どらまろぐ

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしております。解析結果を公開しつつ関連商品も紹介します。解析結果の信憑性が確認できるよう解析用ソースも引用掲載しますので、見逃し番組の確認にも役立つ(ネタバレ)かも?

【今夜、ついに最終回!!】緊急特別ドラマ企画「陸王」~最終章~

【今夜、ついに最終回!!】緊急特別ドラマ企画「陸王」~最終章~

<(茜)私の父・宮沢紘一は>

<埼玉県行田市で100年続く>

<老舗の足袋屋・こはぜ屋の
四代目だ>

<時代とともに下火になっていく
会社を何とかしようと>

<長年培った

 

【今夜、いよいよ最終回!】最終回直前スペシャル企画!あのシーンの裏では実はこんな出来事が起こっていた!?見どころたくさんのダイジェスト&スピンオフエピソード!

詳細情報
番組内容
【今夜、ついに最終回!!】買収の危機から、こはぜ屋の暖簾と社員を守った宮沢(役所広司)!RⅡを履いて豊橋国際マラソンのリベンジマッチに挑もうとする茂木(竹内涼真)。果たしてその勝負の行方は?こはぜ屋の想いは届くのか!?これまでのストーリーや名場面などなど、見どころたくさんのダイジェストほか、本編では見られないスピンオフで構成する特別企画番組をお届け!
出演者
宮沢紘一・・・役所広司
宮沢大地・・・山﨑賢人
茂木裕人・・・竹内涼真
宮沢茜・・・上白石萌音
坂本太郎・・・風間俊介
城戸明宏・・・音尾琢真
平瀬孝夫・・・和田正人
毛塚直之・・・佐野岳
出演者2
大橋浩・・・馬場徹
安田利充・・・内村遥
江幡晃平・・・天野義久
西井冨久子・・・正司照枝
仲下美咲・・・吉谷彩子
正岡あけみ・・・阿川佐和子
佐山淳司・・・小籔千豊
家長亨・・・桂雀々
出演者3
富島玄三・・・志賀廣太郎
有村融・・・光石研
宮沢美枝子・・・檀ふみ
飯山素子・・・キムラ緑子
村野尊彦・・・市川右團次
小原賢治・・・ピエール瀧
飯山晴之・・・寺尾聰
スタッフ
原作:池井戸潤陸王」(集英社刊)
脚本:八津弘幸
音楽:服部隆之
公式ページ
◇番組HP
http://www.tbs.co.jp/rikuou_tbs/

◇twitter
@rikuou_tbs
https://twitter.com/rikuou_tbs

◇facebook
https://www.facebook.com/rikuou.tbs

◇instagram
https://www.instagram.com/rikuoh.tbs/

 

足袋作りの技術を生かして>

<ランニングシューズの開発に乗り出した>

<その名も陸王>

(茜)どう?
(美枝子)もうちょっと甘い方が

お父さん好みかな
えっ もっと?

もう ほんと子供みたいだよね
お父さんって

おばあちゃんが言ってたわ

お父さんの甘いもの好きは
おじいちゃんの遺伝だって

ねえ おじいちゃんって
どんな人だったの?

覚えてない?

あなたのこと とっても
かわいがってくれてたのよ

何となくは覚えてんだけど…

<これは
陸王を作るために奮闘した父と>

<そこに集まった仲間達の物語>

<そして
おじいちゃんが残してくれた>

<もう一つの陸王の物語>

<ここ 埼玉県行田市は>

<かつて
日本一の足袋の生産量を誇り>

<うちも父で四代目となる
老舗足袋屋なんです>

<名前は こはぜ屋>

<従業員は20人 平均年齢57歳>

<小さい頃から みんなには
よく遊んでもらってたなあ>

<それと この人が宮沢大地
私のお兄ちゃん>

<普通にいけば
五代目社長なんだけど>

(宮沢)お前 就職が決まるまでの
腰掛けだと思って

いい加減にやってんじゃ
ないのか?

自分の仕事に
責任持てない奴は

何やってもダメだ!
そんなんだから

内定の一つも
もらえないんじゃないんか

<就職が決まらず
仕方なく働いてる状態>

<しっかりしてよね>

<足袋の需要は
年々減少してきていて>

<店をたたむ老舗も
多いのが現状なんです>

(坂本)新規事業
考えてみませんか?

新規事業?
(坂本)何か新しいものを

こはぜ屋の強みを
生かしてできることを

考えてみては
どうでしょうか

強みっていわれてもな…

うちの強みといやあ
しぶといことです

足袋一筋100年

それが こはぜ屋です

こはぜ屋ならではの強みが
必ず何かあるはずです

新規事業の件 くれぐれも
よく考えてみてください

このままだと近い将来
融資できなくなるかもしれません

(携帯着信)

(茜)
「頼んだスニーカー 忘れないでよね」

う~ん…

<もう絶対に忘れると思ってたから
メールしてよかったあ>

<それにしても
私からのメールが>

<実は陸王開発の
きっかけになってたなんてなあ…>

<軽い!>

<まるで 足袋だな
こんなもんが売れんのか?>

お待たせしました~
アトランティスRⅡ 22.5

こちらで お間違いないでしょうか
うん ありがとう

そちらは ビブラム社の
ファイブフィンガーズです

そちらも人気の
ランニングシューズですよ

人気? これが?

ええ このRⅡに続く
ヒット商品です

では お包みして
まいります

《(坂本)新規事業
考えてみませんか?》

《何か新しいものを》

《こはぜ屋の強みを生かして
できることを》

《考えてみては どうでしょうか》

《(坂本)こはぜ屋ならではの強みが
必ず何かあるはずです》

<そんな中 親子で訪れた
豊橋国際マラソン>

<この日が二人の運命を
変える日になるんです>

<一人のランナーによって>

<彼の名前は茂木裕人>

[スピーカ]茂木裕人!

あの二人だけ
すごい人気だな

二人が卒業して 社会人になって
初めての対決なんです

特に茂木君は 大学時代 毛塚君に
1回しか勝ってませんからね

この一戦に懸ける思いは
強いでしょう

<この茂木選手と毛塚選手が
履いているピンク色の靴が>

<アトランティスのRⅡ>

<二人は世界的シューズメーカー
アトランティスからサポートを受ける>

<人気選手でライバルなんです>

(スターターピストルが鳴る)

(実況)豊橋国際マラソン
ランナーは今20kmを通過しました

(解説)予想どおり
国内勢では やはり この二人

茂木さんと 毛塚さんの
勝負になりそうですね

(実況)東西大学出身の茂木
明成大学出身の毛塚…

顔なんか どうでもいい
足を映せ 足を

(実況)どうやら 勝負の行方は
この三人に絞られました

30kmの通過タイムですが
1時間30分41秒

かなりの速いペースですね
(解説)飛ばしてますね

茂木さんも 毛塚さんも
お互いどこで仕掛けるか

探り合ってる表情してますね

(実況)さあ 残り7km強という所で
毛塚が前に出ましたが

さあ 今度はどうでしょう
今度は茂木も追っている

(解説)茂木さんが まだ諦めて
ませんね あっ 並びそうです

(大地)よっしゃ!

大地 お前 あの茂木って選手の
ファンなのか?

いや ファンってほどじゃないけど

何となく気になってて

前に何かの雑誌で読んだんだよ

元々野球少年で
甲子園 目指してたんだって

でも無理な練習で肘壊して
夢が絶たれたって

それでも茂木は ヤケを起こさずに

肘がダメでも走ることは
できるからって マラソン始めて

それからは ひたすら走り続けて

それで大学の時に
やっと努力が実って

箱根駅伝で注目されて
今の地位をつかんだんだ

毛塚の方は お父さんが
マラソン選手だから

小さい頃から恵まれた環境で
英才教育を受けてきたらしい

まあ それはそれで
大変なんだろうけど

でもやっぱり俺は
茂木を応援したくなるね

当たり前のことだけど
みんな色々抱えて走ってんだな

俺もケガでサッカー諦めたから

新しいことにチャレンジして
結果出すのが

どれだけ大変なことか分かる

きっと陰では
ものすごい努力をしてきたんだよ

(有村)すいません すいません

来た来た来たっ!
(有村)おお 来たっ

茂木 いけ 茂木!
いけ いけ いけ いけ!

いけーっ いけーっ 茂木!
茂木 茂木!

茂木!
いけいけいけ!

(実況)ここで一気に
前に出るでしょうか

両者が並んでいます

無理するな 無理するな 茂木

茂木 ぶっち切れ

いけいけ いけいけいけ!
茂木!

茂木 茂木 茂木!

(鈍い音)

大丈夫ですか!?
大丈夫ですか!?

ヤバイな
(茂木)大丈夫!

(有村)触れられた瞬間
リタイアになるんです

ちょっと連絡してきます
すいません ごめんなさい

(解説)ああ もう
無理しない方がいい

ここは決して
無理してほしくないですね

平瀬 止めろ

止めろーっ!

(平瀬)茂木 ここまでだ!

茂木!
まだいける!

茂木!
いける!

やめろ!
まだ走れる!

(平瀬)終わったんだ!
まだ走れる!

まだ走れる!
(平瀬)もう終わったんだ!

まだっ まだっ…
茂木 終わったんだ!

まだいけるっ!

惜しかったな

どんだけ努力したって

できないことってあんだよな

大地

父さん ランニングシューズを
作ってみようと思う

何言ってんだよ?

そんなこと簡単に
できるわけないだろ

おお 分かってる

でも

やってみようと思う

このメンバーで マラソン足袋の
開発チームをつくりたいと思う

(あけみ)マラソン足袋?

正確には今の時代にあった

うちの足袋の技術を生かして作る
ランニングシューズだ

(安田)俺はやってみたいっすね
(あけみ)よし 決まった

みんなに言ってこようっと
せっかちだな あけみさんは

何?
まずは我々で コンセントを決めないと

ダメなんじゃないですか?
コンセント?

コンセプトですね
コンセプト?

私達がどういう靴を作りたいか
ということです

それなら もう決めてある

ケガをしにくい靴だ

それで最大の売りは
足袋ならではの

軽さとフィット感のある
はだし感覚の靴

<そして2週間後>

<ランニングシューズの
試作品ができあがりました>

<しかし挑戦には失敗はつきもの>

<親指と人さし指の間が
すれてしまうのが一番の課題>

痛い 痛い 痛い
まだまだ道は遠く険しそうね

おお でもおかげで
色んなことがよく分かったよ

どこをどう直せばいいかってのは
もちろんだけどさ

それ以前に

俺達が普段何気なく使ってる
色んなもんは

作った人間のものすごい努力で

完成されたもんなんだなと
思ったよ

あなた 失敗したくせに
何だか嬉しそう

まっ まだ
始まったばっかりだからな

茜 お前にも試作品作るから

履いてみて
感想聞かせてくれよ

え~ やだよ

何で?

あっ おかえり ご飯は?

ああ いい

大地 お前も 開発チームに
加わってやってみるか?

そんなことやってる暇なんか
ないよ

明日も あさっても面接あるから

だったら
時間のある時だけでいいから

もういい加減にしてくれよ!

足袋屋にランニングシューズなんか
できるわけないだろ!

<この時のお兄ちゃんは>

<夢に挑戦しているお父さんが
羨ましかったんだよね>

<試作品に対して
意見をもらう中で>

<矯正用シューズとして売り出して
みてはとアドバイスされます>

例えば ある程度
名前の知れてるランナーで

ケガに苦しんでたり
フォームを改良しようとしてる選手に

あのシューズを
履いてもらうんです

その選手が結果を出せば
それが実績になる

(安田)そんな都合のいい選手
このタイミングで いるんですか?

実は一人

どうしても履いてもらいたい
選手がいるんです

<お父さんは
茂木選手が所属する>

<ダイワ食品のグラウンドを
訪れます>

申し訳ないけど あいつのシューズは
もう決まってるから

あっ でしたら
練習用でかまいません

ぜひ一度
試してみていただけませんか?

難しいね
茂木を実験台にしようっての?

申し訳ないけど これで

監督さん

とにかくこれ 茂木選手に
渡していただけませんか?

お願いします

(佐山)足袋屋がランニングシューズを?

ただの地下足袋
毛 生えただけやがな

まさか こんなん相手にするつもり
ちゃうでしょうね? 監督

(城戸)するわけないだろ
こんな どこぞの足袋屋ごときに

取って代わられたとあっては

さすがに メンツ丸潰れですからね

融資できないって
どういうことですか?

(大橋)ランニングシューズを作るという
事業計画表を拝見いたしましたが

現実味ありますか?

この際 はっきり申し上げますが

追加融資ではなく
その通常融資でさえ

今のままでは
難しいとお考えください

じゃあ
どうしろって言うんですか?

御社の業績を立て直す

再建案を示していただかないと

再建案?
(家長)例えば 人員整理 とか

うちは たった20人の会社ですよ!

そっからリストラしろって
言うんですか!

(米子)
リストラってあんまりやないか

<追加融資の条件として
提案されたリストラの噂は>

<瞬く間に広がってしまいました>

(冨久子)わたしゃ辞めないよ!
ふんっ

リストラなんかしなくても
生き延びる方法は必ずあるって

それを考えるから

心配しないで ねっ

<また お父さんを応援して
くれていた銀行員の坂本さんにも>

<非情な人事が
通告されてしまいます>

明日にでも 正式な引き継ぎを
兼ねて ご挨拶に伺います

☎ただ その時に

☎今後のこはぜ屋さんが
どうするおつもりなのか

☎正式なお答えがいただきたいと

☎支店長が申しておりました

分かった 明日返答する

<そして ランニングシューズを続けるか>

<社員のリストラをするのか>

<父は厳しい決断を
しなければなりませんでした>

<そんな勝負の朝>

やっぱブカブカだねー

昔とおんなじ

昔?
うん

子供の頃さ
お父さんが新しい足袋作ると

いっつも お兄ちゃんと二人で
取り合ったの

どっちが先に履くかって

お兄ちゃんね 昔っから

お父さんの作る足袋が
大好きだったんだよ

あいつが? 足袋を?

お父さんだって
そうだったんじゃない?

だから 後継いだんでしょ?

うーん…

私なんかじゃなくて

お兄ちゃんに作ってあげなよ
マラソン用足袋

まず最初に 私は銀行員として

あなた方に
謝らなければなりません

業績の先細りが
見込まれる御社に

経費削減や リストラを
提案するのではなく

リスクの高い新規事業を勧めるなど
完全な失策でした

不出来な部下が 間違った方針を
示してしまったことを

心より おわび申し上げます

申し訳…

ございませんでした

(大橋)先日 ご提案した件は
ご検討いただけましたか?

今日
返答をいただけるはずですよね

どうなんですか?

私は
マラソン足袋の開発を続けます

こんな奴の言うことを真に受けて
会社を潰すおつもりですか!?

大橋さん こはぜ屋の現状は

全て社長である私の責任なんです

私は会社が傾いていくことが
分かっていても

時代のせいだ 仕方がないと
どっかで言い訳して

何一つ やろうとはしなかった

だけど坂本さんは それじゃダメだと
気づかせてくれました

私が ただの思いつきで言った
マラソン足袋のアイデア

坂本さんはビジネスとして
成功させるために

真剣に考え 力を貸してくれました

立場は違っていても

私は坂本さんを
同志だと思っています

その同志を

バカにするのは
やめていただきたい!

まあ確かに
足袋屋の作ったシューズなんて

すぐには誰も
相手にしないかもしれない

それよりも100年続く
老舗ののれんを

守ることの方が
大事かもしれない でもね

うちが
100年かけてやってきたことは

それだけじゃないんです

これは 40年以上前に先代が作った

失敗作です

これを見て
同じ間違いを繰り返すなと

言う人もいるでしょう

でも私は そうは思えない

これは 今まで
こはぜ屋100年の歴史を支えてきた

社員達から託された
タスキなんです

だから そう簡単に
リタイアするわけにはいかないんです

社員達一人一人が
このタスキをつなぐ

ランナーなんです

誰か一人欠けても
ゴールすることはできないんです!

このマラソン足袋の開発は

こはぜ屋にとっての悲願なんです

それは あなた一人のワガママでしょ?

社長の一存だけで
会社にリスクを負わせたら

社員の皆さんがかわいそうだ!

ヤス!
ヤスさん…

お話し中 すいません!

社長 マラソン足袋の
新しい試作品の生地について

ご相談したいんですが!

(拍手)

社長!
社長ー!

これが こはぜ屋さんです

みんな ありがとう

(美子)よかったじゃないの!

えーっと

ようやく こいつの名前を決めたよ

(一同)おおーっ

(あけみ)陸王
うん

<こうしておじいちゃんの作った
マラソンシューズの名前を借りて>

<陸王と名付けたんです>

<そして同じ頃>

<ゴミ箱に捨てられたはずの陸王
清掃員に拾われ戻ってきます>

<これが陸王と茂木選手の
運命の出会い>

あっ ありがとうございます

茂木 平瀬
ちょっといいか?

はい
ああ はい

こんにちは…

<初めてこの白い陸王を見た時>

<懐かしいと思いました>

<思い出したんです>

<父の作った足袋の取り合いで
お兄ちゃんに負けて>

<いつもベソかいている私に>

<おじいちゃんがこっそり
この陸王を履かせてくれたのを>

《(一平)ほら茜
こっちの方がかっこいいだろう》

《おじいちゃん ありがとう》

あれ? 茜ちゃん どうしたの?
あっ ねえ ヤスさん

先代ってどうしてこの陸王
作ろうと思ったか知ってる?

さあ そういうのは

ゲンさんに聞いた方が
いいんじゃないかな?

あっ でも今
みんな出払っちゃってるんだ

陸王を作るのに必要な
特許の持ち主を捜してるんだよ

<本格的に
陸王開発を始めたこはぜ屋は>

<まずシューズの命ともいえる
靴の底の部分>

<ソールの開発を始めました>

<大手シューズメーカーが
何億もかけるというソールに>

<最適と見込んだのが>

<坂本さんが紹介してくれた
シルクレイという素材>

<しかしその会社は倒産しており>

<開発者・飯山晴之さんは
ちょっと風変わりな人>

このシルクレイを

私達に
使わせていただけないでしょうか

足袋屋が
これをどう使おうってんだよ?

これです うちの会社で
今開発中のランニングシューズです

もし特許を
使わせていただけるとして

一体どれくらいを
お考えなんでしょうか?

5000万 年間でだ

毎年5000万?

それが出せねえんだったら
諦めな

無理しねえ方がいいよ

会社が倒産するっていうのは

地獄だぞ

<でもお父さんは
何度も何度も通い詰めて>

何だよ アンタかよ

うちの工場を見にきませんか?

飯山さん
うちの工場を見にきませんか?

一度だけでいいです

<ついに>

ちょっとだけだぞ

ようこそ
ありゃ~!

ばあさんばっかりじゃねえか
ハハハハッ

(ミシンの音)

どうです?
ああ… いい音だ

飯山さん もう一つ
お見せしたいものがあるんです

以前 お見せした
陸王の失敗作です

飯山さんの会社も
同じだったんじゃないでしょうか

こうやって 何度も何度も
失敗作を積み上げて

血のにじむような思いで
あのシルクレイを

完成させたんですよね

私は 飯山さんを信用します

飯山さん

あなたの シルクレイを!

陸王に使わせてください!

お願いします!

あの飯山って オッサンはさ

嬉しかったんじゃない?

少なくとも 親父に
「必要だ」って言ってもらえてさ

誰からも必要とされないのは

結構 キツいよ

<そのころ ケガからの復帰を
目指している茂木選手は>

<依然 復活の兆しが見えず
苦しんでいました>

大丈夫ですよ!
コノヤロー!

ちょっと来い!

何だ そのぶざまな姿は

今までの自分を全部捨てて

生まれ変わるしかない
それが できなければ…

お前は 本当にここまでだ

はい上がれ! 茂木

<そして 飯山さんが
こはぜ屋を訪れてから数日後>

これは?

シルクレイの製造機だ

特別に

格安で貸してやるよ

設備投資の
1億円に比べりゃ

はるかに安く済むだろう

待ってください
それは つまり…

シルクレイの特許…

アンタに

使ってもらうことにした

<シルクレイの開発者である
飯山さんが>

<こはぜ屋に
加わることになったんです>

あの…

<実は 飯山さんの存在は>

<お兄ちゃんの熱い心に
火をつけるんです>

約束のサポート人員なんですが

すぐには新しい人間を
雇う余裕がないので

しばらくは私が
あの若い奴は違うのか?

さっきまで手伝ってくれてた

若い奴… もしかして
大ちゃんのことじゃないですか

そうか 確かに大ちゃんなら
工学部も出てるし

社長 飯山顧問のアシスタントに
ちょうどいいじゃないですか

なかなかいいスジしてるぜ あいつ

ほら 飯山さんもこう言ってるし

大地

お前 飯山さんの下で

シルクレイの開発
やってみるか?

やってもいいけど

就職決まる前に

少しは 会社に恩返ししないとな

じゃあ 今日から大ちゃんも
陸王チームの一員ってことですね

よろしくお願いします

<ソールに最適な
シルクレイの完成は簡単ではなく>

どうだ?

73.0

<硬度55~60という数値を目指し>

<試行錯誤の日々が続きます>

ほんとにできるんですか?

どこをどうすれば
硬度をコントロールできるのか

全然分かんない!

このままじゃ 半年どころか

1年たっても
完成しないんじゃないですか?

だったら お前も
少しは考えてみろ

顧問は アンタでしょ

こんな出来損ないの機械
持ってきたの アンタだろ!

あんなの顧問じゃないよ

飯山さんは
必ずできるって言ったんだ

自分ができないことを

できるって言うような人なんかな
飯山さん

最初は できると思ったんだろ

でも結局 できなかった

それか自分の評価を上げるために
うそついたんだ

そんなこと…

あるんだよ!

面接の時の俺は
いつもそうなんだよ

親父は

そんな飯山さんのうそを
うのみにしちゃったんだよ

よし

あとで 差し入れ持って
行ってみるか

おい
行ったって無駄だよ

もう顧問だって
どうせ今日は帰ってるよ

あんだけ煮詰まってたんだから

<何だかんだ言っても>

<結局 気になって
見に行く お兄ちゃん>

<そこには…>

あれが

うそをついてる人間に見えるか?

少なくとも この1カ月

お前と飯山さんが

必死にやってきた努力に

うそ偽りは
なかったんじゃないのか?

はあ…

おう

<そして お父さんも茂木選手に
陸王を履いてもらうべく>

<ダイワ食品のグラウンドを
訪れていました>

茂木さん

初めまして
こはぜ屋の宮沢と申します

こはぜや?

ああ…

うちは 小さな足袋業者です

企業規模では アトランティスには
到底勝てませんが

コンセプトには自信があります

コンセプト?
はい

従来にはない 軽さと履き心地

そして ケガをしにくい
ランニングシューズ

それが 陸王です

茂木さん

私達に

あなたのサポートを
させてください

待っていてください

そのための新しい陸王

必ず完成させてみせますから

もし ほんとに
そんなシューズができるなら

履いてみたいですね

<良い靴なら たとえ
足袋屋の靴でも履いてもらえる>

<茂木選手の言葉に後押しされた
お父さん>

<シルクレイも完成まで あと一歩の
ところにきていました>

(安田)55から60

55から60

こい こい こい!

頼むぞ 頼むぞ

できた!

(歓声)

よ~し!

どうなの?
陸王 うまくいってる?

なかなか 一筋縄にはいかねえな

何で そこまで
茂木にこだわるの?

何でかな…
(茜)私は

毛塚選手の方がタイプだな

お前 知ってんのか?

ねえ 陸王
毛塚選手に履いてもらってよ

そしたら 私も応援行くからさ

(飯山)ああ… やっと形になったな

<こうしてシルクレイを使った>

<3代目陸王が完成しました>

軽い…
当たり前だよ

今までのもんとは
別もんだよ

問題は これを茂木選手が
履いてくれるかどうか

ですね

サポートできないって
どういうことですか!?

すまんな~
もう少し様子を見させてくれ

ケガなら もう大丈夫です
チームドクターからも許可は下りてます

茂木君 君がまたレースで
活躍できる日が来ることを

心から楽しみにしているよ

では失礼

(村野)私の見る限り
彼はもう十分に回復しています

サポートさせてもらえませんか?
ダメだ!

<使えなくなった選手は
容赦なく切る>

<営業部長・小原さんと対立する
シューフィッターの村野さん>

いつ潰れるかも分からん
選手のために

お前は一体 いくら
使うつもりなんだ?

お前らは そうやって
選手にいい顔して

ただ シューズを作ってるだけだから
そんな無責任なことが言えるんだ

お前のせいで
茂木のシューズにつぎ込んだ

金や時間が
全て無駄になったんだ!

アトランティスも落ちたな

辞めさせていただきます

こんにちは
(有村)お待ちしてました

今日はすいません
お時間いただいて

いえ ニュー陸王 私も
ぜひ見たいと思ってましたから

さあ どうぞ
実は今 来客中でして

お待たせしました

こちらは アトランティス
シューフィッター・村野さんです

こちらは行田市で足袋業者を
なさってる こはぜ屋の…

確か 宮沢さんでしたか

<アトランティスを辞めた
村野さんと>

<有村さんが引き合わせたのです>

<お父さんは陸王製作への思いを>

<村野さんに語りました>

まだ誰も見たことのないような
すごい靴を作りたい

そして それを まずは

茂木選手に
履いてもらいたいんです

どうして茂木に
そこまでこだわるんですか?

茂木選手の諦めない姿を見て

私も陸王を作ってみようと
決意したんです

私達こはぜ屋と 彼は

同じような気がして

もし茂木選手が
世界一のランナーを目指すなら

私は この陸王

世界一のランニングシューズにしたい

それが 私の夢なんです

宮沢さん その夢

私にも
手伝わせてもらえないだろうか?

<お父さんの思いにひかれ
村野さんという心強い味方が>

<こはぜ屋に
来てくれることになったんです>

お前には
謝らなきゃならん

アトランティスで 新しいシューズを
作ってやるって約束したのに

守れなくてすまない

もしかして
俺のせいですか?

俺のただの身勝手だよ

それより 今日は代わりに

違う靴を持ってきた

宮沢さん

えっ どうして?

今日のトライアルレース
その靴で走るのか?

はい そのつもりですけど

本当は
しっくりきてないんじゃないか?

走りを見れば それくらい分かる

やっぱかなわないな
村野さんには

(村野)さっ 全部
お前の足型に合わしてある

よかったら 足を入れてみないか?

うわっ 何だこれ

軽いだろ
はい ていうか裸足みたいですね

今のお前の走りには
このソールは最適なはずだ

気に入ったのがあったら
今日のトライアルで履いてみてくれ

はい

ハハッ すごいっすね
軽い…

≪On your marks

(スターターピストルが鳴る)

<陸王を履いた茂木選手の挑戦>

<部内レースが始まりました>

(村野)茂木は?

やっぱりブランクがたたってるか

<豊橋国際マラソンでの
ケガの影響からか>

<思うように
順位を上げられない茂木選手>

速い

いけーっ 茂木!

いけいけ いけっ!

茂木 頑張れーっ

走っていて

こんなに気持ちのいいシューズは
初めてです

宮沢社長
はい

もし僕でよければ

正式に

サポートしていただけませんか?

お願いします

もちろんです こちらこそ

小さな会社ですけど

こはぜ屋一丸となって

精いっぱい
あなたの力になりますから

どうぞよろしくお願いします

よろしくお願いします

佐山

茂木のサポート 取り返せ

<ついに茂木選手のサポートをする
ことが決まった こはぜ屋ですが>

<資金難は
いつも ついてまわる問題>

<そこへ
お父さんが新たな提案をします>

新製品を開発したい

(あけみ)新製品 また!?

新しい地下足袋
地下足袋!?

生ゴムのソールを
シルクレイにする

そうすることで この地下足袋

はるかに軽くて丈夫になる

賛成です!
俺 その地下足袋作りたいです

大地は?
顧問がやるっていうなら…

別にいいと思うけど
やるっきゃねえだろ

よーし みんなっ

よろしく頼みます!

(一同)はい!

社ちょ… 社長!
ヤス!

今 ナトリホームから電話があって

足軽大将 1000足の追加発注
いただきました

い~よっしゃ~!

<シルクレイを使用した地下足袋
足軽大将が大ヒット>

<当面の資金不足は
解消されたかに見えました>

<しかし 最年長の冨久子さんが
過労で倒れ>

ううっ!
やめろー!

よせ 大地 来るな!

離せ
顧問! 大丈夫ですか!?

<飯山さんが借金取りに襲われ
入院してしまいます>

(素子)命にかかわることは
ないそうですが

骨折と全身打撲で少なくとも

3週間は
入院が必要だと言われました

<こはぜ屋を襲った窮地>

<入院した飯山さんに代わって>

<シルクレイの責任者を
買って出たのは…>

俺がやるよ

全部
教えてもらったわけじゃないから

見よう見まねになるところも
あると思うけど

やるしかないだろ

<1週間で足軽大将 残り1000足の
納品が迫っていたのですが>

よし これでいける

よし! あとは時間との勝負ですね

<お兄ちゃんは見事に
飯山さんの代役を務めたのです>

<途中 シルクレイ製造機の
不具合に見舞われますが>

<お兄ちゃんを信じて
設計図を託してくれた>

<飯山さんの期待に応え>

<無事 納品の朝を迎えます>

直った!
よしよし… やったやった

大ちゃん よくやった
アンタは偉い!

あとは お願いします

<この日は お兄ちゃんの面接の日>

<ところが その直後…>

(安田)社長 これ

ソールに亀裂が
えっ?

<シルクレイ製造機の不具合が原因で>

<100足もの不良品が判明しました>

(携帯が鳴り)はい

シルクレイ製造機の
操作方法を教えてくれ

そんな簡単にできるかよ

大丈夫 とにかく お前の
帰る時間まで待ってられないんだ

じゃ メモメモ メモ出して

ダメです やっぱり微調整は顧問か
大ちゃんじゃないと難しいですね

納品は18時って言ってましたよね
間に合うんですか?

<視察に来ていた
融資担当・大橋さんからも迫られ>

<絶体絶命のこはぜ屋>

<その時…>

(富島)大ちゃん!

(あけみ・安田)大ちゃん!?

大地 お前 面接は?

こんなんで行ったって
受かるはずねえよ

俺がやるから

絶対 間に合わせる

最後まで やり遂げたいんだ

<お兄ちゃんは面接よりも
こはぜ屋を選んだんです>

よっしゃ~
じゃあ もうひと踏ん張りするか!

<自分の進路に迷っていた
お兄ちゃんが>

<シルクレイ製造を通じて
一歩前に進んだ瞬間でした>

しぶといだけが
うちの取りえなもので

<一丸となって危機を乗り越えた
こはぜ屋を見た大橋さんは>

以前 担当していた
タチバナラッセルという会社で

作っているものです

これ いいな ゲンさん

でも どうして

陸王には反対だったんじゃ?

こはぜ屋さんは

将来性のある会社だと

銀行員として そう判断しました

<初めて大橋さんから認められ>

<アッパー素材の会社を
紹介されるのです>

ありがとう 大橋さん!

<こうして改良を重ねた
4代目陸王が誕生>

<お父さん達は
ニューイヤー駅伝への出場が決まった>

<茂木選手へ届けに行きました>

これが 今の我々にできる
全てをつぎ込んだ

完全な陸王です

ぜひ試してみてください

<しかし 茂木選手のもとへは>

<大手アトランティス
契約を打診していました>

言ったはずですよ 俺が履く靴は…
ああ そうそう

<さらに
こはぜ屋の経営状況を伝え>

<揺さぶりをかけます>

君が期待している
その足袋屋

もうすぐ潰れるで

茂木さんが どんな決断をしても

俺達は 茂木裕人を応援する

迷惑かもしれないけど
俺達は もう

茂木選手を仲間だと思ってるから

だから 本当に納得のできる答えを

選んでほしいんです

こはぜ屋を信じてください

お願いします

<陸王か RⅡか>

<自分にとって
最高のシューズは どちらか>

<茂木選手は悩んでいました>

ねえ ゲンさん
うん?

おじいちゃんが作ったマラソン足袋の
ことを聞かせてほしいんだけど

ちょっと今 緊急事態なんだ
えっ?

明日 ニューイヤー駅伝に みんなで
茂木選手の応援に行くんだけど

乗ってくバンが借りられなくてね
ああ 茜ちゃんも行くかい?

ああ 私は毛塚ファンだから

(あけみ)ちょっと抑えといて
(米子)うん いくで

お願いします
はい

ねえ 米子さん
あっ お嬢

うちのおじいちゃんが マラソン足袋
作ろうと思った理由って…

悪いねんけど
今 正念場やねんか

茂木ちゃん 陸王履いてくれたら
ええねんけどな

大丈夫 私達の気持ちは
きっと届きますよ

うん 引っ張ってや
(一同)はい

(あけみ)せ~の
よっ えいっ!

もう何なのよ! みんな
茂木 茂木 茂木 茂木って!

落ちなくてよかった

ありがとうございます

(大川)取材 遅れるぞ 茂木!

えっ?

茂木!?

<うそっ かっこいい>

<そして>

<こはぜ屋にとっても
茂木選手にとっても 運命の日>

<ニューイヤー駅伝
始まろうとしていました>

<もちろん 茂木選手が
陸王を履いてくれる>

<可能性なんて
ほとんどありません>

<でも お父さん達は
茂木選手の応援に行ったんです>

茂木ちゃんが
陸王履く姿見なかったら

うちらの新年
始まんないんだもん

(小原)ああ これは これは

うちの選手を
応援していただけるとは

うちの?
あれ 聞いてないんですか?

彼のサポートを
再開しましてね

当然 今日も彼には RⅡを
履いてもらうことになってます

えっ
もう決まっちゃったんですか?

来ました

茂木ちゃん 履いてる

大丈夫
絶対 茂木ちゃん 陸王履いてる

<茂木選手の足には>

<みんなの期待した陸王ではなく>

<RⅡが>

まだ終わってないかも

(佐山)ちょっと茂木君
どういうつもりなんっ!?

うちのRⅡ履くって言ったよなっ!?

ええ だから履いて
ギリギリまで試してたんです

自分には どっちのシューズが
合っているか

君は アトランティスより あんな吹けば
飛ぶような足袋屋を選ぶんかっ!?

俺はただ いいシューズを履きたい
それだけです

ふざけんなっ
そんなもん認めへんぞ!

(村野)そこまでだ!

レースを前にした選手に 心ない
言葉をかけるのはやめなさい!

今 茂木としゃべっとんねん
部外者はどっか行けーっ!

それは違いますよ

あなたは今 私達のことを

吹けば飛ぶような足袋屋と
おっしゃいましたが

茂木選手が選んだのは
アトランティスではなく

その足袋屋の靴だ

部外者は あなたの方です

これ以上

うちのサポート選手の

邪魔をするのは
やめていただきたいっ!

嬉しいです

陸王を選んでもらって

こんな いいシューズをもらって

履かないわけにはいきませんよ

ありがとう

私達 こはぜ屋は

あなたを見捨てるようなことは
絶対しない

約束します

(あけみ)茂木ちゃーん!

(こはぜ屋一同)
茂木 いけーっ 頑張れー!

いけーっ 茂木!
茂木!

思いは…

一緒に走ってるから

はい

<そして ニューイヤー駅伝
スタートは切られました>

(毛塚)勝つ気あんの?

<茂木選手のいるダイワ食品は
好調なスタートをし>

<途中
アクシデントにも見舞われますが>

<6区の茂木選手へと
タスキをつなぎます>

さあ 俺達の陸王のデビュー戦だ!

(あけみ達)茂木ちゃ~ん!

茂木 頑張れよ!
(江幡)頑張れ!

ゴー! 茂木!

走れ!

陸王

<8位でタスキを受け取った
茂木選手は>

<次々と順位を上げていきます>

(実況)今 ダイワ食品の茂木裕人

並んで抜き去りました!
さあ この先

アジア工業の毛塚との差が
わずかになってきたか

茂木 いけ!

(実況)来ました!
茂木がここで来ました!

毛塚が後ろを振り返りました

(原)そうですよ
面白くなってきましたよ

これ 一気に
先頭まで出そうですね

(実況)箱根の山登りで…

いけ!
茂木!

(実況)社会人となって この両者が
初めて迎える この対決での

まさに
デッドヒートになりました

信じられません この茂木の走り
さあ 毛塚に並びかける

毛塚 毛塚に… 毛塚に並びかける

(安田)RⅡと真っ向勝負だ!

(あけみ)抜け~っ! 茂木!

抜け~っ!
抜け~っ!

<風を味方につけ>

<毛塚選手を一気に抜き去ります>

よ~し いいぞ いいぞ!

いけ いけ 茂木!
よし!

<見事 茂木選手が勝利し>

<これが 陸王
RⅡに勝った瞬間だったんです>

<そして
アンカーで待ち受けるのは>

<ベテラン 平瀬選手>

いけーっ!

いけーっ!

≪平瀬!
平瀬!

<この日が現役最後のレースとなる
平瀬選手を>

<仲間達は見守ります>

<ダイワ食品は2位でフィニッシュ>

<茂木選手は
区間賞を獲得しました>

陸王履いて
どんどん勝ちますから

今度は 俺が
こはぜ屋さんの力になりますから

どうぞ
これからも よろしくお願いします

<復活する選手もいれば
引退する選手もいます>

<この日
現役生活を終えた平瀬選手は>

<仲間にも告げず
寮を出ていこうとしていました>

お前ら 何で…

(加瀬)どれだけ一緒に
走ってきたと思ってるんですか

平瀬さんの考えてることぐらい
分かりますよ

(内藤)何も言わないで出ていく
なんて 水くさいじゃないですか

(端井)平瀬さん
今まで色々と教えていただいて

ありがとうございました

(一同)ありがとうございました

(水木)走るのやめても
平瀬さんは僕達の仲間ですから

だから こういうのは
嫌だって言ったんだよ

平瀬さん
最後に一緒に走りませんか?

(オリユク)ゴー 平瀬 ゴー!

ゴー!
ゴー!

もう引退してんだよ!

ゴー ゴー!
まだまだ走れるでしょ!

じゃあな またな!

バイバイ!
頑張ってください!

いつまでも走れるわけじゃない

だから今 全力で走れ

はい

<そして
お父さんは茂木選手の勝利で>

<陸王を商品化することを
決めるのですが なかなか売れず>

<さらには 大手シューズメーカー
アトランティスにも>

<目をつけられてしまいます>

☎(大橋)本気にさせましたね
アトランティス

(橘)こはぜ屋さんとの取引

3月までにしていただくと
いうわけにはいかないでしょうか

<アッパー素材を供給してくれていた
タチバナラッセルさんから>

<契約打ち切りを
通告されてしまうんです>

(小原)いや~ これはこれは

奇遇ですねえ

こはぜ屋さんも何か
タチバナラッセルさんと

お取引があるんですか?
我々は次のRⅡのアッパーに

こちらの素材を使わせて
いただくことになりましてね

まだ諦めませんよ

必ず
橘さんに代わる素材を見つけて

また陸王を作ります

陸王を RⅡに負けないような…

世界一のシューズを作りますから

失礼します

俺が探すよ

タチバナラッセルに代わる

アッパー素材

俺が絶対に見つけてみせる

<頑張れ お兄ちゃん>

<おじいちゃんが必死に作った
この陸王は>

<結局 売れずに失敗に終わった>

<前に お兄ちゃんが言っていた>

<どんなに頑張っても
ダメなことはあるって>

<ほんとに そうなのかな?>

<だったら この陸王
ない方が よかったのかな>

(安田)茜ちゃん
うん?

ちょっと相談があるんだけど…
うん?

美咲さんにプレゼント?

もうすぐ彼女の誕生日だから

ああ
それで どんなもんもらったら

嬉しいかなって 俺 女の子の
そういうの よく分かんないんだ

えっ もしかしてヤスさん
美咲さんのこと…

冨久子さんの代わりに必死に
頑張ってる美咲ちゃん見てたら

いつの間にかね でも 俺なんてさ

どんなに頑張っても
ダメなんだよな

そんなことないです 頑張れば
きっと 努力は報われます

私 ヤスさんの恋
全力で応援しますから

ほんと?
はい

うん よし こうなったら

きちんと告白して 気持ち伝えるわ

よし
よし!

あっ あっ…

美咲ちゃん!

あの

これ

えっ?

気に入ってもらえるかどうか
分かんないんだけど

美咲ちゃんのくれたもんなら

どんなもんでも
嬉しいに決まってるじゃないか

(美咲)だったら いいんだけど…

ありが…
これ

大地君に渡して

えっ?

えっ もしかして
美咲さん お兄ちゃんのこと…

うん 飯山さんの代わりに
必死に頑張ってる大地君 見てたら

いつの間にかね

でも どんなに頑張っても
ダメなものはダメだよね どうせ

あっ いや その…

ヤスさん どう思います?

おっおっ 俺? 俺は…

美咲ちゃんの恋
全力で応援するよ

ほんとに? ヤスさん味方だったら
すっごい心強い

うまくいくといいね
何かあったら俺に相談してね

ああ 俺 仕事の途中なんだった

ハハハハ 戻んなきゃ じゃあ…

<こはぜ屋にも
恋の嵐が吹き荒れてるなんて>

<知らなかった~
お父さん 鈍感だからな>

(非常ベル)

(足音)

大変です! 開発室が!

開発室!?
(美咲)早く!

<さて そんな中
またもや大事件が>

<こはぜ屋を襲うんです>

社長… すまねえ

ついに やっちまった

<陸王の要である
シルクレイ製造機が>

<炎上してしまうんです>

<この機械は
飯山さんが発明したもので…>

(村野)1億 ですか…

<そんな大金 どこにもないよね>

<シルクレイが作れず>

<アッパー素材もアトランティス
取られてしまって>

<お父さんも少し元気なさそう
さらに…>

シルクレイを
陸王を 諦めるということですか?

諦めるとは言ってません
しかし

銀行が金を
貸してくれない以上

もう どうすることも…

我々を信じて
陸王を履いてくれている

選手達を
茂木を見捨てるんですか!?

(村野)これ以上

ここで 私のやるべきことは
ありませんね

<村野さんが お父さんのもとから
離れてしまいます>

では 2時にお伺いします
よろしくお願いします

面接か どこだ?

別にどこだっていいだろ

うまくいったら
教えてやるよ

何だ その口の利き方は

そんな態度じゃ
一発で落とされるぞ

俺に当たんなよ
そんな辛気臭い顔見てたら

うまくいくものもいかなくなる

もういっぺん言ってみろ

誰が辛気臭いって!?
ああ 何度だって言ってやるよ

ちょっとうまくいかなかった
からって ウジウジすんなよ

ますます会社が暗くなんだろ
それでも社長かよ!?

偉そうなこと言うなっ!

大ちゃん
ほっとけ!

ただいま

あっ ビックリした

おどかすな

大地 こんなとこで寝るな!

風邪ひくぞ

お帰り
ああ ただいま

大地の奴 どうしたんだ?

酔っぱらって帰ってきて
そのまま寝ちゃった

またダメだったって

面接 今日はどこだったんだ?

面接?
うん

違うよ
ほら あの~ 何ていったっけ

アッパー素材? の会社に
交渉しにいってたみたい

えっ 知らなかったの?

ここ最近
ずーっとそうしてるみたいよ

(茜)きっと お兄ちゃんは

お父さんが陸王を諦めないって

信じてるんだよ

<お父さん お兄ちゃんは本気で
陸王に夢を見てたんだよ>

<だから 諦めないでほしい>

<お父さんの夢でもあるんでしょ>

う~ん うわっ

何やってんだよ 俺は!

坂本さん 言ってましたよね

銀行員が100人いたら 100人とも
この融資には反対するって

はい

だったら 101人目に
当たってみようと思う

うまくいくか分からない だけど

俺も こんなところで
終わりたくない

だから もう少しだけ

悪あがきさせてくれ

どうか このとおり

<そして 次の日>

<こはぜ屋の未来を
左右する提案が>

<坂本さんからされたのです>

会社を売りませんか?

御社を買収したいという
会社がございます

買収!?

その会社というのは…

Felix…

会社 売れって
本気じゃないよね 坂本さん

買収と聞くと
聞こえは悪いかもしれませんが

必ずしも そうとは限りません

考えてみてください
大手の資本系列になれば

少なくとも資金問題は解決します

また陸王
足軽大将を作れるようになるし

従業員の雇用だって安定する

会社の信用も増して…
買収は買収だろ!

冗談じゃない
傘下に入ったとしても

交渉次第では 社長を
続投することだってできます

検討する余地は
あるんじゃないでしょうか

俺に雇われ社長になれってのか
しかし 宮沢社長…

もういい! この こはぜ屋を
他人に渡すくらいなら

元の足袋屋に戻った方がマシだ

もう帰ってくれ!

<この時ばかりは
お父さんもつらそうでした>

<一番の理解者である
坂本さんまで去ってしまいました>

どうせ親父の代で
潰すつもりだったんだろ

だったら 陸王 続けられんなら

いっそのこと売っちまった方が
いいんじゃねえのかよ

本気で言ってんのか お前!
仕方ないだろ!

いい加減にしなよ!
そうやって いがみ合って

みんな バラバラになるんなら

陸王なんて
作らない方がよかったじゃん!

<私も ちょっと言いすぎました
お父さん ごめんね>

<でも 陸王
一番諦めたくないのは>

<お父さんなんだよね>

俺は こはぜ屋さんには
潰れてほしくありません

いつまで現役で
走れるかどうか分かりませんけど

また いつか

社長の作った
シューズを履ける日を

僕は楽しみにしてます

走らないか みんなで
(一同)はっ?

陸王の宣伝にもなるし
1億 出してくれるスポンサーが

見つかるかもしれないって
行田市民駅伝?

じゃあ チーム解散は?

うん それも考えた

でも その前に
みんなと走りたいんだ

ほんのわずかでも
陸王が誰かの目に留まって

道が開けるかもしれない

選手達の気持ちも
少しは分かるかもしれん

解散は そのあとでも遅くない

<こうして チーム陸王で>

<市民駅伝に
参加することになりました>

<お母さん 心配してたよ>

<ちゃんと4キロ
走り切れるのかって>

(一同)うわ~っ

昨日 練習中に
ひねっちゃって

大したことないと
思ったんですけど

朝になったら
こんなになっちゃって

バカだね お前は
こんなになるまで我慢して

すいません 肝心な時にすいません

仕方ない 今回は棄権しよう

また別のレースを
目標にすればいい なっ?

(坂本)
僕に走らせてもらえませんか

(あけみ)サカモっちゃん

会社に お電話したら
今日は皆さん こちらだと聞いて

居ても立ってもいられず つい

僕も走るのは
得意ではありませんが でも

一緒に走らせてもらえませんか

こはぜ屋!
ファイト!

陸王
(一同)ファイト オー!

(スターターピストルが鳴る)

いけー!

よしっ

美咲ちゃん ゴー

頑張って!
美咲ちゃん!

あけみさん マイペースでね

いけいけいけいけ!
頑張って!

あとは任せる
よっしゃー!

<お父さん達 チーム陸王は>

<10位入賞を目指して
タスキをつなぎます>

お願いします!

大地
親父

あと頼んだぞ

大地! 頑張れ!

頑張れ頑張れ! 大地っ 頑張れ

大ちゃん!

(美咲)
あと一人抜いたら入賞だよ!

大ちゃん あと一人!

大丈夫?

ごめん あと少しだったのに…

何言ってんの
そうだよ すげえよ大ちゃん!

入賞とかもう どうでもいいって!

そう よくやったよ 大ちゃん偉い

<目標の
10位入賞はならなかったものの>

<チーム陸王の絆を確かめあった>

<こはぜ屋一同でした>

(茜)惜しかったね~

でも 頑張ったわよ
お父さんも大地も

天国で おじいちゃんが
喜んでんじゃないかな

えっ おじいちゃんが?

前にね おじいちゃん
こっそり教えてくれたの

いつか 息子と一緒に
走るのが夢だったって

あの白い陸王もね

お父さんのために作ったんだって
えっ?

あのころ お父さん

こんな足袋屋なんか継げるかって
家出しちゃって

おじいちゃんと
仲が悪かったみたい

それって お兄ちゃんと同じだね

だけどね 本当は おじいちゃん

あの陸王を いつか二人で履いて

一緒に
同じゴールを目指したいって

そう思ってらしたみたい

その夢を

こうやって お父さんと
大地がかなえたんだもん

きっと 喜んでるわ おじいちゃん

お父さんも同じだと思うわよ

うん?

あなた達のために

陸王に挑戦してるんじゃないかな

<だから お父さんは
いくらつらいことがあっても>

<陸王を諦めないんだね>

<私は お父さんを
ずっと応援するよ>

<そんなお父さんは
陸王を続けるため>

<Felixの御園社長に
会うことを決めたんです>

御園社長
単刀直入にお聞きしますが

うちなんかを買収して 御社に
どんなメリットがあるんでしょうか?

(御園)一番 興味があるのは

御社の技術力です

シルクレイですね

そのとおりです

<御園社長の狙いは
飯山さんが持っている特許>

<シルクレイでした>

<シルクレイをFelixの
製品にも使えさえすれば>

<こはぜ屋の名前も
従業員の雇用も保証>

<さらに…>

もし 買収に
応じていただけるのであれば

すぐにでも 3億

出資する準備ができています

3億?

(御園)3億で足りなければ
追加も検討します

宮沢さん

うちには世界に通じる
マーケティング力があります

陸王の売り上げを 今の数十倍
いや

数百倍にだってすることができる

我々が一つになれば
あのアトランティスにも匹敵する

あるいは それ以上の存在にも
なれるはずです

宮沢社長

一緒にやりましょう

前向きに

話を進めたいと思います

どうか

よろしくお願いしますっ

こちらこそ

《うちと取り引きをしませんか?》

《悪い話ではなさそうですね》

あと一押しだな

<陸王を続けるために
こはぜ屋を売ること>

<もちろん
社員のみんなは反対でした>

<特に あけみさんは…>

私は
会社を売ることに賛成することは

絶対にない!

ちょっと みんな
まだ話終わってないって!

だったら どうすりゃいいんだよ

御園って男 どんな人間なんだ

自分の新しいボスに
なるかもしれねえ男が

どんな奴なのか
それが分からねえんじゃ

買収に賛成も反対もねえだろう

あけみちゃんや みんなだって
同じ気持ちだと思うぜ

<お父さんは 御園社長のことを
もっとよく知るために>

<再び 会うことにしました>

<そこで 意外な真実を
聞くことになります>

宮沢さんは
勘違いをしてらっしゃる

私は 何度も
挫折をしてきた人間なんですよ

<初めて働いた会社が買収され
起業を決意したこと>

<デザイナーである奥様を
ハリケーンで亡くしたことを>

<お父さんに話します>

Felixっていうのは
どういう意味なんですか?

Felixは

妻の命を奪った

ハリケーンの名前です

決して忘れられない

忘れてはいけない 私の原点です

壁にぶつかった時

Felixという名は

運命に挑戦し 勝ち抜くための

何か怒りのようなものを
かき立ててくれる

それが

私の原動力です

あなたは

すごい人ですね

《(あけみ)私にとって》

《この こはぜ屋が
第二の家なんだって》

《(あけみ)古いミシンだったり》

《先代が残してくれた
言葉だったり》

《そういう 値段のつけられない
ものにこそ価値があるの》

《失いたくない!》

《たとえ 家が変わったとしても》

《そこに住む家族が一緒なら》

《何も変わらないんじゃないか?》

《こはぜ屋っていうのは
みんなのことだ》

《みんながいれば》

《こはぜ屋は 生き続けるよ!》

(呼び出し中)

☎(坂本)はい
坂本さん

宮沢だけど…

Felixに会社を売る話

正式に お願いしたい

☎承知しました

これで また…

陸王が作れますね

ああ… ありがとう

[スピーカ]On your marks

《君がRⅡを
履いてくれるというなら》

アトランティス
ダイワ食品陸上部に》

《多少の支援をさせてもらう
用意がある》

《さて 茂木君》

《どうする?》

《今のお前に 一番最適なのは》

《このRⅡだ》

(スターターピストルが鳴る)

≪茂木 ファイト!

《(城戸)チャンピオンズカップに出るだと?》

《はい そこで結果を出せたら》

豊橋国際に出してください》

《このRⅡは 以前のものよりも
ずっとよくなってます》

《これなら 毛塚と渡り合えます》

《ああ 嬉しいな》

《また RⅡ履いてくれて》

《これで お前が負けても》

《シューズのせいには
できないからな》

(観客の声援)

これ 記録出たんじゃないすか?

これなら
フルマラソンもいけますよ

何で ダメなんですか!?

フォームもスタミナも問題
ありませんでしたよね

豊橋国際に
出させてください

チッ…

監督!

≪(小原)私が止めたんだ!

<茂木選手は
好成績を収めたにもかかわらず>

<フルマラソンへの出場を
許可されないでいました>

<アトランティスがはじき出した
データによると>

<フルマラソンを走ったとしても>

<よい成績が望めない>

<RⅡを履いての
失速を懸念したアトランティスが>

<ストップをかけたのです
さらに…>

(城戸)どうした?

今日の1万メートルで 毛塚が
お前の記録を塗り替えたそうだ

教えてくださいよ

俺の何がダメなんですか!?

俺と毛塚の
何が違うっていうんですか!?

毛塚

毛塚 毛塚 毛塚

お前 何見て走ってんだ?

そんなに聞きたいならな
はっきりと言ってやるよ

今のお前じゃ 毛塚には勝てん

あいつは お前の
はるか先を行く

天才だ

茂木君 大丈夫かな?

せめて 新しい陸王
届けてやれたらな

<茂木選手の力になりたいと願う
お兄ちゃんは>

<残された
最後のシルクレイを使った陸王を>

<茂木選手に届けるため>

<アッパー素材を提供してくれる
会社を探し回ります>

実績や規模では
今は かないませんが

決して 品質やコンセプトでは
負けてないと自負してます!

いつか 必ず 世界一の
シューズにするつもりです!

<そして…>

分かりました
お手伝いさせていただきます

ほんとに
よろしいんでしょうか?

5代目 陸王 できたよ

<シルクレイを使った陸王>

<最後の一足が完成し>

<こはぜ屋を離れたはずの
村野さんが戻ってきました>

完璧です

ありがとうございます
村野さん

茂木のためだよ
ありがとう 大地君

茂木のこと
ここまで気にかけてくれて

いいえ

みんなのおかげです

社長 早速 明日

茂木選手に陸王
届けてやってください

すまん 明日は大事な用があって
行けないんだ

Felixに行ってくる

そこで こはぜ屋を売るための

正式な手続きを進めようと思う

あけみさん ゲンさん

他にもまだ
納得のいかない人がいると思う

ほんとに 申し訳ない

だけど俺は

やっぱり…

陸王を諦めたくないんだ

一つは 茂木選手や

陸王を選んでくれた
他の選手のため

そして もう一つは

この こはぜ屋のためだ

そのことを今日
俺は改めて 確信した

ふがいない俺のせいで
バラバラになりそうな みんなが

たった一足の陸王を作るために

こんなにも力を合わせて
一つになってくれた

陸王
こはぜ屋のために必要なんだ!

会社は手放すけど

みんなのことは
絶対に俺が守るからっ

先代も 先々代も

みんな これを着て

必死で こはぜ屋を
守り抜いてきたっていうのに…

俺の代で

終わりです

(飯山)社長さんよ

ここまできて

アンタの覚悟を
惑わすつもりはねえんだが

ほんとに もう
手はねえのかい?

<そのころ 茂木選手は…>

佐山さん 毛塚の情報は
もういりませんから

諦めんのか?

いや

勝つためです

自分の走りをするためです

(ドアが開く)

(関口)社長 いらっしゃいました

(関口)コート お預かりします

失礼を承知で これを着て
あなたとお話がしたい

そう思いまして
承知しました

ステキな半てんですね

親父のお古です
(御園)ほおお

ですので ここ50年

こはぜ屋の酸いも甘いも
かみ分けた半てんです

そうですか どうぞ

宮沢さん 今日という日が
迎えられたこと

心から嬉しく思います

御園社長 実は…

申し訳ないっ

やはり 私は
会社を売ることはできません

御園社長
うちと業務提携しませんか?

業務提携?
はい

弊社から 御社の商品に使用する
シルクレイを

独占的に供給させていただく

そういう契約で
いかがでしょうか?

御園社長 うちを
支援していただけないでしょうか

支援?
そうです

どんな形でも結構です

考えていただけませんか?

その提案には応じかねる

宮沢さん
陸王を継続したいんですよね?

はい

何としても
陸王を成功させたい

それは 御社の傘下に入れば

簡単なのかもしれない
そう 簡単なんです

簡単なんですよ
それのどこが…

その簡単さが 私を迷わせるんです

たかが足袋ですが
100年作り続けてきた

こはぜ屋ののれんは
そんなに軽いもんじゃない

過去に縛られて どうするんですか

坂本さん

今日の提案をすることにして
坂本さんが

徹夜で 御社のことを
調べてくれました

御社は わずか数年の短期間で
急成長を遂げ

世界に通用する大企業となった

御園社長の経営手腕は
お見事です

しかし そのグループのほとんどは

買収によって
子会社化したものですよね

何かが足りない
じゃあ買ってこい

それが あなたのやり方だ

そうやって
必要なものを飲み込んで

Felixは
大きく成長してきたんでしょう

ただ あなたにとって買収は
日常でも

うちにとっては
一世一代の転機で

社員達の人生を左右する
大問題なんです

こはぜ屋を この中の一つに
するわけには いかないんです

こはぜ屋100年ののれんに

値段を
つけることなんてできませんっ

御園社長 うちを
支援していただけませんか?

融資なんて つまらない

それなら
独自で開発した方がマシですっ

確かに それができれば
御社にとってはベストでしょう

ですが

できるんですか?

もう結構!

この話は
なかったことにしましょう

御社は 大変なチャンスを
逃したことになりますよ

後悔しても その時は遅い!

失礼する
バカにしないでくれ!

確かに うちには
設備投資をする資金は 今はない

ですが シルクレイを
供給してほしいというニーズは

他にも必ずあるはずです

それを 我々は必ず探し出します

その時 後悔されるのは

あなたの方だ!

山崎選手が?
ああ

全治半年のケガで 世界陸上への
出場は絶望的だそうだ

陸連は
その空いた枠への有力候補を

次の豊橋国際マラソンの
優勝者と考えてるらしい

茂木!

豊橋国際へ出ろ

<豊橋国際マラソン>

<そう 茂木選手がケガをし>

<お父さんが陸王を作ることを
決意したレース>

(城戸)お前の走りで
世界への切符をつかんでこい!

ありがとね
おじいちゃん

陸王
うまくいくといいね