうて
考えんさって

帰ってきんさったんよ。

スパイ? よう考えて。

何をスパイするの?

お母さんが おりんさって

お姉さんが おりんさったけえ

帰ってきんさった。

ここを ふるさとじゃ思うけえ
帰ってきんさった!

ねえ よう考えて。

ふるさとを壊したり 潰したり

原爆スラムって
呼んだりできる?

ねえ。

誰が言いだしたんなら。

セイちゃんじゃ。

あいつじゃ あいつじゃ。

(戸が閉まる音)

大丈夫ね?

(フジミ)京花ちゃん。

えっ 旭さん 転勤?

東京の本社って言われた。

おめでとう。 栄転じゃね。

それでさ 母さんも一緒に
連れていこうと思ってる。

ほうね。
どうせ 息子の心配するなら

遠くでより近くで心配する方が
まだマシだって賛成してくれた。

でね 嫁さんも連れていくって
言ったら

それも賛成してくれたよ。

ほうね。

ってか まだ 嫁さんが まだ…。

もう…。

今から3秒以内に
目の前に来た人に

決めちまおっかな。

誰も来てんなかったね。

本当 鈍いんだなあ。

分かっとって
わざと言うてみたんじゃ。

じゃあ…?

ふつつか者ですが
よろしゅうお願い致します。

こちらこそ
よろしくお願いします。

フフフ…。

(笑い声)

牛がさ。

京花さん…。

私のおばあちゃん かっこいいね。
だろう?

ねえ おじいちゃん どうして
こっそり広島に来たの?

ん? ああ…。

ずっと ここに
引っ掛かってたからだよ。

皆実さんも おばあちゃんも
お母さんも被爆者だったのね。

ああ。 そうだ。

お父さんは
結婚した事 後悔してない?

してない。 する訳がない。

でも お母さんは
どうだったんだろう。

おばあちゃんは。

結局は
大事な人を見送る事になった。

大事な人を残して
逝く事になった。

私だったら後悔してしまうかも。

七波ちゃん。

広島の事
おばあちゃんも お母さんも

一度も私に話してくれなかった。

お前たち きょうだいの名前は

おふくろと京花が一緒に考えた。

七波は七つの波と書くだろう?

ええ。

広島は七つの川が南北に流れる
美しい街だ。

七つの川。 だから 七波。

山と海に挟まれた広島は
風が ぴたっとやむ時間がある。

凪だ。

凪に生きると書いて 凪生。

どちらの名前も広島の事を思って
京花とおふくろが付けた。

隠そうとした訳じゃない。

いつか話して いつか ここへ
連れてこようと思ってた。

もし…

生きる時間の方が
足りなくなったとしてもだ。

♬~

さあ 行こうか。

桃も買ったしな。

幸せになれよ 七波。

お前は皆実姉ちゃんと
似てるような気がする。

お前が幸せにならなかったら
皆実姉ちゃんが泣くぞ。

♬~

 

もしもし。
電話かけてくれて ありがとう。

ナイスタイミング。

プロポーズ!?

次の休みの日
うちの父に会ってもらえる?

また後で電話するね。

よかったね 七波ちゃん。

どんな人?
さあ?

ねえ 今度の休み
私も お邪魔しちゃおっかな。

どうぞ どうぞ。
やった~!

行こう。
うん。

♬~

♬~